JP2004255538A - ワイヤソー及びワイヤのテンション制御方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】加工用ローラ11,12,13に対するワイヤ14の送り込み側及び送り出し側にテンション調節装置23A,23Bを設ける。加工用ローラ11〜13の軸線方向における各加工位置でワイヤ14に対するワーク21の接触圧が均一になるように、各テンション調節装置23A,23Bを別々に制御するための制御装置を設ける。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、ワイヤを使用して、半導体材料、磁性材料、セラミック等の硬脆材料よりなるワークに切断等の加工を施すワイヤソー、及びそのワイヤソーにおけるワイヤのテンション制御方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、この種のワイヤソーにおいては、1本のワイヤの両端部がそれぞれ巻取りリールに巻き付けられるとともに、そのワイヤが複数の加工用ローラ間に所定ピッチで螺旋状に巻回されている。そして、加工用ローラ及び巻取リールの回転により、加工用ローラ間でワイヤが走行されながら、そのワイヤ上に遊離砥粒を含むスラリが供給される。この状態で、ワイヤに対しワークが押し付け接触されて、ワークに対して切断加工が施されるようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
そして、一般にワイヤソーでは、加工用ローラと両巻取リールとの間にテンション調節装置が設けられ、加工用ローラに対するワイヤの送り込み側と送り出し側とにおいて、ワイヤのテンションが同一となるように調節制御されていた。
【0004】
このように、ワイヤのテンションが調節された場合には、図3に示すように、加工用ローラの軸線方向の異なる加工位置において、ワイヤに対するワークの接触圧が不均一になるものであった。すなわち、加工用ローラの一端側からワイヤが送り込まれて、他端側からワイヤが送り出されているとき、加工位置が加工用ローラの軸線方向に沿ってワイヤの送り込み側から送り出し側に移行するのにともなって、ワイヤに対するワークの接触圧が次第に低下した。このため、加工用ローラの軸線方向における加工位置の全域に亘ってワークを同一精度に加工することができないという問題があった。
【0005】
この発明は、このような従来の技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的は、加工用ローラ軸線方向における各加工位置でワイヤに対するワークの接触圧を均一にすることができて、加工位置の全域に亘ってワークを高精度に加工することができるワイヤソー、及びそのワイヤソーにおけるワイヤのテンション制御方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、複数の加工用ローラ間に巻回されたワイヤを走行させながら、そのワイヤに対してワークを接触させて、切断加工を施すようにしたワイヤソーにおいて、前記加工用ローラに対するワイヤの送り込み側及び送り出し側にテンション調節手段を設け、加工用ローラの軸線方向における各加工位置でワイヤに対するワークの接触圧が均一になるように、各テンション調節手段を別々に制御するための制御手段を設けたことを特徴とするものである。
【0007】
従って、この請求項1に記載の発明によれば、加工用ローラの軸線方向における各加工位置でワイヤに対するワークの接触圧を均一にすることができる。よって、加工用ローラの長さ方向における加工位置の全域に亘って、ワークを高精度に加工することができる。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記各テンション調節手段が、ワイヤのテンションを検出する検出手段と、その検出手段の検出結果に基づいてワイヤのテンションを加減するトルクモータを含むテンション加減手段とよりなることを特徴とするものである。
【0009】
従って、この請求項2に記載の発明によれば、ワークの加工中に、加工用ローラに対するワイヤの送り込み側及び送り出し側において、ワイヤのテンションを検出しながら、その検出結果に基づいて遅れが生じることなくテンションを加減することができる。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の発明において、前記ワイヤの送り込み側及び送り出し側のテンションを予め記憶する記憶手段を設けたことを特徴とするものである。
【0011】
従って、この請求項3に記載の発明によれば、ワイヤの送り込み側及び送り出し側のテンションを予め設定しておいて、その設定値に基づいてテンション調節を容易に行うことができる。
【0012】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜請求項3のうちのいずれか一項に記載の発明において、前記制御手段は、ワークの加工が進行するのにともなって、ワイヤの送り込み側及び送り出し側のテンションを変更制御することを特徴とするものである。
【0013】
従って、この請求項4に記載の発明によれば、特にワークの加工開始時及び加工終了時において、加工精度が低下するのを抑制することができて、ワークを加工開始から終了まで高精度に加工することができる。
【0014】
請求項5に記載の発明は、複数の加工用ローラ間に巻回されたワイヤを走行させながら、そのワイヤに対してワークを接触させて、切断加工を施すようにしたワイヤソーのワイヤのテンション制御方法において、前記加工用ローラ間の各加工位置でワイヤに対するワークの接触圧が均一になるように、加工用ローラに対するワイヤの送り込み側及び送り出し側のテンションを別々に調節制御することを特徴とするものである。
【0015】
従って、この請求項5に記載の発明によれば、請求項1に記載の作用と同様の作用を得ることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下に、この発明の一実施形態を、図面に基づいて説明する。
図1に示すように、このワイヤソーにおいては、3本の加工用ローラ11,12,13が平行に配設され、それらの外周に所定ピッチで形成した多数の環状溝(図示しない)には1本のワイヤ14が巻回されている。そして、これらの加工用ローラ11〜13がローラ回転用モータ15にて回転されることにより、加工用ローラ11〜13間においてワイヤ14が走行される。このワイヤ14の走行は、一定量前進及び一定量後退を繰り返して、全体として歩進的に前進するようになっている。
【0017】
前記加工用ローラ11〜13の両端に対応するように一対の巻取リール16A,16Bが配置され、これらの巻取リール16A,16Bにはワイヤ14の両端部が巻き付けられている。そして、これらの巻取リール16A,16Bがリール回転用モータ17A,17Bにて回転されることにより、複数の案内ローラ29を介していずれか一方の巻取リール16A,16Bから加工用ローラ11〜13上にワイヤ14が送り込まれる。それとともに、加工用ローラ11〜13上から他方の巻取リール16B,16Aにワイヤ14が送り出されるようになっている。
【0018】
前記加工用ローラ11〜13間のワイヤ14の上方には、一対のスラリ供給パイプ18が配設されている。そして、スラリ供給用ポンプ19がポンプモータ20にて回転されることにより、これらのスラリ供給パイプ18から加工用ローラ11〜13間のワイヤ14に、遊離砥粒を含むスラリが供給されるようになっている。
【0019】
前記加工用ローラ11〜13間のワイヤ14の上方には、硬脆材料よりなるワーク21が図示しないワーク支持機構を介して昇降可能に対向配置されている。そして、ワイヤ14が走行されるとともに、スラリ供給パイプ18からワイヤ14上にスラリが供給されながら、図2に示すワーク送り移動用モータ22にて、ワーク21が下方に送り移動される。これにより、ワーク21がワイヤ14に押し付け接触されて、スライス状に切断加工されるようになっている。
【0020】
図1に示すように、前記加工用ローラ11〜13と両巻取リール16A,16Bとの間には、テンション調節手段としての一対のテンション調節装置23A,23Bが配設されている。各テンション調節装置23A,23Bは、ワイヤ14のテンションを検出する検出手段としての検出センサ24A,24Bと、その検出センサ24A,24Bの検出結果に基づいて、ワイヤ14のテンションを加減するテンション加減手段としてのテンション加減機構25A,25Bとより構成されている。前記検出センサ24A,24Bは、各テンション加減機構25A,25Bと加工用ローラ11〜13との間の1つの案内ローラ29に作用するテンション負荷を検出するもので、例えばロードセルよりなる。
【0021】
前記各テンション加減機構25A,25Bは、トルクモータ26A,26Bにより回動されるダンサアーム27A,27Bと、それらのダンサアーム27A,27Bの先端に回転可能に支持されたダンサローラ28A,28Bとから構成されている。そして、加工用ローラ11〜13とリール16A、16Bとの間において、これらのテンション加減機構25A,25Bのダンサローラ28A,28Bにワイヤ14が掛装されている。この状態で、加工負荷の変動等に起因するワイヤ14の張力変動にともなってトルクモータ26A,26Bの定トルク制御によりダンサアーム27A,27Bが回動変位される。そして、ダンサアーム27A,27Bの回動変位によりダンサローラ28A,28Bが上下動されることで、ワイヤ14に所定のテンションが付与されるようになっている。そして、トルクモータ26A,26Bの各設定トルク値を変化させることにより、ワイヤ14の送り込み側及び送り出し側のテンションが調節されるようになっている。
【0022】
次に、前記のように構成されたワイヤソーの制御構成について説明する。
図2に示すように、制御手段としての制御装置31は、記憶手段としてのメモリ32に記憶されたプログラム及び各種データに基づいて、ワイヤソー全体の動作を制御する。また、制御装置31は、ワーク21の加工に先立って入力装置33から、加工用ローラ11〜13に対するワイヤ14の送り込み側及び送り出し側のテンションが予め入力設定されたとき、それらのテンションの設定値をメモリ32に記憶させる。
【0023】
この場合、ワイヤ14の送り込み側及び送り出し側のテンションは、加工用ローラ11〜13の軸線方向における各加工位置でワイヤ14に対するワーク21の接触圧が均一になるように、例えば送り出し側が送り込み側よりも高くなるように入力設定される。また、このワイヤ14の送り込み側及び送り出し側のテンションは、ワーク21に対する加工の進行にともなって、ワーク21の加工開始時及び加工終了時では加工途中よりも高くなるように、3段階に変更して入力設定される。
【0024】
さらに、制御装置31は、ワーク21の加工運転が進行するに従って、メモリ32に記憶された加工開始時、加工途中及び加工終了時におけるワイヤ14の送り込み側及び送り出し側のテンション設定値を順に読み出す。そして、これらのテンション設定値に基づいて、ワイヤ14の送り込み側及び送り出し側の各テンション調節装置23A,23Bを別々に制御する。この場合、各テンション調節装置23A,23Bでは、検出センサ24A,24Bによりワイヤ14のテンションを検出し、その検出結果がテンション設定値と一致するように、トルクモータ26A,26Bの各設定トルク値を変化させて、ワイヤ14のテンションを調節する。
【0025】
次に、前記のように構成されたワイヤソーの動作を、図6のフローチャートに従って説明する。
さて、このワイヤソーにてワーク21に対する加工運転が開始されると、メモリ32から加工開始時におけるワイヤ14の送り込み側及び送り出し側のテンション設定値が読み出され(ステップS1)、それらの設定値に基づいてテンション調節装置23A,23Bがそれぞれ制御される。すなわち、各テンション調節装置23A,23Bにおいては、検出センサ24A,24Bによりワイヤ14のテンションが検出され、その検出値がテンション設定値と一致するか否かが判別される(ステップS2)。
【0026】
この判別において、検出値と設定値とが一致しない場合には、トルクモータ26A,26Bの設定トルク値が変化される。これにより、ダンサアーム27A,27Bが回動変位されてダンサローラ28A,28Bの位置が上下動されることで、ワイヤ14のテンションが調節される(ステップS3)。その後、ワーク21が加工開始位置を経て所定位置(所定の切込み深さ)まで加工されたか否かが判別され(ステップS4)、所定位置まで加工される間は、前記ステップS2に戻ってステップS2〜S4の動作が繰り返し行われる。
【0027】
そして、このワーク21の加工開始時においては、ワイヤ14の送り込み側及び送り出し側のテンションが加工途中のテンションよりも高い値に設定され、ワイヤ14に対してワーク21が加工途中よりも高い接触圧で接触される。このため、図4に示すように、ワーク21の切断加工開始部の溝幅が広くなるおそれを抑制して高精度加工を達成できる。ちなみに、加工開始時にワイヤ14に対するワーク21の接触圧が低い場合、ワイヤ14に振れが発生して、ワーク21の切断加工部の溝幅が広くなる。
【0028】
また、ワーク21の加工の場合には、前記ワイヤ14の送り出し側のテンションが送り込み側のテンションよりも高い値に設定される。このため、図3に示すように、加工用ローラ11〜13の軸線方向に沿って加工位置がワイヤ14の送り出し側に移行するのにともなって、ワイヤ14に対するワーク21の接触圧が次第に低下するという従来の現象が是正され、その接触圧を均一にすることができる。なお、ワイヤ14は、その走行方向が一定時間ごとに入れ替わって、送り込み側と送り出し側とが反転するが、この反転ごとにワイヤテンションの高低も入れ替わる。
【0029】
さらに、このワーク21の加工開始時において、ワイヤ14のテンションが加工途中よりも高くなるように設定された場合には、そのテンションの設定値に応じて、スラリ供給用ポンプ19のポンプモータ20が回転制御され、スラリ供給パイプ18からのスラリの供給量が減少される。このため、ワーク21が過度に加工されるおそれを抑制することができる。
【0030】
次に、前記ステップS4の判別において、ワーク21が所定位置まで加工されると、メモリ32から加工途中におけるワイヤ14の送り込み側及び送り出し側の低めのテンション設定値が読み出され(ステップS5)、それらの設定値に基づいてテンション調節装置23A,23Bが制御される。この場合にも、各テンション調節装置23A,23Bにおいて、検出センサ24A,24Bによりワイヤ14のテンションが検出され、その検出値がテンション設定値と一致するか否かが判別される(ステップS6)。
【0031】
この判別において、検出値と設定値とが一致しない場合には、トルクモータ26A,26Bの設定トルク値が変化される。これによりダンサアーム27A,27Bが回動変位されてダンサローラ28A,28Bの位置が上下動されることで、ワイヤ14のテンションが調節される(ステップS7)。その後、ワーク21が加工終了直前位置まで加工されたか否かが判別され(ステップS8)、その位置まで加工される間は、前記ステップS6に戻ってステップS6〜S8の動作が繰り返し行われる。
【0032】
このワーク21の加工途中においても、前記ワイヤ14の送り出し側のテンションが送り込み側のテンションよりも高い値に設定される。このため、図3に示すように、加工用ローラ11〜13の軸線方向における各加工位置で、ワイヤ14に対するワーク21の接触圧を均一にすることができて、ワーク21を高精度に加工することができる。
【0033】
続いて、前記ステップS8の判別において、ワーク21が加工終了直前位置まで加工されると、メモリ32から加工終了時におけるワイヤ14の送り込み側及び送り出し側の高めのテンション設定値が読み出され(ステップS9)、それらの設定値に基づいてテンション調節装置23A,23Bが制御される。この場合にも、各テンション調節装置23A,23Bにおいて、検出センサ24A,24Bによりワイヤ14のテンションが検出され、その検出値がテンション設定値と一致するか否かが判別される(ステップS10)。
【0034】
この判別において、検出値と設定値とが一致しない場合には、トルクモータ26A,26Bの設定トルク値が変化されることにより、ワイヤ14のテンションが調節される(ステップS11)。その後、ワーク21の加工が終了したか否かが判別され(ステップS12)、加工が終了するまでの間は、前記ステップS10に戻ってステップS10〜S12の動作が繰り返し行われる。そして、ワーク21の加工が終了したとき、ワイヤソーの運転が停止される。
【0035】
また、このワーク21の加工終了時においても、前記加工開始時と同様に、ワイヤ14の送り込み側及び送り出し側のテンションが加工途中のテンションよりも前述した高い値に設定され、ワイヤ14に対してワーク21が加工途中よりも高い接触圧で接触される。このため、図5に示すように、加工終了位置付近でワイヤ14によるワーク21の加工長さLが短くなったとき、ワイヤ14の振れ等の妄動を抑制できる。すなわち、ワイヤ14に対するワーク21の接触圧が低い場合には、加工終了位置付近でワイヤ14に振れが発生するおそれがある。
【0036】
さらに、このワーク21の加工終了時においても、前記加工開始時と同様に、ワイヤ14のテンションが加工途中よりも高くなるように設定されるため、そのテンションの設定値に応じて、ポンプモータ20の回転制御により、スラリ供給パイプ18からのスラリの供給量が減少される。よって、ワーク21が過度に加工されるおそれを抑制することができる。
【0037】
従って、この実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1) このワイヤソーにおいては、加工用ローラ11,12,13に対するワイヤ14の送り込み側及び送り出し側にテンション調節装置23A,23Bが設けられている。加工用ローラ11〜13の軸線方向における各加工位置でワイヤ14に対するワーク21の接触圧が均一になるように、各テンション調節装置23A,23Bを別々に制御するための制御装置31が設けられている。
【0038】
このため、加工用ローラ11〜13の軸線方向における各加工位置の全域に亘って、ワーク21に対して均一な精度で加工を施すことができ、結果としてワーク21を高精度に加工することができる。
【0039】
(2) このワイヤソーにおいては、前記各テンション調節装置23A,23Bが、ワイヤ14のテンションを検出するセンサ24A,24Bと、そのセンサ24A,24Bの検出結果に基づいてワイヤ14のテンションを加減するトルクモータを含むテンション加減機構25A,25Bとより構成されている。このため、ワーク21の加工中に、加工用ローラ11〜13に対するワイヤ14の送り込み側及び送り出し側において、ワイヤ14のテンションを検出しながら、その検出結果に基づいて、時間的遅れを生じることなくテンションを有効に加減することができる。
【0040】
(3) このワイヤソーにおいては、前記制御装置31により、ワーク21の加工の進行にともなって、ワイヤ14の送り込み側及び送り出し側のテンションが自動的に変更制御されるようになっている。このため、例えば、ワーク21の加工開始時及び加工終了時において、加工精度が低下するのを抑制することができて、ワーク21を加工開始から終了まで高精度に加工することができる。
【0041】
(4) このワイヤソーにおいては、前記制御装置31により、ワーク21の加工の進行にともなって、ワイヤ14のテンションが変更制御されるとき、そのテンションの変更に応じて、ワイヤ14に対するスラリの供給量が調整制御されるようになっている。このため、ワーク21の加工開始時や加工終了時において、ワイヤ14のテンションが高くなるように変更されたときには、スラリの供給量が減少されて、ワーク21が過度に加工されるおそれを抑制することができる。逆にワイヤ14のテンションが低いときにおける切断不足を解消することが可能になる。
【0042】
(変更例)
なお、この実施形態は、次のように変更して具体化することも可能である。
・ 前記実施形態において、テンション調節装置23A,23Bの構成を任意に変更すること。例えば、ダンサアーム27A、27Bにソレノイド等の直動アクチュエータを連結して、そのアクチュエータの動作によりワイヤテンションを調節すること。
【0043】
・ 前記実施形態では、この発明をワイヤ14が歩進的に移動するワイヤソーに実施したが、ワイヤ14が一方向に連続移動するワイヤソーにおいてこの発明を具体化すること。なお、ワイヤ14が一方向に連続移動するワイヤソーは、ワイヤ14のほぼ全長が一方のリール16A、16Bに巻き取られると、ワイヤ14の走行方向が反転される。
【0044】
【発明の効果】
以上、実施形態で例示したように、この発明においては、加工用ローラの軸線方向における各加工位置でワイヤに対するワークの接触圧を均一にすることができる。よって、加工用ローラの長さ方向における加工位置の全域に亘って、ワークを高精度に加工することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施形態のワイヤソーを示す斜視図。
【図2】図1のワイヤソーの制御構成を示すブロック図。
【図3】加工位置におけるワイヤのテンション状態を示す説明図。
【図4】ワイヤによるワークの加工開始時の状態を示す部分断面図。
【図5】ワイヤによるワークの加工終了時の状態を示す断面図。
【図6】図1のワイヤソーの動作を示すフローチャート。
【符号の説明】
11,12,13…加工用ローラ、14…ワイヤ、15…ローラ回転用モータ、16A,16B…巻取リール、21…ワーク、23A,23B…テンション調節手段としてのテンション調節装置、24A,24B…検出手段としての検出センサ、25A,25B…テンション加減手段としてのテンション加減機構、26A,26B…トルクモータ、27A,27B…ダンサアーム、28A,28B…ダンサローラ、31…制御手段としての制御装置、32…記憶手段としてのメモリ。
Claims (5)
- 複数の加工用ローラ間に巻回されたワイヤを走行させながら、そのワイヤに対してワークを接触させて、ワークに切断加工を施すようにしたワイヤソーにおいて、
前記加工用ローラに対するワイヤの送り込み側及び送り出し側にテンション調節手段を設け、加工用ローラの軸線方向における各加工位置でワイヤに対するワークの接触圧が均一になるように、各テンション調節手段を別々に制御するための制御手段を設けたことを特徴とするワイヤソー。 - 前記各テンション調節手段が、ワイヤのテンションを検出する検出手段と、その検出手段の検出結果に基づいてワイヤのテンションを加減するトルクモータを含むテンション加減手段とよりなることを特徴とする請求項1に記載のワイヤソー。
- 前記ワイヤの送り込み側及び送り出し側のテンションを予め記憶する記憶手段を設けたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のワイヤソー。
- 前記制御手段は、ワークの加工が進行するのにともなって、ワイヤの送り込み側及び送り出し側のテンションを変更制御することを特徴とする請求項1〜請求項3のうちのいずれか一項に記載のワイヤソー。
- 複数の加工用ローラ間に巻回されたワイヤを走行させながら、そのワイヤに対してワークを接触させて、切断加工を施すようにしたワイヤソーにおいて、
前記加工用ローラの軸線方向における各加工位置でワイヤに対するワークの接触圧が均一になるように、加工用ローラに対するワイヤの送り込み側及び送り出し側のテンションを別々に調節制御することを特徴とするワイヤのテンション制御方法。
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