JP2004253617A - フレックスリジットプリント配線板の製造用治具とこの治具を用いたフレックスリジットプリント配線板の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】プリプレグ材料の選択幅が広がり、歩留まりが向上し、外観に優れているフレックスリジットプリント配線板を得ることのできる治具と製造方法を提供すること。
【解決手段】フレキシブル配線板10にフレックス部17となる空隙部15を残してリジット部18となるプリプレグ11と銅箔12を積層したフレックスリジットプリント配線板の製造方法において、まず、前記フレキシブル配線板10の少なくともいずれか一方の面にフレックス部17となる空隙部15を残してプリプレグ11をリジット部18となる銅箔12とともに積層し、次いで、フレックス部17となる空隙部15に臨ませて、この空隙部15に隙間無く嵌合する形状の嵌合突部32をもった治具用基板31を積層して加熱硬化せしめることによりフレックスリジットプリント配線板を製造する。
【選択図】 図1
【解決手段】フレキシブル配線板10にフレックス部17となる空隙部15を残してリジット部18となるプリプレグ11と銅箔12を積層したフレックスリジットプリント配線板の製造方法において、まず、前記フレキシブル配線板10の少なくともいずれか一方の面にフレックス部17となる空隙部15を残してプリプレグ11をリジット部18となる銅箔12とともに積層し、次いで、フレックス部17となる空隙部15に臨ませて、この空隙部15に隙間無く嵌合する形状の嵌合突部32をもった治具用基板31を積層して加熱硬化せしめることによりフレックスリジットプリント配線板を製造する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、1枚のプリント配線板に、フレックス部とリジット部の混在するフレックスリジットプリント配線板を製造するための治具及びその治具を用いたフレックスリジットプリント配線板の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、プリント配線板は、硬質のリジットプリント配線板と、軟質のフレキシブルプリント配線板の2種類に分けられるが、フレックスリジットプリント配線板は、これらの2種類の配線板を1つに結合したものである。部品搭載が可能で、部品重量に耐え、筐体に固定するための強度を有するリジット部と、自由に屈曲し、小さい空間で配線板とコネクタの間や配線板同士の間をつなぐフレックス部とからなっている。
【0003】
このようなフレックスリジットプリント配線板は、従来、図5に示す方法で製造されていた。
(a)において、予めプリント配線の施されたフレキシブル配線板10の両面(又は片面)に、絶縁と接着とを兼ねた半硬化のプリプレグ11を載せる。このとき、フレックス部17となる部分には空隙部15が形成される。前記プリプレグ11の上には、さらにリジット部18のプリント配線を形成する銅箔12が載せられる。さらに、厚手の離型フィルム13を被せて上下の鏡面板14でプレスしつつ加熱する。
(b)において、プリプレグ11は、ガラス繊維からなる補強材に、熱硬化樹脂と硬化剤との混合したものを塗布して半硬化状態(B−stage)に形成したものであり、プレスしつつ加熱すると、プリプレグ11の内部で樹脂と硬化剤とが反応して一時的に柔らかになった後に硬化して、フレキシブル配線板10と銅箔12とを接続する接着剤として作用すると共に、絶縁層となる。この上下の鏡面板14によるプレス加熱時に、厚手の離型フィルム13が空隙部15ではプレスされずに空隙部15を埋めるように作用するが、空隙部15の隅までは追従することができないので、一時的に柔らかになったプリプレグ11の樹脂と硬化剤の混合したものの一部が空隙部15側の角隅へ流動してフレックス部17となる部分にしみ出し部16ができる。
(c)において、プリプレグ11の硬化後に、鏡面板14と離型フィルム13を除くと、フレックス部17に樹脂が流れ出た状態でしみ出し部16が形成されたフレックスリジットプリント配線板となる。
【0004】
このようなプリプレグ11が流動するのを抑制するため、従来は、流動の少ない、ローフロープリプレグが使用されていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ローフロープリプレグは、流動が少ないため、フレキシブル配線板10や銅箔12との接着が不十分であったり、かすれが発生したりして、不良品の発生率が高くなり、歩留まりが低下していた。
また、ローフロープリプレグは、半硬化状態を管理するのが面倒で、プリプレグ11として使用できる材料が限定され、選択幅が狭くなる。
さらに、流動がほとんどないため、外観がよくない。
等の問題があった。
【0006】
本発明は、上記問題点に鑑みなされたもので、プリプレグとして使用できる材料の選択幅が広がり、歩留まりが向上し、外観に優れているフレックスリジットプリント配線板を得るためのフレックスリジットプリント配線板の製造用治具とこの治具を用いたフレックスリジットプリント配線板の製造方法を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、製造用治具として治具用基板31に、フレックスリジットプリント配線板におけるフレックス部17となる空隙部15に隙間無く嵌合する形状をもった嵌合突部32を一体に形成したものが用いられる。
この治具を用いてフレックスリジットプリント配線板を製造するには、まず、前記フレキシブル配線板10の少なくともいずれか一方の面にフレックス部17となる空隙部15を残してプリプレグ11をリジット部18となる銅箔12とともに積層し、次いで、フレックス部17となる空隙部15に臨ませて、この空隙部15に隙間無く嵌合する形状の嵌合突部32をもった治具用基板31を積層して加熱硬化せしめることによりフレックスリジットプリント配線板を製造する。
【0008】
治具用基板31は、プラスチックなどの絶縁板35に銅箔36を積層した銅張り積層板が用いられ、この銅張り積層板の銅箔36における嵌合突部32となる部分が残るようにその他の不要部分をエッチングにより除去する方法、銅箔36からなる治具用基板31の上に、嵌合突部32となるように型抜きした離型フィルム37を積層する方法など、適宜の方法が採用できる。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明は、予めプリント配線の施されたフレキシブル配線板10におけるフレックス部17となる部分が空隙部15になるようにし、また、リジット部18となる部分に絶縁と接着とを兼ねた半硬化のプリプレグ11を介してリジット部18のプリント配線を形成する銅箔12を載せて、一体に加熱硬化させることによりフレックスリジットプリント配線板を形成する方法において、フレックス部17となる空隙部15に、治具用基板31の嵌合突部32を隙間なく嵌合して加熱硬化させることにより、プリプレグ11の樹脂が空隙部15に流動してしみ出し部となることを防止するようにしたものである。
このような治具30を使用することにより、プリプレグ11の樹脂と硬化剤の混合したものが十分流動性を有していても使用できるなど、使用できる材料の選択幅が広がり、また、流動性があるので不良品の発生率が少なくなり、歩留まりが向上し、しかも、しみ出し部のない外観に優れたフレックスリジットプリント配線板を得ることのできる治具とその製造方法を提供することができる。
【0010】
本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
図1(a)において、フレキシブル配線板10の両面に積層する場合を例として説明すると、下部の鏡面板14の上に、フレックスリジット配線板用治具30、離型フィルム13,銅箔12,プリプレグ11,フレキシブル配線板10,プリプレグ11,銅箔12,離型フィルム13、フレックスリジット配線板用治具30を順次重ねて、上部の鏡面板14を載せる。このとき、プリプレグ11は、フレックス部17となる部分が空隙部15となるように切り欠かれたものが配置される。
【0011】
前記フレックスリジット配線板用治具30は、治具用基板31の一側面に、嵌合突部32を形成したもので、この嵌合突部32の大きさは、空隙部15に隙間なく嵌合せしめるために、空隙部15の形状と略同一か、わずかに小さ目に形成する。また、厚さは、空隙部15の厚さと同程度とする。このフレックスリジット配線板用治具30の材料及び製造方法の詳細な実施例については、後述する。
また、絶縁と接着とを兼ねた半硬化状態のプリプレグ11は、ガラス繊維などからなる補強材に、熱硬化樹脂と硬化剤との混合したものを塗布して半硬化状態(B−stage)に形成したものである。
【0012】
図1(b)において、上下の鏡面板14を被せて、プレスしつつ加熱する。プリプレグ11は、加熱されると、プリプレグ11の内部で樹脂と硬化剤とが反応して樹脂部分が一時的に柔らかになった後、硬化して、フレキシブル配線板10と銅箔12とを接続する接着剤として作用すると共に、絶縁層となる。この上下の鏡面板14によるプレスと加熱時に、一時的に柔らかになったプリプレグ11の樹脂が空隙部15側へ流動しようとするが、空隙部15内には、フレックスリジット配線板用治具30の嵌合突部32にて離型フィルム13が押し込まれ、プリプレグ11の内周面部側には、ほとんど隙間がなくなるため、流動しようとする樹脂の流れを堰き止めてしみ出し部16は生じることはない。
【0013】
図1(c)において、プリプレグ11の硬化後に、鏡面板14と離型フィルム13を除くと、フレックス部17とリジット部18との境界部分には、プリプレグ11の樹脂がほとんど流れ出ることなく、しみ出し部のないフレックスリジットプリント配線板となる。もし、角隅部分にわずかに隙間ができたとしても、極めて微小なしみ出し部16に過ぎず、実用上は全く問題がない。
【0014】
図2は、フレックス部17とリジット部18とを具備したフレックスリジットプリント配線板を示す平面図であり、回路構成の異なる2種類のフレックスリジットプリント配線板を同時に構成する場合を示している。
また、図3(a)(b)は、図2に示すフレックスリジットプリント配線板を製造するときに使用されるフレックスリジット配線板用治具30の平面図とA−A線断面図である。
これらの図は、2個のフレックスリジットプリント配線板を同時に製造する例を示しているが、1個であってもよいし、数10個、数100個であってもよい。
【0015】
前記図1に示す実施例では、フレキシブル配線板10の両面にプリプレグ11,銅箔12を積層する場合について説明したが、これに限られるものではなく、フレキシブル配線板10の片面だけの場合であってもよい。
【0016】
つぎに、フレックスリジット配線板用治具30を構成する治具用基板31と嵌合突部32の材料と、これらの材料毎のフレックスリジット配線板用治具30の作成する具体的方法を図4(a)〜(i)に基づき説明する。
第1例:図4(a)
フレックスリジット配線板用治具30の原材料:ガラス繊維補強のプラスチックなどの絶縁板35に銅箔36を予め積層した銅張り積層板が用いられる。
製作方法:嵌合突部32となる部分以外の銅箔36を公知のエッチング方法にて除去することによって作成する。さらに詳しくは、治具用基板31となるプラスチックなどの絶縁板35に予め積層した銅張り積層板の銅箔36部分のうち、嵌合突部32となる部分を耐腐蝕性樹脂等で覆い、露出した部分を化学的エッチングにより蝕刻して目的の形状の嵌合突部32を得る。34は、エッチングによる除去部分である。
【0017】
第2例:図4(b)
フレックスリジット配線板用治具30の原材料:治具用基板31として銅箔36を用い、この治具用基板31の上に、嵌合突部32として所定の形状に形成された離型フィルム37を貼着する。この離型フィルム37には、フッ素樹脂、ポリオレフィン系樹脂、メチルペンテンコポリマー樹脂などが用いられる。
【0018】
第3例:図4(c)
フレックスリジット配線板用治具30の原材料:治具用基板31として銅箔36を用い、この銅箔36の上に、嵌合突部32として熱硬化性樹脂38を所定の形状に印刷又は塗布する。この熱硬化性樹脂38には、エポキシ樹脂、ソルダーレジストなどが用いられる。
【0019】
第4例:図4(d)
フレックスリジット配線板用治具30の原材料:治具用基板31として銅箔36を用い、この銅箔36の上に、嵌合突部32としてゴム類39を所定の形状に形成する。このゴム類39には、フッ素ゴム、シリコンゴムなどが用いられる。
製作方法:前記第2例又は第3例のどちらかの方法による。
【0020】
第5例:図4(e)
フレックスリジット配線板用治具30の原材料:治具用基板31としてプラスチックなどの絶縁板35に銅箔36を積層した銅張り積層板が用いられ、その上に、嵌合突部32として、第2例の離型フィルム37、第3例の熱硬化性樹脂38、第4例のゴム類39のいずれかが用いられて形成される。
製作方法:嵌合突部32として離型フィルム37のときは、第2例の方法、熱硬化性樹脂38のときは、第3例の方法、ゴム類39のときは、第4例の方法による。
【0021】
第6例:図4(f)
フレックスリジット配線板用治具30の原材料:治具用基板31として高耐熱性を有するプラスチックなどの絶縁板35が用いられる。この絶縁板35は、透明であることがより望ましい。嵌合突部32として、第2例の離型フィルム37、第3例の熱硬化性樹脂38、第4例のゴム類39のいずれかが用いられて形成される。
製作方法:嵌合突部32として離型フィルム37のときは、第2例の方法、熱硬化性樹脂38のときは、第3例の方法、ゴム類39のときは、第4例の方法による。
【0022】
第7例:図4(g)
フレックスリジット配線板用治具30の原材料:治具用基板31及び嵌合突部32として共に離型フィルム37を用い、この治具用基板31としての離型フィルム37の上に、嵌合突部32として所定の形状に形成された離型フィルム37を貼着する。この離型フィルム37には、フッ素樹脂、ポリオレフィン系樹脂、メチルペンテンコポリマー樹脂などが用いられる。
製作方法:第2例と同様の方法による。
【0023】
第8例:図4(h)
フレックスリジット配線板用治具30の原材料:治具用基板31及び嵌合突部32として0.2mm程度の薄いアルミ板40を用いる。
製作方法:嵌合突部32となる部分は、アルミ板40をプレスなどで打ち出し成型した打ち出し部41とする。
【0024】
第9例:図4(i)
フレックスリジット配線板用治具30の原材料:治具用基板31として0.2mm程度の薄いアルミ板40を用い、嵌合突部32として、第2例の離型フィルム37、第3例の熱硬化性樹脂38、第4例のゴム類39のいずれかが用いられて形成される。
製作方法:嵌合突部32として離型フィルム37のときは、第2例の方法、熱硬化性樹脂38のときは、第3例の方法、ゴム類39のときは、第4例の方法による。
【0025】
前述した図1に示す実施例では、上下の鏡面板14によるプレスと加熱時に、一時的に柔らかになったプリプレグ11の樹脂が空隙部15側へ流動しようとするが、空隙部15内には、フレックスリジット配線板用治具30の嵌合突部32にて離型フィルム13が押し込まれ、プリプレグ11の内周面部側には、ほとんど隙間がなくなるため、流動しようとする樹脂の流れを堰き止めてほとんどしみ出し部16は生じることはない。
【0026】
しかし、もし、それでも角隅部分に極めて微小なしみ出し部16が生じる恐れがあるような場合には、図5に示すように、内周縁部のみに硬化部19を有するプリプレグ11部を用いることができる。即ち、プリプレグ11に空隙部15を切り欠き形成し、その内周縁部のみを加熱硬化して硬化部19とし、これをフレキシブル配線板10に載せ、さらに、プリプレグ11の上にリジット部18となる銅箔12を載せ、その上に離型フィルム13と、前記フレックスリジット配線板用治具30を被せて鏡面板14でプレス加熱硬化することでより完全にしみ出し部16の発生を防ぐことができる。
【0027】
さらに詳しくは、図5(a)において、下部の鏡面板14の上に、本発明のフレックスリジット配線板用治具30、離型フィルム13,銅箔12,硬化部19の処理済のプリプレグ11,フレキシブル配線板10,硬化部19の処理済のプリプレグ11,銅箔12,離型フィルム13、本発明のフレックスリジット配線板用治具30を順次重ねて、上部の鏡面板14を載せる。このとき、プリプレグ11の硬化部19は、フレックス部17となる空隙部15に面している。
【0028】
図5(b)において、上下の鏡面板14を被せて、プレスしつつ加熱すると、プリプレグ11の内部で樹脂と硬化剤とが反応して樹脂部分が一時的に柔らかになった後、硬化して、フレキシブル配線板10と銅箔12とを接続する接着剤として作用すると共に、絶縁層となる。この上下の鏡面板14によるプレスと加熱時に、一時的に柔らかになったプリプレグ11の樹脂が空隙部15側へ流動しようとするが、プリプレグ11の内周面部側に硬化部19があるとともに、空隙部15内にフレックスリジット配線板用治具30の嵌合突部32にて離型フィルム13が押し込まれ、ほとんど隙間がなくなるため、流動しようとする樹脂の流れを完全に堰き止めてしみ出し部16は生じることはない。
【0029】
図1(c)において、プリプレグ11の硬化後に、鏡面板14、フレックスリジット配線板用治具30、離型フィルム13を除くと、フレックス部17とリジット部18との境界部分には、プリプレグ11の樹脂が全く流れ出ることなく、しみ出し部のないフレックスリジットプリント配線板となる。
【0030】
プリプレグ11の内周面部側に硬化部19を形成する手段は、例えば、次の方法によることができる。
(1)空隙部15の切り欠き形成されたプリプレグ11を、溶着防止フィルムの上に載せ、プリプレグ11の空隙部15の内周縁の部分の上方約10mmに、加熱手段としての熱風ノズルを臨ませて約1.5mmの幅で熱風を噴射しながら移動して硬化する。
【0031】
(2)空隙部15の切り欠き形成されたプリプレグ11を、溶着防止フィルムの上に載せ、プリプレグ11の空隙部15の内周縁部分に、加熱手段としての予め加熱された熱硬化バーを接触させる。この熱硬化バーは、例えば、厚さ1.5mm、幅5mm程度の直方体をなし、所定時間プリプレグの縁部分に押し当てて硬化させて硬化部19となし、硬化後に熱硬化バーを空隙部15の縁に沿って順次移動させ、空隙部15の全周縁部分を硬化部19とする。
また、直方体の熱硬化バーに替えて、厚さが1.0mm程度で、空隙部15の全周縁部分と同一形状の熱硬化ブロックをプリプレグの縁部分に押し当てて1回の操作で全周縁部分を硬化させて硬化部19となし、空隙部15の全周縁部分を硬化部19とすることもできる。
【0032】
(4)空隙部15の切り欠き形成されたプリプレグ11を、溶着防止フィルムの上に載せ、プリプレグ11の空隙部15を切り欠いた縁の部分の上方に臨ませて、加熱手段としての光照射器を配置する。この光照射器は、例えば、レーザを発射するレーザ発振器や、ハロゲンランプと集光レンズなどを内蔵した光学集光器などからなる。
【0033】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、製造用治具は、治具用基板31に、フレックスリジットプリント配線板におけるフレックス部17となる空隙部15に隙間無く嵌合する形状をもった嵌合突部32を一体に形成したので、フレキシブル配線板10にフレックス部17となる空隙部15を残してリジット部18となるプリプレグ11と銅箔12を積層してフレックスリジットプリント配線板を製造する場合に、この製造用治具を用いることで、加熱硬化時にプリプレグ11の樹脂部分が流動性を生じてもフレックス部17となる空隙部15にしみ出ることがない。また、流動性のあるプリプレグを用いることができ、フレキシブル配線板10や銅箔12との接着が十分行なわれ、歩留まりが向上する。
【0034】
請求項2記載の発明によれば、配線板の製造用治具は、治具用基板31が絶縁板35に銅箔36を積層した銅張り積層板が用いられ、この銅張り積層板の銅箔36における嵌合突部32となる部分が残るようにその他の不要部分をエッチングにより除去して形成するようにしたので、フレキシブル配線板10のフレックス部17となる空隙部15と、治具用基板31に設けた嵌合突部32との形状を正確に一致させることができ、より外観の優れたフレックスリジットプリント配線板を得ることができる。
【0035】
請求項3記載の発明によれば、配線板の製造用治具は、治具用基板31として銅箔36が用いられ、この銅箔36の上に、嵌合突部32となるように型抜きした離型フィルム37を積層したので、空隙部15と同じ位置をくり貫いた治具板の孔に型抜きした離型フィルム37を嵌め込み、その上に治具用基板31としての銅箔36を置き、離型フィルム37を熱圧着させることで形成でき、簡単に、かつ、正確な形状の治具を製造することができる。
【0036】
請求項4記載の発明によれば、治具用基板31は、絶縁板35に銅箔36を積層した銅張り積層板が用いられ、この銅張り積層板の上に、嵌合突部32となる離型フィルム37、熱硬化性樹脂38またはゴム類39を積層したので、この種のプリント配線板に多用されている銅張り積層板をそのまま治具用基板31として利用することができ、安価に治具を製造することができる。
【0037】
請求項5記載の発明によれば、フレキシブル配線板10にフレックス部17となる空隙部15を残してリジット部18となるプリプレグ11と銅箔12を積層したフレックスリジットプリント配線板の製造方法において、前記フレキシブル配線板10の少なくともいずれか一方の面にフレックス部17となる空隙部15を残してプリプレグ11をリジット部18となる銅箔12とともに積層する工程と、前記空隙部15に臨ませて、この空隙部15に隙間無く嵌合する形状の嵌合突部32をもった治具用基板31を積層して加熱硬化せしめる工程とを具備したので、流動性のあるプリプレグを用いることができ、フレキシブル配線板10や銅箔12との接着が十分行なわれ、歩留まりが向上する。また、プリプレグの半硬化状態の管理がし易く、プリプレグ11として使用できる材料の選択幅が広くなり、特に、しみ出しのない外観の優れたフレックスリジットプリント配線板を得ることができる。
【0038】
請求項6記載の発明によれば、プリプレグ11における空隙部15に面した縁部に加熱手段21により予め硬化部19を形成する工程と、前記フレキシブル配線板10の少なくともいずれか一方の面にフレックス部17となる空隙部15を残してプリプレグ11をリジット部18となる銅箔12とともに積層する工程と、前記空隙部15に臨ませて、この空隙部15に隙間無く嵌合する形状の嵌合突部32をもった治具用基板31を積層して加熱硬化せしめる工程とを具備したので、プレスと加熱時に、一時的に柔らかになったプリプレグ11の樹脂が空隙部15側へ流動しようとするが、プリプレグ11の内周面部側に硬化部19があるとともに、空隙部15内にフレックスリジット配線板用治具30の嵌合突部32にて離型フィルム13が押し込まれ、ほとんど隙間がなくなるため、流動しようとする樹脂の流れを完全に堰き止めてしみ出し部16は生じることはない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による治具を用いたフレックスリジットプリント配線板の製造方法の一実施例を示すもので、(a)は、積層直前の断面図、(b)は、積層後にプレス加熱硬化した断面図、(c)は、完成したフレックスリジットプリント配線板の断面図である。
【図2】1枚のフレキシブル配線板10に、フレックス部17とリジット部18とを具備した回路構成の異なる2種類のフレックスリジットプリント配線板を配置した回路の平面図である。
【図3】(a)は、図2に示すフレックスリジットプリント配線板を製造するときに使用されるフレックスリジット配線板用治具30の平面図、(b)は、(a)におけるA−A線断面図である。
【図4】(a)〜(i)は、フレックスリジット配線板用治具30のそれぞれ異なる実施例を示す側面図である。
【図5】本発明によるフレックスリジットプリント配線板の製造方法の他の実施例であって、硬化部19を有するプリプレグ11を用いたもので、(a)は、積層直前の断面図、(b)は、積層後にプレス加熱硬化した断面図、(c)は、完成したフレックスリジットプリント配線板の断面図である。
【図6】従来のフレックスリジットプリント配線板及びその製造方法を示すもので、(a)は、積層直前の断面図、(b)は、積層後にプレス加熱硬化した断面図、(c)は、完成したフレックスリジットプリント配線板の断面図である。
【符号の説明】
10…フレキシブル配線板、11…プリプレグ、12…銅箔、13…離型フィルム、14…鏡面板、15…空隙部、16…しみ出し部、17…フレックス部、18…リジット部、19…硬化部、30…フレックスリジット配線板用治具、31…治具用基板、32…嵌合突部、33…位置合わせ孔、34…エッチングによる除去部分、35…プラスチックなどの絶縁板、36…銅箔、37…離型フィルム、38…熱硬化性樹脂、39…ゴム類、40…アルミ板、41…打ち出し部。
【発明の属する技術分野】
本発明は、1枚のプリント配線板に、フレックス部とリジット部の混在するフレックスリジットプリント配線板を製造するための治具及びその治具を用いたフレックスリジットプリント配線板の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、プリント配線板は、硬質のリジットプリント配線板と、軟質のフレキシブルプリント配線板の2種類に分けられるが、フレックスリジットプリント配線板は、これらの2種類の配線板を1つに結合したものである。部品搭載が可能で、部品重量に耐え、筐体に固定するための強度を有するリジット部と、自由に屈曲し、小さい空間で配線板とコネクタの間や配線板同士の間をつなぐフレックス部とからなっている。
【0003】
このようなフレックスリジットプリント配線板は、従来、図5に示す方法で製造されていた。
(a)において、予めプリント配線の施されたフレキシブル配線板10の両面(又は片面)に、絶縁と接着とを兼ねた半硬化のプリプレグ11を載せる。このとき、フレックス部17となる部分には空隙部15が形成される。前記プリプレグ11の上には、さらにリジット部18のプリント配線を形成する銅箔12が載せられる。さらに、厚手の離型フィルム13を被せて上下の鏡面板14でプレスしつつ加熱する。
(b)において、プリプレグ11は、ガラス繊維からなる補強材に、熱硬化樹脂と硬化剤との混合したものを塗布して半硬化状態(B−stage)に形成したものであり、プレスしつつ加熱すると、プリプレグ11の内部で樹脂と硬化剤とが反応して一時的に柔らかになった後に硬化して、フレキシブル配線板10と銅箔12とを接続する接着剤として作用すると共に、絶縁層となる。この上下の鏡面板14によるプレス加熱時に、厚手の離型フィルム13が空隙部15ではプレスされずに空隙部15を埋めるように作用するが、空隙部15の隅までは追従することができないので、一時的に柔らかになったプリプレグ11の樹脂と硬化剤の混合したものの一部が空隙部15側の角隅へ流動してフレックス部17となる部分にしみ出し部16ができる。
(c)において、プリプレグ11の硬化後に、鏡面板14と離型フィルム13を除くと、フレックス部17に樹脂が流れ出た状態でしみ出し部16が形成されたフレックスリジットプリント配線板となる。
【0004】
このようなプリプレグ11が流動するのを抑制するため、従来は、流動の少ない、ローフロープリプレグが使用されていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ローフロープリプレグは、流動が少ないため、フレキシブル配線板10や銅箔12との接着が不十分であったり、かすれが発生したりして、不良品の発生率が高くなり、歩留まりが低下していた。
また、ローフロープリプレグは、半硬化状態を管理するのが面倒で、プリプレグ11として使用できる材料が限定され、選択幅が狭くなる。
さらに、流動がほとんどないため、外観がよくない。
等の問題があった。
【0006】
本発明は、上記問題点に鑑みなされたもので、プリプレグとして使用できる材料の選択幅が広がり、歩留まりが向上し、外観に優れているフレックスリジットプリント配線板を得るためのフレックスリジットプリント配線板の製造用治具とこの治具を用いたフレックスリジットプリント配線板の製造方法を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、製造用治具として治具用基板31に、フレックスリジットプリント配線板におけるフレックス部17となる空隙部15に隙間無く嵌合する形状をもった嵌合突部32を一体に形成したものが用いられる。
この治具を用いてフレックスリジットプリント配線板を製造するには、まず、前記フレキシブル配線板10の少なくともいずれか一方の面にフレックス部17となる空隙部15を残してプリプレグ11をリジット部18となる銅箔12とともに積層し、次いで、フレックス部17となる空隙部15に臨ませて、この空隙部15に隙間無く嵌合する形状の嵌合突部32をもった治具用基板31を積層して加熱硬化せしめることによりフレックスリジットプリント配線板を製造する。
【0008】
治具用基板31は、プラスチックなどの絶縁板35に銅箔36を積層した銅張り積層板が用いられ、この銅張り積層板の銅箔36における嵌合突部32となる部分が残るようにその他の不要部分をエッチングにより除去する方法、銅箔36からなる治具用基板31の上に、嵌合突部32となるように型抜きした離型フィルム37を積層する方法など、適宜の方法が採用できる。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明は、予めプリント配線の施されたフレキシブル配線板10におけるフレックス部17となる部分が空隙部15になるようにし、また、リジット部18となる部分に絶縁と接着とを兼ねた半硬化のプリプレグ11を介してリジット部18のプリント配線を形成する銅箔12を載せて、一体に加熱硬化させることによりフレックスリジットプリント配線板を形成する方法において、フレックス部17となる空隙部15に、治具用基板31の嵌合突部32を隙間なく嵌合して加熱硬化させることにより、プリプレグ11の樹脂が空隙部15に流動してしみ出し部となることを防止するようにしたものである。
このような治具30を使用することにより、プリプレグ11の樹脂と硬化剤の混合したものが十分流動性を有していても使用できるなど、使用できる材料の選択幅が広がり、また、流動性があるので不良品の発生率が少なくなり、歩留まりが向上し、しかも、しみ出し部のない外観に優れたフレックスリジットプリント配線板を得ることのできる治具とその製造方法を提供することができる。
【0010】
本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
図1(a)において、フレキシブル配線板10の両面に積層する場合を例として説明すると、下部の鏡面板14の上に、フレックスリジット配線板用治具30、離型フィルム13,銅箔12,プリプレグ11,フレキシブル配線板10,プリプレグ11,銅箔12,離型フィルム13、フレックスリジット配線板用治具30を順次重ねて、上部の鏡面板14を載せる。このとき、プリプレグ11は、フレックス部17となる部分が空隙部15となるように切り欠かれたものが配置される。
【0011】
前記フレックスリジット配線板用治具30は、治具用基板31の一側面に、嵌合突部32を形成したもので、この嵌合突部32の大きさは、空隙部15に隙間なく嵌合せしめるために、空隙部15の形状と略同一か、わずかに小さ目に形成する。また、厚さは、空隙部15の厚さと同程度とする。このフレックスリジット配線板用治具30の材料及び製造方法の詳細な実施例については、後述する。
また、絶縁と接着とを兼ねた半硬化状態のプリプレグ11は、ガラス繊維などからなる補強材に、熱硬化樹脂と硬化剤との混合したものを塗布して半硬化状態(B−stage)に形成したものである。
【0012】
図1(b)において、上下の鏡面板14を被せて、プレスしつつ加熱する。プリプレグ11は、加熱されると、プリプレグ11の内部で樹脂と硬化剤とが反応して樹脂部分が一時的に柔らかになった後、硬化して、フレキシブル配線板10と銅箔12とを接続する接着剤として作用すると共に、絶縁層となる。この上下の鏡面板14によるプレスと加熱時に、一時的に柔らかになったプリプレグ11の樹脂が空隙部15側へ流動しようとするが、空隙部15内には、フレックスリジット配線板用治具30の嵌合突部32にて離型フィルム13が押し込まれ、プリプレグ11の内周面部側には、ほとんど隙間がなくなるため、流動しようとする樹脂の流れを堰き止めてしみ出し部16は生じることはない。
【0013】
図1(c)において、プリプレグ11の硬化後に、鏡面板14と離型フィルム13を除くと、フレックス部17とリジット部18との境界部分には、プリプレグ11の樹脂がほとんど流れ出ることなく、しみ出し部のないフレックスリジットプリント配線板となる。もし、角隅部分にわずかに隙間ができたとしても、極めて微小なしみ出し部16に過ぎず、実用上は全く問題がない。
【0014】
図2は、フレックス部17とリジット部18とを具備したフレックスリジットプリント配線板を示す平面図であり、回路構成の異なる2種類のフレックスリジットプリント配線板を同時に構成する場合を示している。
また、図3(a)(b)は、図2に示すフレックスリジットプリント配線板を製造するときに使用されるフレックスリジット配線板用治具30の平面図とA−A線断面図である。
これらの図は、2個のフレックスリジットプリント配線板を同時に製造する例を示しているが、1個であってもよいし、数10個、数100個であってもよい。
【0015】
前記図1に示す実施例では、フレキシブル配線板10の両面にプリプレグ11,銅箔12を積層する場合について説明したが、これに限られるものではなく、フレキシブル配線板10の片面だけの場合であってもよい。
【0016】
つぎに、フレックスリジット配線板用治具30を構成する治具用基板31と嵌合突部32の材料と、これらの材料毎のフレックスリジット配線板用治具30の作成する具体的方法を図4(a)〜(i)に基づき説明する。
第1例:図4(a)
フレックスリジット配線板用治具30の原材料:ガラス繊維補強のプラスチックなどの絶縁板35に銅箔36を予め積層した銅張り積層板が用いられる。
製作方法:嵌合突部32となる部分以外の銅箔36を公知のエッチング方法にて除去することによって作成する。さらに詳しくは、治具用基板31となるプラスチックなどの絶縁板35に予め積層した銅張り積層板の銅箔36部分のうち、嵌合突部32となる部分を耐腐蝕性樹脂等で覆い、露出した部分を化学的エッチングにより蝕刻して目的の形状の嵌合突部32を得る。34は、エッチングによる除去部分である。
【0017】
第2例:図4(b)
フレックスリジット配線板用治具30の原材料:治具用基板31として銅箔36を用い、この治具用基板31の上に、嵌合突部32として所定の形状に形成された離型フィルム37を貼着する。この離型フィルム37には、フッ素樹脂、ポリオレフィン系樹脂、メチルペンテンコポリマー樹脂などが用いられる。
【0018】
第3例:図4(c)
フレックスリジット配線板用治具30の原材料:治具用基板31として銅箔36を用い、この銅箔36の上に、嵌合突部32として熱硬化性樹脂38を所定の形状に印刷又は塗布する。この熱硬化性樹脂38には、エポキシ樹脂、ソルダーレジストなどが用いられる。
【0019】
第4例:図4(d)
フレックスリジット配線板用治具30の原材料:治具用基板31として銅箔36を用い、この銅箔36の上に、嵌合突部32としてゴム類39を所定の形状に形成する。このゴム類39には、フッ素ゴム、シリコンゴムなどが用いられる。
製作方法:前記第2例又は第3例のどちらかの方法による。
【0020】
第5例:図4(e)
フレックスリジット配線板用治具30の原材料:治具用基板31としてプラスチックなどの絶縁板35に銅箔36を積層した銅張り積層板が用いられ、その上に、嵌合突部32として、第2例の離型フィルム37、第3例の熱硬化性樹脂38、第4例のゴム類39のいずれかが用いられて形成される。
製作方法:嵌合突部32として離型フィルム37のときは、第2例の方法、熱硬化性樹脂38のときは、第3例の方法、ゴム類39のときは、第4例の方法による。
【0021】
第6例:図4(f)
フレックスリジット配線板用治具30の原材料:治具用基板31として高耐熱性を有するプラスチックなどの絶縁板35が用いられる。この絶縁板35は、透明であることがより望ましい。嵌合突部32として、第2例の離型フィルム37、第3例の熱硬化性樹脂38、第4例のゴム類39のいずれかが用いられて形成される。
製作方法:嵌合突部32として離型フィルム37のときは、第2例の方法、熱硬化性樹脂38のときは、第3例の方法、ゴム類39のときは、第4例の方法による。
【0022】
第7例:図4(g)
フレックスリジット配線板用治具30の原材料:治具用基板31及び嵌合突部32として共に離型フィルム37を用い、この治具用基板31としての離型フィルム37の上に、嵌合突部32として所定の形状に形成された離型フィルム37を貼着する。この離型フィルム37には、フッ素樹脂、ポリオレフィン系樹脂、メチルペンテンコポリマー樹脂などが用いられる。
製作方法:第2例と同様の方法による。
【0023】
第8例:図4(h)
フレックスリジット配線板用治具30の原材料:治具用基板31及び嵌合突部32として0.2mm程度の薄いアルミ板40を用いる。
製作方法:嵌合突部32となる部分は、アルミ板40をプレスなどで打ち出し成型した打ち出し部41とする。
【0024】
第9例:図4(i)
フレックスリジット配線板用治具30の原材料:治具用基板31として0.2mm程度の薄いアルミ板40を用い、嵌合突部32として、第2例の離型フィルム37、第3例の熱硬化性樹脂38、第4例のゴム類39のいずれかが用いられて形成される。
製作方法:嵌合突部32として離型フィルム37のときは、第2例の方法、熱硬化性樹脂38のときは、第3例の方法、ゴム類39のときは、第4例の方法による。
【0025】
前述した図1に示す実施例では、上下の鏡面板14によるプレスと加熱時に、一時的に柔らかになったプリプレグ11の樹脂が空隙部15側へ流動しようとするが、空隙部15内には、フレックスリジット配線板用治具30の嵌合突部32にて離型フィルム13が押し込まれ、プリプレグ11の内周面部側には、ほとんど隙間がなくなるため、流動しようとする樹脂の流れを堰き止めてほとんどしみ出し部16は生じることはない。
【0026】
しかし、もし、それでも角隅部分に極めて微小なしみ出し部16が生じる恐れがあるような場合には、図5に示すように、内周縁部のみに硬化部19を有するプリプレグ11部を用いることができる。即ち、プリプレグ11に空隙部15を切り欠き形成し、その内周縁部のみを加熱硬化して硬化部19とし、これをフレキシブル配線板10に載せ、さらに、プリプレグ11の上にリジット部18となる銅箔12を載せ、その上に離型フィルム13と、前記フレックスリジット配線板用治具30を被せて鏡面板14でプレス加熱硬化することでより完全にしみ出し部16の発生を防ぐことができる。
【0027】
さらに詳しくは、図5(a)において、下部の鏡面板14の上に、本発明のフレックスリジット配線板用治具30、離型フィルム13,銅箔12,硬化部19の処理済のプリプレグ11,フレキシブル配線板10,硬化部19の処理済のプリプレグ11,銅箔12,離型フィルム13、本発明のフレックスリジット配線板用治具30を順次重ねて、上部の鏡面板14を載せる。このとき、プリプレグ11の硬化部19は、フレックス部17となる空隙部15に面している。
【0028】
図5(b)において、上下の鏡面板14を被せて、プレスしつつ加熱すると、プリプレグ11の内部で樹脂と硬化剤とが反応して樹脂部分が一時的に柔らかになった後、硬化して、フレキシブル配線板10と銅箔12とを接続する接着剤として作用すると共に、絶縁層となる。この上下の鏡面板14によるプレスと加熱時に、一時的に柔らかになったプリプレグ11の樹脂が空隙部15側へ流動しようとするが、プリプレグ11の内周面部側に硬化部19があるとともに、空隙部15内にフレックスリジット配線板用治具30の嵌合突部32にて離型フィルム13が押し込まれ、ほとんど隙間がなくなるため、流動しようとする樹脂の流れを完全に堰き止めてしみ出し部16は生じることはない。
【0029】
図1(c)において、プリプレグ11の硬化後に、鏡面板14、フレックスリジット配線板用治具30、離型フィルム13を除くと、フレックス部17とリジット部18との境界部分には、プリプレグ11の樹脂が全く流れ出ることなく、しみ出し部のないフレックスリジットプリント配線板となる。
【0030】
プリプレグ11の内周面部側に硬化部19を形成する手段は、例えば、次の方法によることができる。
(1)空隙部15の切り欠き形成されたプリプレグ11を、溶着防止フィルムの上に載せ、プリプレグ11の空隙部15の内周縁の部分の上方約10mmに、加熱手段としての熱風ノズルを臨ませて約1.5mmの幅で熱風を噴射しながら移動して硬化する。
【0031】
(2)空隙部15の切り欠き形成されたプリプレグ11を、溶着防止フィルムの上に載せ、プリプレグ11の空隙部15の内周縁部分に、加熱手段としての予め加熱された熱硬化バーを接触させる。この熱硬化バーは、例えば、厚さ1.5mm、幅5mm程度の直方体をなし、所定時間プリプレグの縁部分に押し当てて硬化させて硬化部19となし、硬化後に熱硬化バーを空隙部15の縁に沿って順次移動させ、空隙部15の全周縁部分を硬化部19とする。
また、直方体の熱硬化バーに替えて、厚さが1.0mm程度で、空隙部15の全周縁部分と同一形状の熱硬化ブロックをプリプレグの縁部分に押し当てて1回の操作で全周縁部分を硬化させて硬化部19となし、空隙部15の全周縁部分を硬化部19とすることもできる。
【0032】
(4)空隙部15の切り欠き形成されたプリプレグ11を、溶着防止フィルムの上に載せ、プリプレグ11の空隙部15を切り欠いた縁の部分の上方に臨ませて、加熱手段としての光照射器を配置する。この光照射器は、例えば、レーザを発射するレーザ発振器や、ハロゲンランプと集光レンズなどを内蔵した光学集光器などからなる。
【0033】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、製造用治具は、治具用基板31に、フレックスリジットプリント配線板におけるフレックス部17となる空隙部15に隙間無く嵌合する形状をもった嵌合突部32を一体に形成したので、フレキシブル配線板10にフレックス部17となる空隙部15を残してリジット部18となるプリプレグ11と銅箔12を積層してフレックスリジットプリント配線板を製造する場合に、この製造用治具を用いることで、加熱硬化時にプリプレグ11の樹脂部分が流動性を生じてもフレックス部17となる空隙部15にしみ出ることがない。また、流動性のあるプリプレグを用いることができ、フレキシブル配線板10や銅箔12との接着が十分行なわれ、歩留まりが向上する。
【0034】
請求項2記載の発明によれば、配線板の製造用治具は、治具用基板31が絶縁板35に銅箔36を積層した銅張り積層板が用いられ、この銅張り積層板の銅箔36における嵌合突部32となる部分が残るようにその他の不要部分をエッチングにより除去して形成するようにしたので、フレキシブル配線板10のフレックス部17となる空隙部15と、治具用基板31に設けた嵌合突部32との形状を正確に一致させることができ、より外観の優れたフレックスリジットプリント配線板を得ることができる。
【0035】
請求項3記載の発明によれば、配線板の製造用治具は、治具用基板31として銅箔36が用いられ、この銅箔36の上に、嵌合突部32となるように型抜きした離型フィルム37を積層したので、空隙部15と同じ位置をくり貫いた治具板の孔に型抜きした離型フィルム37を嵌め込み、その上に治具用基板31としての銅箔36を置き、離型フィルム37を熱圧着させることで形成でき、簡単に、かつ、正確な形状の治具を製造することができる。
【0036】
請求項4記載の発明によれば、治具用基板31は、絶縁板35に銅箔36を積層した銅張り積層板が用いられ、この銅張り積層板の上に、嵌合突部32となる離型フィルム37、熱硬化性樹脂38またはゴム類39を積層したので、この種のプリント配線板に多用されている銅張り積層板をそのまま治具用基板31として利用することができ、安価に治具を製造することができる。
【0037】
請求項5記載の発明によれば、フレキシブル配線板10にフレックス部17となる空隙部15を残してリジット部18となるプリプレグ11と銅箔12を積層したフレックスリジットプリント配線板の製造方法において、前記フレキシブル配線板10の少なくともいずれか一方の面にフレックス部17となる空隙部15を残してプリプレグ11をリジット部18となる銅箔12とともに積層する工程と、前記空隙部15に臨ませて、この空隙部15に隙間無く嵌合する形状の嵌合突部32をもった治具用基板31を積層して加熱硬化せしめる工程とを具備したので、流動性のあるプリプレグを用いることができ、フレキシブル配線板10や銅箔12との接着が十分行なわれ、歩留まりが向上する。また、プリプレグの半硬化状態の管理がし易く、プリプレグ11として使用できる材料の選択幅が広くなり、特に、しみ出しのない外観の優れたフレックスリジットプリント配線板を得ることができる。
【0038】
請求項6記載の発明によれば、プリプレグ11における空隙部15に面した縁部に加熱手段21により予め硬化部19を形成する工程と、前記フレキシブル配線板10の少なくともいずれか一方の面にフレックス部17となる空隙部15を残してプリプレグ11をリジット部18となる銅箔12とともに積層する工程と、前記空隙部15に臨ませて、この空隙部15に隙間無く嵌合する形状の嵌合突部32をもった治具用基板31を積層して加熱硬化せしめる工程とを具備したので、プレスと加熱時に、一時的に柔らかになったプリプレグ11の樹脂が空隙部15側へ流動しようとするが、プリプレグ11の内周面部側に硬化部19があるとともに、空隙部15内にフレックスリジット配線板用治具30の嵌合突部32にて離型フィルム13が押し込まれ、ほとんど隙間がなくなるため、流動しようとする樹脂の流れを完全に堰き止めてしみ出し部16は生じることはない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による治具を用いたフレックスリジットプリント配線板の製造方法の一実施例を示すもので、(a)は、積層直前の断面図、(b)は、積層後にプレス加熱硬化した断面図、(c)は、完成したフレックスリジットプリント配線板の断面図である。
【図2】1枚のフレキシブル配線板10に、フレックス部17とリジット部18とを具備した回路構成の異なる2種類のフレックスリジットプリント配線板を配置した回路の平面図である。
【図3】(a)は、図2に示すフレックスリジットプリント配線板を製造するときに使用されるフレックスリジット配線板用治具30の平面図、(b)は、(a)におけるA−A線断面図である。
【図4】(a)〜(i)は、フレックスリジット配線板用治具30のそれぞれ異なる実施例を示す側面図である。
【図5】本発明によるフレックスリジットプリント配線板の製造方法の他の実施例であって、硬化部19を有するプリプレグ11を用いたもので、(a)は、積層直前の断面図、(b)は、積層後にプレス加熱硬化した断面図、(c)は、完成したフレックスリジットプリント配線板の断面図である。
【図6】従来のフレックスリジットプリント配線板及びその製造方法を示すもので、(a)は、積層直前の断面図、(b)は、積層後にプレス加熱硬化した断面図、(c)は、完成したフレックスリジットプリント配線板の断面図である。
【符号の説明】
10…フレキシブル配線板、11…プリプレグ、12…銅箔、13…離型フィルム、14…鏡面板、15…空隙部、16…しみ出し部、17…フレックス部、18…リジット部、19…硬化部、30…フレックスリジット配線板用治具、31…治具用基板、32…嵌合突部、33…位置合わせ孔、34…エッチングによる除去部分、35…プラスチックなどの絶縁板、36…銅箔、37…離型フィルム、38…熱硬化性樹脂、39…ゴム類、40…アルミ板、41…打ち出し部。
Claims (6)
- 治具用基板31に、フレックスリジットプリント配線板におけるフレックス部17となる空隙部15に隙間無く嵌合する形状をもった嵌合突部32を一体に形成したことを特徴とするフレックスリジットプリント配線板の製造用治具。
- 治具用基板31に、フレックスリジットプリント配線板におけるフレックス部17となる空隙部15に隙間無く嵌合する形状をもった嵌合突部32を一体に形成し、前記治具用基板31は、絶縁板35に銅箔36を積層した銅張り積層板が用いられ、この銅張り積層板の銅箔36における嵌合突部32となる部分が残るようにその他の不要部分をエッチングにより除去したことを特徴とするフレックスリジットプリント配線板の製造用治具。
- 治具用基板31に、フレックスリジットプリント配線板におけるフレックス部17となる空隙部15に隙間無く嵌合する形状をもった嵌合突部32を一体に形成し、前記治具用基板31は、銅箔36が用いられ、この銅箔36の上に、嵌合突部32となるように型抜きした離型フィルム37を積層したことを特徴とするフレックスリジットプリント配線板の製造用治具。
- 治具用基板31に、フレックスリジットプリント配線板におけるフレックス部17となる空隙部15に隙間無く嵌合する形状をもった嵌合突部32を一体に形成し、前記治具用基板31は、絶縁板35に銅箔36を積層した銅張り積層板が用いられ、この銅張り積層板の上に、嵌合突部32となる離型フィルム37、熱硬化性樹脂38またはゴム類39を積層したことを特徴とするフレックスリジットプリント配線板の製造用治具。
- フレキシブル配線板10にフレックス部17となる空隙部15を残してリジット部18となるプリプレグ11と銅箔12を積層したフレックスリジットプリント配線板の製造方法において、前記フレキシブル配線板10の少なくともいずれか一方の面にフレックス部17となる空隙部15を残してプリプレグ11をリジット部18となる銅箔12とともに積層する工程と、前記空隙部15に臨ませて、この空隙部15に隙間無く嵌合する形状の嵌合突部32をもった治具用基板31を積層して加熱硬化せしめる工程とを具備したことを特徴とするフレックスリジットプリント配線板の製造方法。
- フレキシブル配線板10にフレックス部17となる空隙部15を残してリジット部18となるプリプレグ11と銅箔12を積層したフレックスリジットプリント配線板の製造方法において、前記プリプレグ11における空隙部15に面した縁部に加熱手段21により予め硬化部19を形成する工程と、前記フレキシブル配線板10の少なくともいずれか一方の面にフレックス部17となる空隙部15を残してプリプレグ11をリジット部18となる銅箔12とともに積層する工程と、前記空隙部15に臨ませて、この空隙部15に隙間無く嵌合する形状の嵌合突部32をもった治具用基板31を積層して加熱硬化せしめる工程とを具備したことを特徴とするフレックスリジットプリント配線板の製造方法。
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2003
- 2003-02-20 JP JP2003042473A patent/JP2004253617A/ja active Pending
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