JP7417999B2 - 無線通信用の地下構造物用蓋 - Google Patents

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Description

本発明は、地下構造物内に設置された送信機能を有する無線装置と地下構造物外に設置された受信機能を有する無線設備との間で無線通信を行うことを可能とするための地下構造物用蓋に関する。
無線通信用の地下構造物用蓋として、従来、蓋本体にアンテナ装置、電源装置、通信制御装置等を搭載したものが知られている(例えば、特許文献1、2)。
しかし、かかる従来の地下構造物用蓋にあっては、蓋本体にアンテナ装置等の電子機器類を十分な防水対策を施して取り付ける必要があり、その加工等に多大な手間を要する。また、蓋本体が重くなり、地下構造物内に設置された無線装置や測定機器(センサ)と蓋本体とが有線(ケーブル)で接続されるため、蓋本体の開閉作業や交換作業などの作業性が悪いという問題がある。
特許第6227302号公報 特開平11-66484号公報
本発明が解決しようとする課題は、蓋本体にアンテナ装置等の電子機器類を備えることなく、地下構造物内に設置された送信機能を有する無線装置と地下構造物外に設置された受信機能を有する無線設備との間で無線通信を行うことのできる地下構造物用蓋を提供することにある。
本発明にかかる地下構造物用蓋は、上記課題を解決するために、
地下構造物内に設置された送信機能を有する無線装置と地下構造物外に設置された受信機能を有する無線設備との間の通信を可能とする無線通信用の蓋本体を備え、
前記蓋本体は、当該蓋本体を貫通する開口部であって、第1の開口端面から第2の開口端面に向けて細長く延びた開口部を含み、
前記第1の開口端面と前記第2の開口端面とは直線的に向き合わないように配置されていることを特徴としている。
このように、蓋本体は当該蓋本体を貫通する開口部を含むことから、地下構造物内に設置された送信機能を有する無線装置から発信される電波はこの開口部を通過して地下構造物外に設置される受信機能を有する無線設備へ発信される。したがって、蓋本体にアンテナ装置等の電子機器類を備える必要がない。
また、この開口部の第1の開口端面と第2の開口端面とは直線的に向き合わないように配置されているので、一方の開口端面に反射した電波と他方の開口端面に反射した電波が直線的に干渉して電界強度を弱めることを抑制できる。
開口部は、第1の開口端面から第2の開口端面に向けて形成された複数の角部を含む形状であってもよいが、第1の開口端面から第2の開口端面に向けて形成された1つの角部を含む形状であることが好ましい。シンプルな形状でありながら電界強度を保ちつつ、最小限の開口面積を有する開口部であるため、開口部を含むことによる蓋本体の強度低下を最小限に抑えることができる。
開口部は、円弧形状であることがより好ましい。開口部に角部が無く、滑らかに曲がっている形状であるため、開口端面に反射した電波が角部に反射した電波と干渉して電波強度を弱めることを抑制できる。
この地下構造物用蓋において、開口部を通過した電波の水平偏波または垂直偏波のうち少なくともいずれかの半値角が360度であることが好ましい。半値角が360度であれば地下構造物用蓋を中心にすべての方角に向けて一定以上の電波強度を有する電波が発信されるので地下構造物内に設置された送信機能を有する無線装置と地下構造物外に設置された受信機能を有する無線設備との間の無線通信を安定的に行うことができ、地下構造物用蓋を設置する場所と無線設備との間の方角や蓋本体の向きを気にすることなく、地下構造物用蓋を設置することができる。
蓋本体は、開口部を埋めるように配置される誘電体を含むことが好ましい。これにより、開口部の長さを短縮できるため、開口部を含むことによる蓋本体の強度低下を最小限に抑えることができる。また、開口部から地下構造物内への雨水等の流入も防止できる。
本発明によれば、蓋本体にアンテナ装置等の電子機器類を備えることなく、地下構造物内に設置された送信機能を有する無線装置と地下構造物外に設置された無線設備との間の無線通信を行うことができる。
本発明の一実施形態である地下構造物用蓋の使用状態を示す概念的な断面図。 (a)は本発明の一実施形態である地下構造物用蓋の蓋本体の概略平面図、(b)は同蓋本体の開口部の概略拡大図、(c)は同蓋本体の開口部の概略拡大断面図。 (a)は本発明の一実施形態の変形例を示す概略平面図、(b)は同変形例における蓋本体の開口部の概略拡大図、(c)は同変形例における蓋本体の開口部の概略拡大断面図。 本発明の他の実施形態である地下構造物用蓋の蓋本体の開口部を示す概略平面図。 (a)は図2(b)に示す開口部を埋めるように誘電体を配置した実施形態を示す概略平面図、(b)は図2(c)に示す開口部を埋めるように誘電体を配置した実施形態を示す概略拡大断面図、(c)は図3(c)に示す開口部を埋めるように誘電体を配置した実施形態を示す概略拡大断面図、(d)は図3(c)に示す開口部を埋めるように誘電体を配置した他の実施形態を示す概略拡大断面図。 比較例の蓋本体の開口部の形状を示す平面図。 蓋本体の開口部を通過した電波の特性を評価する試験方法の概要を示す図。 実施例の電波特性の評価結果(図2の開口部形状) 実施例の電波特性の評価結果(図4の開口部形状) 比較例の電波特性の評価結果(図6(a)の開口部形状) 比較例の電波特性の評価結果(図6(b)の開口部形状)
図1に、本発明の一実施形態である地下構造物用蓋10の使用状態を概念的に示している。また図2は、この地下構造物用蓋10の蓋本体11の概略平面図、同蓋本体11の開口部11aの概略拡大図および同蓋本体11の開口部11aの概略拡大断面図である。
本願明細書でいう「地下構造物用蓋」とは、下水道における地下埋設物,地下構造施設等と地上とを通じる開口部を閉塞するマンホール蓋,大型鉄蓋,汚水桝蓋、電力・通信における地下施設機器や地下ケーブル等を保護する開閉可能な共同溝用鉄蓋,送電用鉄蓋,配電用鉄蓋、上水道やガス配管における路面下の埋設導管およびその付属機器と地上とを結ぶ開閉扉としての機能を有する消火栓蓋,制水弁蓋,仕切弁蓋,空気弁蓋,ガス配管用蓋,量水器蓋等を総称する。
また、地下構造物用蓋は、地下構造物の上端に設置される受枠と、これに支持される蓋本体とを含み、必要に応じて、蓋本体の下面の一端側に、受枠に対して蓋本体を開閉可能に連結するための蝶番構造を備えるとともに、蓋本体の裏面の他端側に施錠構造を備える。
本実施形態の地下構造物用蓋10は、地下構造物20である下水道管渠のマンホール(人孔)21の上端に設置される受枠12と、これに支持される蓋本体11とを有している。蓋本体11は、当該蓋本体11の表面側11bから裏面側11cに向けて真っすぐ貫通する開口部11aであって、第1の開口端面11a-1から第2の開口端面11a-2に向けて細長く延びた半円形状(円弧形状)の開口部11aを含んでいる。
マンホール(人孔)21内には送信機能を有する無線装置30が設置されており、この無線装置30には下水管22内を流れる下水の水位を計測する水位センサ40が接続されている。この水位センサ40で計測された水位情報は、無線装置30から電波として発信される。無線装置30から発信された水位情報を含む電波は、蓋本体11の開口部11aを通過して発信され、地下構造物外に設置された受信機能を有する無線設備50で受信される。
なお、無線装置30および無線設備50は、送信機能および受信機能の両方の機能を有するものに限定されず、無線装置30と無線設備50との間で無線通信を可能とするものであれば送信機能または受信機能のいずれか一方を有するものであってもよい。
無線装置30からの電波の送信は、所定の周期で間欠的に行うことができるし、あるいは連続的に行うこともできる。さらに、地下構造物外に設置された無線設備50からの指令により無線装置30から電波を送信させるようにすることもできる。この場合、地下構造物外に設置された無線設備50から指令情報を含む電波が発信され、その電波が蓋本体11の開口部11aを通過しマンホール20内の無線装置30で受信される。そして、その指令に基づき無線装置30から水位情報を含む電波が発信され、その電波が蓋本体11の開口部11aを通過して地下構造物外に設置された無線設備50で受信される。
このように本実施形態によれば、蓋本体11にアンテナ装置等の電子機器類を備えることなく、地下構造物内に設置された送信機能を有する無線装置30と地下構造物外に設置された無線設備50との間で無線通信を行うことができる。
なお、本実施形態では、水位センサ40で計測した水位情報を無線装置30から電波として発信するようにしているが、無線装置30から発信する情報は水位情報には限定されない。例えば、マンホール(人孔)21内に水質センサやガスセンサなどを設置し、これらセンサで計測した水質情報やガス情報などを無線装置30から電波として発信するようにしてもよい。
また、本発明の地下構造物用蓋は、下水道管渠以外の地下構造物にも問題なく適用することができる。例えば、上水道の量水器を収容する量水器筐に量水器蓋として適用することもできる。この場合、量水器筐内に無線装置とともに水質センサや流量センサなどを設置し、これらセンサで計測した水質情報や流量情報(上水道の使用量)などを無線装置から電波として発信することができる。
次に、図2に示す本実施形態における蓋本体11の開口部11aについて詳しく説明する。
本実施形態において蓋本体11は、蓋本体11を貫通する開口部11aであって、第1の開口端面11a-1から第2の開口端面11a-2に向けて細長く延びた開口部11aを含み、第1の開口端面11a-1と第2の開口端面11a-2とは直線的に向き合わないように半円形状(円弧形状)に配置されている。
当該開口部11aは、第1の開口側面11a-3および第2の開口側面11a-4を有している。
このように、開口部11aの第1の開口端面11a-1と第2の開口端面11a-2とは直線的に向き合わないように配置されているので、一方の開口端面(11a-1または11a-2)に反射した電波と他方の開口端面(11a-1または11a-2)に反射した電波が直線的に干渉して電界強度を弱めることを抑制できる。
さらに、本実施形態において開口部11aは半円形状(円弧形状)としているので、開口部11aの第1の開口端面11a-1から第2の開口端面11a-2に向けて形成した開口部に角部が無く、滑らかに曲がっている形状であるため、開口端面(11a-1または11a-2)に反射した電波と角部に反射した電波が干渉して電波強度を弱めることを抑制することができる。
また、本実施形態のように半円形状とすることで、第1の開口端面11a-1の向く方向と第2の開口端面11a-2の向く方向が交わらないため、一方の開口端面に反射した電波と他方の開口端面に反射した電波が交わって干渉することがなく、電波強度を弱めることを抑制することができる。
本実施形態において、無線装置30が発信する電波の周波数は900MHzであり、その電波の波長は約333mmである。一般的にアンテナの大きさは波長の長さと比例関係があり、アンテナを波長の約1/2や約1/4の長さにすると効率良く電波を発射または受信できると言われている。したがって、本実施形態においては、これに倣って開口部11aの長さL1(図2(b)参照)を波長の約1/2の長さである170mmとしている。幅は10mmとしている。
なお、本発明において、円弧形状の開口部11aは図2に示す半円形状に限定されず、例えば、C字形状、U字形状、扇形状などのように曲率や長さが異なる形状のものも含まれる。
また、蓋本体11に配置する開口部11aの位置、向き、数は図2に示すものに限定されるものではなく、例えば、蓋本体の中心に1個配置したり、中心点から対称に2個配置するなど適宜、配置することができる。
さらに、本実施形態においては、図2(c)に示すように、開口部11aの蓋表面側端11a-5を蓋本体の表面側11bと同一面上とし、また、開口部11aの蓋裏面側端11a-6を蓋本体の裏面側11cと同一面上としたが、これに限定されるものではない。例えば、図3に示す本実施形態の変形例のように、蓋本体11の表面側11bに形成した凹部11d内に開口部11aを配置するようにしてもよい。この場合、開口部11aの蓋表面側端11a-5は蓋本体の表面側11bとは異なり、凹部11dの底面と同一面上となる。
図4に、本発明の他の実施形態として、地下構造物用蓋10の蓋本体11の開口部11aが、第1の開口端面11a-1から第2の開口端面11a-2に向けて形成された1つの角部11a-7を含む形状である、L字形状の開口部11aを示す概略平面図を示す。
この実施形態においても、開口部11aは、第1の開口端面11a-1、第2の開口端面11a-2、第1の開口側面11a-3および第2の開口側面11a-4を有しており、第1の開口端面11a-1と第2の開口端面11a-2とは直線的に向き合わないように配置されているので、一方の開口端面(11a-1または11a-2)に反射した電波と他方の開口端面(11a-1または11a-2)に反射した電波が直線的に干渉して電界強度を弱めることを抑制できる。
開口部11aは、第1の開口端面11a-1から第2の開口端面11a-2に向けて形成された複数の角部を含むものであってもよいが、この実施形態のように、第1の開口端面11a-1から第2の開口端面11a-2に向けて形成された1つの角部11a-7を含むL字形状とすることで、シンプルな形状でありながら電界強度を保ちつつ、最小限の開口面積を有する開口部であるため、開口部を含むことによる蓋本体11の強度低下を最小限に抑えることができる。
また、直線を組み合わせたシンプルな形状であるため、地下構造物用蓋を製造するための母型を容易に作製することができる。また、地下構造物用蓋に加工装置を用いて後から開口部を形成する場合に容易に行うことができる。
図4に示す実施形態においては、開口端面から角部11a-7までの1辺の長さL2を85mmとし、2辺の長さの合計を波長の約1/2の長さである170mmとしている。幅は10mmとしている。
なお、本発明において、第1の開口端面11a-1から第2の開口端面11a-2に向けて形成された1つの角部11a-7を含む形状である開口部11aは、図4に示すような角度が90度のL字形状のものに限定されず、例えば、くの字形状のように、開口端面同士が直線的に向き合わない90度以外の角度を有するものや、角部11a-7を挟んだ2辺の長さが異なる形状のものも含まれる。
また、図3に示すように蓋本体11の表面側11bに形成した凹部11d内に開口部11aを配置してもよい。
第1の開口端面11a-1と第2の開口端面11a-2とが直線的に向き合わないように配置された形状としては、上述の円弧形状、L字形状、くの字形状のほか、例えば、S字形状であったり、複数の開口端面を有するY字形状やω字形状などがあるがこれらに限定されない。複数の開口端面を有する場合にはすべての開口端面が直線的に向き合わないように配置されるものであればよい。
本発明において、開口部を通過した電波の水平偏波または垂直偏波のうち少なくともいずれかの半値角が360度であることが好ましい。半値角が360度であれば地下構造物用蓋10を中心にすべての方角に向けて一定以上の電波強度を有する電波が発信されるので地下構造物20内に設置された送信機能を有する無線装置30と地下構造物外に設置された無線設備50との間の無線通信を安定的に行うことができ、地下構造物用蓋10を設置する場所と無線設備50との間の方角や蓋本体11の向きを気にすることなく、地下構造物用蓋10を設置することができる。
なお、開口部を通過した電波の特性については、後で具体的な試験結果を示す。
本発明において、蓋本体11は、開口部11aを埋めるように配置される誘電体60を含むことが好ましい。
図5(a)に、図2(b)に示す開口部を埋めるように誘電体を配置した実施形態を示す概略平面図、図5(b)に、図2(c)に示す開口部を埋めるように誘電体を配置した実施形態を示す概略拡大断面図、図5(c)に、図3(c)に示す開口部を埋めるように誘電体を配置した実施形態を示す概略拡大断面図、図5(d)に、図3(c)に示す開口部を埋めるように誘電体配置した他の実施形態を示す概略拡大断面図を示す。
図5(b)に示す本発明の一実施形態においては、開口部11aの蓋表面側端11a-5が蓋本体の表面側11bと同一面上にあり、誘電体60は、誘電体60の上面と開口部11aの蓋表面側端11a-5が同一面上となるように配置されている。また、開口部11aの蓋裏面側端11a-6が蓋本体の裏面側11cと同一面上であり、誘電体60は、誘電体60の下面と開口部11aの蓋裏面側端11a-6が同一面上となるように配置されている。
なお、蓋本体11に形成した凹部11d内に開口部11aを形成し、当該開口部11aを埋めるように誘電体60を配置する場合には、図5(c)に示すように開口部11aの蓋表面側端11a-5から蓋裏面側端11a-6の間、すなわち開口部11aのみに誘電体60を配置するようにしてもよく、また、図5(d)に示すように凹部11dと開口部11aとを含めて誘電体60を配置するようにしてもよい。図5(d)の場合、凹部11dには開口部11aとは異なる誘電体を配置するようにしてもよい。
蓋本体11は、開口部を埋めるように誘電体60を配置することにより、誘電体60の比誘電率(ε)に応じて誘電体を通過する電波の波長が1/√ε程度に短縮され、その分、開口部11aの長さを短縮することができる。そのため、開口部11aを含むことによる蓋本体11の強度低下を最小限に抑えることができる。また、誘電体60が開口部11aを埋めるように配置されるので開口部11aから地下構造物20内への雨水等の流入も防止できる。
開口部11a内に配置する誘電体60としては、例えば、エポキシ樹脂(ε=2.5~6)、ポリカーボネート樹脂(ε=2.9~3)などが挙げられるがこれに限定されない。
なお、誘電体60は、開口部11aを埋めるように配置された状態で出荷してもよく、蓋本体11を出荷した後に配置してもよい。また、開口部11aを埋めるように配置される形状を含む誘電体60を別体で製作しておき、蓋本体11を出荷した後に開口部11aに取り付けるようにしてもよい。
図2に示す本発明の一実施形態である円弧形状の開口部、および図4に示す本発明の他の実施形態であるL字形状の開口部について、各形状の開口部を通過した電波の特性を評価する試験を行った。
ここで比較例として、図6(a)および図6(b)に示すように、第1の端面11a-1と第2の端面11a-2とが直線的に向き合うように配置されたI字形状のものについて、開口部を通過した電波の特性を評価する試験をあわせて行った。
なお、比較例であるI字形状の開口部の長さL3を170mmとし、幅は10mmとしている。
試験は、放射無線周波電磁界イミュニティ試験(国際規格IEC61000-4-3)に準拠して行った。その試験方法の概要を図7に示している。
同図に示すように、電波無反射室内に設置した高さ800mm(図7中の符号H1)の回転台101の上に地下構造物20を模して高さ200mm(図7中の符号H2)のマンホールの下桝103を置き、下桝103内に900MHzの電波を発信する発信器102を設置した。また、下桝103の上端に高さ110mm(図7中の符号H3)の受枠12を設置し、この受枠12に各形状の開口部11aを中心位置に1つ含む蓋本体11を支持した。
なお、下桝103の材質はレジンコンクリート、受枠12および蓋本体11の材質は球状黒鉛鋳鉄である。また、下桝103の内周面および底面(回転台の上面)は導電性を有するアルミニウム板を配置して電波を遮断し、純粋に開口部11aを通過した電波の特性を評価できるようにした。
受信器104側のアンテナは、開口部11aから3m(図7中の符号LL1)離れた位置に、高さを変更可能に配置した。また、回転台101と受信器104の間には電波吸収体105を配置した。
この試験方法において、受信器104側のアンテナの高さを100cmから10cm刻みで150cmまでの6水準で、それぞれ回転台101を5度ピッチで回転させることにより、開口部11aを通過した電波の特性を評価した。
図8および図9に、本発明の実施例である図2の円弧形状および図4のL字形状の開口部を通過した電波特性(垂直偏波)の評価結果を、また、図10および図11に、比較例である図6(a)および(b)の開口部を通過した電波特性(垂直偏波)の評価結果を示す。
表1には、図8~図11に示した電波特性のうち、受信器104側のアンテナの高さが150cmの場合(Vertical 150[cm])の電波特性を定量的に評価した結果を示している。
ここで、同表中の半値角(度)とは、図8~図11に示す電波特性の評価結果(指向特性図(360度の電界強度を示すグラフ))において、電界強度の最大値×1/√2の値の円を描き、その円と電界強度の測定値とが交わる2点間の角度を求めたもので、電波の指向特性を表す指標である。具体的には、半値角が小さいほど指向性があるということであり、360度であれば無指向性であるといえる。
なお、図8~図11には、電界強度の最大値の方向(最大放射方向)を実線で示し、電界強度の最大値×1/√2の値と測定値とが交わる2点の方向(2方向)を破線で示している。本発明の実施例である図8および図9には、電界強度の最大値×1/√2の値と測定値とが交わる2点の方向は無いため、最大放射方向を示す実線のみを記載し、破線は記載していない。
Figure 0007417999000001
本発明の実施例であり、開口部11aの第1の開口端面11a-1と第2の開口端面11a-2とが直線的に向き合わない形状である図2の円弧形状または図4のL字形状の場合、半値角は360度を示し、これらの開口部11aを通過した電波は無指向性であった。 一方、比較例である開口部11aの第1の開口端面11a-1と第2の開口端面11a-2とが直線的に向き合う形状である図6(a)および(b)のI字形状の場合、半値角は360度未満(それぞれ141度、171度)を示し、これらの開口部を通過した電波には指向性があり、開口端面の近傍において電界強度が低下し、無線通信に支障が生じる方向があることを示した。
10 地下構造物用蓋
11 蓋本体
11a 開口部
11a-1 第1の開口端面
11a-2 第2の開口端面
11a-3 第1の開口側面
11a-4 第2の開口側面
11a-5 開口部の蓋表面側端
11a-6 開口部の蓋裏面側端
11a-7 角部
11b 蓋本体の表面側
11c 蓋本体の裏面側
11d 凹部
12 受枠
20 地下構造物
21 マンホール(人孔)
22 下水管
30 送信機能を有する無線装置
40 水位センサ
50 受信機能を有する無線設備
60 誘電体
101 回転台
102 発信器
103 下桝
104 受信器
105 電波吸収体

Claims (5)

  1. 地下構造物内に設置された送信機能を有する無線装置から発信される電波が、前記地下構造物内に形成された電波伝搬空間を経て、地下構造物外に設置された受信機能を有する無線設備まで到達することにより、前記無線装置と前記無線設備との間の無線通信を可能とする無線通信用の蓋本体を備え、
    前記蓋本体は、当該蓋本体を貫通する開口部であって、前記電波伝搬空間を経て伝搬された前記電波を通過させる開口部を含み、
    前記開口部は、第1の開口端面と、
    前記第1の開口端面に対して直線的に向き合わないように配置された第2の開口端面と、
    前記第1の開口端面と前記第2の開口端面とを繋ぐ第1の開口側面と、
    前記第1の開口端面から前記第2の開口端面に向けて当該開口部が細長く延びるように、前記第1の開口側面に対して対向配置された第2の開口側面と、
    前記電波伝搬空間を経て到達した前記電波を受け入れる電波受入れ部であって、前記第1の開口端面、前記第2の開口端面、前記第1の開口側面および前記第2の開口側面により形成された電波受入れ部とを含み、
    前記電波受入れ部は、前記第1の開口端面の蓋裏面側端に位置する第1の辺部と、
    前記第2の開口端面の蓋裏面側端に位置する第2の辺部であって、前記第1の辺部に対して直線的に向き合わないように配置された第2の辺部とを含む、地下構造物用蓋。
  2. 前記開口部は、前記第1の開口端面から前記第2の開口端面に向けて形成された1つの角部を含む形状である、請求項1に記載の地下構造物用蓋。
  3. 前記開口部は、円弧形状である、請求項1に記載の地下構造物用蓋。
  4. 前記開口部を通過した電波の水平偏波または垂直偏波のうち少なくともいずれかの半値角が360度である、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の地下構造物用蓋。
  5. 前記蓋本体は、前記開口部を埋めるように配置される誘電体を含む、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の地下構造物用蓋。
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