JP2004254156A - 復号装置および復号方法、記録再生装置、プログラム格納媒体、並びに、プログラム - Google Patents
復号装置および復号方法、記録再生装置、プログラム格納媒体、並びに、プログラム Download PDFInfo
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Abstract
【課題】RLL符号とPRチャネルとを組み合わせた状態遷移表を用いて復号処理を実行する。
【解決手段】(2,7)RLL符号のエンコードと、プリコーダつきPR1チャネルとを組み合わせた状態遷移表の状態S0乃至状態S9は、(2,7)RLL符号のエンコードに用いられる状態遷移表の状態S0乃至状態S4の5状態を、直前のNRZ符号の値に基づいて2分割した(10状態とした)ものに対応する。すなわち、この状態遷移表における状態S0乃至状態S4は、(2,7)RLL符号の状態遷移表で、直前のNRZ符号が0の場合に対応し、状態S5乃至状態S9は、(2,7)RLL符号の状態遷移表で、直前のNRZ符号が1の場合に対応する。本発明は、記録再生装置に適用できる。
【選択図】 図9
【解決手段】(2,7)RLL符号のエンコードと、プリコーダつきPR1チャネルとを組み合わせた状態遷移表の状態S0乃至状態S9は、(2,7)RLL符号のエンコードに用いられる状態遷移表の状態S0乃至状態S4の5状態を、直前のNRZ符号の値に基づいて2分割した(10状態とした)ものに対応する。すなわち、この状態遷移表における状態S0乃至状態S4は、(2,7)RLL符号の状態遷移表で、直前のNRZ符号が0の場合に対応し、状態S5乃至状態S9は、(2,7)RLL符号の状態遷移表で、直前のNRZ符号が1の場合に対応する。本発明は、記録再生装置に適用できる。
【選択図】 図9
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、復号装置および復号方法、記録再生装置、プログラム格納媒体、並びに、プログラムに関し、特に、有限状態遷移表を用いて符号化した符号化データを復号する場合に用いて好適な、復号装置および復号方法、記録再生装置、プログラム格納媒体、並びに、プログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
磁気記録や光記録を行う場合の記録再生システムにおける符号系列の検出においては、チャネルの記録再生特性に適したPR(Partial Response)特性に等化して符号系列を検出することにより、雑音の強調を抑制して、良好なエラーレート特性を得ることができる。
【0003】
RS(リードソロモン)符号などの誤り訂正符号を用いた記録再生システムにおいては、チャネル検出器として、PRチャネルのトレリスダイアグラムを利用して、最尤復号法を実現するビタビ復号器や、事後確率最大復号(MAP(maximum a posteriori probability)復号)を実現するBCJR(Bahl−Cocke−Jeinek−Raviv)復号器が広く用いられている。BCJRアルゴリズムは、符号器の初期状態と時刻Nでの終了状態が知られているとき、長さNの全受信系列から1ビットずつ情報系列を推定するMAPアルゴリズムである。
【0004】
ターボ符号やLDPC(Low Density Parity Check:低密度パリティ検査)符号は、通常、FBA(Forward−Backward Algorithm)や、メッセージパッシングアルゴリズムなどを適用した、SISO(Soft−Input Soft−Output)APP(a posteriori probability:事後確率)検出器を繰り返し用いることで復号することができる。
【0005】
ターボ符号とPRチャネルを組み合わせたシステムにおいては、後段のターボ符号のAPP検出器において、0,1の情報だけではなく、これらの情報がどの程度確からしいかの情報(軟判定情報)が利用できるように、チャネルの検出器に、MAPアルゴリズムを適用したAPP検出器を用いるようにし、このようなチャネルの検出器と、ターボ符号の検出器とを縦列接続するようになされている(例えば、非特許文献1参照)。
【0006】
【非特許文献1】
T. Souvignier他著、“Turbo codes for PR4: Parallel versus serial concatenation,” Proc. ICC’99、第1638頁乃至1642頁、1999年発行
【0007】
ところで、実際に用いられている磁気記録や光記録の記録再生システムにおいては、RLL(Run Length Limited)符号やMTR(Maximum Transition Run)符号などの、制約のある符号が用いられる。
【0008】
RLL符号とは、変調符号における“1”と“1”の間に挟まれた“0”の数が制限されている符号であり、“1”と“1”の間に挟まれた“0”の最小ランレングスをd、最大ランレングスをkとして、(d,k)RLLと表現される。RLL符号は、NRZI(non return to zero Inverted)記録において、最小ランレングスdの値を制限することによって、最短記録波長を長くすることができ、最大ランレングスkの値を制限することで、PLL(Phase Locked Loop)によるクロック再生を容易にすることができる。
【0009】
また、MTR符号は、特定の高次PR等化方式において、最小ユークリッド距離を拡大できるトレリス符号として用いられる。
【0010】
これらの制約のある記録符号の符号変換は、有限状態遷移図で記述することができ、復号は、スライディングブロックデコーダを用いて実行することが可能である。
【0011】
しかしながら、RLL符号やMTR符号のような制約のある記録符号を復号するためのスライディングブロックデコーダは、硬判定を用いて復号を実行するために、軟判定情報を用いて復号を実行するAPP検出器と接続できないため、制約のある記録符号と、復号にAPP検出器を用いるターボ符号などとを組み合わせることは、困難であった。
【0012】
これに対して、(1,3)RLL符号であるMFM(modified Frequency Modulation)符号について、記録符号のSISO復号が提案されている。MFM符号は、データが“1”のときは、データの中央の時点で極性を反転し、“0”がひとつだけのときは、極性を反転せず、“0”が連続する場合は、その境界で極性を反転する変調方式であり、その結果、反転間隔は、T,1.5T,2Tの3種類となる。MFM符号は、FM(Frequency Modulation)符号と比較して、2倍の記録密度の符号化を実現することができ、自己クロック抽出が可能となるので、MFM符号を用いた符号化方式は、広く実現されている。
【0013】
MFM符号の復号方法としては、エンコーダの状態遷移図からトレリスを構成し、FBAを適用する方法(FBA decoder for trellis)、MFM符号が組織符号であることから、チャネルデータ2ビット毎に1ビットのみを取り出して、情報ビットを復号する方法(systematic modulation code)、そして、MFM符号がスライディングブロック符号であることから、復号拘束長3ビットのウインドウに対して発生しうる全ての符号系列5種類と受信信号とを比較することにより、情報ビットの確率を求める方法(sliding−block window)などの、記録符号のSISO復号が提案されている(例えば、非特許文献2参照)。
【0014】
【非特許文献2】
J.L.Fan著、“CONSTRAINED CODING AND SOFT ITERATIVE DECODING,”、Kluwer Academic Publishers、2001年7月発行
【0015】
また、PRチャネルとRLL符号を組み合わせたシステムにおいて、(1,7)RLL符号をスライディングブロックウィンドウの方法で復号する技術も開示されている(例えば、非特許文献3参照)。
【0016】
【非特許文献3】
L. L. McPheters他著、“Turbo−Coded Optical Recording Channels with DVD Minimum Mark Size,”、IEEE Trans. Magn., vol. 38, no. 1、第298頁乃至第302頁、2002年発行
【0017】
図1は、従来用いられている記録再生装置1の構成を示すブロック図である。
【0018】
記録再生装置1は、入力されたデータを符号化する符号化部11、符号化部11において符号化された符号化データを、所定の記録媒体に記録し、更に、記録媒体に記録されている符号化データを読み出して、復号部13に供給する記録再生部12、および、記録再生部12から供給された符号化データから符号を検出し、検出された符号を復号する復号部13で構成されている。
【0019】
符号化部11に供給されたデータは、LDPC符号化部21において、LDPC符号化され、RLL符号化部22において、例えば、(2,7)RLLで符号化される。
【0020】
図2は、符号化率1:2の(2,7)RLL符号が用いられた場合の符号化を記述した5状態の状態遷移図である。図2において、円は状態を表し、矢印に付したラベルの斜線の前後のシンボルは、入力された情報ビットと出力される符号ビットをそれぞれ示す。この状態遷移図は、入力ビットの割り当てが定義されていることを除いて、T. D. Howell, “Statistical property of selected recording codes,” IBM J. Res. Develop., Vol. 33, No. 1, 1989.の文献に記載されているものと同じである。
【0021】
すなわち、図2の5状態の状態遷移図に示されるように、RLL符号化部22は、例えば、状態S1において、“0”が入力された場合、符号(01)を出力して、状態を状態S0に遷移し、状態S1において、“1”が入力された場合、符号(01)を出力して、状態を状態S4に遷移する。
【0022】
そして、符号化データは、NRZI/NRZ変換部23において、NRZI符号からNRZ(non return to zero)符号に変換されて、記録再生部12に供給される。
【0023】
記録再生部12は、装着された記録媒体、または、内部に有する記録媒体に、符号化部11において符号化された符号化データを記録したり、記録媒体に記録されている符号化データを読み出して、復号部13に出力する。
【0024】
復号部13に供給された符号化データは、PR等化処理部31に供給される。PR等化処理部31は、供給された符号化データに対して、所定の目標等化特性となるように、波形干渉を利用したPR等化を施して、BCJR検出部32に供給する。
【0025】
ここでは、記録再生部12およびPR等化処理部31による記録再生チャネルのモデルとして、記録再生部12に供給されるNRZ符号における0を+1に、1を−1にマッピングし、PR1(Partial Response Class−I:パーシャルレスポンスクラス1)の伝達関数を、遅延演算子をDとして、H(D)=(1+D)/2とする。
【0026】
(1+D)のx乗の等化は、再生信号の高周波数帯域の雑音を抑圧するため、記録再生装置において、良好な信号対雑音比を与えることが知られている。(1+D)のx乗の等化において、x=1、すなわち、1+Dの等化は、一般的にPR1等化と称されている。PR1等化方式は、例えば、3.8mmおよび8mmテープストリーマ磁気記録再生装置などにおいて実用化されている。
【0027】
図3は、d=2の制限を取り入れた場合の、プリコーダ付きPR1チャネルの状態遷移図である。すなわち、ここでは、NRZ符号における0を+1に、1を−1にマッピングし、PR1の伝達関数は、遅延演算子をDとして、H(D)=(1+D)/2とした。また、矢印に付したラベルの斜線の前のシンボルは、符号ビットを示し、斜線の後のシンボルは、チャネル出力を示す。
【0028】
すなわち、図3の状態遷移図に示されるように、PR等化処理部31から出力される、周波数特性を持ったチャネルの再生出力は、状態S0における “0”の符号ビットに対して、(+1)が出力されて、状態が状態S0のままとされ、状態S0における“1”の符号ビットに対して、(0)が出力されて、状態が状態S4に遷移される。
【0029】
BCJR検出部32は、BCJRアルゴリズムを用いて、符号検出を実行し、RLL復号部33に供給する。すなわち、BCJR検出部32は、図3に示される状態遷移図に対応した、図4に示されるプリコーダ付きPR1チャネルのトレリスを用いて、符号の検出を行う。
【0030】
すなわち、図4のトレリスは、図3の状態遷移図に対応するものである。図4のトレリスにおいて、実線矢印は、入力された符号ビットが0であった場合の状態遷移を示す矢印であり、点線矢印は、入力された符号ビットが1であった場合の状態遷移を示す矢印である。また、矢印に付したラベルにおいて、斜線の前後のシンボルは、入力された符号ビットと出力されるチャネル出力とをそれぞれ示す。
【0031】
そして、RLL復号部33は、図2に示される状態遷移図に対応した、図5に示されるトレリスを用いて、SISOのRLL復号処理(FBA decoder for trellis)を実行し、LDPC復号部34に供給する。すなわち、図5のトレリスは、図2の状態遷移図に対応するものである。
【0032】
図5のトレリスにおいて、実線矢印は、入力された情報ビットが0であった場合の状態遷移を示す矢印であり、点線矢印は、入力された情報ビットが1であった場合の状態遷移を示す矢印である。また、矢印に付したラベルにおいて、斜線の前後のシンボルは、入力された情報ビットと出力される符号ビットをそれぞれ示す。
【0033】
そして、LDPC復号部34は、供給された信号を、LDPC復号し、情報ビットを出力する。
【0034】
図1を用いて説明した記録再生装置1の復号部13においては、BCJRによりPRチャネルから記録符号列を検出し、RLLにより記録符号列を復号する場合について説明したが、例えば、スライディングブロックウィンドウを用いた場合においても、同様にして、記録符号列を復号することが可能となる。
【0035】
【発明が解決しようとする課題】
従来、RLL符号やMTR符号が組織符号であることを利用した符号化が提案されていたが、現実のRLL符号やMTR符号は、高符号化率を達成するために、組織符号とはならない場合が多い。
【0036】
また、従来、図1を用いて説明したように、エンコーダの状態遷移図からトレリスを構成し、FBAを適用する方法(FBA decoder for trellis)を利用して、PR特性に等化した符号系列の検出とRLLの復号を別処理によって行うようになされていたが、このようにした場合、RLL復号部33の処理において、符号系列の隣り合うビット間の干渉を利用することができない。
【0037】
このように、符号の検出とRLLの復号を別処理によって行う従来の方法よりも、復号後のデータのエラーレートを更に改善することが求められている。
【0038】
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、復号処理におけるエラーレートを改善することができるようにするものである。
【0039】
【課題を解決するための手段】
本発明の復号装置は、第1の有限状態遷移表と符号間干渉を組み合わせた第2の有限状態遷移表に対応するトレリスを用いて、符号化データの復号処理を実行する第1の復号手段を備えることを特徴とする。
【0040】
第1の有限状態遷移表は、(2,7)RLLの変換規則に対応した状態遷移表であるものとすることができる。
【0041】
第1の有限状態遷移表は、(1,7)RLLの変換規則に対応した状態遷移表であるものとすることができる。
【0042】
符号間干渉は、パーシャルレスポンス等化方式に基づくものであるものとすることができる。
【0043】
符号化データは、LDPC符号、または、ターボ符号により、更に符号化されたデータであるものとすることができ、第1の復号手段により復号された情報の供給を受け、LDPC符号、または、ターボ符号を復号する第2の復号手段を更に備えさせるようにすることができる。
【0044】
第1の有限状態遷移表で記述される方法により符号化され、所定の記録媒体に記録された符号化データを再生する再生手段を更に備えさせるようにすることができ、第1の復号手段には、再生手段により再生された符号化データを、第2の有限状態遷移表に対応するトレリスを用いて復号させるようにすることができる。
【0045】
第1の有限状態遷移表で記述される方法により符号化され、所定の通信路に伝送された符号化データを受信する受信手段を更に備えさせるようにすることができ、第1の復号手段には、受信手段により受信された符号化データを、第2の有限状態遷移表に対応するトレリスを用いて復号させるようにすることができる。
【0046】
本発明の復号方法は、符号化データを取得する取得ステップと、第1の有限状態遷移表と符号間干渉を組み合わせた第2の有限状態遷移表に対応するトレリスを用いて、取得ステップの処理により取得された符号化データの復号処理を実行する復号ステップとを含むことを特徴とする。
【0047】
本発明のプログラム格納媒体に格納されているプログラムは、符号化データを取得する取得ステップと、第1の有限状態遷移表と符号間干渉を組み合わせた第2の有限状態遷移表に対応するトレリスを用いて、取得ステップの処理により取得された符号化データの復号処理を実行する復号ステップとを含むことを特徴とする。
【0048】
本発明のプログラムは、符号化データを取得する取得ステップと、第1の有限状態遷移表と符号間干渉を組み合わせた第2の有限状態遷移表に対応するトレリスを用いて、取得ステップの処理により取得された符号化データの復号処理を実行する復号ステップとを含むことを特徴とする。
【0049】
本発明の復号装置および復号方法、並びにプログラムにおいては、符号化データが第1の有限状態遷移表と符号間干渉を組み合わせた第2の有限状態遷移表に対応するトレリスを用いて復号される。
【0050】
本発明の記録再生装置は、情報系列を、第1の有限状態遷移表で記述される方法により符号化する符号化手段と、符号化手段により符号化されたデータを、所定の記録媒体に記録、または再生する記録再生手段と、第1の有限状態遷移表と符号間干渉を組み合わせた第2の有限状態遷移表に対応するトレリスを用いて、記録再生手段により再生された符号化データの復号処理を実行する復号手段とを備えることを特徴とする。
【0051】
本発明の記録再生装置においては、情報系列が、第1の有限状態遷移表で記述される方法により符号化され、符号化されたデータが、所定の記録媒体に記録、または再生され、第1の有限状態遷移表と符号間干渉を組み合わせた第2の有限状態遷移表に対応するトレリスが用いられて、再生された符号化データが復号される。
【0052】
【発明の実施の形態】
以下、図を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
【0053】
図6は、本発明を適用した記録再生装置101の構成を示すブロック図である。なお、従来の場合と対応する部分には同一の符号を付してあり、その説明は適宜省略する。
【0054】
すなわち、図6の記録再生装置101は、復号部13に代わって復号部111が備えられている以外は、図1を用いて説明した記録再生装置1と同様の構成を有している。
【0055】
符号化部11は、供給された情報系列を符号化し、記録再生部12は、装着された、または、内部に設けられた記録媒体に、供給された符号系列を記録するとともに、記録媒体から、符号化データ(符号系列)を読み出し、復号部111に供給する。復号部111は、PR等化処理部31、PR・RLL検出復号部121およびLDPC復号部34で構成され、供給された符号化データを復号することができるようになされている。
【0056】
また、記録再生部12および復号部111により、記録媒体に記録されている符号化データを再生して復号する復号装置を構成するようにしてもよいことは言うまでもない。
【0057】
また、図7に、本発明を適用した符号化データの伝送システムを示すブロック図を示す。図7に示されるように、図6の記録再生装置101の符号化部11と同様の構成を有する符号化装置131によって符号化された符号化データを、例えば、無線やケーブル、または、光ファイバなどの通信路133を介して伝送し、復号装置132によって、受信した伝送データを復号することができるようにする場合においても、復号装置132は、図6の復号部111と同様の復号処理を実行することができる。
【0058】
図7の復号装置132は、無線やケーブル、または、光ファイバなどの通信路133を介して伝送された符号化データを取得し、PR・RLL検出復号部121に供給するデータ取得部141を新たに備えている以外は、図6の記録再生装置101の復号部111と同様の構成を有する
【0059】
なお、PRチャネルの出力をデジタルデータに変換することなどにより、例えば、インターネットやLAN(Local Area Network)などを介して情報を伝送し、受信側で、デジタルデータをPRチャネル出力の値として、復号するようにすることも可能である。
【0060】
なお、図6の記録再生装置101、並びに、図7の符号化装置131および復号装置132においては、LDPC符号に代わって、ターボ符号を用いて記録再生処理を行うようにしてもよい。その場合、符号化部11または符号化装置131においては、LDPC符号化部21に代わって、ターボ符号化を行うターボ符号化部を備えるようにし、復号部111または復号装置132においては、LDPC復号部121に代わって、ターボ符号を復号するターボ符号復号部を備える用にすればよい。
【0061】
次に、図6および図7のPR・RLL検出復号部121が実行する復号処理について、図1を用いて説明した、従来の記録再生装置1の復号部13において実行される、図2の状態遷移図および図5のトレリスに基づいて実行される復号処理と比較することにより説明する。
【0062】
図8は、図2の状態遷移図と等価な状態遷移表である。第1列は状態名を表し、第2列は、第1列の状態を始点として、情報ビット“0”が与えられた場合の符号ビットおよび状態の遷移先を示し、第3列は、第1列の状態を始点として、情報ビット“1”が与えられた場合の符号ビットおよび状態の遷移先を示す。すなわち、RLL符号化部22は、(2,7)RLL符号のエンコードを行う場合、図8に示される状態遷移表に基づいて、RLL符号化を実行するので、従来の記録再生装置1の復号部13は、図8の状態遷移表に対応するトレリスである図5のトレリスを用いて、検出された符号を復号する。
【0063】
図9は、PR・RLL検出復号部121が実行する復号処理において用いられる状態遷移表であり、(2,7)RLL符号のエンコードと、プリコーダつきPR1チャネルとを組み合わせた状態遷移表である。第1列は状態名を表し、第2列は、第1列の状態を始点として、情報ビット“0”が与えられた場合のチャネル出力および状態の遷移先を示し、第3列は、第1列の状態を始点として、情報ビット“1”が与えられた場合のチャネル出力および状態の遷移先を示す。
【0064】
図9の状態遷移表における状態S0乃至状態S9は、図8の状態遷移表で示される状態S0乃至状態S4の5状態を、直前のNRZ符号の値に基づいて2分割した(10状態とした)ものに対応する。すなわち、図9の状態遷移表における状態S0乃至状態S4は、図8の状態遷移表において、直前のNRZ符号が0の場合に対応し、図9の状態遷移表における状態S5乃至状態S9は、図8の状態遷移表において、直前のNRZ符号が1の場合に対応する。
【0065】
また、図9の状態遷移表における各入力に対する状態の遷移先は、極性が反転されるか否かに基づいて、図8における場合の遷移先から変更されるか否かが決められる。すなわち、図9の状態遷移表における、各入力に対する状態の遷移先を、図8の状態遷移表における情報の遷移先と比較することにより示されるように、状態S0乃至状態S4においては、図8における極性が反転しない組合せ(符号ビット“00”に対応)において、遷移先を、NRZ符号が0の状態(状態S0乃至状態S4)とし、極性が1度だけ反転する組合せ(符号ビットが“01”、“10”に対応)においては、遷移先を、NRZ符号が1の状態(状態S5乃至状態S9)としている。また、状態S5乃至状態S9においては、図8における極性が反転しない組合せにおいて、遷移先を、NRZ符号が1の状態(状態S5乃至状態S9)とし、極性が1度だけ反転する組合せにおいては、遷移先を、NRZ符号が0の状態(状態S0乃至状態S4)としている。
【0066】
すなわち、図6および図7のPR・RLL検出復号部121は、図9の状態遷移表に対応する図10のトレリスを用いたビタビ復号器、またはAPP検出器により構成され、供給された符号を復号する。
【0067】
ここで、図10のトレリスにおいては、実線矢印は、入力された情報ビットが0であった場合の状態遷移を示す矢印であり、点線矢印は、入力された情報ビットが1であった場合の状態遷移を示す矢印である。また、矢印に付したラベルは、チャネル出力を示す。
【0068】
このPR・RLL検出復号部121を構成するAPP検出器は、具体的には、例えば、MAPアルゴリズム、Log−MAPアルゴリズム、Max−Log−MAPアルゴリズム、または、SOVA(Soft output Viterbi Algorithm)などを用いて構成される。APP検出器からは、情報ビット“0”に対応した事後確率p(0)、および、情報ビット“1”に対応した事後確率p(1)を得ることができる。
【0069】
また、LDPC復号部34による復号処理は、例えば、繰り返し回数を10回とし、メッセージパッシングアルゴリズムを用いるものとする。
【0070】
図11に、本発明を適用した場合と、従来のFBAデコーダを用いた場合におけるそれぞれの復号結果を、更に、繰り返し回数を10回とし、メッセージパッシングアルゴリズムを用いるLDPC復号部34により復号することによって得られた情報系列のビットエラーレートを示す。図11において、縦軸はビットエラーレートを示し、横軸は信号対雑音電力比を示す。また、図11において、実線は、本発明を適用した場合におけるビットエラーレートであり、点線は、従来のFBAデコーダを用いた場合のビットエラーレートである。
【0071】
図11において、実線で示されるビットエラーレートは、点線で示されるビットエラーレートより、全ての信号対雑音電力比において低い値を有しているので、本発明を適用した場合、従来における復号処理よりもビットエラーレートが減少しているということが言える。
【0072】
図6乃至図11を用いて説明した例においては、(2,7)RLL符号のエンコーダと、プリコーダつきPR1チャネルとを組み合わせた場合について説明したが、本発明は、最小ラン制限の最小値および最大値の値がこれ以外であっても適用することができる。
【0073】
(2,7)RLL符号以外のRLL符号をプリコーダつきPR1チャネルとを組み合わせる場合の例として、(1,7)RLL符号とプリコーダつきPR1チャネル検出とを組み合わせる場合について説明する。
【0074】
すなわち、図6または図7のRLL符号化部22が、(1,7)RLLの変換規則に基づいて符号化処理を実行する場合において、図6または図7のPR等化処理部31は、PR1等化処理を行い、PR・RLL検出復号部121は、符号化率2:3の(1,7)RLL符号と、プリコーダつきPR1チャネルとを組み合わせた状態遷移表に対応するトレリスを用いて、供給された符号化データの復号を実行する。
【0075】
図12は、符号化率2:3の(1,7)RLL符号が用いられた場合の符号化を記述した5状態の状態遷移図である。矢印に付したラベルで、斜線の前後のシンボルで示される入力された情報ビットと出力される符号ビットは、符号化率2:3であるので、斜線の前に2シンボル、斜線の後に3シンボルとなる。
【0076】
例えば、図1を用いて説明したRLL符号化部22が、(1,7)RLL符号によって符号化を実行する場合、図12の5状態の状態遷移図に示されるように、例えば、状態S1において、“00”が入力されたとき、符号(100)が出力されて、状態が状態S0に遷移され、状態S1において、“11”が入力されたとき、符号(100)が出力されて、状態が状態S3に遷移される。
【0077】
図13は、図12の状態遷移図と等価な状態遷移表である。第1列は状態名を表し、第2列は、第1列の状態を始点として、情報ビット“00”が与えられた場合の符号ビットおよび状態の遷移先を示し、第3列は、第1列の状態を始点として、情報ビット“01”が与えられた場合の符号ビットおよび状態の遷移先を示し、第4列は、第1列の状態を始点として、情報ビット“10”が与えられた場合の符号ビットおよび状態の遷移先を示し、第5列は、第1列の状態を始点として、情報ビット“11”が与えられた場合の符号ビットおよび状態の遷移先を示す。
【0078】
すなわち、図1を用いて説明したRLL符号化部22は、(1,7)RLL符号のエンコードを行う場合、図13に示される状態遷移表に基づいて、RLL符号化を実行するので、従来の記録再生装置1の復号部13は、図13の状態遷移表に対応するトレリスを用いて、検出された符号を復号する。
【0079】
図14は、d=1の制限を取り入れた場合の、プリコーダ付きPR1チャネルの状態遷移図である。ここでは、NRZにおける0を+1に、1を−1にマッピングし、PR1の伝達関数は、遅延演算子をDとして、H(D)=(1+D)/2とした。
【0080】
例えば、図1のBCJR検出部32が、図14の状態遷移図に基づいて符号検出を行う場合、状態S0における“0”の符号ビットに対して、(+1)がチャネル出力されて、状態が状態S0のままとされ、状態S0における“1”の符号ビットに対して、(0)がチャネル出力されて、状態が状態S3に遷移される。
【0081】
図15は、(1,7)RLLの変換規則に基づいて符号化され、PR1チャネル出力からデータを復号する場合に、PR・RLL検出復号部121が実行する復号処理において用いられる状態遷移表であり、(1,7)RLL符号のエンコードと、プリコーダつきPR1チャネルとを組み合わせた状態遷移表である。第1列は状態名を表し、第2列は、第1列の状態を始点として、情報ビット“00”が与えられた場合のチャネル出力および状態の遷移先を示し、第3列は、第1列の状態を始点として、情報ビット“01”が与えられた場合のチャネル出力および状態の遷移先を示し、第4列は、第1列の状態を始点として、情報ビット“10”が与えられた場合のチャネル出力および状態の遷移先を示し、第5列は、第1列の状態を始点として、情報ビット“11”が与えられた場合のチャネル出力および状態の遷移先を示す。
【0082】
図15の状態遷移表における状態S0乃至状態S9は、図13の状態遷移表で示される状態S0乃至状態S4の5状態を、直前のNRZ符号の値に基づいて2分割した(10状態とした)ものに対応する。すなわち、図15の状態遷移表における状態S0乃至状態S4は、図13の状態遷移表において、直前のNRZ符号が0の場合に対応し、図15の状態遷移表における状態S5乃至状態S9は、図13の状態遷移表において、直前のNRZ符号が1の場合に対応する。
【0083】
また、図9を用いて説明した場合と同様にして、図15の状態遷移表においても、各入力に対する状態の遷移先は、極性が反転されるか否かに基づいて、図13における場合の遷移先から変更されるか否かが決められる。すなわち、図15の状態遷移表における、各入力に対する状態の遷移先を、図13の状態遷移表における情報の遷移先と比較することにより示されるように、状態S0乃至状態S4においては、図13における極性が偶数回反転する組合せ(符号ビット“000”、“101”に対応)において、遷移先を、NRZ符号が0の状態(状態S0乃至状態S4)とし、極性が奇数回反転する組合せ(符号ビットが“001”、“010”、“100”に対応)において、遷移先を、NRZ符号が1の状態(状態S5乃至状態S9)としている。また、状態S5乃至状態S9においては、図13における極性が偶数回反転する組合せにおいて、遷移先を、NRZ符号が1の状態(状態S5乃至状態S9)とし、極性が奇数回反転する組合せにおいて、遷移先を、NRZ符号が0の状態(状態S0乃至状態S4)としている。
【0084】
すなわち、図6および図7のPR・RLL検出復号部121は、(1,7)RLLの変換規則に基づいて符号化された符号化データのチャネル出力を復号する場合、図15の状態遷移表に対応する図16のトレリスを用いたビタビ復号器、またはAPP検出器により構成される。
【0085】
ここで、図16のトレリスにおいては、実線は、入力された情報ビットが00であった場合の状態遷移を示す矢印であり、点線は、入力された情報ビットが01であった場合の状態遷移を示し、1点鎖線は、入力された情報ビットが01であった場合の状態遷移を示す矢印であり、2点鎖線は、入力された情報ビットが11であった場合の状態遷移を示す。なお、図16では、チャネル出力の値の記載を省略しているが、それぞれの状態において、入力された情報ビットに対応するチャネル出力の関係は、図15の状態遷移表に記載されているとおりである。
【0086】
すなわち、図6および図7のPR・RLL検出復号部121は、図15の状態遷移表に対応する図16のトレリスを用いて、情報ビット2ビットごとの事後確率を求めることができ、その結果を用いて、それぞれのビットに関して事後確率p(0),p(1)を求めることができる。
【0087】
図17に、(1,7)RLLの変換規則に基づいて符号化され、PR1チャネル出力から、データを復号するという条件において、本発明を適用して復号処理を実行した場合、従来のFBAデコーダを用いて復号を実行した場合、および、スライディングブロックウィンドウを用いて復号を実行した場合のそれぞれの復号結果を、更に、繰り返し回数を10回とし、メッセージパッシングアルゴリズムを用いるLDPC復号部34により復号することにより得られた情報系列のビットエラーレートを示す。図17において、縦軸はビットエラーレートを示し、横軸は信号対雑音電力比を示す。
【0088】
図17において、実線は、本発明を適用した場合におけるビットエラーレートであり、点線は、従来のFBAデコーダを用いた場合のビットエラーレートであり、1点鎖線は、従来のスライディングブロックウィンドウを用いた場合のビットエラーレートである。実線で示されるビットエラーレートは、点線および1点鎖線で示されるビットエラーレートより、全ての信号対雑音電力比において低い値を有しているので、本発明を適用した場合、従来における場合よりもビットエラーレートが減少しているということが言える。
【0089】
次に、図18のフローチャートを参照して、図6および図7のPR・RLL検出復号部121が実行する復号処理について説明する。
【0090】
ステップS1において、PR等化処理部31は、記録再生部12に装着された記録媒体、または、内部に備えられている記録媒体から再生された符号化データ、もしくは、通信路133を介して伝送され、データ取得部141により取得された符号化データを取得して、等化処理を施し、PR・RLL検出復号部121に供給する。
【0091】
ステップS2において、PR・RLL検出復号部121は、符号化部11または符号化装置131が実行した符号化方式に対応するラン制限およびPR特性を満たすトレリスを用いて、ステップS1において供給されたチャネル出力に対して、復号処理を実行する。
【0092】
ここで、ステップS2において用いられるトレリスは、例えば、(2,7)RLLの変換規則に基づいて符号化された符号を復号する場合、図10を用いて説明したトレリスであり、(1,7)RLLの変換規則に基づいて符号化された符号を復号する場合、図16を用いて説明したトレリスである。
【0093】
ステップS3において、PR・RLL検出復号部121は、ステップS2の処理により復号された情報系列を出力して、処理が終了される。例えば、PR・RLL検出復号部121が、APP検出器で構成されている場合、情報ビット“0”に対応した事後確率p(0)、および、情報ビット“1”に対応した事後確率p(1)の検出データが出力されて、処理が終了される。
【0094】
ステップS3において出力されたデータは、例えば、LDPC復号部34においてLDPC復号されるが、例えば、ステップS1において取得された符号化データが、LDPC符号ではなく、ターボ符号により符号化されていた場合、ステップS3において出力されたデータは、ターボ符号を復号する復号処理部に出力されて、復号される。
【0095】
このような処理により、図11または図17を用いて説明したように、従来における場合よりも、低ビットエラーレートで復号処理を実行することができる。
【0096】
上述した一連の処理は、ソフトウェアにより実行することもできる。そのソフトウェアは、そのソフトウェアを構成するプログラムが、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータ、または、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能な、例えば汎用のパーソナルコンピュータなどに、記録媒体からインストールされる。
【0097】
図19は、上記処理を実行するパーソナルコンピュータ151の構成例を表している。パーソナルコンピュータ151のCPU(Central Processing Unit)161は、ROM(Read Only Memory)162に記憶されているプログラム、またはHDD168からRAM(Random Access Memory)163にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。RAM163にはまた、CPU161が各種の処理を実行する上において必要なデータなども適宜記憶される。
【0098】
CPU161、ROM162、およびRAM163は、内部バス164を介して相互に接続されている。この内部バス164にはまた、入出力インタフェース165も接続されている。
【0099】
入出力インタフェース165には、キーボード、マウスなどよりなる入力部167、CRT(Cathode Ray Tube)、LCD(Liquid Crystal Display)などよりなり、画像やテキストなどを表示するディスプレイ、および、音声を出力するスピーカなどよりなる出力部166、情報を記録再生するハードディスク(HDD)168、モデム、ターミナルアダプタなどより構成されるネットワークインターフェース170が接続されている。ネットワークインターフェース170は、例えば、インターネットなどのネットワークを介しての通信処理を行う。
【0100】
入出力インタフェース165にはまた、必要に応じてドライブ169が接続され、磁気ディスク171、光ディスク172、光磁気ディスク173、もしくは半導体メモリ174などが適宜装着され、それらから読み出されたコンピュータプログラムが、必要に応じてHDD168にインストールされる。
【0101】
上述した一連の処理を実行するプログラムを記録する記録媒体は、図19に示されるように、コンピュータとは別に、ユーザにプログラムを提供するために配布される、プログラムが記録されている磁気ディスク171(フレキシブルディスクを含む)、光ディスク172(CD−ROM(Compact Disk−Read Only Memory),DVD(Digital Versatile Disk)を含む)、光磁気ディスク173(MD(Mini−Disk)(商標)を含む)、もしくは半導体メモリ174などよりなるパッケージメディアなどにより構成される。
【0102】
また、本明細書において、記録媒体に記録されるプログラムを記述するステップは、記載された順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。
【0103】
【発明の効果】
このように、本発明によれば、符号化データを復号することができる。特に、(2,7)RLLや、(1,7)RLLなどの変換規則に対応した有限状態遷移表と、PR1などの符号間干渉を組み合わせた有限状態遷移表に対応するトレリスを用いて、符号化データの復号処理を実行することができる。
【0104】
また、他の本発明によれば、RLL変換規則によって符号化されたデータを記録再生することができる他、符号化データを再生して、RLL変換規則に対応した有限状態遷移表と、符号間干渉を組み合わせた有限状態遷移表に対応するトレリスを用いて、再生された符号化データの復号処理を実行することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の記録再生装置の構成を示すブロック図である。
【図2】(2,7)RLL符号を用いて符号化する場合の5状態の状態遷移図である。
【図3】d=2の制限を有する、プリコーダ付きのPR1チャネルの状態遷移図である。
【図4】d=2の制限を有する、プリコーダ付きのPR1チャネルのトレリス線図である。
【図5】(2,7)RLL符号に対応する場合のトレリス線図である。
【図6】本発明を適用した記録再生装置の構成を示すブロック図である。
【図7】本発明を適用した復号装置と、符号化データ伝送システムの構成を示すブロック図である。
【図8】(2,7)RLL符号を用いて符号化する場合の5状態の状態遷移表を説明するための図である。
【図9】図6または図7のPR・RLL検出復号部において用いられる、(2,7)RLL符号に対応する状態遷移表を説明するための図である。
【図10】図9の状態遷移表に対応するトレリス線図である。
【図11】従来の復号処理結果と、図9の状態遷移表に基づいて実行される復号処理結果とのビットエラーレートの比較について説明するための図である。
【図12】(1,7)RLL符号を用いて符号化する場合の5状態の状態遷移図である。
【図13】(1,7)RLL符号を用いて符号化する場合の5状態の状態遷移表を説明するための図である。
【図14】d=1の制限を有する、プリコーダ付きのPR1チャネルの状態遷移図である。
【図15】図6または図7のPR・RLL検出復号部において用いられる、(1,7)RLL符号に対応する状態遷移表を説明するための図である。
【図16】図15の状態遷移表に対応するトレリス線図である。
【図17】従来の復号処理結果と、図15の状態遷移表に基づいて実行される復号処理結果とのビットエラーレートの比較について説明するための図である。
【図18】図6または図7のPR・RLL検出復号部が実行する処理について説明するフローチャートである。
【図19】パーソナルコンピュータの構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
11 符号化部, 12 記録再生部, 101 記録再生装置, 111 復号部, 121 PR・RLL検出復号部, 132 復号装置, 141 データ取得部
【発明の属する技術分野】
本発明は、復号装置および復号方法、記録再生装置、プログラム格納媒体、並びに、プログラムに関し、特に、有限状態遷移表を用いて符号化した符号化データを復号する場合に用いて好適な、復号装置および復号方法、記録再生装置、プログラム格納媒体、並びに、プログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
磁気記録や光記録を行う場合の記録再生システムにおける符号系列の検出においては、チャネルの記録再生特性に適したPR(Partial Response)特性に等化して符号系列を検出することにより、雑音の強調を抑制して、良好なエラーレート特性を得ることができる。
【0003】
RS(リードソロモン)符号などの誤り訂正符号を用いた記録再生システムにおいては、チャネル検出器として、PRチャネルのトレリスダイアグラムを利用して、最尤復号法を実現するビタビ復号器や、事後確率最大復号(MAP(maximum a posteriori probability)復号)を実現するBCJR(Bahl−Cocke−Jeinek−Raviv)復号器が広く用いられている。BCJRアルゴリズムは、符号器の初期状態と時刻Nでの終了状態が知られているとき、長さNの全受信系列から1ビットずつ情報系列を推定するMAPアルゴリズムである。
【0004】
ターボ符号やLDPC(Low Density Parity Check:低密度パリティ検査)符号は、通常、FBA(Forward−Backward Algorithm)や、メッセージパッシングアルゴリズムなどを適用した、SISO(Soft−Input Soft−Output)APP(a posteriori probability:事後確率)検出器を繰り返し用いることで復号することができる。
【0005】
ターボ符号とPRチャネルを組み合わせたシステムにおいては、後段のターボ符号のAPP検出器において、0,1の情報だけではなく、これらの情報がどの程度確からしいかの情報(軟判定情報)が利用できるように、チャネルの検出器に、MAPアルゴリズムを適用したAPP検出器を用いるようにし、このようなチャネルの検出器と、ターボ符号の検出器とを縦列接続するようになされている(例えば、非特許文献1参照)。
【0006】
【非特許文献1】
T. Souvignier他著、“Turbo codes for PR4: Parallel versus serial concatenation,” Proc. ICC’99、第1638頁乃至1642頁、1999年発行
【0007】
ところで、実際に用いられている磁気記録や光記録の記録再生システムにおいては、RLL(Run Length Limited)符号やMTR(Maximum Transition Run)符号などの、制約のある符号が用いられる。
【0008】
RLL符号とは、変調符号における“1”と“1”の間に挟まれた“0”の数が制限されている符号であり、“1”と“1”の間に挟まれた“0”の最小ランレングスをd、最大ランレングスをkとして、(d,k)RLLと表現される。RLL符号は、NRZI(non return to zero Inverted)記録において、最小ランレングスdの値を制限することによって、最短記録波長を長くすることができ、最大ランレングスkの値を制限することで、PLL(Phase Locked Loop)によるクロック再生を容易にすることができる。
【0009】
また、MTR符号は、特定の高次PR等化方式において、最小ユークリッド距離を拡大できるトレリス符号として用いられる。
【0010】
これらの制約のある記録符号の符号変換は、有限状態遷移図で記述することができ、復号は、スライディングブロックデコーダを用いて実行することが可能である。
【0011】
しかしながら、RLL符号やMTR符号のような制約のある記録符号を復号するためのスライディングブロックデコーダは、硬判定を用いて復号を実行するために、軟判定情報を用いて復号を実行するAPP検出器と接続できないため、制約のある記録符号と、復号にAPP検出器を用いるターボ符号などとを組み合わせることは、困難であった。
【0012】
これに対して、(1,3)RLL符号であるMFM(modified Frequency Modulation)符号について、記録符号のSISO復号が提案されている。MFM符号は、データが“1”のときは、データの中央の時点で極性を反転し、“0”がひとつだけのときは、極性を反転せず、“0”が連続する場合は、その境界で極性を反転する変調方式であり、その結果、反転間隔は、T,1.5T,2Tの3種類となる。MFM符号は、FM(Frequency Modulation)符号と比較して、2倍の記録密度の符号化を実現することができ、自己クロック抽出が可能となるので、MFM符号を用いた符号化方式は、広く実現されている。
【0013】
MFM符号の復号方法としては、エンコーダの状態遷移図からトレリスを構成し、FBAを適用する方法(FBA decoder for trellis)、MFM符号が組織符号であることから、チャネルデータ2ビット毎に1ビットのみを取り出して、情報ビットを復号する方法(systematic modulation code)、そして、MFM符号がスライディングブロック符号であることから、復号拘束長3ビットのウインドウに対して発生しうる全ての符号系列5種類と受信信号とを比較することにより、情報ビットの確率を求める方法(sliding−block window)などの、記録符号のSISO復号が提案されている(例えば、非特許文献2参照)。
【0014】
【非特許文献2】
J.L.Fan著、“CONSTRAINED CODING AND SOFT ITERATIVE DECODING,”、Kluwer Academic Publishers、2001年7月発行
【0015】
また、PRチャネルとRLL符号を組み合わせたシステムにおいて、(1,7)RLL符号をスライディングブロックウィンドウの方法で復号する技術も開示されている(例えば、非特許文献3参照)。
【0016】
【非特許文献3】
L. L. McPheters他著、“Turbo−Coded Optical Recording Channels with DVD Minimum Mark Size,”、IEEE Trans. Magn., vol. 38, no. 1、第298頁乃至第302頁、2002年発行
【0017】
図1は、従来用いられている記録再生装置1の構成を示すブロック図である。
【0018】
記録再生装置1は、入力されたデータを符号化する符号化部11、符号化部11において符号化された符号化データを、所定の記録媒体に記録し、更に、記録媒体に記録されている符号化データを読み出して、復号部13に供給する記録再生部12、および、記録再生部12から供給された符号化データから符号を検出し、検出された符号を復号する復号部13で構成されている。
【0019】
符号化部11に供給されたデータは、LDPC符号化部21において、LDPC符号化され、RLL符号化部22において、例えば、(2,7)RLLで符号化される。
【0020】
図2は、符号化率1:2の(2,7)RLL符号が用いられた場合の符号化を記述した5状態の状態遷移図である。図2において、円は状態を表し、矢印に付したラベルの斜線の前後のシンボルは、入力された情報ビットと出力される符号ビットをそれぞれ示す。この状態遷移図は、入力ビットの割り当てが定義されていることを除いて、T. D. Howell, “Statistical property of selected recording codes,” IBM J. Res. Develop., Vol. 33, No. 1, 1989.の文献に記載されているものと同じである。
【0021】
すなわち、図2の5状態の状態遷移図に示されるように、RLL符号化部22は、例えば、状態S1において、“0”が入力された場合、符号(01)を出力して、状態を状態S0に遷移し、状態S1において、“1”が入力された場合、符号(01)を出力して、状態を状態S4に遷移する。
【0022】
そして、符号化データは、NRZI/NRZ変換部23において、NRZI符号からNRZ(non return to zero)符号に変換されて、記録再生部12に供給される。
【0023】
記録再生部12は、装着された記録媒体、または、内部に有する記録媒体に、符号化部11において符号化された符号化データを記録したり、記録媒体に記録されている符号化データを読み出して、復号部13に出力する。
【0024】
復号部13に供給された符号化データは、PR等化処理部31に供給される。PR等化処理部31は、供給された符号化データに対して、所定の目標等化特性となるように、波形干渉を利用したPR等化を施して、BCJR検出部32に供給する。
【0025】
ここでは、記録再生部12およびPR等化処理部31による記録再生チャネルのモデルとして、記録再生部12に供給されるNRZ符号における0を+1に、1を−1にマッピングし、PR1(Partial Response Class−I:パーシャルレスポンスクラス1)の伝達関数を、遅延演算子をDとして、H(D)=(1+D)/2とする。
【0026】
(1+D)のx乗の等化は、再生信号の高周波数帯域の雑音を抑圧するため、記録再生装置において、良好な信号対雑音比を与えることが知られている。(1+D)のx乗の等化において、x=1、すなわち、1+Dの等化は、一般的にPR1等化と称されている。PR1等化方式は、例えば、3.8mmおよび8mmテープストリーマ磁気記録再生装置などにおいて実用化されている。
【0027】
図3は、d=2の制限を取り入れた場合の、プリコーダ付きPR1チャネルの状態遷移図である。すなわち、ここでは、NRZ符号における0を+1に、1を−1にマッピングし、PR1の伝達関数は、遅延演算子をDとして、H(D)=(1+D)/2とした。また、矢印に付したラベルの斜線の前のシンボルは、符号ビットを示し、斜線の後のシンボルは、チャネル出力を示す。
【0028】
すなわち、図3の状態遷移図に示されるように、PR等化処理部31から出力される、周波数特性を持ったチャネルの再生出力は、状態S0における “0”の符号ビットに対して、(+1)が出力されて、状態が状態S0のままとされ、状態S0における“1”の符号ビットに対して、(0)が出力されて、状態が状態S4に遷移される。
【0029】
BCJR検出部32は、BCJRアルゴリズムを用いて、符号検出を実行し、RLL復号部33に供給する。すなわち、BCJR検出部32は、図3に示される状態遷移図に対応した、図4に示されるプリコーダ付きPR1チャネルのトレリスを用いて、符号の検出を行う。
【0030】
すなわち、図4のトレリスは、図3の状態遷移図に対応するものである。図4のトレリスにおいて、実線矢印は、入力された符号ビットが0であった場合の状態遷移を示す矢印であり、点線矢印は、入力された符号ビットが1であった場合の状態遷移を示す矢印である。また、矢印に付したラベルにおいて、斜線の前後のシンボルは、入力された符号ビットと出力されるチャネル出力とをそれぞれ示す。
【0031】
そして、RLL復号部33は、図2に示される状態遷移図に対応した、図5に示されるトレリスを用いて、SISOのRLL復号処理(FBA decoder for trellis)を実行し、LDPC復号部34に供給する。すなわち、図5のトレリスは、図2の状態遷移図に対応するものである。
【0032】
図5のトレリスにおいて、実線矢印は、入力された情報ビットが0であった場合の状態遷移を示す矢印であり、点線矢印は、入力された情報ビットが1であった場合の状態遷移を示す矢印である。また、矢印に付したラベルにおいて、斜線の前後のシンボルは、入力された情報ビットと出力される符号ビットをそれぞれ示す。
【0033】
そして、LDPC復号部34は、供給された信号を、LDPC復号し、情報ビットを出力する。
【0034】
図1を用いて説明した記録再生装置1の復号部13においては、BCJRによりPRチャネルから記録符号列を検出し、RLLにより記録符号列を復号する場合について説明したが、例えば、スライディングブロックウィンドウを用いた場合においても、同様にして、記録符号列を復号することが可能となる。
【0035】
【発明が解決しようとする課題】
従来、RLL符号やMTR符号が組織符号であることを利用した符号化が提案されていたが、現実のRLL符号やMTR符号は、高符号化率を達成するために、組織符号とはならない場合が多い。
【0036】
また、従来、図1を用いて説明したように、エンコーダの状態遷移図からトレリスを構成し、FBAを適用する方法(FBA decoder for trellis)を利用して、PR特性に等化した符号系列の検出とRLLの復号を別処理によって行うようになされていたが、このようにした場合、RLL復号部33の処理において、符号系列の隣り合うビット間の干渉を利用することができない。
【0037】
このように、符号の検出とRLLの復号を別処理によって行う従来の方法よりも、復号後のデータのエラーレートを更に改善することが求められている。
【0038】
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、復号処理におけるエラーレートを改善することができるようにするものである。
【0039】
【課題を解決するための手段】
本発明の復号装置は、第1の有限状態遷移表と符号間干渉を組み合わせた第2の有限状態遷移表に対応するトレリスを用いて、符号化データの復号処理を実行する第1の復号手段を備えることを特徴とする。
【0040】
第1の有限状態遷移表は、(2,7)RLLの変換規則に対応した状態遷移表であるものとすることができる。
【0041】
第1の有限状態遷移表は、(1,7)RLLの変換規則に対応した状態遷移表であるものとすることができる。
【0042】
符号間干渉は、パーシャルレスポンス等化方式に基づくものであるものとすることができる。
【0043】
符号化データは、LDPC符号、または、ターボ符号により、更に符号化されたデータであるものとすることができ、第1の復号手段により復号された情報の供給を受け、LDPC符号、または、ターボ符号を復号する第2の復号手段を更に備えさせるようにすることができる。
【0044】
第1の有限状態遷移表で記述される方法により符号化され、所定の記録媒体に記録された符号化データを再生する再生手段を更に備えさせるようにすることができ、第1の復号手段には、再生手段により再生された符号化データを、第2の有限状態遷移表に対応するトレリスを用いて復号させるようにすることができる。
【0045】
第1の有限状態遷移表で記述される方法により符号化され、所定の通信路に伝送された符号化データを受信する受信手段を更に備えさせるようにすることができ、第1の復号手段には、受信手段により受信された符号化データを、第2の有限状態遷移表に対応するトレリスを用いて復号させるようにすることができる。
【0046】
本発明の復号方法は、符号化データを取得する取得ステップと、第1の有限状態遷移表と符号間干渉を組み合わせた第2の有限状態遷移表に対応するトレリスを用いて、取得ステップの処理により取得された符号化データの復号処理を実行する復号ステップとを含むことを特徴とする。
【0047】
本発明のプログラム格納媒体に格納されているプログラムは、符号化データを取得する取得ステップと、第1の有限状態遷移表と符号間干渉を組み合わせた第2の有限状態遷移表に対応するトレリスを用いて、取得ステップの処理により取得された符号化データの復号処理を実行する復号ステップとを含むことを特徴とする。
【0048】
本発明のプログラムは、符号化データを取得する取得ステップと、第1の有限状態遷移表と符号間干渉を組み合わせた第2の有限状態遷移表に対応するトレリスを用いて、取得ステップの処理により取得された符号化データの復号処理を実行する復号ステップとを含むことを特徴とする。
【0049】
本発明の復号装置および復号方法、並びにプログラムにおいては、符号化データが第1の有限状態遷移表と符号間干渉を組み合わせた第2の有限状態遷移表に対応するトレリスを用いて復号される。
【0050】
本発明の記録再生装置は、情報系列を、第1の有限状態遷移表で記述される方法により符号化する符号化手段と、符号化手段により符号化されたデータを、所定の記録媒体に記録、または再生する記録再生手段と、第1の有限状態遷移表と符号間干渉を組み合わせた第2の有限状態遷移表に対応するトレリスを用いて、記録再生手段により再生された符号化データの復号処理を実行する復号手段とを備えることを特徴とする。
【0051】
本発明の記録再生装置においては、情報系列が、第1の有限状態遷移表で記述される方法により符号化され、符号化されたデータが、所定の記録媒体に記録、または再生され、第1の有限状態遷移表と符号間干渉を組み合わせた第2の有限状態遷移表に対応するトレリスが用いられて、再生された符号化データが復号される。
【0052】
【発明の実施の形態】
以下、図を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
【0053】
図6は、本発明を適用した記録再生装置101の構成を示すブロック図である。なお、従来の場合と対応する部分には同一の符号を付してあり、その説明は適宜省略する。
【0054】
すなわち、図6の記録再生装置101は、復号部13に代わって復号部111が備えられている以外は、図1を用いて説明した記録再生装置1と同様の構成を有している。
【0055】
符号化部11は、供給された情報系列を符号化し、記録再生部12は、装着された、または、内部に設けられた記録媒体に、供給された符号系列を記録するとともに、記録媒体から、符号化データ(符号系列)を読み出し、復号部111に供給する。復号部111は、PR等化処理部31、PR・RLL検出復号部121およびLDPC復号部34で構成され、供給された符号化データを復号することができるようになされている。
【0056】
また、記録再生部12および復号部111により、記録媒体に記録されている符号化データを再生して復号する復号装置を構成するようにしてもよいことは言うまでもない。
【0057】
また、図7に、本発明を適用した符号化データの伝送システムを示すブロック図を示す。図7に示されるように、図6の記録再生装置101の符号化部11と同様の構成を有する符号化装置131によって符号化された符号化データを、例えば、無線やケーブル、または、光ファイバなどの通信路133を介して伝送し、復号装置132によって、受信した伝送データを復号することができるようにする場合においても、復号装置132は、図6の復号部111と同様の復号処理を実行することができる。
【0058】
図7の復号装置132は、無線やケーブル、または、光ファイバなどの通信路133を介して伝送された符号化データを取得し、PR・RLL検出復号部121に供給するデータ取得部141を新たに備えている以外は、図6の記録再生装置101の復号部111と同様の構成を有する
【0059】
なお、PRチャネルの出力をデジタルデータに変換することなどにより、例えば、インターネットやLAN(Local Area Network)などを介して情報を伝送し、受信側で、デジタルデータをPRチャネル出力の値として、復号するようにすることも可能である。
【0060】
なお、図6の記録再生装置101、並びに、図7の符号化装置131および復号装置132においては、LDPC符号に代わって、ターボ符号を用いて記録再生処理を行うようにしてもよい。その場合、符号化部11または符号化装置131においては、LDPC符号化部21に代わって、ターボ符号化を行うターボ符号化部を備えるようにし、復号部111または復号装置132においては、LDPC復号部121に代わって、ターボ符号を復号するターボ符号復号部を備える用にすればよい。
【0061】
次に、図6および図7のPR・RLL検出復号部121が実行する復号処理について、図1を用いて説明した、従来の記録再生装置1の復号部13において実行される、図2の状態遷移図および図5のトレリスに基づいて実行される復号処理と比較することにより説明する。
【0062】
図8は、図2の状態遷移図と等価な状態遷移表である。第1列は状態名を表し、第2列は、第1列の状態を始点として、情報ビット“0”が与えられた場合の符号ビットおよび状態の遷移先を示し、第3列は、第1列の状態を始点として、情報ビット“1”が与えられた場合の符号ビットおよび状態の遷移先を示す。すなわち、RLL符号化部22は、(2,7)RLL符号のエンコードを行う場合、図8に示される状態遷移表に基づいて、RLL符号化を実行するので、従来の記録再生装置1の復号部13は、図8の状態遷移表に対応するトレリスである図5のトレリスを用いて、検出された符号を復号する。
【0063】
図9は、PR・RLL検出復号部121が実行する復号処理において用いられる状態遷移表であり、(2,7)RLL符号のエンコードと、プリコーダつきPR1チャネルとを組み合わせた状態遷移表である。第1列は状態名を表し、第2列は、第1列の状態を始点として、情報ビット“0”が与えられた場合のチャネル出力および状態の遷移先を示し、第3列は、第1列の状態を始点として、情報ビット“1”が与えられた場合のチャネル出力および状態の遷移先を示す。
【0064】
図9の状態遷移表における状態S0乃至状態S9は、図8の状態遷移表で示される状態S0乃至状態S4の5状態を、直前のNRZ符号の値に基づいて2分割した(10状態とした)ものに対応する。すなわち、図9の状態遷移表における状態S0乃至状態S4は、図8の状態遷移表において、直前のNRZ符号が0の場合に対応し、図9の状態遷移表における状態S5乃至状態S9は、図8の状態遷移表において、直前のNRZ符号が1の場合に対応する。
【0065】
また、図9の状態遷移表における各入力に対する状態の遷移先は、極性が反転されるか否かに基づいて、図8における場合の遷移先から変更されるか否かが決められる。すなわち、図9の状態遷移表における、各入力に対する状態の遷移先を、図8の状態遷移表における情報の遷移先と比較することにより示されるように、状態S0乃至状態S4においては、図8における極性が反転しない組合せ(符号ビット“00”に対応)において、遷移先を、NRZ符号が0の状態(状態S0乃至状態S4)とし、極性が1度だけ反転する組合せ(符号ビットが“01”、“10”に対応)においては、遷移先を、NRZ符号が1の状態(状態S5乃至状態S9)としている。また、状態S5乃至状態S9においては、図8における極性が反転しない組合せにおいて、遷移先を、NRZ符号が1の状態(状態S5乃至状態S9)とし、極性が1度だけ反転する組合せにおいては、遷移先を、NRZ符号が0の状態(状態S0乃至状態S4)としている。
【0066】
すなわち、図6および図7のPR・RLL検出復号部121は、図9の状態遷移表に対応する図10のトレリスを用いたビタビ復号器、またはAPP検出器により構成され、供給された符号を復号する。
【0067】
ここで、図10のトレリスにおいては、実線矢印は、入力された情報ビットが0であった場合の状態遷移を示す矢印であり、点線矢印は、入力された情報ビットが1であった場合の状態遷移を示す矢印である。また、矢印に付したラベルは、チャネル出力を示す。
【0068】
このPR・RLL検出復号部121を構成するAPP検出器は、具体的には、例えば、MAPアルゴリズム、Log−MAPアルゴリズム、Max−Log−MAPアルゴリズム、または、SOVA(Soft output Viterbi Algorithm)などを用いて構成される。APP検出器からは、情報ビット“0”に対応した事後確率p(0)、および、情報ビット“1”に対応した事後確率p(1)を得ることができる。
【0069】
また、LDPC復号部34による復号処理は、例えば、繰り返し回数を10回とし、メッセージパッシングアルゴリズムを用いるものとする。
【0070】
図11に、本発明を適用した場合と、従来のFBAデコーダを用いた場合におけるそれぞれの復号結果を、更に、繰り返し回数を10回とし、メッセージパッシングアルゴリズムを用いるLDPC復号部34により復号することによって得られた情報系列のビットエラーレートを示す。図11において、縦軸はビットエラーレートを示し、横軸は信号対雑音電力比を示す。また、図11において、実線は、本発明を適用した場合におけるビットエラーレートであり、点線は、従来のFBAデコーダを用いた場合のビットエラーレートである。
【0071】
図11において、実線で示されるビットエラーレートは、点線で示されるビットエラーレートより、全ての信号対雑音電力比において低い値を有しているので、本発明を適用した場合、従来における復号処理よりもビットエラーレートが減少しているということが言える。
【0072】
図6乃至図11を用いて説明した例においては、(2,7)RLL符号のエンコーダと、プリコーダつきPR1チャネルとを組み合わせた場合について説明したが、本発明は、最小ラン制限の最小値および最大値の値がこれ以外であっても適用することができる。
【0073】
(2,7)RLL符号以外のRLL符号をプリコーダつきPR1チャネルとを組み合わせる場合の例として、(1,7)RLL符号とプリコーダつきPR1チャネル検出とを組み合わせる場合について説明する。
【0074】
すなわち、図6または図7のRLL符号化部22が、(1,7)RLLの変換規則に基づいて符号化処理を実行する場合において、図6または図7のPR等化処理部31は、PR1等化処理を行い、PR・RLL検出復号部121は、符号化率2:3の(1,7)RLL符号と、プリコーダつきPR1チャネルとを組み合わせた状態遷移表に対応するトレリスを用いて、供給された符号化データの復号を実行する。
【0075】
図12は、符号化率2:3の(1,7)RLL符号が用いられた場合の符号化を記述した5状態の状態遷移図である。矢印に付したラベルで、斜線の前後のシンボルで示される入力された情報ビットと出力される符号ビットは、符号化率2:3であるので、斜線の前に2シンボル、斜線の後に3シンボルとなる。
【0076】
例えば、図1を用いて説明したRLL符号化部22が、(1,7)RLL符号によって符号化を実行する場合、図12の5状態の状態遷移図に示されるように、例えば、状態S1において、“00”が入力されたとき、符号(100)が出力されて、状態が状態S0に遷移され、状態S1において、“11”が入力されたとき、符号(100)が出力されて、状態が状態S3に遷移される。
【0077】
図13は、図12の状態遷移図と等価な状態遷移表である。第1列は状態名を表し、第2列は、第1列の状態を始点として、情報ビット“00”が与えられた場合の符号ビットおよび状態の遷移先を示し、第3列は、第1列の状態を始点として、情報ビット“01”が与えられた場合の符号ビットおよび状態の遷移先を示し、第4列は、第1列の状態を始点として、情報ビット“10”が与えられた場合の符号ビットおよび状態の遷移先を示し、第5列は、第1列の状態を始点として、情報ビット“11”が与えられた場合の符号ビットおよび状態の遷移先を示す。
【0078】
すなわち、図1を用いて説明したRLL符号化部22は、(1,7)RLL符号のエンコードを行う場合、図13に示される状態遷移表に基づいて、RLL符号化を実行するので、従来の記録再生装置1の復号部13は、図13の状態遷移表に対応するトレリスを用いて、検出された符号を復号する。
【0079】
図14は、d=1の制限を取り入れた場合の、プリコーダ付きPR1チャネルの状態遷移図である。ここでは、NRZにおける0を+1に、1を−1にマッピングし、PR1の伝達関数は、遅延演算子をDとして、H(D)=(1+D)/2とした。
【0080】
例えば、図1のBCJR検出部32が、図14の状態遷移図に基づいて符号検出を行う場合、状態S0における“0”の符号ビットに対して、(+1)がチャネル出力されて、状態が状態S0のままとされ、状態S0における“1”の符号ビットに対して、(0)がチャネル出力されて、状態が状態S3に遷移される。
【0081】
図15は、(1,7)RLLの変換規則に基づいて符号化され、PR1チャネル出力からデータを復号する場合に、PR・RLL検出復号部121が実行する復号処理において用いられる状態遷移表であり、(1,7)RLL符号のエンコードと、プリコーダつきPR1チャネルとを組み合わせた状態遷移表である。第1列は状態名を表し、第2列は、第1列の状態を始点として、情報ビット“00”が与えられた場合のチャネル出力および状態の遷移先を示し、第3列は、第1列の状態を始点として、情報ビット“01”が与えられた場合のチャネル出力および状態の遷移先を示し、第4列は、第1列の状態を始点として、情報ビット“10”が与えられた場合のチャネル出力および状態の遷移先を示し、第5列は、第1列の状態を始点として、情報ビット“11”が与えられた場合のチャネル出力および状態の遷移先を示す。
【0082】
図15の状態遷移表における状態S0乃至状態S9は、図13の状態遷移表で示される状態S0乃至状態S4の5状態を、直前のNRZ符号の値に基づいて2分割した(10状態とした)ものに対応する。すなわち、図15の状態遷移表における状態S0乃至状態S4は、図13の状態遷移表において、直前のNRZ符号が0の場合に対応し、図15の状態遷移表における状態S5乃至状態S9は、図13の状態遷移表において、直前のNRZ符号が1の場合に対応する。
【0083】
また、図9を用いて説明した場合と同様にして、図15の状態遷移表においても、各入力に対する状態の遷移先は、極性が反転されるか否かに基づいて、図13における場合の遷移先から変更されるか否かが決められる。すなわち、図15の状態遷移表における、各入力に対する状態の遷移先を、図13の状態遷移表における情報の遷移先と比較することにより示されるように、状態S0乃至状態S4においては、図13における極性が偶数回反転する組合せ(符号ビット“000”、“101”に対応)において、遷移先を、NRZ符号が0の状態(状態S0乃至状態S4)とし、極性が奇数回反転する組合せ(符号ビットが“001”、“010”、“100”に対応)において、遷移先を、NRZ符号が1の状態(状態S5乃至状態S9)としている。また、状態S5乃至状態S9においては、図13における極性が偶数回反転する組合せにおいて、遷移先を、NRZ符号が1の状態(状態S5乃至状態S9)とし、極性が奇数回反転する組合せにおいて、遷移先を、NRZ符号が0の状態(状態S0乃至状態S4)としている。
【0084】
すなわち、図6および図7のPR・RLL検出復号部121は、(1,7)RLLの変換規則に基づいて符号化された符号化データのチャネル出力を復号する場合、図15の状態遷移表に対応する図16のトレリスを用いたビタビ復号器、またはAPP検出器により構成される。
【0085】
ここで、図16のトレリスにおいては、実線は、入力された情報ビットが00であった場合の状態遷移を示す矢印であり、点線は、入力された情報ビットが01であった場合の状態遷移を示し、1点鎖線は、入力された情報ビットが01であった場合の状態遷移を示す矢印であり、2点鎖線は、入力された情報ビットが11であった場合の状態遷移を示す。なお、図16では、チャネル出力の値の記載を省略しているが、それぞれの状態において、入力された情報ビットに対応するチャネル出力の関係は、図15の状態遷移表に記載されているとおりである。
【0086】
すなわち、図6および図7のPR・RLL検出復号部121は、図15の状態遷移表に対応する図16のトレリスを用いて、情報ビット2ビットごとの事後確率を求めることができ、その結果を用いて、それぞれのビットに関して事後確率p(0),p(1)を求めることができる。
【0087】
図17に、(1,7)RLLの変換規則に基づいて符号化され、PR1チャネル出力から、データを復号するという条件において、本発明を適用して復号処理を実行した場合、従来のFBAデコーダを用いて復号を実行した場合、および、スライディングブロックウィンドウを用いて復号を実行した場合のそれぞれの復号結果を、更に、繰り返し回数を10回とし、メッセージパッシングアルゴリズムを用いるLDPC復号部34により復号することにより得られた情報系列のビットエラーレートを示す。図17において、縦軸はビットエラーレートを示し、横軸は信号対雑音電力比を示す。
【0088】
図17において、実線は、本発明を適用した場合におけるビットエラーレートであり、点線は、従来のFBAデコーダを用いた場合のビットエラーレートであり、1点鎖線は、従来のスライディングブロックウィンドウを用いた場合のビットエラーレートである。実線で示されるビットエラーレートは、点線および1点鎖線で示されるビットエラーレートより、全ての信号対雑音電力比において低い値を有しているので、本発明を適用した場合、従来における場合よりもビットエラーレートが減少しているということが言える。
【0089】
次に、図18のフローチャートを参照して、図6および図7のPR・RLL検出復号部121が実行する復号処理について説明する。
【0090】
ステップS1において、PR等化処理部31は、記録再生部12に装着された記録媒体、または、内部に備えられている記録媒体から再生された符号化データ、もしくは、通信路133を介して伝送され、データ取得部141により取得された符号化データを取得して、等化処理を施し、PR・RLL検出復号部121に供給する。
【0091】
ステップS2において、PR・RLL検出復号部121は、符号化部11または符号化装置131が実行した符号化方式に対応するラン制限およびPR特性を満たすトレリスを用いて、ステップS1において供給されたチャネル出力に対して、復号処理を実行する。
【0092】
ここで、ステップS2において用いられるトレリスは、例えば、(2,7)RLLの変換規則に基づいて符号化された符号を復号する場合、図10を用いて説明したトレリスであり、(1,7)RLLの変換規則に基づいて符号化された符号を復号する場合、図16を用いて説明したトレリスである。
【0093】
ステップS3において、PR・RLL検出復号部121は、ステップS2の処理により復号された情報系列を出力して、処理が終了される。例えば、PR・RLL検出復号部121が、APP検出器で構成されている場合、情報ビット“0”に対応した事後確率p(0)、および、情報ビット“1”に対応した事後確率p(1)の検出データが出力されて、処理が終了される。
【0094】
ステップS3において出力されたデータは、例えば、LDPC復号部34においてLDPC復号されるが、例えば、ステップS1において取得された符号化データが、LDPC符号ではなく、ターボ符号により符号化されていた場合、ステップS3において出力されたデータは、ターボ符号を復号する復号処理部に出力されて、復号される。
【0095】
このような処理により、図11または図17を用いて説明したように、従来における場合よりも、低ビットエラーレートで復号処理を実行することができる。
【0096】
上述した一連の処理は、ソフトウェアにより実行することもできる。そのソフトウェアは、そのソフトウェアを構成するプログラムが、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータ、または、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能な、例えば汎用のパーソナルコンピュータなどに、記録媒体からインストールされる。
【0097】
図19は、上記処理を実行するパーソナルコンピュータ151の構成例を表している。パーソナルコンピュータ151のCPU(Central Processing Unit)161は、ROM(Read Only Memory)162に記憶されているプログラム、またはHDD168からRAM(Random Access Memory)163にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。RAM163にはまた、CPU161が各種の処理を実行する上において必要なデータなども適宜記憶される。
【0098】
CPU161、ROM162、およびRAM163は、内部バス164を介して相互に接続されている。この内部バス164にはまた、入出力インタフェース165も接続されている。
【0099】
入出力インタフェース165には、キーボード、マウスなどよりなる入力部167、CRT(Cathode Ray Tube)、LCD(Liquid Crystal Display)などよりなり、画像やテキストなどを表示するディスプレイ、および、音声を出力するスピーカなどよりなる出力部166、情報を記録再生するハードディスク(HDD)168、モデム、ターミナルアダプタなどより構成されるネットワークインターフェース170が接続されている。ネットワークインターフェース170は、例えば、インターネットなどのネットワークを介しての通信処理を行う。
【0100】
入出力インタフェース165にはまた、必要に応じてドライブ169が接続され、磁気ディスク171、光ディスク172、光磁気ディスク173、もしくは半導体メモリ174などが適宜装着され、それらから読み出されたコンピュータプログラムが、必要に応じてHDD168にインストールされる。
【0101】
上述した一連の処理を実行するプログラムを記録する記録媒体は、図19に示されるように、コンピュータとは別に、ユーザにプログラムを提供するために配布される、プログラムが記録されている磁気ディスク171(フレキシブルディスクを含む)、光ディスク172(CD−ROM(Compact Disk−Read Only Memory),DVD(Digital Versatile Disk)を含む)、光磁気ディスク173(MD(Mini−Disk)(商標)を含む)、もしくは半導体メモリ174などよりなるパッケージメディアなどにより構成される。
【0102】
また、本明細書において、記録媒体に記録されるプログラムを記述するステップは、記載された順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。
【0103】
【発明の効果】
このように、本発明によれば、符号化データを復号することができる。特に、(2,7)RLLや、(1,7)RLLなどの変換規則に対応した有限状態遷移表と、PR1などの符号間干渉を組み合わせた有限状態遷移表に対応するトレリスを用いて、符号化データの復号処理を実行することができる。
【0104】
また、他の本発明によれば、RLL変換規則によって符号化されたデータを記録再生することができる他、符号化データを再生して、RLL変換規則に対応した有限状態遷移表と、符号間干渉を組み合わせた有限状態遷移表に対応するトレリスを用いて、再生された符号化データの復号処理を実行することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の記録再生装置の構成を示すブロック図である。
【図2】(2,7)RLL符号を用いて符号化する場合の5状態の状態遷移図である。
【図3】d=2の制限を有する、プリコーダ付きのPR1チャネルの状態遷移図である。
【図4】d=2の制限を有する、プリコーダ付きのPR1チャネルのトレリス線図である。
【図5】(2,7)RLL符号に対応する場合のトレリス線図である。
【図6】本発明を適用した記録再生装置の構成を示すブロック図である。
【図7】本発明を適用した復号装置と、符号化データ伝送システムの構成を示すブロック図である。
【図8】(2,7)RLL符号を用いて符号化する場合の5状態の状態遷移表を説明するための図である。
【図9】図6または図7のPR・RLL検出復号部において用いられる、(2,7)RLL符号に対応する状態遷移表を説明するための図である。
【図10】図9の状態遷移表に対応するトレリス線図である。
【図11】従来の復号処理結果と、図9の状態遷移表に基づいて実行される復号処理結果とのビットエラーレートの比較について説明するための図である。
【図12】(1,7)RLL符号を用いて符号化する場合の5状態の状態遷移図である。
【図13】(1,7)RLL符号を用いて符号化する場合の5状態の状態遷移表を説明するための図である。
【図14】d=1の制限を有する、プリコーダ付きのPR1チャネルの状態遷移図である。
【図15】図6または図7のPR・RLL検出復号部において用いられる、(1,7)RLL符号に対応する状態遷移表を説明するための図である。
【図16】図15の状態遷移表に対応するトレリス線図である。
【図17】従来の復号処理結果と、図15の状態遷移表に基づいて実行される復号処理結果とのビットエラーレートの比較について説明するための図である。
【図18】図6または図7のPR・RLL検出復号部が実行する処理について説明するフローチャートである。
【図19】パーソナルコンピュータの構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
11 符号化部, 12 記録再生部, 101 記録再生装置, 111 復号部, 121 PR・RLL検出復号部, 132 復号装置, 141 データ取得部
Claims (11)
- 第1の有限状態遷移表で記述される方法により、情報系列が符号化されて生成された符号化データを復号する復号装置において、
前記第1の有限状態遷移表と符号間干渉を組み合わせた第2の有限状態遷移表に対応するトレリスを用いて、前記符号化データの復号処理を実行する第1の復号手段
を備えることを特徴とする復号装置。 - 前記第1の有限状態遷移表は、(2,7)RLLの変換規則に対応した状態遷移表である
ことを特徴とする請求項1に記載の復号装置。 - 前記第1の有限状態遷移表は、(1,7)RLLの変換規則に対応した状態遷移表である
ことを特徴とする請求項1に記載の復号装置。 - 前記符号間干渉は、パーシャルレスポンス等化方式に基づくものである
ことを特徴とする請求項1に記載の復号装置。 - 前記符号化データは、LDPC符号、または、ターボ符号により、更に符号化されたデータであり、
前記第1の復号手段により復号された情報の供給を受け、前記LDPC符号、または、前記ターボ符号を復号する第2の復号手段を更に備える
ことを特徴とする請求項1に記載の復号装置。 - 前記第1の有限状態遷移表で記述される方法により符号化され、所定の記録媒体に記録された前記符号化データを再生する再生手段を更に備え、
前記第1の復号手段は、前記再生手段により再生された前記符号化データを、前記第2の有限状態遷移表に対応するトレリスを用いて復号する
ことを特徴とする請求項1に記載の復号装置。 - 前記第1の有限状態遷移表で記述される方法により符号化され、所定の通信路に伝送された前記符号化データを受信する受信手段を更に備え、
前記第1の復号手段は、前記受信手段により受信された前記符号化データを、前記第2の有限状態遷移表に対応するトレリスを用いて復号する
ことを特徴とする請求項1に記載の復号装置。 - 第1の有限状態遷移表で記述される方法により、情報系列が符号化されて生成された符号化データを復号する復号装置の復号方法であって、
前記符号化データを取得する取得ステップと、
前記第1の有限状態遷移表と符号間干渉を組み合わせた第2の有限状態遷移表に対応するトレリスを用いて、前記取得ステップの処理により取得された前記符号化データの復号処理を実行する復号ステップと
を含むことを特徴とする復号方法。 - 第1の有限状態遷移表で記述される方法により、情報系列が符号化されて生成された符号化データを復号する処理をコンピュータに実行させるプログラムであって、
前記符号化データを取得する取得ステップと、
前記第1の有限状態遷移表と符号間干渉を組み合わせた第2の有限状態遷移表に対応するトレリスを用いて、前記取得ステップの処理により取得された前記符号化データの復号処理を実行する復号ステップと
を含むことを特徴とするコンピュータが読み取り可能なプログラムが記録されているプログラム格納媒体。 - 第1の有限状態遷移表で記述される方法により、情報系列が符号化されて生成された符号化データを復号する処理をコンピュータに実行させるプログラムであって、
前記符号化データを取得する取得ステップと、
前記第1の有限状態遷移表と符号間干渉を組み合わせた第2の有限状態遷移表に対応するトレリスを用いて、前記取得ステップの処理により取得された前記符号化データの復号処理を実行する復号ステップと
を含むことを特徴とするプログラム。 - 情報系列を、第1の有限状態遷移表で記述される方法により符号化する符号化手段と、
前記符号化手段により符号化されたデータを、所定の記録媒体に記録、または再生する記録再生手段と、
前記第1の有限状態遷移表と符号間干渉を組み合わせた第2の有限状態遷移表に対応するトレリスを用いて、前記記録再生手段により再生された前記符号化データの復号処理を実行する復号手段と
を備えることを特徴とする記録再生装置。
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