JP2007133459A - 入浴監視装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】入浴中の重大事故を未然に防ぐため、浴槽内での動きを動的に捉えるセンサを内蔵した入浴監視装置を提供する.
【解決手段】入浴者23が何らかの原因で動けない状態に陥ると、湯面22の波立ちは減衰しながら凪のような静かな状態に近づく。ある程度波が収まった状態で特徴量は設定値を下回る。この場合は再び体を動かすことがないため湯面22が静かな状態が継続し、筐体1内のタイマー2Eのカウントダウンはタイマー設定時間に達し、本発明の入浴監視装置は入浴者23が不測の事態であると判断する。筐体1内の比較演算部2Cは警報部5に警告信号を送り、警報部はスピーカー6を介して大きな警告音51を鳴らす。尚、本発明の入浴監視装置から無線通信により、同一家屋内の別室の警報装置に信号を送り、そちらで警報音を鳴らす方式にすることができる。
【選択図】 図1
【解決手段】入浴者23が何らかの原因で動けない状態に陥ると、湯面22の波立ちは減衰しながら凪のような静かな状態に近づく。ある程度波が収まった状態で特徴量は設定値を下回る。この場合は再び体を動かすことがないため湯面22が静かな状態が継続し、筐体1内のタイマー2Eのカウントダウンはタイマー設定時間に達し、本発明の入浴監視装置は入浴者23が不測の事態であると判断する。筐体1内の比較演算部2Cは警報部5に警告信号を送り、警報部はスピーカー6を介して大きな警告音51を鳴らす。尚、本発明の入浴監視装置から無線通信により、同一家屋内の別室の警報装置に信号を送り、そちらで警報音を鳴らす方式にすることができる。
【選択図】 図1
Description
本発明は、入浴中の重大事故を未然に防ぐため、浴槽内での動きを動的に捉えるセンサを内蔵した入浴監視装置に関する。
家庭内での死亡事故は浴室とトイレに集中しており、特に浴室での事故死は年間1万件をこえている。なかでも高齢者の入浴中突然死が増えている。このうち浴槽内での典型的なケースとしては、一人で入浴中に貧血や発作等で意識を失い、頭部の沈水で溺死する場合がある。
入浴中の意識障害など体を動かせなくなる要因としては、心筋梗塞等の循環器系疾患と脳内出血等の脳疾患でその8割強を占める。浴室から出てこないことを不審に思った家族が事故を発見するも、既に手遅れだったという事例がある。このような事故は高齢者に限ったことではなく、対象者が足を滑らせた幼児の場合もある。また健康な若者であっても、飲酒後の酩酊状態での入浴で昏睡から溺死にいたる例もある。
こうした問題に対して、リモートセンシング技術により入浴中の人の動きを監視し、何か異常が発生した場合にいち早く察知して警報を発する方式が数多く提案されている。
最も単純なものは、浴室内に呼び出しボタンを設置し、入浴者が自身の異常な症状を自覚したら呼び出しボタンを押し同居家族に知らせる方式である。しかし、現実に具合の悪くなった人が冷静に呼び出しボタンを押すことができる保証がなく、確実性に乏しい。これに対し所定の時間経過後にボタン(スイッチ)を押すことを入浴者に課し、応答がない場合に異常が発生したと判断する方式もある。この場合、平常時にたびたびボタンを押す作業が課せられ、入浴時間中に煩わしい思いをすることになる。
入浴中の人の動きを機械的に検出する方法として、浴槽に橋渡しした板の下部に荷重検出手段を取り付け、入浴者が体調不良により腕や頭部がその板にもたれかかる動作を検出する荷重センサを用いる方法がある(例えば、特許文献1参照。)。ただし発作を起こした人のその後の動作は予想困難であることから、的確に異常事態を検知できない恐れがある。
入浴者の意思に関係なく、自動的に異常を検知する方式も数多く提案されている。代表的なものに、監視カメラによる映像やマイクロフォンによる音声で入浴者の様子を監視するシステムがある。浴室の壁や天井にカメラを取り付け、浴室内の様子を家人のいる居間やキッチンに取り付けた表示画面やスピーカーで監視できるようになっている。対象者の様子が一目瞭然で把握でき確実性が高い利点はあるものの、対象者の抱く羞恥心に対する配慮が無いなどプライバシー上の問題がある上、監視する側も常にそちらに注意を払う必要があり、その間の時間が拘束される欠点がある。
そこで、羞恥心を緩和するためカメラの解像度(画素数)を落とし細部までは視認できなくする方式やカメラ自体の存在に気付かないような超小型のカメラを設置する方式も提案されている(例えば、特許文献2参照。)。ただし実映像を使う最大の利点が殺がれる上、羞恥心も完全に払拭されるものではない。
プライバシーの問題を回避する手段として、人体が発する赤外線を検知するセンサを用いる方式がある。例えば,焦電型のセンサでは赤外線の変化を高感度に検出できるので、人体の動きを監視するのに適している。しかし熱源の多い浴槽内での人を検知するには、取り付け場所や位置,角度が限定され、体型・体格によらず確実に検知範囲に人がいるように調整するのは難しい。
浴室の壁や浴槽内部に光センサを取り付け、湯面の高さを基準として頭部の水没を判断する方式がある。そこでは浴槽の長手方向の対向部分に設置した発光・受光素子で湯中の透過光を監視し、人体がその光路を妨げるのを監視する方式である(例えば、特許文献3参照。)。プライバシーの問題は回避できるが、沈水など異常の判定は、様々な浴槽へのセンサの取り付けの的確さの点からも困難である。また水中で使用する場合、光吸収の関係で光源の種類(波長)が限定され、例えば色素を含む入浴剤など光の透過を妨げるものは併用できない。光の代わりに超音波を使う方式も提案されていて、音波は水中での伝搬が良いが、浴槽のような狭い空間では乱反射が発生しやすく、正確な検出と判定の支障となる。
人の生理信号の乱れから入浴者の異常を判定する方式もある。そこでは浴槽など湯水に接触させて取り付けた心拍電極を介して、入浴者の心拍数や心電波形の乱れを検出する。通常の医療現場での心電計測では電極は皮膚に直接取り付けてデータを収集するが、ここでは大量の湯水を介した計測となるため、雑音など外乱の影響を受けやすい。
人の動きに伴う浴槽内水位の変動を利用した方式(例えば、特許文献4参照。)が提案されている。多くは既存の浴槽設備の配管部分に内蔵された給湯用の水位計を利用し、入浴中の湯面レベルの変化を監視する。レベルの変動は変化幅によるものと、変化率によるものがある。しかし、給湯設備に機能追加のための改造が必要となる。一方、浴槽の縁に金具等で水位計を取り付ける方法もある。既存の設備に手を加える必要はないが、浴槽内部に水位変動を検知する手段を設置する必要があるため、その分浴槽内の空間が狭くなり手足を動かす動作が妨げられる。
異常検知装置に電話などを利用した通報システムを組み合わせ、離れた場所にいる特定の人に異常を通報するものも提案されている。しかし、沈水による事故では蘇生率の観点から迅速な応急処置が求められるため、現実的には同居人への直接的な報知が最も効果的な方法であり、こうした実情に適した方式の装置が求められる。
特開2003−77076号公報
特開2002−125222号公報
特開2004−33319号公報
特開2003−16550号公報
これまでに提案されている装置を一般家庭に導入する場合には、あらかじめセンサ類を内蔵した浴室・浴槽の新たな設置や、固定具により既存の浴槽や浴室へ装置を取り付ける等、取替や増設といった改造のための工事が必要である。こうした工事に伴う手間とそのコストの負担が、高齢化の進む一般家庭への普及を妨げている。
そこで本発明は、入浴者が何らかの原因により浴槽内で身動きしなくなった状況を検知し、所定の時間経過後に自動的に警報を発し、入浴中の重大事故を未然に防ぐことができる経済的にも優れた簡易な装置の入浴監視装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、この発明の請求項1に係る入浴監視装置は、浴槽内に浮遊する筐体内に収納された浴槽内の入浴者の動きを計測する手段と、計測した単一または複数の指標から入浴者の動きを反映する1つの値を求める手段と、前記1つの値が設定した値を超えない時間を監視する手段と、その時間が所定の設定時間を越えた時に警報を発する手段とで構成した。
これにより、本発明入浴監視装置は、従来法が検出装置を浴室や浴槽に内蔵または固定して入浴者の動きを計測する方式とは異なり、入浴者の動きに伴い湯面で揺動する装置で間接的かつ動的に入浴者の動きを検出し、入浴者が何らかの原因により浴槽内で身動きしなくなった状況を検知し、所定の時間経過後に自動的に警報を発する経済的にも優れた簡易な装置を提供できる。また、電源を含む部品のすべてが1個の筐体に収納でき、その単体で機能する小型の装置形態とすることができる。
この発明の請求項2に係る入浴監視装置は、浴槽内に浮遊する筐体内に収納され、入浴者の動きを計測する手段は、湯面に対して水平方向、垂直方向の加速度を検出する夫々の加速度センサでなる浴槽内の入浴者の動きを計測する手段と、計測した単一または複数の指標から入浴者の動きを反映する1つの値を求める手段と、前記1つの値が設定した値を超えない時間を監視する手段と、その時間が所定の設定時間を越えた時に警報を発する手段とで構成した。
これにより、本発明入浴監視装置は、浴槽内の湯面で浮遊する装置が、入浴者の胴や手足の動きで発生する湯面の波立ちにより揺動することで、装置に内蔵された加速度センサが出力する垂直方向および水平方向の変位信号に基づいて、信号処理部において入湯者の体動を反映する特徴量に変換し、その値があらかじめ設定した設定値以下となってから所定の時間を超えると警報を発し、入浴中の重大事故を未然に防ぐことができる。
この発明の請求項3に係る入浴監視装置は、浴槽内に浮遊する筐体内に収納され、湯面に対して水平方向の軸を中心とした回転運動を検出するジャイロセンサでなる浴槽内の入浴者の動きを計測する手段と、計測した単一または複数の指標から入浴者の動きを反映する1つの値を求める手段と、前記1つの値が設定した値を超えない時間を監視する手段と、その時間が所定の設定時間を越えた時に警報を発する手段とで構成した。
これにより、本発明入浴監視装置は、浴槽内の湯面で浮遊する装置が、入浴者の胴や手足の動きで発生する湯面の波立ちにより揺動することで、装置に内蔵されたジャイロセンサが出力する回転運動の変位信号に基づいて、信号処理部において入湯者の体動を反映する特徴量に変換し、その値があらかじめ設定した設定値以下となってから所定の時間を超えると警報を発し、入浴中の重大事故を未然に防ぐことができる。
この発明の請求項4に係る入浴監視装置は、上記請求項1乃至請求項3記載の入浴監視装置において、前記筐体内の上面および下面には一対温度センサを備え、入浴監視装置の機能が稼働中または停止中であるかを前記一対の温度センサの温度差で判断する構成とした。
これにより、本発明の入浴監視装置は湯水に投入後、その筐体下部(底部)の約半分が湯面の下に水没するよう浮力を調整してあるので、湯水の外に置かれている状態では、上部の温度センサと底辺の温度センサは共に浴室の室温を検出するが、湯面に浮遊している状態では、筐体上部の温度センサは浴室内の室温を、筐体下部の温度センサは湯水の温度を検出するので、両者の温度差により装置自身が湯水に投入され湯面に浮遊している状態であることを判断できる。
この発明の請求項5に係る入浴監視装置は、上記請求項1乃至請求項4記載の入浴監視装置において、警報は前記警報を発する手段から発生するか、または送信手段により受信装置を介して外部の警報手段に伝達する構成とした。
これにより、本発明の入浴監視装置は、入浴中の本人に警報音で注意を喚起するばかりでなく、別部屋の家人に対しても警報音で入浴者の異状を知らせることができ、入浴中の重大事故を未然に防ぐことができる。
この発明の請求項6に係る入浴監視装置は、上記請求項1乃至請求項5記載の入浴監視装置において、前記筐体内の底面には、該筐体の浮遊方向を保持するために重りを配置した構成とした。
これにより、本発明の入浴監視装置の筐体がその浮力により湯面付近に自由に浮遊しても、その際、筐体下部に取り付けられた重心調整のためのおもりにより、装置の天地は常に湯面の接線に対して垂直方向にバランスを保ち安定させることができる。
以上のように、本発明の入浴監視装置は、従来法が検出装置を浴室や浴槽に内蔵または固定して入浴者の動きを計測する方式とは異なり、入浴者の動きに伴い湯面で揺動する装置で間接的かつ動的に入浴者の動きを検出し、入浴者が何らかの原因により浴槽内で身動きしなくなった状況を検知し、所定の時間経過後に自動的に警報を発する経済的にも優れた簡易な装置を提供できる。そして、電源を含む部品のすべてが1個の筐体に収納でき、その単体で機能する小型の装置形態となるため、従来の機器のように設置のための工事を必要としない。また、電源として電池を使用できることで、従来の商用電源による方式で懸念される絶縁不良や漏電による重大な感電事故を回避できる。
まず、図1、図2を用いて本発明の入浴監視装置の基本原理を説明する。入浴者23は湯水に入る直前または入った直後に装置の本体である筐体1を湯水21に投入する。筐体1はその浮力により湯面22付近に浮遊する。その際、筐体下部に取り付けられた重心調整のためのおもり8により、装置の天地は常に湯面の接線に対して垂直方向にバランスを保ち安定する。筐体1内の上面および下面には一対温度センサ4A、4Bを備えている。
本発明の入浴監視装置は湯面22全体を自由に浮遊する形態であるので浴槽20内の固定したスペースを占有しない。入浴者23は入浴中邪魔にならない場所に自由に移動させておくことができる。尚、比較的広い浴槽などで自由に移動すると目障り等の場合は、鎖や紐などで浴槽に係留する形式でも良い。
入浴監視装置は湯水21に投入後、その筐体下部(底部)の約半分が湯面22の下に水没するよう浮力を調整してある。湯水21の外に置かれている状態では、温度センサ4Aと温度センサ4Bは共に浴室の室温を検出するが、湯面22に浮遊している状態では、筐体上部の温度センサ4Aは浴室内の室温を、筐体下部の温度センサ4Bは湯水21の温度を検出するので、両者の温度差により装置自身が湯水21に投入され湯面22に浮遊している状態であることを判断できる。これ以降、入浴監視装置は自動的に待機モードから監視モードに入る。
入浴者23が入浴中、平常時の入浴者23の頭部、胴体、手足が湯水21の中で動いている場合には、その人体の動きが湯水21を介してその全体に伝搬する。その結果、湯水21の表面である湯面22には常に波立ちが生じるので、筐体1は湯面22付近で上下左右に乱雑に揺動する。尚、筐体1の形状は球形でも多角形でも良い。好ましくは、振幅の小さな波にも敏感に反応するように、波の影響を受けやすく揺動し易い形状が望ましい。
筐体内部に固定された小型の加速度センサ3の検出方向の軸は、1軸の場合は湯面22の接線に対してほぼ垂直または水平方向、2軸の場合はその両者の方向を保っている。よって、揺動している加速度センサ3は筐体1の湯面22と垂直方向または水平方向またはその両者の加速度の信号を出力する。この信号の大きさは湯面22の波立ちの強弱を反映しているので、加速度の大きさから人体の動きに伴う湯面の波立ちの大小を間接的ながら相対的・定量的に評価できる。
図3に本発明の入浴監視装置本体に組み込まれる基本構成を示す。筐体1の上部と下部に取り付けた温度センサ4A、4Bからの信号と、筐体1のほぼ中心に設置される加速度センサ3からの信号は、本装置の頭脳にあたる制御部2に入力される。制御部2では予め設定した判定条件との比較を行い、入浴者23に異常が発生したと判断した場合には警報部5を介してスピーカー6から警報音51を鳴らす。装置内部にはこの他に、全ての機能に電源を供給する電池7と、湯面上での装置の天地の安定性を保つためのおもり8を備える。
制御部2の内部構成を図4に示す。2つの温度センサ4A、4Bからの信号は温度差判定部2Aで所定の温度差を求め、一定以上の温度差があれば湯面に浮遊している状態であると認識し、状態信号を特徴量演算部2Bに送る。この時点で装置は監視モードに入る。
監視モードでは加速度センサ3からの加速度信号は特徴量演算部2Bにより、浴槽内の人体の動きを反映した数値(特徴量)を算出する。算出した特徴量は比較演算部2Cで予め実証試験等で統計的に算出した設定値2Dと逐次比較し、人体の動きに伴う湯面22の波立ち状態が継続している状態を連続的に監視する。
このあと何らかの理由で人体の動きが停止すると湯面の波立ちは減衰しながら凪のような静かな状態に近づく。ある程度波が収まった状態で特徴量は設定値を下回る。この時点でタイマー2Eはカウントダウンの計時を始める。入浴者23が平常でカウントダウンの途中に再び体を動かし始めると、比較演算部2Cの算出値は設定値を再び上回ることになり、計時を停止しタイマー2Eをリセットする。
入浴者23が何らかの原因で動けない状態に陥ると、同じく湯面22の波立ちは減衰しながら凪のような静かな状態に近づく。ある程度波が収まった状態で特徴量は設定値を下回る。しかし、この場合は再び体を動かすことがないため湯面22が静かな状態が継続し、タイマー2Eのカウントダウンはタイマー設定時間に達し、本発明の入浴監視装置は入浴者23が不測の事態であると判断する。比較演算部2Cは警報部5に警告信号を送り、警報部はスピーカー6を介して大きな警告音を鳴らす。尚、本発明の入浴監視装置から無線通信により、送信手段から受信装置を介して外部の警報手段に伝達する構成とし、同一家屋内の別室の警報装置に信号を送り、そこで警報音を鳴らす方式にすることができる。
次に特徴量演算部2Bの内部で行う、人体の動きを反映する特徴量の算出方法を説明する。加速度センサ3から得られる加速度信号は一定時間間隔で1回または2回の積分操作を行うことで、本発明の入浴監視装置の湯面22上での動きを直感的に理解し易い速度または変位信号に変換できる。変換された値は湯面22の波立ちの強弱に対応し、ひいては湯水21を介して伝搬した入浴者23の動きを反映する特徴量となる。
尚、特徴量としては、人体の動きと加速度の絶対値の対応について、実証試験による統計的な閾値が設定できる場合に限り、処理前の加速度信号に閾値を設けそれ以上であるか否かのみで判定する単純な方式を採用しても構わない。
電源に用いる電池7は一次電池でも二次電池でも良い。防水構造上は二次電池の方が好ましく、その場合は外部に電気的な接点を要しない無接点式の充電方式が望ましい。本発明の入浴監視装置の一般家庭での使用形態では、入浴時間帯は夕方から夜間の4〜5時間程度と想定され、その場合18時間前後の長い充電時間が確保できる。よって比較的低容量の2次電池でも対応可能である。
個人の個性、習慣により数分にわたりじっとしている場面も考えられるが、このような場合は睡眠状態に入る可能性も高く、飲酒者の場合、昏睡から溺死する事故を予防する意味でも、警告音による覚醒効果も期待できる。
本発明の別の形態として、図5のように、加速度センサ3をジャイロセンサ9に置き換えることもできる。ジャイロセンサ9の捉える動きは、湯面22に対して水平方向の軸を中心とした回転運動を検出する方向に合わせて設置するのが好ましい。この場合はジャイロセンサ9の検出軸に対して回転方向9Aの角速度を検出することになる。筐体1は湯面22での波立ちに対し回転方向9Aへの動きも伴うので、加速度と同様に人体の動きを反映した特徴量算出に利用できる。
以上のように、本発明の入浴監視装置は、浴槽内の湯面で浮遊する装置が、入浴者の胴や手足の動きで発生する湯面の波立ちにより揺動することで、装置に内蔵された加速度センサが出力する垂直方向および水平方向の変位信号に基づいて、信号処理部において入湯者の体動を反映する特徴量に変換し、その値があらかじめ設定した設定値以下となってから所定の時間を超えると警報を発する機能を備えていて、入浴中の重大事故を未然に防ぐものである。
また、内蔵するタイマー2Eを利用して、入浴者23が入浴中の湯水21に浸かっている時間を計時し、表示する機能を追加しても良い。また温度センサ4Bの検出結果を湯温として表示する機能を追加しても良い。これらの情報は日常の入浴状況を健康管理の指標として活用する観点からも有意義である。
入浴時間中の行動パターンは、入浴者23の個性や習慣により異なる。湯水21に入っている時間の途中で、一時的に浴槽20から上がり体を洗うパターンもある。この時、入浴監視装置を湯水21の中に置き去りにすると、やがて湯面の波立ちがおさまり、入浴者23が洗い場で体を洗っている最中に警報音を発することになる。
加速度センサ3を備えた入浴監視装置の場合、積分操作で求める変位信号を利用して、入浴監視装置が監視モードの状態であるにも関わらず湯面22が低下する方向に大きな変位が検出された時には、入浴者23が自らの意思で浴槽20から外に出たものと判断し。波立ち状態の監視を一時停止する。その後入浴者23が再び浴槽20に入り、湯水21が上昇する方向に大きな変位が検出された時には、波立ち状態の監視を再開する。
1 筐体
2 制御部
2A 温度差判定部
2B 特徴量演算部
2C 比較演算部
2D 設定値
2E タイマー
3 加速度センサ
4A,4B 温度センサ
5 警報部
6 スピーカー
7 電池
8 おもり
9 ジャイロセンサ
20 浴槽
21 湯水
22 湯面
23 入浴者
51 警報音
2 制御部
2A 温度差判定部
2B 特徴量演算部
2C 比較演算部
2D 設定値
2E タイマー
3 加速度センサ
4A,4B 温度センサ
5 警報部
6 スピーカー
7 電池
8 おもり
9 ジャイロセンサ
20 浴槽
21 湯水
22 湯面
23 入浴者
51 警報音
Claims (6)
- 浴槽内に浮遊する筐体内に収納された浴槽内の入浴者の動きを計測する手段と、計測した単一または複数の指標から入浴者の動きを反映する1つの値を求める手段と、前記1つの値が設定した値を超えない時間を監視する手段と、その時間が所定の設定時間を越えた時に警報を発する手段を有することを特徴とする入浴監視装置。
- 前記筐体内に収納された入浴者の動きを計測する手段は、湯面に対して水平方向、垂直方向の加速度を検出する夫々の加速度センサでなることを特徴とする請求項1記載の入浴監視装置。
- 前記筐体内に収納された入浴者の動きを計測する手段は、湯面に対して水平方向の軸を中心とした回転運動を検出するジャイロセンサでなることを特徴とする請求項1記載の入浴監視装置。
- 前記筐体内の上面および下面には一対温度センサを備え、入浴監視装置の機能が稼働中または停止中であるかを前記一対の温度センサの温度差で判断することを特徴とする請求項1乃至請求項3記載の入浴監視装置。
- 警報は前記警報を発する手段から発生するか、または送信手段により受信装置を介して外部の警報手段に伝達することを特徴とする請求項1乃至請求項4記載の入浴監視装置。
- 前記筐体内の底面には、該筐体の浮遊方向を保持するために重りを配置したことを特徴とする請求項1乃至請求項5記載の入浴監視装置。
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