JP2004253765A - 半導体装置とその製造方法およびそれを用いた電力変換装置 - Google Patents

半導体装置とその製造方法およびそれを用いた電力変換装置 Download PDF

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Abstract

【課題】電力変換装置の入出力電圧変動を抑制し、スイッチング周波数を高めることができる半導体装置とその製造方法およびそれを用いた電力変換装置を提供する。
【解決手段】n半導体基板100の表面に選択的にLOCOS11を形成し、このLOCOS11で囲まれたn半導体基板100にpソース領域5およびpドレイン領域6を形成し、このpソース領域5とpドレイン領域6に挟まれたチャネル領域3の右半分に高濃度領域4を形成し、チャネル領域3上にゲート電極7を形成し、pソース領域5上とpドレイン領域6上にソース電極9とドレイン電極10をそれぞれ形成する。左半分の第1MOSFET部1のゲートしきい値電圧は低く、右半分の第2MOSFET部2のゲートしきい値電圧を高くすることで、スイッチング時のドレイン電流の流れ始めのドレイン電流のdi/dtを小さくして、ドレイン電流・電圧の変動を抑制する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、スイッチング時の電流の立ち上がりおよび立ち下がりを緩くした半導体装置とその製造方法およびそれを用いて入出力電圧変動を抑制し、スイッチング周波数を高めた電力変換装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図31は、従来のスイッチングレギュレータの要部構成図である。このスイッチングレギュレータ300は、半導体スイッチであるpチャネルMOSFET301とnチャネルMOSFET302、出力インダクタL、出力コンデンサC、ドライバ303、比較器304、発振器304で構成される。
pチャネルMOSFET301、nチャネルMOSFET302のオン・オフにより入力電源電圧(入力電圧VIN)を変換し、出力インダクタL、出力コンデンサCを介して出力電圧VOUT を出力する。実回路では無視できない寄生インダクタ成分が入力電源側に存在し、この部分にスイッチングによる急激な電流変化が起きることで高周波の電圧変動(電圧振動)が入力電圧VINおよび出力電圧VOUT に生じる。つぎに、この電圧変動を回避する方法ついて説明する。
【0003】
図32は、電圧変動を回避した従来のスイッチングレギュレータの要部構成図である。
従来の電圧変動回避法では、出力段トランジスタであるpチャネルMOSFET301とnチャネルMOSFET302のゲートにそれぞれ抵抗R1、R2を挿入し、出力段トランジスタのゲート容量Cとで構成されるRC回路で、ゆっくりとゲート電位VGP、VGNを変化させて出力電流の急変を抑えることが行われている。
また、別の電圧変動回避法が開示されているのでその内容を説明する(例えば、特許文献1参照)。
図33は、電圧変動を回避するための出力段トランジスタの構成図である。半導体基板に多数の出力段トランンジスタM1〜M4を形成し、このM1〜M4のゲートを並列接続するゲート配線に抵抗成分を持たせる。このゲート配線はポリシリコンで半導体基板上に形成され、このポリシリコンに抵抗R0を形成する。
各抵抗R0とM1〜M4のゲートと接続する。
【0004】
このように形成すると、M1のゲートとR0の抵抗が接続し、M2のゲートとR0+R0=2×R0の抵抗、M3のゲートと3×R0の抵抗、M4のゲートと4×R0の抵抗が接続する。このようにゲート入力電圧VNO(VP0)が入力される位置から離れた出力段トランジスタはゲートと接続する抵抗が大きくなる。そのため、ゲート容量C0とゲートと接続する抵抗(R0〜4×R0)で決まる時定数はゲートと接続する抵抗が大きくなる程大きくなる。
図34は、ゲート入力電圧VN0、ゲート電圧VGNと時間の関係を示した図である。
ゲート入力電圧VN0に対して、各ゲート電圧VGN1 〜VGN4 の立ち上がりは遅くなり、ゲート入力電圧VN0の入力点Eから離れる程その立ち上がりは遅くなる。また、各トランジスタのドレイン電流はゲートしきい値電圧Vth0 を超えた時点で流れ出すため、M1はt1、M2はt2、M3はt3、M4はt4の時点で流れ出す。
【0005】
図35は、ドレイン電流ID と時間の関係を示す図である。図34から全トランジスタを合わせたドレイン電流ID (M1+M2+M3+M4)は時間に対して、3箇所折れ曲がりがあり、時間と共にdi/dtは大ききなり、最終的なdi/dtは図31のMOSFETの場合と同じになる。従って、逆にドレイン電流ID が流れ始める時点でのdi/dtは図31のMOSFETと比べると大幅に小さくなり、スイッチング時のドレイン電圧・電流の変動は抑制される。そのため、このような構成のトランジスタを用いたスイッチングレギュレータの入出力電圧の変動は抑制される。
【0006】
【特許文献1】
米国特許第4808861号明細書(第3図)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、特許文献1の方法では、ドライバ回路から遠いトランジスタのRC時定数は大きくなり、電圧変動は抑制されるものの、電圧の立ち上がり時間や立ち下がり時間が長くなり、スイッチング周波数を高くすることが困難である。
この発明の目的は、電力変換装置の入出力電圧変動を抑制し、スイッチング周波数を高めることができる半導体装置とその製造方法およびそれを用いた電力変換装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記の目的を達成するために、
(1)第1導電形の半導体基板の表面に形成した第2導電形の第1領域と、該第1領域と離して形成した第2導電形の第2領域と、前記第1領域と該第2領域に挟まれた半導体基板の表面にゲート絶縁膜を介して形成したゲート電極とを具備した半導体装置において、前記ゲート電極下の前記半導体基板の表面層に選択的に不純物をイオン注入し、前記半導体基板と不純物濃度が異なる第3領域を有する構成とする。
(2)前記ゲート電極下の前記半導体基板の表面層に選択的に第1導電形の不純物をイオン注入して形成した半導体基板より不純物濃度が高い第3領域を有するとよい。
(3)前記第3領域が、不純物イオン量が異なるイオン注入を複数回選択的に行って形成された複数段階の異なる不純物濃度の領域を有するとよい。
(4)前記ゲート電極下の前記半導体基板の表面層に選択的に第2導電形の不純物をイオン注入して形成した半導体基板より不純物濃度が低い第4領域を有するとよい。
(5)前記第4領域が、不純物イオン量が異なるイオン注入を複数回イオン注入場所をずらして行って形成された不純物濃度が複数段階の異なる領域を有するとよい。
(6)第1導電形の半導体基板の表面に形成した第2導電形の第1領域と、該第1領域と離して形成した第2導電形の第2領域と、前記第1領域と該第2領域に挟まれた半導体基板の表面にゲート絶縁膜を介して形成したゲート電極とを具備した半導体装置において、ゲート電極に不純物を選択的にイオン注入し、該ゲート電極下の半導体基板の表面層に形成される第2導電形のチャネル領域のゲートしきい値電圧を前記不純物の量に応じて選択的に変化させる構成とする。
(7)前記ゲート電極に第1導電形の不純物を選択的にイオン注入し、該不純物イオン量を増やすことで、前記チャネル領域のゲートしきい値電圧を前記不純物イオン量を増やした箇所で高くするとよい。
(8)前記ゲート電極に第2導電形の不純物を選択的にイオン注入し、該不純物イオン量を増やすことで、前記チャネル領域のゲートしきい値電圧を前記不純物イオン量を増やした箇所で低くするとよい。
(9)異なる不純物イオン量のイオン注入領域を複数個形成し、該不純物イオン量に応じて、異なるゲートしきい値電圧の領域を同一チャネル領域内に複数個形成するとよい。
(10)前記イオン注入領域が、不純物イオン量が異なるイオン注入を複数回イオン注入箇所をずらして行って形成された不純物濃度が複数段階の異なる領域を有する構成とするとよい。
(11)前記ずらした領域が互いに選択的に重なるとよい。
(12)第1導電形の半導体基板の表面に形成した第2導電形の第1領域と、該第1領域と離して形成した第2導電形の第2領域と、前記第1領域と該第2領域に挟まれた半導体基板の表面にゲート絶縁膜を介して形成したゲート電極とを具備した半導体装置において、同一半導体基板にゲートしきい値電圧の異なる半導体素子部を複数個形成し、該半導体素子部を並列接続する構成とする。
(13)第1導電形の半導体基板の表面に形成した第2導電形の第1領域と、該第1領域と離して形成した第2導電形の第2領域と、前記第1領域と該第2領域に挟まれた半導体基板の表面にゲート絶縁膜を介して形成したゲート電極とを具備した半導体装置において、ゲートしきい値電圧の異なる半導体素子を個別の半導体基板に形成し、同一パッケージに該半導体素子を並列接続して収納する構成とする。
(14)第1導電形の半導体基板の表面に形成した第2導電形の第1領域と、該第1領域と離して形成した第2導電形の第2領域と、前記第1領域と該第2領域に挟まれた半導体基板の表面にゲート絶縁膜を介して形成したゲート電極とを具備した半導体装置の製造方法において、第1導電形の半導体基板の表面に第2導電形の第1領域と、該第1領域と離して第2導電形の第2領域とを形成する工程と、前記第1領域と前記第2領域に挟まれた前記半導体基板の表面層に選択的に不純物をイオン注入して、半導体基板とは不純物濃度が異なる第3領域を形成する工程と、前記第1領域と前記第2領域に挟まれた前記半導体基板上と前記第3領域上にゲート絶縁膜を形成する工程と、該ゲート絶縁膜上にゲート電極を形成する工程と、を有する製造方法とする。
(15)第1導電形の半導体基板の表面に形成した第2導電形の第1領域と、該第1領域と離して形成した第2導電形の第2領域と、前記第1領域と該第2領域に挟まれた半導体基板の表面にゲート絶縁膜を介して形成したゲート電極とを具備した半導体装置の製造方法において、第1導電形の半導体基板の表面に第2導電形の第1領域と、該第1領域と離して第2導電形の第2領域とを形成する工程と、前記第1領域と前記第2領域に挟まれた前記半導体基板上にゲート絶縁膜を形成する工程と、該ゲート絶縁膜上にゲート電極をポリシリコンで形成する工程と、該ゲート電極に選択的に不純物をイオン注入する工程と、を有する製造方法とする。
(16) (14)、(15)の製造方法において、前記不純物の導電形が第1導電形もしくは第2導電形であるとよい。
(17) (14)、(15)の製造方法において、前記イオン注入を不純物量を変えて、イオン注入場所をずらして複数回行う工程を有するとよい。
(18) (1)〜(13)のいずれかの半導体装置を用いて電力変換装置を製作するとよい。
〔作用〕
同一のチャネル領域でしきい値の異なる領域が存在する半導体装置ではゲート電圧を印加すると、スイッチング時点に微妙にずれが生じて、主電流の立ち上がり、および立ち下がりが緩やかになり、この半導体装置をスイッチングレギュレータなどの電力変換装置に適用すると入出力電圧の変動を抑制することができる。 また、しきい値の異なる半導体素子を個別に同一半導体チップに形成して並列接続した場合やしきい値の異なる半導体チップを並列接続した場合も同様の効果が得られる。
【0009】
【発明の実施の形態】
図1は、この発明の第1実施例の半導体装置であり、同図(a)は要部平面図、同図(b)は同図(a)のX−X線で切断した要部断面図、同図(c)は同図(a)のY1−Y1線で切断した要部断面図、同図(d)は同図(a)のY2−Y2線で切断した要部断面図である。半導体装置としては横型のpチャネルMOSFETを例として挙げた。導電形を逆にしたnチャネルMOSFETにも当然適用できる。
n半導体基板100の表面に選択的にLOCOS11(選択酸化膜)を形成し、このLOCOS11で囲まれたn半導体基板100(露出したn半導体基板)にpソース領域5およびpドレイン領域6を形成する。このpソース領域5とpドレイン領域6に挟まれた領域がチャネル領域3である。このチャネル領域3の右半分にn形の高濃度領域4を形成する。チャネル領域3上にゲート絶縁膜8を介してゲート電極7を形成し、pソース領域5上とpドレイン領域6上にソース電極9とドレイン電極10をそれぞれ形成する。チャネル領域3の左半分はn半導体基板100が露出した低濃度領域であり、右半分は高濃度領域4である。
【0010】
この発明のMOSFETは、左半分が第1MOSFET部1、右半分が第2MOSFET部2で構成されており、第1MOSFET部1はチャネル領域の不純物濃度が低いのでゲートしきい値電圧は低く、第2MOSFET部2は不純物濃度が高いのでゲートしきい値電圧は高い。
尚、図1では高濃度領域4を露出したn半導体基板100の右半分に形成したが、露出したn半導体基板100の両側に形成したり、またLOCOS11と接する周囲にリング状に形成しても構わない。周囲にリング状に形成した場合は、ゲートしきい値電圧の低い領域が中央部に位置するので、この中央部が電流密度が高くなり、LOCOS11に接する箇所の電流密度が低くなる。LOCOS11形成時にできたバーズビークのある箇所の電流密度が低くなることで、破壊しにくい素子とすることができる。
【0011】
また、露出したn半導体基板100にpソース領域5とpドレイン領域6からなるセルを多数形成し、各セルのチャネル領域内に前記したような高濃度領域を形成した場合も同様の効果が得られることは勿論である。
図2から図4は、図1の半導体装置の製造方法であり、工程順に示す要部工程平面図(a)と要部工程断面図(b)である。ただし、図4は平面図のみ示す。
図2において、n半導体基板100の表面に選択的にLOCOS11を形成する。
図3において、チャネル領域の右半分に高濃度領域4を形成するために、n形不純物13のイオン注入12を行う。その後、熱処理して、高濃度領域4を形成する。この熱処理で高濃度領域4の左端部近傍のn形不純物13は熱処理により、僅かにn半導体基板100の方へ横方向に拡散される。イオン注入領域14は、LOCOS11の一部と、pソース領域形成予定領域、pドレイン領域形成予定領域のあるn半導体基板100の露出部の右半分である。
【0012】
図4において、図示しないゲート絶縁膜を介してポリシリコンなどでゲート電極7を形成する。このゲート電極7とLOCOS11をマスクとしてpソース領域5とpドレイン領域6をBまたはBFなどのn形不純物をイオン注入し、熱処理して形成する。この熱処理で、ゲート電極7の端部直下にpソース領域5とpドレイン領域6の端部が広がる(pソース領域5およびpドレイン領域6はゲート電極7をマスクとしてセルフアラインで形成される)。pソース領域5とpドレイン領域6に挟まれた領域がチャネル領域3となり、右半分がn形の高濃度領域4となる。
このようにして形成されたMOSFETは、低いしきい値電圧を有する第1MOSFET部1と高いしきい値を有する第2MOSFET部2で構成される。
【0013】
図5は、図1のMOSFETと従来のMOSFETのゲート電圧とドレイン電流の関係を示す図である。従来のMOSFETはチャネル領域の不純物濃度は全域で一定で、図1の第1MOSFET部1と同一である。
ゲート電圧が第1MOSFET部1の低いしきい値電圧Vth1 を超えると第1MOSFET部1のドレイン電流ID1 が流れ出す。また、ゲート電圧が第2MOSFET部2の高いしきい値電圧Vth2 を超えると、第2MOSFET部2のドレイン電流ID2が流れ出し、図1のMOSFETとしては、ID1+ID2のドレイン電流ID が流れる。
一方、従来のMOSFETの場合は、右半分も第1MOSFET部1 に相当するMOSFET部となるため、Vth1 を超えると、ID1の2倍のドレイン電流が流れる。
【0014】
図6は、図1のMOSFETと従来のMOSFETのドレイン電流と時間の関係を示す図である。図にはゲート電圧VG も示した。
ゲート電圧VG がVth1 を超えた時点で、第1MOSFET部1のドレイン電流ID1が流れ始め、Vth2 を超えた時点で第2MOSFET部2のドレイン電流ID2が流れ始めてID1に重畳する。
ゲートしきい値電圧が高い第2MOSFET部2を形成することで、図1のMOSFETのドレイン電流が流れ始める付近の電流上昇率(di/dt)は従来のMOSFETより小さくなり、ターンオン時のMOSFETのドレイン電流・電圧の変動(振動)が抑制される。
図7は、図1のMOSFET(本発明品)と従来のMOSFET(従来品)のゲート電圧と時間の関係を示す図である。この従来のMOSFETは、ドレイン電流・電圧の変動を抑制する抵抗がゲートに接続する抵抗付加品である。また、ゲート制御回路から出力されるゲート入力電圧をVDin で示す。
【0015】
ゲート電圧VG は、本発明品ではゲートと接続する抵抗が極めて小さいためにほぼVGin と同じ波形となる。一方、従来品ではゲートと接続する抵抗Rとゲート・ソース間容量C1による時定数(R×C1)でゲート電圧は上昇するために、ゲート電圧VG が一定となる時間は、本発明品に対して時間が長くなる。
つまり、本発明品は、従来品と比べて、ドレイン電流が一定となる時間が短く、動作周波数を高めることができる。
そのため、本発明品は、ドレイン電圧の変動(振動)を抑制し、高い周波数で動作させることができる。この本発明品をスイッチングレギュレータなどの電力変換装置に用いることで、入出力電圧変動を抑制し、高い周波数で動作させることができる。
【0016】
また、説明を省略したが、ターンオフ時も同様に本発明品は、ドレイン電流・電圧の変動を抑制することができる。
図8は、この発明の第2実施例の半導体装置の要部平面図である。
図1との違いは、チャネル領域3が4つの不純物濃度が異なる領域で構成されている点である。第1n領域はn半導体領域100が露出した領域であり、第2から第4n領域は第1n領域より高い不純物濃度で、それぞれ異なる不純物濃度の領域である。
このように、第1n領域より高く、それぞれ異なる不純物濃度とすることで、しきい値電圧が異なるMOSFET部が形成され、図5に相当するドレイン電流とゲート電圧を示す図で、ドレイン電流が折れ曲がる点が3個に増えて、小刻みに変化する。また、個々のMOSFET部のチャネル幅が小さくなるため、ゲート電圧に対するドレイン電流の勾配が小さくなり、図6に相当するドレイン電流と時間を示す図では、ドレイン電流が流れ始める付近のdi/dtは図1のMOSFETより小さくなり、ドレイン電流・電圧の変動(振動)をさらに抑制することができる。
【0017】
図9と図10は、図8の半導体装置の製造方法であり、工程順に示す要部工程平面図(a)と要部工程断面図(b)である。
図9において、図2に続き、露出したn半導体領域100の半分を覆うイオン注入領域23にn形不純物22のイオン注入21を行う(図3に相当)。
図10において、図9に続き、中央部のイオン注入領域26にn形不純物25(1回目のドーズ量と異なるドーズ量とする)のイオン注入24を行う。このイオン注入領域26を第1回目のイオン注入領域23に対してずらすことで、端部が重なる領域と重ならない領域ができる。
このようにすることで、イオン注入されない不純物濃度が一番低い領域が1つ、不純物濃度が異なる領域28、29、30が3つ形成される。例えば、1回目のイオン注入21のn形不純物22のドーズ量をKとし、2回目のドーズ量をK/2とすると、領域28のドーズ量はK/2、領域30のドーズ量はK、領域29のドーズ量は3K/2となる。
【0018】
また、1回目と2回目のイオン注入領域をずらすことで、2回のイオン注入で不純物濃度の異なる領域を4箇所形成できる。
図11は、3回イオン注入した場合の半導体装置の製造方法であり、同図(a)は要部工程平面図、同図(b)は同図(a)の要部工程断面図である。
図10に続き、図10のイオン注入領域26からずらした2か所のイオン注入領域33にn形不純物32のイオン注入31を行う。n形不純物32のドーズ量はn形不純物22のドーズ量と異なるようにする。
3回のイオン注入で、イオン注入されない領域も含めて不純物濃度が異なる領域34〜41の8箇所形成できる。
同様にイオン注入回数をn回とし、例えばi番目のイオン注入のドーズ量をa/2(i−1) とすることで、a/2(n−1) の刻みで不純物濃度が異なる領域が2箇所形成される。このように不純物濃度が異なる領域を増加させることで、スイッチング時の電流波形が緩やかになり、ドレイン電流・電圧の変動をさらに抑制することができる。
【0019】
その結果、このMOSFETをスイッチングレギュレータに用いると、一層、入出力電圧変動が抑制できる。
図12は、この発明の第3実施例の半導体装置であり、同図(a)は要部平面図、同図(b)は同図(a)の要部断面図である。
図1との違いは、n半導体基板101に逆導電形であるp型不純物をイオン注入した点である。この場合は、イオン注入箇所48の正味の不純物濃度(n形不純物濃度−p形不純物濃度)はコンペンセート(補償)されて、n半導体基板101の不純物濃度より低くなる。これはカウンタードープと言われる方法であり、ゲートしきい値電圧は低くなる。
そのため、カウンタードープ後の正味の不純物濃度を、n半導体基板100と同じになるようにn半導体基板101の不純物濃度を予め高くしておけば、図1と同様の効果が得られる。
【0020】
図13は、この発明の第4実施例の半導体装置の要部平面図である。図1との違いは、図1の第1MOSFET部1、第2MOSFET部2に相当するMOSFET48、49を同一半導体基板100(半導体チップ102)に別々に形成しそれらを並列に配線した点である。この場合も図1と同様の効果が得られることは勿論である。尚、図ではMOSFET48、49を形成する領域を示し、ソース領域、ドレイン領域や配線などの詳細な説明は省略されている。
図14は、この発明の第5実施例の半導体装置の要部平面図である。図1との違いは、図1の第1MOSFET部1、第2MOSFET部2に相当するMOSFET51、52を別々の半導体基板に形成し、これらのMOSFETを並列接続して同一のパッケージに収納した点である。この場合も図1と同様の効果が得られることは勿論である。尚、図では、個々のMOSFET51、52の概略平面のみ示した。図中の53、54は活性領域で、ソース領域、ドレイン領域、ゲート電極などが形成される領域である。
【0021】
尚、前記の実施例では、半導体装置としてMOSFETを例に説明したが、IGBT(絶縁ゲート型バイポーラトランジスタなど)やMOSサイリスタなどのMOSデバイスに対しても本発明が適用できることは勿論である。
図15は、この発明の第6実施例であり、第1から第5実施例の半導体装置を用いた電力変換装置の主要部の回路図である。電力変換装置の例としてスイッチングレギュレータを挙げた。
スイッチングレギュレータ200は、本発明のpチャネル型のMOSFET部1、2を有するpMOSFET61と前記実施例では示さなかった本発明のnチャネル型のMOSFET部を有するnMOSFET62と出力インダクタLと出力コンデンサCで構成される。
【0022】
前記したように、本発明のpMOSFET61、nMOSFET62を用いることで、pMOSFET61、nMOSFET62がスイッチングするときに発生するドレイン電流・電圧の変動(振動)を抑制できて、入力電圧VINおよび出力電圧VOUT の変動(振動)が抑制される。また、pMOSFET61、nMOSFET62を高周波で動作させることができるため、スイッチングレギュレータ200の出力電圧VOUT を精度よく制御することができる。
前記は、半導体基板の表面層に形成されるチャネル領域に選択的(部分的)に不純物イオンを注入して、チャネル内に異なるゲートしきい値電圧を持つ複数の領域を形成する方法について説明したが、ポリシリコンで形成されたゲート電極に選択的に不純物イオンを注入して、同様にチャネル内に異なるゲートしきい値電圧を持つ複数の領域を形成する方法について説明する。
【0023】
図16は、この発明の第7実施例の半導体装置であり、同図(a)は要部平面図、同図(b)は同図(a)のX−X線で切断した要部断面図、同図(c)は同図(a)のY1−Y1線で切断した要部断面図、同図(d)は同図(a)のY2−Y2線で切断した要部断面図である。半導体装置としては横型のpチャネルMOSFETを例として挙げた。導電形を逆にしたnチャネルMOSFETにも当然適用できる。また、この実施例は半導体基板100の代わりにゲート電極7aに図1のようなパターンで不純物をイオン注入した場合である。
n半導体基板100の表面に選択的にLOCOS11(選択酸化膜)を形成し、このLOCOS11で囲まれたn半導体基板100(露出したn半導体基板)にpソース領域5およびpドレイン領域6を形成する。このpソース領域5とpドレイン領域6に挟まれた領域がチャネル領域3である。このチャネル領域3上にゲート絶縁膜8を介してポリシリコンでゲート電極7aを形成し、pソース領域5上とpドレイン領域6上にソース電極9とドレイン電極10をそれぞれ形成する。
【0024】
ノンドープのポリシリコンで形成されたゲート電極7aの右半分にn形不純物イオンを注入した箇所4aを形成する。多少ドープしたポリシリコンでも構わない。この場合は、ドープした不純物濃度よりも高濃度になるようにイオン注入するとよい。このイオン注入ですでに形成されているpソース領域5とpドレイン領域6の一部にもn形不純物がイオン注入されるが、pソース領域5とpドレイン領域6の不純物濃度が極めて高いため殆ど影響ない。
ゲート電極7aの左半分はイオン注入されない箇所であり、右半分はイオン注入された箇所4aである。
この発明のMOSFETは、左半分が第1MOSFET部1a、右半分が第2MOSFET部2aで構成されており、第1MOSFET部1aはゲート電極7aにn形不純物のイオン注入を行っていないのでゲートしきい値電圧は低く、第2MOSFET部2aはイオン注入を行っているのでゲートしきい値電圧は高い。
【0025】
尚、図16ではイオン注入領域4aをゲート電極7aの右半分に形成したが、ゲート電極7aの両側に形成しても構わない。
図17、図18は、図16の半導体装置の製造方法であり、工程順に示す要部工程平面図(a)と要部工程断面図(b)である。
図17において、n半導体基板100の表面に選択的にLOCOS11を形成する。
表面にゲート絶縁膜8を形成し、このゲート絶縁膜8上にポリシリコンでゲート電極7aを形成する。このゲート電極7aとLOCOS11をマスクとしてpソース領域5とpドレイン領域6をBまたはBFなどのn形不純物をイオン注入し、熱処理して形成する。この熱処理で、ゲート電極7aの端部直下にpソース領域5とpドレイン領域6の端部が広がる(pソース領域5およびpドレイン領域6はゲート電極7aをマスクとしてセルフアラインで形成される)。
【0026】
その後、ゲート電極7aの右半分にn形不純物13aのイオン注入12aを行いイオン注入箇所4aを形成して、図19のような、第1MOSFET1aと第2MOSFET2aを形成する。
図20は、図16のMOSFETと従来のMOSFETのゲート電圧とドレイン電流の関係を示す図である。従来のMOSFETはチャネル領域全域でゲートしきい値電圧は一定であり、図16の第1MOSFET部1aと同一である。
図5と同様に、ゲート電圧が第1MOSFET部1aの低いしきい値電圧Vth1aを超えると第1MOSFET部1aのドレイン電流ID1a が流れ出す。また、ゲート電圧が第2MOSFET部2aの高いしきい値電圧Vth2aを超えると、第2MOSFET部2aのドレイン電流ID2a が流れ出し、図16のMOSFETとしては、ID1a +ID2a のドレイン電流ID が流れる。
【0027】
一方、従来のMOSFETの場合は、右半分も第1MOSFET部1aに相当するMOSFET部となるため、Vth1aを超えると、ID1a の2倍のドレイン電流が流れる。
図21は、図16のMOSFETと従来のMOSFETのドレイン電流と時間の関係を示す図である。図にはゲート電圧VG も示した。
図5と同様に、ゲート電圧VG がVth1aを超えた時点で、第1MOSFET部1aのドレイン電流ID1a が流れ始め、Vth2aを超えた時点で第2MOSFET部2aのドレイン電流ID2a が流れ始めてID1a に重畳する。
ゲートしきい値電圧が高い第2MOSFET部2aを形成することで、図16のMOSFETのドレイン電流が流れ始める付近の電流上昇率(di/dt)は従来のMOSFETより小さくなり、ターンオン時のMOSFETのドレイン電流・電圧の変動(振動)が抑制される。
【0028】
図22は、図16のMOSFET(本発明品)と従来のMOSFET(従来品)のゲート電圧と時間の関係を示す図である。図7と同様に、この従来のMOSFETは、ドレイン電流・電圧の変動を抑制する抵抗がゲートに接続する抵抗付加品である。また、ゲート制御回路から出力されるゲート入力電圧をVDin で示す。
ゲート電圧VG は、本発明品ではゲートと接続する抵抗が極めて小さいためにほぼVGin と同じ波形となる。一方、従来品ではゲートと接続する抵抗Rとゲート・ソース間容量C1による時定数(R×C1)でゲート電圧は上昇するために、ゲート電圧VG が一定となる時間は、本発明品に対して時間が長くなる。
つまり、本発明品は、従来品と比べて、ドレイン電流が一定となる時間が短く、動作周波数を高めることができる。
【0029】
そのため、本発明品は、ドレイン電圧の変動(振動)を抑制し、高い周波数で動作させることができる。この本発明品をスイッチングレギュレータなどの電力変換装置に用いることで、入出力電圧変動を抑制し、高い周波数で動作させることができる。
また、説明を省略したが、ターンオフ時も同様に本発明品は、ドレイン電流・電圧の変動を抑制することができる。
図23は、この発明の第8実施例の半導体装置の要部平面図である。
図16との違いは、チャネル領域3が4つの不純物濃度が異なる領域で構成されている点である。第1ゲート電極部27aはイオン注入しない領域であり、第2から第4ゲート電極部28a〜30aは第1ゲート電極部27aより高い不純物濃度で、それぞれ異なる不純物濃度の部位である。
【0030】
このように、第1ゲート電極部より高く、それぞれ異なる不純物濃度とすることで、しきい値電圧が異なるMOSFET部が形成され、図20に相当するドレイン電流とゲート電圧を示す図で、ドレイン電流が折れ曲がる点が3個に増えて、小刻みに変化する。また、個々のMOSFET部のチャネル幅が小さくなるため、ゲート電圧に対するドレイン電流の勾配が小さくなり、図21に相当するドレイン電流と時間を示す図では、ドレイン電流が流れ始める付近のdi/dtは図16のMOSFETより小さくなり、ドレイン電流・電圧の変動(振動)をさらに抑制することができる。
図24と図25は、図23の半導体装置の製造方法であり、工程順に示す要部工程平面図(a)と要部工程断面図(b)である。
【0031】
図24において、図17に続き、ゲート電極7aの半分を覆うイオン注入箇所23aにn形不純物22aのイオン注入21aを行う(図18に相当)。
図25において、図24に続き、ゲート電極7aの中央部のイオン注入箇所26aにn形不純物25a(1回目のドーズ量と異なるドーズ量とする)のイオン注入24aを行う。このイオン注入領域26aを第1回目のイオン注入領域23aに対してずらすことで、端部が重なる領域と重ならない領域ができる。
このようにすることで、図10と同様に、ゲート電極7aでイオン注入されない不純物濃度が一番低い箇所が1つ、不純物濃度が異なる箇所28a、29a、30aが3つ形成される。例えば、1回目のイオン注入21aのn形不純物22aのドーズ量をKとし、2回目のドーズ量をK/2とすると、箇所28aのドーズ量はK/2、箇所30aのドーズ量はK、箇所29aのドーズ量は3K/2となる。
【0032】
また、1回目と2回目のイオン注入箇所をずらすことで、2回のイオン注入で不純物濃度の異なる箇所を4箇所ゲート電極7a内に形成できる。
図26は、3回イオン注入した場合の半導体装置の製造方法であり、同図(a)は要部工程平面図、同図(b)は同図(a)の要部工程断面図である。
図25に続き、図25のイオン注入箇所26aからずらした2か所のイオン注入箇所33aにn形不純物32aのイオン注入31aをゲート電極7aに行う。n形不純物32aのドーズ量はn形不純物22aのドーズ量と異なるようにする。
3回のイオン注入で、イオン注入されない箇所も含めて不純物濃度が異なる箇所34a〜41aの8箇所ゲート電極7a内に形成できる。
【0033】
同様にイオン注入回数をn回とし、例えばi番目のイオン注入のドーズ量をa/2(i−1) とすることで、a/2(n−1) の刻みで不純物濃度が異なる箇所が2箇所形成される。このように不純物濃度が異なる箇所を増加させることで、スイッチング時の電流波形が緩やかになり、ドレイン電流・電圧の変動をさらに抑制することができる。
その結果、このMOSFETをスイッチングレギュレータに用いると、一層、入出力電圧変動が抑制できる。
図27は、この発明の第9実施例の半導体装置であり、同図(a)は要部平面図、同図(b)は同図(a)の要部断面図である。
ゲート電極7aを形成するポリシリコンに不純物濃度が薄いp形不純物47aがドープされている場合、ゲート電極7aに逆導電形であるn形不純物46aを高濃度にイオン注入してn形のポリシリコンでゲート電極7aを形成しても、図16と同様の効果が得られる。
【0034】
図28は、この発明の第10実施例の半導体装置の要部平面図である。図16との違いは、図16の第1MOSFET部1a、第2MOSFET部2aに相当するMOSFET48a、49aを同一半導体基板100(半導体チップ102)に別々に形成しそれらを並列に配線した点である。この場合も図16と同様の効果が得られることは勿論である。尚、図ではMOSFET48a、49aを形成する領域を示し、ソース領域、ドレイン領域や配線などの詳細な説明は省略されている。
図29は、この発明の第11実施例の半導体装置の要部平面図である。図16との違いは、図16の第1MOSFET部1a、第2MOSFET部2aに相当するMOSFET51a、52aを別々の半導体基板に形成し、これらのMOSFETを並列接続して同一のパッケージに収納した点である。この場合も図16と同様の効果が得られることは勿論である。尚、図では、個々のMOSFET51a、52aの概略平面のみ示した。図中の53a、54aは活性領域で、ソース領域、ドレイン領域、ゲート電極などが形成される領域である。
【0035】
尚、前記の実施例では、半導体装置としてMOSFETを例に説明したが、IGBT(絶縁ゲート型バイポーラトランジスタなど)やMOSサイリスタなどのMOSデバイスに対しても本発明が適用できることは勿論である。
図30は、この発明の第12実施例であり、第7から第11実施例の半導体装置を用いた電力変換装置の主要部の回路図である。電力変換装置の例としてスイッチングレギュレータを挙げた。
スイッチングレギュレータ200は、本発明のpチャネル型のMOSFET部1a、2bを有するpMOSFET61aと前記実施例では示さなかった本発明のnチャネル型のMOSFET部を有するnMOSFET62aと出力インダクタLと出力コンデンサCで構成される。
【0036】
前記したように、本発明のpMOSFET61a、nMOSFET62aを用いることで、pMOSFET61a、nMOSFET62aがスイッチングするときに発生するドレイン電流・電圧の変動(振動)を抑制できて、入力電圧VINおよび出力電圧VOUT の変動(振動)が抑制される。また、pMOSFET61a、nMOSFET62aを高周波で動作させることができるため、スイッチングレギュレータ200の出力電圧VOUT を精度よく制御することができる。
【0037】
【発明の効果】
この発明では、チャネル領域に異なる不純物濃度の領域を複数個形成し、ゲートしきい値電圧が異なる複数個の領域としてこれらの領域を並列接続することで、スイッチング時のドレイン電流・電圧の変動(振動)を抑制することができる。
また、ポリシリコンで形成されたゲート電極に異なる不純物濃度の領域を複数形成し、ゲートしきい値電圧が異なる複数の領域としてこれらの領域を並列接続することで、スイッチング時のドレイン電流・電圧の変動(振動)を抑制することができる。
また、同一半導体基板にゲートしきい値電圧が異なるMOSデバイスを複数個形成し、これらを並列接続することで、同様の効果が得られる。
【0038】
さらに、ゲートしきい値の異なる個別のMOSデバイスチップを並列接続することで、同様の効果が得られる。
これらのMOSデバイスをスイッチングレギュレータなどの電力変換装置に用いることで、MOSデバイスがオン・オフするときに、電力変換装置の入出力電圧の変動(振動)を抑制できて、この電圧変動によって発生する電磁ノイズ(放射ノイズ)を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1実施例の半導体装置であり、(a)は要部平面図、(b)は(a)のX−X線で切断した要部断面図、(c)は(a)のY1−Y1線で切断した要部断面図、(d)は(a)のY2−Y2線で切断した要部断面図
【図2】図1の半導体装置の要部工程平面図(a)と要部工程断面図(b)
【図3】図2に続く、図1の半導体装置の要部工程平面図(a)と要部工程断面図(b)
【図4】図2に続く、図1の半導体装置の要部工程平面図
【図5】図1のMOSFETと従来のMOSFETのゲート電圧とドレイン電流の関係を示す図
【図6】図1のMOSFETと従来のMOSFETのドレイン電流と時間の関係を示す図
【図7】図1のMOSFET(本発明品)と従来のMOSFET(従来品)のゲート電圧と時間の関係を示す図
【図8】この発明の第2実施例の半導体装置の要部平面図
【図9】図8の半導体装置の要部工程平面図(a)と要部工程断面図(b)
【図10】図9に続く、図8の半導体装置の要部工程平面図(a)と要部工程断面図(b)
【図11】3回イオン注入した場合の半導体装置の製造方法であり、(a)は要部工程平面図、(b)は(a)の要部工程断面図
【図12】この発明の第3実施例の半導体装置であり、(a)は要部平面図、(b)は同図(a)の要部断面図
【図13】この発明の第4実施例の半導体装置の要部平面図
【図14】この発明の第5実施例の半導体装置の要部平面図
【図15】この発明の第6実施例であり、第1から第5実施例の半導体装置を用いた電力変換装置の主要部の回路図
【図16】この発明の第7実施例の半導体装置であり、(a)は要部平面図、(b)は(a)のX−X線で切断した要部断面図、(c)は(a)のY1−Y1線で切断した要部断面図、(d)は(a)のY2−Y2線で切断した要部断面図
【図17】図16の半導体装置の要部工程平面図(a)と要部工程断面図(b)
【図18】図17に続く、第7実施例の半導体装置の要部工程平面図(a)と要部工程断面図(b)
【図19】図18の工程後の半導体装置の要部工程平面図
【図20】図16のMOSFETと従来のMOSFETのゲート電圧とドレイン電流の関係を示す図
【図21】図16のMOSFETと従来のMOSFETのドレイン電流と時間の関係を示す図
【図22】図16のMOSFET(本発明品)と従来のMOSFET(従来品)のゲート電圧と時間の関係を示す図
【図23】この発明の第8実施例の半導体装置の要部平面図
【図24】図23の半導体装置の要部工程平面図(a)と要部工程断面図(b)
【図25】図24に続く、図23の半導体装置の要部工程平面図(a)と要部工程断面図(b)
【図26】3回イオン注入した場合の半導体装置の製造方法であり、(a)は要部工程平面図、(b)は(a)の要部工程断面図
【図27】この発明の第9実施例の半導体装置であり、(a)は要部平面図、(b)は同図(a)の要部断面図
【図28】この発明の第10実施例の半導体装置の要部平面図
【図29】この発明の第11実施例の半導体装置の要部平面図
【図30】この発明の第12実施例であり、第6から第10実施例の半導体装置を用いた電力変換装置の主要部の回路図
【図31】従来のスイッチングレギュレータの要部構成図
【図32】電圧変動を回避した従来のスイッチングレギュレータの要部構成図
【図33】電圧変動を回避するための出力段トランジスタの構成図
【図34】ゲート入力電圧VN0、ゲート電圧VGNと時間の関係を示した図
【図35】ドレイン電流ID と時間の関係を示す図
【符号の説明】
1、1a 第1MOSFET部
2、2a 第2MOSFET部
3 チャネル領域
4、4a 高濃度領域
5 pソース領域
6 pドレイン領域
7、7a ゲート電極
8 ゲート絶縁膜
9 ソース電極
10 ドレイン電極
11 LOCOS
12、12a、21、21a、24、24a、31、31a、45、
45a イオン注入
13、13a、22、22a、25、25a、32、32a n形不純物
14、14a、23、23a、26、26a、33、33a、48、
48a イオン注入領域
27 第1n領域
27a 第1ゲート電極部
28 第2n領域
28a 第2ゲート電極部
29 第3n領域
29a 第3ゲート電極部
30 第4n領域
30a 第4ゲート電極部
46、46a p形不純物
47、47a 低濃度領域
48、48a、49、49a、51、51a、52、52a MOSFET
53、53a、54、54a 活性領域
61、61a pMOSFET
62、62a nMOSFET
100、101 n半導体基板
102 半導体チップ
200 スイッチングレギュレータ
VG ゲート電圧
VGin ゲート入力電圧
Vth1 ゲートしきい値電圧(低い)
Vth2 ゲートしきい値電圧(高い)
VIN 入力電圧(電源)
VOUT 出力電圧
L 出力インダクタ
C 出力コンデンサ

Claims (18)

  1. 第1導電形の半導体基板の表面に形成した第2導電形の第1領域と、該第1領域と離して形成した第2導電形の第2領域と、前記第1領域と該第2領域に挟まれた半導体基板の表面にゲート絶縁膜を介して形成したゲート電極とを具備した半導体装置において、
    前記ゲート電極下の前記半導体基板の表面層に選択的に不純物をイオン注入し、前記半導体基板と不純物濃度が異なる第3領域を有することを特徴とする半導体装置。
  2. 前記ゲート電極下の前記半導体基板の表面層に選択的に第1導電形の不純物をイオン注入して形成した半導体基板より不純物濃度が高い第3領域を有することを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
  3. 前記第3領域が、不純物イオン量が異なるイオン注入を複数回選択的に行って形成された複数段階の異なる不純物濃度の領域を有することを特徴とする請求項2に記載の半導体装置。
  4. 前記ゲート電極下の前記半導体基板の表面層に選択的に第2導電形の不純物をイオン注入して形成した半導体基板より不純物濃度が低い第4領域を有することを特徴とする請求項3に記載の半導体装置。
  5. 前記第4領域が、不純物イオン量が異なるイオン注入を複数回イオン注入場所をずらして行って形成された不純物濃度が複数段階の異なる領域を有することを特徴とする請求項4に記載の半導体装置。
  6. 第1導電形の半導体基板の表面に形成した第2導電形の第1領域と、該第1領域と離して形成した第2導電形の第2領域と、前記第1領域と該第2領域に挟まれた半導体基板の表面にゲート絶縁膜を介して形成したゲート電極とを具備した半導体装置において、
    ゲート電極に不純物を選択的にイオン注入し、該ゲート電極下の半導体基板の表面層に形成される第2導電形のチャネル領域のゲートしきい値電圧を前記不純物の量に応じて選択的に変化させることを特徴とする半導体装置。
  7. 前記ゲート電極に第1導電形の不純物を選択的にイオン注入し、該不純物イオン量を増やすことで、前記チャネル領域のゲートしきい値電圧を前記不純物イオン量を増やした箇所で高くすることを特徴とする請求項6に記載の半導体装置。
  8. 前記ゲート電極に第2導電形の不純物を選択的にイオン注入し、該不純物イオン量を増やすことで、前記チャネル領域のゲートしきい値電圧を前記不純物イオン量を増やした箇所で低くすることを特徴とする請求項6に記載の半導体装置。
  9. 異なる不純物イオン量のイオン注入領域を複数個形成し、該不純物イオン量に応じて、異なるゲートしきい値電圧の領域を同一チャネル領域内に複数個形成することを特徴とする請求項7または8に記載の半導体装置。
  10. 前記イオン注入領域が、不純物イオン量が異なるイオン注入を複数回イオン注入箇所をずらして行って形成された不純物濃度が複数段階の異なる領域を有することを特徴とする請求項9に記載の半導体装置。
  11. 前記ずらした領域が互いに選択的に重なることを特徴とする請求項5または10に記載の半導体装置。
  12. 第1導電形の半導体基板の表面に形成した第2導電形の第1領域と、該第1領域と離して形成した第2導電形の第2領域と、前記第1領域と該第2領域に挟まれた半導体基板の表面にゲート絶縁膜を介して形成したゲート電極とを具備した半導体装置において、
    同一半導体基板にゲートしきい値電圧の異なる半導体素子部を複数個形成し、該半導体素子部を並列接続することを特徴とする半導体装置。
  13. 第1導電形の半導体基板の表面に形成した第2導電形の第1領域と、該第1領域と離して形成した第2導電形の第2領域と、前記第1領域と該第2領域に挟まれた半導体基板の表面にゲート絶縁膜を介して形成したゲート電極とを具備した半導体装置において、
    ゲートしきい値電圧の異なる半導体素子を個別の半導体基板に形成し、同一パッケージに該半導体素子を並列接続して収納することを特徴とする半導体装置。
  14. 第1導電形の半導体基板の表面に形成した第2導電形の第1領域と、該第1領域と離して形成した第2導電形の第2領域と、前記第1領域と該第2領域に挟まれた半導体基板の表面にゲート絶縁膜を介して形成したゲート電極とを具備した半導体装置の製造方法において、
    第1導電形の半導体基板の表面に第2導電形の第1領域と、該第1領域と離して第2導電形の第2領域とを形成する工程と、前記第1領域と前記第2領域に挟まれた前記半導体基板の表面層に選択的に不純物をイオン注入して、半導体基板とは不純物濃度が異なる第3領域を形成する工程と、前記第1領域と前記第2領域に挟まれた前記半導体基板上と前記第3領域上にゲート絶縁膜を形成する工程と、該ゲート絶縁膜上にゲート電極を形成する工程と、を有する半導体装置の製造方法。
  15. 第1導電形の半導体基板の表面に形成した第2導電形の第1領域と、該第1領域と離して形成した第2導電形の第2領域と、前記第1領域と該第2領域に挟まれた半導体基板の表面にゲート絶縁膜を介して形成したゲート電極とを具備した半導体装置の製造方法において、
    第1導電形の半導体基板の表面に第2導電形の第1領域と、該第1領域と離して第2導電形の第2領域とを形成する工程と、前記第1領域と前記第2領域に挟まれた前記半導体基板上にゲート絶縁膜を形成する工程と、該ゲート絶縁膜上にゲート電極をポリシリコンで形成する工程と、該ゲート電極に選択的に不純物をイオン注入する工程とを有する半導体装置の製造方法。
  16. 前記不純物の導電形が第1導電形もしくは第2導電形であることを特徴とする請求項14または15に記載の半導体装置の製造方法。
  17. 前記イオン注入を不純物量を変えてから、イオン注入場所をずらして複数回行う工程を有することを特徴とする請求項14または15に記載に半導体装置の製造方法。
  18. 請求項1〜13のいずれか1項に記載の半導体装置を用いたことを特徴とする電力変換装置。
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