JP2004255466A - ロウまたはハンダ材料の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ロウまたはハンダ材料の濡れ性をフラックスを用いることなく効果的に向上させることができるようにしたロウまたはハンダ材料およびその製造方法とする。
【解決手段】 ハンダ材料の製造時にハロゲン化合物を混合し、あるいは成形ハンダ材料の表面への成膜や表面のハロゲン化処理する。ハンダ材料の製造に際して溶融ハンダにハロゲン化合物を添加し、あるいは加工されたハンダ材料の表面にハロゲン化合物の被膜を形成し、また加工されたハンダ材料の表層面をハロゲン化処理によりハロゲン化合物層とする。被膜あるいは表面処理は乾式あるいは湿式のいずれの方法でもよい。
【選択図】 図1


Description

本発明はロウまたはハンダ材料およびその製造方法に係り、特にリードフレーム等の接合に用いるのに好適なロウまたはハンダ材料およびその製造方法に関する。
ロウは母材より低い融点の金属または合金を加熱溶融させて、母材間の隙間に満たして母材同士の接合に用いられており、特に複雑で精密な部品の接合ができること、異種金属の接合ができること、母材への影響が少ないことなどから、電子機器に広く利用されている。このロウまたはハンダ材料の中で、ハンダは錫と鉛を主成分としているものが多く、導電性が要求される電子機器のリードフレーム接合に多用されている。ハンダは一般に強度よりも導電性が主体に考えられ、特に母材に対する濡れ性が高いことが要求されている。
ところで、ハンダ接合時におけるハンダの濡れ性は母材表面の酸化被膜が大きな影響を与え、特開平5−304235号公報にはニッケルメッキされたリードフレームの表面にNiO2被膜が濡れ性を低下させる原因であることが提示され、また、特開平7−164136号公報にはアルミニウムのロウに際しての酸化被膜によるロウ性の低下が示され、更に特許第2527278号公報には被ハンダ材料の表面酸化錫がハンダ濡れ性を低下させることが明示されている。そして、これらのいずれもがその改善策として母材すなわち被接合部材の接合表面の改質による手段によって行おうとしている。
しかし、母材側の表面処理は既に回路基板に組込まれているリードフレーム等を対象とするものの、回路そのものやそのパッケージを改質処理に晒さなければならず、プラズマ処理等の高温度条件にて行う場合には回路素子の損傷防止対策等の各種の設備負担が極めて大きくなる欠点があった。
また、母材の酸化被膜を除去するために、フラックスが用いられているが、電子機器のリード等の接合のために非腐食系のフラックスを用いた場合でも、フラックス塗布に伴う周辺機材の汚染などの問題を生じてしまう問題がある。
さらには、ハンダ付け工程の前にフラックスを塗布しなければならないという工程上の制約があった。
なお、ハロゲン分を含んだフラックスを用いてハンダ付け等を行う例が見られるが、一般的にはハンダ付けの後に残留フラックスの洗浄を必要となる。また、ハンダ付けの後に残留フラックスの洗浄を行わない場合もあるが、この場合はハロゲン分が少ないフラックスを用いてハンダの濡れ性を犠牲にするか、ハンダの濡れ性を確保するため、ハロゲン分が多いフラックスを用いて、残留フラックスの中のハロゲン成分に起因するマイグレーション発生の危険を犯すことになる。
本発明は、ロウまたはハンダ材料の濡れ性をフラックスを用いることなく効果的に向上させることができるようにしたロウまたはハンダ材料およびその製造方法を提供することを目的としている。
本発明は母材表面の改質の観点を転換し、フラックスを用いることなく、接合主体材料としてのロウまたはハンダ材料そのものに母材との濡れ性改善機能を持たせるようにすればよいとの観点でなされたものである。
すなわち、本発明に係るロウまたはハンダ材料は、母材接合用のロウまたはハンダ材料の素材に10ppm〜10%のハロゲン化合物を分散させて形成したことを特徴としている。また、母材接合用のロウまたはハンダ材料本体の表面にハロゲン化合物をコーティングし、あるいは母材接合用のロウまたはハンダ材料本体の表面をハロゲン化処理をなして表層部をハロゲン化合物置換層となすように構成してもよい。これらの場合において、前記ハロゲン化合物はフッ素または塩素化合物であることが望ましい。
また、ハロゲン化物を分散させた原料を用いて、不活性ガス雰囲気中で製造することを特徴とする。
また、ハロゲン化合物ガス雰囲気中で製造することを特徴とする。
ロウ材料またはハンダ材料にハロゲン化合物を添加分散して製造し、あるいは糸状や棒状に成形されたロウ材料またはハンダ材料の表面部にハロゲン化合物をコーティングし、または直接ロウ材料またはハンダ材料の表層部をハロゲン化処理した構成とし、これを用いてロウ付けあるいはハンダ付けを加熱下において行うと、非接合部材の表面に形成されている酸化被膜の酸素とハロゲンとの置換がなされ、例えばハンダメッキされているリードフレームの表層面に形成されている酸化錫(SnO)がハロゲン化合物(SnFx)に置換される。これによりロウ材料またはハンダ材料の濡れ性が改善される。また、このようなハロゲン化合物はロウ材料またはハンダ材料自体の再酸化が防止されるため、ロウ材料またはハンダ材料の長期保管が可能となる。
以下に本発明の好適な実施形態を詳細に説明する。
実施形態としては、ハンダ材料を製造する際に、ハンダ素材そのものにハロゲン化合物を混入分散させて成形する場合、またハンダ材料の成形品表面にハロゲン化合物の被膜を形成する方法、あるいはハンダ材料の成形品に対してその表層部をハロゲン化合物層に改質する方法、等が考えられる。
まず、ハンダ素材そのものにハロゲン化合物を混入分散させて成形する方法は次のように構成すればよい。ハンダ材料は一般に錫と鉛を主成分としているものが多く使用されているが、母材接合用のロウまたはハンダ材料の素材にハロゲン化合物を添加して製造する。これはハンダ材料の素材の溶融液中にハロゲン化合物を添加し分散させて成形し、あるいは適当なバインダを用いてクリーム状に形成する。
このようなハンダ製造例を図1に示す。図1に示しているように、ヒータ10で加熱炉12を350℃以上に加熱する。ここにハンダ材料14の原料である錫(約60%)と、鉛(約40%)を入れながら、フッ化錫(フッ化第1錫:SnF2(融点210℃))などのハロゲン化合物16を添加する。フッ化錫の添加量は錫+鉛に対して重量比0.5%である。
ヒータ10の温度は、錫と鉛の混合比によって融点が変動するため、任意に変更できるようにしている。また、この時の雰囲気は、空気中では酸化されるために、窒素雰囲気とした。真空中でも可能であるが、その場合は蒸気として蒸発しないように配慮する必要がある。
このようなハンダ材料を製造する場合には、加熱を長くするとフッ素が蒸発してしまうため、すばやい混合処理および冷却処理が必要である。添加材としてのハロゲン化合物としては、フッ化鉛、フッ化錫等の粉体、あるいはフッ酸、塩酸等の液体を用いることができる。添加量は、用途あるいはハンダ材の種類、付ける対象物の材質にもよるが、数10ppmから10%程度が望ましい。10ppm以下では、ハンダ材料そのものにハロゲン化物を分散させるため、実際に寄与する表面のハロゲン量は非常に少なく、ハンダやロウ付け性を向上させる能力が得られないからである。また、10%以上にすると、大量にハロゲンを含ませることとなり、特にこのハロゲン化塩が水溶性の場合、多湿条件で製品に腐食が見られる。これにより、製品に結露した水に溶解したハロゲンイオンの影響で前記水が導電性になり、ショートやマイグレーションを起こすことと、前記水が腐食性を持つことにより、製品自体の不良に繋がるおそれがあるからである。
また、ハンダ材料の製造時の雰囲気としては、窒素雰囲気に限らず、不活性ガス雰囲気であればよく、アルゴン、ヘリウム等の雰囲気とすることができる。
このようにして混合した後、冷却しあるいは溶融状態のまま成形装置に供給して、糸ハンダ、棒ハンダ、ボールハンダ形状に作成するのである。また、微細なボールハンダとしてこれをバインダに混入し、攪拌混練してクリームハンダとして作成すればよい。
なお、雰囲気として、熱による解離を期待できるClF3等の活性ガスを用いれば添加材を混合する必要性は無くなる。更に、例えば、ハンダボールの形状に成形する際に添加することも可能である。
次に、ハンダ材料の成形品表面にハロゲン化合物の被膜を形成する方法としては次のように構成できる。これには、フッ化物や塩化物を半田成形品の表面にメッキ処理、塗布処理により成膜し、あるいはスパッタ装置等を用いた乾式によりハロゲン化合物膜を成膜する構成とすればよい。これは例えば湿式コーティングを施す場合、フッ化第1錫等のハロゲン化合物を純水に溶かした溶液を直接ハンダボール等の成形ハンダの表面に刷毛で塗り、拭き取りを行うことなく自然乾燥させるようにすればよい。塗布作業工程を数度繰り返して、被膜をハンダ表面に形成するのである。ハロゲン化合物溶液は塗布するに十分な流動性を持たせる程度でよく、その後の乾燥処理が容易に行える程度の50〜90%濃度の溶液でよいと思われる。あるいは、粉状のフッ化第1錫をハンダ成形品の表面にまぶして水滴を垂らし、その後に自然乾燥させるようにしてもよい。
なお、上記実施形態ではハンダボール表面に対して処理を行う場合を説明したが、回路基板等に印刷されたハンダ表面に同様の処理を行うこともできる。すなわち、クリームハンダあるいはハンダメッキ等を回路基板の接合部位に予め塗布あるいは印刷して付着されているハンダ表面にフッ化処理を施すことにより、表面酸化を防止しつつ、いつでも回路基板上への部品のハンダがフラックスレスで実施できる。上記の方法以外に、メッキハンダ材にフッ化カルシウムの粉を分散させた後、これを回路部品等に塗布、印刷することでもハンダの濡れ性改善ができることが予想される。
更に、乾式でハンダ成形品の表面に被膜を形成するようにしてもよい。これはハンダ材料本体の表面にハロゲン化合物のスパッタ膜を成膜することで実現できる。図2はスパッタ膜を形成するためのスパッタ装置の構成例を示している。真空チャンバ20内に設けた回転テーブル22にハンダボール24をセットする。
回転テーブル22の目的は、当該回転テーブル22を回転させることにより、その上にセットされたハンダボール24を回転させ、スパッタ膜がハンダボール全面に成膜されるようにするためである。真空チャンバ20内には絶縁物26を介してスパッタ電極28、その表面にターゲット30を設ける。ターゲットの材質は錫(純度99.9%)である。このターゲット30は通常のハンダ材のように鉛が添加されていてもよく、また他の金属でも問題がない。但し、ハンダの時の融点、その後の腐食性、電気伝導性を勘案して決定する必要がある。本発明者は近年の鉛レスの要求実現に対応して、錫をターゲットに選択している。スパッタ電極28にはインピーダンスマッチング回路32を介して高周波電源34が具備される。ターゲット30が金属であるため、直流電源を用いた直流スパッタでも成膜は可能であるが、本技術が活性なガスを用いるリアクティブスパッタであることから、再現性、放電安定性等の利点がある高周波放電を選択している。
上述のような一般的なスパッタ装置を用いて、まず真空排気口36から真空引きを行う。所定の圧力(通常はスパッタ圧1/10ないし1/1000の圧力)まで真空排気を行う。本実施例では0.1Paまで真空排気を行った。その後、ガス導入口38から、アルゴン(Ar)を300SCCM、4フッ化炭素(CF4)を30SCCM流し、スパッタ圧が1Paになるようにコントロールした。
ここではCF4を用いたが、フッ素を含むガスならばよく、SF6などを用いてもよい。この状態で、回転テーブル22を回転しながら、高周波電力をターゲット30に印加し、成膜を行う。高周波印加電力は50Wである。2分で高周波電力をOFFにして、真空チャンバ36を大気圧に戻してサンプルを取り出した。
試料として用いたハンダボール24は、通常BGA実装に用いられるもので、実施では外径0.74mmの球で、組成は錫62.0〜64.0%、残成分が鉛からなる球状ハンダであり、千住金属工業株式会社製のスパークボール(商品名)Sを用いた。
なお、上記実施形態ではスパッタ装置を用いた例を示しているが、スパッタ以外の方法としては、蒸着でも可能であることはいうまでもない。もちろん熱CVDによっても可能である。
次に、ハンダ材料の成形品に対してその表層部をハロゲン化合物層に改質する方法は湿式あるいは乾式により次のように構成できる。まず、湿式による改質方法は塩酸やフッ酸等のハロゲンを含む溶液に成形されたハンダ材料を浸漬し、表層面部をハロゲン化の表面処理を施すのである。また、乾式による改質方法は、ハンダ材料それ自体や、予め基板等に印刷されたハンダを、ハロゲン原子の活性状態を作り得るハロゲンガス中に設置し、表面処理によってハンダ表層面部をハロゲン化合物層に転換するようにすればよい。
いま、乾式による構成例を図3に示す。フッ化処理装置を示しており、密閉した容器40の中にヒータ42を具備したテーブルが設けてあり、その上に処理対象のハンダ材料(図示の例ではハンダボール)44を載置するようにしている。
内部を真空にして、ClF3ガス(5%)+Arを導入し、10000Pa近傍に戻す。真空にするのは完全な空気との置換を行うためである。また、ClF3をわずかに流しながら、真空ポンプで排気する。これは加熱したときに容器内の圧力上昇を防止する目的と、内部のガス濃度の低下、酸素の流入を防止するためである。収納したハンダボールをヒータにより100℃程度に加熱する。10分の処理後、ClF3のガス流入を停止し、残留ガスの置換を行った後、ハンダボールを取り出せば、表面処理されたハンダボールが得られる。
このような各実施形態によれば、ハンダ材料の製造時にハロゲン化合物を混合し、あるいは成形ハンダ材料の表面への成膜や表面のハロゲン化処理により、ハンダ付け時の濡れ性をフラックスレスで向上させることができ、接合性が改善される。この効果は電気材料以外の部品の接合にも適用することができ、例えば、金属同士をハンダ材料で接合した構造体を製造することの可能性を指摘している。濡れ性の改善効果はロウ材料にも見出され、例えば銀ロウにおける濡れ性の改善も見られた。
また、上述のように、ハンダ材料に対するハロゲン化合物の混合、成膜、表面処理を一度行うことにより、ハンダやロウの表面がハロゲン化物で覆われるため、すぐにハンダ付け等を行わなずに長い間放置しても、酸化の防止ができ、大きな効果が得られる。実際の実験によっても、積極的な水洗を行わなければ、あるいは加熱工程を通さなければ1ヵ月以上の効果を持続することが確認されている。
したがって、本発明によれば、成膜や表面処理を早期の段階でハンダ、ロウ材料に行っておくことにより、表面酸化を防止することができ、このことは通常のフラックスのようにハンダ付け直前の処理工程が不要になることを意味し、生産性の大幅な向上をもたらすものである。
上記構成の具体的な効果を確認するために行った実施例を以下に説明する。
本実施例はハンダ材を製作する際に、ハンダ材料の混合時にフッ素化合物を添加して製造したものである。
まず、図1に示した加熱炉をヒータで350℃以上に加熱する。ここにハンダ材料の原料である錫(約60%)と、鉛(約40%)を入れながら、フッ化錫(フッ化第1錫:SnF2(融点210℃))を添加する。フッ化錫の添加量は錫+鉛に対して重量比0.5%である。
このようにして混合した後、冷却して所定の形状にしたのち、235℃に加熱して溶融状態とし、各種金属サンプルをこれに浸してどのようにハンダが付着するかを評価した。
用いた金属サンプルは、5mm幅×30mm長さ×0.5mm厚さの金属片とし、その材質はアルミニウム、銅、アルミ、パラジュウムメッキ銅、ハンダ(錫90%、鉛10%)メッキ銅、銀メッキ銅とした。これらのサンプルを、レスカ社製ソルダーチェッカ(SAT−5000)にて評価した。この評価器はサンプルを溶融ハンダ材の中に浸漬させて、ハンダ材、サンプルの表面張力を観察し、その濡れ性を計測するものである。この方法では、サンプルが溶融ハンダ材にどのくらいの力で引き込まれるか(濡れ性が良いことの指標)、あるいは反対に押し上げられるか(濡れ性が悪いことの指標)が数値データとして表示される。サンプルの濡れがよければハンダ槽内に引き込まれるプラスの値が、逆に濡れ性が悪ければサンプルを押し戻そうとするマイナスの値が計測される。
上記の評価法により、サンプルをハンダ槽の中に4mm浸漬させて10秒間停止して濡れの評価を行った。この結果を、次表に示す。
Figure 2004255466
上記表から明らかなように、パラジュウムメッキ、銀メッキ、ハンダメッキの各サンプルに対する濡れ性が向上している。特に、銀メッキ、ハンダメッキの表面に対する効果は、フラックス入りのハンダを用いた場合と同様である。
本実施例は、錫および鉛を主成分とするハンダ材料をボールハンダや糸ハンダ形状に成形したハンダ材料本体の表面に、あるいは被接合材料の表面に印刷されたハンダの表面にフッ化物を湿式コーティングにより成膜することを対象としたものである。当該実施例ではハンダボールに適用しており、当該ハンダボールの表面にフッ化物溶液を塗布してコーティングする構成とし、そのハンダボールを試験片(各種金属チップ)に載せ、加熱してハンダの流れ(広がり)を計測した。
まず、フッ化第1錫97%を純水に溶かし50%溶液とし、これをハンダボールの表面に刷毛で塗り、拭き取りを行うことなく自然乾燥させた。この工程を数度繰り返して試料を得た。これはフッ化第1錫97%(粉状)をハンダボール表面にまぶして水滴を垂らし、その後に自然乾燥させることでも実現できる。
このようにしてハンダボール表面にフッ化錫(SnOyx)を成膜する。試料として用いたハンダボールは、通常BGA実装に用いられるもので、実施では外径0.74mmの球で、組成は錫62.0〜64.0%、残成分が鉛からなる球状ハンダであり、千住金属工業株式会社製のスパークボール(商品名)Sを用いた。
前記処理したハンダボールを金属サンプルの上でハンダボールを加熱して拡散状態を計測した。金属サンプルは銅、銅表面に錫メッキ、銅表面にパラジュウムメッキ、銅表面に銀メッキ、銅表面にハンダメッキを施したものを用いた。
この結果を下表に示す。
Figure 2004255466
以上の結果によれば、銅、アルミニウムに対する濡れ性の改善は見られなかったが、錫メッキ品、銀メッキ品、およびハンダメッキ品には高い効果が見られた。前者は初期の表面酸化あるいはハンダ作業時の温度上昇による表面酸化の影響が大きいものと見られる。
本実施例は、錫および鉛を主成分とするハンダ材料をボールハンダや糸ハンダ形状に成形したハンダ材料本体の表面にフッ化物のスパッタ膜を成膜するようにした。実施例ではハンダボールに適用しており、当該ハンダボールにフッ化錫のスパッタ膜を成膜し、そのハンダボールを試験片(各種金属チップ)に載せ、加熱してハンダの流れ(広がり)を計測した。
実験は次のように行った。図2に示したスパッタ装置を用い、真空チャンバ内に設けた回転テーブルにハンダボールをセットする。ターゲットの材質は純度99.9%の錫である。このスパッタ装置を用いて、まず真空排気口から真空引きを行う。所定の圧力(通常はスパッタ圧1/10ないし1/1000の圧力)まで真空排気を行う。本実施例では0.1Paまで真空排気を行った。その後、ガス導入口から、アルゴン(Ar)を300SCCM、4フッ化炭素(CF4)を30SCCM流し、スパッタ圧が1Paになるようにコントロールした。この状態で、回転テーブルを回転しながら、高周波電力をターゲットに印加し、成膜を行う。高周波印加電力は50Wである。2分で高周波電力をOFFにして、真空チャンバを大気圧に戻してサンプルを取り出した。
試料として用いたハンダボールは、通常BGA実装に用いられるもので、実施では外径0.74mmの球で、組成は錫62.0〜64.0%、残成分が鉛からなる球状ハンダであり、千住金属工業株式会社製のスパークボール(商品名)Sを用いた。
このような条件で製作したサンプルをサンプル1とし、比較のために成膜していないボールハンダ材(サンプル2)、ボールハンダ材の表面を逆スパッタでクリーニングして酸化膜を除去したサンプル(サンプル3)、通常使用されているフラックスをボールハンダに付けた後乾燥したサンプル(サンプル4)を用いて評価した。
評価方法は、各種金属材料上に上記サンプルを載せ、大気圧(空気中)で加熱して、上記サンプルの広がりサイズを計測した。その結果を次表に示す。
Figure 2004255466
上記結果から、
(1)、通常のハンダ(サンプル2)に対して表面の酸化膜を除去した試料(サンプル3)の方がハンダの濡れ性が優れている。
(2)、フッ化物を成膜したハンダ(サンプル1)は更に効果が大きく、フラックスで処理したサンプル4と同等である。
(3)、サンプル2、3、4とも、銀、錫に対して濡れ性が改善されている。
などのことが判明した。
(1)および(2)の結果により、表面に酸化膜のあるサンプルは、それによる原因でハンダの濡れが悪くなり、酸化膜を除去したものはある程度の改善が見られる。ただ、ハンダの時に酸化されてしまうために、少しの改善効果しか得られない。したがって、窒素リフロー下においてハンダ作業をなす場合には改善効果が現れることが予想される。一方、サンプル1、サンプル4は表面がフッ化膜で覆われるために、ハンダの時の熱による酸化を防止できる。このことで、濡れ性が大幅に改善されていることが解る。また、フッ化膜で覆われたハンダ表面は、そのままの状態で長期保存が可能となる利点も得られる。
また、(3)の結果により、ハンダ側を処理しても、被接合材によっては濡れに変化の現れないものがある。この理由は相手金属の表面の酸化の度合い、フッ素の挙動、ハンダ材との接合との問題の可能性がある。
いずれにしても、上記表3の結果により、ハンダ材表面にフッ化膜を形成すればかなりの濡れ性の改善が図られることが判明し、フラックス等を用いなくてもハンダによる接合が可能となるばかりか、上述のように、ハンダ材そのものの酸化を防止しつつ長期保存が可能となる有効な手段であることが理解できる。
前述したハンダボールを塩酸(35%)に浸漬して表面処理を行った。これはビーカに塩酸を200cc入れ、液面上10cmの位置にハンダボールをセットした。サンプルの種類は下表の通りである。
Figure 2004255466
これらの浸漬により表面処理したハンダボールが、被ハンダ材料としての銅、アルミ、銀メッキ銅、ハンダメッキ銅、パラジュウムメッキ銅の各々の試料に対して、どの程度の濡れ性を示すかを求めた。この結果を、次表に示す。
Figure 2004255466
上記表から明らかなように、この実施例では、パラジュウムメッキ品について大幅な効果が認められる。サンプル1よりサンプル2、更にサンプル3の順に効果があることが解る。したがって処理時間、濃度が影響しているためと思われる。洗浄すると効果が薄れるのは、塩化物が溶解性のため、洗浄に伴って溶け出して塩化物そのものがなくなり、あるいは塩素が酸素と再置換したためと思われる。
処理条件を異ならせたハンダボールのサンプルをフッ酸(35%)に浸漬して表面処理を行った。これはビーカにフッ酸を200cc入れ、液面上10cmの位置に各種サンプルハンダボールをセットした。サンプルの種類は表4−1と同様である。
これらの浸漬により表面処理したハンダボールが、被ハンダ材料としての銅、アルミ、銀メッキ銅、ハンダメッキ銅、パラジュウムメッキ銅の各々の試料に対して、どの程度の濡れ性を示すかを求めた。この結果を、次表に示す。
Figure 2004255466
上記表6から明らかなように、ハンダメッキ品、銀メッキ品について効果が認められる。また、パラジウムメッキ品に対しても若干の効果が認められるが塩酸の場合よりも低いことが解る。
本実施例は、錫および鉛を主成分とするハンダ材料、あるいは基板等に印刷されたハンダ等に対して、その表面部分に乾式によりフッ化処理を行ったものである。この方法は、少なくともフッ素を含むガスであって、ClF3等の熱分解によりフッ素原子の活性な状態を作り得るガスを用いてハンダ表面のフッ化処理を行うものである。したがって、処理温度はハンダ材料の溶融温度未満であって、ガスの分解温度以上であることが必要となる。
図3はフッ化処理装置を示しており、密閉した容器の中にヒータを具備したテーブルが設けてあり、その上に処理対象のハンダボールを載置するようにしている。内部を真空にして、ClF3ガス(5%)+Arを導入し、10000Pa近傍に戻す。真空にするのは完全な空気との置換を行うためである。また、ClF3をわずかに流しながら、真空ポンプで排気する。これは加熱したときに容器内の圧力上昇を防止する目的と、内部のガス濃度の低下、酸素の流入を防止するためである。
収納したハンダボールをヒータにより100℃程度に加熱する。10分の処理後、ClF3のガス流入を停止し、残留ガスの置換を行った後、サンプルを取り出す。これを未処理のハンダボールと濡れ性を比較した。被ハンダ材料としての銅、錫メッキ銅、パラジュウムメッキ銅、銀メッキ銅、ハンダメッキ銅、アルミニウムの各々の試料に対して、どの程度の濡れ性を示すかを求めた。この結果を、次表に示す。
Figure 2004255466
他の実施例と同様に、錫メッキ品、銀メッキ品、ハンダメッキ品に対する濡れ性の改善が認められる。銅、アルミニウム等に対して効果が認められないのは、その材料の表面酸化が原因であると考えられる。
以上説明したように、本発明によれば、ハンダ素材やロウ素材にハロゲン化合物を予め混合してハンダ材料やロウ材料とし、あるいは予め成形されたハンダ材料等の表面に湿式あるいは乾式によりハロゲン化合物の成膜を施し、同様に湿式あるいは乾式によりハロゲン化表面処理をなすことにより、リードフレーム等をフラックスレスにより接合することができ、実際の接合作業時の接合部酸化を同時に防止して濡れ性を改善できるとともに、表面酸化を防止しながらハンダ材料等の長期保存が可能となるという優れた効果が得られる。
ハンダ製造手段の説明図である。 スパッタ装置の概略構成図である。 フッカ処理装置の概略構成図である。
符号の説明
10 ヒータ
12 加熱炉
14 ハンダ材
16 添加材(ハロゲン化合物)
20 真空チャンバ
22 回転テーブル
24 ハンダボール
26 絶縁物
28 スパッタ電極
30 ターゲット
32 インピーダンスマッチング回路
34 高周波電源
36 真空排気口
38 ガス導入口
40 密閉容器
42 ヒータ
44 ハンダボール

Claims (4)

  1. ロウまたはハンダ材料の製造方法において、
    前記ロウまたはハンダ材料の素材に、10ppm〜10%のハロゲン化物を分散させた原料を用い、
    前記素材を溶融液化して、ロウまたはハンダ合金中にハロゲン化塩を分散させ、
    前記ハロゲン化塩を取り込んだ前記ロウまたはハンダ材料を得ることを特徴とするロウまたはハンダ材料の製造方法。
  2. 前記ハロゲン化合物はフッ素または塩素化合物であることを特徴とする請求項1に記載のロウまたはハンダ材料の製造方法。
  3. 前記ハロゲン化物を分散させた原料を用いて、不活性ガス雰囲気中で製造することを特徴とする、請求項1に記載のロウまたはハンダ材料の製造方法。
  4. ハロゲン化合物ガス雰囲気中で製造することを特徴とする請求項1に記載のロウまたはハンダ材料の製造方法。














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