JP2004253683A - レジストアウトガス計測装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】基板に塗布されたレジストにレーザ光を照射する際に発生するアウトガスによる光学部品の光学特性の変化を、プレートが大気中で汚染されることなく計測することができるレジストアウトガス計測装置を提供する。
【解決手段】このレジストアウトガス計測装置は、レーザ装置11と、光学部品支持部18Aと、レジスト19が塗布された基板20を支持する基板支持部20Aと、レーザ装置から出射されるレーザ光の一部を反射する第1の部分反射ミラー15Aと、第1の光センサ14Aと、光学部品を透過したレーザ光の一部を反射する第2の部分反射ミラー15Bと、第2の光センサ14Bと、第1の部分反射ミラーを透過したレーザ光が基板に入射するか第2の部分反射ミラーに入射するかを設定するために、レーザ光と基板との相対位置を変化させる相対位置変化手段20Bとを具備する。
【選択図】 図1
【解決手段】このレジストアウトガス計測装置は、レーザ装置11と、光学部品支持部18Aと、レジスト19が塗布された基板20を支持する基板支持部20Aと、レーザ装置から出射されるレーザ光の一部を反射する第1の部分反射ミラー15Aと、第1の光センサ14Aと、光学部品を透過したレーザ光の一部を反射する第2の部分反射ミラー15Bと、第2の光センサ14Bと、第1の部分反射ミラーを透過したレーザ光が基板に入射するか第2の部分反射ミラーに入射するかを設定するために、レーザ光と基板との相対位置を変化させる相対位置変化手段20Bとを具備する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、基板に塗布されたレジストにレーザ光を照射する際に発生するアウトガスによる光学部品の光学特性の変化を評価するために用いられるレジストアウトガス計測装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体装置の製造におけるリソグラフィ工程において、半導体基板、絶縁膜、金属膜等にエッチングにより所望のパターンを形成するために、レジストのパターニングが施される。このパターニングにおいては、露光装置とホトマスクを用いて、ウエハ等の表面に薄く塗布されたレジストの一部を露光し、さらに、現像することにより、レジストパターンが得られる。
【0003】
図10に、露光装置の構成を示す。図10に示す露光装置は、紫外光(レーザ光)を反射鏡101で反射させ、コンデンサレンズやホトマスク等で構成された照明系102を介し、レンズ103で集光させて、ウエハ104の表面に塗布されたレジスト105を露光する。
【0004】
レジスト105は、紫外線光源(レーザ)から放出される光が照射されることによって化学変化を起こし、有機物を中心としたアウトガスを発生させる。このアウトガスは、レジスト105に光を集光させるために用いられるレンズ103等の光学部品の表面に付着する。
【0005】
アウトガスの成分である有機物は、紫外線に対して不透明であるので、レンズ103の表面に付着したアウトガスによって、レンズ103を透過する光量が低下してしまい、露光量の正しい制御ができなくなるという問題が生じる。
【0006】
そこで、レンズに付着したアウトガスによる影響を調べるために、実際にレジストからアウトガスを発生させてレンズの表面に付着させ、そのレンズの光学特性の変化を評価することが行われている。
【0007】
一方、下記の非特許文献1には、レンズに影響を与えることなく、アウトガスに関する全ての物質をテストすることが可能な露光装置が開示されている。この露光装置においては、レンズの替りに透明なプレートが配置され、そのプレートが取り外されて分析に用いられる。
【0008】
図11に、非特許文献1に開示されている露光装置と同様のレジストアウトガス付着装置の構成を示す。このレジストアウトガス付着装置は、レーザ光を反射鏡101で反射させ、コンデンサレンズやホトマスク等で構成された照明系102を介し、レンズの替りにアウトガス付着用の透明なプレート106を透過させて、ウエハ104の表面に塗布されたレジスト105を露光する。
【0009】
このレジストアウトガス付着装置においては、ウエハ104とプレート106との間の距離を、図10に示す露光装置におけるウエハ104とレンズ103との間の距離と同一にしており、さらに、プレート106に付着するアウトガスの量を、図10に示す露光装置におけるレンズ103に付着するアウトガスの量と同程度になるようにしている。
【0010】
また、波長約157nmのF2レーザ光は、大気中においては酸素や水分等に大きく吸収されて伝達しにくいため、レーザ光としてF2レーザ光を用いる場合には、F2レーザ光の光路を、密閉した容器107の内部に設置して、容器107内の大気を、F2レーザ光を吸収しない窒素ガスでパージして置換する。従って、ウエハ104及びプレート106も、大気の影響を受けないように、窒素で置換された容器107の内部に設置される。
【0011】
ここで、プレート106は、レジストアウトガス付着装置から取り外すことが可能であり、取り外したプレート106を他の分析機器に設置することにより、分光特性を計測したり、XPS(X−rays photoemission spectroscopy:X線光電子分光法)を用いてX線特性等を計測することが可能である。
【0012】
図12に、レジストアウトガス計測に利用されるVUV(vacuum ultraviolet:真空紫外)分光光度計の構成を示す。図12に示すように、このVUV分光光度計においては、レジストアウトガス付着装置から取り外したプレート106が設置され、プレート106を透過した光をセンサ108で検出することにより、プレート106の分光特性が計測される。なお、VUV分光光度計においても、密閉した容器109内の大気を不活性な気体(例えば窒素ガス)で置換しているか、又は、真空引きしている。
【0013】
このように、取り外し可能なプレートを用いたレジストアウトガス付着装置、及び、VUV分光光度計等の分析機器を用いることにより、アウトガスの影響を評価することも行われていた。
【0014】
【非特許文献1】
ステファン ヒーエン(Stefan Hien),「157nmフォトレジストアウトガス(157nm Photoresist Outgassing)」,2000年9月20日(第4頁、下図)
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、レジストアウトガス付着装置及び分析機器は、それぞれ独立なシステムであるので、レジストアウトガス付着装置から分析機器までのプレートの移動は大気中において行われる。そのため、移動中のプレートに、大気中の浮遊物・ガス・水分等が付着することにより、プレートの表面が汚染されてしまう。
【0016】
レジストアウトガス付着装置及び分析機器を用いた従来の計測方法によれば、このように汚染された後のプレートの分光特性測定を行っていたので、プレートの表面に付着したアウトガスによる分光特性の変化だけでなく、大気由来の付着成分による分光特性の変化も共に計測していたことになる。
【0017】
そこで、上記の点に鑑み、本発明は、基板に塗布されたレジストにレーザ光を照射する際に発生するアウトガスによる光学部品の光学特性の変化を、光学部品が大気中で汚染されることなく計測することができるレジストアウトガス計測装置を提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】
以上の課題を解決するため、本発明の第1の観点に係るレジストアウトガス計測装置は、基板に塗布されたレジストにレーザ光を照射する際に発生するアウトガスによる光学部品の光学特性の変化を計測する装置であって、レーザ光を出射するレーザ装置と、光学部品を支持するための光学部品支持部と、レジストが塗布された基板を支持するための基板支持部と、レーザ装置と光学部品との間に設けられ、レーザ装置から出射されるレーザ光の一部を反射する第1の部分反射ミラーと、第1の部分反射ミラーから反射されたレーザ光の強度を測定する第1の光センサと、第1の部分反射ミラー及び光学部品を透過したレーザ光の一部を反射する第2の部分反射ミラーと、第2の部分反射ミラーから反射されたレーザ光の強度を測定する第2の光センサと、第1の部分反射ミラーを透過したレーザ光が基板に入射するか第2の部分反射ミラーに入射するかを設定するために、レーザ光と基板との相対位置を変化させる相対位置変化手段と、少なくとも光学部品及び基板を密閉するためのチャンバとを具備する。
【0019】
また、本発明の第2の観点に係るレジストアウトガス計測装置は、基板に塗布されたレジストにレーザ光を照射する際に発生するアウトガスによる光学部品の光学特性の変化を計測する装置であって、レーザ光を出射するレーザ装置と、光学部品を支持するための光学部品支持部と、レジストが塗布された基板を支持するための基板支持部と、レーザ装置と光学部品との間に設けられ、レーザ装置から出射されるレーザ光の一部を反射する第1の部分反射ミラーと、第1の部分反射ミラーから反射されたレーザ光の強度を測定する第1の光センサと、第1の部分反射ミラー及び光学部品を透過したレーザ光の一部を反射する第2の部分反射ミラーと、第2の部分反射ミラーから反射されたレーザ光の強度を測定する第2の光センサと、第1の部分反射ミラーを透過したレーザ光が基板に入射するか第2の部分反射ミラーに入射するかを設定するために、第2の部分反射ミラーの位置を変化させる位置変化手段と、少なくとも光学部品及び基板を密閉するためのチャンバとを具備する。
【0020】
本発明によれば、レジストアウトガス計測装置のチャンバ内において、第1の部分反射ミラーを透過したレーザ光が基板に入射するか第2の光センサに入射するかを設定できるので、基板に塗布されたレジストにレーザ光を照射する際に発生するアウトガスによる光学部品の光学特性の変化を、光学部品が大気中で汚染されることなく計測することが可能となる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態について説明する。なお、同一の構成要素には同一の参照番号を付して、説明を省略する。
まず、本発明の第1の実施形態に係るレジストアウトガス計測装置について説明する。図1に、本発明の第1の実施形態に係るレジストアウトガス計測装置の構成を示す。
【0022】
図1に示すように、このレジストアウトガス計測装置は、レーザ光10を発振するレーザ装置11と、レーザ光10が透過する光路空間12を覆う光路カバー13と、光路空間12を透過したレーザ光の一部を反射するビームスプリッタ15Aと、ビームスプリッタ15Aから反射されたレーザ光の強度を測定する光センサ14Aと、アウトガス付着用のプレート(透明な光学部品)18を透過したレーザ光の一部を反射するビームスプリッタ15Bと、ビームスプリッタ15Bから反射されたレーザ光の強度を測定する光センサ14Bと、ビームスプリッタ15Bを透過したレーザ光を吸収するダンパ17とを備えている。本実施形態においては、レーザ装置11として、F2レーザ光を用いる。
【0023】
ビームスプリッタ15Aを透過したレーザ光は、プレート18を通して、レジスト19が表面に塗布されたウエハ(半導体基板)20、又は、ビームスプリッタ15Bを照射する。プレート18は、プレート支持部18Aによって支持されており、ウエハ20は、ウエハ支持部20Aによって支持されている。移動機構20Bは、ウエハ支持部20Aを移動させることにより、レーザ光とウエハ20との相対位置を変化させる。これにより、ビームスプリッタ15Aを透過したレーザ光が、ウエハ20に入射するかビームスプリッタ15Bに入射するかを設定することができる。
【0024】
また、レジストアウトガス計測装置は、光センサ14A及びビームスプリッタ15Aを内部に収納するセンサチャンバ16Aと、光センサ14B、ビームスプリッタ15B及びダンパ17を内部に収納するセンサチャンバ16Bと、プレート18及びウエハ20を内部に収納するために用いる計測チャンバ21Aと、ウエハ20を交換するために用いるウエハ交換チャンバ21Bと、計測動作を制御する計測コントローラ22とを備えている。
【0025】
センサチャンバ16Aと計測チャンバ21Aとの間はゲートバルブ23Aで仕切ることが可能であり、センサチャンバ16Bと計測チャンバ21Aとの間はゲートバルブ23Bで仕切ることが可能であり、計測チャンバ21Aとウエハ交換チャンバ21Bとの間は、ゲートバルブ23Cで仕切ることが可能である。さらに、光路空間12は、光学ウィンドウ24によって、センサチャンバ16Aから仕切られている。
【0026】
計測チャンバ21A内において、ウエハ20は、レーザ装置11から出射したレーザ光10の光軸に対してほぼ垂直に支持されており、位置A〜位置Cにおいて移動が可能である。また、ウエハ交換チャンバ21Bは、新たにウエハ20を位置Cにセットする場合や、位置Cにおいてセットされているウエハ20を交換する場合に開けるゲートバルブ23Dを含んでいる。
【0027】
本実施形態においては、計測コントローラ22の制御の下でウエハ20を位置A〜位置Cのいずれかに配置することにより、プレート18のクリーニング、プレート18へのアウトガスの付着、プレート18の透過率の測定、又は、ウエハ20の交換を行うようにしている。
【0028】
光路カバー13内には、レーザ光10を所望のビーム径及び強度分布に整形するビーム整形器が設置されている。また、光路カバー13には、レーザ光10との反応性が低い窒素やヘリウム等の清浄なパージガスを封入したパージガスボンベ25が接続されている。なお、光路カバー13の内部は、光学部品等の汚染を防ぐためにパージガスによって常時パージされ、常に清浄な状態に保たれている。
【0029】
測定チャンバ21Aには、レーザ光との反応性が低い窒素やヘリウム等の清浄なパージガスを封入したパージガスボンベ26と、測定チャンバ21A内部の気体を排気するための排気ポンプ27とが接続されている。なお、プレート18やウエハ20の封入後は、測定チャンバ21Aの内部は、プレート18やウエハ20等の汚染を防ぐためにパージガスで常時パージされ、常に清浄な状態に保たれている。
【0030】
また、測定チャンバ21Aに収納されているプレート18と位置Aにおけるウエハ20との間には、レーザ光との反応性が低い窒素やヘリウム等の清浄なパージガスがパージガスボンベ28から供給され、又は、プレート18のクリーニングに用いるために、窒素やヘリウム等で希釈された酸素ガス又はオゾンを含む酸素ガスが酸素ボンベ29から供給される。
【0031】
さらに、計測チャンバ21Aには、計測チャンバ21Aの内部における不純物の濃度を検出する不純物濃度測定装置30が付設されている。不純物濃度測定装置30としては、例えば、有機物の濃度を測定するガスクロマトスペクトロスコープ(GC−MS:gas chromatograph−mass spectroscope)、酸素の濃度を測定する酸素濃度計、及び、水分の濃度を測定する水分濃度計等が該当する。
【0032】
また、ウエハ交換チャンバ21Bには、レーザ光との反応性が低い窒素やヘリウム等の清浄なパージガスを封入したパージガスボンベ31と、ウエハ交換チャンバ21B内部の気体を排気するための排気ポンプ32とが接続されている。さらに、ウエハ交換チャンバ21Bには、ウエハ交換チャンバ21Bの内部における不純物の濃度を検出する不純物濃度測定装置33が付設されている。
【0033】
次に、図1〜図4を参照しながら、レジストアウトガス計測装置の動作について説明する。図2〜図4は、レジストアウトガス計測装置の動作説明するための一連のフローチャートである。
【0034】
図2に示すように、まず、ステップS1において、所定の大きさに加工したウエハ20の表面にレジスト19を塗布して、ウエハ支持部20Aに設置する。次に、ステップS2において、プレート18をプレート支持部18Aに設置する。
【0035】
なお、ステップS1及びS2においては、計測チャンバ21A内が外部の空気に晒されるので、ゲートバルブ23A及び23Bを閉めておく。これにより、センサチャンバ16A及び16B内に外部の空気が混入することを防いでいる。
【0036】
さらに、ステップS3において、排気ポンプ27を用いて排気することにより計測チャンバ21A内を真空引きし、パージガスボンベ26からレーザ光との反応性が低い窒素やヘリウム等の清浄なパージガスを大気圧程度に封入することにより、チャンバ21A内を低反応性ガスで置換する。
【0037】
ステップS4において、不純物濃度測定装置30を用いて計測チャンバ21Aの内部における不純物の濃度を測定し、所定濃度以下であるか否かを判定する。例えば、不純物濃度測定装置30として酸素濃度計を用いて計測チャンバ21Aの内部における酸素の濃度を測定し、酸素の濃度が1ppm以下であるか否かを判定する。
【0038】
ここで、不純物の濃度が所定濃度を越えている場合には、ステップS3に移行し、不純物の濃度が所定濃度以下になるまでステップS3及びS4を繰り返す。不純物の濃度が所定濃度以下である場合には、ステップS5に移行する。
【0039】
次に、ステップS5〜S7において、プレート18が良品であるか否かを判定する。まず、ステップS5において、ゲートバルブ23A及び23Bを開く。これにより、センサチャンバ16Aと計測チャンバ21Aとの間のレーザ光の光路、及び、計測チャンバ21Aとセンサチャンバ16Bとの間のレーザ光の光路を確保する。
【0040】
次に、ステップS6において、レーザ装置11からダンパ17までの光路を確保するために、ウエハ20が位置Aにある場合には、ウエハ20を位置Aから位置Bに移動する。なお、ウエハ20の交換後等に、ウエハ20を位置Cから位置Bに移動する場合には、ステップS3及びS4と同様に、パージガスボンベ31、排気ポンプ32及び不純物濃度測定装置33を用いて、ウエハ交換チャンバ21B内部における不純物の濃度が所定濃度以下であるか否かを判定し、不純物の濃度が所定濃度以下である場合には、ゲートバルブ23Cを開けてウエハ20を移動した後、ゲートバルブ23Cを閉める。
【0041】
さらに、ステップS7において、プレート18の透過率を測定して、プレート18に異常があるか否かを判定する。ここで、プレート18の透過率を測定する方法について説明する。レーザ装置11から出射したレーザ光10は、ビーム整形器でビーム径及び強度分布が変更され、一部はビームスプリッタ15Aによって分岐されて、レーザ光の強度を測定する光センサ14Aに入射する。
【0042】
ビームスプリッタ15Aを透過したレーザ光は、計測チャンバ21A内部のプレート18に入射する。プレート18を透過したレーザ光は、一部がビームスプリッタ15Bで分岐されて、レーザ光の強度を測定する光センサ14Bに入射する。ビームスプリッタ15Bを透過したレーザ光は、ダンパ17に入射して吸収される。
【0043】
ここで、光センサ14A及び14Bによって測定されたレーザ光の強度に基づいてプレート18の透過率を算出し、透過率が第1の基準値以上であるか否かを判定する。プレート18の破損等の不良により透過率が第1の規定値よりも低い場合には、ステップS2に移行して新たなプレートを設置し、透過率が第1の基準値以上である場合にはステップS8に移行する。
【0044】
ステップS8において、プレート18をクリーニングする。ここで、プレート18をクリーニングする方法について説明する。プレート18にレーザ光を照射することにより、プレート18の光洗浄を行う。その際に、酸素ボンベ29からプレート18付近に酸素ガスを供給することにより、レーザ光が照射された酸素はオゾンに変わり、そのオゾンによってプレート18のクリーニング効果が高まる。なお、酸素ボンベ29からオゾン、又は、オゾンを含む酸素ガスを供給するようにしても良い。
【0045】
ステップS9において、プレート18の透過率を測定し、クリーニング効果を確認する。図5は、プレート18のクリーニング効果を例示する図である。図5に示すように、クリーニング開始後は、プレートの透過率が上昇する。そこで、クリーニング後にプレート18の透過率を測定し、透過率が第2の基準値以上であるか否かを判定する。透過率が第2の基準値よりも低い場合には、ステップS8に移行してさらにクリーニングを行い、透過率が第2の基準値以上である場合には、図3に示すステップS10に移行する。
【0046】
次に、図3に示すステップS10〜S20において、アウトガスの付着によるプレート18の透過率変化を測定する。まず、ステップS10において、アウトガス付着前のプレート18の透過率を測定する。なお、ステップS10の工程を省き、ステップS9における透過率の測定結果を流用することも可能である。
【0047】
次に、ステップS11において、ウエハ20を位置Aに移動する。ステップS12において、プレート18を透過したレーザ光をウエハ20の表面に塗布したレジスト19に照射する。このとき、レジスト19は、レーザ光の照射によりアウトガスを発生させ、このアウトガスはプレート18に付着する。
【0048】
ステップS13において、プレート18のアウトガス付着速度を調節する必要の有無を判断する。ここでは、アウトガスの付着速度を調節し、測定の短時間化等を図る必要があるか否かを判断する。アウトガスの付着速度を調節する必要がある場合には、ステップS14に移行し、アウトガスの付着速度を調節する必要がない場合には、ステップS15に移行する。
【0049】
ステップS14において、アウトガスの付着速度を調節する。アウトガスの付着速度を調節するための方法として、次に示す4つの方法が考えられる。まず、第1の方法として、ウエハ20を位置A付近で移動しながらレーザ光を照射する方法がある。レジスト19上のレーザ光が照射された位置においては、レジストが化学反応を起こし、レジスト表面の組成が変化するために、アウトガスの発生量が低下する。そこで、ウエハ20を位置A付近で移動することにより、レジスト19上のレーザ光が照射される位置を変えることで、アウトガスの発生量低下を防ぐことができる。
【0050】
第2の方法として、ウエハ20の移動速度を調節する方法がある。ウエハ20の移動速度を調節することにより、レジスト19上におけるレーザ光のスキャン速度を変化させ、アウトガス発生量を調節する。レーザ光のスキャン速度を早くすることにより、アウトガスの発生量が減少する。逆に、レーザ光のスキャン速度を遅くすることにより、アウトガスの発生量が増加する。
【0051】
第3の方法として、パージガスボンベ28から供給するパージガスの流量を調節する方法がある。パージガスの流量を増加することにより、レジスト19から発生したアウトガスがプレート18に届き難くなるため、アウトガスの付着速度を遅らせることができる。逆に、パージガスの流量を減少させることにより、レジスト19から発生したアウトガスがプレート18に届き易くなるため、アウトガスの付着速度を速めることができる。
【0052】
第4の方法として、レーザ光照射後のウエハを新しいウエハと交換する方法がある。アウトガスの発生量が低下したウエハを新しいウエハと交換することにより、アウトガスの発生量を向上させる。ここで、ウエハ20を交換する際には、計測チャンバ21Aの内部が大気に晒されることを防ぐため、ウエハ交換チャンバ21Bを用いる。
【0053】
まず、ウエハ交換チャンバ21Bの内部を低反応性ガスで置換して、ゲートバルブ23Cを開ける。その後、ウエハ20を位置Cまで移動させて、ゲートバルブ23Cを閉める。これにより、計測チャンバ21Aが大気に晒されることがないため、ゲートバルブ23Dを開けてウエハ20を交換する。ウエハ20を交換したら、ゲートバルブ23Dを閉めて、再び、ウエハ交換チャンバ21Bの内部を低反応性ガスで置換して、ゲートバルブ23Cを開ける。そして、ウエハ20を位置Aまで移動して、ゲートバルブ23Cを閉める。これにより、プレート18を大気で汚染することなくウエハ20の交換が可能である。
【0054】
再び、図3を参照しながら、アウトガスの付着によるプレートの透過率変化を測定する方法について説明する。ステップS15において、レーザ光10の照射を終了する。ステップS16において、プレート18を5分間放置する。この間も、パージガスボンベ26からパージガスを供給するので、計測チャンバ21A内におけるアウトガス等の不純物の濃度は、時間の経過と共に低下する。
【0055】
ステップS17において、不純物濃度測定装置30を用いて、計測チャンバ21A内部における不純物の濃度を測定して、不純物の濃度が所定濃度以下であるか否かを判定する。不純物の濃度が所定濃度を越えている場合には、ステップS16に移行して、不純物の濃度が所定濃度以下になるまでステップS16及びS17を繰り返す。不純物の濃度が所定濃度以下である場合には、ステップS18に移行する。なお、本実施形態においては、プレート18からのアウトガス成分の剥離を防ぐため、排気ポンプ27を用いた真空置換は行わない。
【0056】
ステップS18において、ウエハ20を位置Bに移動する。なお、ステップS18を、ステップS15とS16との間で行っても良い。次に、ステップS19において、プレート18の透過率を測定する。
【0057】
ステップS20において、透過率の変化が基準値以上であるか否かを判定する。透過率の変化が基準値よりも小さい場合には、さらに、アウトガスをプレート18に付着させるために、ステップS11に移行する。透過率の変化が基準値以上である場合には、図4に示すステップS21に移行する。
【0058】
このようなレジストアウトガス計測装置においては、プレートをクリーニングして再使用することが可能である。ステップS21〜S24において、プレートの再使用について検討する。
【0059】
まず、ステップS21において、オペレータは、アウトガスが付着した使用済みプレート18をクリーニングするか否かを判断する。プレート18をクリーニングする場合には、ステップS22に移行し、プレート18をクリーニングしない場合には、レジストアウトガス計測装置の動作を終了する。
【0060】
ステップS22において、プレート18をクリーニングする。次に、ステップS23において、プレート18の透過率を測定し、クリーニング効果を確認する。ここで、クリーニング後のプレート18の透過率を測定し、透過率が第3の基準値以上であるか否かを判定する。透過率が第3の基準値よりも低い場合には、ステップS22に移行してさらにクリーニングを行い、透過率が第3の基準値以上である場合にはステップS24に移行する。
【0061】
さらに、ステップS24において、オペレータは、プレート18を再使用するか否かを判断する。プレート18を再使用する場合には、図2に示すステップS3に移行し、プレート18を再使用しない場合には、レジストアウトガス計測装置の動作を終了する。
【0062】
本実施形態に係るレジストアウトガス計測装置によれば、プレートへのアウトガス付着とプレートの透過率測定とを、同一装置を用いて行うことが可能となる。このような計測を、in−situ計測(その場計測)という。また、プレートを収納するチャンバと別のチャンバにウエハを移動してウエハの交換を行うことにより、プレートを大気に晒すことなくウエハを交換することができる。
【0063】
次に、本発明の第2の実施形態に係るレジストアウトガス計測装置について説明する。図6に、本発明の第2の実施形態に係るレジストアウトガス計測装置の構成を示す。
【0064】
図6に示すように、本実施形態に係るレジストアウトガス計測装置は、ウエハ20を内部に収納できるウエハ交換チャンバ21B(図1参照)の替りに、アウトガス付着用のプレート18を内部に収納できるプレートチャンバ21Cを備えており、ウエハ20を交換する際に用いられるゲートバルブ23Dは、計測チャンバ21Aに設けられている。
【0065】
ウエハ20は、レーザ装置11から出射したレーザ光10の光軸に対してほぼ垂直に支持されており、位置A〜位置Bにおいて移動が可能である。また、プレート18は、レーザ装置11から出射したレーザ光10の光軸に対してほぼ垂直に支持されており、位置D〜位置Eにおいて移動が可能である。その他の構成については、図1に示すものと同様である。
【0066】
本実施形態においては、ウエハ20を交換するために、プレート18が大気に晒されることを防ぐため、プレートチャンバ21Cを用いている。まず、プレートチャンバ21Cの内部を低反応性ガスで置換して、ゲートバルブ23Cを開ける。その後、プレート18を位置Eまで移動して、ゲートバルブ23Cを閉める。これにより、プレート18が大気に晒されることがないため、ゲートバルブ23Dを開けてウエハ20を交換する。
【0067】
ウエハ20を交換したら、ゲートバルブ23Dを閉めて、再び、計測チャンバ21Aの内部を低反応性ガスで置換して、ゲートバルブ23Cを開ける。その後、プレート18を位置Dまで移動して、ゲートバルブ23Cを閉める。なお、ゲートバルブ23Dを開ける前から、計測チャンバ21Aの内部を低反応性ガスで置換するまでの間は、ゲートバルブ23A及び23Bを閉じておくことが望ましい。その他の動作については、図2〜図4に示す第1の実施形態と同様である。
【0068】
本実施形態に係るレジストアウトガス計測装置によれば、プレートへのアウトガス付着とプレートの透過率測定とを、同一装置を用いて行うことが可能となる。また、ウエハを収納するチャンバと別のチャンバにプレートを移動してウエハの交換を行うことにより、プレートを大気に晒すことなくウエハを交換することができる。
【0069】
次に、本発明の第3の実施形態に係るレジストアウトガス計測装置について説明する。図7に、本発明の第3の実施形態に係るレジストアウトガス計測装置の構成を示す。
【0070】
図7に示すように、本実施形態に係るレジストアウトガス計測装置は、アウトガス付着用のプレート18と全反射ミラー34を同一の軸を中心として回転させることが可能な回転機構35を備えている。全反射ミラー34は、ビームスプリッタ15Aを透過したレーザ光を反射させ、レーザ光は、プレート18を通して、ウエハ20又はビームスプリッタ15Bを照射する。移動機構20Bは、ウエハ支持部20Aを移動させることにより、レーザ光とウエハ20との相対位置を変化させる。これにより、ビームスプリッタ15Aを透過したレーザ光が、ウエハ20に入射するかビームスプリッタ15Bに入射するかを設定することができる。
【0071】
プレート18は、位置D〜位置Eにおいて移動が可能であり、プレート18を位置Eにおいて収納するように、プレートチャンバ21Dが設けられている。ウエハ20を位置Bに配置し、全反射ミラー34がレーザ光を鉛直下向き方向に反射するように回転機構35を調節した状態において、ビームスプリッタ15Bが、プレート18を透過したレーザ光の一部を光センサ14Bの方向に反射する。また、ビームスプリッタ15Bを透過したレーザ光を吸収する位置には、ダンパ17が配置されている。
【0072】
プレート18にアウトガスを付着させる場合には、プレート18を位置Dに配置すると共にウエハ20を位置Aに配置し、第1の実施形態におけるようにウエハ20を位置A付近で移動する替りに回転機構35を制御することにより、全反射ミラー34で反射されたレーザ光が照射されるレジスト19上の位置を変化させている。また、プレート18の透過率を測定する場合には、ウエハ20を位置Bに移動して、全反射ミラー34が、レーザ装置11から出射したレーザ光10を鉛直下向き方向に反射するように、回転機構35を制御する。その他の構成及び動作については、図6に示すものと同様である。
【0073】
次に、本発明の第4の実施形態に係るレジストアウトガス計測装置について説明する。図8に、本発明の第4の実施形態に係るレジストアウトガス計測装置の構成を示す。
【0074】
図8に示すように、本実施形態に係るレジストアウトガス計測装置においては、全反射ミラー34からビームスプリッタ15Bまでの光路を避ける位置Fにウエハ20を固定している。レジストアウトガス計測装置は、アウトガス付着用のプレート18と全反射ミラー34を同一の軸を中心として回転させることが可能な回転機構35を備えている。
【0075】
全反射ミラー34は、ビームスプリッタ15Aを透過したレーザ光を反射させ、レーザ光は、プレート18を通して、ウエハ20又はビームスプリッタ15Bを照射する。回転機構35は、プレート18と全反射ミラー34を回転させることにより、レーザ光とウエハ20との相対位置を変化させる。これにより、ビームスプリッタ15Aを透過したレーザ光が、ウエハ20に入射するかビームスプリッタ15Bに入射するかを設定することができる。
【0076】
プレート18にアウトガスを付着させる場合には、全反射ミラー34で反射されたレーザ光が、位置Fに固定されているウエハ20上のレジスト19を照射するように、回転機構35を調節する。一方、プレート18の透過率を測定する場合には、全反射ミラー34が、レーザ装置11から出射したレーザ光10を鉛直下向き方向に反射するように、回転機構35を調節する。その他の構成及び動作については、図7に示すものと同様である。
【0077】
次に、本発明の第5の実施形態に係るレジストアウトガス計測装置について説明する。図9に、本発明の第5の実施形態に係るレジストアウトガス計測装置の構成を示す。
【0078】
図9に示すように、本実施形態に係るレジストアウトガス計測装置は、光センサ14A及びビームスプリッタ15Aを内部に収納するセンサチャンバ16Aと、光センサ14Bを内部に収納するセンサチャンバ16Bと、ビームスプリッタ15Bを移動させる移動機構15Cと、移動機構15Cによって位置Gに移動されたビームスプリッタ15Bを内部に収納するために用いられるミラーチャンバ16Cと、アウトガス付着用のプレート18、ビームスプリッタ15B、表面にレジスト19を塗布したウエハ20を内部に収納するために用いられる計測チャンバ21Eと、退避したプレート18を内部に収納するために用いられるプレートチャンバ21Cとを備えている。
【0079】
ミラーチャンバ16Cと計測チャンバ21Eとの間は、ゲートバルブ23Eで仕切ることが可能である。また、ビームスプリッタ15Bは、位置G〜位置Hにおいて移動が可能である。本実施形態においては、第1の実施形態におけるようにウエハ20を移動する替りに、ビームスプリッタ15Bを移動する。即ち、ビームスプリッタ15Bを位置Gに配置して、プレート18へのアウトガスの付着を行い、ビームスプリッタ15Bを位置Hに配置して、プレート18の透過率を測定する。
【0080】
ビームスプリッタ15Bを位置Gに配置した場合において、プレート18を透過したレーザ光は全てウエハ20に吸収される。また、ビームスプリッタ15Bを位置Hに配置した場合において、ビームスプリッタ15Bを透過したレーザ光は全てウエハ20に吸収される。このため、本実施形態においてはダンパは必要としない。その他の構成及び動作については、図6に示すものと同様である。
【0081】
なお、プレート18又はウエハ20をレーザ装置11から出射されるレーザ光10の光軸に対してほぼ平行に移動させることにより、プレート18とウエハ20との間の距離を変化させて、アウトガスの付着速度を調節するようにしても良い。
【0082】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、基板に塗布されたレジストにレーザ光を照射する際に発生するアウトガスによる光学部品の光学特性の変化を、光学部品が大気中で汚染されることなく計測することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るレジストアウトガス計測装置の構成を示す図である。
【図2】レジストアウトガス計測装置の動作説明するためのフローチャートである。
【図3】レジストアウトガス計測装置の動作説明するためのフローチャートである。
【図4】レジストアウトガス計測装置の動作説明するためのフローチャートである。
【図5】プレート18のクリーニング効果を例示する図である。
【図6】本発明の第2の実施形態に係るレジストアウトガス計測装置の構成を示す図である。
【図7】本発明の第3の実施形態に係るレジストアウトガス計測装置の構成を示す図である。
【図8】本発明の第4の実施形態に係るレジストアウトガス計測装置の構成を示す図である。
【図9】本発明の第5の実施形態に係るレジストアウトガス計測装置の構成を示す図である。
【図10】露光装置の構成を示す図である。
【図11】レジストアウトガス計測に利用されるレジストアウトガス付着装置の構成を示す図である。
【図12】レジストアウトガス計測に利用されるVUV分光光度計の構成を示す図である。
【符号の説明】
10…レーザ光、11…レーザ装置、12…光路空間、13…光路カバー、14A,14B…光センサ、15A,15B…ビームスプリッタ、15C,20B…移動機構、16A,16B…センサチャンバ、16C…ミラーチャンバ、17…ダンパ、18,106…プレート、18A…プレート支持部、19,105…レジスト、20,104…ウエハ、20A…ウエハ支持部、21A…計測チャンバ、21B…ウエハ交換チャンバ、21C,21D…プレートチャンバ、22…計測コントローラ、23A〜23E…ゲートバルブ、24…光学ウィンドウ、25,26,28,31…パージガスボンベ、27,32…排気ポンプ、29…酸素ボンベ、30,33…不純物濃度計測装置、34…全反射ミラー、35…回転機構、101…反射鏡、102…照明系、103…レンズ、107,109…容器、108…センサ
【発明の属する技術分野】
本発明は、基板に塗布されたレジストにレーザ光を照射する際に発生するアウトガスによる光学部品の光学特性の変化を評価するために用いられるレジストアウトガス計測装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体装置の製造におけるリソグラフィ工程において、半導体基板、絶縁膜、金属膜等にエッチングにより所望のパターンを形成するために、レジストのパターニングが施される。このパターニングにおいては、露光装置とホトマスクを用いて、ウエハ等の表面に薄く塗布されたレジストの一部を露光し、さらに、現像することにより、レジストパターンが得られる。
【0003】
図10に、露光装置の構成を示す。図10に示す露光装置は、紫外光(レーザ光)を反射鏡101で反射させ、コンデンサレンズやホトマスク等で構成された照明系102を介し、レンズ103で集光させて、ウエハ104の表面に塗布されたレジスト105を露光する。
【0004】
レジスト105は、紫外線光源(レーザ)から放出される光が照射されることによって化学変化を起こし、有機物を中心としたアウトガスを発生させる。このアウトガスは、レジスト105に光を集光させるために用いられるレンズ103等の光学部品の表面に付着する。
【0005】
アウトガスの成分である有機物は、紫外線に対して不透明であるので、レンズ103の表面に付着したアウトガスによって、レンズ103を透過する光量が低下してしまい、露光量の正しい制御ができなくなるという問題が生じる。
【0006】
そこで、レンズに付着したアウトガスによる影響を調べるために、実際にレジストからアウトガスを発生させてレンズの表面に付着させ、そのレンズの光学特性の変化を評価することが行われている。
【0007】
一方、下記の非特許文献1には、レンズに影響を与えることなく、アウトガスに関する全ての物質をテストすることが可能な露光装置が開示されている。この露光装置においては、レンズの替りに透明なプレートが配置され、そのプレートが取り外されて分析に用いられる。
【0008】
図11に、非特許文献1に開示されている露光装置と同様のレジストアウトガス付着装置の構成を示す。このレジストアウトガス付着装置は、レーザ光を反射鏡101で反射させ、コンデンサレンズやホトマスク等で構成された照明系102を介し、レンズの替りにアウトガス付着用の透明なプレート106を透過させて、ウエハ104の表面に塗布されたレジスト105を露光する。
【0009】
このレジストアウトガス付着装置においては、ウエハ104とプレート106との間の距離を、図10に示す露光装置におけるウエハ104とレンズ103との間の距離と同一にしており、さらに、プレート106に付着するアウトガスの量を、図10に示す露光装置におけるレンズ103に付着するアウトガスの量と同程度になるようにしている。
【0010】
また、波長約157nmのF2レーザ光は、大気中においては酸素や水分等に大きく吸収されて伝達しにくいため、レーザ光としてF2レーザ光を用いる場合には、F2レーザ光の光路を、密閉した容器107の内部に設置して、容器107内の大気を、F2レーザ光を吸収しない窒素ガスでパージして置換する。従って、ウエハ104及びプレート106も、大気の影響を受けないように、窒素で置換された容器107の内部に設置される。
【0011】
ここで、プレート106は、レジストアウトガス付着装置から取り外すことが可能であり、取り外したプレート106を他の分析機器に設置することにより、分光特性を計測したり、XPS(X−rays photoemission spectroscopy:X線光電子分光法)を用いてX線特性等を計測することが可能である。
【0012】
図12に、レジストアウトガス計測に利用されるVUV(vacuum ultraviolet:真空紫外)分光光度計の構成を示す。図12に示すように、このVUV分光光度計においては、レジストアウトガス付着装置から取り外したプレート106が設置され、プレート106を透過した光をセンサ108で検出することにより、プレート106の分光特性が計測される。なお、VUV分光光度計においても、密閉した容器109内の大気を不活性な気体(例えば窒素ガス)で置換しているか、又は、真空引きしている。
【0013】
このように、取り外し可能なプレートを用いたレジストアウトガス付着装置、及び、VUV分光光度計等の分析機器を用いることにより、アウトガスの影響を評価することも行われていた。
【0014】
【非特許文献1】
ステファン ヒーエン(Stefan Hien),「157nmフォトレジストアウトガス(157nm Photoresist Outgassing)」,2000年9月20日(第4頁、下図)
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、レジストアウトガス付着装置及び分析機器は、それぞれ独立なシステムであるので、レジストアウトガス付着装置から分析機器までのプレートの移動は大気中において行われる。そのため、移動中のプレートに、大気中の浮遊物・ガス・水分等が付着することにより、プレートの表面が汚染されてしまう。
【0016】
レジストアウトガス付着装置及び分析機器を用いた従来の計測方法によれば、このように汚染された後のプレートの分光特性測定を行っていたので、プレートの表面に付着したアウトガスによる分光特性の変化だけでなく、大気由来の付着成分による分光特性の変化も共に計測していたことになる。
【0017】
そこで、上記の点に鑑み、本発明は、基板に塗布されたレジストにレーザ光を照射する際に発生するアウトガスによる光学部品の光学特性の変化を、光学部品が大気中で汚染されることなく計測することができるレジストアウトガス計測装置を提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】
以上の課題を解決するため、本発明の第1の観点に係るレジストアウトガス計測装置は、基板に塗布されたレジストにレーザ光を照射する際に発生するアウトガスによる光学部品の光学特性の変化を計測する装置であって、レーザ光を出射するレーザ装置と、光学部品を支持するための光学部品支持部と、レジストが塗布された基板を支持するための基板支持部と、レーザ装置と光学部品との間に設けられ、レーザ装置から出射されるレーザ光の一部を反射する第1の部分反射ミラーと、第1の部分反射ミラーから反射されたレーザ光の強度を測定する第1の光センサと、第1の部分反射ミラー及び光学部品を透過したレーザ光の一部を反射する第2の部分反射ミラーと、第2の部分反射ミラーから反射されたレーザ光の強度を測定する第2の光センサと、第1の部分反射ミラーを透過したレーザ光が基板に入射するか第2の部分反射ミラーに入射するかを設定するために、レーザ光と基板との相対位置を変化させる相対位置変化手段と、少なくとも光学部品及び基板を密閉するためのチャンバとを具備する。
【0019】
また、本発明の第2の観点に係るレジストアウトガス計測装置は、基板に塗布されたレジストにレーザ光を照射する際に発生するアウトガスによる光学部品の光学特性の変化を計測する装置であって、レーザ光を出射するレーザ装置と、光学部品を支持するための光学部品支持部と、レジストが塗布された基板を支持するための基板支持部と、レーザ装置と光学部品との間に設けられ、レーザ装置から出射されるレーザ光の一部を反射する第1の部分反射ミラーと、第1の部分反射ミラーから反射されたレーザ光の強度を測定する第1の光センサと、第1の部分反射ミラー及び光学部品を透過したレーザ光の一部を反射する第2の部分反射ミラーと、第2の部分反射ミラーから反射されたレーザ光の強度を測定する第2の光センサと、第1の部分反射ミラーを透過したレーザ光が基板に入射するか第2の部分反射ミラーに入射するかを設定するために、第2の部分反射ミラーの位置を変化させる位置変化手段と、少なくとも光学部品及び基板を密閉するためのチャンバとを具備する。
【0020】
本発明によれば、レジストアウトガス計測装置のチャンバ内において、第1の部分反射ミラーを透過したレーザ光が基板に入射するか第2の光センサに入射するかを設定できるので、基板に塗布されたレジストにレーザ光を照射する際に発生するアウトガスによる光学部品の光学特性の変化を、光学部品が大気中で汚染されることなく計測することが可能となる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態について説明する。なお、同一の構成要素には同一の参照番号を付して、説明を省略する。
まず、本発明の第1の実施形態に係るレジストアウトガス計測装置について説明する。図1に、本発明の第1の実施形態に係るレジストアウトガス計測装置の構成を示す。
【0022】
図1に示すように、このレジストアウトガス計測装置は、レーザ光10を発振するレーザ装置11と、レーザ光10が透過する光路空間12を覆う光路カバー13と、光路空間12を透過したレーザ光の一部を反射するビームスプリッタ15Aと、ビームスプリッタ15Aから反射されたレーザ光の強度を測定する光センサ14Aと、アウトガス付着用のプレート(透明な光学部品)18を透過したレーザ光の一部を反射するビームスプリッタ15Bと、ビームスプリッタ15Bから反射されたレーザ光の強度を測定する光センサ14Bと、ビームスプリッタ15Bを透過したレーザ光を吸収するダンパ17とを備えている。本実施形態においては、レーザ装置11として、F2レーザ光を用いる。
【0023】
ビームスプリッタ15Aを透過したレーザ光は、プレート18を通して、レジスト19が表面に塗布されたウエハ(半導体基板)20、又は、ビームスプリッタ15Bを照射する。プレート18は、プレート支持部18Aによって支持されており、ウエハ20は、ウエハ支持部20Aによって支持されている。移動機構20Bは、ウエハ支持部20Aを移動させることにより、レーザ光とウエハ20との相対位置を変化させる。これにより、ビームスプリッタ15Aを透過したレーザ光が、ウエハ20に入射するかビームスプリッタ15Bに入射するかを設定することができる。
【0024】
また、レジストアウトガス計測装置は、光センサ14A及びビームスプリッタ15Aを内部に収納するセンサチャンバ16Aと、光センサ14B、ビームスプリッタ15B及びダンパ17を内部に収納するセンサチャンバ16Bと、プレート18及びウエハ20を内部に収納するために用いる計測チャンバ21Aと、ウエハ20を交換するために用いるウエハ交換チャンバ21Bと、計測動作を制御する計測コントローラ22とを備えている。
【0025】
センサチャンバ16Aと計測チャンバ21Aとの間はゲートバルブ23Aで仕切ることが可能であり、センサチャンバ16Bと計測チャンバ21Aとの間はゲートバルブ23Bで仕切ることが可能であり、計測チャンバ21Aとウエハ交換チャンバ21Bとの間は、ゲートバルブ23Cで仕切ることが可能である。さらに、光路空間12は、光学ウィンドウ24によって、センサチャンバ16Aから仕切られている。
【0026】
計測チャンバ21A内において、ウエハ20は、レーザ装置11から出射したレーザ光10の光軸に対してほぼ垂直に支持されており、位置A〜位置Cにおいて移動が可能である。また、ウエハ交換チャンバ21Bは、新たにウエハ20を位置Cにセットする場合や、位置Cにおいてセットされているウエハ20を交換する場合に開けるゲートバルブ23Dを含んでいる。
【0027】
本実施形態においては、計測コントローラ22の制御の下でウエハ20を位置A〜位置Cのいずれかに配置することにより、プレート18のクリーニング、プレート18へのアウトガスの付着、プレート18の透過率の測定、又は、ウエハ20の交換を行うようにしている。
【0028】
光路カバー13内には、レーザ光10を所望のビーム径及び強度分布に整形するビーム整形器が設置されている。また、光路カバー13には、レーザ光10との反応性が低い窒素やヘリウム等の清浄なパージガスを封入したパージガスボンベ25が接続されている。なお、光路カバー13の内部は、光学部品等の汚染を防ぐためにパージガスによって常時パージされ、常に清浄な状態に保たれている。
【0029】
測定チャンバ21Aには、レーザ光との反応性が低い窒素やヘリウム等の清浄なパージガスを封入したパージガスボンベ26と、測定チャンバ21A内部の気体を排気するための排気ポンプ27とが接続されている。なお、プレート18やウエハ20の封入後は、測定チャンバ21Aの内部は、プレート18やウエハ20等の汚染を防ぐためにパージガスで常時パージされ、常に清浄な状態に保たれている。
【0030】
また、測定チャンバ21Aに収納されているプレート18と位置Aにおけるウエハ20との間には、レーザ光との反応性が低い窒素やヘリウム等の清浄なパージガスがパージガスボンベ28から供給され、又は、プレート18のクリーニングに用いるために、窒素やヘリウム等で希釈された酸素ガス又はオゾンを含む酸素ガスが酸素ボンベ29から供給される。
【0031】
さらに、計測チャンバ21Aには、計測チャンバ21Aの内部における不純物の濃度を検出する不純物濃度測定装置30が付設されている。不純物濃度測定装置30としては、例えば、有機物の濃度を測定するガスクロマトスペクトロスコープ(GC−MS:gas chromatograph−mass spectroscope)、酸素の濃度を測定する酸素濃度計、及び、水分の濃度を測定する水分濃度計等が該当する。
【0032】
また、ウエハ交換チャンバ21Bには、レーザ光との反応性が低い窒素やヘリウム等の清浄なパージガスを封入したパージガスボンベ31と、ウエハ交換チャンバ21B内部の気体を排気するための排気ポンプ32とが接続されている。さらに、ウエハ交換チャンバ21Bには、ウエハ交換チャンバ21Bの内部における不純物の濃度を検出する不純物濃度測定装置33が付設されている。
【0033】
次に、図1〜図4を参照しながら、レジストアウトガス計測装置の動作について説明する。図2〜図4は、レジストアウトガス計測装置の動作説明するための一連のフローチャートである。
【0034】
図2に示すように、まず、ステップS1において、所定の大きさに加工したウエハ20の表面にレジスト19を塗布して、ウエハ支持部20Aに設置する。次に、ステップS2において、プレート18をプレート支持部18Aに設置する。
【0035】
なお、ステップS1及びS2においては、計測チャンバ21A内が外部の空気に晒されるので、ゲートバルブ23A及び23Bを閉めておく。これにより、センサチャンバ16A及び16B内に外部の空気が混入することを防いでいる。
【0036】
さらに、ステップS3において、排気ポンプ27を用いて排気することにより計測チャンバ21A内を真空引きし、パージガスボンベ26からレーザ光との反応性が低い窒素やヘリウム等の清浄なパージガスを大気圧程度に封入することにより、チャンバ21A内を低反応性ガスで置換する。
【0037】
ステップS4において、不純物濃度測定装置30を用いて計測チャンバ21Aの内部における不純物の濃度を測定し、所定濃度以下であるか否かを判定する。例えば、不純物濃度測定装置30として酸素濃度計を用いて計測チャンバ21Aの内部における酸素の濃度を測定し、酸素の濃度が1ppm以下であるか否かを判定する。
【0038】
ここで、不純物の濃度が所定濃度を越えている場合には、ステップS3に移行し、不純物の濃度が所定濃度以下になるまでステップS3及びS4を繰り返す。不純物の濃度が所定濃度以下である場合には、ステップS5に移行する。
【0039】
次に、ステップS5〜S7において、プレート18が良品であるか否かを判定する。まず、ステップS5において、ゲートバルブ23A及び23Bを開く。これにより、センサチャンバ16Aと計測チャンバ21Aとの間のレーザ光の光路、及び、計測チャンバ21Aとセンサチャンバ16Bとの間のレーザ光の光路を確保する。
【0040】
次に、ステップS6において、レーザ装置11からダンパ17までの光路を確保するために、ウエハ20が位置Aにある場合には、ウエハ20を位置Aから位置Bに移動する。なお、ウエハ20の交換後等に、ウエハ20を位置Cから位置Bに移動する場合には、ステップS3及びS4と同様に、パージガスボンベ31、排気ポンプ32及び不純物濃度測定装置33を用いて、ウエハ交換チャンバ21B内部における不純物の濃度が所定濃度以下であるか否かを判定し、不純物の濃度が所定濃度以下である場合には、ゲートバルブ23Cを開けてウエハ20を移動した後、ゲートバルブ23Cを閉める。
【0041】
さらに、ステップS7において、プレート18の透過率を測定して、プレート18に異常があるか否かを判定する。ここで、プレート18の透過率を測定する方法について説明する。レーザ装置11から出射したレーザ光10は、ビーム整形器でビーム径及び強度分布が変更され、一部はビームスプリッタ15Aによって分岐されて、レーザ光の強度を測定する光センサ14Aに入射する。
【0042】
ビームスプリッタ15Aを透過したレーザ光は、計測チャンバ21A内部のプレート18に入射する。プレート18を透過したレーザ光は、一部がビームスプリッタ15Bで分岐されて、レーザ光の強度を測定する光センサ14Bに入射する。ビームスプリッタ15Bを透過したレーザ光は、ダンパ17に入射して吸収される。
【0043】
ここで、光センサ14A及び14Bによって測定されたレーザ光の強度に基づいてプレート18の透過率を算出し、透過率が第1の基準値以上であるか否かを判定する。プレート18の破損等の不良により透過率が第1の規定値よりも低い場合には、ステップS2に移行して新たなプレートを設置し、透過率が第1の基準値以上である場合にはステップS8に移行する。
【0044】
ステップS8において、プレート18をクリーニングする。ここで、プレート18をクリーニングする方法について説明する。プレート18にレーザ光を照射することにより、プレート18の光洗浄を行う。その際に、酸素ボンベ29からプレート18付近に酸素ガスを供給することにより、レーザ光が照射された酸素はオゾンに変わり、そのオゾンによってプレート18のクリーニング効果が高まる。なお、酸素ボンベ29からオゾン、又は、オゾンを含む酸素ガスを供給するようにしても良い。
【0045】
ステップS9において、プレート18の透過率を測定し、クリーニング効果を確認する。図5は、プレート18のクリーニング効果を例示する図である。図5に示すように、クリーニング開始後は、プレートの透過率が上昇する。そこで、クリーニング後にプレート18の透過率を測定し、透過率が第2の基準値以上であるか否かを判定する。透過率が第2の基準値よりも低い場合には、ステップS8に移行してさらにクリーニングを行い、透過率が第2の基準値以上である場合には、図3に示すステップS10に移行する。
【0046】
次に、図3に示すステップS10〜S20において、アウトガスの付着によるプレート18の透過率変化を測定する。まず、ステップS10において、アウトガス付着前のプレート18の透過率を測定する。なお、ステップS10の工程を省き、ステップS9における透過率の測定結果を流用することも可能である。
【0047】
次に、ステップS11において、ウエハ20を位置Aに移動する。ステップS12において、プレート18を透過したレーザ光をウエハ20の表面に塗布したレジスト19に照射する。このとき、レジスト19は、レーザ光の照射によりアウトガスを発生させ、このアウトガスはプレート18に付着する。
【0048】
ステップS13において、プレート18のアウトガス付着速度を調節する必要の有無を判断する。ここでは、アウトガスの付着速度を調節し、測定の短時間化等を図る必要があるか否かを判断する。アウトガスの付着速度を調節する必要がある場合には、ステップS14に移行し、アウトガスの付着速度を調節する必要がない場合には、ステップS15に移行する。
【0049】
ステップS14において、アウトガスの付着速度を調節する。アウトガスの付着速度を調節するための方法として、次に示す4つの方法が考えられる。まず、第1の方法として、ウエハ20を位置A付近で移動しながらレーザ光を照射する方法がある。レジスト19上のレーザ光が照射された位置においては、レジストが化学反応を起こし、レジスト表面の組成が変化するために、アウトガスの発生量が低下する。そこで、ウエハ20を位置A付近で移動することにより、レジスト19上のレーザ光が照射される位置を変えることで、アウトガスの発生量低下を防ぐことができる。
【0050】
第2の方法として、ウエハ20の移動速度を調節する方法がある。ウエハ20の移動速度を調節することにより、レジスト19上におけるレーザ光のスキャン速度を変化させ、アウトガス発生量を調節する。レーザ光のスキャン速度を早くすることにより、アウトガスの発生量が減少する。逆に、レーザ光のスキャン速度を遅くすることにより、アウトガスの発生量が増加する。
【0051】
第3の方法として、パージガスボンベ28から供給するパージガスの流量を調節する方法がある。パージガスの流量を増加することにより、レジスト19から発生したアウトガスがプレート18に届き難くなるため、アウトガスの付着速度を遅らせることができる。逆に、パージガスの流量を減少させることにより、レジスト19から発生したアウトガスがプレート18に届き易くなるため、アウトガスの付着速度を速めることができる。
【0052】
第4の方法として、レーザ光照射後のウエハを新しいウエハと交換する方法がある。アウトガスの発生量が低下したウエハを新しいウエハと交換することにより、アウトガスの発生量を向上させる。ここで、ウエハ20を交換する際には、計測チャンバ21Aの内部が大気に晒されることを防ぐため、ウエハ交換チャンバ21Bを用いる。
【0053】
まず、ウエハ交換チャンバ21Bの内部を低反応性ガスで置換して、ゲートバルブ23Cを開ける。その後、ウエハ20を位置Cまで移動させて、ゲートバルブ23Cを閉める。これにより、計測チャンバ21Aが大気に晒されることがないため、ゲートバルブ23Dを開けてウエハ20を交換する。ウエハ20を交換したら、ゲートバルブ23Dを閉めて、再び、ウエハ交換チャンバ21Bの内部を低反応性ガスで置換して、ゲートバルブ23Cを開ける。そして、ウエハ20を位置Aまで移動して、ゲートバルブ23Cを閉める。これにより、プレート18を大気で汚染することなくウエハ20の交換が可能である。
【0054】
再び、図3を参照しながら、アウトガスの付着によるプレートの透過率変化を測定する方法について説明する。ステップS15において、レーザ光10の照射を終了する。ステップS16において、プレート18を5分間放置する。この間も、パージガスボンベ26からパージガスを供給するので、計測チャンバ21A内におけるアウトガス等の不純物の濃度は、時間の経過と共に低下する。
【0055】
ステップS17において、不純物濃度測定装置30を用いて、計測チャンバ21A内部における不純物の濃度を測定して、不純物の濃度が所定濃度以下であるか否かを判定する。不純物の濃度が所定濃度を越えている場合には、ステップS16に移行して、不純物の濃度が所定濃度以下になるまでステップS16及びS17を繰り返す。不純物の濃度が所定濃度以下である場合には、ステップS18に移行する。なお、本実施形態においては、プレート18からのアウトガス成分の剥離を防ぐため、排気ポンプ27を用いた真空置換は行わない。
【0056】
ステップS18において、ウエハ20を位置Bに移動する。なお、ステップS18を、ステップS15とS16との間で行っても良い。次に、ステップS19において、プレート18の透過率を測定する。
【0057】
ステップS20において、透過率の変化が基準値以上であるか否かを判定する。透過率の変化が基準値よりも小さい場合には、さらに、アウトガスをプレート18に付着させるために、ステップS11に移行する。透過率の変化が基準値以上である場合には、図4に示すステップS21に移行する。
【0058】
このようなレジストアウトガス計測装置においては、プレートをクリーニングして再使用することが可能である。ステップS21〜S24において、プレートの再使用について検討する。
【0059】
まず、ステップS21において、オペレータは、アウトガスが付着した使用済みプレート18をクリーニングするか否かを判断する。プレート18をクリーニングする場合には、ステップS22に移行し、プレート18をクリーニングしない場合には、レジストアウトガス計測装置の動作を終了する。
【0060】
ステップS22において、プレート18をクリーニングする。次に、ステップS23において、プレート18の透過率を測定し、クリーニング効果を確認する。ここで、クリーニング後のプレート18の透過率を測定し、透過率が第3の基準値以上であるか否かを判定する。透過率が第3の基準値よりも低い場合には、ステップS22に移行してさらにクリーニングを行い、透過率が第3の基準値以上である場合にはステップS24に移行する。
【0061】
さらに、ステップS24において、オペレータは、プレート18を再使用するか否かを判断する。プレート18を再使用する場合には、図2に示すステップS3に移行し、プレート18を再使用しない場合には、レジストアウトガス計測装置の動作を終了する。
【0062】
本実施形態に係るレジストアウトガス計測装置によれば、プレートへのアウトガス付着とプレートの透過率測定とを、同一装置を用いて行うことが可能となる。このような計測を、in−situ計測(その場計測)という。また、プレートを収納するチャンバと別のチャンバにウエハを移動してウエハの交換を行うことにより、プレートを大気に晒すことなくウエハを交換することができる。
【0063】
次に、本発明の第2の実施形態に係るレジストアウトガス計測装置について説明する。図6に、本発明の第2の実施形態に係るレジストアウトガス計測装置の構成を示す。
【0064】
図6に示すように、本実施形態に係るレジストアウトガス計測装置は、ウエハ20を内部に収納できるウエハ交換チャンバ21B(図1参照)の替りに、アウトガス付着用のプレート18を内部に収納できるプレートチャンバ21Cを備えており、ウエハ20を交換する際に用いられるゲートバルブ23Dは、計測チャンバ21Aに設けられている。
【0065】
ウエハ20は、レーザ装置11から出射したレーザ光10の光軸に対してほぼ垂直に支持されており、位置A〜位置Bにおいて移動が可能である。また、プレート18は、レーザ装置11から出射したレーザ光10の光軸に対してほぼ垂直に支持されており、位置D〜位置Eにおいて移動が可能である。その他の構成については、図1に示すものと同様である。
【0066】
本実施形態においては、ウエハ20を交換するために、プレート18が大気に晒されることを防ぐため、プレートチャンバ21Cを用いている。まず、プレートチャンバ21Cの内部を低反応性ガスで置換して、ゲートバルブ23Cを開ける。その後、プレート18を位置Eまで移動して、ゲートバルブ23Cを閉める。これにより、プレート18が大気に晒されることがないため、ゲートバルブ23Dを開けてウエハ20を交換する。
【0067】
ウエハ20を交換したら、ゲートバルブ23Dを閉めて、再び、計測チャンバ21Aの内部を低反応性ガスで置換して、ゲートバルブ23Cを開ける。その後、プレート18を位置Dまで移動して、ゲートバルブ23Cを閉める。なお、ゲートバルブ23Dを開ける前から、計測チャンバ21Aの内部を低反応性ガスで置換するまでの間は、ゲートバルブ23A及び23Bを閉じておくことが望ましい。その他の動作については、図2〜図4に示す第1の実施形態と同様である。
【0068】
本実施形態に係るレジストアウトガス計測装置によれば、プレートへのアウトガス付着とプレートの透過率測定とを、同一装置を用いて行うことが可能となる。また、ウエハを収納するチャンバと別のチャンバにプレートを移動してウエハの交換を行うことにより、プレートを大気に晒すことなくウエハを交換することができる。
【0069】
次に、本発明の第3の実施形態に係るレジストアウトガス計測装置について説明する。図7に、本発明の第3の実施形態に係るレジストアウトガス計測装置の構成を示す。
【0070】
図7に示すように、本実施形態に係るレジストアウトガス計測装置は、アウトガス付着用のプレート18と全反射ミラー34を同一の軸を中心として回転させることが可能な回転機構35を備えている。全反射ミラー34は、ビームスプリッタ15Aを透過したレーザ光を反射させ、レーザ光は、プレート18を通して、ウエハ20又はビームスプリッタ15Bを照射する。移動機構20Bは、ウエハ支持部20Aを移動させることにより、レーザ光とウエハ20との相対位置を変化させる。これにより、ビームスプリッタ15Aを透過したレーザ光が、ウエハ20に入射するかビームスプリッタ15Bに入射するかを設定することができる。
【0071】
プレート18は、位置D〜位置Eにおいて移動が可能であり、プレート18を位置Eにおいて収納するように、プレートチャンバ21Dが設けられている。ウエハ20を位置Bに配置し、全反射ミラー34がレーザ光を鉛直下向き方向に反射するように回転機構35を調節した状態において、ビームスプリッタ15Bが、プレート18を透過したレーザ光の一部を光センサ14Bの方向に反射する。また、ビームスプリッタ15Bを透過したレーザ光を吸収する位置には、ダンパ17が配置されている。
【0072】
プレート18にアウトガスを付着させる場合には、プレート18を位置Dに配置すると共にウエハ20を位置Aに配置し、第1の実施形態におけるようにウエハ20を位置A付近で移動する替りに回転機構35を制御することにより、全反射ミラー34で反射されたレーザ光が照射されるレジスト19上の位置を変化させている。また、プレート18の透過率を測定する場合には、ウエハ20を位置Bに移動して、全反射ミラー34が、レーザ装置11から出射したレーザ光10を鉛直下向き方向に反射するように、回転機構35を制御する。その他の構成及び動作については、図6に示すものと同様である。
【0073】
次に、本発明の第4の実施形態に係るレジストアウトガス計測装置について説明する。図8に、本発明の第4の実施形態に係るレジストアウトガス計測装置の構成を示す。
【0074】
図8に示すように、本実施形態に係るレジストアウトガス計測装置においては、全反射ミラー34からビームスプリッタ15Bまでの光路を避ける位置Fにウエハ20を固定している。レジストアウトガス計測装置は、アウトガス付着用のプレート18と全反射ミラー34を同一の軸を中心として回転させることが可能な回転機構35を備えている。
【0075】
全反射ミラー34は、ビームスプリッタ15Aを透過したレーザ光を反射させ、レーザ光は、プレート18を通して、ウエハ20又はビームスプリッタ15Bを照射する。回転機構35は、プレート18と全反射ミラー34を回転させることにより、レーザ光とウエハ20との相対位置を変化させる。これにより、ビームスプリッタ15Aを透過したレーザ光が、ウエハ20に入射するかビームスプリッタ15Bに入射するかを設定することができる。
【0076】
プレート18にアウトガスを付着させる場合には、全反射ミラー34で反射されたレーザ光が、位置Fに固定されているウエハ20上のレジスト19を照射するように、回転機構35を調節する。一方、プレート18の透過率を測定する場合には、全反射ミラー34が、レーザ装置11から出射したレーザ光10を鉛直下向き方向に反射するように、回転機構35を調節する。その他の構成及び動作については、図7に示すものと同様である。
【0077】
次に、本発明の第5の実施形態に係るレジストアウトガス計測装置について説明する。図9に、本発明の第5の実施形態に係るレジストアウトガス計測装置の構成を示す。
【0078】
図9に示すように、本実施形態に係るレジストアウトガス計測装置は、光センサ14A及びビームスプリッタ15Aを内部に収納するセンサチャンバ16Aと、光センサ14Bを内部に収納するセンサチャンバ16Bと、ビームスプリッタ15Bを移動させる移動機構15Cと、移動機構15Cによって位置Gに移動されたビームスプリッタ15Bを内部に収納するために用いられるミラーチャンバ16Cと、アウトガス付着用のプレート18、ビームスプリッタ15B、表面にレジスト19を塗布したウエハ20を内部に収納するために用いられる計測チャンバ21Eと、退避したプレート18を内部に収納するために用いられるプレートチャンバ21Cとを備えている。
【0079】
ミラーチャンバ16Cと計測チャンバ21Eとの間は、ゲートバルブ23Eで仕切ることが可能である。また、ビームスプリッタ15Bは、位置G〜位置Hにおいて移動が可能である。本実施形態においては、第1の実施形態におけるようにウエハ20を移動する替りに、ビームスプリッタ15Bを移動する。即ち、ビームスプリッタ15Bを位置Gに配置して、プレート18へのアウトガスの付着を行い、ビームスプリッタ15Bを位置Hに配置して、プレート18の透過率を測定する。
【0080】
ビームスプリッタ15Bを位置Gに配置した場合において、プレート18を透過したレーザ光は全てウエハ20に吸収される。また、ビームスプリッタ15Bを位置Hに配置した場合において、ビームスプリッタ15Bを透過したレーザ光は全てウエハ20に吸収される。このため、本実施形態においてはダンパは必要としない。その他の構成及び動作については、図6に示すものと同様である。
【0081】
なお、プレート18又はウエハ20をレーザ装置11から出射されるレーザ光10の光軸に対してほぼ平行に移動させることにより、プレート18とウエハ20との間の距離を変化させて、アウトガスの付着速度を調節するようにしても良い。
【0082】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、基板に塗布されたレジストにレーザ光を照射する際に発生するアウトガスによる光学部品の光学特性の変化を、光学部品が大気中で汚染されることなく計測することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るレジストアウトガス計測装置の構成を示す図である。
【図2】レジストアウトガス計測装置の動作説明するためのフローチャートである。
【図3】レジストアウトガス計測装置の動作説明するためのフローチャートである。
【図4】レジストアウトガス計測装置の動作説明するためのフローチャートである。
【図5】プレート18のクリーニング効果を例示する図である。
【図6】本発明の第2の実施形態に係るレジストアウトガス計測装置の構成を示す図である。
【図7】本発明の第3の実施形態に係るレジストアウトガス計測装置の構成を示す図である。
【図8】本発明の第4の実施形態に係るレジストアウトガス計測装置の構成を示す図である。
【図9】本発明の第5の実施形態に係るレジストアウトガス計測装置の構成を示す図である。
【図10】露光装置の構成を示す図である。
【図11】レジストアウトガス計測に利用されるレジストアウトガス付着装置の構成を示す図である。
【図12】レジストアウトガス計測に利用されるVUV分光光度計の構成を示す図である。
【符号の説明】
10…レーザ光、11…レーザ装置、12…光路空間、13…光路カバー、14A,14B…光センサ、15A,15B…ビームスプリッタ、15C,20B…移動機構、16A,16B…センサチャンバ、16C…ミラーチャンバ、17…ダンパ、18,106…プレート、18A…プレート支持部、19,105…レジスト、20,104…ウエハ、20A…ウエハ支持部、21A…計測チャンバ、21B…ウエハ交換チャンバ、21C,21D…プレートチャンバ、22…計測コントローラ、23A〜23E…ゲートバルブ、24…光学ウィンドウ、25,26,28,31…パージガスボンベ、27,32…排気ポンプ、29…酸素ボンベ、30,33…不純物濃度計測装置、34…全反射ミラー、35…回転機構、101…反射鏡、102…照明系、103…レンズ、107,109…容器、108…センサ
Claims (3)
- 基板に塗布されたレジストにレーザ光を照射する際に発生するアウトガスによる光学部品の光学特性の変化を計測する装置であって、
レーザ光を出射するレーザ装置と、
前記光学部品を支持するための光学部品支持部と、
レジストが塗布された前記基板を支持するための基板支持部と、
前記レーザ装置と前記光学部品との間に設けられ、前記レーザ装置から出射されるレーザ光の一部を反射する第1の部分反射ミラーと、
前記第1の部分反射ミラーから反射されたレーザ光の強度を測定する第1の光センサと、
前記第1の部分反射ミラー及び前記光学部品を透過したレーザ光の一部を反射する第2の部分反射ミラーと、
前記第2の部分反射ミラーから反射されたレーザ光の強度を測定する第2の光センサと、
前記第1の部分反射ミラーを透過したレーザ光が前記基板に入射するか前記第2の部分反射ミラーに入射するかを設定するために、レーザ光と前記基板との相対位置を変化させる相対位置変化手段と、
少なくとも前記光学部品及び前記基板を密閉するためのチャンバと、
を具備するレジストアウトガス計測装置。 - 前記相対位置変化手段が、前記第1の部分反射ミラーを透過したレーザ光が前記基板に入射している際に、前記基板におけるレーザ光の入射位置を変化させる、請求項1記載のレジストアウトガス計測装置。
- 基板に塗布されたレジストにレーザ光を照射する際に発生するアウトガスによる光学部品の光学特性の変化を計測する装置であって、
レーザ光を出射するレーザ装置と、
前記光学部品を支持するための光学部品支持部と、
レジストが塗布された前記基板を支持するための基板支持部と、
前記レーザ装置と前記光学部品との間に設けられ、前記レーザ装置から出射されるレーザ光の一部を反射する第1の部分反射ミラーと、
前記第1の部分反射ミラーから反射されたレーザ光の強度を測定する第1の光センサと、
前記第1の部分反射ミラー及び前記光学部品を透過したレーザ光の一部を反射する第2の部分反射ミラーと、
前記第2の部分反射ミラーから反射されたレーザ光の強度を測定する第2の光センサと、
前記第1の部分反射ミラーを透過したレーザ光が前記基板に入射するか前記第2の部分反射ミラーに入射するかを設定するために、前記第2の部分反射ミラーの位置を変化させる位置変化手段と、
少なくとも前記光学部品及び前記基板を密閉するためのチャンバと、
を具備するレジストアウトガス計測装置。
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