JP2004255042A - 刺繍枠の位置制御装置及びその位置制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】刺繍枠の移動変位を感知し、感知した移動変位の誤差をフィードバックして前記刺繍枠の位置を制御することによって、刺繍枠の位置をさらに精度良く制御するための刺繍枠の位置制御装置及びその方法を提供する。
【解決手段】刺繍枠のX軸及びY軸への移動変位を感知し、前記感知した移動変位に相応する電気信号を出力する感知部を具備し、前記駆動制御部は前記感知部から出力された電気信号に基づいて前記X軸及びY軸駆動部を制御するためのX軸及びY軸駆動制御信号をそれぞれ発生させることを特徴とする。
【選択図】 図2
【解決手段】刺繍枠のX軸及びY軸への移動変位を感知し、前記感知した移動変位に相応する電気信号を出力する感知部を具備し、前記駆動制御部は前記感知部から出力された電気信号に基づいて前記X軸及びY軸駆動部を制御するためのX軸及びY軸駆動制御信号をそれぞれ発生させることを特徴とする。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は刺繍機に関し、さらに詳しくは刺繍枠の移動変位を感知し、感知した移動変位の誤差をフィードバックして前記刺繍枠の位置を制御することによって、刺繍枠の位置をさらに精度良く制御できるようにした刺繍枠の位置制御装置及びその位置制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般的に刺繍機は、針棒の上下運動の間、織物を固定している刺繍枠をX軸及びY軸方向に水平移動することによって、所望のパターンまたは模様を織物上に刺繍する。
【0003】
従って、 前記刺繍枠の移動の正確性と定速性は刺繍の品質と密接な関連がある。
【0004】
前記刺繍枠をX軸及びY軸方向に移動させる動力源としては主として、位置決定力が良く、制御が容易なステッピングモータが利用され、サーボモータが利用されることもある。
【0005】
図1は、一般的な刺繍機における従来の刺繍枠の位置制御装置の構成図であって、所定の変位だけのX軸及びY軸方向への刺繍枠の移動変位指令信号が外部から入力されれば、前記入力されたX軸及びY軸方向への刺繍枠の移動変位指令信号に相応するX軸及びY軸の駆動制御信号をそれぞれ出力する制御部10と、刺繍枠40をX軸方向に移動させるための駆動源としてX軸モータ(図示せず)を備え、前記制御部10から入力されたX軸駆動制御信号により前記X軸モータを駆動させ、前記駆動されたX軸モータにより刺繍枠40をX軸方向に所定の変位だけ移動させるX軸駆動部20と、刺繍枠40をY軸方向に移動させるための駆動源としてY軸モータ(図示せず)を備え、前記制御部10から入力された駆動制御信号によりY軸モータを駆動させ、前記駆動されたY軸モータにより刺繍枠40をY軸方向に所定の変位だけ移動させるY軸駆動部30と、を具備している。
【0006】
ここで、X軸及びY軸駆動部20、30内にそれぞれ備えられたX軸及びY軸モータはタイミングベルトを介して各連動装置(駆動タイミングフリー、被動タイミングフリー、シャフト等)に動力を伝達するが、このような動力伝達の過程においては前記連動装置により誤差が発生し、その累積した誤差のため前記刺繍枠40の位置を精度良く制御できなくなり、刺繍の品質が低下するという問題点があった。
【0007】
このような問題点を解決するためタイミングベルトの代わりに、リニアモータにより動力を伝達する方式が提案されているが、多数のリニアモータを備えなければならないだけではなく、前記多数のリニアモータを制御するためのドライバを別に備えなければならないことから製造コストが上昇するという問題点があった。
【0008】
それに、前記多数のリニアモータが刺繍枠40を同時に同方向に移動させなければならないため、多数のリニアモータの動作を同期させなければならないといった技術的に困難な問題点があった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明は前記の問題点を解決するために案出したものであって、刺繍枠の移動変位を感知するための変位センサを備えることによって、刺繍枠を駆動させる連動装置により発生する位置の誤差をフィードバックし、常に正確な位置に刺繍できるような刺繍枠の位置制御装置及びその位置制御方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明の刺繍枠の位置制御装置は、織物を固定する刺繍枠と、前記刺繍枠をX軸方向に移動させるX軸駆動部と、前記刺繍枠をY軸方向に移動させるY軸駆動部と、刺繍枠の移動変位指令信号によって前記X軸及びY軸駆動部を制御するためにX軸及びY軸駆動制御信号をそれぞれ出力する駆動制御部と、を具備する刺繍機において、前記刺繍枠のX軸及びY軸への移動変位を感知し、前記感知した移動変位に相応する電気信号を出力する感知部をさらに具備し、前記駆動制御部は前記感知部から出力された電気信号に基づいて前記X軸及びY軸駆動部を制御するためのX軸及びY軸駆動制御信号をそれぞれ発生させることを特徴とする。
【0011】
前記構成において、前記駆動制御部は、前記感知部から出力された電気信号に基づいて刺繍枠の移動変位を検出する位置検出部と、前記感知部から検出された移動変位に基づいて刺繍枠の移動速度を検出する速度検出部と、前記X軸及びY軸駆動部から出力されるモータ駆動電流信号を検出する電流検出部と、を具備し、前記駆動制御部は前記検出された刺繍枠の移動変位、移動速度及びモータ駆動電流信号を用いて、前記X軸及びY軸駆動制御信号を発生させることを特徴とする。
【0012】
また、前記位置検出部は前記感知部から出力される電気信号のパルス数を計測する計測部をさらに具備し、前記計測されたパルス数に基づいて、前記位置検出部は前記刺繍枠のX軸及びY軸方向への移動変位を検出し、前記速度検出部は刺繍枠の移動速度を検出することを特徴とする。
【0013】
なお、前記駆動制御部は、前記位置検出部から出力される移動変位と前記刺繍枠の移動変位指令信号とに基づいて位置の誤差を算出する第1の演算部と、前記第1の演算部により算出された位置の誤差に基づいて速度制御信号を出力する位置制御部と、前記位置制御部から出力される速度制御信号と前記速度検出部により検出された刺繍枠の移動速度とに基づいて速度の誤差を算出する第2の演算部と、前記第2の演算部により算出された速度の誤差に基づいて電流制御信号を出力する速度制御部と、前記速度制御部から出力された電流制御信号と前記電流検出部により検出された電流信号とに基づいて駆動電流の誤差を算出する第3の演算部と、前記第3の演算部により算出された駆動電流の誤差に基づいて駆動制御信号を出力する電流制御部と、をさらに具備することを特徴とする。
【0014】
また、前記感知部は前記刺繍枠のX軸及びY軸の所定の位置にそれぞれ取付けられることを特徴とする。
【0015】
なお、前記感知部は変位センサであることを特徴とする。
【0016】
また、前記変位センサはリニアスケール方式により前記感知された移動変位に相応する電気信号を出力することを特徴とする。
【0017】
上記の目的を達成するための本発明の刺繍枠の位置制御方法は、X軸及びY軸駆動部からそれぞれ出力されるX軸及びY軸駆動制御信号により刺繍枠の位置をX軸及びY軸方向に移動させる方法において、前記刺繍枠がX軸及びY軸に移動された後、移動変位に相応する電気信号をそれぞれ検出する移動変位検出ステップと、前記検出された電気信号に基づいて前記X軸及びY軸駆動制御信号をそれぞれ発生させる駆動制御信号発生ステップと、を含むことを特徴とする。
【0018】
前記構成において、前記駆動制御信号発生ステップは、前記検出された電気信号に基づいて刺繍枠の移動変位を検出する位置検出ステップと、前記検出された移動変位に基づいて刺繍枠の移動速度を検出する速度検出ステップと、前記X軸及びY軸駆動部から出力されるモータ駆動電流信号を検出する電流検出ステップと、をさらに含み、前記検出された刺繍枠の移動変位、移動速度及びモータ駆動電流信号を用いて、前記X軸及びY軸駆動制御信号を発生させることを特徴とする。
【0019】
また、前記位置検出ステップは、前記出力される電気信号のパルス数を計測する計測ステップをさらに含み、前記計測されたパルス数に基づいて前記刺繍枠のX軸及びY軸方向への移動変位と移動速度を検出することを特徴とする。
【0020】
なお、前記駆動制御信号発生ステップは、前記検出された移動変位と刺繍枠を移動させるため外部から入力される移動変位指令信号とに基づいて位置誤差を算出する第1の演算ステップと、前記第1の演算ステップから算出された位置の誤差に基づいて速度制御信号を出力する位置制御ステップと、前記位置制御ステップから出力される速度制御信号と前記速度検出ステップから検出された刺繍枠の移動速度とに基づいて速度の誤差を算出する第2の演算ステップと、前記第2の演算ステップから算出された速度の誤差に基づいて電流制御信号を出力する速度制御ステップと、前記速度制御ステップから出力された電流制御信号と前記電流検出ステップから検出された電流信号とに基づいて駆動電流の誤差を算出する第3の演算ステップと、前記第3の演算ステップから算出された駆動電流の誤差に基づいて駆動制御信号を出力する電流制御ステップと、をさらに含むことを特徴とする。
【0021】
また、前記位置検出ステップは、リニアスケール方式により行われることを特徴とする。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の望ましい実施の形態を添付図面に基づき詳しく説明する。
【0023】
図2及び図3は本発明による刺繍枠の位置制御装置の構成図であっる。本発明による刺繍枠の位置制御装置は、織物を固定する刺繍枠400と、刺繍枠400をX軸方向に移動させるための駆動源であるX軸サーボモータ(図示せず)と、前記刺繍枠400をX軸方向に移動させるX軸駆動部200と、刺繍枠400をY軸方向に移動させるための駆動源としてY軸サーボモータ(図示せず)と、前記刺繍枠400をY軸方向に移動させるY軸駆動部300とを備えている。さらに、刺繍枠400のX軸方向への移動変位に相応する電気信号を出力するX軸方向の移動変位感知部500と、刺繍枠400のY軸方向への移動変位に相応する電気信号を出力するY軸方向の移動変位感知部600と、前記X軸方向の移動変位感知部500及びY軸方向の移動変位感知部600からそれぞれ出力される電気信号と外部から入力される刺繍枠の移動変位指令信号とを比較し、その結果に基づいて刺繍枠400の位置を制御する制御部100とを具備している。
【0024】
図3に示しているように、前記制御部は、X軸及びY軸方向の移動変位感知部500,600から出力された電気信号のパルス数を計測する移動変位計測部106と、前記移動変位計測部106により計測されたパルス数に相応する刺繍枠400の移動変位を検出する位置検出部104と、前記移動変位計測部106により計測されたパルス数に相応する刺繍枠400の移動速度を検出する速度検出部105と、前記位置検出部104により検出された移動変位と刺繍枠の移動変位指令信号とを演算して位置の誤差を算出する第1の演算機107aと、前記第1の演算機107aにより算出された位置の誤差に基づいて速度制御信号を出力する位置制御部101と、前記位置制御部101から出力された速度制御信号と前記速度検出部105により検出された移動速度とを演算して速度の誤差を算出する第2の演算機107bと、前記第2の演算機107bにより算出された速度の誤差に基づいて電流制御信号を出力する速度制御部102と、前記X軸及びY軸駆動部200,300から出力されたモータ駆動電流に比例する電流信号を検出する電流検出部103と、前記電流検出部103により検出された電流信号と前記速度制御部102により検出された電流制御信号とを演算して駆動電流の誤差を算出する第3の演算機107cと、前記第3の演算機107cにより算出された駆動電流の誤差に基づいて駆動制御信号を前記X軸及びY軸駆動200,300に再入力する電流制御部108と、を具備することにより構成される。
【0025】
以下、前記のように構成された本発明による刺繍枠の位置制御装置の動作に対し、図4のフローチャートを参照して詳細に説明する。
【0026】
まず、X軸方向10mm及びY軸方向20mmへの刺繍枠の移動変位指
令信号が外部から制御部100に入力されたと仮定する(S401)。
【0027】
移動変位指令信号が外部から制御部100に入力されると、前記制御部100は前記入力された刺繍枠の移動変位指令信号に相応する駆動制御信号をX軸及びY軸駆動部200,300に出力する(S402)。
【0028】
前記印加された駆動制御信号により、X軸及びY軸駆動部200,300内に備えられたX軸及びY軸サーボモータがタイミングベルトを介してX軸及びY軸駆動部200,300内に備えられた各連動装置(駆動タイミングフリー、被動タイミングフリー、シャフト等)に動力を伝達し、これによって刺繍枠400がX軸及びY軸方向に移動し、X軸及びY軸方向の移動変位感知部500,600は前記刺繍枠400の移動変位を感知する。
【0029】
本発明の実施の形態では、前記X軸及びY軸方向の移動変位感知部500,600として変位センサが望ましく、リニアスケール方式により動作する変位センサがさらに望ましい。以下、図5を参照して、リニアスケール方式による刺繍枠の移動変位の感知方法をさらに詳しく説明する。
【0030】
図5に示しているように、刺繍枠のX軸方向とY軸方向には刺繍枠の移動変位の測定のためのセンサ500,600とスケール510,610とが設置される。X軸方向において、スケール510は、刺繍枠400のフレーム401に取付けられ、X軸方向の移動変位感知部500は刺繍枠と分離された状態で刺繍機に固定している。従って、前記刺繍枠400がX軸方向に移動すれば、X軸方向の移動変位感知部500が固定した状態で前記スケール510が刺繍枠400と共にX軸方向に移動する。一方、Y軸方向において、Y軸方向の移動変位感知部600は、刺繍枠400のフレーム402に取付けられ、スケール610は、刺繍枠400と分離された状態で固定している。従って、前記刺繍枠400がY軸方向に移動すれば、スケール610が固定された状態で前記Y軸方向の移動変位感知部600は刺繍枠400と共にY軸方向に移動する。
【0031】
前記の構成とは異なり、スケール510,610を刺繍枠400のフレーム401,402にそれぞれ取付けることが可能である。この場合には、前記刺繍枠400がX軸及びY軸方向に移動すると、前記スケール510,610が刺繍枠400と共にX軸及びY軸方向に移動するように動作する。また、X軸及びY軸方向の移動変位感知部500,600を刺繍枠400のフレーム401,402にそれぞれ取付けることもできる。この場合にも、前記刺繍枠400がX軸及びY軸方向に移動すれば、前記X軸及びY軸方向の移動変位感知部500,600が刺繍枠400と共にX軸及びY軸方向に移動するように動作することは勿論である。
【0032】
X軸及びY軸方向の移動変位感知部500,600とスケール510,610の何れかを刺繍枠400のフレーム401,402に取付けることとは関係なく、前記X軸及びY軸方向の移動変位感知部500,600による移動変位の感知動作は同一に遂行される。以下、図5を参照しつつ、前記Y軸方向の移動変位感知部600による場合を例に取って、移動変位の感知動作を詳細に説明する。
【0033】
刺繍枠400のY軸フレーム402に取付けられたY軸方向の移動変位感知部600の内部にはコイル601が備えられ、スケール610の内部にはベアリング611が一列に設置されている。
【0034】
従って、Y軸駆動部300から伝達される動力により前記Y軸方向の移動変位感知部600が前記スケール610に沿ってY軸方向にガイドされれば、制御部100は前記Y軸方向の移動変位感知部600に電圧を印加する。これによって、コイル601に一定の大きさの電流が流れ、前記コイル601に磁場が形成される。この状態でスケール610に沿ってY軸方向にガイドされていくY軸方向の移動変位感知部600のコイル601内に多数のベアリング611が順次通過する。前記制御部100には、前記刺繍枠400のY軸方向への移動前と移動後の前記コイル601に流れる電流の位相の差に対応するパルス状の電圧が前記Y軸方向の移動変位感知部600から入力される(S403)。
【0035】
同様の原理によって、前記X軸方向の移動変位感知部500からパルス状の電圧が入力されると、前記制御部100は、前記X軸及びY軸方向の移動変位感知部500,600からそれぞれ入力される電圧値を制御部100内の移動変位計測部106に入力し、前記移動変位計測部106は前記入力された電圧のパルス数をそれぞれ計測する(S404)。
【0036】
前記計測されたパルス数に基づいて刺繍枠400の位置を補償するため、前記制御部100内に備えられた構成要素はPID(Proportioning Integral Derivation)制御の原理により動作される。ここでは、前記PID制御の原理は公知の技術であることから、詳細な説明を省略する。
【0037】
上記のように計測されたパルス数は、位置検出部104と速度検出部105に各々入力され、位置検出部104は前記刺繍枠400のX軸及びY軸方向への移動変位を継続的に検出する(S405)。前記第1の演算機107aは、前記検出された移動変位とS401ステップで入力された刺繍枠の移動変位指令信号とを演算して位置の誤差を算出し、前記速度検出部105は前記計測されたパルス数に相応する刺繍枠400の移動速度を検出する(S406)。
【0038】
次いで、位置制御部101は、前記算出された位置の誤差に基づいて速度制御信号を出力し、第2の演算機107bは、前記位置制御部101から出力された速度制御信号と前記速度検出部105により検出された移動速度とを演算して速度の誤差を算出した後、速度制御部102は、前記第2の演算機107bにより算出された速度の誤差に基づいて電流制御信号を出力する。
【0039】
一方、電流検出部103がX軸及びY軸駆動部200,300から出力されるX軸及びY軸サーボモータの駆動電流信号を検出すると(S407)、第3の演算機107cは、前記電流検出部103により検出された電流信号と前記速度制御部102により検出された電流制御信号とを演算して駆動電流の誤差を算出する。電流制御部108は、前記第3の演算機107cにより算出された駆動電流の誤差に基づいて駆動制御信号をX軸及びY軸駆動部200,300に出力し(S408)、X軸及びY軸駆動部200,300は、刺繍枠400をX軸及びY軸方向にそれぞれ移動させ、刺繍枠400の位置を移動変位の誤差だけ補償し制御する。
【0040】
本発明は前記の実施の形態に限定されるものではなく、X軸及びY軸駆動源にX軸及びY軸方向の移動変位感知部500,600を取付けることもできる。また、これ以外にも当業者により多様な変形及び変更することができ、特に、X軸及びY軸が備えられたミシンにも同一に実施し得ることは勿論である。これは請求項で定義される本発明の趣旨と範囲とに含まれる。
【0041】
【発明の効果】
本発明は、感知部(変位センサ)によりX軸及びY軸方向への刺繍枠400の移動変位を感知し刺繍枠400の位置を制御することによって、動力の伝達時、各連動装置により発生する移動変位の誤差を最小化することができるという効果がある。
【0042】
また、本発明は、動力伝達手段としてのリニアモータを用いる従来の技術に比べ、製造コストを非常に節減できるという効果がある
【0043】
なお、本発明はX軸及びY軸方向への刺繍枠400の移動変位を感知することによって、X軸及びY軸駆動源(本実施の形態では、X軸及びY軸のサーボモータに該当する)の種類と関係なく(ステッピングモータまたはリニアモータを用いた場合も)、該当駆動源から発生する移動変位の誤差の補償ができ、刺繍枠400の位置制御をさらに精度良く行うことができ、刺繍品質の向上を図ることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】一般的な刺繍機における従来の刺繍枠の位置制御装置の構成図である。
【図2】本発明による刺繍枠の位置制御装置の構成図である。
【図3】図2の詳細ブロック図である。
【図4】本発明による刺繍枠の位置制御方法のフローチャートである。
【図5】X軸及びY軸方向の移動変位感知部による刺繍枠の移動変位の感知動作を説明するための図である。
【符号の説明】
10,100 … 制御部
20,200 … X軸駆動部
30,300 … Y軸駆動部
40,400 … 刺繍枠
101 … 位置制御部
102 … 速度制御部
103 … 電流検出部
104 … 位置検出部
105 … 速度検出部
106 … 移動変位計測部
107a,107b,107c … 第1、第2、第3の演算機
500 … X軸方向の移動変位感知部
600 … Y軸方向の移動変位感知部
【発明の属する技術分野】
本発明は刺繍機に関し、さらに詳しくは刺繍枠の移動変位を感知し、感知した移動変位の誤差をフィードバックして前記刺繍枠の位置を制御することによって、刺繍枠の位置をさらに精度良く制御できるようにした刺繍枠の位置制御装置及びその位置制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般的に刺繍機は、針棒の上下運動の間、織物を固定している刺繍枠をX軸及びY軸方向に水平移動することによって、所望のパターンまたは模様を織物上に刺繍する。
【0003】
従って、 前記刺繍枠の移動の正確性と定速性は刺繍の品質と密接な関連がある。
【0004】
前記刺繍枠をX軸及びY軸方向に移動させる動力源としては主として、位置決定力が良く、制御が容易なステッピングモータが利用され、サーボモータが利用されることもある。
【0005】
図1は、一般的な刺繍機における従来の刺繍枠の位置制御装置の構成図であって、所定の変位だけのX軸及びY軸方向への刺繍枠の移動変位指令信号が外部から入力されれば、前記入力されたX軸及びY軸方向への刺繍枠の移動変位指令信号に相応するX軸及びY軸の駆動制御信号をそれぞれ出力する制御部10と、刺繍枠40をX軸方向に移動させるための駆動源としてX軸モータ(図示せず)を備え、前記制御部10から入力されたX軸駆動制御信号により前記X軸モータを駆動させ、前記駆動されたX軸モータにより刺繍枠40をX軸方向に所定の変位だけ移動させるX軸駆動部20と、刺繍枠40をY軸方向に移動させるための駆動源としてY軸モータ(図示せず)を備え、前記制御部10から入力された駆動制御信号によりY軸モータを駆動させ、前記駆動されたY軸モータにより刺繍枠40をY軸方向に所定の変位だけ移動させるY軸駆動部30と、を具備している。
【0006】
ここで、X軸及びY軸駆動部20、30内にそれぞれ備えられたX軸及びY軸モータはタイミングベルトを介して各連動装置(駆動タイミングフリー、被動タイミングフリー、シャフト等)に動力を伝達するが、このような動力伝達の過程においては前記連動装置により誤差が発生し、その累積した誤差のため前記刺繍枠40の位置を精度良く制御できなくなり、刺繍の品質が低下するという問題点があった。
【0007】
このような問題点を解決するためタイミングベルトの代わりに、リニアモータにより動力を伝達する方式が提案されているが、多数のリニアモータを備えなければならないだけではなく、前記多数のリニアモータを制御するためのドライバを別に備えなければならないことから製造コストが上昇するという問題点があった。
【0008】
それに、前記多数のリニアモータが刺繍枠40を同時に同方向に移動させなければならないため、多数のリニアモータの動作を同期させなければならないといった技術的に困難な問題点があった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明は前記の問題点を解決するために案出したものであって、刺繍枠の移動変位を感知するための変位センサを備えることによって、刺繍枠を駆動させる連動装置により発生する位置の誤差をフィードバックし、常に正確な位置に刺繍できるような刺繍枠の位置制御装置及びその位置制御方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明の刺繍枠の位置制御装置は、織物を固定する刺繍枠と、前記刺繍枠をX軸方向に移動させるX軸駆動部と、前記刺繍枠をY軸方向に移動させるY軸駆動部と、刺繍枠の移動変位指令信号によって前記X軸及びY軸駆動部を制御するためにX軸及びY軸駆動制御信号をそれぞれ出力する駆動制御部と、を具備する刺繍機において、前記刺繍枠のX軸及びY軸への移動変位を感知し、前記感知した移動変位に相応する電気信号を出力する感知部をさらに具備し、前記駆動制御部は前記感知部から出力された電気信号に基づいて前記X軸及びY軸駆動部を制御するためのX軸及びY軸駆動制御信号をそれぞれ発生させることを特徴とする。
【0011】
前記構成において、前記駆動制御部は、前記感知部から出力された電気信号に基づいて刺繍枠の移動変位を検出する位置検出部と、前記感知部から検出された移動変位に基づいて刺繍枠の移動速度を検出する速度検出部と、前記X軸及びY軸駆動部から出力されるモータ駆動電流信号を検出する電流検出部と、を具備し、前記駆動制御部は前記検出された刺繍枠の移動変位、移動速度及びモータ駆動電流信号を用いて、前記X軸及びY軸駆動制御信号を発生させることを特徴とする。
【0012】
また、前記位置検出部は前記感知部から出力される電気信号のパルス数を計測する計測部をさらに具備し、前記計測されたパルス数に基づいて、前記位置検出部は前記刺繍枠のX軸及びY軸方向への移動変位を検出し、前記速度検出部は刺繍枠の移動速度を検出することを特徴とする。
【0013】
なお、前記駆動制御部は、前記位置検出部から出力される移動変位と前記刺繍枠の移動変位指令信号とに基づいて位置の誤差を算出する第1の演算部と、前記第1の演算部により算出された位置の誤差に基づいて速度制御信号を出力する位置制御部と、前記位置制御部から出力される速度制御信号と前記速度検出部により検出された刺繍枠の移動速度とに基づいて速度の誤差を算出する第2の演算部と、前記第2の演算部により算出された速度の誤差に基づいて電流制御信号を出力する速度制御部と、前記速度制御部から出力された電流制御信号と前記電流検出部により検出された電流信号とに基づいて駆動電流の誤差を算出する第3の演算部と、前記第3の演算部により算出された駆動電流の誤差に基づいて駆動制御信号を出力する電流制御部と、をさらに具備することを特徴とする。
【0014】
また、前記感知部は前記刺繍枠のX軸及びY軸の所定の位置にそれぞれ取付けられることを特徴とする。
【0015】
なお、前記感知部は変位センサであることを特徴とする。
【0016】
また、前記変位センサはリニアスケール方式により前記感知された移動変位に相応する電気信号を出力することを特徴とする。
【0017】
上記の目的を達成するための本発明の刺繍枠の位置制御方法は、X軸及びY軸駆動部からそれぞれ出力されるX軸及びY軸駆動制御信号により刺繍枠の位置をX軸及びY軸方向に移動させる方法において、前記刺繍枠がX軸及びY軸に移動された後、移動変位に相応する電気信号をそれぞれ検出する移動変位検出ステップと、前記検出された電気信号に基づいて前記X軸及びY軸駆動制御信号をそれぞれ発生させる駆動制御信号発生ステップと、を含むことを特徴とする。
【0018】
前記構成において、前記駆動制御信号発生ステップは、前記検出された電気信号に基づいて刺繍枠の移動変位を検出する位置検出ステップと、前記検出された移動変位に基づいて刺繍枠の移動速度を検出する速度検出ステップと、前記X軸及びY軸駆動部から出力されるモータ駆動電流信号を検出する電流検出ステップと、をさらに含み、前記検出された刺繍枠の移動変位、移動速度及びモータ駆動電流信号を用いて、前記X軸及びY軸駆動制御信号を発生させることを特徴とする。
【0019】
また、前記位置検出ステップは、前記出力される電気信号のパルス数を計測する計測ステップをさらに含み、前記計測されたパルス数に基づいて前記刺繍枠のX軸及びY軸方向への移動変位と移動速度を検出することを特徴とする。
【0020】
なお、前記駆動制御信号発生ステップは、前記検出された移動変位と刺繍枠を移動させるため外部から入力される移動変位指令信号とに基づいて位置誤差を算出する第1の演算ステップと、前記第1の演算ステップから算出された位置の誤差に基づいて速度制御信号を出力する位置制御ステップと、前記位置制御ステップから出力される速度制御信号と前記速度検出ステップから検出された刺繍枠の移動速度とに基づいて速度の誤差を算出する第2の演算ステップと、前記第2の演算ステップから算出された速度の誤差に基づいて電流制御信号を出力する速度制御ステップと、前記速度制御ステップから出力された電流制御信号と前記電流検出ステップから検出された電流信号とに基づいて駆動電流の誤差を算出する第3の演算ステップと、前記第3の演算ステップから算出された駆動電流の誤差に基づいて駆動制御信号を出力する電流制御ステップと、をさらに含むことを特徴とする。
【0021】
また、前記位置検出ステップは、リニアスケール方式により行われることを特徴とする。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の望ましい実施の形態を添付図面に基づき詳しく説明する。
【0023】
図2及び図3は本発明による刺繍枠の位置制御装置の構成図であっる。本発明による刺繍枠の位置制御装置は、織物を固定する刺繍枠400と、刺繍枠400をX軸方向に移動させるための駆動源であるX軸サーボモータ(図示せず)と、前記刺繍枠400をX軸方向に移動させるX軸駆動部200と、刺繍枠400をY軸方向に移動させるための駆動源としてY軸サーボモータ(図示せず)と、前記刺繍枠400をY軸方向に移動させるY軸駆動部300とを備えている。さらに、刺繍枠400のX軸方向への移動変位に相応する電気信号を出力するX軸方向の移動変位感知部500と、刺繍枠400のY軸方向への移動変位に相応する電気信号を出力するY軸方向の移動変位感知部600と、前記X軸方向の移動変位感知部500及びY軸方向の移動変位感知部600からそれぞれ出力される電気信号と外部から入力される刺繍枠の移動変位指令信号とを比較し、その結果に基づいて刺繍枠400の位置を制御する制御部100とを具備している。
【0024】
図3に示しているように、前記制御部は、X軸及びY軸方向の移動変位感知部500,600から出力された電気信号のパルス数を計測する移動変位計測部106と、前記移動変位計測部106により計測されたパルス数に相応する刺繍枠400の移動変位を検出する位置検出部104と、前記移動変位計測部106により計測されたパルス数に相応する刺繍枠400の移動速度を検出する速度検出部105と、前記位置検出部104により検出された移動変位と刺繍枠の移動変位指令信号とを演算して位置の誤差を算出する第1の演算機107aと、前記第1の演算機107aにより算出された位置の誤差に基づいて速度制御信号を出力する位置制御部101と、前記位置制御部101から出力された速度制御信号と前記速度検出部105により検出された移動速度とを演算して速度の誤差を算出する第2の演算機107bと、前記第2の演算機107bにより算出された速度の誤差に基づいて電流制御信号を出力する速度制御部102と、前記X軸及びY軸駆動部200,300から出力されたモータ駆動電流に比例する電流信号を検出する電流検出部103と、前記電流検出部103により検出された電流信号と前記速度制御部102により検出された電流制御信号とを演算して駆動電流の誤差を算出する第3の演算機107cと、前記第3の演算機107cにより算出された駆動電流の誤差に基づいて駆動制御信号を前記X軸及びY軸駆動200,300に再入力する電流制御部108と、を具備することにより構成される。
【0025】
以下、前記のように構成された本発明による刺繍枠の位置制御装置の動作に対し、図4のフローチャートを参照して詳細に説明する。
【0026】
まず、X軸方向10mm及びY軸方向20mmへの刺繍枠の移動変位指
令信号が外部から制御部100に入力されたと仮定する(S401)。
【0027】
移動変位指令信号が外部から制御部100に入力されると、前記制御部100は前記入力された刺繍枠の移動変位指令信号に相応する駆動制御信号をX軸及びY軸駆動部200,300に出力する(S402)。
【0028】
前記印加された駆動制御信号により、X軸及びY軸駆動部200,300内に備えられたX軸及びY軸サーボモータがタイミングベルトを介してX軸及びY軸駆動部200,300内に備えられた各連動装置(駆動タイミングフリー、被動タイミングフリー、シャフト等)に動力を伝達し、これによって刺繍枠400がX軸及びY軸方向に移動し、X軸及びY軸方向の移動変位感知部500,600は前記刺繍枠400の移動変位を感知する。
【0029】
本発明の実施の形態では、前記X軸及びY軸方向の移動変位感知部500,600として変位センサが望ましく、リニアスケール方式により動作する変位センサがさらに望ましい。以下、図5を参照して、リニアスケール方式による刺繍枠の移動変位の感知方法をさらに詳しく説明する。
【0030】
図5に示しているように、刺繍枠のX軸方向とY軸方向には刺繍枠の移動変位の測定のためのセンサ500,600とスケール510,610とが設置される。X軸方向において、スケール510は、刺繍枠400のフレーム401に取付けられ、X軸方向の移動変位感知部500は刺繍枠と分離された状態で刺繍機に固定している。従って、前記刺繍枠400がX軸方向に移動すれば、X軸方向の移動変位感知部500が固定した状態で前記スケール510が刺繍枠400と共にX軸方向に移動する。一方、Y軸方向において、Y軸方向の移動変位感知部600は、刺繍枠400のフレーム402に取付けられ、スケール610は、刺繍枠400と分離された状態で固定している。従って、前記刺繍枠400がY軸方向に移動すれば、スケール610が固定された状態で前記Y軸方向の移動変位感知部600は刺繍枠400と共にY軸方向に移動する。
【0031】
前記の構成とは異なり、スケール510,610を刺繍枠400のフレーム401,402にそれぞれ取付けることが可能である。この場合には、前記刺繍枠400がX軸及びY軸方向に移動すると、前記スケール510,610が刺繍枠400と共にX軸及びY軸方向に移動するように動作する。また、X軸及びY軸方向の移動変位感知部500,600を刺繍枠400のフレーム401,402にそれぞれ取付けることもできる。この場合にも、前記刺繍枠400がX軸及びY軸方向に移動すれば、前記X軸及びY軸方向の移動変位感知部500,600が刺繍枠400と共にX軸及びY軸方向に移動するように動作することは勿論である。
【0032】
X軸及びY軸方向の移動変位感知部500,600とスケール510,610の何れかを刺繍枠400のフレーム401,402に取付けることとは関係なく、前記X軸及びY軸方向の移動変位感知部500,600による移動変位の感知動作は同一に遂行される。以下、図5を参照しつつ、前記Y軸方向の移動変位感知部600による場合を例に取って、移動変位の感知動作を詳細に説明する。
【0033】
刺繍枠400のY軸フレーム402に取付けられたY軸方向の移動変位感知部600の内部にはコイル601が備えられ、スケール610の内部にはベアリング611が一列に設置されている。
【0034】
従って、Y軸駆動部300から伝達される動力により前記Y軸方向の移動変位感知部600が前記スケール610に沿ってY軸方向にガイドされれば、制御部100は前記Y軸方向の移動変位感知部600に電圧を印加する。これによって、コイル601に一定の大きさの電流が流れ、前記コイル601に磁場が形成される。この状態でスケール610に沿ってY軸方向にガイドされていくY軸方向の移動変位感知部600のコイル601内に多数のベアリング611が順次通過する。前記制御部100には、前記刺繍枠400のY軸方向への移動前と移動後の前記コイル601に流れる電流の位相の差に対応するパルス状の電圧が前記Y軸方向の移動変位感知部600から入力される(S403)。
【0035】
同様の原理によって、前記X軸方向の移動変位感知部500からパルス状の電圧が入力されると、前記制御部100は、前記X軸及びY軸方向の移動変位感知部500,600からそれぞれ入力される電圧値を制御部100内の移動変位計測部106に入力し、前記移動変位計測部106は前記入力された電圧のパルス数をそれぞれ計測する(S404)。
【0036】
前記計測されたパルス数に基づいて刺繍枠400の位置を補償するため、前記制御部100内に備えられた構成要素はPID(Proportioning Integral Derivation)制御の原理により動作される。ここでは、前記PID制御の原理は公知の技術であることから、詳細な説明を省略する。
【0037】
上記のように計測されたパルス数は、位置検出部104と速度検出部105に各々入力され、位置検出部104は前記刺繍枠400のX軸及びY軸方向への移動変位を継続的に検出する(S405)。前記第1の演算機107aは、前記検出された移動変位とS401ステップで入力された刺繍枠の移動変位指令信号とを演算して位置の誤差を算出し、前記速度検出部105は前記計測されたパルス数に相応する刺繍枠400の移動速度を検出する(S406)。
【0038】
次いで、位置制御部101は、前記算出された位置の誤差に基づいて速度制御信号を出力し、第2の演算機107bは、前記位置制御部101から出力された速度制御信号と前記速度検出部105により検出された移動速度とを演算して速度の誤差を算出した後、速度制御部102は、前記第2の演算機107bにより算出された速度の誤差に基づいて電流制御信号を出力する。
【0039】
一方、電流検出部103がX軸及びY軸駆動部200,300から出力されるX軸及びY軸サーボモータの駆動電流信号を検出すると(S407)、第3の演算機107cは、前記電流検出部103により検出された電流信号と前記速度制御部102により検出された電流制御信号とを演算して駆動電流の誤差を算出する。電流制御部108は、前記第3の演算機107cにより算出された駆動電流の誤差に基づいて駆動制御信号をX軸及びY軸駆動部200,300に出力し(S408)、X軸及びY軸駆動部200,300は、刺繍枠400をX軸及びY軸方向にそれぞれ移動させ、刺繍枠400の位置を移動変位の誤差だけ補償し制御する。
【0040】
本発明は前記の実施の形態に限定されるものではなく、X軸及びY軸駆動源にX軸及びY軸方向の移動変位感知部500,600を取付けることもできる。また、これ以外にも当業者により多様な変形及び変更することができ、特に、X軸及びY軸が備えられたミシンにも同一に実施し得ることは勿論である。これは請求項で定義される本発明の趣旨と範囲とに含まれる。
【0041】
【発明の効果】
本発明は、感知部(変位センサ)によりX軸及びY軸方向への刺繍枠400の移動変位を感知し刺繍枠400の位置を制御することによって、動力の伝達時、各連動装置により発生する移動変位の誤差を最小化することができるという効果がある。
【0042】
また、本発明は、動力伝達手段としてのリニアモータを用いる従来の技術に比べ、製造コストを非常に節減できるという効果がある
【0043】
なお、本発明はX軸及びY軸方向への刺繍枠400の移動変位を感知することによって、X軸及びY軸駆動源(本実施の形態では、X軸及びY軸のサーボモータに該当する)の種類と関係なく(ステッピングモータまたはリニアモータを用いた場合も)、該当駆動源から発生する移動変位の誤差の補償ができ、刺繍枠400の位置制御をさらに精度良く行うことができ、刺繍品質の向上を図ることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】一般的な刺繍機における従来の刺繍枠の位置制御装置の構成図である。
【図2】本発明による刺繍枠の位置制御装置の構成図である。
【図3】図2の詳細ブロック図である。
【図4】本発明による刺繍枠の位置制御方法のフローチャートである。
【図5】X軸及びY軸方向の移動変位感知部による刺繍枠の移動変位の感知動作を説明するための図である。
【符号の説明】
10,100 … 制御部
20,200 … X軸駆動部
30,300 … Y軸駆動部
40,400 … 刺繍枠
101 … 位置制御部
102 … 速度制御部
103 … 電流検出部
104 … 位置検出部
105 … 速度検出部
106 … 移動変位計測部
107a,107b,107c … 第1、第2、第3の演算機
500 … X軸方向の移動変位感知部
600 … Y軸方向の移動変位感知部
Claims (12)
- 織物を固定する刺繍枠と、前記刺繍枠をX軸方向に移動させるX軸駆動部と、前記刺繍枠をY軸方向に移動させるY軸駆動部と、刺繍枠の移動変位指令信号によって前記X軸及びY軸駆動部を制御するためにX軸及びY軸駆動制御信号をそれぞれ出力する駆動制御部と、を具備する刺繍機において、
前記刺繍枠のX軸及びY軸への移動変位を感知し、前記感知した移動変位に相応する電気信号を出力する感知部をさらに具備し、
前記駆動制御部は、前記感知部から出力された電気信号に基づいて前記X軸及びY軸駆動部を制御するためのX軸及びY軸駆動制御信号をそれぞれ発生させることを特徴とする刺繍枠の位置制御装置。 - 前記駆動制御部は、
前記感知部から出力された電気信号に基づいて刺繍枠の移動変位を検出する位置検出部と、
前記感知部から検出された移動変位に基づいて刺繍枠の移動速度を検出する速度検出部と、
前記X軸及びY軸駆動部から出力されるモータ駆動電流信号を検出する電流検出部と、を具備し、
前記駆動制御部は、前記検出された刺繍枠の移動変位、移動速度及びモータ駆動電流信号を用いて、前記X軸及びY軸駆動制御信号を発生させることを特徴とする請求項1に記載の刺繍枠の位置制御装置。 - 前記位置検出部は、前記感知部から出力される電気信号のパルス数を計測する計測部をさらに具備し、
前記計測されたパルス数に基づいて、前記位置検出部は前記刺繍枠のX軸及びY軸方向への移動変位を検出し、前記速度検出部は刺繍枠の移動速度を検出することを特徴とする請求項2に記載の刺繍枠の位置制御装置。 - 前記駆動制御部は、
前記位置検出部から出力される移動変位と前記刺繍枠の移動変位指令信号とに基づいて位置の誤差を算出する第1の演算部と、
前記第1の演算部により算出された位置の誤差に基づいて速度制御信号を出力する位置制御部と、
前記位置制御部から出力される速度制御信号と前記速度検出部により検出された刺繍枠の移動速度とに基づいて速度の誤差を算出する第2の演算部と、
前記第2の演算部により算出された速度の誤差に基づいて電流制御信号を出力する速度制御部と、
前記速度制御部から出力された電流制御信号と前記電流検出部により検出された電流信号とに基づいて駆動電流の誤差を算出する第3の演算部と、
前記第3の演算部により算出された駆動電流の誤差に基づいて駆動制御信号を出力する電流制御部と、をさらに具備することを特徴とする請求項2または3に記載の刺繍枠の位置制御装置。 - 前記感知部は、前記刺繍枠のX軸及びY軸の所定の位置にそれぞれ取付けられることを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の刺繍枠の位置制御装置。
- 前記感知部は、変位センサであることを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の刺繍枠の位置制御装置。
- 前記変位センサは、リニアスケール方式により前記感知された移動変位に相応する電気信号を出力することを特徴とする請求項6に記載の刺繍枠の位置制御装置。
- X軸及びY軸駆動部からそれぞれ出力されるX軸及びY軸駆動制御信号により刺繍枠の位置をX軸及びY軸方向に移動させる方法において、前記刺繍枠がX軸及びY軸に移動された後、移動変位に相応する電気信号をそれぞれ検出する移動変位検出ステップと、
前記検出された電気信号に基づいて前記X軸及びY軸駆動制御信号をそれぞれ発生させる駆動制御信号発生ステップと、を含むことを特徴とする刺繍枠の位置制御方法。 - 前記駆動制御信号発生ステップは、
前記検出された電気信号に基づいて刺繍枠の移動変位を検出する位置検出ステップと、
前記検出された移動変位に基づいて刺繍枠の移動速度を検出する速度検出ステップと、
前記X軸及びY軸駆動部から出力されるモータ駆動電流信号を検出する電流検出ステップと、をさらに含み、
前記検出された刺繍枠の移動変位、移動速度及びモータ駆動電流信号を用いて、前記X軸及びY軸駆動制御信号を発生させることを特徴とする請求項8に記載の刺繍枠の位置制御方法。 - 前記位置検出ステップは、
前記出力される電気信号のパルス数を計測する計測ステップをさらに含み、
前記計測されたパルス数に基づいて前記刺繍枠のX軸及びY軸方向への移動変位と移動速度を検出することを特徴とする請求項9に記載の刺繍枠の位置制御方法。 - 前記駆動制御信号発生ステップは、
前記検出された移動変位と刺繍枠を移動させるため外部から入力される移動変位指令信号とに基づいて位置誤差を算出する第1の演算ステップと、
前記第1の演算ステップから算出された位置の誤差に基づいて速度制御信号を出力する位置制御ステップと、
前記位置制御ステップから出力される速度制御信号と前記速度検出ステップから検出された刺繍枠の移動速度とに基づいて速度の誤差を算出する第2の演算ステップと、
前記第2の演算ステップから算出された速度の誤差に基づいて電流制御信号を出力する速度制御ステップと、
前記速度制御ステップから出力された電流制御信号と前記電流検出ステップから検出された電流信号とに基づいて駆動電流の誤差を算出する第3の演算ステップと、
前記第3の演算ステップから算出された駆動電流の誤差に基づいて駆動制御信号を出力する電流制御ステップと、をさらに含むことを特徴とする請求項9または10に記載の刺繍枠の位置制御方法。 - 前記位置検出ステップは、リニアスケール方式により行われることを特徴とする請求項9乃至11の何れかに記載の刺繍枠の位置制御方法。
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Legal Events
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A02 | Decision of refusal |
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