JP2004254995A - 入浴危険度判定システム、判定プログラム、判定方法および熱中症度合い算出装置 - Google Patents

入浴危険度判定システム、判定プログラム、判定方法および熱中症度合い算出装置 Download PDF

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千洋 鈴木
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Abstract

【課題】適切タイミングで入浴事故を防ぐ手段を始動させるための入浴危険度判定システム、判定プログラム、判定方法を提供するる。また、その判定を行うトリガーとなる入浴者80の熱中症度合いを算出する熱中症度合い算出装置を提供する。
【解決手段】入浴危険度判定システムは、体幹部温度決定手段11と入浴危険度出力手段20,31,50とを備える。また、熱中症度合い算出装置は、生体電気インピーダンス測定部11、超音波伝搬速度測定部11a、b、第1算出手段20および第2算出手段20を備える。第1算出手段20は、生体電気インピーダンスと超音波伝搬速度とに基づいて入浴者80の体幹部温度と体内水分濃度とを算出する。第2算出手段20は、体幹部温度と体内水分濃度とに基づいて入浴者80の熱中症度合いを算出する。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、入浴者の入浴に対する危険度を判定する入浴危険度判定システム、判定プログラムおよび判定方法、ならびに入浴者の熱中症度合いを算出する熱中症度合い算出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
2001年11月19日付けの朝日新聞朝刊では、ここ数年で年間の入浴事故死亡者は1万4千人にも達し、交通事故死亡者を上回ると報道されている。この事実に鑑みて、近年、このような入浴事故を防止するための技術が開発されている(例えば、特許文献1参照。)。この特許文献1に示される技術では、入浴者が動かなくなった状態をセンシングして、これをきっかけとして湯の排出が行われるようになっている。
【0003】
【特許文献1】
特開2003−6759号公報(第3−7項、図1)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、湯船の中に浸かっている入浴者は、一般的にほとんど動くことがないと思われる。つまり、このセンシング方法は非常に確度が低く、何の異常もないのにかかわらず、湯船にゆっくりと浸かっている入浴者から快適な環境をとりあげるといったおそれがあると考えられる。
【0005】
本発明の課題は、入浴事故の引き金となる原因を適切にセンシングして、適切なタイミングで入浴事故を防ぐ手段を始動させるための入浴危険度判定システム、判定プログラム、判定方法を提供することにある。また、その判定を行うトリガーとなる入浴者の熱中症度合いを算出する熱中症度合い算出装置を提供することも本発明の課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の入浴危険度判定システムは、体幹部温度決定手段と入浴危険度出力手段とを備える。なお、ここでは、これらの手段全てが1つの装置に備えられていてもよい。体幹部温度決定手段は、入浴者の体幹部温度を決定する。入浴危険度出力手段は、体幹部温度を含む情報に基づいて入浴者の入浴に対する危険度を出力する。なお、ここにいう「出力」とは、表示や警報などを含む。
【0007】
ここでは、体幹部温度決定手段が、入浴者の体幹部温度を決定する。2001年11月19日付けの朝日新聞朝刊によると、入浴事故のほとんどは熱中症による意識障害が引き金になると報告されている。この熱中症は、医学的には、脱水症状に至ったときに体温調節機能の障害が起こり、それが原因となって体幹部温度の上昇が起こり、その体幹部温度の上昇が脱水症状に拍車をかけるという悪循環によって引き起こされるとされている。このため、体幹部温度決定手段は、入浴事故の引き金となる原因を適切にセンシングすることができる。続いて、入浴危険度出力手段が、体幹部温度を含む情報に基づいて入浴者の入浴に対する危険度を出力する。このため、適切なタイミングで入浴事故を防ぐ手段を始動させることができる。
【0008】
請求項2に記載の入浴危険度判定システムは、請求項1に記載の入浴危険度判定システムであって、生体電気インピーダンス測定手段と超音波伝搬速度測定手段とをさらに備える。生体電気インピーダンス測定手段は、入浴者の体幹部の一部または全部の生体電気インピーダンスを測定する。超音波伝搬速度測定手段は、入浴者の体幹部の一部または全部を伝搬する超音波の伝搬速度を測定する。そして、体幹部温度決定手段は、生体電気インピーダンスおよび超音波伝搬速度に基づいて体幹部温度を決定する。
【0009】
ここでは、生体電気インピーダンス測定手段が、入浴者の体幹部の一部または全部の生体電気インピーダンスを測定する。また、超音波伝搬速度測定手段が、入浴者の体幹部の一部または全部を伝搬する超音波の伝搬速度を測定する。そして、体幹部温度決定手段が、生体電気インピーダンスおよび超音波伝搬速度に基づいて体幹部温度を決定する。非特許文献、T.IEE Japan,Vol.122−E,No.6,2002によると、ある物質のインピーダンスとその物質を伝搬する超音波の伝搬速度とからその物質の温度を測定できる。このため、入浴者の体幹部のインピーダンスとその入浴者の体幹部を伝搬する超音波の伝搬速度とを測定できれば、その入浴者の体幹部温度を知ることができる。また、このようにすれば入浴者の体幹部の深部体温を知ることができる。熱中症で問題となる体幹部の温度は、体幹部の表面温度よりむしろ体幹部の深部温度であるといわれている。したがって、より正確なセンシングが可能となる。
【0010】
請求項3に記載の入浴危険度判定システムは、請求項1または2に記載の入浴危険度判定システムであって、測定手段をさらに備える。測定手段は、浴室または脱衣所と居室などとの部屋間温度差、湯温、入浴時間および浴室の無音時間の少なくとも1つを測定する。そして、入力危険度出力手段は、部屋間温度差、湯温、入浴時間および無音時間の少なくとも1つと体幹部温度とに基づいて入浴者の入浴に対する危険度を出力する。
【0011】
ここでは、測定手段が、浴室または脱衣所と居室などとの部屋間温度差、湯温、入浴時間および浴室の無音時間の少なくとも1つを測定する。そして、入力危険度出力手段が、部屋間温度差、湯温、入浴時間および無音時間の少なくとも1つと体幹部温度とに基づいて入浴者の入浴に対する危険度を出力する。このため、浴槽内で起こり得る入浴事故だけでなく、浴槽外で起こり得る入浴事故にも対応できる。
【0012】
請求項4に記載の入浴危険度判定システムは、請求項2に記載の入浴危険度判定システムであって、体幹部温度決定手段は、生体電気インピーダンスおよび超音波伝搬速度に基づいて入浴者の体幹部温度を決定すると共に入浴者の体内水分濃度をも決定する。入浴危険度出力手段は、体幹部温度および体内水分濃度に基づいて熱中症度合いを算出し、熱中症度合いを含む情報に基づいて入浴者の入浴に対する危険度を出力する。先にも示したように、熱中症は、脱水症状に至ったときに体温調節機能の障害が起こり、それが原因となって体幹部温度の上昇が起こり、その体幹部温度の上昇が脱水症状に拍車をかけるという悪循環によって引き起こされるとされている。したがって、ここでは、熱中症に起因する2つのパラメータ(体幹部温度と体内水分濃度)を得ることができる。なお、この熱中症度合いは、熱中症の被験者から先の2つのパラメータを多数取得して、これらの過去データとの比較により求めてもよい。また、それら2つのパラメータと熱中症との間に何らかの相関が見いだすことができれば、その相関を利用して熱中症の度合いを求めてもよい。
【0013】
ここでは、体幹部温度決定手段が、生体電気インピーダンスおよび超音波伝搬速度に基づいて入浴者の体幹部温度を決定すると共に入浴者の体内水分濃度をも決定する。非特許文献、T.IEE Japan,Vol.122−E,No.6,2002によると、ある物質のインピーダンスとその物質を伝搬する超音波の伝搬速度とは、その物質の温度と組成とに依存する。このため、入浴者の体幹部のインピーダンスとその入浴者の体幹部を伝搬する超音波の伝搬速度とを測定できれば、その入浴者の体幹部温度だけでなくその入浴者の体内水分濃度を知ることもできる。続いて、入浴危険度出力手段が、体幹部温度および体内水分濃度に基づいて熱中症度合いを算出し、熱中症度合いを含む情報に基づいて入浴者の入浴に対する危険度を出力する。このため、さらに適切なタイミングで入浴事故を防ぐ手段を始動させることができる。
【0014】
請求項5に記載の入浴危険度判定システムは、請求項4に記載の入浴危険度判定システムであって、測定手段をさらに備える。測定手段は、浴室または脱衣所と居室などとの部屋間温度差、湯温、入浴時間および浴室の無音時間の少なくとも1つを測定する。そして、入浴危険度出力手段は、部屋間温度差、湯温、入浴時間および無音時間の少なくとも1つと熱中症度合いとに基づいて入浴者の入浴に対する危険度を出力する。
【0015】
ここでは、測定手段が、浴室または脱衣所と居室などとの部屋間温度差、湯温、入浴時間および浴室の無音時間の少なくとも1つを測定する。そして、入浴危険度出力手段が、部屋間温度差、湯温、入浴時間および無音時間の少なくとも1つと熱中症度合いとに基づいて入浴者の入浴に対する危険度を出力する。このため、浴槽内で起こり得る入浴事故だけでなく、浴槽外で起こり得る入浴事故にも対応できる。
【0016】
請求項6に記載の入浴危険度判定システムは、請求項2から5のいずれかに記載の入浴危険度判定システムであって、生体電気インピーダンス測定手段は、入浴者と接触する第1接触部を有する。超音波伝搬速度測定手段は、入浴者と接触する第2接触部を有する。そして、第1接触部および第2接触部は、浴槽内に設けられる。
【0017】
ここでは、生体電気インピーダンス測定手段が、入浴者と接触する第1接触部を有する。また、超音波伝搬速度測定手段が、入浴者と接触する第2接触部を有する。そして、第1接触部および第2接触部が、浴槽内に設けられる。このため、熱中症の状態に陥りやすい浴槽内での入浴者の状態を監視することができる。請求項7に記載の入浴危険判定システムは、請求項6に記載の入浴危険判定システムであって、第1接触部および第2接触部は、同一である、
ここでは、第1接触部および第2接触部は、同一である。非特許文献、T.IEE Japan,Vol.122−E,No.6,2002によると、一対の圧電セラミックスによりある物質の温度と組成とを同時に測定することができる。このため、本入浴危険度判定システムの構成を簡易にすることができる。
【0018】
請求項8に記載の入浴危険度判定システムは、請求項6または7に記載の入浴危険度判定システムであって、第1接触部および第2接触部は、入浴者が浴槽に入っている体勢において入浴者の背中、または背中と臀部とに接触する位置に設けられる。
ここでは、第1接触部および第2接触部が、入浴者が浴槽に入っている体勢において入浴者の背中、または背中と臀部とに接触する位置に設けられる。このため、本入浴危険度判定システムは、入浴者が浴槽に入っているときは常にその体幹部温度あるいは熱中症度合いを決定することができる。
【0019】
請求項9に記載の入浴危険度判定システムは、請求項2から8のいずれかに記載の入浴危険度判定システムであって、生体電気インピーダンス測定手段および超音波伝搬速度測定手段は、同時に対象を測定する。
ここでは、生体電気インピーダンス測定手段および超音波伝搬速度測定手段は、同時に対象を測定する。先にも示したように、生体電気インピーダンスは、温度依存性を有する。しかし、ここでは、超音波伝搬速度も同時に測定されるため、生体電気インピーダンスの温度補正を同時に行うことになる(逆に、超音波伝搬時間の温度補正も同時に行われることになる。)。このため、より正確な体幹部温度あるいは熱中症度合いを決定することができる。
【0020】
請求項10に記載の入浴危険度判定プログラムは、体幹部温度決定ステップと入浴危険度出力ステップとを備える。体幹部温度決定ステップでは、入浴者の体幹部温度が決定される。入浴危険度出力ステップでは、体幹部温度を含む情報に基づいて入浴者の入浴に対する危険度が出力される。
ここでは、このプログラムが実行されると、体幹部温度決定ステップで、入浴者の体幹部温度が決定される。このため、入浴事故の引き金となる原因を適切にセンシングすることができる。続いて、入浴危険度出力ステップで、体幹部温度を含む情報に基づいて入浴者の入浴に対する危険度が出力される。このため、適切なタイミングで入浴事故を防ぐ手段を始動させることができる。
【0021】
請求項11に記載の入浴危険度判定方法は、体幹部温度決定ステップと入浴危険度出力ステップとを備える。体幹部温度決定ステップでは、入浴者の体幹部温度が決定される。入浴危険度出力ステップでは、体幹部温度を含む情報に基づいて入浴者の入浴に対する危険度が出力される。
ここでは、この方法が実施されると、体幹部温度決定ステップで、入浴者の体幹部温度が決定される。このため、入浴事故の引き金となる原因を適切にセンシングすることができる。続いて、入浴危険度出力ステップで、体幹部温度を含む情報に基づいて入浴者の入浴に対する危険度が出力される。このため、適切なタイミングで入浴事故を防ぐ手段を始動させることができる。
【0022】
請求項12に記載の熱中症度合い算出装置は、生体電気インピーダンス測定部、超音波伝搬速度測定部、第1算出手段および第2算出手段を備える。生体電気インピーダンス測定部は、入浴者の生体電気インピーダンスを測定する。超音波伝搬速度測定部は、入浴者の体の一部を伝搬する超音波の伝搬速度を測定する。第1算出手段は、生体電気インピーダンスと超音波伝搬速度とに基づいて入浴者の体幹部温度と体内水分濃度とを算出する。第2算出手段は、体幹部温度と体内水分濃度とに基づいて入浴者の熱中症度合いを算出する。
【0023】
ここでは、生体電気インピーダンス測定部が、入浴者の生体電気インピーダンスを測定する。また、超音波伝搬速度測定部が、入浴者の体の一部を伝搬する超音波の伝搬速度を測定する。そして、第1算出手段が、生体電気インピーダンスと超音波伝搬速度とに基づいて入浴者の体幹部温度と体内水分濃度とを算出する。このため、熱中症に起因する2つのパラメータ(体幹部温度と体内水分濃度)を得ることができる。続いて、第2算出手段が、体幹部温度と体内水分濃度とに基づいて入浴者の熱中症度合いを算出する。このため、入浴事故の引き金となる原因をより適切にセンシングすることができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態では、入浴者から得られる情報に基づいてその入浴者の入浴に対する危険度を判定し、その危険度に基づいて入浴事故を防止するための入浴事故防止システムについて説明する。
[入浴事故防止システムのシステム構成]
図1には、本実施の形態に係る入浴事故防止システム70のシステム構成図を示す。図1に示すように、本実施の形態に係る入浴事故防止システム70は、コンピュータ20、入浴者情報測定部11、給湯機10,冷房エアコン12、水位センサー13、湯温センサー14、冷却器15、循環ポンプ16、電磁弁17、第1浴室コントローラ40、第2浴室コントローラ30および浴室外アラーム報知器50から構成される。なお、コンピュータ20、給湯機10、入浴者情報測定部11、冷房エアコン12、水位センサー13、湯温センサー14、冷却器15、循環ポンプ16、電磁弁17および第2浴室コントローラ30は、浴室61に設けられる。また、第1浴室コントローラ40は、脱衣所62に設けられる。そして、浴室外アラーム報知器50は、居間63、台所64および寝室65に設けられる。
【0025】
[入浴事故防止システム70のシステム構成要素]
(1)入浴者情報測定部11
入浴者情報測定部11は、インピーダンス測定機能と超音波伝搬速度測定機能とを併せ持つ。この入浴者情報測定部11は、接触部11a,11bを有する。なお、これらの接触部11a,11bは、圧電セラミックスからなる。また、これらの接触部11a,11bは、図2に示すように、入浴者80が浴槽に入った状態において入浴者80の背中に接触するように設けられる。なお、この入浴者情報測定部11は、入浴者80と2点で接触するようになっており、その2点間のインピーダンスと超音波伝搬速度とを同時に測定するようになっている。また、この場合において、一方の接触部11aは超音波を発信し、もう一方の接触部11bは超音波を受信する。そして、この入浴者情報測定部11は、その2つの測定情報をコンピュータ20に常時送信する。
【0026】
(2)給湯機10
給湯機10は、浴槽にお湯を供給する。また、この給湯機10は、風呂を追い炊きする機能も有する。
(3)冷房エアコン12
冷房エアコン12は、図2に示すように、入浴者80の後頭部に冷風を供給する。これにより入浴者80が熱中症に至る確率を低める。
【0027】
(4)水位センサー13
水位センサー13は、浴槽中のお湯の水位を測定する。そして、この水位センサー13は、測定情報をコンピュータ20に常時送信する。
(5)湯温センサー14
湯温センサー14は、浴槽中のお湯の温度を測定する。そして、この湯温センサー14は、測定情報をコンピュータ20に常時送信する。
【0028】
(6)冷却器15
冷却器15は、循環ポンプ16によって吸引されたお湯を冷却する。
(7)循環ポンプ16
循環ポンプ16は、入浴者80が浴槽に入った状態において入浴者80の膝裏辺りに、冷却器15により低温化されたお湯を供給する。そして、その循環ポンプ16は、温められたお湯を吸引して冷却器15により低温下されたお湯を再度浴槽中に供給する。これにより入浴者80が熱中症に至る確率を低める。
【0029】
(8)電磁弁17
電磁弁17は、コンピュータ20から送信される情報に基づいて開閉する。
(9)第1浴室コントローラ40
第1浴室コントローラ40は、入浴開始予定時刻および入浴予定時間の設定機能、湯温の設定機能、水位設定機能および自動湯張り機能を有する。
【0030】
(10)コンピュータ20
コンピュータ20は、入浴者情報測定部11からインピーダンスと超音波伝搬速度との測定情報を受信する。そして、このコンピュータ20は、これら2つの情報に基づいて入浴危険度を決定する。さらに、このコンピュータ20は、この入浴危険度に基づいて、給湯機10、冷房エアコン12、冷却器15、循環ポンプ16および電磁弁17の制御と、アラームの鳴動時間間隔の決定とを行う。また、このコンピュータ20は、第1浴室コントローラ40において設定された入浴開始予定時刻を記憶しており、入浴開始予定時刻から所定時間経過した後に入浴者情報測定部11から送信される情報に変化が生じない場合、非常警報アラーム(入浴危険度に基づくアラームとは異なるアラーム音)を報知する。なお、このコンピュータ20は、モデムを有しており、所定条件に達すれば救急センターへ緊急通報データを送信するように設定されている。
【0031】
(11)第2浴室コントローラ30
第2浴室コントローラ30は、入浴予定時間の変更機能、湯温設定変更機能および水位設定変更機能を有する。また、第2浴室コントローラ30は、アラーム報知部31とアラーム停止部32とを有する。アラーム報知部31は、コンピュータ20から送信される時間間隔情報に基づいてアラームを報知する。また、アラーム停止部32は、入浴者80に押されることにより、アラームを停止する。
【0032】
(12)浴室外アラーム報知器50
浴室外アラーム報知器50は、コンピュータ20から送信される時間間隔情報に基づいてアラームを報知する。
[入浴事故防止システム70の接続形態]
入浴者情報測定部11、給湯機10、冷房エアコン12、水位センサー13、湯温センサー14、冷却器15、循環ポンプ16、電磁弁17、第1浴室コントローラ40、第2浴室コントローラ30および浴室外アラーム報知部50は、コンピュータ20に接続される。
【0033】
[本入浴事故防止システム70の運転の流れ]
図3には、本入浴事故防止システム70の運転の流れを表すフローチャートを示す。
図3において、ルーチンR1では、入浴予定者が、浴室環境の初期設定を行う。ルーチンR2では、入浴事故防止システム70が、入浴準備の開始を行う。ルーチンR3では、コンピュータ20が、浴室設備12,15,16の運転開始を行う。そして、以下、ルーチンR4からルーチンR8は、入浴開始予定時刻tsから入浴終了予定時刻ts+tpまで1分おきに繰り返される。ルーチンR4では、入浴者情報測定部11およびセンサー13,14が、対象の測定およびその測定値の送信を行う。ルーチンR5では、入浴事故防止システム70が、入浴者80の確認を行う。ルーチンR6では、コンピュータ20が、入浴危険度の決定を行う。ルーチンR7では、入浴事故防止システム70が、入浴事故防止機能を発現する。
【0034】
[浴室環境の初期設定の流れ]
図4には、浴室環境の初期設定の流れを表すフローチャートを示す。
図4において、ステップS11では、入浴予定者が、入浴開始予定時刻tsを入力する。ステップS12では、入浴予定者が、入浴予定時間tpを入力する。ステップS13では、入浴予定者が、希望湯温Tdを入力する。ステップS14では、入浴予定者が、希望水位Ldを入力する。ステップS15では、コンピュータ20が、希望湯温Tdと希望水位Ldとに基づいて入浴準備時刻taを算出する。
【0035】
[入浴準備の流れ]
図5には、入浴準備の流れを表すフローチャートを示す。
図5において、ステップS21では、コンピュータ20が、現時刻tを取得する。ステップS22では、コンピュータ20が、現時刻tが入浴準備時刻taであるかを確認する。ステップS22の確認の結果、現時刻tが入浴準備時刻taでなければ、ステップS21に戻る。ステップS22の確認の結果、現時刻tが入浴準備時刻taであれば、ステップS23に移る。ステップS23では、給湯機10が、浴槽に希望湯温Tdのお湯の供給を開始する。ステップS24では、コンピュータ20が、水位Lが希望水位Ldに達したかを水位センサー13によって確認する。ステップS24の確認の結果、水位Lが希望水位Ldに達していなければ、ステップS24に戻る。ステップS24の確認の結果、水位Lが希望水位Ldに達していれば、ステップS25に移る。ステップS25では、給湯機10が、お湯の供給を停止する。
【0036】
[浴室設備12,15,16の運転開始の流れ]
図16には、浴室設備12,15,16の運転開始の流れを表すフローチャートを示す。
図16において、ステップS31では、コンピュータ20が、現時刻tを取得する。ステップS32では、コンピュータ20が、現時刻tが入浴開始予定時刻tsであるかを確認する。ステップS32の確認の結果、現時刻tが入浴開始予定時刻tsでなければ、ステップS31に戻る。ステップS32の確認の結果、現時刻tが入浴開始予定時刻tsであれば、ステップS33に移る。ステップS33では、コンピュータ20が、冷房エアコン12の運転を開始する。ステップS34では、コンピュータ20が、冷却器15および循環ポンプ16の運転を開始する。
【0037】
[入浴者の確認の流れ]
図7には、測定から測定値の送信までの流れを表すフローチャートを示す。
図7において、ステップS41では、湯温センサー14が、湯温T(t)を測定してコンピュータ20に測定値を送信する。ステップS42では、水位センサー13が、水位L(t)を測定してコンピュータ20に測定値を送信する。ステップS43では、入浴者情報測定部11が、インピーダンスIp(t)と超音波伝搬速度とを測定してコンピュータ20に測定値を送信する。
【0038】
[測定から測定値の送信までの流れ]
図8には、入浴者80の確認の流れを表すフローチャートを示す。
図8において、ステップS51では、コンピュータ20が、現時刻tを取得する。ステップS52では、コンピュータ20が、t−tsが11分よりも小さいかを確認する。ステップS52の確認の結果、t−tsが11分よりも小さい場合は、ステップS53に移る。ステップS52の確認の結果、t−tsが11分よりも大きい場合は、入浴者確認の処理を出る。ステップS53では、コンピュータ20が、その時刻tでのインピーダンスlp(t)を記憶する。なお、このインピーダンス値lp(t)は、設定湯温によって補正される。ステップS54では、コンピュータ20が、t−tsが10分であるかを確認する。ステップS54の確認の結果、t−tsが10分でなければ、入浴者確認の処理を出る。ステップS54の確認の結果、t−tsが10分であれば、ステップS55に移る。ステップS55では、コンピュータ20が、記憶しているインピーダンス値lp(t)の総和Fを算出する。なお、この記憶された値は、システムの運転終了後に消去される。ステップS56では、コンピュータ20が、総和Fが所定閾値よりも大きいかを確認する。ステップS56の確認の結果、総和Fが所定の閾値よりも小さい場合は、入浴者確認の処理を出る。ステップS56の確認の結果、総和Fの閾値よりも大きい場合は、ステップS57に移る。入浴者80が10分以内に浴槽に入っていれば、インピーダンス値が低下する。ここでは、この現象を利用して入浴者80が浴室61を利用しているかを確認している。ステップS57では、コンピュータ20が、緊急警報アラームを鳴動させる。
【0039】
[入浴危険度の決定の流れ]
図9には、入浴危険度の決定の流れを表すフローチャートを示す。
図9において、ステップS61では、コンピュータ20が、インピーダンスlp(t)が限界インピーダンスXよりも小さいかを確認する。ステップS61の確認の結果、インピーダンスlp(t)が限界インピーダンスXよりも大きい場合は、入浴危険度の決定処理を出る。ステップS61の確認の結果、インピーダンスlp(t)が限界インピーダンスXよりも小さい場合は、ステップS62に移る。ここでは、入浴者80が浴槽内に入っているかを確認している。ステップS62では、コンピュータ20が、インピーダンスlp(t)と超音波伝搬速度とに基づいて入浴者80の体幹部温度と体内水分濃度とを算出する(非特許文献、T.IEE Japan,Vol.122−E,No.6,2002によると、インピーダンスと超音波伝搬速度とは、温度と濃度とをパラメータとする関数で示される。このため、それぞれの測定値をそれぞれの関係式に代入してこれらの二元方程式を解くと、入浴者80の体幹部温度と体内水分濃度とを得ることができる。)。ステップS63では、コンピュータ20が、その体幹部温度と体内水分濃度とに基づいて熱中症度合いを算出する(なお、この熱中症度合いの算出は、過去に得られた豊富な情報に基づいて決定される。)。ステップS64では、コンピュータ20が、その熱中症度合いに基づいてその時刻tにおける入浴危険度D(t)を決定する。なお、この決定は、図15に示されるような対応図に基づいて処理される。
【0040】
[入浴事故防止機能の発現の流れ]
図10には、入浴事故防止機能の発現の流れを表すフローチャートを示す。
図10において、ステップS71では、コンピュータ20が、その時刻tの入浴危険度D(t)がその時刻の1分前の入浴危険度D(t−1)と等しいかを確認する。ステップS71の確認の結果、D(t)がD(t−1)と等しくなければ、設定変更処理に移る。ステップS71の確認の結果、D(t)がD(t−1)と等しければ、ステップS72に移る。ステップS72では、コンピュータ20が、入浴危険度が変化した時刻から1分おきにカウント(入浴危険度が変化した時刻からの経過時間を意味する。)aを行う。ステップS73では、コンピュータ20が、カウント数aがアラーム鳴動時間間隔Acに等しいかを確認する。ステップS73の確認の結果、カウント数aがアラーム鳴動時間間隔Acに等しければ、アラーム鳴動処理に移る。ステップS73の確認の結果、カウント数aがアラーム鳴動時間間隔Acに等しくなければ、入浴事故防止機能の発現処理を出る。
【0041】
[浴室設備12,15,16の設定変更の流れ]
図11には、浴室設備12,15,16の設定変更の流れを表すフローチャートを示す。
図11において、ステップS81では、コンピュータ20が、カウント数aを0にリセットする。ステップS82では、コンピュータ20が、入浴危険度D(t)に基づいてアラーム鳴動時間間隔Acを変更する。ステップS83では、入浴危険度D(t)に基づいて冷房設定温度を変更する。ステップS84では、入浴危険度D(t)に基づいて設定風速を変更する。ルーチンR85では、入浴危険度D(t)に基づいて水位を調節する。ルーチンR86では、入浴危険度D(t)に基づいて湯温を調節する。
【0042】
[入浴危険度に基づいた水位の調節の流れ]
図12には、入浴危険度に基づいた水位の調節の流れを表すフローチャートを示す。
図12において、ステップS91では、コンピュータ20が、その時刻tにおける設定水位Ls(t)を変更する。ステップS92では、コンピュータ20が、Ls(t)がその時刻tの1分前の設定水位Ls(t−1)よりも大きいかを確認する。ステップS92の確認の結果、Ls(t)がLs(t−1)よりも大きい場合は、ステップS93に移る。ステップS92の確認の結果、Ls(t)がLs(t−1)よりも小さい場合は、ステップS94に移る。ステップS93では、給湯機10が、Ls(t)に至るまでお湯を足す。ステップS94では、コンピュータ20が、Ls(t)に至るまで電磁弁17を開ける。
【0043】
[入浴危険度に基づいた湯温の調節]
図13には、入浴危険度に基づいた湯温の調節の流れを表すフローチャートを示す。
図13において、ステップS101では、コンピュータ20が、冷却器15の設定温度を変更する。ステップS102では、コンピュータ20が、循環ポンプ16の揚水量の設定を変更する。ステップS103では、コンピュータ20が、入浴危険度D(t)が5未満であるかを確認する。ステップS103の確認の結果、入浴危険度D(t)が5未満でなければ、ステップS106に移る。ステップS103の確認の結果、入浴危険度D(t)が5未満であれば、ステップS104に移る。ステップS106では、コンピュータ20が、湯温設定機能をロックする。入浴者80が自発的に風呂を沸かすのを抑止するためである。ステップS104では、コンピュータ20が、その時刻tにおける湯温T(t)が希望湯温Tよりも摂氏3度以上低いかを確認する。ステップS104の確認の結果、湯温T(t)が希望湯温Tよりも摂氏3度以上低くない場合は、湯温調節処理を出る。ステップS104の確認の結果、湯温T(t)が希望湯温Tよりも摂氏3度以上低い場合は、ステップS105に移る。ステップS105では、給湯機10が、希望湯温Tdに至るまで風呂を沸かす。
【0044】
[アラーム鳴動の流れ]
図14には、アラーム鳴動の流れを表すフローチャートを示す。
図14において、ステップS111では、コンピュータ20が、第2浴室コントローラ30のアラーム報知部31および浴室外アラーム報知器50に対してアラームの鳴動を開始させる(アラームの鳴動時間間隔は、図15に示すように、あらかじめ入浴危険度別に設定されている。)。ステップS112では、コンピュータ20が、緊急タイマーを作動させる。ステップS113では、コンピュータ20が、第2浴室コントローラ30のアラーム停止部32が押されたかを確認する。ステップS113の確認の結果、第2浴室コントローラ30のアラーム停止部32が押された場合は、ステップS116に移る。ステップS113の確認の結果、第2浴室コントローラ30のアラーム停止部32が押されていない場合は、ステップS114に移る。ステップS116では、コンピュータ20が、緊急タイマーを停止させる。ステップS114では、コンピュータ20が、アラーム鳴動開始から5分を経過したかを確認する。ステップS114の確認の結果、アラーム鳴動開始から5分を経過していない場合は、ステップS113に戻る(つまり、アラームの鳴動を継続する。)。ステップS114の確認の結果、アラーム鳴動開始から5分を経過した場合は、ステップS115に移る。ステップS115では、コンピュータ20が、救急センターへ緊急通報データを送信する。救急センターへ緊急通報データを送信した後は、ステップS116において、コンピュータ20が緊急タイマーを停止させる。ステップS117では、コンピュータ20が、第2浴室コントローラ30のアラーム報知部31および浴室外アラーム報知器50に対してアラームの鳴動を停止させる。
【0045】
[入浴事故防止システム70の特徴]
(1)
本実施の形態に係る入浴事故防止システム70では、接触部11a,11bが圧電セラミックスであって、インピーダンスと超音波伝搬速度とが同時に測定される。インピーダンスは、温度依存性を有する。しかし、ここでは、超音波伝搬速度も同時に測定されるため、インピーダンスの温度補正を同時に行うことになる(逆に、超音波伝搬時間の温度補正も同時に行われることになる。)。このため、より正確な体幹部温度あるいは熱中症度合いを決定することができる。
【0046】
(2)
本実施の形態に係る入浴事故防止システム70では、インピーダンスと超音波伝搬速度とに基づいて体幹部温度と体内水分濃度とを算出し、その体幹部温度と体内水分濃度とに基づいて熱中症度合いを算出する。そして、その熱中症度合いから入浴危険度を決定する。このため、入浴事故の直接の原因とされている熱中症そのものを監視することができ、適切なタイミングで入浴事故を防ぐ手段を始動させることができる。
【0047】
(3)
本実施の形態に係る入浴事故防止システム70では、入浴者80が浴槽に浸かった状態で、入浴者80の背中に接触部11a,11bが接触するようになっている。このため、熱中症の状態に陥りやすい浴槽内での入浴者80の状態を監視することができる。
【0048】
(4)
本実施の形態に係る入浴事故防止システム70では、アラームの鳴動時間間隔が、入浴危険度が高まると短くなり、入浴危険度が低くなると長くなるように設定される。このため、入浴者80に対してストレスをできるだけ与えず、かつ、入浴事故の発見を早期に行うことができる。また、入浴者80自身がこのアラーム鳴動が速くなるのを確認すれば、その入浴者80は自発的に入浴を中止することができる。さらに、アラームの鳴動によってその入浴者80にストレスを感じさせることができる。したがって、頑なに入浴を継続しようとする入浴者であっても半強制的に入浴を取りやめさせることができる。
【0049】
(5)
本実施の形態に係る入浴事故防止システム70では、入浴者80およびその家族などに対してアラームの鳴動を行う。このため、家族などは入浴者80の健康状態をアラームの鳴動時間間隔により確認することができる。したがって、入浴者80が危険な状態にあることを即座に確認することができ、入浴事故の発見を迅速に行うことができる。
【0050】
(6)
本実施の形態に係る入浴事故防止システム70では、入浴予定者が、入浴開始予定時刻および入浴予定時間を設定する。このため、入浴予定者が、入浴事故防止システム70を始動させる時間を自ら指定することができる。したがって、無用なアラームの鳴動を防止することができる。
【0051】
(7)
本実施の形態に係る入浴事故防止システム70は、入浴開始予定時刻から10分後に入浴者80の存在を確認する。このため、脱衣所62などの浴室61以外の場所で事故があったときでも迅速にその事故発生を発見することができる。
(8)
本実施の形態に係る入浴事故防止システム70には、アラーム停止部32が設けられている。このため、入浴者80が、その入浴者80の安否を家族などに知らせることができる。
【0052】
(9)
本実施の形態に係る入浴事故防止システム70には、冷房エアコン12が備えられており、後頭部に冷風を供給する。また、入浴危険度に応じて冷風温度および風量を調節する。このため、入浴者80が熱中症に至る確率を低めることができる。
【0053】
(10)
本実施の形態に係る入浴事故防止システム70では、膝裏に湯温よりも低温の水が供給される。膝裏には、太い血管が通っている。このため、その入浴者80をさらに効率よく冷却することができる。
(11)
本実施の形態に係る入浴事故防止システム70では、入浴危険度が5未満であれば、希望湯温を維持することができる。このため、入浴者80が健康な状態にあれば、その入浴者80に対して快適な環境を提供し続けることができる。
【0054】
(12)
本実施の形態に係る入浴事故防止システム70では、コンピュータ20が、入浴危険度に応じて水位を調節する。このため、適切なタイミングで浴槽中の水位を低下させることができる。したがって、入浴者80が意識障害に陥っても、その入浴者80が溺死するのを防止することができる。さらに、入浴危険度が高くなった場合、入浴者80の体に冷風の供給が行われることになる。このため、さらに効率的に入浴者80の体を冷却することができる。
【0055】
(13)
本実施の形態に係る入浴事故防止システム70では、入浴危険度が5以上になると、コンピュータ20が、湯温設定機能をロックする。このため、入浴者80が湯温を高くしたくても、それを抑止することができる。したがって、その入浴者80の安全を確保することができる。
【0056】
<本実施の形態の変形例>
(1)
本実施の形態に係る入浴事故防止システム70では、インピーダンスと超音波伝搬速度とに基づいて体幹部温度と体内水分濃度とを求めたが、これに代えて、インピーダンスと超音波伝搬速度とに基づいて体幹部温度のみを求めてもよい。直接的に熱中症を判定できるわけではないが、熱中症の前段階を判定することは可能である。このようにすれば、入浴事故防止システム70のシステム負荷を低減することができる。
【0057】
(2)
本実施の形態に係る入浴事故防止システム70では、第1浴室コントローラ40に入浴開始予定時間設定機能を設けたが、これに代えて、浴室61に人検知センサーを設置してもよい。このようにすれば、入浴者80が入浴開始予定時刻および入浴予定時間を入力する手間を省くことができる。
【0058】
(3)
本実施の形態に係る入浴事故防止システム70では、アラームを用いて入浴者80およびその家族などに対してその入浴者80の危険を報知したが、これに代えて、点滅ライトを用いて入浴者80およびその家族などに対してその入浴者80の危険を報知してもよい。このようにすれば、入浴者80および家族などのアラームに対するストレスを和らげることができる。
【0059】
(4)
本実施の形態に係る入浴事故防止システム70では、浴室61に冷房エアコン12を設けて入浴者80の後頭部に冷風を供給することによって、入浴者80が熱中症に至る確率を低めたが、これに代えて、水、アルコールあるいはその混合物などを入浴者の頭部に噴霧してその気化熱により入浴者の頭部を冷却して、入浴者80が熱中症に至る確率を低めてもよい。このようにすれば、効率よく入浴者80を冷却し、かつ省エネルギー効果を見込むことができる。
【0060】
(5)
本実施の形態に係る入浴事故防止システム70では、接触部11a,11bを入浴者80の背中に接触するように浴槽に設けたが、これに代えて、一方の接触部11a,11bを背中の上部周辺に、もう一方の接触部11a,11bを臀部周辺に設けてもよい。このようにすれば、測定距離が長くなるので、測定誤差をより小さくすることができる。また、入浴者80の深部体温を測定しやすくなる。
【0061】
(6)
本実施の形態に係る入浴事故防止システム70では、熱中症度合いのみから入浴危険度を決定したが、これに代えて、浴室または脱衣所と居間などとの部屋間温度差(ヒートショック対策)、入浴時間、浴室あるいは脱衣所の無音時間の測定手段を設けて、これらのパラメータと熱中症度合いとから入浴危険度を決定してもよい。このようにすれば、浴槽内で起こり得る入浴事故だけでなく、浴槽外で起こり得る入浴事故にも対応できる。
【0062】
(7)
本実施の形態に係る入浴事故防止システム70では、アラームの鳴動時間間隔が任意に決定されていたが、これに代えて、図16に示すようなカーラーの救命曲線などの医学的データを参考にしてそのアラームの鳴動時間間隔を決定してもよい。このようにすれば、より適切なアラームの鳴動を行うことができる。なお、このカーラーの救命曲線は、心臓停止、呼吸停止、出血などの緊急事態における経過時間と死亡率との関係を示している。例えば、心臓停止では3分間放置されると死亡率が約50%に、呼吸停止では10分間放置されると死亡率が約50%なる。つまり、緊急事態が重大であるほど適切な処置をしなければ、死亡者が増加する。
【0063】
【発明の効果】
請求項1に係る入浴危険度判定システムでは、入浴事故の引き金となる原因を適切にセンシングすることができる。また、適切なタイミングで入浴事故を防ぐ手段を始動させることができる。
請求項2に係る入浴危険度判定システムでは、入浴者の体幹部のインピーダンスとその入浴者の体幹部を伝搬する超音波の伝搬速度とを測定できれば、その入浴者の体幹部温度を知ることができる。また、このようにすれば入浴者の体幹部の深部体温を知ることができる。したがって、より正確なセンシングが可能となる。
【0064】
請求項3に係る入浴危険度判定システムでは、浴槽内で起こり得る入浴事故だけでなく、浴槽外で起こり得る入浴事故にも対応できる。
請求項4に係る入浴危険度判定システムでは、入浴者の体幹部のインピーダンスとその入浴者の体幹部を伝搬する超音波の伝搬速度とを測定できれば、その入浴者の体幹部温度だけでなくその入浴者の体内水分濃度を知ることもできる。また、さらに適切なタイミングで入浴事故を防ぐ手段を始動させることができる。
【0065】
請求項5に係る入浴危険度判定システムでは、浴槽内で起こり得る入浴事故だけでなく、浴槽外で起こり得る入浴事故にも対応できる。
請求項6に係る入浴危険度判定システムでは、熱中症の状態に陥りやすい浴槽内での入浴者の状態を監視することができる。
請求項7に係る入浴危険判定システムでは、本入浴危険度判定システムの構成を簡易にすることができる。
【0066】
請求項8に係る入浴危険度判定システムでは、入浴者が浴槽に入っているときは常にその体幹部温度あるいは熱中症度合いを決定することができる。
請求項9に係る入浴危険度判定システムでは、より正確な体幹部温度あるいは熱中症度合いを決定することができる。
請求項10に係る入浴危険度判定プログラムが実行されると、入浴事故の引き金となる原因を適切にセンシングすることができる。また、適切なタイミングで入浴事故を防ぐ手段を始動させることができる。
【0067】
請求項11に係る入浴危険度判定方法が実施されると、入浴事故の引き金となる原因を適切にセンシングすることができる。また、適切なタイミングで入浴事故を防ぐ手段を始動させることができる。
請求項12に係る熱中症度合い算出装置では、熱中症に起因する2つのパラメータ(体幹部温度と体内水分濃度)を得ることができる。また、入浴事故の引き金となる原因をより適切にセンシングすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る入浴事故防止システム70のシステム構成を表すブロック図。
【図2】浴室61に設けられる浴室設備10,12,15,16,17の具体的配置を示す図。
【図3】本発明に係る入浴事故防止システム70の運転の流れを表すフローチャート。
【図4】浴室環境の初期設定の流れを表すフローチャート。
【図5】入浴準備の流れを表すフローチャート。
【図6】浴室設備12,15,16の運転開始の流れを表すフローチャート。
【図7】測定から測定値の送信までの流れを表すフローチャート。
【図8】入浴者80の確認の流れを表すフローチャート。
【図9】入浴危険度の決定の流れを表すフローチャート。
【図10】入浴事故防止機能の発現の流れを表すフローチャート。
【図11】浴室設備12,15,16の設定変更の流れを表すフローチャート。
【図12】入浴危険度に基づいた水位の調節の流れを表すフローチャート。
【図13】入浴危険度に基づいた湯温の調節の流れを表すフローチャート。
【図14】アラーム鳴動の流れを表すフローチャート。
【図15】熱中症度合い、入浴危険度および各浴室設備12,15,16に対する設定値の対応関係を表す表。
【図16】カーラーの救命曲線。
【符号の説明】
10 給湯機
11 入浴者情報測定部
11a 接触部(超音波発信側)
11b 接触部(超音波受信側)
12 冷房エアコン
13 水位センサー
14 湯温センサー
15 冷却器
16 循環ポンプ
17 電磁弁
20 コンピュータ
30 第2浴室コントローラ
31 アラーム報知部
32 アラーム停止部
40 第1浴室コントローラ
50 浴室外アラーム報知器
61 浴室
62 脱衣所
63 居間
64 台所
65 寝室
70 入浴事故防止システム
80 入浴者

Claims (12)

  1. 入浴者(80)の体幹部温度を決定する体幹部温度決定手段(11)と、
    前記体幹部温度を含む情報に基づいて前記入浴者(80)の入浴に対する危険度を出力する入浴危険度出力手段(20,31,50)と、
    を備える、入浴危険度判定システム。
  2. 前記入浴者(80)の体幹部の一部または全部の生体電気インピーダンスを測定する生体電気インピーダンス測定手段(11)と、
    前記入浴者(80)の体幹部の一部または全部を伝搬する超音波の伝搬速度を測定する超音波伝搬速度測定手段(11)と、
    をさらに備え、
    前記体幹部温度決定手段(11)は、前記生体電気インピーダンスおよび前記超音波伝搬速度に基づいて前記体幹部温度を決定する、
    請求項1に記載の入浴危険度判定システム。
  3. 浴室または脱衣所と居室などとの部屋間温度差、湯温、入浴時間および浴室の無音時間の少なくとも1つを測定する測定手段をさらに備え、
    前記入力危険度出力手段(20,31,50)は、前記部屋間温度差、前記湯温、前記入浴時間および前記無音時間の少なくとも1つと前記体幹部温度とに基づいて前記入浴者(80)の入浴に対する危険度を出力する、
    請求項1または2に記載の入浴危険度判定システム。
  4. 前記体幹部温度決定手段(11)は、前記生体電気インピーダンスおよび前記超音波伝搬速度に基づいて前記入浴者(80)の前記体幹部温度を決定すると共に前記入浴者(80)の体内水分濃度をも決定し、
    前記入浴危険度出力手段(20,31,50)は、前記体幹部温度および前記体内水分濃度に基づいて熱中症度合いを算出し、前記熱中症度合いを含む情報に基づいて前記入浴者(80)の入浴に対する危険度を出力する、
    請求項2に記載の入浴危険度判定システム。
  5. 浴室または脱衣所と居室などとの部屋間温度差、湯温、入浴時間および浴室の無音時間の少なくとも1つを測定する測定手段をさらに備え、
    前記入浴危険度出力手段(20,31,50)は、前記部屋間温度差、前記湯温、前記入浴時間および前記無音時間の少なくとも1つと前記熱中症度合いとに基づいて前記入浴者(80)の入浴に対する危険度を出力する、
    請求項4に記載の入浴危険度判定システム。
  6. 前記生体電気インピーダンス測定手段(11)は、前記入浴者(80)と接触する第1接触部(11a,11b)を有し、
    前記超音波伝搬速度測定手段は、前記入浴者(80)と接触する第2接触部(11a,11b)を有し、
    前記第1接触部(11a,11b)および前記第2接触部(11a,11b)は、浴槽内に設けられる、
    請求項2から5のいずれかに記載の入浴危険度判定システム。
  7. 前記第1接触部(11a,11b)および第2接触部(11a,11b)は、同一である、
    請求項6に記載の入浴危険度判定システム。
  8. 前記第1接触部(11a,11b)および第2接触部(11a,11b)は、前記入浴者(80)が浴槽に入っている体勢において前記入浴者(80)の背中、または背中と臀部とに接触する位置に設けられる、
    請求項6または7に記載の入浴危険度判定システム。
  9. 前記生体電気インピーダンス測定手段(11)および前記超音波伝搬速度測定手段(11)は、同時に対象を測定する、
    請求項2から8のいずれかに記載の入浴危険度判定システム。
  10. 入浴者(80)の体幹部温度を決定する体幹部温度決定ステップと、
    前記体幹部温度を含む情報に基づいて前記入浴者(80)の入浴に対する危険度を出力する入浴危険度出力ステップと、
    を備える、入浴危険度判定プログラム。
  11. 入浴者(80)の体幹部温度を決定する体幹部温度決定ステップと、
    前記体幹部温度を含む情報に基づいて前記入浴者(80)の入浴に対する危険度を出力する入浴危険度出力ステップと、
    を備える、入浴危険度判定方法。
  12. 入浴者(80)の生体電気インピーダンスを測定する生体電気インピーダンス測定部(11)と、
    前記入浴者(80)の体の一部を伝搬する超音波の伝搬速度を測定する超音波伝搬速度測定部(11)と、
    前記生体電気インピーダンスと前記超音波伝搬速度とに基づいて前記入浴者(80)の体幹部温度と体内水分濃度とを算出する第1算出手段(20)と、
    前記体幹部温度と前記体内水分濃度とに基づいて前記入浴者(80)の熱中症度合いを算出する第2算出手段(20)と、
    を備える、熱中症度合い算出装置。
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