JP2015006260A - 超音波診断装置 - Google Patents

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実教 泉
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明弘 掛江
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直樹 米山
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拓 村松
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伸秀 大井
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Abstract

【課題】超音波診断装置において、プラークの定量評価を向上させること。【解決手段】超音波診断装置1は、超音波プローブ3から超音波を送信させる超音波送信部21と、超音波プローブ3に送信超音波の反射波を受信させ、反射波に対応する受信信号を超音波プローブ3から取得する超音波受信部22と、受信信号に基づいて、超音波画像を生成する画像生成手段24と、超音波画像上のプラークを含む領域として選択されたプラーク領域の測定音速値から脂質コアの有無を判断するプラーク評価部25と、を有する。【選択図】 図1

Description

本発明の一態様としての本実施形態は、超音波画像を生成する超音波診断装置に関する。
超音波を利用してイメージングを行う超音波イメージング装置として、構造物内部の異常を非破壊的に検査するための超音波検査装置や、被検体(患者)に超音波を送信し、その反射波に基づいて診断部位に関する断層像を取得する超音波診断装置がある。超音波診断装置によれば、超音波プローブを被検体の体表に当てるだけの簡単な操作で心臓の拍動や胎児の動きの様子をリアルタイム表示でき、かつ安全性が高いため繰り返して検査を行なうことができる。
この他、超音波診断装置は、システムの規模がX線装置、X線CT(computed tomography)装置、MRI(magnetic resonance imaging)装置等他の画像診断装置に比べて小規模である。そのため、超音波診断装置によれば、操作者がベッドサイドへ移動していっての検査も容易に行なえる。超音波診断装置は、それが具備する機能の種類によって様々に異なるが、小型なものは片手で持ち運べる程度のものが開発されており、また、X線等のように被曝の影響がなく、産科や在宅医療等においても使用される。
超音波診断装置における頸動脈エコーにおいてプラークのエコー輝度はその構成成分や病理組織所見を示すことが言われている。通常は低輝度、等輝度、及び高輝度に分類され、それぞれ血流、周囲の内中膜や筋肉、及び骨を基準として評価される。黄色い粥腫に富んだプラークは超音波画像上では低輝度プラークで、組織像は脂肪成分やマクロファージ等の炎症細胞に富んでいる、いわゆる脆弱で不安定なプラークである。この低輝度プラークは前向き臨床研究で脳梗塞を発症し易いことが報告されている。一方、白いプラークは超音波画像上では高輝度プラークであり、組織学的には繊維成分や石灰化が見られる安定したプラークである。
なお、超音波イメージングに用いる音速を最適化することで、従来に比して高分解能な超音波画像を取得する超音波診断装置が開示される(特許文献1参照)。
特開2008−264531号公報
従来技術の超音波診断装置における超音波画像の輝度は、ゲイン調整等の画質変更操作にて容易に変わってしまうので、超音波画像を用いたプラーク評価が操作者の主観によるものとなる。よって、超音波画像の輝度によるプラーク評価は定量評価に課題のある評価法である。
本実施形態の超音波診断装置は、上述した課題を解決するために、超音波プローブから超音波を送信させる送信手段と、前記超音波プローブに前記送信超音波の反射波を受信させ、前記反射波に対応する受信信号を前記超音波プローブから取得する受信手段と、前記受信信号に基づいて、超音波画像を生成する画像生成手段と、前記超音波画像上のプラークを含む領域として選択されたプラーク領域の測定音速値から脂質コアの有無を判断する判断手段と、を有する。
本実施形態の超音波診断装置の構成を示す概略図。 本実施形態の超音波診断装置に具備するプラーク評価部の構成を示す図。 プラーク領域と、プラーク領域内の複数の小領域とを示す図。 プラーク領域と、プラーク領域内の複数の小領域と、脂質コア領域とを示す図。 不安定プラーク存在の可能性を判定するためのテーブルの一例を示す図。 表示画像の第1例を示す図。 表示画像の第2例を示す図。 表示画像の第3例を示す図。 表示画像の第4例を示す図。 表示画像の第5例を示す図。 本実施形態の超音波診断装置の動作を示すフローチャートを示す図。
本実施形態の超音波診断装置について、添付図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態の超音波診断装置の構成を示す概略図である。
図1は、本実施形態の超音波診断装置1を示す。超音波診断装置1は、装置本体2及び超音波プローブ3を備える。装置本体2は、超音波送信部21、超音波受信部22、Bモード処理部23、画像生成部24、プラーク評価部25、画像合成部26、モニタ(表示部)27、制御部(プロセッサ)28、インターフェース部29、入力部30、及び記憶部31を具備する。
超音波プローブ3は、図示しない圧電振動子、整合層、及びバッキング材等を備える。圧電振動子は、装置本体2からの駆動信号に基づき超音波を発生し、被検体からの反射波を受波(受信)して電気信号(受信信号)に変換する。整合層は、圧電振動子に設けられる。バッキング材は、圧電振動子から後方への超音波の伝播を防止する。超音波プローブ3から被検体Sに超音波が送信されると、送信超音波は、体内組織の音響インピーダンスの不連続面で次々と反射される。反射波は超音波プローブ3で受波されて受信信号に変換される。受信信号の振幅は、反射することになった反射することになった不連続面における音響インピーダンスの差に依存する。また、送信された超音波パルスが、移動している血流や心臓壁等の表面で反射された場合、受信信号はドプラ効果により移動体の超音波送信方向の速度成分を依存して、周波数偏移を受ける。
なお、超音波プローブ3は、被検体Sの3次元領域を超音波走査可能なものであってもよい。その場合、超音波プローブ3は、振動子をその配列方向の直交方向に沿って機械的に揺動させ、3次元領域を超音波走査する構成、又は2次元的に配列された2次元振動素子を用いて電気的制御により3次元領域を超音波走査する構成等を有する。前者の構成を採用する場合、被検体Sの3次元的走査は揺動回路によって行なわれるため、操作者(検査者)は超音波プローブ3の先端を被検体Sに接触させるだけで、自動的に複数の2次元断層像を取得することができる。また、制御された揺動速度から断面間の正確な距離も検知できる。一方で、後者の構成を採用する場合には、原理的には、従来の2次元断層像を取得するのと同じ時間で、3次元領域を超音波走査することができる。
装置本体2の超音波送信部21は、制御部28の制御に従って、超音波プローブ3から超音波を送信させる。超音波送信部21は、図示しないトリガ発生回路、遅延回路、及びパルサ回路等を備える。パルサ回路は、所定のレート周波数fr Hz(周期;1/fr秒)で、送信超音波を形成するためのレートパルスを繰り返し発生する。また、遅延回路は、チャンネル毎に超音波をビーム状に集束し、かつ、送信指向性を決定するのに必要な遅延時間を、各レートパルスに与える。トリガ発生回路は、レートパルスに基づくタイミングで、超音波プローブ3に駆動パルスを印加する。
超音波受信部22は、制御部28の制御に従って、超音波プローブ3に送信超音波の反射波を受信(受波)させ、反射波に対応する受信信号を超音波プローブ3から取得する。超音波受信部22は、図示しないアンプ回路、A/D(analog to digital)変換器、及び加算器等を備える。アンプ回路は、超音波プローブ3を介して取り込まれた受信信号をチャンネル毎に増幅する。A/D変換器は、増幅された受信信号に対して受信指向性を決定するのに必要な遅延時間を与える。加算器は、遅延時間を与えられた受信信号の加算処理を行なう。加算器による加算により、受信信号の受信指向性に応じた方向からの反射成分が強調され、受信指向性と送信指向性とにより超音波送受信の総合的なビームが形成される。
Bモード処理部23は、制御部28の制御に従って、超音波受信部22から受信信号を受け取り、対数増幅及び包絡線検波処理等を施し、信号強度が輝度の明るさで表現されるデータを生成する。このデータは、画像生成部24に送信され、反射波の強度を輝度にて表したBモード画像としてモニタ27に表示される。
画像生成部24は、制御部28の制御に従って、Bモード処理部23から受け取ったデータに基づいてBモード画像や、Bモード画像に基づく3次元画像(MPR(multi planar reconstruction)画像含む)を生成する。以下、画像生成部24がBモード画像を生成し、後述のプラーク評価部25が、Bモード画像に基づいてプラークを評価する場合について説明する。
プラーク評価部25は、制御部28の制御に従って、画像生成部24によって生成されたBモード画像上のプラークを含む領域として選択されたプラーク領域の測定音速値から脂質コア(lipid pool)の有無を判断する。そして、プラーク評価部25は、プラーク領域に前記脂質コアが有ると判断される場合、制御部28の制御に従って、プラーク領域における、脂質コアの割合(度合い)から不安定プラーク存在の可能性を判定する。
図2は、本実施形態の超音波診断装置1に具備するプラーク評価部25の構成を示す図である。
図2に示すように、プラーク評価部25は、音速値測定部251、脂質コア判断部252、及び不安定プラーク判定部253を備える。
音速値測定部251は、Bモード画像上に設定されたプラーク領域の音速値を測定する。具体的には、音速値測定部251は、次の要領でプラーク領域の音速値を測定する。
まず、音速値測定部251は、複数の仮定音速値v,v+n,…,V(例えば、1400,1420,1440,…,1600[m/s])を設定する。最大の仮定音速値Vは、機能の精度及び応答性を考慮して決定される。そして、音速値測定部251は、初期値としての仮定音速値v[m/s]を用いて被検体Sの走査断面の各受信ビームで受信遅延時間を計算する。そして、計算された受信遅延時間を用いて各受信ビームに対して遅延加算が実行されると、音速値測定部251は、画像生成部24を介して1(又は複数)フレーム)のBモード画像を生成させ、表示させる。
音速値測定部251は、操作者が入力部30を介して、画像生成部24によって生成されたBモード画像上でプラークを含む範囲を指定すると、その範囲をプラーク領域(ROI:region of interest)として設定する。そして、音速値測定部251は、設定されたプラーク領域を複数の小領域に区分し、各領域でコントラスト値を評価する。ここでコントラスト値の評価法には拘泥されない。例えば、輝度値の分散値、領域内の輝度値の最大値と最小値の差や勾配値等を使って計算される。そして、計算された各小領域のコントラスト値が保存される。
図3は、プラーク領域と、プラーク領域内の複数の小領域とを示す図である。
図3に示すように、Bモード画像上に設定された、プラークpを含むプラーク領域Pが、複数の小領域Lに区分される。なお、複数の小領域Lの区分数がより多い(複数の小領域Lの大きさがより小さい)方がプラーク評価の精度の点から好適である。
図2に示す音速値測定部251の説明に戻って、音速値測定部251は、仮定音速値v+n[m/s]を用いて上述の工程に従ってBモード画像を生成させ、そのBモード画像上であって、初期値の仮定音速値v[m/s]の際に設定されたプラーク領域内の各小領域のコントラスト値を保存する。最後に、音速値測定部251は、仮定音速値N[m/s]を用いて上述の工程に従ってBモード画像を生成させ、そのBモード画像上であって、初期値の仮定音速値v[m/s]の際に設定されたプラーク領域内の各小領域のコントラスト値を保存する。
そして、音速値測定部251は、各小領域で複数の仮定音速値に対応する複数のコントラスト値を比較して、最大のコントラスト値に対応する仮定音速値を、当該小領域の音速値と判定する。
脂質コア判断部252は、音速値測定部251によって測定された複数の小領域に対応する複数の音速値を参照し、複数の音速値の中に脂肪音速値と同一とみなせる音速値(脂肪音速値を含む脂肪音速値幅)が存在するか否かを判断する。そして、脂質コア判断部252は、脂肪音速値と同一とみなせる音速値が存在すると判断する場合、音速値測定部251によって設定されたプラーク領域内に脂質コア有りと判断する一方、脂肪音速値と同一とみなせる音速値が存在しないと判断する場合、音速値設定部251によって設定されたプラーク領域内に脂質コアなしと判断する。
また、脂質コア判断部252は、音速値測定部251によって測定された複数の小領域に対応する複数の音速値を参照し、複数の音速値の中に脂肪音速値と同一とみなせる音速値に対応する小領域を脂質コア領域と判断する。
図4は、プラーク領域と、プラーク領域内の複数の小領域と、脂質コア領域とを示す図である。
図4に示すように、Bモード画像上に設定された、プラークpを含むプラーク領域Pが、複数の小領域Lに区分される。また、複数の小領域Lのうち、脂肪音速値と同一とみなせる音速値に対応する6個の小領域が脂質コア領域と判断される。
図2の説明に戻って、不安定プラーク判定部253は、脂質コア判断部252によってプラーク領域内に脂質コア領域が存在すると判断される場合に、プラーク領域内の小領域全体における脂質コア領域の割合から不安定プラーク存在の可能性を判定する。
図5は、不安定プラーク存在の可能性を判定するためのテーブルの一例を示す図である。
図5は、小領域全体における脂質コア領域の割合から不安定プラーク存在の可能性を判定するためのテーブルを示す。図5に示すように、小領域全体に占める脂質コア領域の割合が大きいほど不安定プラーク存在の可能性が高い。一方で、小領域全体に占める脂質コア領域の割合が小さいほど不安定プラーク存在の可能性が低い。なお、説明をわかり易くするために図5のテーブルでは不安定プラーク存在の可能性を低、中、高の3パターンのみに区分しているが、不安定プラーク存在の可能性はさらに細分化されることが望ましい。
図1の説明に戻って、画像合成部26は、制御部28の制御に従って、プラーク評価部25によって得られた評価結果を示す表示画像を生成する。画像合成部26は、脂質コア判断部252によって判断された脂質コア領域を認識可能な形態(カラー等)でマッピングしたマップを生成し、それを、画像生成部24によって生成されたBモード画像の該当部分に重畳した重畳画像を含む表示画像(図6に図示)を生成する。図6に図示する脂質コア領域の表示形態を半透明とし、背後のBモードが透けて見えるようにすることが望ましい。さらに、画像合成部26は、図6に図示する表示画像に、脂質コア判断部252によって判断された脂質コアの有無を示す文字情報を重畳した表示画像(図7に図示)を生成してもよい。
また、画像合成部26は、音速値設定部251によって設定されたプラーク領域を、不安定プラーク判定部253によって判定された不安定プラーク存在の可能性に従って認識可能な形態でマッピングしたマップを生成し、それを、画像生成部24によって生成されたBモード画像の該当部分に重畳した重畳画像を含む表示画像(図8に図示)を生成する。さらに、画像合成部26は、図8に図示する表示画像に、脂質コア判断部252によって判断された脂質コアの有無を示す文字情報を重畳した表示画像(図9に図示)や、不安定プラーク判定部253によって判定された不安定プラーク存在の可能性を示す文字情報を重畳した表示画像(図10に図示)を生成する。
また、表示画像にはそれぞれ「切替スイッチ」が設けられてもよい。切替スイッチを用いると、脂質コア領域のマップ(図6及び図7)の表示中に不安定プラーク存在の可能性のマップ(図8乃至図10)の表示に切り替えることができ、不安定プラーク存在の可能性のマップ(図8乃至図10)の表示中に脂質コア領域のマップ(図6及び図7)の表示に切り替えることができる。
また、画像合成部26によって生成される表示画像は、上述以外のパラメータの文字情報及び目盛等と共に合成し、ビデオ信号としてモニタ27に出力する。
図6乃至図10は、表示画像の第1例乃至第5例をそれぞれ示す図である。
図6は、脂質コア領域Cを認識可能な形態(カラー等)でマッピングしたマップを、Bモード画像の該当部分に重畳した重畳画像を含む表示画像を示す。ここで、表示画像には切替スイッチSWが設けられてもよい。切替スイッチSWを用いると、図6に示す脂質コア領域Cのマップの表示中にプラーク領域Pのマップ(図8乃至図10に図示)の表示に切り替えることができる。
図7は、脂質コア領域Cを認識可能な形態(カラー等)でマッピングしたマップを、Bモード画像の該当部分に重畳した重畳画像と、脂質コアの有無を示す文字情報W1とを含む表示画像を示す。ここで、表示画像には切替スイッチSWが設けられてもよい。切替スイッチSWを用いると、図7に示す脂質コア領域Cのマップの表示中にプラーク領域Pのマップ(図8乃至図10に図示)の表示に切り替えることができる。
図8は、プラーク領域Pを不安定プラーク存在の可能性に従って認識可能な形態(カラー等)でマッピングしたマップを、Bモード画像の該当部分に重畳した重畳画像を含む表示画像を示す。プラーク領域Pは、不安定プラーク存在の可能性の高低に従って色彩を対応付けたカラーバーBに基づいて、プラーク領域Pの不安定プラーク存在の可能性に対応する色彩でマッピングされる。ここで、表示画像には切替スイッチSWが設けられてもよい。切替スイッチSWを用いると、図8に示すプラーク領域Pのマップの表示中に脂質コア領域Cのマップ(図6及び図7に図示)の表示に切り替えることができる。
図9は、プラーク領域Pを不安定プラーク存在の可能性に従って認識可能な形態(カラー等)でマッピングしたマップを、Bモード画像の該当部分に重畳した重畳画像と、脂質コアの有無を示す文字情報W1とを含む表示画像を示す。プラーク領域Pは、不安定プラーク存在の可能性の高低に従って色彩を対応付けたカラーバーBに基づいて、プラーク領域Pの不安定プラーク存在の可能性に対応する色彩でマッピングされる。ここで、表示画像には切替スイッチSWが設けられてもよい。切替スイッチSWを用いると、図9に示すプラーク領域Pのマップの表示中に脂質コア領域Cのマップ(図6及び図7に図示)の表示に切り替えることができる。
図10は、プラーク領域Pを不安定プラーク存在の可能性に従って認識可能な形態(カラー等)でマッピングしたマップを、Bモード画像の該当部分に重畳した重畳画像と、不安定プラーク存在の可能性を示す文字情報W2とを含む表示画像を示す。プラーク領域Pは、不安定プラーク存在の可能性の高低に従って色彩を対応付けたカラーバーBに基づいて、プラーク領域Pの不安定プラーク存在の可能性に対応する色彩でマッピングされる。ここで、表示画像には切替スイッチSWが設けられてもよい。切替スイッチSWを用いると、図10に示すプラーク領域Pのマップの表示中に脂質コア領域Cのマップ(図6及び図7に図示)の表示に切り替えることができる。
図1の説明に戻って、モニタ27は、制御部28の制御に従って、画像合成部26からのビデオ信号に基づいて、表示画像を所定の形態で表示する。
制御部28は、情報処理装置(計算機)としての機能を持ち、超音波診断装置1全体の動作を制御する。
インターフェース部29は、入力部31、ネットワーク、新たな外部記憶装置(図示せず)に関するインターフェースである。超音波診断装置1によって得られたBモード画像等のデータや解析結果等は、インターフェース部29によって、ネットワークを介して他の装置に転送可能である。
入力部30は、操作者からの各種指示、条件、関心領域(ROI)の設定指示、種々の画質条件設定指示等を超音波診断装置1に取り込むための各種スイッチ、ボタン、トラックボール、マウス、及びキーボード等を有する。例えば、操作者が入力部30の終了ボタンやFreezeボタンを操作すると、超音波の送受信は終了し、超音波診断装置1は一時停止状態となる。また、入力部30は、プラーク評価を開始指示するためのスイッチ等を有する。
記憶部31は、磁気ディスク(ハードディスク等)、光ディスク(CD−ROM,DVD等)、半導体メモリ等の記録媒体、及びこれらの媒体に記録された情報を読み出す装置である。送信条件、所定のスキャンシーケンス、画像生成、表示処理を実行するための制御プログラム、診断情報(患者ID、医師の所見等)、診断プロトコル、ボディマーク生成プログラム、各種信号データや画像データ、その他のデータ群が保管されている。記憶部31内のデータは、インターフェース部29を経由して外部周辺装置へ転送することも可能である。
なお、プラーク評価部25は、ソフトウェアとして動作するものであってもよい。その場合、記憶部31は、プラーク評価部25の動作を行なうためのプログラムを記憶し、制御部28が記憶部31のプログラムを読み出して実行することで、制御部28は、プラーク評価部25の動作を行なう。
以上のように、2次元のBモード画像に基づくプラーク評価について説明したが、本実施形態の超音波診断装置1は、3次元画像(MPR画像含む)に対しても適用可能である。その場合、音速値測定部251は、3次元プラーク領域内に複数の3次元小領域を設定して複数の3次元小領域に対応する複数の音速値を測定することで、プラーク評価部25は、3次元画像に基づくプラーク評価を行なう。ここで、音速値測定部251は、3次元プラーク領域を設定する際、例えば、Bモード画像やMPR画像上で入力部30を介して指定された点を中心とする3次元領域(立方体又は直方体)や、Bモード画像やMPR画像上で入力部30を介して指定された矩形の中心を中心とする3次元領域(立方体又は直方体)として設定する。
図11は、本実施形態の超音波診断装置1の動作を示すフローチャートを示す図である。
本実施形態の超音波診断装置1の動作について、図1及び図11を用いて説明する。
超音波診断装置1の入力部30を介してプラーク評価の開始が指示されると(ステップST1)、超音波診断装置1は、初期値の仮定音速値v[m/s]を用いて1(又は複数)フレームのBモード画像を生成させ(ステップST2)、そのBモード画像上に、入力部30を介した操作者の入力に従ってプラーク領域を設定する(ステップST3)。そして、超音波診断装置1は、ステップST3によって設定されたプラーク領域内の複数の小領域に対応する複数のコントラスト値を保存する(ステップST4)。
超音波診断装置1は、仮定音速値v+n[m/s]を用いて1(又は複数)フレームのBモード画像を生成させ(ステップST5)、そのBモード画像上に、ステップST3によって設定されたプラーク領域内の複数の小領域に対応する複数のコントラスト値を保存する(ステップST6)。
ここで、超音波診断装置1は、仮定音速値v+n[m/s]が、最大の仮定音速値V[m/s]であるか否かを判断する(ステップST7)。ステップST7にてYES、すなわち、仮定音速値v+n[m/s]が、最大の仮定音速値V[m/s]であると判断される場合、超音波診断装置1は、各小領域で複数の仮定音速値に対応する複数のコントラスト値を比較して、最大のコントラスト値に対応する仮定音速値を、当該小領域の音速値と判定する(ステップST8)。すなわち、ステップST8において、超音波診断装置1は、プラーク領域内の複数の小領域の各小領域について、1の音速値を測定する。一方、ステップST7にてNO、すなわち、仮定音速値v+n[m/s]が、最大の仮定音速値V[m/s]でないと判断される場合、超音波診断装置1は、次の仮定音速値を用いて、Bモード画像を生成する(ステップST5)。
超音波診断装置1は、ステップST8によって測定された複数の小領域に対応する複数の音速値を参照し、複数の音速値の中に脂肪音速値と同一とみなせる音速値(脂肪音速値を含む脂肪音速値幅)が存在するか否かを判断する(ステップST9)。ステップST9の判断にてYES、すなわち、複数の音速値の中に脂肪音速値と同一とみなせる音速値が存在すると判断される場合、超音波診断装置1は、ステップST3によって設定されたプラーク領域内に脂質コア有りと判断する(ステップST10)。一方で、ステップST9の判断にてNO、すなわち、複数の音速値の中に脂肪音速値と同一とみなせる音速値が存在しないと判断される場合、超音波診断装置1は、ステップST3によって設定されたプラーク領域内に脂質コアなしと判断する(ステップST11)。
ステップST10によってプラーク領域内に脂質コア有りと判断すると、超音波診断装置1は、脂肪音速値と同一とみなせる音速値に対応する小領域を脂質コア領域(図4に図示)と判断し、プラーク領域内の小領域全体における脂質コア領域の割合から不安定プラーク存在の可能性を判定する(ステップST12)。
超音波診断装置1は、ステップST10,ST11,ST12による結果を示す表示画像(図6乃至図10)を生成して、モニタ27に表示させる(ステップST13)。
本実施形態の超音波診断装置1によると、2次元又は3次元の超音波画像の輝度によるプラーク評価を排除し、音速値によるプラーク評価を行なうので、プラークの定量評価を向上させることができる。
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の省略、置き換え、変更を行なうことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1 超音波診断装置
2 装置本体
3 超音波プローブ
25 プラーク評価部
28 制御部
251 音速値測定部
252 脂質コア判断部
253 不安定プラーク判定部

Claims (8)

  1. 超音波プローブから超音波を送信させる送信手段と、
    前記超音波プローブに前記送信超音波の反射波を受信させ、前記反射波に対応する受信信号を前記超音波プローブから取得する受信手段と、
    前記受信信号に基づいて、超音波画像を生成する画像生成手段と、
    前記超音波画像上のプラークを含む領域として選択されたプラーク領域の測定音速値から脂質コアの有無を判断する判断手段と、
    を有する超音波診断装置。
  2. 前記判断手段によって前記プラーク領域に前記脂質コアが有ると判断される場合、前記プラーク領域における、前記脂質コアの割合から不安定プラーク存在の可能性を判定する不安定プラーク判定手段をさらに有する請求項1に記載の超音波診断装置。
  3. 前記プラーク領域を複数の小領域に区分し、前記複数の小領域の各小領域で音速値を測定する音速値測定手段をさらに有し、
    前記判断手段は、前記各小領域で前記音速値が脂質コアの音速値と同等とみなせるか否かを判断し、前記複数の小領域の中に前記音速値が前記脂質コアの音速値と同等とみなせる小領域が存在するか否かで前記脂質コアの有無を判断する請求項1又は2に記載の超音波診断装置。
  4. 前記判断手段によって前記複数の小領域の中に前記音速値が前記脂質コアの音速値と同等とみなせる小領域が存在すると判断される場合、前記複数の小領域における、前記音速値が前記脂質コアの音速値と同等とみなせる小領域の割合から不安定プラーク存在の可能性を判定する不安定プラーク判定手段をさらに有する請求項3に記載の超音波診断装置。
  5. 前記複数の小領域の中で前記音速値が前記脂質コアの音速値と同等とみなせる小領域を脂質コア領域とし、前記脂質コア領域をマッピングして前記超音波画像の該当部分に重畳した合成画像を生成して表示部に表示させる合成画像生成手段をさらに有する請求項3又は4に記載の超音波診断装置。
  6. 前記複数の小領域の中で前記音速値が前記脂質コアの音速値と同等とみなせる小領域を脂質コア領域とし、前記脂質コア領域を、前記不安定プラーク存在の可能性に従ってマッピングして前記超音波画像の該当部分に重畳した合成画像を生成して表示部に表示させる合成画像生成手段をさらに有する請求項4に記載の超音波診断装置。
  7. 前記合成画像生成手段は、前記合成画像に、前記脂質コア領域の有無を示す文字情報をさらに合成する請求項5又は6に記載の超音波診断装置。
  8. 前記合成画像生成手段は、前記合成画像に、前記不安定プラーク存在の可能性を示す文字情報をさらに合成する請求項6に記載の超音波診断装置。
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