JP2004254728A - 回転走査式超音波プローブのファントム装置及び測定方法 - Google Patents

回転走査式超音波プローブのファントム装置及び測定方法 Download PDF

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利男 坂本
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Abstract

【課題】簡単な構成によって、超音波振動子の回転精度を容易かつ迅速に測定できるようにする。
【解決手段】ファントム装置30は、その横断面が正方形となった測定容器31を有し、この測定容器31内には超音波伝達媒体としての水が所定のレベルに達するまで貯留され、その上面部は開放されており、この測定容器31に超音波プローブ10の先端部分が上方から挿入される。超音波プローブ10を測定容器31内に挿入したときに、中央部に位置決めされるように、測定容器31内にはプローブ位置決め手段として、第1,第2のプローブ位置決め部材32,33が設けられ、超音波プローブ10における超音波振動子12の配設位置より先端側の外周面と基端側の外周面とを位置決めして、超音波振動子12を回転方向に走査させる。
【選択図】 図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、回転方向に走査する超音波振動子を備えた超音波プローブの回転精度を測定するために用いられるファントム装置及びこのファントム装置を用いて超音波プローブの回転精度を測定する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
体内組織の状態を検査し、診断するために用いられる超音波プローブの一例として、例えば内視鏡の処置具挿通チャンネルを介して体腔内に挿入されるように構成したものは、従来から広く知られている。ここで、内視鏡をガイド手段として用いる場合には、超音波プローブは長尺になり、しかもできるだけ細径で、挿入経路に応じて任意の形状に曲げることができるように、つまり曲げ方向に可撓性を持たせる必要がある。このために、超音波プローブの先端に装着した超音波振動子は遠隔操作で回転駆動するように構成される。
【0003】
以上のことから、内視鏡をガイド手段とする超音波プローブは、先端が閉塞した可撓性チューブ内の先端部に超音波振動子を装着した回転基台に密着コイル等からなるフレキシブルシャフトを連結して設け、このフレキシブルシャフトの基端部をモータ等の駆動手段により回転駆動することによって、この回転力を超音波振動子が装着されている回転基台にまで伝達するようになし、また超音波振動子に接続したケーブルはフレキシブルシャフトの内部に挿通させる構成としたものは、従来から知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
【特許文献1】
特開平6−125904号公報(3頁、図1)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前述した構造を有する超音波プローブにおいて、正確な超音波検査を行うためには、超音波振動子を装着した回転基台の回転時に、安定した状態で回転しなければならず、回転軸心にぶれが生じたり、回転むらが発生したりする等といった事態が生じないようにしなければならない。しかしながら、フレキシブルシャフトにより超音波振動子にまで回転を伝達させる関係から、フレキシブルシャフトは、通常、2重、3重の密着コイルから構成される。そして、このフレキシブルシャフトを回転させる際に、できるだけ軽い負荷で回転の伝達を円滑に行えるようにするために、フレキシブルシャフトの外面と、可撓性チューブの内面との間にある程度の間隔を持たせなければならない。このために、超音波振動子が安定せず、或いは回転軸のぶれが生じたり、また回転むらが生じたりする等の可能性がある。このように正確な回転ができなくなると、超音波検査を正確に行うことができなくなり、患部等の発見が容易ではなくなる。
【0006】
本発明は以上の点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、簡単な構成によって、超音波振動子の回転精度を容易かつ迅速に測定できるようにすることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前述した目的を達成するために、本発明は、先端が閉塞した可撓性チューブ内に回転部材に装着した超音波振動子が回転自在に装着され、この回転部材を前記可撓性チューブ内で軸回りに回転させるようにして走査させる超音波プローブの超音波振動子の回転精度を測定するためのファントム装置であって、横断面が非円形で所定の深さを有し、内部に超音波伝達媒体が収容され、この超音波伝達媒体とは音響インピーダンスが異なる材質からなる測定容器と、前記測定容器内に設けられ、前記超音波プローブ外面における前記超音波振動子を設けた部位を挟んだ先端側及び基端側の部位を、前記回転部材の回転中心軸線がこの測定容器内の所定の位置となるように位置決めするプローブ位置決め手段とを備え、 前記超音波プローブを前記容器の前記プローブ位置決め手段に挿通させるようにして装着した状態で、前記超音波振動子を回転駆動する間に超音波の送受信を行うことによって、その回転精度を測定する構成としたことをその特徴とするものである。
【0008】
要するに、測定容器内に超音波伝達媒体を貯留し、この測定容器内に超音波プローブの先端部分を浸漬させて、その超音波振動子を回転駆動しながら、超音波の送受信を行う。超音波振動子から送信された超音波は、超音波伝達媒体内を進行し、測定容器の側壁で反射する。この反射エコーを超音波振動子で受信して、所定の信号処理を行うことによって、超音波画像を生成する。ここで、超音波伝達媒体としては、通常は水を用いることができるが、これ以外であっても、超音波をできるだけ減衰しないで伝達する媒体であれば、特に限定されない。ただし、超音波伝達媒体と測定容器とでは、音響インピーダンスが異なるものとする。これによって、送信された超音波は、測定容器の内壁により反射して、この反射エコーが超音波振動子により受信される。
【0009】
測定容器は、その内壁面から測定される超音波プローブまでの距離が変化する形状とする。つまり、横断面が円形以外であれば良く、四角形を含む多角形状、楕円形状、菱形等の形状を取り得る。最も望ましいのは横断面を正方形とし、超音波プローブを位置決めするプローブ位置決め手段は、この正方形の中心位置に超音波プローブを位置決めできるようにする。単一種類の超音波プローブを測定する場合には、測定容器内に設けられるプローブ位置決め手段を固定的に設ければ良いが、異なる寸法の超音波プローブを測定する場合には、その外径寸法に応じてプローブ位置決め手段を交換して使用できるようにするのが望ましい。このためには、プローブ位置決め手段は測定容器に対して着脱可能な構成とすれば良い。
【0010】
超音波プローブが適正に作動するというのは、超音波振動子の回転中心軸線がぶれず、しかも回転むらが生じない状態である。この場合には、超音波プローブを作動させて、回転方向に超音波走査を行うと、取得した超音波画像は、測定容器の内壁面の画像パターンが得られ、この画像パターンは所定の位置を中心とした正方形となる。超音波振動子の回転中心軸がぶれると、ある程度正方形に近いパターンとなるが、正常な正方形よりは小さくなるか、部分的に歪んだ正方形となる。一方、超音波振動子が1回転する間に回転むらが生じると、パターンの各辺の長さが変化し、かつ歪んでくる。そして、測定容器の横断面を大きくすればするほど、適正なパターンとの違いがより顕著になる。ただし、超音波振動子から測定容器の内壁が離れることになるので、測定容器をあまり大きくすると、反射エコーの受信が困難になる。従って、測定容器の寸法は、これらの要素を勘案して、適正なものに設定する。
【0011】
そして、本発明の測定方法は、先端が閉塞した可撓性チューブ内に回転部材に装着した超音波振動子が回転自在に装着され、この回転部材を前記可撓性チューブ内で軸回りに回転させるようにして走査させる超音波プローブの超音波振動子の回転精度を測定する方法であって、横断面が非円形で所定の深さを有し、内部に超音波伝達媒体が収容され、この超音波伝達媒体とは音響インピーダンスが異なる材質からなる測定容器内の所定の位置に前記超音波プローブを挿入して、前記超音波振動子から前記測定容器内面での反射エコーによる超音波画像のパターンを実測し、このパターンと、正規の回転状態で超音波振動子が回転しているときに得られる前記測定容器内面からの反射エコーによる超音波画像のパターンとを比較することによって、前記超音波振動子の回転精度を測定することを特徴としている。
【0012】
このように、超音波プローブが適正に作動する際に得られる画像パターンと、実際に測定する超音波プローブで得られる超音波画像の測定容器内壁面のパターンとを比較することによって、当該超音波プローブの回転ぶれや回転むら等を検出することができる。パターンの比較は、モニタ画面に実測パターンのみを、またはそれと共に基準パターンとを表示して、目視により確認することができ、また比較を自動化することもできる。例えば、超音波プローブが接続される超音波観測装置において、実測パターンと基準パターンとの間のずれ分の面積を演算により求めて、この面積が所定の範囲内であれば、正常と判定し、この所定範囲を超えると、異常であると判定して、その判定結果をモニタ画面に表示したり、警報を発したりすることができる。また、比較方式としては、これ以外にも、例えば複数の特異点(例えば正方形の各角隅部の位置)の座標位置を検出して、それらの座標のずれを検出する等が可能である。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。まず、図1に超音波プローブの全体構成を示し、また図2に超音波プローブの先端部分の構成を示す。
【0014】
まず、図1において、1は内視鏡であって、内視鏡1は本体操作部2に体腔内への挿入部3を連設したものからなる。挿入部3における先端硬質部3aには、周知のように、体腔内を照明する照明部4と、この照明部4からの照明光の照射下で体腔内の観察を行うための観察部5とが設けられる。また、体腔内で患部が発見された時等に、適宜の処置を施すために、鉗子等の処置具を導く処置具挿通チャンネル6が設けられている。処置具挿通チャンネル6は、その入口6aが本体操作部2の挿入部3への連設部近傍等に配置され、出口6bは挿入部3の先端硬質部3aに設けた観察部5による観察視野内に入る位置に形成されている。
【0015】
10は超音波プローブを示し、この超音波プローブ10は、処置具挿通チャンネル6内に挿通可能な可撓性を有する細径のプローブ本体10aの基端部に走査駆動ユニット10bを着脱可能に連結したものである。図2から明らかなように、プローブ本体10aは先端が閉塞した可撓性チューブ11を有し、超音波振動子12は、その先端部分に設けられており、この超音波振動子12の回転基台12aには回転伝達手段を構成するフレキシブルシャフト13が連結されている。フレキシブルシャフト13は曲げが可能であり、かつ回転力を効率的に伝達するために、金属線材を巻回することにより形成される密着コイルから構成される。そして、フレキシブルシャフト13はプローブ本体10a内を貫通するように延在させて、その基端部に連結パイプ14が固着されている。また、フレキシブルシャフト13を挿通させた可撓性チューブ11の基端部には取付筒15が形成されている。
【0016】
走査駆動ユニット10bは、そのケーシング16の内部に中空の回転軸17が軸受18により回転自在に設けられており、回転軸17の一端はケーシング16の開口16aに臨んでいる。回転軸17はモータ19により回転駆動され、またこの回転軸17の回転角はロータリエンコーダ20により検出される。回転軸17にはフレキシブルシャフト13に連結した連結パイプ14が着脱可能に連結され、プローブ本体10aの可撓性チューブ11に設けた取付筒15は走査駆動ユニット10bのケーシング16に設けた連結筒部16bに固定される。この状態で、モータ19を作動させると、回転軸17が回転して、その回転が連結パイプ14を介してフレキシブルシャフト13に伝達される。この結果、フレキシブルシャフト13は可撓性チューブ11内で軸回りに回転するから、フレキシブルシャフト13の先端に設けた超音波振動子12を回転駆動される。
【0017】
超音波振動子12には信号ケーブル21が接続されるが、この信号ケーブル21は、フレキシブルシャフト13内を通り、連結パイプ14の部位で回転軸17に設けた電極に着脱可能に連結されている。そして、この信号ケーブル21は超音波観測装置(図示せず)に接続されるが、信号ケーブル21は超音波振動子12と共に回転するから、この回転する側の信号ケーブル21及び回転軸17に設けた電極と、超音波観測装置に接続され、固定的に保持されたコード22とは、流体接点やスリップリング等を用いたロータリコネクタ23で接続される。
【0018】
そして、超音波プローブ10の走査駆動ユニット10bは、そのケーシング16と一体に設けた連結部16cを処置具挿通チャンネル6の入口6aに挿嵌させるようにして固定する。そして、連結部16cを入口6aに挿嵌させた状態で、フック24により走査駆動ユニット10bがみだりに逸脱しないように固定し、この状態でプローブ本体10aを処置具挿通チャンネル6内に導くようにしている。
【0019】
以上のように構成される超音波プローブ10は、内視鏡1の挿入部3を体腔内の所定の位置にまで挿入した状態で、処置具挿通チャンネル6内に挿通されて、プローブ本体10aの先端部分を処置具挿通チャンネル6の出口部6bから所定の長さ突出させて、モータ19を作動させることにより、回転軸17及び連結パイプ14、さらにフレキシブルシャフト13を順次介して回転力を超音波振動子12にまで伝達させて、超音波振動子12を回転駆動する。超音波振動子12の回転角はエンコーダ20により検出されるから、超音波振動子12が所定角度回転する毎に、超音波振動子12から超音波パルスを体内に向けて送信し、体内組織の断層部分からの反射エコー信号を受信する。そして、この反射エコー信号を超音波観測装置に伝送して、この超音波観測装置で所定の信号処理を行わせる。従って、この動作を超音波振動子12が1回転するまで繰り返し行わせると、1枚の超音波ラジアル断層像が取得できる。この断層像はモニタ画面に画像として表示される。
【0020】
前述した超音波ラジアル断層像が正確なものであることが必要であり、超音波振動子12の回転時にその回転中心軸線がぶれたり、回転速度が変化したりすると、病変部等の位置や、体腔内壁からの深さを正確に把握することができない場合があり、また病変部の大きさも正確に認識できないこともある。そこで、超音波検査を行う前に、超音波プローブ10が適正な状態で作動するか否かの測定を行うために、図3及び図4に示したファントム装置30が用いられる。
【0021】
ファントム装置30は、その横断面が正方形となった測定容器31を有し、この測定容器31内には超音波伝達媒体としての水が所定のレベルに達するまで貯留されている。ここで、測定容器31は、超音波伝達媒体とは音響インピーダンスを異にするものであり、例えば金属等のように超音波の反射率の高い材質のもので構成されている。
【0022】
測定容器31の上面部は開放されており、この測定容器31に超音波プローブ10の先端部分が上方から挿入できるようになっている。そして、この超音波プローブ10を測定容器31内に挿入したときには、その中央部に位置決めされるようになっている。このために、測定容器31内にはプローブ位置決め手段として、第1,第2のプローブ位置決め部材32,33が設けられている。
下部側に位置する第1のプローブ位置決め部材32は、測定容器31の底面部31a上に当接するようにして装着されている。この第1のプローブ位置決め部32は、測定容器31の周壁部31bの内面部とほぼ一致する正方形の板体からなり、比重は超音波伝達媒体としての水より十分大きいものであり、測定容器31内に水を注入しても、浮き上がったり、不安定になったりすることはない。
【0023】
そして、第1のプローブ位置決め部32は、超音波プローブ10の先端部分の周囲を囲繞するようにして位置決めするためのものであり、その中央部に超音波プローブ10の先端部がほぼ密嵌状に挿入される位置決め孔32aが穿設されている。ここで、第1のプローブ位置決め部材32の厚み寸法は、超音波プローブ10において、その先端部外面から超音波振動子12の配設位置までの間隔より小さいものとする。そして、この第1のプローブ位置決め部材32の厚み寸法において、超音波プローブ10の先端部分を位置決めする上で支障のない限り、位置決め孔32aの上部側に連続的に拡径する呼び込み部を形成するのが望ましい。
【0024】
また、第2のプローブ位置決め部材33は、測定容器31内の所定の深さ位置に保持されて、超音波プローブ10の先端側であって、超音波振動子12を装着した位置より基端側の部位を所定の長さにわたって、測定容器31の中央部に位置決め保持するためのものである。第2のプローブ位置決め部材33は、第1のプローブ位置決め部材32と同じ材質のものであって、測定容器31の周壁部31b内面に形成した段差部34に当接するようにして安定的に保持されるようになっている。
【0025】
この第2のプローブ位置決め部材33は、その外形が測定容器31の周壁部31b内面において、段差部34より上方の部位とほぼ接触する大きさを有し、その中央部には超音波プローブ10が挿通される挿通孔33aが穿設されている。挿通孔33aは、図4から明らかなように、円周方向に等間隔となるように3箇所(乃至それ以上)の縮径された位置決め部33bを有し、挿通孔33aに超音波プローブ10が挿入されると、その外面がこれら位置決め部33bとほぼ摺接する状態となって、この超音波プローブ10の位置決めが行われることになる。そして、位置決め部33bが形成されていない部位は、超音波プローブ10が測定容器31の下方に向けて進入する際に、その進入体積分の水を第2のプローブ位置決め部材33より上方側に流出させるための隙間となる。また、位置決め部33bの上面部は挿通孔33aの中心方向に向けて傾斜する呼び込み部33cとなっている。
【0026】
なお、35は測定容器31の周壁部31bの下部位置に設けた排水口であり、この排水口35には栓部材36が装着されるようになっている。また、排水口35は第1のプローブ位置決め部材32の配置部に形成されており、この第1のプローブ位置決め部材32を装着したままの状態で、測定容器31から排水できるようにするために、第1のプローブ位置決め部材32の排水口35と体面する側の側面部には切り欠き32bが形成されている。
【0027】
以上のように構成されるファントム装置30を用いることによって、超音波プローブ10における超音波振動子12が正確に回転するようになっているか否かの測定を行うことができる。ここで、超音波振動子12が正確に回転する状態とは、フレキシブルシャフト13を可撓性チューブ11内で軸回りに回転させたときに、この超音波振動子12の回転中心軸が変化せず、しかも回転速度が一定であることを言う。
【0028】
このために、図3に示したように、ファントム装置30を構成する測定容器31内に超音波伝達媒体としての水を注入しておき、超音波プローブ10の先端部分を第2のプローブ位置決め部材33における挿通孔33aの位置決め部33b内に差し込むようにする。そして、この超音波プローブ10の先端を第1のプローブ位置決め部材32における位置決め孔32aに挿入させて、その先端面が測定容器31の底面31aに当接させる。これによって、横断面が正方形となっている測定容器31の中央部に超音波プローブ10の先端部分が挿入され、しかもこの超音波プローブ10における超音波振動子12が第1,第2のプローブ位置決め部材32,33間の位置に配置される。
【0029】
ここで、超音波プローブ10は、そのプローブ本体10aの基端部を駆動ユニット10bに接続し、しかもコード22を超音波観測装置に接続した状態とする。この状態で、モータ19を作動させて、図5に示したように、超音波振動子12を矢印方向に回転駆動することによって、回転方向に超音波走査を行わせる。その結果、測定容器31の周壁部31b内面からの反射エコーが最も強いので、超音波画像をモニタ画面Mに映し出すと、図6に示したように、測定容器31の周壁部31b内面のパターンP1が最も鮮明に表示され、次いで周壁部31bの外面パターンP2が現れる。
【0030】
モータ19の駆動によりフレキシブルシャフト13を回転させたときに、超音波振動子12を装着した回転基台12aに正確に回転が伝達され、その回転中心軸が常に図5のAの位置に保持されて、ぶれや傾き等がなく、しかも回転速度にむらがない状態であれば、図6に示したように、測定容器31の周壁部31bの内周パターンP1は正確に正方形を描くようになる。ところが、回転中心軸にぶれや傾き等があったり、1回転する間に回転速度にむらがあったりすると、モニタ画面Mには、図7に示したように、測定容器31の周壁部31bの内周パターンが正方形に近い形状となっても、その大きさや形状等が変化したり、図8に示したように、各辺が歪んだり、4辺の長さが異なってきたりする。
【0031】
以上のことから、超音波振動子12が正確に回転しているときに得られる正規のパターンと実測したパターンとを比較し、例えば両パターンにおけるずれ分、即ち、図7,図8において、仮想線で示した正規のパターンと実線で示した実測パターンとが重なり合わない斜線でしめした部分の面積を求める等によって、この面積の大小によって超音波プローブ10における超音波振動子12が正確に作動している、ほぼ正確に作動しているか、若しくは異常な状態で作動しているかの判定を行うことができる。勿論、超音波画像のパターンを目視することにより、この判定を行うこともできる。
【0032】
ところで、超音波プローブ10を実際に使用する際には、そのプローブ本体10aが任意の方向に曲げられた状態になるのが一般的であり、この場合にはフレキシブルシャフト13が可撓性チューブ11の内面と部分的に摺動する等、回転伝達条件が悪くなる。このように、超音波プローブ10が曲がった状態において、フレキシブルシャフト13による回転伝達機能が低下するか否か、及びどの程度低下するかも測定することができる。
【0033】
而して、超音波プローブ10を内視鏡1の処置具挿通チャンネル6に挿通し、その出口6bから所定の長さだけ外部に突出させるようにして超音波走査が行われることから、そのプローブ本体10aにおける先端硬質部3a内に位置する部位から先端までは実質的に曲げ力が作用しない。従って、測定容器31内において、超音波プローブ10の先端部分が第1,第2のプローブ位置決め部材32,33により真直ぐな状態に保持されているにしても、第2のプローブ位置決め部材33より基端側の部位は自由状態となっているので、この自由状態となっている部位を任意の方向に曲げるようにして、前述の測定を行うようにする。その結果、曲げ方向及び曲げ度合いによりどの程度超音波振動子12の回転精度に影響を与えるかということも測定できるようになる。
【0034】
なお、前述した実施の形態においては、内視鏡をガイド手段として体腔内に挿入される超音波プローブを測定するものとして説明したが、本発明によるファントム装置30で測定可能な超音波プローブの種類はこれに限定されるものではないことは言うまでもない。また、超音波プローブの先端部分の外径や、その内部に設けた超音波振動子の位置は様々なものがあることから、超音波プローブにおける超音波振動子を挟んだ前後の位置を位置決めするための第1,第2のプローブ位置決め部材32,33を測定容器31に対して着脱可能としている。従って、異なる種類の超音波プローブを検査するに当っては、第1,第2のプローブ位置決め部材を適宜交換して用いるようにすれば良い。ただし、単一の種類の超音波プローブのみを検査する場合には、測定容器にプローブ位置決め部材を固定的に装着することもできる。
【0035】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、簡単な構成によって、超音波振動子の回転精度を容易かつ迅速に測定できる等の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のファントム装置によって測定される超音波プローブの一例として、内視鏡をガイド手段として体腔内に挿入される超音波プローブの構成を示す説明図である。
【図2】超音波プローブの要部を断面にして示す全体構成図である。
【図3】超音波プローブと共に示すファントム装置の縦断面図である。
【図4】図3のX−X断面図である。
【図5】ファントム装置により超音波振動子の回転精度を測定している状態を示す作用説明図である。
【図6】超音波振動子が正確に回転したときに得られる超音波画像を模式的に示す説明図である。
【図7】超音波振動子の回転時に回転ぶれが生じているときの超音波画像を模式的に示す説明図である。
【図8】超音波振動子の回転時に回転むらが生じているときの超音波画像を模式的に示す説明図である。
【符号の説明】
10 超音波プローブ 10a プローブ本体
11 可撓性チューブ 12 超音波振動子
12a 回転基台 13 フレキシブルシャフト
30 ファントム装置 31 測定容器
32 第1のプローブ位置決め部材 32a 位置決め孔
33 第2のプローブ位置決め部材 33a 挿通孔
33b 位置決め部

Claims (3)

  1. 先端が閉塞した可撓性チューブ内に回転部材に装着した超音波振動子が回転自在に装着され、この回転部材を前記可撓性チューブ内で軸回りに回転させるようにして走査させる超音波プローブの超音波振動子の回転精度を測定するためのファントム装置において、
    横断面が非円形で所定の深さを有し、内部に超音波伝達媒体が収容され、この超音波伝達媒体とは音響インピーダンスが異なる材質からなる測定容器と、
    前記測定容器内に設けられ、前記超音波プローブ外面における前記超音波振動子を設けた部位を挟んだ先端側及び基端側の部位を、前記回転部材の回転中心軸線がこの測定容器内の所定の位置となるように位置決めするプローブ位置決め手段とを備え、
    前記超音波プローブを前記容器の前記プローブ位置決め手段に挿通させるようにして装着した状態で、前記超音波振動子を回転駆動する間に超音波の送受信を行うことによって、その回転精度を測定する
    構成としたことを特徴とする回転走査式超音波プローブのファントム装置。
  2. 前記測定容器の横断面形状は正方形であり、かつ前記プローブ位置決め手段はこの測定容器の中心位置に超音波プローブを位置決めするものであることを特徴とする請求項1記載の回転走査式超音波プローブのファントム装置。
  3. 先端が閉塞した可撓性チューブ内に回転部材に装着した超音波振動子が回転自在に装着され、この回転部材を前記可撓性チューブ内で軸回りに回転させるようにして走査させる超音波プローブの超音波振動子の回転精度を測定する方法であって、
    横断面が非円形で所定の深さを有し、内部に超音波伝達媒体が収容され、この超音波伝達媒体とは音響インピーダンスが異なる材質からなる測定容器内の所定の位置に前記超音波プローブを挿入して、
    前記超音波振動子から前記測定容器内面での反射エコーによる超音波画像のパターンを実測し、
    このパターンと、正規の回転状態で超音波振動子が回転しているときに得られる前記測定容器内面からの反射エコーによる超音波画像のパターンとを比較することによって、前記超音波振動子の回転精度を測定する
    ことを特徴とする回転走査式超音波プローブの測定方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN1892204B (zh) * 2005-06-30 2013-01-02 西门子公司 测量电离辐射的水模型

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CN1892204B (zh) * 2005-06-30 2013-01-02 西门子公司 测量电离辐射的水模型

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