JP2004253928A - アンテナ内蔵マンホール鉄蓋 - Google Patents
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Abstract
【課題】本来のアンテナの有する利得性能や指向性能を出来るだけ損失させることなく、マンホール蓋にアンテナを収容せしめる構造を提供すること。
【解決手段】マンホール鉄蓋8の上面に開口するアンテナ収容凹所20内に、送受信アンテナ10を、横置きにして、地上面より20mm以内の深さから信号の送受信が行われ得るように配置せしめ、更に、凹所20内壁より15mm以上離隔して、保持する一方、かかる凹所20の開口部を、比誘電率が5以下の材質からなる剛性のある保護カバー24にて覆蓋した。
【選択図】 図2
【解決手段】マンホール鉄蓋8の上面に開口するアンテナ収容凹所20内に、送受信アンテナ10を、横置きにして、地上面より20mm以内の深さから信号の送受信が行われ得るように配置せしめ、更に、凹所20内壁より15mm以上離隔して、保持する一方、かかる凹所20の開口部を、比誘電率が5以下の材質からなる剛性のある保護カバー24にて覆蓋した。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【技術分野】
本発明は、アンテナを内蔵したマンホール鉄蓋に係り、特に、アンテナによる無線通信をより確実に行なうことが出来るアンテナ内蔵マンホール鉄蓋の構造に関するものである。
【0002】
【背景技術】
従来から、地中には、上下水道管やガス管、電力・通信ケーブル等のインフラが整備されてきているが、特に、近年になって、それらの設備がより充実度を増し、四方八方に張り巡らされるようになってきている。しかしながら、その反面では、それら地中埋設物の維持管理が、より煩雑さを増してきているのが実情であり、具体的には、上下水道管においては漏水や流量、ガス管においてはガス漏れ、電力・通信ケーブルにおいては漏電、断線等の異常時の状態を検知し、監視している必要がある。
【0003】
このため、それらのデータを収集して監視する機能として、マンホール内に測定機器や監視機器を設置するケースが増えてきており、そしてそれらの機器で求められたデータを取得する場合においては、監視員がマンホール内に入って、それらのデータを得るという手法が採用されている。しかして、このような人手によるデータの採取作業は、非常に面倒であり、しかも時間がかかり、マンホール内の状況を迅速に把握して、適切な対策を講じるには不都合なものであった。このため、よりよいデータ採取手段として、地上からそれらのデータを得るようにする手段も近年では考えられてきている。
【0004】
例えば、特開昭55−30050号公報においては、FRP等の絶縁物で形成されたマンホール蓋の裏側に送受信機を取り付け、送信アンテナは、そのマンホール蓋に埋め込んだ態様において設けてなる構造が明らかにされており、また、特開平5−227073号公報には、マンホール蓋の一部を誘電体化して、その誘電体中に送信アンテナを設置してなる構造が明らかにされ、更に、実開平5−83053号公報には、鋳鉄製のフレーム内において、一対の誘電体皮膜にてアンテナ素子を挟み込んでなる構造が明らかにされている。更にまた、特開平7−143631号公報には、マンホール蓋を二重蓋構造とし、その中蓋にアンテナ機能を持たせるようにした構成が示され、加えて、特開平11−66484号公報には、マンホール蓋に簡単な加工を加えるだけで、蓋強度を低下させることなく、マンホール蓋にアンテナ機能を持たせることが出来るマンホール蓋アンテナ装置が提案されている。
【0005】
このように、地下埋設物の状態のモニタリング結果を送信する地中の通信手段と、マンホール蓋に取り付けたアンテナとを組み合わせることによって、無線通信網を形成することを目的として、マンホール蓋にアンテナ素子を埋め込んでなる構造が、従来から検討されてきているのであるが、上記した従来の例にあっては、加工によるマンホール蓋の強度低下や、マンホール蓋の構造の大幅な変更が必要となるという問題があり、また、アンテナの調節及び設置方法に関しては、充分に考慮されていないものであった。
【0006】
また、特に、アンテナをマンホール鉄蓋に設置するにあたっては、それを構成する比誘電率の高い鋳鉄素材中に収納することとなるところから、アンテナそのものの有する利得性能及び指向性能が低下するようになり、通信機能の低下を招く恐れが充分にあるために、その収納方法については、より慎重に検討する必要があるのである。
【0007】
【特許文献1】
特開昭55−30050号公報
【特許文献2】
特開平5−227073号公報
【特許文献3】
実開平5−83053号公報
【特許文献4】
特開平7−143631号公報
【特許文献5】
特開平11−66484号公報
【0008】
【解決課題】
ここにおいて、本発明は、かかる事情に鑑みて為されたものであって、その課題とするところは、本来のアンテナが有する利得性能や指向性能を出来るだけ損失させることなく、マンホール蓋に収納するようにした構造を採用することで、アンテナによる無線通信をより確実に行なうことが出来る装置を提供することにある。
【0009】
【解決手段】
そして、本発明にあっては、かくの如き技術的課題を解決するために、マンホール鉄蓋の上面に開口するようにアンテナ収容凹所を設け、該凹所内に所定の送受信アンテナを収容して、マンホール内に設置された機器に接続し得るように構成したマンホール鉄蓋において、かかる送受信アンテナを、横置きにして、地上面より20mm以内の深さから信号の送受信が行なわれ得るように前記凹所内に配置せしめ、且つ前記凹所内壁より15mm以上離隔せしめて、保持する一方、該凹所の開口部を、比誘電率が5以下の材質からなる剛性のある保護カバーにて覆蓋したことを特徴とするアンテナ内蔵マンホール鉄蓋を、その要旨とするものである。
【0010】
このように、本発明に従うアンテナ内蔵マンホール鉄蓋にあっては、送受信アンテナが、横置きにされた形態において、マンホール鉄蓋の上面開口凹所内に地上面より20mm以内の深さから信号が送受信されるようにした状態において、鉄蓋外部に臨むように配置され、更に、鉄蓋に設けた凹所の内壁より15mm以上離隔した形態において保持されると共に、比誘電率が5以下の材質からなる、剛性のある保護カバーにて凹所開口部が覆蓋せしめられているところから、アンテナの利得性能や指向性能の損失が、可及的に回避され得ることとなり、以て、良好な通信機能を確保し得ることとなったのであり、しかも、鉄蓋上面に開口する開口部が、剛性のある保護カバーにて覆蓋されていることによって、車両等の重量物が通過しても、内部のアンテナは効果的に保護され得ることとなるのである。
【0011】
因みに、金属は電波を遮蔽してしまう性質があり、マンホール鉄蓋においても同様なことが言えるものであるところから、かかるマンホール鉄蓋にアンテナを収容させる場合には、アンテナの利得性能や指向性能を損失させないように、出来るだけ空間部を設けることが望ましいのであるが、そのような空間を大きくすればするほど、鉄蓋としての構造上、強度等に支障をきたす恐れがあり、そのために、双方の要求を充たす形状を考慮する必要があるのである。また、アンテナを収容するために使用される部材乃至は部品においても、鉄蓋と同様に、電波への悪影響を及ぼす可能性があることから、充分に吟味された材料の選択が必要となるのである。このため、本発明にあっては、それらの点を考慮して、アンテナの配設形態を規定すると共に、凹所開口部を覆蓋する保護カバーを、特定の比誘電率を有するものにて構成すると共に、剛性のある、強度の高いものとして用いることとしたのであり、これによって、上記した課題の効果的な解決を図ったものである。
【0012】
なお、かくの如き本発明に従うアンテナ内蔵マンホール鉄蓋の望ましい態様の一つによれば、前記送受信アンテナは、比誘電率が5以下の材質からなる保持体中に埋設されて、前記凹所内に収容せしめられることとなる。そして、このような保持体中へのアンテナの埋設によって、耐衝撃性や防湿性にも優れたものとなり、安全性が高まり、また、外観上においても優れたものとなる。
【0013】
また、本発明に従うアンテナ内蔵マンホール鉄蓋の他の望ましい態様の一つによれば、前記凹所が、前記マンホール鉄蓋の下面に固設された収容箱体によって与えられ、該箱体内部を鉄蓋外部に連通せしめる開口部としての窓部が、該マンホール鉄蓋に設けられている構成が有利に採用される。このように、マンホール鉄蓋の下側に取り付けた収容箱体内にアンテナを収容するようにすれば、マンホール鉄蓋に設けられる凹所開口部としての窓部を、利得性能や指向性能に悪影響をもたらさない程度に小さくすることが出来、これによって、マンホール鉄蓋の構造上における強度を有利に確保することが出来る等という利点を享受することが出来る。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ、本発明の構成について、更に具体的に明らかにすることとする。
【0015】
先ず、図1は、マンホール2の内部の状態(ここでは、水位)をモニタリングするためのシステムの一例を示すものであって、マンホール2のコンクリート製の基礎4上に固設された、鋳物製等のマンホール受け枠6に対して、従来と同様な構造において、鋳物製のマンホール鉄蓋8が嵌合せしめられることにより、かかるマンホール2の開口部が、閉鎖せしめられるようになっている。そして、かかるマンホール鉄蓋8には、アンテナ10が配置され、マンホール2内に設置された水位センサー12による、マンホール2内の水位の検出情報が、通信装置14から出力され、アンテナ10を通じて、無線にて基地局16に送信されて、かかるマンホール2内の状態が監視され得るようになっているのである。
【0016】
ここで、マンホール鉄蓋8には、その中央部において、裏側(下方)に突出するように、凹陥部18が一体的に形成されており、この凹陥部18内の空所が、マンホール鉄蓋8の上面に開口するアンテナ収容凹所20として、形成されている。そして、そのようなアンテナ収容凹所20内に、アンテナ10が横置きにされた形態において、収容され、またそのようなアンテナ10は、凹所20内に充填された発泡スチロールの如き充填物22内に埋設されており、その状態において、更に、凹所20の開口部を覆蓋するように、ポリカーボネート等からなる板状の保護カバー24が、装着されている。
【0017】
ここにおいて、送受信アンテナ10としては、通常のモノポール方式、ダイポール方式、ダイバシティ方式等の各種のアンテナが用いられ得るものであって、そのようなアンテナ10は、そのアンテナ素子が横方向に伸びるように、横置き形態において、凹所20内に収容せしめられることとなるが、その際、そのようなアンテナ20は、地上より20mm以内の深さから電波が送受信され得るように、地上面とアンテナ(素子)10の上面との間の距離:aが20mm以内となるように、配置せしめられていると共に、凹所20の内壁面とアンテナ(素子)10との間の距離:b(ここでは、凹所20の底面との距離にて示されるが、勿論、図2における凹所20の左右の壁面との間の距離や、図2において、紙面に垂直な方向における凹所20の内壁面との間の距離も対象とされることは、言うまでもないところである)が、15mm以上離隔されるようにして、充填物22内に埋設された状態において、凹所20内に保持されているのである。
【0018】
また、そのようなアンテナ10を埋設、保持する充填物22や、板状の保護カバー24は、何れも、本発明に従って、比誘電率が5以下、好ましくは4以下の材質にて構成されており、これによって、アンテナの利得性能等の性能が悪影響を受けないようになっている。
【0019】
なお、そのような比誘電率が5以下の材質としては、プラスチック、例えばポリスチレン、ポリエチレン、ポリアミド、ポリイミド、ポリテトラフルオロエチレン、PPO(ポリフェニレンオキサイド)、エポキシ樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリエステル、フェノール樹脂、シリコン樹脂等や、軟質ゴム、生ゴム、ブチルゴム、シリコンゴムの如きゴム類を挙げることが出来、それらの中から、充填物22や保護カバー24として、適当な材質が適宜に選定されることとなる。具体的には、保護カバー24としては、剛性のある、強度の高い材質が選択され、例えば、ポリカーボネートやアクリル樹脂、ベークライト、エポキシ樹脂等が用いられ、また、充填物22としては、シリコンゴムの如きゴム類や、発泡スチロール樹脂の如き樹脂発泡体が、好適に用いられることとなる。また、それら充填物22と保護カバー24とは、同様な材質にて構成されるものであるところから、それらを一体物として構成することも可能である。そして、その場合においては、例えばプラスチックにて充填物22と保護カバー24とを一体的に成形する手法の他、レジンコンクリート等の材料を凹所20内に注入して、充填物22と共に、保護カバー24を同時に成形するようにすることも可能である。
【0020】
そして、かくの如きアンテナ10のマンホール鉄蓋8に対する配設形態を採用することによって、マンホール鉄蓋による影響を極力回避しつつ、また、マンホール鉄蓋8上を通過する車両等の重量物の影響を避けて、送受信アンテナ10の利得性能や指向性能を有利に確保し得ることとなったのであり、以て、通信機能の向上を有利に達成し得たのである。
【0021】
これに対して、アンテナ10を横置きとしない場合にあっては、指向性能が著しく低下することとなるのであり、また、アンテナ10の上面が、地上面より20mmを越えるような深さにおいて位置せしめられたり、或いは、凹所内壁との距離が15mmよりも少なくなり、凹所内壁面に近接して、アンテナ10が配設されたりした場合にあっては、鉄蓋の影響を受けて、利得性能や指向性能が低下して、通信機能を充分に実現し得なくなる問題を惹起する。加えて、充填物22や、保護カバー24を構成する材質の比誘電率が5を超えるようになると、利得性能が悪くなる等の問題を惹起することとなる。
【0022】
ところで、かかる図2に示される如き凹陥部18を有するマンホール鉄蓋は、例えば、従来と同様な鋳造操作によって、有利に得られることとなるが、また、そのような凹陥部18によってアンテナ収容凹所20を与える方式に換えて、図3に示される如く、マンホール鉄蓋8の下面に、上部が開放された構造の収容箱体26をボルトやねじ等によって固設せしめ、この収容箱体26内を収容凹所20として、そこに、アンテナ10を配置せしめるようにすることも可能である。勿論、その際には、箱体26の内部を鉄蓋外部に連通せしめる開口部としての窓部28が、マンホール鉄蓋8に設けられ、そして、その窓部28に対して、前述の如き特性を有する保護カバー24が嵌着せしめられているのである。
【0023】
なお、このように、収容箱体26内にアンテナ10を収容配置せしめる場合にあっても、かかるアンテナ10は、横置き形態において保持されると共に、かかるアンテナ10の上面と地上面との間の距離:aは、20mm以内となるようにされ、更に、凹所20の内面との間の距離:bにあっても、15mm以上の間隔があくようにして、配置せしめられることとなる。なお、その際、マンホール鉄蓋8の下面にあっても、それが、アンテナ10上にオーバーハングしている(延びている)限りにおいて、そのような下面も、凹所20の内壁面となるところから、そのような下面とアンテナ10の上面との間の距離(b)も、15mm以上の間隔があくようにして、配置されることとなる。
【0024】
このような図3に示される如き収容箱体26を、マンホール鉄蓋8の下面に取り付けてなる構造にあっては、かかる収容箱体26にて与えられる収容凹所20を鉄蓋外部に連通せしめる開口部としての窓部28を、アンテナ10の指向性能や利得性能等に悪影響をもたらさない程度において、可及的に小さくすることが可能であり、それによって、マンホール鉄蓋8自体の構造上の強度を効果的に高めることが可能となる等の特徴を発揮する。
【0025】
以上、本発明の代表的な具体例について詳述してきたが、それは、あくまでも例示に過ぎないものであって、本発明は、そのような具体例のみに限定して解釈されるものでは決してないことが理解されるべきであり、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて、本発明が、当業者の知識に基づいて種々なる変更、修正、改良等を加えた態様において実施され得るものであることは、言うまでもないころである。
【0026】
例えば、マンホール鉄蓋8の構造としては、従来より各種のものが知られており、また、そのようなマンホール鉄蓋8を受けるマンホール枠体6にあっても、種々なる構造のものが提案されており、本発明にあっては、そのような公知のものの中から、適宜の構造のマンホール鉄蓋や、それを受ける受け枠が選定されることとなる。
【0027】
また、マンホール2内に設置される測定機器としては、水位センサー12のみならず、各種の測定装置や監視装置が設置され得ることは、よく知られているところであり、本発明にあっては、そのような機器がマンホール2内に設置される一方、アンテナ10としても、それは、発信機能を有するのみならず、基地局16からの信号を受ける受信アンテナとしても機能させ、その受信信号に基づき、マンホール2内に設置された機器を作動させ、その測定データを、再びアンテナ10を通じて、基地局16に出力させるようにすることも可能である。
【0028】
【実施例】
以下に、本発明の実施例を示し、本発明の作用・効果を更に具体的に明らかにすることとするが、本発明が、そのような実施例の記載によって、何等の制約をも受けるものではないことは、言うまでもないところである。
【0029】
先ず、通信手段として、既成の携帯電話と同様の無線方式(Dopa網:800MHz域)を利用し、その専用アンテナ(モノポール方式)(10)を、図2に示される如き構造の各種大きさの凹所(20)内に、下記表1に示される条件下に収容した。そして、そのようなアンテナ(10)から信号を発信せしめ、離れた位置に置いた受信機にて、良好に受信可能か、どうかについて検討し、その結果を、下記表1に併せ示した。なお、保護カバー(24)としてはアクリル板を用い、充填物(22)としてはシリコーン(樹脂)を用い、凹所(20)内のアンテナ(10)の隙間に充填せしめた。また、表1において、受信結果を示す記号のうち、○:受信良好、△:受信やや不良、×:受信出来ない、ことを示している。
【0030】
【表1】
【0031】
上記の表1の結果から明らかなように、本発明に従って、アンテナ(10)を横置き方式において配置し、そして、かかるアンテナ(素子)上面の深さ(a)を20mm以内とすると共に、凹所20の内壁面との間の距離(b)を15mm以上とすることにより、優れた受信結果が得られるのである。また、そのような優れた結果は、保護カバー(24)であるアクリル板の上に、雪を15cm、又は20cm配置した場合(4−1,4−2)においても、何等変わることはなかった。
【0032】
これに対して、アンテナ(10)を縦置き方式としたり、また、収納深さ(a)を深くしたり、収納隙間(b)を狭くした場合にあっては、何れも、受信結果は良くないことが認められ、利得性能、又は指向性能において低下しており、通信機能が低下しているものと認められた。また、保護カバー(24)として、アクリル板に代えて鉄板を用いたところ、何れの場合にあっても、受信結果は不良(×)であり、このことから、保護カバー(24)に用いられる材質としても、充分に吟味する必要があることが明らかとなった。
【0033】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明に従うアンテナ内蔵マンホール鉄蓋にあっては、アンテナの利得性能や指向性能の損失を可及的に抑制しつつ、アンテナによる無線通信をより確実に行い得ることとなったのであり、それによって、マンホール内の監視機能等が著しく高められ得たところに、大きな技術的意義を有するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従う構造を備えたアンテナ内蔵マンホール鉄蓋を、マンホールに設置した状態を概略的に示した断面説明図である。
【図2】図1に示されるアンテナ内蔵マンホール鉄蓋の要部拡大説明図である。
【図3】本発明に従うアンテナ内蔵マンホール鉄蓋の他の例を示す図2に対応する断面図である。
【符号の説明】
2 マンホール 4 基礎
6 マンホール受け枠 8 マンホール鉄蓋
10 アンテナ 12 水位センサー
14 通信装置 16 基地局
18 凹陥部 20 アンテナ収容凹所
22 充填物 24 保護カバー
26 収容箱体 28 窓部
【技術分野】
本発明は、アンテナを内蔵したマンホール鉄蓋に係り、特に、アンテナによる無線通信をより確実に行なうことが出来るアンテナ内蔵マンホール鉄蓋の構造に関するものである。
【0002】
【背景技術】
従来から、地中には、上下水道管やガス管、電力・通信ケーブル等のインフラが整備されてきているが、特に、近年になって、それらの設備がより充実度を増し、四方八方に張り巡らされるようになってきている。しかしながら、その反面では、それら地中埋設物の維持管理が、より煩雑さを増してきているのが実情であり、具体的には、上下水道管においては漏水や流量、ガス管においてはガス漏れ、電力・通信ケーブルにおいては漏電、断線等の異常時の状態を検知し、監視している必要がある。
【0003】
このため、それらのデータを収集して監視する機能として、マンホール内に測定機器や監視機器を設置するケースが増えてきており、そしてそれらの機器で求められたデータを取得する場合においては、監視員がマンホール内に入って、それらのデータを得るという手法が採用されている。しかして、このような人手によるデータの採取作業は、非常に面倒であり、しかも時間がかかり、マンホール内の状況を迅速に把握して、適切な対策を講じるには不都合なものであった。このため、よりよいデータ採取手段として、地上からそれらのデータを得るようにする手段も近年では考えられてきている。
【0004】
例えば、特開昭55−30050号公報においては、FRP等の絶縁物で形成されたマンホール蓋の裏側に送受信機を取り付け、送信アンテナは、そのマンホール蓋に埋め込んだ態様において設けてなる構造が明らかにされており、また、特開平5−227073号公報には、マンホール蓋の一部を誘電体化して、その誘電体中に送信アンテナを設置してなる構造が明らかにされ、更に、実開平5−83053号公報には、鋳鉄製のフレーム内において、一対の誘電体皮膜にてアンテナ素子を挟み込んでなる構造が明らかにされている。更にまた、特開平7−143631号公報には、マンホール蓋を二重蓋構造とし、その中蓋にアンテナ機能を持たせるようにした構成が示され、加えて、特開平11−66484号公報には、マンホール蓋に簡単な加工を加えるだけで、蓋強度を低下させることなく、マンホール蓋にアンテナ機能を持たせることが出来るマンホール蓋アンテナ装置が提案されている。
【0005】
このように、地下埋設物の状態のモニタリング結果を送信する地中の通信手段と、マンホール蓋に取り付けたアンテナとを組み合わせることによって、無線通信網を形成することを目的として、マンホール蓋にアンテナ素子を埋め込んでなる構造が、従来から検討されてきているのであるが、上記した従来の例にあっては、加工によるマンホール蓋の強度低下や、マンホール蓋の構造の大幅な変更が必要となるという問題があり、また、アンテナの調節及び設置方法に関しては、充分に考慮されていないものであった。
【0006】
また、特に、アンテナをマンホール鉄蓋に設置するにあたっては、それを構成する比誘電率の高い鋳鉄素材中に収納することとなるところから、アンテナそのものの有する利得性能及び指向性能が低下するようになり、通信機能の低下を招く恐れが充分にあるために、その収納方法については、より慎重に検討する必要があるのである。
【0007】
【特許文献1】
特開昭55−30050号公報
【特許文献2】
特開平5−227073号公報
【特許文献3】
実開平5−83053号公報
【特許文献4】
特開平7−143631号公報
【特許文献5】
特開平11−66484号公報
【0008】
【解決課題】
ここにおいて、本発明は、かかる事情に鑑みて為されたものであって、その課題とするところは、本来のアンテナが有する利得性能や指向性能を出来るだけ損失させることなく、マンホール蓋に収納するようにした構造を採用することで、アンテナによる無線通信をより確実に行なうことが出来る装置を提供することにある。
【0009】
【解決手段】
そして、本発明にあっては、かくの如き技術的課題を解決するために、マンホール鉄蓋の上面に開口するようにアンテナ収容凹所を設け、該凹所内に所定の送受信アンテナを収容して、マンホール内に設置された機器に接続し得るように構成したマンホール鉄蓋において、かかる送受信アンテナを、横置きにして、地上面より20mm以内の深さから信号の送受信が行なわれ得るように前記凹所内に配置せしめ、且つ前記凹所内壁より15mm以上離隔せしめて、保持する一方、該凹所の開口部を、比誘電率が5以下の材質からなる剛性のある保護カバーにて覆蓋したことを特徴とするアンテナ内蔵マンホール鉄蓋を、その要旨とするものである。
【0010】
このように、本発明に従うアンテナ内蔵マンホール鉄蓋にあっては、送受信アンテナが、横置きにされた形態において、マンホール鉄蓋の上面開口凹所内に地上面より20mm以内の深さから信号が送受信されるようにした状態において、鉄蓋外部に臨むように配置され、更に、鉄蓋に設けた凹所の内壁より15mm以上離隔した形態において保持されると共に、比誘電率が5以下の材質からなる、剛性のある保護カバーにて凹所開口部が覆蓋せしめられているところから、アンテナの利得性能や指向性能の損失が、可及的に回避され得ることとなり、以て、良好な通信機能を確保し得ることとなったのであり、しかも、鉄蓋上面に開口する開口部が、剛性のある保護カバーにて覆蓋されていることによって、車両等の重量物が通過しても、内部のアンテナは効果的に保護され得ることとなるのである。
【0011】
因みに、金属は電波を遮蔽してしまう性質があり、マンホール鉄蓋においても同様なことが言えるものであるところから、かかるマンホール鉄蓋にアンテナを収容させる場合には、アンテナの利得性能や指向性能を損失させないように、出来るだけ空間部を設けることが望ましいのであるが、そのような空間を大きくすればするほど、鉄蓋としての構造上、強度等に支障をきたす恐れがあり、そのために、双方の要求を充たす形状を考慮する必要があるのである。また、アンテナを収容するために使用される部材乃至は部品においても、鉄蓋と同様に、電波への悪影響を及ぼす可能性があることから、充分に吟味された材料の選択が必要となるのである。このため、本発明にあっては、それらの点を考慮して、アンテナの配設形態を規定すると共に、凹所開口部を覆蓋する保護カバーを、特定の比誘電率を有するものにて構成すると共に、剛性のある、強度の高いものとして用いることとしたのであり、これによって、上記した課題の効果的な解決を図ったものである。
【0012】
なお、かくの如き本発明に従うアンテナ内蔵マンホール鉄蓋の望ましい態様の一つによれば、前記送受信アンテナは、比誘電率が5以下の材質からなる保持体中に埋設されて、前記凹所内に収容せしめられることとなる。そして、このような保持体中へのアンテナの埋設によって、耐衝撃性や防湿性にも優れたものとなり、安全性が高まり、また、外観上においても優れたものとなる。
【0013】
また、本発明に従うアンテナ内蔵マンホール鉄蓋の他の望ましい態様の一つによれば、前記凹所が、前記マンホール鉄蓋の下面に固設された収容箱体によって与えられ、該箱体内部を鉄蓋外部に連通せしめる開口部としての窓部が、該マンホール鉄蓋に設けられている構成が有利に採用される。このように、マンホール鉄蓋の下側に取り付けた収容箱体内にアンテナを収容するようにすれば、マンホール鉄蓋に設けられる凹所開口部としての窓部を、利得性能や指向性能に悪影響をもたらさない程度に小さくすることが出来、これによって、マンホール鉄蓋の構造上における強度を有利に確保することが出来る等という利点を享受することが出来る。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ、本発明の構成について、更に具体的に明らかにすることとする。
【0015】
先ず、図1は、マンホール2の内部の状態(ここでは、水位)をモニタリングするためのシステムの一例を示すものであって、マンホール2のコンクリート製の基礎4上に固設された、鋳物製等のマンホール受け枠6に対して、従来と同様な構造において、鋳物製のマンホール鉄蓋8が嵌合せしめられることにより、かかるマンホール2の開口部が、閉鎖せしめられるようになっている。そして、かかるマンホール鉄蓋8には、アンテナ10が配置され、マンホール2内に設置された水位センサー12による、マンホール2内の水位の検出情報が、通信装置14から出力され、アンテナ10を通じて、無線にて基地局16に送信されて、かかるマンホール2内の状態が監視され得るようになっているのである。
【0016】
ここで、マンホール鉄蓋8には、その中央部において、裏側(下方)に突出するように、凹陥部18が一体的に形成されており、この凹陥部18内の空所が、マンホール鉄蓋8の上面に開口するアンテナ収容凹所20として、形成されている。そして、そのようなアンテナ収容凹所20内に、アンテナ10が横置きにされた形態において、収容され、またそのようなアンテナ10は、凹所20内に充填された発泡スチロールの如き充填物22内に埋設されており、その状態において、更に、凹所20の開口部を覆蓋するように、ポリカーボネート等からなる板状の保護カバー24が、装着されている。
【0017】
ここにおいて、送受信アンテナ10としては、通常のモノポール方式、ダイポール方式、ダイバシティ方式等の各種のアンテナが用いられ得るものであって、そのようなアンテナ10は、そのアンテナ素子が横方向に伸びるように、横置き形態において、凹所20内に収容せしめられることとなるが、その際、そのようなアンテナ20は、地上より20mm以内の深さから電波が送受信され得るように、地上面とアンテナ(素子)10の上面との間の距離:aが20mm以内となるように、配置せしめられていると共に、凹所20の内壁面とアンテナ(素子)10との間の距離:b(ここでは、凹所20の底面との距離にて示されるが、勿論、図2における凹所20の左右の壁面との間の距離や、図2において、紙面に垂直な方向における凹所20の内壁面との間の距離も対象とされることは、言うまでもないところである)が、15mm以上離隔されるようにして、充填物22内に埋設された状態において、凹所20内に保持されているのである。
【0018】
また、そのようなアンテナ10を埋設、保持する充填物22や、板状の保護カバー24は、何れも、本発明に従って、比誘電率が5以下、好ましくは4以下の材質にて構成されており、これによって、アンテナの利得性能等の性能が悪影響を受けないようになっている。
【0019】
なお、そのような比誘電率が5以下の材質としては、プラスチック、例えばポリスチレン、ポリエチレン、ポリアミド、ポリイミド、ポリテトラフルオロエチレン、PPO(ポリフェニレンオキサイド)、エポキシ樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリエステル、フェノール樹脂、シリコン樹脂等や、軟質ゴム、生ゴム、ブチルゴム、シリコンゴムの如きゴム類を挙げることが出来、それらの中から、充填物22や保護カバー24として、適当な材質が適宜に選定されることとなる。具体的には、保護カバー24としては、剛性のある、強度の高い材質が選択され、例えば、ポリカーボネートやアクリル樹脂、ベークライト、エポキシ樹脂等が用いられ、また、充填物22としては、シリコンゴムの如きゴム類や、発泡スチロール樹脂の如き樹脂発泡体が、好適に用いられることとなる。また、それら充填物22と保護カバー24とは、同様な材質にて構成されるものであるところから、それらを一体物として構成することも可能である。そして、その場合においては、例えばプラスチックにて充填物22と保護カバー24とを一体的に成形する手法の他、レジンコンクリート等の材料を凹所20内に注入して、充填物22と共に、保護カバー24を同時に成形するようにすることも可能である。
【0020】
そして、かくの如きアンテナ10のマンホール鉄蓋8に対する配設形態を採用することによって、マンホール鉄蓋による影響を極力回避しつつ、また、マンホール鉄蓋8上を通過する車両等の重量物の影響を避けて、送受信アンテナ10の利得性能や指向性能を有利に確保し得ることとなったのであり、以て、通信機能の向上を有利に達成し得たのである。
【0021】
これに対して、アンテナ10を横置きとしない場合にあっては、指向性能が著しく低下することとなるのであり、また、アンテナ10の上面が、地上面より20mmを越えるような深さにおいて位置せしめられたり、或いは、凹所内壁との距離が15mmよりも少なくなり、凹所内壁面に近接して、アンテナ10が配設されたりした場合にあっては、鉄蓋の影響を受けて、利得性能や指向性能が低下して、通信機能を充分に実現し得なくなる問題を惹起する。加えて、充填物22や、保護カバー24を構成する材質の比誘電率が5を超えるようになると、利得性能が悪くなる等の問題を惹起することとなる。
【0022】
ところで、かかる図2に示される如き凹陥部18を有するマンホール鉄蓋は、例えば、従来と同様な鋳造操作によって、有利に得られることとなるが、また、そのような凹陥部18によってアンテナ収容凹所20を与える方式に換えて、図3に示される如く、マンホール鉄蓋8の下面に、上部が開放された構造の収容箱体26をボルトやねじ等によって固設せしめ、この収容箱体26内を収容凹所20として、そこに、アンテナ10を配置せしめるようにすることも可能である。勿論、その際には、箱体26の内部を鉄蓋外部に連通せしめる開口部としての窓部28が、マンホール鉄蓋8に設けられ、そして、その窓部28に対して、前述の如き特性を有する保護カバー24が嵌着せしめられているのである。
【0023】
なお、このように、収容箱体26内にアンテナ10を収容配置せしめる場合にあっても、かかるアンテナ10は、横置き形態において保持されると共に、かかるアンテナ10の上面と地上面との間の距離:aは、20mm以内となるようにされ、更に、凹所20の内面との間の距離:bにあっても、15mm以上の間隔があくようにして、配置せしめられることとなる。なお、その際、マンホール鉄蓋8の下面にあっても、それが、アンテナ10上にオーバーハングしている(延びている)限りにおいて、そのような下面も、凹所20の内壁面となるところから、そのような下面とアンテナ10の上面との間の距離(b)も、15mm以上の間隔があくようにして、配置されることとなる。
【0024】
このような図3に示される如き収容箱体26を、マンホール鉄蓋8の下面に取り付けてなる構造にあっては、かかる収容箱体26にて与えられる収容凹所20を鉄蓋外部に連通せしめる開口部としての窓部28を、アンテナ10の指向性能や利得性能等に悪影響をもたらさない程度において、可及的に小さくすることが可能であり、それによって、マンホール鉄蓋8自体の構造上の強度を効果的に高めることが可能となる等の特徴を発揮する。
【0025】
以上、本発明の代表的な具体例について詳述してきたが、それは、あくまでも例示に過ぎないものであって、本発明は、そのような具体例のみに限定して解釈されるものでは決してないことが理解されるべきであり、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて、本発明が、当業者の知識に基づいて種々なる変更、修正、改良等を加えた態様において実施され得るものであることは、言うまでもないころである。
【0026】
例えば、マンホール鉄蓋8の構造としては、従来より各種のものが知られており、また、そのようなマンホール鉄蓋8を受けるマンホール枠体6にあっても、種々なる構造のものが提案されており、本発明にあっては、そのような公知のものの中から、適宜の構造のマンホール鉄蓋や、それを受ける受け枠が選定されることとなる。
【0027】
また、マンホール2内に設置される測定機器としては、水位センサー12のみならず、各種の測定装置や監視装置が設置され得ることは、よく知られているところであり、本発明にあっては、そのような機器がマンホール2内に設置される一方、アンテナ10としても、それは、発信機能を有するのみならず、基地局16からの信号を受ける受信アンテナとしても機能させ、その受信信号に基づき、マンホール2内に設置された機器を作動させ、その測定データを、再びアンテナ10を通じて、基地局16に出力させるようにすることも可能である。
【0028】
【実施例】
以下に、本発明の実施例を示し、本発明の作用・効果を更に具体的に明らかにすることとするが、本発明が、そのような実施例の記載によって、何等の制約をも受けるものではないことは、言うまでもないところである。
【0029】
先ず、通信手段として、既成の携帯電話と同様の無線方式(Dopa網:800MHz域)を利用し、その専用アンテナ(モノポール方式)(10)を、図2に示される如き構造の各種大きさの凹所(20)内に、下記表1に示される条件下に収容した。そして、そのようなアンテナ(10)から信号を発信せしめ、離れた位置に置いた受信機にて、良好に受信可能か、どうかについて検討し、その結果を、下記表1に併せ示した。なお、保護カバー(24)としてはアクリル板を用い、充填物(22)としてはシリコーン(樹脂)を用い、凹所(20)内のアンテナ(10)の隙間に充填せしめた。また、表1において、受信結果を示す記号のうち、○:受信良好、△:受信やや不良、×:受信出来ない、ことを示している。
【0030】
【表1】
【0031】
上記の表1の結果から明らかなように、本発明に従って、アンテナ(10)を横置き方式において配置し、そして、かかるアンテナ(素子)上面の深さ(a)を20mm以内とすると共に、凹所20の内壁面との間の距離(b)を15mm以上とすることにより、優れた受信結果が得られるのである。また、そのような優れた結果は、保護カバー(24)であるアクリル板の上に、雪を15cm、又は20cm配置した場合(4−1,4−2)においても、何等変わることはなかった。
【0032】
これに対して、アンテナ(10)を縦置き方式としたり、また、収納深さ(a)を深くしたり、収納隙間(b)を狭くした場合にあっては、何れも、受信結果は良くないことが認められ、利得性能、又は指向性能において低下しており、通信機能が低下しているものと認められた。また、保護カバー(24)として、アクリル板に代えて鉄板を用いたところ、何れの場合にあっても、受信結果は不良(×)であり、このことから、保護カバー(24)に用いられる材質としても、充分に吟味する必要があることが明らかとなった。
【0033】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明に従うアンテナ内蔵マンホール鉄蓋にあっては、アンテナの利得性能や指向性能の損失を可及的に抑制しつつ、アンテナによる無線通信をより確実に行い得ることとなったのであり、それによって、マンホール内の監視機能等が著しく高められ得たところに、大きな技術的意義を有するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従う構造を備えたアンテナ内蔵マンホール鉄蓋を、マンホールに設置した状態を概略的に示した断面説明図である。
【図2】図1に示されるアンテナ内蔵マンホール鉄蓋の要部拡大説明図である。
【図3】本発明に従うアンテナ内蔵マンホール鉄蓋の他の例を示す図2に対応する断面図である。
【符号の説明】
2 マンホール 4 基礎
6 マンホール受け枠 8 マンホール鉄蓋
10 アンテナ 12 水位センサー
14 通信装置 16 基地局
18 凹陥部 20 アンテナ収容凹所
22 充填物 24 保護カバー
26 収容箱体 28 窓部
Claims (3)
- マンホール鉄蓋の上面に開口するようにアンテナ収容凹所を設け、該凹所内に所定の送受信アンテナを収容して、マンホール内に設置された機器に接続し得るように構成したマンホール鉄蓋において、かかる送受信アンテナを、横置きにして、地上面より20mm以内の深さから信号の送受信が行なわれ得るように前記凹所内に配置せしめ、且つ前記凹所内壁より15mm以上離隔せしめて、保持する一方、該凹所の開口部を、比誘電率が5以下の材質からなる剛性のある保護カバーにて覆蓋したことを特徴とするアンテナ内蔵マンホール鉄蓋。
- 前記送受信アンテナが、比誘電率が5以下の材質からなる保持体中に埋設されて、前記凹所内に収容されている請求項1に記載のアンテナ内蔵マンホール鉄蓋。
- 前記凹所が、前記マンホール鉄蓋の下面に固設された収容箱体によって与えられ、該箱体内部を鉄蓋外部に連通せしめる開口部としての窓部が、該マンホール鉄蓋に設けられている請求項1又は請求項2に記載のアンテナ内蔵マンホール鉄蓋。
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