JP2006242738A - 超音波プローブ、超音波プローブユニット、超音波画像検査装置 - Google Patents

超音波プローブ、超音波プローブユニット、超音波画像検査装置 Download PDF

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【課題】被検査物表面の画像として高解像度の音響インピーダンス像を得ることができる超音波画像検査装置を提供すること。
【解決手段】超音波画像検査装置1は、超音波プローブユニット2とパソコン3とを備える。超音波プローブユニット2を構成する超音波プローブ5のプローブケース11内には、トランスデューサ12を有する第1ロータ部13と第2ロータ部14とが収納される。トランスデューサ12が照射する超音波の焦点位置はプローブケース外表面に設定され、各ロータ部13,14が回転駆動することで、超音波の照射点が二次元的に走査される。プローブケース11は、被検査物とは異なる既知の音響インピーダンスを有し、超音波を透過しうる材料からなり、その外表面にはプローブケース11とは異なる既知の音響インピーダンスを有するリファレンス部材15が配置されている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、超音波を二次元走査しながら被検査物に照射してその被検査物からの反射波を電気信号に変換して出力する超音波プローブ、そのプローブを備えた超音波プローブユニット、及び超音波画像検査装置に関するものである。
外科手術中において切除する部位の大きさは、術後の患者の負担を考えるとできるかぎり小さく抑えるべきであるが、患部の一部が切除されずに残ってしまうと病気が再発するといった問題がある。このため、切除後の残留部分から標本(生体組織)をサンプリングし、患部の拡がりがないことを確認する必要がある。現在、この作業は、摘出した生体組織の切片を染色し、光学顕微鏡で観察することによって行われている。組織確定診断は、病理学的所見に基づいて標本部分に患部が拡がっていないことを確認する診断であるが、切片の染色には数日を要することから、術後の確認に用いられている。
術中においては、縫合前に患部が残されていないことを短時間で判断することが要求される。そのため、特殊な染料を用いて短時間で染色し、標本部分に患部が拡がっていないことを概ね確認する「組織迅速診断」といった方法も実用化されている。ところが、この組織迅速診断においても1時間程度の時間を必要とし、この間手術が中断されるので、これに代わる方法として、超音波による音速像の観察が提案されている。つまり、超音波によって音速像を得る場合には、染色法を用いなくても生体組織の観察を行うことができる。このことから、組織確定診断を行う診断装置として超音波顕微鏡を応用した製品の開発が進められている。
具体的には、従来の超音波顕微鏡では、単一周波数のバースト波を利用し、反射した超音波信号の強度や位相を解析することで、生体組織の性状を観察する。しかし、このような超音波顕微鏡には、超音波信号の測定に長時間を要するという問題があった。また、十分な精度と安定度を持った発振器や測定系などのアナログシステムが必要となるため、装置が大型化、複雑化するといった問題もあった。
これら問題を解消して術中診断を可能とするための手段として、本発明者らはパルス励起型の超音波顕微鏡をすでに提案している(例えば、非特許文献1参照)。このパルス励起型超音波顕微鏡を用いた観察では、生体から組織から切り出し、その組織を用いて厚さ数μmの凍結切片51を作製し、これをまずガラス基板52上に固定する(図7参照)。そして、パルス波でトランスデューサ53を励起して超音波Soを出力させ、その超音波Soを水などの媒質54を介して凍結切片51に照射する。そして、組織表面の反射波Saとガラス基板52(組織背面)の反射波Sbとの合成波を、トランスデューサ53で受信する。さらに、この受信波をフーリエ変換して基板52からの直接反射と比較することにより、強度及び位相スペクトルを得る。
ところで、バースト波を用いた従来方式では、同じ測定点で周波数を切り替えて何回も測定し、組織表面の反射と背面の反射の干渉とを観測する必要があった。これに対して、パルス励起型超音波顕微鏡によれば、1回の測定で算出することができるという利点がある。この測定で得られた信号強度の極小点の周波数をfm、そのときの位相をφmとすると、組織表面と背面からの反射は極小点では逆位相となる。すなわち、極小点においては組織表面からの反射は背面からの反射より位相が(2n−1)π進んでおり、φm+(2n−1)πとなる(nは自然数)。従って、組織の厚さd、水の音速Cとすると、
Figure 2006242738

が成立している。
従って、次式のように組織厚さdが求まる。
Figure 2006242738
また、距離2dを組織音速Cで通過した波と水の音速Cで通過した波との位相差がφmであることから、
Figure 2006242738

となり、次式のように組織音速Cが求まる。
Figure 2006242738
このように、組織音速Cを測定しながら、トランスデューサ53を2次元走査することにより、2次元の音速像が得られる。
このパルス励起型超音波顕微鏡では、広帯域のパルス波を用い、反射波をフーリエ変換して周波数領域で解析することにより、測定時間が短縮される。また、パルス発生回路がバースト波回路に比べて簡単に構成可能なことや、必要な周波数成分を含んでいればパルス波の波形成形が不要であることなどから、ハードウエアを比較的簡単に実現できるという利点がある。
また、特許文献1では、生体の音響インピーダンス像を得るための音響インピーダンス測定装置が開示されている。この測定装置では、超音波振動子とλ/4整合層とを備えた超音波伝送路を複数本束ねて、各超音波伝送路で得られた音響インピーダンスにより生体を可視化している。具体的には、超音波伝送路の一端が超音波振動子に接続され他端がλ/4整合層を介して被測定物に直接接触されている。そして、その超音波伝送路を伝搬するエコーパルス(反射波)をフーリエ変換し、それにより周波数領域の振幅と位相に変換されたフーリエスペクトルから被測定物の音響インピーダンスを算出している。また、超音波伝送路として石英ファイバーを使用しており、その直径に応じた分解能で音響インピーダンスが測定される。
さらに、特許文献2では、超音波の反射波を利用して容易に診断を行う超音波診断装置が提案されている。この超音波診断装置では、超音波を照射する超音波プローブユニットを人体の検査部位に直接当てて、超音波の反射信号を画像処理することにより人体内部の診断が行われる。
特開2003−322558号公報 特開2004−305451号公報 「医用超音波:パルス励起型超音波音速顕微鏡」(「超音波TECHNO」VOL.15 No.6(2003.11〜12)(101〜105頁)日本工業出版社発行)
ところで、外科手術を実施する医師の意見として、病理検査に持ち込む段階でほぼ100%の信頼性をもって患部が残留していないことを保証したいといった要望がある。これを実現するためには、標本(生体組織)をサンプリングすることなく、術中に医師が直接プローブを当てて患部が拡がっていないことを確認できる装置が必要となる。
ところが、上記パルス励起型超音波顕微鏡において、音速像を得るためには生体組織の凍結切片51を使用する必要があり、直接プローブを当てて患部の状態を確認することはできない。
一方、特許文献1の音響インピーダンス測定装置では、直接プローブを当てて患部の状態を確認することは可能である。しかし、この音響インピーダンス測定装置では、高解像度の音響インピーダンス像を得るために、石英ファイバーからなる超音波伝送路を極めて細く形成し、複数本の超音波伝送路を束ねる必要があるため、製造コストが嵩み実用化するための障害となる。さらに、複数本の超音波伝送路において、λ/4整合層を正確に形成することは困難であり、正確に形成できない場合には音響インピーダンスの算出の際に誤差が生じてしまう。
また、特許文献2の超音波診断装置でも、直接プローブを当てて患部の状態を確認することは可能である。しかし、この超音波診断装置では、扇状のビームをもつ超音波を人体内部に向けて照射し、臓器などで反射した反射波に基づいて、患部を可視化する。このため、高解像度の画像を表示できず、微細な患部を見逃してしまう可能性が高い。
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、被検査物表面の画像として高解像度の音響インピーダンス像を得ることができる超音波プローブ、超音波プローブユニット、超音波画像検査装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明では、超音波を二次元走査しながら被検査物に照射して前記被検査物からの反射波を電気信号に変換して出力する超音波プローブであって、前記被検査物とは異なる既知の音響インピーダンスを有し、超音波を透過しうる材料からなり、その内部に超音波伝達媒体が充填可能な収容体と、前記収容体内に収容され、照射する超音波の焦点位置が前記収容体の外表面付近に設定され、前記反射波を受信して電気信号に変換しうる超音波振動子と、前記超音波振動子を駆動して超音波の照射点を二次元的に走査させる二次元走査手段と、前記二次元走査手段により超音波の照射点が走査される範囲内であってかつ前記収容体の外表面に配置され、前記収容体とは異なる既知の音響インピーダンスを有するリファレンス部材とを備えたことを特徴とする超音波プローブをその要旨とする。
請求項1に記載の超音波プローブによれば、収容体の外表面を被検査物に直接当てて検査を開始すると、超音波振動子から照射される超音波は、収容体の外表面付近、すなわち被検査物表面に焦点を合わせた状態で照射され、その照射点が二次元走査手段によって二次元的に走査される。またこのとき、超音波振動子によって被検査物表面からの反射波が受信されて電気信号に変換され、その電気信号に基づいて反射波の強度が判定される。そして、その反射波の強度と収容体の音響インピーダンスとに基づいて、音響インピーダンスが求められる。このようにすると、被検査物の表面における微細な位置での音響インピーダンスを求めることができ、超音波の二次元操作により複数点の音響インピーダンスを求めることで、被検査物表面の画像として高解像度の音響インピーダンス像を生成することが可能となる。さらに、リファレンス部材の反射波の強度とその音響インピーダンスとを被検査物の音響インピーダンスの算出に用いて、所定の補正を行うことが可能なため、被検査物の音響インピーダンスを正確に測定できる。また、リファレンス部材を超音波の走査範囲内に設けたので、リファレンス部材からの反射波の測定に続いて、被検査物の反射波を迅速に測定することができる。
本発明において、被検査物として生体組織を可視化する場合、アクリル樹脂などのように生体組織とは音響インピーダンスの異なる樹脂材料を用いて収容体を形成することが好ましい。このように、音響インピーダンスの異なる樹脂材料を用いる場合、その収容体外表面と生体組織の表面との間で反射される超音波の強度が大きくなるため、生体組織の音響インピーダンスを的確に求めることができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1において、前記超音波伝達媒体は純水であることをその要旨とする。
請求項2に記載の発明のように、超音波伝達媒体として純水を用いると、超音波の減衰が少なくなり、照射する超音波の周波数を高めることができ、音響インピーダンスを高い精度で求めることができる。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2において、前記二次元走査手段は、前記超音波振動子を回転駆動させるロータ部を含んで構成されていることをその要旨とする。
請求項3に記載の発明によれば、二次元走査手段のロータ部によって超音波振動子を回転駆動させることにより、振動の少ない高速走査が実現される。
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の超音波プローブと、前記超音波プローブが着脱可能なハンドピース部とを備えたことを特徴とする超音波プローブユニットをその要旨とする。
請求項4に記載の発明によれば、超音波プローブユニットがハンドピース部を備えるので、医師などがそのプローブユニットを手で持って使用することができる。また、超音波プローブとハンドピース部が別々に構成されるので、超音波プローブの表面が汚れた場合、洗浄された別のプローブに交換することができる。また、超音波プローブとハンドピース部とのいずれか一方が故障した場合には、故障した方を正常なものに交換することができる。従って、超音波プローブユニットの取り扱い性やメンテナンス性を向上することができる。
請求項5に記載の発明は、請求項4において、前記ハンドピース部内に、前記二次元走査手段を駆動制御する制御手段を設けたことをその要旨とする。
請求項5に記載の発明によれば、制御手段をハンドピース部内に設けることにより、超音波プローブの小型化が可能となる。
請求項6に記載の発明は、請求項4または5において、前記ハンドピース部内に、前記超音波振動子で変換した信号に基づいて前記反射波の強度を検出する信号強度検出手段を設けたことをその要旨とする。
請求項6に記載の発明によれば、信号強度検出手段をハンドピース部内に設けることにより、超音波プローブの小型化が可能となる。
請求項7に記載の発明は、超音波を二次元走査しながら被検査物に照射し、得られた反射波に基づいて前記被検査物を可視化する超音波画像検査装置であって、装置本体と、前記被検査物からの反射波を電気信号に変換して前記装置本体に出力する請求項4に記載の超音波プローブユニットとを備え、前記装置本体は、前記反射波の強度に基づいて前記被検査物の音響インピーダンスを求める演算手段と、前記被検査物の音響インピーダンスに基づいて音響インピーダンス像を生成する処理を行う画像生成手段とを有することを特徴とする超音波画像検査装置をその要旨とする。
請求項7に記載の発明によれば、反射波の電気信号が上記超音波プローブユニットから装置本体に出力される。そして、その装置本体において、演算手段により、反射波の強度に基づいて被検査物の音響インピーダンスが求められるとともに、画像生成手段により、その音響インピーダンスに基づいて音響インピーダンス像を生成するための処理が行われる。その結果、被検査物表面の画像として高解像度の音響インピーダンス像を生成することができる。
本発明において、演算手段及び画像生成手段を有する装置本体は、コンピュータなどの処理装置で実現されるものであり、算出した音響インピーダンスの大きさに応じてカラー変調した画像データを生成する。この画像データにより、音響インピーダンスの大きさに応じて色分けされた音響インピーダンス像を得ることができ、その音響インピーダンス像によって、音響インピーダンスの分布を容易に確認できる。
以上詳述したように、請求項1〜7に記載の発明によると、被検査物表面の画像として高解像度の音響インピーダンス像を得ることができる超音波プローブ、超音波プローブユニット、超音波画像検査装置を提供することができる。
以下、本発明を具体化した一実施の形態を図面に基づき詳細に説明する。図1は本実施形態における超音波画像検査装置1の概略構成を示す概略構成図である。
超音波画像検査装置1は、超音波プローブユニット2と、装置本体としてのパーソナルコンピュータ(パソコン)3とから構成されている。超音波プローブユニット2とパソコン3とは例えばUSBケーブル4を介して接続される。
超音波プローブユニット2は、超音波プローブ5と、先端部にその超音波プローブ5を着脱可能なハンドピース部6とを備える。この超音波プローブ5は、超音波を二次元走査しながら被検査物に照射して、その被検査物からの反射波を電気信号に変換して出力する機能を有している。このハンドピース部6はいわゆる把持部であって、手で把持可能な長さ及び直径を有している。それゆえ、この超音波プローブユニット2は、例えば、術中に医師などが患者の体の検査を行うために用いられる。この場合、使用者はハンドピース部6を手で持ち、超音波プローブ5を患者の体(被検査物としてのインビボの生体組織)に直接当てるようにする。
具体的には、超音波プローブ5は、収容体としてのプローブケース11と、超音波振動子としてのトランスデューサ12と、二次元走査手段としての第1ロータ部13及び第2ロータ部14と、リファレンス部材15とを備える。プローブケース11は、生体組織とは異なる既知の音響インピーダンスを有し、超音波を透過しうる材料(例えば、アクリル樹脂)を用いて、先端部が略半球形状に形成されている。プローブケース11の内部には、超音波伝達媒体(具体的には純水)Wが充填されている。
本実施の形態では、プローブケース11の内部に第1ロータ部13及び第2ロータ部14が収納されており、ケース先端側に設けられた第1ロータ部13の外周面には、2つのトランスデューサ12が設けられている。これら2つのトランスデューサ12は、高分子系の圧電材料からなり、第1ロータ部13の回転軸13aを中心として180度離れた位置に設けられている。この構成であると、回転軸13aを中心とする重量バランスがよくなるので、振動の発生を確実に防止することができる。
トランスデューサ12が照射する超音波は、超音波伝達媒体Wを介して円錐状に収束されてプローブケース11の外表面で焦点を結ぶようになっている。なお本実施形態では、トランスデューサ12として、例えば、口径が3mm、高さ3mm、中心周波数80MHz、帯域幅50〜105MHz(−6dB)の仕様のものを用いている。
本実施の形態において、第1ロータ部13は、超音波プローブユニット2の短手方向と平行な回転軸13aを介してハウジング17に回転可能に支持されている。また、第2ロータ部14は、超音波プローブユニット2の長手方向と平行な回転軸14aを介してハウジング17を支持しており、そのハウジング17とともに第1ロータ部13を回転させる。これらロータ部13,14は、回転速度や回転位置が制御可能な周知の電動モータで構成される。なお、第1ロータ部13への電源供給やトランスデューサ12に対する電気信号の授受は図示しないスリップリングを介して行われる。
また、プローブケース11の外表面において超音波の照射点が走査される範囲内には、リファレンス部材15(例えば、エポキシ樹脂)が設けられている。本実施形態のリファレンス部材15は、例えば、エポキシ樹脂により形成される。従って、リファレンス部材15は、アクリル樹脂からなるプローブケース11とは異なる既知の音響インピーダンスを有している。
超音波プローブユニット2におけるハンドピース部6内には、各ロータ部13,14を駆動制御する制御手段としてのロータ制御回路21、超音波を送受信するための信号処理回路22、電気信号の入出力を行うためのI/F回路23などが設けられている。I/F回路23としては、パソコン等の標準インターフェースであるUSBインターフェースが用いられる。なお、I/F回路23としては、USBインターフェースの他にIEEE1394インターフェースを採用してもよく、また、データ転送速度は遅くなるが、シリアルインターフェースやパラレルインターフェースを採用することもできる。
図2は、超音波画像検査装置1の電気的な構成を示すブロック回路図である。
図2に示されるように、超音波プローブユニット2におけるロータ制御回路21は、各ロータ部13,14に接続されており、パソコン3から出力される駆動制御信号をI/F回路23を介して取り込み、その駆動制御信号に基づいて各ロータ部13,14を駆動して各ロータ部13,14とともにトランスデューサ12を回転させる。具体的には、ロータ制御回路21は、第1ロータ部13を所定の回転速度で回転させ、第1ロータ部13が半回転(180°回転)する度に第2ロータ部14を所定の角度だけ回転させる。これにより、プローブケース11の外表面(つまり生体組織の表面)に沿って超音波の照射点が2次元的に走査される。
信号処理回路22は、送信回路24、受信回路25、送受波分離回路26、検波回路27、A/D変換回路28を備える。
送信回路24は、トランスデューサ12を駆動させるためのパルスを発生させる回路であり、トリガ回路24aとパルス発生回路24bとを備える。送信回路24において、トリガ回路24aは、パソコン3から出力される制御信号をI/F回路23を介して取り込み、その制御信号に基づいて第1ロータ部13の回転に同期したトリガ信号を生成する。パルス発生回路24bは、そのトリガ信号に応答して励起パルスを生成する。その励起パルスが送受波分離回路26を介してトランスデューサ12に供給されてトランスデューサ12から超音波が照射される。なお、本実施の形態では、第1ロータ部13の回転によりトランスデューサ12がプローブケース11の先端側の走査範囲内に移動したときに、制御信号に基づいてトリガ信号が生成され、その走査範囲内でのみ超音波が照射されるようになっている。
本実施の形態のトランスデューサ12は、送受波兼用の超音波振動子であり、生体組織で反射した超音波(反射波)を電気信号に変換する。そして、その反射波の信号は送受波分離回路26を介して受信回路25に供給される。受信回路25は、信号増幅回路を含み、反射波の信号を増幅して検波回路27に出力する。
信号強度検出手段である検波回路27は、図示しないゲート回路、遅延回路、演算回路、BPF(バンドパスフィルタ)及びピークホールド回路などを含み、生体組織からの反射波の信号強度を検出する。
ここで、本実施の形態の検波回路27が行う具体的な信号処理について、図3のタイミングチャートに従い説明する。
図3に示すように、トランスデューサ12で受波した反射波信号(原波形)には、プローブケース内表面(超音波伝達媒体Wとの界面)での反射波信号、生体組織表面(プローブケース外表面との界面)での反射波信号、生体組織内部での反射信号などを含む。従って、検波回路27では、ゲートパルスに応じてゲート回路が動作して、各反射波信号のなかから生体組織表面での反射波信号のみが切り出される。なお、このゲートパルスは、トランスデューサ12への励起パルスの出力タイミングから所定時間が経過したときに出力される。また、ゲート回路による切り出し波形に同期して、窓関数パルス用のトリガが生成されている。
生体組織表面の反射波信号は、遅延回路を通して所定時間だけ遅延され、乗算器を用いて遅延波形に窓関数パルスをかけることで、生体組織表面の反射波信号に続くノイズが抑制される。さらに、窓関数パルスによる切り出し波形はBPFを通して高周波ノイズが除去された後、検波波形が得られる。そして、その検波波形のピーク値がピークホールド回路でホールドされ、そのピーク値が検波回路27から出力される。なお、図示しないが、測定点毎(励起パルスがトランスデューサ12に出力される毎)にリセット信号が検波回路27に供給され、ピークホールド回路でホールドされているピーク値が初期値にリセットされるようになっている。
図2に示すように、検波回路27の出力信号は、A/D変換回路28に供給されてA/D変換された後、I/F回路23を介してパソコン3に転送される。
パソコン3は、CPU31、I/F回路32、メモリ33、記憶装置34、入力装置35、及び表示装置36を備え、それらはバス37を介して相互に接続されている。
CPU31は、メモリ33を利用して制御プログラムを実行し、装置全体を統括的に制御する。制御プログラムとしては、各ロータ部13,14による2次元走査を制御するためのプログラムや音響インピーダンスを算出するためのプログラムなどを含む。
I/F回路32は、超音波プローブユニット2との間で信号の授受を行うためのインターフェース(具体的には、USBインターフェース)であり、超音波プローブユニット2に制御信号(ロータ制御回路21や送信回路24への制御信号)を出力したり、超音波プローブユニット2からの転送データ(A/D変換回路28からI/F回路23を介して転送されるデータ)を入力したりする。
表示装置36は、例えば、LCDやCRTなどのカラーディスプレイであり、生体組織の音響インピーダンス像や、各種設定の入力画面を表示するために用いられる。入力装置35は、キーボードやマウス装置などであり、ユーザからの要求や指示、パラメータの入力に用いられる。
記憶装置34は、磁気ディスク装置や光ディスク装置などであり、その記憶装置には制御プログラム及び各種のデータが記憶されている。CPU31は、入力装置35による指示に従い、プログラムやデータを記憶装置34からメモリ33へ転送し、それを逐次実行する。なお、CPU31が実行するプログラムとしては、メモリカード、フレキシブルディスク、光ディスクなどの記憶媒体に記憶されたプログラムや、通信媒体を介してダウンロードしたプログラムでもよく、その実行時には記憶装置34にインストールして利用する。
次に、本実施の形態の超音波プローブ5を患者の体(被検査物としてのインビボの生体組織)に直接当ててその生体組織の音響インピーダンスを算出する方法について説明する。
本実施の形態では、リファレンス部材15からの反射波の強度と生体組織からの反射波の強度とを測定し、それら反射波の強度に基づいて生体組織の音響インピーダンスを求めている。
具体的には、図4(a)に示すように、プローブケース11を介してリファレンス部材15に超音波Soを照射し、リファレンス部材15での反射波Srを測定する。リファレンス部材15においてその表面と直交する角度で照射される超音波(入射波)Soと反射波Srとは次式(5)の関係が成り立つ。
Figure 2006242738
ただし、Zsはプローブケース11の音響インピーダンスであり、Zrはリファレンス部材15の音響インピーダンスである。
また、図4(b)に示すように、生体組織39表面に超音波Soを照射し、生体組織39表面での反射波Stを測定する。生体組織39表面と直交する角度で照射される超音波Soと反射波Stとは次式(6)の関係が成り立つ。
Figure 2006242738
ただし、Ztは生体組織39の音響インピーダンスである。
従って、上記式(5),(6)から生体組織39の音響インピーダンスZtは、次式(7)により求められる。
Figure 2006242738
なお、プローブケース11の音響インピーダンスZsやリファレンス部材15の音響インピーダンスZrは、制御プログラムのデータとして記憶装置34に予め記憶されている。また、上記の式(6)で示されるように、プローブケース11の音響インピーダンスZsが生体組織39の音響インピーダンスZtと等しい場合、生体組織39表面で超音波が反射しなくなる。そのため、プローブケース11としては、生体組織39の音響インピーダンスZtを考慮してその材料を選択するとよく、例えば、音響インピーダンスZsが生体組織39の3倍程度の大きさの材料を用いる。また、超音波伝達媒体Wとの界面となるプローブケース11の内表面側でも超音波の反射が起こるため、超音波伝達媒体Wの音響インピーダンスも考慮してプローブケース11の材料を選択することが好ましい。
次に、本実施の形態において、音響インピーダンス像を生成するための処理について、図5のフローチャートに従い説明する。
まず、CPU31からの指示に基づいてロータ制御回路21により第1ロータ部13及び第2ロータ部14が駆動され、超音波の照射点がリファレンス部材15に位置するように移動される。またこのとき、励起パルスがトランスデューサ12に供給されると、図4(a)に示すように、リファレンス部材15に超音波Soが照射され、その反射波Srが検波回路27で検出される。そして、CPU31は、A/D変換回路28で変換されたデジタルデータをI/F回路23,32を介して取得し、そのデータをリファレンス部材15の反射波の強度としてメモリ33に一旦格納する(ステップ100)。
その後、CPU31からの指示に基づいて、ロータ制御回路21により各ロータ部13,14が駆動されて超音波の2次元走査が開始される。CPU31は、各ロータ部13,14の回転位置を判断しそれに基づいて測定点の座標データを取得する(ステップ110)。そして、図4(b)に示すように、生体組織39表面に超音波Soが照射され、その反射波Stが検波回路27で検出される。CPU31は、A/D変換回路28で変換されたデジタルデータを生体組織39の反射波の強度としてメモリ33に一旦格納する(ステップ120)。
その後、演算手段としてのCPU31は、得られたリファレンス部材15及び生体組織39表面での反射波Sr,Stの強度と、リファレンス部材15及びプローブケース11の音響インピーダンスZr,Zsとを用いて、上記の式(7)に対応した演算処理を行い測定点での音響インピーダンスZtを算出する。そして、CPU31は、算出された音響インピーダンスZtを測定点の座標データに関連付けてメモリ33に記憶する(ステップ130)。
その後、画像生成手段としてのCPU31は、算出した音響インピーダンスZtに基づいて音響インピーダンス像を生成するための画像処理を行う(ステップ140)。詳しくは、CPU31は、音響インピーダンスZtを用いてカラー変調処理を行い、音響インピーダンスZtの大きさに応じた画像データを生成し、該画像データをメモリ33に記憶する。
CPU31は、全ての測定点での処理が終了し、1画面分の画像データが取得されたか否かを判断する(ステップ150)。ここで、全データが取得されていない場合、CPU31は、ステップ110に戻って、ステップ110〜150の処理を繰り返し実行し、全データが取得された場合には、該データを表示装置36に転送して該データに応じた音響インピーダンス像を表示させた後、図5の処理を終了する。
この処理により、生体組織39表面での音響インピーダンスの大きさに応じて色分けされた音響インピーダンス像が表示され、その音響インピーダンス像によって、生体組織39における音響インピーダンスの分布が確認される。
また、本実施の形態において、表示装置36に音響インピーダンス像を表示させた状態で入力装置35を操作し、音響インピーダンス像における所定のポイント(座標)を指定すると、CPU31により、その座標に対応する音響インピーダンスのデータがメモリ33から読み出される。そして、表示装置36における表示画面にその音響インピーダンスの値が表示される。
従って、本実施形態によれば以下の効果を得ることができる。
(1)本実施の形態の超音波画像検査装置1では、術中において患部周辺に超音波プローブ5の先端部を直接当てることにより、その音響インピーダンス像を表示装置36の画面に表示させることができる。従って、患部の一部をサンプリングして組織切片を作製する必要がない。勿論、その組織切片を染色する必要もない。すなわち、この超音波画像検査装置1によれば、組織のサンプリング等が不要なため患部の診断を極めて迅速に行うことができる。
(2)本実施の形態の超音波プローブ5では、超音波がプローブケース11の外表面付近、すなわち生体組織39表面に焦点が合った状態で照射されるため、微細な位置での音響インピーダンスを求めることができる。また、超音波の二次元操作により複数点の音響インピーダンスを求めることで、生体組織39表面の画像として高解像度の音響インピーダンス像を生成することが可能となる。つまり、顕微鏡で得られるような画像を得ることができる。
(3)実際の測定時においては、温度変化や測定系の回路特性の変化などの要因によって、トランスデューサ12から出力される超音波の強度が変動する可能性が高い。それを考慮して、本実施の形態の超音波画像検査装置1では、プローブケース11の外表面にリファレンス部材15を設けている。そのため、図4(a)に示すように、リファレンス部材15の反射波Srを検出し、その強度に基づいて音響インピーダンスを算出することにより、測定条件の変動に応じて補正を行うことができる。これにより、正確な音響インピーダンス像を得ることができる。また、リファレンス部材15が走査範囲内に設けられているので、リファレンス部材15からの反射波の測定に続いて、生体組織39の反射波を迅速に測定することができる。
(4)本実施の形態の超音波プローブ5では、超音波伝達媒体Wとして純水をプローブケース11内に充填したので、高周波数の超音波の減衰を低減することができ、音響インピーダンスを高い精度で求めることができる。また、イオンを含まない純水には電気が殆ど流れない。従って、プローブケース11内に電動モータ等の電気部品を収容したときでもショートの発生を心配しなくてもよく、絶縁構造を省略することが可能である。
(5)本実施の形態の超音波プローブ5では、第1ロータ部13及び第2ロータ部14が回転駆動することにより超音波の2次元走査が行われるので、直線的な移動で2次元走査を行う場合と比較して、走査時の振動を低減することができる。このことは音響インピーダンス像の高精度化に貢献する。また、超音波の2次元走査を高速で行うことができるため、患部の診断を極めて迅速に行うことができる。
(6)本実施の形態の超音波プローブユニット2では、超音波プローブ5がハンドピース部6に着脱可能に設けられている。よって、故障時などに超音波プローブ5またはハンドピース部6を交換することができ、取り扱い性やメンテナンス性を向上することができる。
(7)本実施の形態の超音波プローブユニット2では、ハンドピース部6内にロータ制御回路21や信号処理回路22などを設けるようにしたので、超音波プローブ5を小型にすることができる。また、超音波プローブ5内にロータ制御回路21や信号処理回路22などを備えない構成であるため、例えば比較的高温での殺菌が可能となる、使い勝手に優れたものとなる。また、ロータ制御回路21や信号処理回路22などを生体から離間させることができるため、生体との接触による温度変化を回避でき、回路の特性が変化しにくくなる。
(8)本実施の形態の超音波画像検査装置1では、超音波で音速像を得る場合のようにフーリエ変換するといった処理が不要となることから、生体組織39を迅速に可視化することができる。また、フーリエ変換するための回路が不要となるため、信号処理回路22を簡素化することができ、超音波プローブユニット2の小型化が可能となる。
(9)本実施の形態の超音波画像検査装置1では、超音波プローブ5の表面(プローブケース11の外表面)を生体組織39に当接させることにより、生体組織39表面の凸凹がなくなりその表面に対して直交する角度で超音波を照射することができるため、正確な音響インピーダンス像を得ることできる。
(10)本実施の形態の超音波画像検査装置1では、術中における組織診断への利用が可能となり、縫合前に患部が残されていないことを短時間で判断することができる。具体的に、音響インピーダンスZは音速Cと密度ρの積で表されるパラメータ(Z=ρC)である。また、生体組織39の密度は1.08g/cm程度であり、組織部位間または患部・健全部間で大きな差がないため、音響インピーダンスZと音速Cとは相関関係を持つ。よって、音響インピーダンス像によって音速像とほぼ等価な情報を得ることができ、生体組織39の構造を見ることが可能となる。例えば、癌化した生体組織においてコラーゲン線維が増加すると、その部分が正常組織に比較して硬化するので、その状況を音響インピーダンス像で確認することが可能となる。
(11)超音波画像検査装置1を用いれば、術中において生体組織39の確定診断を短時間で行うことができるので、組織確定診断以外の多くの作業も並行して行うことができる。その結果、手術時間の短縮と信頼性の向上を図ることができる。具体的に、光学顕微鏡を用いた従来の外科手術では、患部の切除後に開腹状態で迅速診断を行い、概ね問題ないことを確認した時点で縫合し、最終的に手術に問題がなかったことが確認されるまで数日を要していた。また、問題がある場合には再手術が必要となってしまう。これに対して、超音波画像検査装置1を用いれば、開腹状態において短時間で組織確定診断が可能となることから、従来のような縫合後に再手術を行うといったケースは大幅に減少される。
なお、本発明の実施の形態は以下のように変更してもよい。
・上記実施の形態において、2次元走査手段は、2つのロータ部13,14によって構成されるものであったが、これに限定されるものではなく、例えば、ロータ部とそのロータ部を直線的に移動させる移動機構とから構成されるものでもよい。また、ロータ部に代えて、トランスデューサ12を揺動させる揺動機構を用いてもよい。さらに、回転機構とクランク機構とを組み合わせることで螺旋状に走査を行う2次元走査手段を構成してもよい。
図6には、ロータ部41と移動機構42とからなる2次元走査手段の一例を示している。図6の超音波プローブ43では、プローブケース44が筒状に形成され、そのプローブケース44内において、ロータ部41がハウジング45を介して移動機構42に固定されている。ロータ部41は、上記実施形態の第1ロータ部13と同じ構成であり、その外周面に2つのトランスデューサ12が設けられている。移動機構42は、電動モータなどを駆動源としてガイド部材46に沿って直線的に移動する周知の機構である。この超音波プローブ43では、ロータ部41が回転駆動するとともに、そのロータ部41の回転に応じて移動機構42がガイド部材46に沿って水平方向(図中左右方向)に移動することで、超音波が2次元的に走査される。
・上記実施の形態において、パソコン3を用いて超音波画像検査装置1を構成したが、それ以外にワークステーションなどのコンピュータを用いてもよい。勿論、PDA(Personal Digital Assistant)などの携帯端末を用いて超音波画像検査装置を構成してもよい。PDAなどの携帯端末を用いる場合、超音波プローブユニット2とともに手で持って移動可能であるので、病院内に限らず、救急救命医療の現場や在宅医療の現場などさまざまな場所で超音波画像検査装置を利用することができる。また、PDAなどの携帯端末の通信機能を利用して、音響インピーダンスのデータを別のコンピュータに送信し、そのコンピュータの画面に音響インピーダンス像を表示させるよう構成してもよい。さらに、超音波プローブユニット2を通信装置を介してインターネットなどのネットワークに接続して、該ネットワークに接続されたコンピュータによって超音波プローブユニット2を遠隔操作するよう構成してもよい。このようにすれば、在宅医療の現場に医師が行かなくても、患者自身が超音波プローブユニット2を患部付近に当てることで患部の状態を音響インピーダンス像として可視化することができる。従って、患者とは離れた場所でそのインピーダンス像をモニター画面に表示させることにより医師が診断を行うことが可能となる。
・上記実施の形態において、走査開始時にリファレンス部材15での反射波Srの強度を検出するものであったがこれに限定されるものではない。例えば、生体組織39における1走査ラインの音響インピーダンスの測定を行う度に、リファレンス部材15での反射波Srの強度を検出して、その強度に基づいて音響インピーダンスの算出を行うようにしてもよい。この場合、リファレンス部材15が両側もしくは片側に位置するよう走査範囲を設定する。このようにすれば、測定条件が急激に変わる場合に、測定条件の変動に応じた補正をリアルタイムで行うことができる。なお、リファレンス部材15は、操作範囲の周縁に設ける必要はなく、走査範囲のいずれかの位置に設けるものであればよい。
・上記実施の形態では、測定点毎に反射波の強度を検出し音響インピーダンスを求めるようにしたが、反射波の強度の検出を全ての測定点について行い、その後の処理ステップにおいて各測定点での音響インピーダンス(1画面分の複数の音響インピーダンス)を一括で求めるようにしてもよい。
・上記実施の形態において、ガン組織などの音響インピーダンスが既知である場合、その音響インピーダンスが測定された領域を、警告を促す色で表示するように構成してもよい。これにより、術中での生体組織診断を迅速に行うことが可能となる。
・上記実施の形態の超音波画像検査装置1では、カラー変調による音響インピーダンス像を得るものであったが、それ以外に輝度変調した音響インピーダンス像として可視化してもよい。
次に、特許請求の範囲に記載された技術的思想のほかに、前述した実施形態によって把握される技術的思想を以下に列挙する。
(1)請求項3において、2つの前記超音波振動子が前記ロータ部の回転軸を中心として180度離れた位置に設けられることを特徴とする超音波プローブ。
(2)請求項1乃至3のいずれか1項において、前記被検査物はインビボの生体組織であり、その生体組織に前記収容体の外表面を直接接触させて使用することを特徴とする超音波プローブ。
(3)請求項7において、前記装置本体は、前記音響インピーダンス像を表示するための表示装置を備え、前記画像生成手段は、算出した音響インピーダンスの大きさに応じてカラー変調した画像データを生成し、その画像データにより、音響インピーダンスの大きさに応じて色分けされた音響インピーダンス像を前記表示装置に表示することを特徴とする超音波画像検査装置。
(4)請求項7において、前記超音波プローブユニットは、ネットワークを介して装置本体と接続され、そのネットワークを介して遠隔操作が可能であることを特徴とする超音波画像検査装置。
本発明を具体化した一実施の形態の超音波画像検査装置を示す概略構成図。 超音波画像検査装置の電気的構成を示すブロック回路図。 検波回路の動作を説明するためのタイミングチャート。 (a),(b)は、リファレンス部材及び生体組織での反射を説明するための説明図。 音響インピーダンス像の生成処理を示すフローチャート。 別例の超音波プローブを示す構成図。 従来の超音波顕微鏡での音速測定方法を示す模式図。
符号の説明
1…超音波画像検査装置
2…超音波プローブユニット
3…装置本体としてのパソコン
5,43…超音波プローブ
6…ハンドピース部
11,44…収容体としてのプローブケース
12…超音波振動子としてのトランスデューサ
13,14…2次元走査手段を構成する第1ロータ部及び第2ロータ部
15…リファレンス部材
21…制御手段としてのロータ制御回路
27…信号強度検出手段としての検波回路
31…演算手段及び画像生成手段としてのCPU
39…被検査物としての生体組織
41…2次元走査手段を構成するロータ部
42…2次元走査手段を構成する移動機構
W…超音波伝達媒体としての純水

Claims (7)

  1. 超音波を二次元走査しながら被検査物に照射して前記被検査物からの反射波を電気信号に変換して出力する超音波プローブであって、
    前記被検査物とは異なる既知の音響インピーダンスを有し、超音波を透過しうる材料からなり、その内部に超音波伝達媒体が充填可能な収容体と、
    前記収容体内に収容され、照射する超音波の焦点位置が前記収容体の外表面付近に設定され、前記反射波を受信して電気信号に変換しうる超音波振動子と、
    前記超音波振動子を駆動して超音波の照射点を二次元的に走査させる二次元走査手段と、
    前記二次元走査手段により超音波の照射点が走査される範囲内であってかつ前記収容体の外表面に配置され、前記収容体とは異なる既知の音響インピーダンスを有するリファレンス部材と
    を備えたことを特徴とする超音波プローブ。
  2. 前記超音波伝達媒体は純水であることを特徴とする請求項1に記載の超音波プローブ。
  3. 前記二次元走査手段は、前記超音波振動子を回転駆動させるロータ部を含んで構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の超音波プローブ。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の超音波プローブと、前記超音波プローブが着脱可能なハンドピース部とを備えたことを特徴とする超音波プローブユニット。
  5. 前記ハンドピース部内に、前記二次元走査手段を駆動制御する制御手段を設けたことを特徴とする請求項4に記載の超音波プローブユニット。
  6. 前記ハンドピース部内に、前記超音波振動子で変換した信号に基づいて前記反射波の強度を検出する信号強度検出手段を設けたことを特徴とする請求項4または5に記載の超音波プローブユニット。
  7. 超音波を二次元走査しながら被検査物に照射し、得られた反射波に基づいて前記被検査物を可視化する超音波画像検査装置であって、
    装置本体と、前記被検査物からの反射波を電気信号に変換して前記装置本体に出力する請求項4に記載の超音波プローブユニットとを備え、前記装置本体は、前記反射波の強度に基づいて前記被検査物の音響インピーダンスを求める演算手段と、前記被検査物の音響インピーダンスに基づいて音響インピーダンス像を生成する処理を行う画像生成手段とを有することを特徴とする超音波画像検査装置。
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