JP2004254942A - 超音波内視鏡 - Google Patents
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Abstract
【構成】挿入部の先端に、該挿入部の延長方向を含む仮想平面に関し表裏の一方に位置させて超音波プローブを設け、この超音波プローブを、内部に液体を封入する指サック状のゴム製バルーンで覆う超音波内視鏡において、上記挿入部先端に、上記仮想平面と直交する方向から見て上記超音波プローブを囲む単一の閉曲線からなる環状係止溝を設け、上記指サック状のゴム製バルーンの口元部をこの環状係止溝に嵌め、上記口元部の外側に弾性リングを被せて、該口元部を上記環状係止溝に係止したことを特徴とする超音波内視鏡。
【選択図】 図2
Description
【技術分野】
本発明は、超音波内視鏡に関する。
【0002】
【従来技術及びその問題点】
超音波内視鏡は、操作部と、可撓性のある挿入部とを具備しており、側面視で挿入部の先端部の上面をなす該先端部の表面には、被検部に向けて超音波を発信するとともに、反射してきた超音波を受信する超音波プローブが設けられている。この超音波プローブは、側面視で上記先端部の下面をなす該先端部の裏面には跨っておらず、さらに、内視鏡には超音波断層像を表示するための超音波診断装置が接続されている。
【0003】
挿入部の先端部の外周面には、その先端近傍と基端側とに、挿入部の先端部の軸線に対して直交し、先端部の表面と裏面とに跨る2つの環状係止溝が形成されており、挿入部の先端部には、先端部全体を覆う指サック状のゴム製バルーンが装着される。そして、バルーンの外面に前後方向に位置を異ならせて2個の弾性リングを被せ、各弾性リングを2つの環状係止溝にそれぞれ弾性係合する。
【0004】
超音波内視鏡は、このようにしてバルーンを先端部に装着した状態で、その挿入部を体腔内に挿入し、超音波プローブとバルーンの間に脱気水を送り込んで上記バルーンを膨らませ、バルーンを体腔内の被検部に接触させる。そして、超音波プローブから超音波を発して、体内の被検部によって反射された超音波を超音波プローブで受信することにより、CRTモニタに超音波断層像を表示する。(例えば、特許文献1)。
【0005】
しかし、従来の超音波内視鏡では、上述のように2個の弾性リングを用いてバルーンを挿入部の先端部に装着しているので、バルーンの挿入部への着脱が面倒であった。
【0006】
さらに、弾性リングは先端部の表面側だけでなく裏面側にも位置しているため、超音波内視鏡の使用中に先端部の表面側及び裏面側が体腔の内壁等に接触すると、弾性リングがバルーンから脱落してしまうおそれがあった。特に、先端部の裏面は平坦なため、弾性リングの裏面側に位置する部分には体腔の内壁等が接触しやすく、裏面側から弾性リングが脱落する可能性が大きい。
【0007】
また、超音波プローブは挿入部の先端部の表面に設けられているので、脱気水は先端部の表面とバルーンの間にのみ流し込むのが理想的である。しかし、バルーンは先端部の裏面も覆っているため、超音波プローブとバルーンの間に脱気水を送り込むと、脱気水が先端部の裏面とバルーンの間にも回り込んでしまうという問題があった。
【0008】
【特許文献1】
特許第3283079号公報
【0009】
【発明の目的】
本発明は、バルーンを挿入部の先端部へ着脱し易いとともに、弾性リングが挿入部の先端部から脱落しにくく、さらに、超音波プローブが設けられている挿入部の先端部の表面または裏面のうち、超音波プローブが設けられている面側にのみ脱気水が流れ込み、反対面側には流れ込まないようにした超音波内視鏡を提供することを目的とする。
【0010】
【発明の概要】
本発明の超音波内視鏡は、挿入部の先端に、該挿入部の延長方向を含む仮想平面に関し表裏の一方に位置させて超音波プローブを設け、この超音波プローブを、内部に液体を封入する指サック状のゴム製バルーンで覆う超音波内視鏡において、上記挿入部先端に、上記仮想平面と直交する方向から見て上記超音波プローブを囲む単一の閉曲線からなる環状係止溝を設け、上記指サック状のゴム製バルーンの口元部をこの環状係止溝に嵌め、上記口元部の外側に弾性リングを被せて、該口元部を上記環状係止溝に係止したことを特徴としている。
【0011】
上記環状係止溝は、上記仮想平面に対して傾斜した平面内にあり、超音波プローブは、上記仮想平面に対して直交する断面上においてこの環状係止溝の上に形成されているのが実際的である。
【0012】
上記バルーンが、上記先端部の表面または裏面の、上記超音波プローブが位置しない側の面を覆わないのが好ましい。
【0013】
さらに、上記先端部の上記表面に、上記環状係止溝の内側に位置する凸状部を形成し、該凸状部に上記超音波プローブを形成するのが好ましい。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態について、添付図面を参照しながら説明する。
図1に示す超音波内視鏡10は、操作部11と挿入部12を有し、挿入部12の先端部12aは、操作部11に設けた湾曲操作装置13の操作に応じて上下及び左右方向に湾曲されるようになっている。
図2、図4、及び図6に示すように、側面視で挿入部12の先端部12aの上面をなす先端部12aの表面12a1には、傾斜面12bが形成されており、傾斜面12bには、観察窓(対物窓)14と照明光学系15とが設けられている。本実施形態の超音波内視鏡10はいわゆる斜視型の内視鏡であり、上記観察窓14を介して得られる画像は操作部11近傍に設けた接眼部16から観察することができる。
【0015】
さらに、超音波内視鏡10の内部には、操作部11と挿入部12とを貫通する導光部材としてのファイババンドル(図示略)が配設されている。ファイババンドルは、操作部11に接続されたライトガイド可撓管17の内部を通って光源装置18に接続しており、ファイババンドルの入射端面は、光源装置16内に配設された光源ランプ(図示略)と対向している。一方、ファイババンドルの先端に形成された出射端面は、挿入部12の先端部12aの内部において照明光学系15と対向しているので、照明光学系15には光源装置18からの照明用光が与えられる。
【0016】
また、操作部11は、ライトガイド可撓管17の内部に配設された送水管(図示略)を介して脱気水を貯留する送水タンクTに接続している。操作部11と挿入部12の内部には、これらを貫通する送水路(図示略)が形成されており、送水路の入口側端部は送水管に接続されており、送水路の出口側端部は、挿入部12の先端に設けられた凸状部23において開口する送水口(図示略)となっている。そして、操作部11に設けられた送水スイッチ(図示略)を押すと、送水口から脱気水が排出され、操作部11に設けられた吸引スイッチ(図示略)を押すと、送水口から脱気水を吸引できる。
【0017】
さらに、挿入部12の操作部11側の端部には、処置具を挿入するための鉗子口19が設けられており、この鉗子口19は、挿入部12を貫通する鉗子チャンネル20(図1参照)の入口側端部となっている。鉗子チャンネル20の出口側端部21は傾斜面12bにおいて開口しており、出口側端部21の直前には鉗子起上台22が設けられている。
【0018】
さらに、図2乃至図6に示すように、挿入部12の先端部12aは、側面視で先端側に向かうにつれて細くなっており、先端部12の表面12a1側には、側面視で円弧状をなす凸状部23が、傾斜面12bの直前に位置するように形成されており、凸状部23の表面には超音波プローブ24が設けられている。この超音波プローブ24は、超音波コネクタCに接続された超音波診断装置(図示略)により電気的処理が行われ、その表面から被検部に向けて超音波を発信し、さらに被検部によって反射された超音波を受信するものである。
さらに、挿入部12の先端部12aの表面12a1と両側面には、平面視で凸状部23を囲む環状係止溝25が形成されている。この環状係止溝25は、側面視で先端部12aの下面をなす先端部12aの裏面12a2には跨っておらず、かつ、図4に示すように、側面視で挿入部12の軸線に対して傾斜している。なお、本実施形態では、この裏面12a1の接平面(図示略)が、特許請求の範囲における「仮想平面」となる。
【0019】
次に、超音波内視鏡10の使用要領について説明する。
まず、凸状部23に、その開口部周縁に環状突部B1が形成された指サック状のゴム製のバルーンBを被せる。図6に示すように、このバルーンBは先端部12aの表面12a1は覆うが、先端部12aの裏面12a2は覆わない。さらに、バルーンBの口元部にゴム製の弾性リングRを被せて、弾性リングRを環状係止溝25に弾性係合し、バルーンBの内面を凸状部23に密着させる。この状態で、接眼部16を覗きながら挿入部12を体腔内に挿入し、凸状部23を被検部に接近させる。
そして、操作部11に設けられた送水スイッチを押して、凸状部23の送水口から、バルーンBの内面と凸状部23の隙間に脱気水を送り、バルーンBを、膨らませ(図6参照)ながら被検部に接触させ、さらに、超音波プローブ24から超音波を発信し、被検部の状態を調べる。
【0020】
その結果、被検部の処置が必要であれば、鉗子チャンネル20に図示を省略した処置具を挿入し、処置具の先端を出口側端部21から突出させて被検部の処置を行う。
【0021】
そして、挿入部12を体腔内から引き抜いた後に、弾性リングRを環状係止溝25から外せば、バルーンBを凸状部23から取り外すことができる。
【0022】
以上のような本実施形態によれば、1個の弾性リングRによりバルーンBを挿入部12の凸状部23に装着できるので、バルーンBの着脱が従来に比べて容易である。
【0023】
さらに、環状係止溝25に対して凸状部23が出っ張っているので、体腔の内壁等が、凸状部23側からバルーンBに接触することはあっても、凸状部23側から弾性リングRに接触することはなく、このため、凸状部23側から接近する体腔の内壁等によって弾性リングRが環状係止溝25から脱落することはない。
さらに、弾性リングRは、先端部12aの裏面12a2に位置していないため、超音波内視鏡10の操作中に、先端部12aの裏面12a2に体腔の内壁等が接触しても、弾性リングRが凸状部23から脱落することはない。
【0024】
また、バルーンBは先端部12aの裏面12a2側には位置しないので、脱気水は凸状部23側にのみ流れ込み、先端部12aの裏面12a2側には流れ込まないという利点もある。
【0025】
【発明の効果】
本発明によれば、バルーンの着脱に必要な弾性リングが一つになるので、バルーンを挿入部の先端部へ着脱し易くなり、かつ、弾性リングが挿入部の先端部から脱落しにくくなるとともに、超音波プローブが設けられている挿入部の先端部の表面または裏面のうち、超音波プローブが設けられている面側にのみ脱気水が流れ込み、反対面側には流れ込まなくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の全体構造を示す外観図である。
【図2】超音波内視鏡の挿入部の先端部を、上方から見た斜視図である。
【図3】超音波内視鏡の挿入部の先端部を、底部側から見た斜視図である。
【図4】超音波内視鏡の挿入部の先端部付近の側面図である。
【図5】超音波内視鏡の挿入部の先端部の正面図である。
【図6】脱気水を挿入部の先端部に送り込んだときの、挿入部の先端部付近の側面図である。
【符号の説明】
10 超音波内視鏡
11 操作部
12 挿入部
12a 先端部
12a1 先端部の表面
12a2 先端部の裏面
12b 傾斜面
13 湾曲操作装置
14 観察窓
15 照明光学系
16 接眼部
17 ライトガイド可撓管
18 光源装置
19 鉗子口
20 鉗子チャンネル
21 出口側端部
22 鉗子起上台
23 凸状部
24 超音波プローブ
25 環状係止溝
B バルーン
B1 環状突部
C 超音波コネクタ
R 弾性リング
T 送水タンク
Claims (4)
- 挿入部の先端に、該挿入部の延長方向を含む仮想平面に関し表裏の一方に位置させて超音波プローブを設け、この超音波プローブを、内部に液体を封入する指サック状のゴム製バルーンで覆う超音波内視鏡において、
上記挿入部先端に、上記仮想平面と直交する方向から見て上記超音波プローブを囲む単一の閉曲線からなる環状係止溝を設け、
上記指サック状のゴム製バルーンの口元部をこの環状係止溝に嵌め、上記口元部の外側に弾性リングを被せて、該口元部を上記環状係止溝に係止したことを特徴とする超音波内視鏡。 - 請求項1記載の超音波内視鏡において、上記環状係止溝は、上記仮想平面に対して傾斜した平面内にあり、超音波プローブは、上記仮想平面に対して直交する断面上においてこの環状係止溝の上に形成されている超音波内視鏡。
- 請求項1または2記載の超音波内視鏡において、上記バルーンが、上記先端部の表面または裏面の、上記超音波プローブが位置しない側の面を覆わない超音波内視鏡。
- 請求項1乃至3のいずれか1項記載の超音波内視鏡において、上記先端部の上記表面に、上記環状係止溝の内側に位置する凸状部を形成し、該凸状部に上記超音波プローブを形成した超音波内視鏡。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003049379A JP2004254942A (ja) | 2003-02-26 | 2003-02-26 | 超音波内視鏡 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2003049379A JP2004254942A (ja) | 2003-02-26 | 2003-02-26 | 超音波内視鏡 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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DE102022124865A1 (de) | 2021-09-27 | 2023-03-30 | Fujifilm Corporation | Ballon für ultraschallendoskop |
US11684340B2 (en) | 2015-06-23 | 2023-06-27 | Olympus Corporation | Ultrasound endoscope |
-
2003
- 2003-02-26 JP JP2003049379A patent/JP2004254942A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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DE102022124865A1 (de) | 2021-09-27 | 2023-03-30 | Fujifilm Corporation | Ballon für ultraschallendoskop |
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