JP2004254618A - 農作業機 - Google Patents

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JP2004254618A JP2003050009A JP2003050009A JP2004254618A JP 2004254618 A JP2004254618 A JP 2004254618A JP 2003050009 A JP2003050009 A JP 2003050009A JP 2003050009 A JP2003050009 A JP 2003050009A JP 2004254618 A JP2004254618 A JP 2004254618A
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Atsushi Nakazawa
厚 中沢
Shigeki Yoshimura
茂樹 吉村
Yoichi Uesugi
洋一 上杉
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Abstract

【課題】後退作業時の前後バランスを良好にできる農作業機を提供する。
【解決手段】トラクタに連結して使用する農作業機1は、3つの前進作業位置および1つの後退作業位置に移動可能な土作業手段を備える。土作業手段は、畦形成作業をするもので、盛土体101および畦形成体102を有する。土作業手段は、後退作業時には後退作業位置において平面視で入力軸27の側方に位置する。
【選択図】 図5

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、走行車に連結されて使用される農作業機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の農作業機(畦塗り機等)は、走行車の前進走行により土作業可能な複数の前進作業位置および走行車の後退走行により土作業可能な後退作業位置に移動可能な土作業手段と、走行車から動力を入力する略前後方向の入力軸とを備えている。この入力軸の後端部にはユニバーサルジョイントの前端部が連結され、このユニバーサルジョイントの後端部には土作業手段が連結されている。
【0003】
そして、ユニバーサルジョイントの折れ角度に限界があることから、土作業手段は後退作業時には後退作業位置に固定されて入力軸より後方に位置する(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−346405号公報(第2頁、図3)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の農作業機では、後退作業時に土作業手段が後退作業位置に固定されて入力軸より後方に位置するため、後退作業時における前後バランスが悪くなるおそれがある。
【0006】
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、後退作業時における前後バランスを良好にできる農作業機を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の農作業機は、走行車に連結されて使用される農作業機であって、前記走行車の前進走行により土作業可能な複数の前進作業位置および前記走行車の後退走行により土作業可能な後退作業位置に移動可能な土作業手段と、前記走行車から動力を入力する入力軸とを備え、前記土作業手段は、後退作業時には前記後退作業位置に固定されて平面視で前記入力軸の側方に位置するものである。
【0008】
そして、後退作業時に土作業手段が後退作業位置に固定されて平面視で入力軸の側方に位置するため、後退作業時における前後バランスが良好になる。
【0009】
請求項2記載の農作業機は、請求項1記載の農作業機において、入力軸の後端部にはベベルギア部を介して動力伝達軸の一端部が連結され、この動力伝達軸の他端部にはジョイントを介して土作業手段が連結されているものである。
【0010】
そして、入力軸の後端部にはベベルギア部を介して動力伝達軸の一端部が連結され、この動力伝達軸の他端部にはジョイントを介して土作業手段が連結されているため、後退作業時における前後バランスがより一層良好になる。
【0011】
請求項3記載の農作業機は、請求項2記載の農作業機において、動力伝達軸は、後退作業時には平面視で入力軸と略直交した状態となるものである。
【0012】
そして、動力伝達軸は後退作業時には平面視で入力軸と略直交した状態となるため、土作業手段を走行車に確実に近付けることが可能となる。
【0013】
請求項4記載の農作業機は、請求項3記載の農作業機において、動力伝達軸は、走行車に連結される固定機枠と土作業手段を支持する可動機枠との間に配設された連結アーム体と平面視で略一致するものである。
【0014】
そして、固定機枠と可動機枠との間に配設された連結アーム体と平面視で略一致する動力伝達軸にて入力軸からの動力が適切に伝達される。
【0015】
請求項5記載の農作業機は、請求項2ないし4のいずれかに記載の農作業機において、ベベルギア部は、入力軸の後端部に固着された第1ベベルギアと、上下方向の中間縦軸と、この中間縦軸の上端部に固着され前記第1ベベルギアと噛合された第2ベベルギアと、前記中間縦軸の下端部に固着された第3ベベルギアと、動力伝達軸の一端部に固着され前記第3ベベルギアと噛合された第4ベベルギアとを有するものである。
【0016】
そして、第1ベベルギア、第2ベベルギア、第3ベベルギア、第4ベベルギアおよび中間縦軸を有するベベルギア部によって土作業手段を走行車に適切に近付けることが可能となる。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明の農作業機の第1の実施の形態の構成を図面を参照して説明する。
【0018】
図1ないし図5において、1は農作業機で、この農作業機1は、図示しない走行車であるトラクタの後部に連結されて使用される畦形成装置である。
【0019】
そして、農作業機1は、トラクタの後部に3点リンク(作業機昇降支持装置)を介して連結される固定機枠3と、固定機枠3に連結手段である1本の連結アーム体4を介して設けられた可動機枠5とを備えている。この可動機枠5は、第1係合部である第1係合ピン6、第2係合部である第2係合ピン7および格納係合部である格納係合ピン8を有している。
【0020】
また、農作業機1は、トラクタより一側方に突出配置される位置であってトラクタの前進走行により土作業である畦形成作業可能な複数、例えば3つの前進作業位置(トラクタに対する側方への突出量の異なる3つの前進作業位置)、トラクタより他側方に突出配置される位置であってトラクタの後退走行により土作業である畦形成作業可能な1つの後退作業位置、および、トラクタの後方に配置される1つの非作業位置である格納非作業位置に移動可能な土作業手段10を備えている。この土作業手段10は、可動機枠5に設けられ、この可動機枠5と一体となって移動するようになっている。
【0021】
さらに、農作業機1は、前進作業時にロック状態となって第1係合ピン6と係脱可能に係合して土作業手段10を各前進作業位置に固定し、ロック解除状態となってその固定を解除する第1ロック手段である第1フック11と、後退作業時にロック状態となって第2係合ピン7と係脱可能に係合して土作業手段10を後退作業位置に固定し、ロック解除状態となってその固定を解除する第2ロック手段である第2フック12とを備えている。さらに、農作業機1は、格納非作業時(非作業時)にロック状態となって格納係合ピン8と係脱可能に係合して土作業手段10を格納非作業位置に固定し、ロック解除状態となってその固定を解除する格納ロック手段15を備えている。
【0022】
また、農作業機1は、土作業手段10を各位置(3つの前進作業位置、1つの後退作業位置および1つの格納非作業位置)に移動させるとともに、第1フック11および第2フック12をそれぞれ各状態(ロック状態およびロック解除状態)に切り換える1つの駆動手段である正逆可能な駆動モータ9を備えている。
【0023】
なお、格納ロック手段15は、例えば土作業手段10の移動(可動機枠5の移動)により格納係合ピン8が孔部14内に入り込んでこの孔部14の周縁と係合したロック状態となり、モータ等の駆動源16から動力を受けてロック解除状態になるものである。
【0024】
また、前進作業位置は、第1係合ピン6の位置変更により、すなわち例えばトラクタの大きさ(幅寸法)等に応じて可動機枠5の着脱体被取付部17に対する着脱体18の取付位置を変えることにより、調節可能となっている(図1および図2参照)。図1は、トラクタに対する側方への突出量が最大となる最大前進作業位置に土作業手段10が畦形成作業可能な所定の姿勢で固定された状態を示し、図2は、トラクタに対する側方への突出量が最小となる最小前進作業位置に土作業手段10が畦形成作業可能な所定の姿勢で固定された状態を示している。図示しないが、突出量が両者の中間となる中間前進作業位置に土作業手段10を固定することもできる。
【0025】
さらに、農作業機1の後退作業時には、土作業手段10は、後退作業位置に固定されて平面視で入力軸27の側方に位置する(図5参照)。すなわち、土作業手段10が後退作業位置に移動して第2フック12にて固定された状態時には、土作業手段10の少なくとも一部(前端部)は入力軸27より前方に位置する。
【0026】
ここで、固定機枠3は、図1および図6に示すように、トラクタの後部に3点リンクを介して連結される連結部21を有している。この連結部21は、トップピン22を有するトップマスト23およびロワピン24を有するロワアーム25等にて構成されている。
【0027】
また、固定機枠3の軸支持部26には、トラクタのPTO軸に伝動手段を介して連結されてトラクタからの動力を入力する略前後方向の入力軸27が回転可能に設けられている。
【0028】
そして、図6に示されるように、入力軸27の後端部にはベベルギア部31を介して動力伝達軸(伝動シャフト)32の一端部が連結され、この動力伝達軸32の他端部にはジョイントであるダブルジョイント33を介して土作業手段10の動力入力部(図示せず)が連結されている。この動力入力部は伝動ケース34内に配設されている。
【0029】
ベベルギア部31は、入力軸27の後端部に固着された第1ベベルギア36を有し、この第1ベベルギア36には上下方向の中間縦軸37の上端部に固着された第2ベベルギア38が噛合されている。中間縦軸37の下端部に固着された第3ベベルギア39には、動力伝達軸32の一端部に固着された第4ベベルギア40が噛合されている。このように、入力軸27と動力伝達軸32との間に配設されたベベルギア部31は、第1ベベルギア36、第2ベベルギア38、中間縦軸37、第3ベベルギア39および第4ベベルギア40にて構成されている。
【0030】
なお、動力伝達軸32は、固定機枠3および可動機枠5間に配設された連結アーム体4と平面視で略一致している。この動力伝達軸32は、トラクタに連結される固定機枠3と土作業手段10を支持する可動機枠5との間に配設された長手状の連結アーム体4の下方でこの連結アーム体4と略平行に配置されている。そして、この動力伝達軸32は、農作業機1の後退作業時には動力伝達軸32は平面視でトラクタに連結された入力軸27と略直交した状態となる(図5参照)。ダブルジョイント33は、十字状のスパイダー41およびこのスパイダー41に連結された複数のヨーク42にて構成されている。
【0031】
さらに、固定機枠3のアーム連結部44には、連結アーム体4の一端部(前端部)が上下方向の第1縦軸線X1を中心として回動可能に連結されている。この連結アーム体4の他端部(後端部)には、土作業手段10を支持した可動機枠5が上下方向の第2縦軸線X2を中心として回動可能に連結されている。
【0032】
第1縦軸線X1は、ベベルギア部31の中間縦軸37の軸心と一致しており、第2縦軸線X2は、ダブルジョイント33のスパイダー41の縦軸部41aの軸心と一致している。なお、連結アーム体4の下面側には、動力伝達軸32を覆った軸カバー体45が固着されている(図6参照)。
【0033】
また、図1に示すように、長手状の連結アーム体4は、リンク連結部46を有し、このリンク連結部46には略円弧板状の第1リンク47の一端部が上下方向の支軸48を介して回動可能に連結されている。この第1リンク47の他端部には、上下方向の案内軸49を介して略直線状の第2リンク50の一端部が回動可能に連結されている。この第2リンク50の他端部は、可動機枠5の第2係合ピン7と同軸上のリンク連結軸部(図示せず)に回動可能に連結されている。
【0034】
そして、固定機枠3の案内板部51には、案内軸49を案内する案内孔部52が平面視略C字状に形成され、この案内孔部52内に案内軸49が挿通されている。また、連結アーム体4は、固定機枠3側の一端部に上下方向のアーム案内ピン53を有している。
【0035】
なお、第1リンク47、支軸48、案内軸49、第2リンク50および固定機枠3の案内板部51等にてリンク式連動機構43が構成されている。このリンク式連動機構43は、土作業手段10を最大前進作業位置および格納非作業位置間で前後方向に対して平行移動させるとともに、土作業手段10を格納非作業位置および後退作業位置間で前後反転(第1縦軸線X1を中心として100度回動させるとともに第2縦軸線X2を中心として80度回動)させるものである。
【0036】
また、固定機枠3の左右方向に細長いフレーム部54の一端部である右端部からは突出部55が後方に向って突出しており、この突出部55の後端側には案内突部56が形成されているとともに係合凹部57が形成されている。そして、固定機枠3の突出部55には、第1フック11が上下方向の支軸58を介して回動可能に設けられている。また、固定機枠3のフレーム部54の他端部である左端部には、第2フック12が上下方向の支軸59を介して回動可能に設けられているとともに係合凹部64が形成されている。さらに、固定機枠3には1ユニット状の格納ロック手段15が設けられている。
【0037】
さらに、固定機枠3には駆動モータ9が設けられ、この駆動モータ9の出力軸60には第1ギア61が出力軸60と同軸状に固着されている。この第1ギア61には、固定機枠3のギア支持部63に第1縦軸線X1を中心として回動可能に設けられた略円板状の第2ギア62が噛合されている。この第2ギア62は、その上面から突出した案内ピンであるギア案内ピン65を有している。この第2ギア62には、連結アーム体4のアーム案内ピン53を案内する略円弧状の案内孔部66が形成され、この案内孔部66内にアーム案内ピン53が挿通されている。
【0038】
また、図7に示すように、固定機枠3の支軸部70には、略板状の案内体71が回動可能に設けられている。この案内体71には、第2ギア62のギア案内ピン65を案内する長孔部72が形成され、この長孔部72内にギア案内ピン65が挿通されている。
【0039】
この長孔部72は、第1円弧状孔部73と、この第1円弧状孔部73に連続した第1直線状孔部74と、この第1直線状孔部74にこの第1直線状孔部74と略直角に交わるように連続した第2円弧状孔部75と、この第2円弧状孔部75に連続した第2直線状孔部76とにて構成されている。
【0040】
また、案内体71には、第1ロッド連結部81が形成され、この第1ロッド連結部81には、第1ロッド83の一端部が回動可能に連結されている。この第1ロッド83の他端部は、第1フック11に回動可能に連結されている。さらに、案内体71には、第2ロッド連結部84が形成され、この第2ロッド連結部84には、第2ロッド85の一端部が回動可能に連結されている。この第2ロッド85の他端部は、第2フック12に回動可能に連結されている。そして、駆動モータ9に連動する案内体71の回動に基づいて第1フック11および第2フック12が各状態に自動的に切り換えられるようになっている。
【0041】
可動機枠5は、土作業手段10を支持するもので、図1等に示すように、複数、例えば5つの取付孔91が形成された着脱体被取付部17を有している。この着脱体被取付部17には、第1係合ピン6および案内突部56にて案内される回転自在のガイドピン6aを有する着脱体18が選択した2つの取付孔91を利用して取付具(ボルトおよびナット)92にて着脱可能に取り付けられている。また、可動機枠5は、連結アーム体4が連結されたアーム連結部96の近傍に先細状の突出部93を有し、この突出部93の先端に第2係合ピン7が設けられている。さらに、可動機枠5は、長手状のアーム部94を有し、このアーム部94の先端に格納係合ピン8が設けられている。
【0042】
土作業手段10は、トラクタの走行により移動しながら畦塗り用の土を耕耘して盛り上げる回転可能な盛土体(ロータリ)101と、この盛土体101の移動方向後方位置でこの盛土体101にて盛り上げられた土を締め固めて畦面を形成する回転可能な略鼓形状の畦形成体(ディスク)102とを有している。
【0043】
なお、農作業機1の前進作業時および格納非作業時には、盛土体101が前側(トラクタ側)に位置しかつ畦形成体102が後側(反トラクタ側)に位置する。農作業機1の後退作業時(リターン作業時)には、180度回動することで前後が入れ替わり、畦形成体102が前側に位置しかつ盛土体101が後側に位置する。このとき、畦形成体102が平面視で入力軸27の左側方に位置し、畦形成体102の前端部が入力軸27より前方に位置する。
【0044】
そして、盛土体101は、動力入力部から動力を受けて回転する回転軸104を有し、この回転軸104には複数の爪105が放射状に取り付けられている。この盛土体101の作業部の上方および側方はカバー部材106にて覆われている。
【0045】
また、畦形成体102は、動力入力部から動力を受けて回転する回転軸(図示せず)を有し、この回転軸には傾斜状の畦側面を形成する側面形成部材108および水平状の畦上面を形成する上面形成部材109が取り付けられている。
【0046】
なお、盛土体101の回転中心軸線Aは、少なくとも前進作業時および後退作業時には平面視で前後方向に一致する。また、畦形成体102の回転中心軸線Bは、少なくとも前進作業時および後退作業時には、畦形成体102の外端ほど移動方向後方に位置するように平面視で左右方向の基準線Cに対して所定角度(例えば5度)をもって交差する。
【0047】
また、土作業手段10が図1の最大前進作業位置に固定された状態では、平面視でトラクタの幅方向の中心線Dと第1縦軸線X1および第2縦軸線X2間を結んだ連結アーム体4の中心線Eとがなす角度αは、例えば約40〜45度である。
【0048】
次に、上記第1の実施の形態の農作業機1の動作等を説明する。
【0049】
トラクタの前進走行により畦形成作業を行う前進作業時(通常作業時)には、予め着脱体18を所望の取付位置に取り付けておき、盛土体101および畦形成体102を有する土作業手段10をトラクタに応じた一の前進作業位置、例えば最大前進作業位置にロック状態の第1フック11にて固定し、土作業手段10をトラクタより右側方に所定量突出させた状態に設定する(図1参照)。
【0050】
この状態で、トラクタを前進走行させると、トラクタとともに農作業機1が移動し、トラクタからの動力が入力軸27、ベベルギア部31、動力伝達軸32、ダブルジョイント33および伝動ケース34内の動力入力部を経て盛土体101および畦形成体102に伝達され、これら盛土体101および畦形成体102が所定方向に回転する。
【0051】
そして、畦塗り用の土が盛土体101にて耕耘されて元畦に盛り上げられ、この元畦に盛り上げられた土が畦形成体102にて締め固められて畦側面および畦上面が形成され、こうして強固な新畦が形成される。
【0052】
農作業機1を倉庫等の保管場所まで運搬する運搬時等の格納非作業時(非作業時)には、盛土体101および畦形成体102を有する土作業手段10を格納非作業位置にロック状態の格納ロック手段15にて固定し、土作業手段10をトラクタの後方に配置してトラクタより側方に突出させない状態に設定する(図3参照)。
【0053】
ここで、例えば図7に示すように土作業手段10が最大前進作業位置に第1フック11にて固定された状態時(前進作業状態時)に、トラクタに乗った作業者が3点リンクにて農作業機1全体を持ち上げた状態で図示しない操作部の格納用スイッチをオン操作すると、まず、図8に示すように、駆動モータ9が作動し、駆動モータ9の出力軸60が一方向に回転し、第1ギア61および第2ギア62がそれぞれ回動し、ギア案内ピン65が案内体71の長孔部72の第1円弧状孔部73に沿って移動する。
【0054】
このとき、案内体71は停止したままで、第1フック11は第1係合ピン6を係合したロック状態のままである。長孔部72が第1円弧状孔部73を有するのは、他の前進作業位置(最小前進作業位置および中間前進作業位置)に対応できるようにするためである。また、このとき、連結アーム体4は、回動せず停止したままである。連結アーム体4のアーム案内ピン53は、第2ギア62の案内孔部66の一端位置から移動することとなるが、案内孔部66の中間位置までしか移動しないからである。
【0055】
次いで、駆動モータ9の作動により第2ギア62がさらに回動すると、図9に示すように、ギア案内ピン65が案内体71の長孔部72の第1直線状孔部74に沿って移動する。
【0056】
このとき、案内体71がギア案内ピン65にて押される形で支軸部70を中心として回動し、第1ロッド83および第2ロッド85が作動し、第1フック11および第2フック12がそれぞれ支軸58,59を中心として回動して係合凹部57,64との対向位置から離反してロック解除状態となる。また、このとき、連結アーム体4のアーム案内ピン53は案内孔部66の中間位置から他端位置まで移動することとなるが、アーム案内ピン53は案内孔部66の端縁にて押されず、連結アーム体4および可動機枠5は停止したままである。
【0057】
次いで、駆動モータ9の作動により第2ギア62がさらに回動すると、図10に示すように、ギア案内ピン65が案内体71の長孔部72の第2円弧状孔部75に沿って移動する。
【0058】
このとき、案内体71は停止したままで第1フック11はロック解除状態のままであるが、連結アーム体4のアーム案内ピン53が案内孔部66の端縁にて押され、連結アーム体4が第1縦軸線X1を中心として回動し、土作業手段10が最大前進作業位置から格納非作業位置に移動して格納ロック手段15にて自動的に固定される。
【0059】
この土作業手段10の移動の際には、案内軸49が固定機枠3の案内板部51の案内孔部52にて案内されて第1リンク47および第2リンク50が作動し、可動機枠5が第2縦軸線X2を中心として回動するため、土作業手段10は、盛土体101および畦形成体102が所定の前後関係を維持したまま、円弧を描くように前後方向に対して平行移動する。
【0060】
圃場の角部においてトラクタの後退走行により畦形成作業を行う後退作業時には、盛土体101および畦形成体102を有する土作業手段10を後退作業位置にロック状態の第2フック12にて固定し、土作業手段10をトラクタより左側方に所定量突出させた状態(既に形成された新畦をトラクタの後輪で潰さないように前進作業時より側方に大きく突出させた状態)に設定する(図5参照)。
【0061】
ここで、例えば図10に示すように土作業手段10が格納非作業位置に格納ロック手段15にて固定された状態時(格納非作業状態時)に、トラクタに乗った作業者が3点リンクにて農作業機1全体を持ち上げた状態で図示しない操作部の後退用スイッチをオン操作すると、駆動源16が作動して格納ロック手段15がロック解除状態に切り換えられた後に、図11に示すように、駆動モータ9が作動し、駆動モータ9の出力軸60が一方向に回転して第2ギア62が回動し、ギア案内ピン65が案内体71の長孔部72の第2円弧状孔部75を経て第2直線状孔部76に沿って移動する。
【0062】
ギア案内ピン65が第2直線状孔部76に沿って移動するときには、案内体71がギア案内ピン65にて押される形で支軸部70を中心として回動し、第1ロッド83および第2ロッド85が作動し、第1フック11および第2フック12がそれぞれ支軸58,59を中心として回動して係合凹部57,64との対向位置に位置してロック状態となる。こうして土作業手段10が後退作業位置に第2フック12にて自動的に固定される。
【0063】
なお、第2フック12がロック状態となる前に、連結アーム体4が第1縦軸線X1を中心として回動するとともに可動機枠5が第2縦軸線X2を中心として回動して土作業手段10が後退作業位置に移動し、第2係合ピン7が係合凹部64内に入り込んでこの係合凹部64と係合する。
【0064】
このように農作業機1を後退作業状態に設定した状態で、トラクタを後退走行させると、前進作業の場合と同様、畦塗り用の土が盛土体101にて耕耘されて元畦に盛り上げられ、この元畦に盛り上げられた土が畦形成体102にて締め固められて畦側面および畦上面が形成され、こうして圃場の角部において強固な新畦が形成される。
【0065】
なお、図12ないし図14に示すように、作業者が3点リンクにて農作業機1全体を持ち上げた状態で操作部の前進用スイッチをオン操作した場合、駆動モータ9の出力軸60の他方向への回転により、案内体71が一方向に回動して第1フック11および第2フック12が一旦ロック解除状態となる。その後、駆動モータ9の作動に基づいて土作業手段10が前進作業位置に移動して第1係合ピン6が係合凹部57内に入り込んでこの係合凹部57と係合してから、案内体71が他方向に回動して第1フック11および第2フック12がロック状態となる。こうして土作業手段10が前進作業位置に第1フック11にて自動的に固定される。第1係合ピン6の係合凹部57内への入り込みは、案内突部56によるガイドピン6aの案内によりスムーズに行われる。
【0066】
そして、上記第1の実施の形態の農作業機1によれば、土作業手段10を3つの前進作業位置、1つの後退作業位置および1つの格納非作業位置に移動させるとともに、第1フック11および第2フック12をそれぞれロック状態およびロック解除状態に自動的に切り換える1つの駆動モータ9を備えるものであるため、従来の農作業機に比べて構成の簡素化およびコスト削減を図ることができ、また、操作性の向上も図ることができる。
【0067】
また、可動機枠5に対する着脱体18の取付位置を変えることにより前進作業位置を簡単に調節することができる。
【0068】
さらに、後退作業時に土作業手段10が後退作業位置に固定されて平面視で入力軸27の側方に位置するため、土作業手段10をトラクタに確実に近付けることができ、後退作業時における前後バランスを良好にできる。
【0069】
次に、本発明の農作業機の第2の実施の形態について図15ないし図20を参照して説明する。
【0070】
図15ないし図20に示す農作業機1は、前記第1の実施の形態のリンク式連動機構43の代わりに、レバー付のチェーン式連動機構110を備えたものである。
【0071】
このチェーン式連動機構110は、駆動モータ9の出力軸60にこの出力軸60と同軸状に固着された第1歯車111を有している。第1歯車111には、上下方向の第1軸112の中間にこの第1軸112と同軸状に固着された第2歯車113が噛合されている。第2歯車113には、上下方向の第2軸114の中間にこの第2軸114と同軸状に固着された第3歯車115が噛合されている。
【0072】
第1軸112は、連結アーム体4に形成された軸取付部117に固着されている。第1軸112のスプライン軸部112aの外周側には、第1クラッチ118がスプライン嵌合されている。第1軸112の上端近傍の外周側には、孔部120付きの第1スプロケット121が第1軸112と同軸状に回転自在に嵌合されている。第1クラッチ118は、第1スプロケット121の孔部120に対して嵌脱する2本の軸状の嵌合部126を有しているとともに周方向の溝部127を有している。
【0073】
第2軸114は、固定機枠3に形成された軸取付部128に固着されている。第2軸114のアーム連結軸部114aの外周側には、連結アーム体4の一端部(前端部)が上下方向の第1縦軸線(第2軸)X1を中心として回動可能に連結され、この連結アーム体4の他端部(後端部)には土作業手段10を支持した可動機枠5が上下方向の第2縦軸線X2を中心として回動可能に連結されている。第2軸114のスプライン軸部114bの外周側には、第2クラッチ129がスプライン嵌合されている。第2軸114の上端近傍の外周側には、孔部130付きの第2スプロケット122が第2軸114と同軸状に回転自在に嵌合されている。第2クラッチ129は、第2スプロケット122の孔部130に対して嵌脱する2本の軸状の嵌合部131を有しているとともに周方向の溝部132を有している。
【0074】
また、連結アーム体4の一端近傍から上方に突出したレバー取付体134には、水平方向の支軸135を介して切換レバー136が第1位置(図18の位置)および第2位置(図20の位置)に回動可能に取り付けられている。
【0075】
切換レバー136は、互いに離間対向した長手状の対向板部137を有し、この対向板部137の両端部内面からはピン部138が内方に向って突出している。両対向板部137の一端部のピン部138は第1クラッチ118の溝部127と係合し、両対向板部137の他端部のピン部138は第2クラッチ129の溝部132と係合している。
【0076】
そして、切換レバー136が第1位置に設定されると、図18に示すように、第1クラッチ118が第1軸112の軸方向に沿って上昇し、第1クラッチ118の嵌合部126が第1スプロケット121の孔部120と嵌合し、同時に、第2クラッチ129が第2軸114の軸方向に沿って下降し、第2クラッチ129の嵌合部131が第2スプロケット122の孔部130から脱出する。
【0077】
また、切換レバー136が第2位置に設定されると、図20に示すように、第1クラッチ118が第1軸112の軸方向に沿って下降し、第1クラッチ118の嵌合部126が第1スプロケット121の孔部120から脱出し、同時に、第2クラッチ129が第2軸114の軸方向に沿って上昇し、第2クラッチ129の嵌合部131が第2スプロケット122の孔部130と嵌合する。
【0078】
さらに、可動機枠5のアーム連結部96からは、軸心が第2縦軸線X2と一致した上下方向の軸部141が上方に向って突出している。この軸部141の上端部には第3スプロケット123がこの軸部141と同軸状に固着されている。第1スプロケット121、第2スプロケット122および第3スプロケット123には無端状のチェーン125が巻き掛けられ、このチェーン125は、その外周側に位置する第4スプロケット124にも巻き掛けられている。
【0079】
なお、駆動モータ9が連結アーム体4に設けられている点で前記第1の実施の形態とは異なるが、この第2の実施の形態も、前記第1の実施の形態と同様、駆動モータ9に連動する案内体71の回動に基づいて第1フック11および第2フック12がロック状態およびロック解除状態に自動的に切り換えられるようになっている。また、この第2の実施の形態のその他の構成部材は前記第1の実施の形態のものと基本的に同一である。
【0080】
そして、例えば農作業機1を図16に示す格納非作業状態から図17に示す後退作業状態に切り換える場合、作業者は、図18に示すように切換レバー136を前傾させて第1位置に設定してから、図示しない操作部の後退用スイッチをオン操作する。
【0081】
作業者が後退用スイッチをオン操作すると、駆動モータ9が作動して第1歯車111および第2歯車113が回転し、この第2歯車113とともに第1クラッチ118および第1スプロケット121が回転する。第1スプロケット121が回転すると、チェーン125が回行し、可動機枠5が土作業手段10とともに格納非作業位置および後退作業位置間で第1縦軸線X1を中心として100度回動するとともに第2縦軸線X2を中心として80度回動して合計で180度回動する。
【0082】
また同時に、第2歯車113が第3歯車115の外周に沿って移動し、この第2歯車113とともに連結アーム体4が第1縦軸線X1を中心として回動し、土作業手段10が後退作業位置に移動する。なお、格納ロック手段15は駆動源16からの動力で自動的にロック解除状態に切り換えられ、第2フック12は駆動モータ9からの動力で自動的にロック状態に切り換えられる。
【0083】
例えば農作業機1を図16に示す格納非作業状態から図15に示す前進作業状態(例えば突出量大)に切り換える場合、作業者は、図20に示すように切換レバー136を後傾させて第2位置に設定してから、図示しない操作部の前進用スイッチをオン操作する。
【0084】
作業者が前進用スイッチをオン操作すると、駆動モータ9が作動して第1歯車111および第2歯車113が回転し、この第2歯車113とともに第1クラッチ118が回転するが、この第1クラッチ118から第1スプロケット121へは回転力が伝達されない。
【0085】
また、第2歯車113は第3歯車115の外周に沿って移動し、この第2歯車113とともに連結アーム体4が第1縦軸線X1を中心として回動し、土作業手段10が前進作業位置、例えば最大前進作業位置に移動する。
【0086】
このとき、連結アーム体4の第1縦軸線X1を中心とする回動に応じてチェーン125が回行し、可動機枠5が土作業手段10とともに格納非作業位置および最大前進作業位置間で前後方向に対して平行移動する。なお、格納ロック手段15は駆動源16からの動力で自動的にロック解除状態に切り換えられ、第1フック11は駆動モータ9からの動力で自動的にロック状態に切り換えられる。
【0087】
このような第2の実施の形態の農作業機1によれば、土作業手段10を3つの前進作業位置、1つの後退作業位置および1つの格納非作業位置に移動させるとともに、第1フック11および第2フック12をそれぞれロック状態およびロック解除状態に自動的に切り換える1つの駆動モータ9を備えるものであるため、従来の農作業機に比べて構成の簡素化およびコスト削減を図ることができ、また土作業手段10を入力軸27の側方に配置することで後退作業時における前後バランスを良好にできる等、前記第1の実施の形態と同様の作用効果を奏しうる。
【0088】
次に、本発明の農作業機の第3の実施の形態について図21ないし図24を参照して説明する。
【0089】
図21ないし図24に示す農作業機1は、前記第1の実施の形態のリンク式連動機構43の代わりに、3本リンク式連動機構150を備えたものである。
【0090】
この3本リンク式連動機構150は、連結アーム体4のリンク連結部46に一端部が上下方向の支軸151を介して回動可能に連結された略直線状の第1リンク152を有している。第1リンク152の他端部には、上下方向の中間支軸153を介して略直線状の第2リンク154の一端部が回動可能に連結されている。第2リンク154の他端部は、可動機枠5の第2係合ピン7と同軸上のリンク連結軸部(図示せず)に回動可能に連結されている。また、固定機枠3のリンク連結部155には、第3リンク156の一端部が上下方向の支軸157を介して回動可能に連結されている。第3リンク156の他端部は、中間支軸153を介して第1リンク152および第2リンク154に回動可能に連結されている。
【0091】
そして、この3本リンク式連動機構150により、土作業手段10は最大前進作業位置および最小前進作業位置ではトラクタの前進走行により畦形成作業可能な所定の姿勢となり、後退作業位置ではトラクタの後退走行により畦形成作業可能な所定の姿勢となる。なお、この第3の実施の形態のその他の構成部材は前記第1の実施の形態のものと基本的に同一である。
【0092】
このような第3の実施の形態の農作業機1によれば、3本リンク式連動機構150の構成を簡単にできるばかりでなく、土作業手段10を2つの前進作業位置、1つの後退作業位置および1つの格納非作業位置に移動させるとともに、第1フック11および第2フック12をそれぞれロック状態およびロック解除状態に自動的に切り換える1つの駆動モータ9を備えるものであるため、従来の農作業機に比べて構成の簡素化およびコスト削減を図ることができ、また土作業手段10を入力軸27の側方に配置することで後退作業時における前後バランスを良好にできる等、前記第1の実施の形態と同様の作用効果を奏しうる。
【0093】
なお、上記各実施の形態の農作業機1は、畦形成作業をする土作業手段10を備えた構成について説明したが、例えば土作業として溝掘作業をする土作業手段を備えた構成とすることもできる。
【0094】
また、格納ロック手段15は、駆動モータ9とは別のモータ等の駆動源16からの動力で自動的に切り換えられるものには限定されず、例えば駆動源16を備えず手動でロック状態およびロック解除状態に切換可能なものでもよく、また、駆動モータ9からの動力で自動的に切り換わるようにしてもよい。
【0095】
さらに、第1ロック手段(第1フック11)および第2ロック手段(第2フック12)は、駆動モータ9からの動力により自動的に切り換えられるものには限定されず、例えば手動でロック状態およびロック解除状態に切換可能なものとしてもよい。
【0096】
また、農作業機1の伝動部は、動力伝達軸32の一端部である前端部にベベルギア部31が設けられ、動力伝達軸32の他端部である後端部にダブルジョイント33が設けられたものには限定されず、例えば動力伝達軸32の前後両端部にベベルギア部がそれぞれ設けられたものでもよい。
【0097】
さらに、農作業機1は、取付具(ボルトおよびナット)92を用いて着脱体18の取付位置を変えること(第1係合部の位置変更)により、前進作業位置を調節可能なものには限定されず、例えばピン方式、ねじ方式、シリンダ方式等で前進作業位置を第1係合部(第1係合ピン6)の位置変更により手動調節可能なもの、油圧シリンダ等のアクチュエータで前進作業位置を第1係合部(第1係合ピン6)の位置変更により自動調節可能なもの等でもよく、また、その調節は有段階でも無段階でもよい。
【0098】
また、3本リンク式連動機構150のリンク152,154,156の少なくとも1つを長さ調節可能として土作業手段10がトラクタの前進走行により土作業可能な前進作業位置を3つ以上にすることができる。
【0099】
さらに、リンク式連動機構43は、土作業手段10を最大前進作業位置および最小作業位置間で前後方向に対して平行移動させるとともに、土作業手段10を最小作業位置および後退作業位置間で前後反転させるようなものでもよい。
【0100】
また、農作業機1は、動力を出力して土作業手段10を各位置(例えば3つの前進作業位置、1つの後退作業位置および1つの格納非作業位置)に移動させる1つの駆動手段(例えば駆動モータ9)を備えたものには限定されず、例えば土作業手段10をそれらの各位置に手動で移動させるための1つの手動用操作部を備えたものでもよい。この1つの手動用操作部は、図1の2点鎖線で示されるように、例えば可動機枠5に一体的に設けられ作業者にて把持される略コ字状の操作部材9aにて構成される。なお、農作業機1は、駆動モータ9の故障等を考慮すれば、1つの駆動手段(例えば駆動モータ9)および1つの手動用操作部(例えば操作部材9a)の両方を備えたものが好ましいが、いずれか一方のみを備えたものでもよい。
【0101】
さらに、トラクタの後退走行により土作業、例えば畦形成作業可能な後退作業位置は、1つでも、2つまたは3つ等の複数でもよい。
【0102】
また、動力伝達軸32の他端部に連結されたジョイントは、ダブルジョイント33には限定されず、例えば広角ジョイント等でもよい。
【0103】
さらに、動力伝達軸32は、連結アーム体4と平面視で略一致するものであれば、側面からみて連結アーム体4と略平行とならないようなもの等でもよい。
【0104】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、後退作業時に土作業手段が後退作業位置に固定されて平面視で入力軸の側方に位置するため、後退作業時における前後バランスを良好にできる。
【0105】
請求項2の発明によれば、入力軸の後端部にはベベルギア部を介して動力伝達軸の一端部が連結され、この動力伝達軸の他端部にはジョイントを介して土作業手段が連結されているため、後退作業時における前後バランスをより一層良好にできる。
【0106】
請求項3の発明によれば、動力伝達軸は後退作業時には平面視で入力軸と略直交した状態となるため、土作業手段を走行車に確実に近付けることができる。
【0107】
請求項4の発明によれば、固定機枠と可動機枠との間に配設された連結アーム体と平面視で略一致する動力伝達軸にて入力軸からの動力を適切に伝達できる。
【0108】
請求項5の発明によれば、第1ベベルギア、第2ベベルギア、第3ベベルギア、第4ベベルギアおよび中間縦軸を有するベベルギア部によって土作業手段を走行車に適切に近付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る農作業機の前進作業状態(突出量大)の平面図である。
【図2】同上農作業機の前進作業状態(突出量最小)の平面図である。
【図3】同上農作業機の格納非作業状態の平面図である。
【図4】同上農作業機の後退作業状態への切換途中の平面図である。
【図5】同上農作業機の後退作業状態の平面図である。
【図6】同上農作業機の伝動部の断面図である。
【図7】同上農作業機のロック部の動作説明図である。
【図8】図7に続く動作説明図である。
【図9】図8に続く動作説明図である。
【図10】図9に続く動作説明図である。
【図11】図10に続く動作説明図である。
【図12】図11に続く動作説明図である。
【図13】図12に続く動作説明図である。
【図14】図13に続く動作説明図である。
【図15】本発明の第2の実施の形態に係る農作業機の前進作業状態(突出量大)の平面図である。
【図16】同上農作業機の格納非作業状態の平面図である。
【図17】同上農作業機の後退作業状態の平面図である。
【図18】同上農作業機のチェーン式連動機構の側面図である。
【図19】同上農作業機のチェーン式連動機構の一部平面図である。
【図20】同上農作業機のチェーン式連動機構の側面図である。
【図21】本発明の第3の実施の形態に係る農作業機の前進作業状態(突出量大)の平面図である。
【図22】同上農作業機の前進作業状態(突出量最小)の平面図である。
【図23】同上農作業機の格納非作業状態の平面図である。
【図24】同上農作業機の後退作業状態の平面図である。
【符号の説明】
1 農作業機
3 固定機枠
4 連結アーム体
5 可動機枠
10 土作業手段
27 入力軸
31 ベベルギア部
32 動力伝達軸
33 ジョイントであるダブルジョイント
36 第1ベベルギア
37 中間縦軸
38 第2ベベルギア
39 第3ベベルギア
40 第4ベベルギア

Claims (5)

  1. 走行車に連結されて使用される農作業機であって、
    前記走行車の前進走行により土作業可能な複数の前進作業位置および前記走行車の後退走行により土作業可能な後退作業位置に移動可能な土作業手段と、
    前記走行車から動力を入力する入力軸とを備え、
    前記土作業手段は、後退作業時には前記後退作業位置に固定されて平面視で前記入力軸の側方に位置する
    ことを特徴とする農作業機。
  2. 入力軸の後端部にはベベルギア部を介して動力伝達軸の一端部が連結され、この動力伝達軸の他端部にはジョイントを介して土作業手段が連結されている
    ことを特徴とする請求項1記載の農作業機。
  3. 動力伝達軸は、後退作業時には平面視で入力軸と略直交した状態となる
    ことを特徴とする請求項2記載の農作業機。
  4. 動力伝達軸は、走行車に連結される固定機枠と土作業手段を支持する可動機枠との間に配設された連結アーム体と平面視で略一致する
    ことを特徴とする請求項3記載の農作業機。
  5. ベベルギア部は、入力軸の後端部に固着された第1ベベルギアと、上下方向の中間縦軸と、この中間縦軸の上端部に固着され前記第1ベベルギアと噛合された第2ベベルギアと、前記中間縦軸の下端部に固着された第3ベベルギアと、動力伝達軸の一端部に固着され前記第3ベベルギアと噛合された第4ベベルギアとを有する
    ことを特徴とする請求項2ないし4のいずれかに記載の農作業機。
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