JP2004253514A - 配線基板の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】絶縁シートへ配線導体を転写する際に配線導体の表面に転写用シートの接着剤が残ることがなく、配線導体と貫通導体との接続信頼性に優れた配線基板を提供する。
【解決手段】転写用シート基材2に配線導体4を被着させる接着剤3として、配線導体4が埋入される絶縁シート1の熱硬化性樹脂組成物の流動開始温度より高いガラス転移温度を有する接着剤3を用い、配線導体4と貫通孔6内に充填した導体ペースト7とが接合するように絶縁シート1の表面に転写用シート5を積層して、それらを絶縁シート1の熱硬化性樹脂組成物の流動開始温度以上でかつ接着剤3のガラス転移温度未満の温度範囲で加熱しながら加圧して配線導体4を絶縁シート1に埋入するように転写した後、配線導体4が埋入された絶縁シート1から転写用シート基材2および接着剤3を剥離する。
【選択図】 図1
【解決手段】転写用シート基材2に配線導体4を被着させる接着剤3として、配線導体4が埋入される絶縁シート1の熱硬化性樹脂組成物の流動開始温度より高いガラス転移温度を有する接着剤3を用い、配線導体4と貫通孔6内に充填した導体ペースト7とが接合するように絶縁シート1の表面に転写用シート5を積層して、それらを絶縁シート1の熱硬化性樹脂組成物の流動開始温度以上でかつ接着剤3のガラス転移温度未満の温度範囲で加熱しながら加圧して配線導体4を絶縁シート1に埋入するように転写した後、配線導体4が埋入された絶縁シート1から転写用シート基材2および接着剤3を剥離する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、表面に半導体素子や抵抗器等の電子部品を搭載するための配線基板の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、プリント基板は、ガラス繊維基材にエポキシ樹脂を含浸させるとともに硬化させて成る絶縁層の上下面に銅箔を被着した後、銅箔をエッチングして微細な配線導体を形成し、しかる後、このようにして配線導体を形成した複数の絶縁層を耐熱性繊維に未硬化の熱硬化性樹脂を含浸させて成るプリプレグを介して積層するとともにプリプレグを硬化させて積層板を形成し、さらに、積層板の上面から下面にかけて所望位置にマイクロドリルにより貫通孔を形成し、その貫通孔の内面に銅めっき膜を付着させて貫通導体を形成し、この貫通導体により絶縁層を挟んで上下に位置する各配線導体間を電気的に接続することにより製作されている。
【0003】
しかしながら、上記のプリント基板は、絶縁層の積層数が増加するとともに貫通導体の数も増加し、配線導体の形成に必要なスペースが確保できなくなり、その結果、電子部品の軽薄短小化に伴う配線基板の多層化、配線導体の微細化の要求に答えられないという問題点を有していた。
【0004】
このような問題点を解決するために、耐熱性繊維基材にアリル変性ポリフェニレンエーテル樹脂等の未硬化の熱硬化性樹脂組成物を含浸させて成る絶縁シートとを用意する工程と、この絶縁シートを貫通する貫通孔を穿孔する工程と、この貫通孔内に導電性粉末と架橋材とを含有する熱硬化性の導体ペーストを充填する工程と、耐熱性樹脂から成る転写用シート基材にアクリル樹脂から成る接着剤を介して表面が粗化された配線導体を被着した転写用シートを用意する工程と、配線導体と貫通孔内に充填した導体ペーストとを接合するように絶縁シートの表面に転写用シートを積層して、これらを加熱加圧することにより配線導体を絶縁シートに埋入するように転写した後、配線導体が転写された絶縁シートから転写用シート基材および接着剤を剥離する工程と、配線導体が転写された絶縁シートの複数枚を上下の配線導体を貫通孔内に充填した導体ペーストで接合するように積層し加熱加圧して熱硬化性樹脂組成物および導体ペーストを熱硬化する工程とを行なうことにより、絶縁シートの熱硬化性樹脂組成物が硬化して成る絶縁層の上下面に配線導体が配設されているとともに導体ペーストが硬化して成る貫通導体により絶縁層を挟んで上下に位置する配線導体同士が電気的に接続されて成る配線基板を製造する方法が提案されている。
【0005】
この製造方法によれば、従来のように絶縁層を積層した積層板の上面から下面にかけて貫通孔を設けるとともにその内面に銅めっき膜を被着させて形成した貫通導体により上下の配線導体間を接合する方法に比較して、貫通導体の径を小さくできるとともに貫通導体の形成位置を各絶縁層毎に自由に設計できることから、高密度の配線導体の形成が可能であり、また、各絶縁シートに配線導体を転写・積層して一括して硬化させることが可能となるために、工程数が少ない等の利点を有する。
【0006】
なお、この製造方法では、配線導体の表面を化学的にエッチングして粗化することにより配線導体と絶縁シートとの密着力を向上させている。また、転写用シートにおけるアクリル樹脂から成る接着剤は、接着剤として必要な室温付近の弾性を発現させるためにそのガラス転移温度を60〜80℃程度としている。さらに、配線導体が埋入される絶縁シートは、これに配線導体を良好に埋入させるためにその熱硬化性樹脂組成物の流動開始温度を80〜100℃としており、この流動開始温度よりわずかに高い温度に加熱しながら加圧することにより配線導体の埋入を行なっていた。
【0007】
【特許文献1】
特開2002−198658号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の配線基板の製造方法では、転写用シートのアクリル樹脂から成る接着剤のガラス転移温度が絶縁シートの熱硬化性樹脂組成物の流動開始温度よりも低く、そのため絶縁シートに配線導体を埋入させる際に絶縁シートの熱硬化性樹脂組成物の流動開始温度以上の温度に加熱されると、アクリル樹脂から成る接着剤が軟化して配線導体の粗化された表面の凹凸の内部に入り込み、それが配線導体を埋入した絶縁シートから転写用シート基材および接着剤を剥離する際に配線導体表面に残り、この残った接着剤が配線導体と貫通導体との良好な電気的接続を阻害してしまうという問題点を有していた。
【0009】
本発明は、かかる従来技術の問題点に鑑み完成されたものであり、その目的は、絶縁シートへ配線導体を転写する際に配線導体の表面に転写用シートの接着剤が残ることがなく、配線導体と貫通導体との接続信頼性に優れた配線基板の製造方法を提供するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の配線基板の製造方法は、耐熱性繊維に未硬化の熱硬化性樹脂組成物を含浸させて成る絶縁シートを用意する工程と、この絶縁シートに貫通孔を穿孔する工程と、この貫通孔内に熱硬化性の導体ペーストを充填する工程と、耐熱性樹脂から成る転写用シート基材に未硬化の前記熱硬化性樹脂組成物の流動開始温度より高いガラス転移温度を有する樹脂から成る接着剤を介して金属箔から成る配線導体を被着した転写用シートを用意する工程と、前記配線導体と前記貫通孔内に充填した前記導体ペーストとを接合するように前記絶縁シートの表面に前記転写用シートを積層して、それらを前記流動開始温度以上でかつ前記ガラス転移温度未満の温度に加熱しながら加圧して前記配線導体を前記絶縁シートに埋入するように転写した後、前記配線導体が転写された前記絶縁シートから前記転写用シート基材および前記接着剤を剥離する工程と、前記配線導体が転写された前記絶縁シートの複数枚を上下の前記配線導体を前記貫通孔内に充填した前記導体ペーストで接合するように積層し加熱加圧して前記熱硬化性樹脂組成物および前記導体ペーストを熱硬化する工程とを具備することを特徴とするものである。
【0011】
本発明の配線基板の製造方法によれば、転写用シート基材に配線導体を被着させる接着剤として、配線導体が埋入される絶縁シートに含有される未硬化の熱硬化性樹脂組成物の流動開始温度より高いガラス転移温度を有する樹脂から成る接着剤を用い、配線導体と貫通孔内に充填した導体ペーストとが接合されるように絶縁シートの表面に転写用シートを積層して、それらを絶縁シートの熱硬化性樹脂組成物の流動開始温度以上でかつ転写用シートの接着剤のガラス転移温度未満の温度に加熱しながら加圧して転写用シートの配線導体を絶縁シートに埋入するように転写した後、その絶縁シートから転写用シート基材および接着剤を剥離して配線導体を絶縁シートに転写することから、配線導体を絶縁シートに埋入する際に絶縁シートの熱硬化性樹脂組成物がその流動開始温度以上に加熱されるため必要かつ十分に流動し、それにより配線導体を絶縁シートに良好に埋入することができる。また、配線導体の埋入は転写用シートの接着剤のガラス転移温度未満の温度で行なわれるため接着剤が軟化して配線導体表面の凹凸内に入り込むことはなく、従って、配線導体が埋入された絶縁シートから転写用シート基材および接着剤を剥離する際に接着剤が配線導体表面に残ることはなく、その結果、配線導体と貫通導体との電気的接続信頼性に優れた配線基板を提供することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の配線基板の製造方法を、図1に基づいて詳細に説明する。
【0013】
図1(a)〜(f)は、本発明の配線基板の製造方法を説明するための各工程毎の断面図であり、これらの図において、1は絶縁シート、2は転写用シート基材、3は接着剤、4は配線導体、5は転写用シート、6は貫通孔、7は導体ペーストである。
【0014】
まず、図1(a)に示すように、耐熱性繊維に未硬化の熱硬化性樹脂組成物を含浸させて成る絶縁シート1を用意する。
【0015】
絶縁シート1は、配線基板における絶縁層となるものであり、その厚みは50〜200μmが好ましく、厚みが50μm未満であると絶縁性が低下する傾向があり、200μmを超えると配線基板を軽量化できなくなる傾向がある。従って、絶縁シート1の厚みは50〜200μmが好ましい。
【0016】
このような絶縁シート1は、ガラスクロスやアラミド繊維等の耐熱性繊維基材にエポキシ樹脂や変性ポリフェニレン樹脂等と架橋材から成る未硬化の熱硬化性樹脂組成物を含浸させて半硬化させたものから成り、後述するように、この絶縁シート1に転写用シート5を、配線導体4と絶縁シート1に形成した貫通孔6内に充填した導体ペースト7とが接合されるようにして積層し、それらを絶縁シート1の熱硬化性樹脂組成物の流動開始温度以上の温度で加熱しながら加圧することにより絶縁シート1の表面に配線導体4を埋入した後、転写用シート5の転写用シート基材2および接着剤3を絶縁シート1から剥離することにより配線導体4を絶縁シート1に転写することができる。
【0017】
なお、熱硬化性樹脂組成物の流動開始温度は、主として樹脂の分子量に依存し、80〜100℃の温度範囲が好ましい。熱硬化性樹脂組成物の流動開始温度が80℃未満であると樹脂の分子量が低くなって溶融粘度も低くなり、絶縁シート1に配線導体4を埋入する際や後述するように配線導体4が転写された絶縁シート1を複数枚積層してそれらを加熱加圧して絶縁シート1の熱硬化性樹脂組成物を熱硬化させる際に、熱硬化性樹脂組成物が過剰に流動して配線導体4の位置がずれてしまい、配線導体4と導体ペースト7とが良好に接続されなくなってしまう傾向にあり、100℃を超えると樹脂の分子量が高くなって溶融粘度も高くなり、絶縁シート1に配線導体4を埋入させる際にその埋入が困難となる傾向にある。従って、熱硬化性樹脂組成物の流動開始温度は、80〜100℃の温度範囲が好ましい。
【0018】
なお、本発明でいう流動開始温度とは、絶縁シート1を25×25mmの四角形状に切取り、それを離型フィルムで挟み、所定温度で10MPaの圧力を印加しながら10分間プレスした時に、切り取った絶縁シート1の上下面の面積の増大が1%を超える時点の温度とした。
【0019】
次に、図1(b)に断面図で示すように、絶縁シート1にレーザ光の照射により貫通孔6を穿孔する。このような貫通孔6は、絶縁シート1に従来周知の炭酸ガスレーザやYAGレーザ等を用いることにより形成される。貫通孔6の径は30〜200μmであることが好ましく、径が30μmより小さいと、後述するように貫通孔6内に導体ペースト7を充填する際に、導体ペースト7を良好に充填することが困難となる傾向があり、200μmより大きいと高密度配線が困難となる傾向にある。従って、貫通孔6の径は30〜200μmであることが好ましい。
【0020】
次に、図1(c)に断面図で示すように、貫通孔6内に導電性粉末と架橋剤とから成る導体ペースト7を充填する。このような導体ペースト7としては、銅や銀等の導電性粉末にイソシアヌレートやエポキシ化合物等の液状の架橋剤とを混練したものが好ましく、導体ペースト7を熱硬化させて成る貫通導体を低抵抗化するという観点からは、金属粉末に少なくとも錫を含む低融点金属を含有させても良い。
【0021】
なお、貫通孔6内への導体ペースト7の充填は、貫通孔6に対応する孔を有するメタルマスクを用いたスクリーン印刷法で行なわれる。または、絶縁シート1の上下面に保護フィルムを被着し、保護フィルムと絶縁シート1とを同時に穿孔して貫通孔6を形成した後に、保護フィルムの上から導体ペースト7を充填しても良い。この場合、導体ペースト7は、その上下の端面が保護フィルムの表面より1〜5μm程度盛り上がるようにして充填されるので、導体ペースト7の保護フィルム表面より盛り上がった部分を、例えば掻き取ることにより除去し、導体ペースト7の上下の端面の高さを揃えることが好ましい。この導体ペースト7の盛り上がった部分を掻き取る方法は、ゴム製のスキージの下面に無塵紙を取り付け、それで保護フィルムの表面を数回擦り、保護フィルム上の導体ペースト7を除去する等の方法を用いればよい。
【0022】
次に、図1(d)に断面図で示すように、耐熱性樹脂から成る転写用シート基材2に樹脂から成る接着剤3を介して金属箔から成る配線導体4を被着した転写用シート5を用意する。
【0023】
転写用シート5は、耐熱樹脂から成るフィルム状の転写用シート基材2の表面に、絶縁シート1の熱硬化性樹脂組成物の流動開始温度よりも高いガラス転移温度を有する接着剤3を介して金属箔から成る配線導体4を被着して成る。
【0024】
転写用シート基材2は、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂やポリカーボネート(PC)等の耐熱性樹脂が用いられ、金属箔をエッチングして配線導体4を形成する際の支持体、および配線導体4を絶縁シート1に転写する際の支持体としての機能を有する。そして、その厚みは20〜50μmが好ましく、厚みが20μm未満であるとその剛性が低下し金属箔をエッチングする際に配線導体4が変形し易くなる傾向にあり、50μmを超えるとその柔軟性が低下し絶縁シート1から剥離し難くなる傾向にある。従って、転写用シート基材2の厚みは20〜50μmが好ましい。
【0025】
また、転写用シート基材2に被着された配線導体4は、例えば金・銀・銅・アルミニウムの少なくとも1種を含む低抵抗金属の電解金属箔から成り、その厚みは5〜35μmが好ましく、さらには10〜18μmが好ましい。配線導体4の厚みが5μm未満であると配線導体4の抵抗値が大きなものとなる傾向があり、また、35μmを超えると配線導体4を絶縁シート1に転写する際に絶縁シート1への配線導体4の埋入量が多くなり、絶縁シート1の歪みが大きくなり熱硬化性樹脂組成物の硬化後に基板が変形を起こしやすくなる傾向がある。従って、配線導体4の厚みは5〜35μmが好ましい。
【0026】
さらに、配線導体4を転写用シート基材2に被着している接着剤3は、アクリル酸エステルやメタクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸共重合体等のアクリル樹脂にイソシアヌレート化合物やエポキシ樹脂等の架橋剤およびフタル酸エステルやアジピン酸エステル等の可塑剤等を配合して成り、そのガラス転移温度が絶縁シート1の熱硬化性樹脂組成物の流動開始温度よりも高い120〜150℃となっている。このガラス転移温度は接着剤3中の架橋剤とアクリル樹脂とを架橋させ、その架橋密度の高低で調整することができ、アクリル樹脂と架橋剤との架橋密度を低くすれば接着剤3のガラス転移温度が低くなり、逆に架橋密度を高くすれば接着剤3のガラス転移温度が高くなる。また、接着剤3に可塑剤を配合することにより接着剤3のガラス転移温度が120〜150℃と高いにも拘わらず接着剤3に接着剤として必要な室温付近の弾性を発現させることができる。
【0027】
なお、接着剤3は、そのガラス転移温度が120℃未満であるとその架橋密度が低いため、後述するように転写用シート基材2の表面に接着剤3を介して被着された金属箔をエッチングおよび粗化して配線導体4を形成する時に、エッチング液および粗化液が接着剤3に浸透してその接着力を低下させて配線導体4が剥れやすくなる傾向にあり、150℃を超えるとその架橋密度が高いため柔軟性が失われて配線導体4の転写時に絶縁シート1から剥離し難くなってしまう傾向にある。従って、接着剤3のガラス転移温度は120〜150℃が好ましい。
【0028】
また、接着剤3の厚みが1μm未満であると配線導体4を転写用シート基材2に充分に密着することが難しくなる傾向にあり、5μmを超えると転写用シート基材2の表面に配線導体4を形成する時に、エッチング液および粗化液が接着剤3に浸透して接着剤3の接着力を低下させて配線導体4が剥れてしまいやすくなる傾向にある。従って、接着剤3の厚みは1〜5μmであることが好ましい。なお、接着剤3のガラス転移温度は、示差走査熱量分析(DSC)により測定されたエンタルピー変化の屈曲点から算出される。
【0029】
このような転写用シート5は、例えば、厚みが25μm程度のポリエチレンテレフタレート等の耐熱性樹脂から成る転用シート基材2の一方の主面全面にアクリル樹脂に架橋剤および可塑剤から成る厚みが2μm程度の接着剤3を介して厚みが12μm程度の銅から成る金属箔を剥離可能に接着した後、金属箔上にフィルム状感光性レジストを被着するとともにこのレジストを露光・現像して配線導体4のパターンに対応するパターンのエッチングマスクを形成し、しかる後、これを塩化第二鉄溶液中に浸漬して金属箔の非パターン部をエッチング除去して配線導体4を形成した後、感光性レジストを剥離除去し、最後に配線導体4の表面を蟻酸や銅イオン、pH調整剤等から成る粗化液に浸漬して粗化することにより製作される。
【0030】
次に、図1(e)に断面図で示すように、配線導体4と貫通孔6内に充填した導体ペースト7とが接合するように絶縁シート1の表面に転写用シート5を積層し、これらを絶縁シート1の熱硬化性樹脂組成物の流動開始温度以上でかつ転写用シート5の接着剤3のガラス転移温度未満の温度に加熱しながら0.5〜5MPa程度の圧力で数分間加圧することにより配線導体4を絶縁シート1に埋入した後、絶縁シート1から転写用シート基材2および接着剤3を剥離することによって配線導体4を絶縁シート1に転写する。
【0031】
本発明の配線基板の製造方法では、転写用シート5の接着剤3のガラス転移温度が絶縁シート1の熱硬化性樹脂組成物の流動開始温度よりも高くなっており、転写シート5の配線導体4を絶縁シート1に埋入する際の温度が絶縁シート1の熱硬化性樹脂組成物の流動開始温度以上でかつ転写用シート5の接着剤3のガラス転移温度未満の温度であることが重要である。そして、このように転写用シート5の接着剤3のガラス転移温度が絶縁シート1の熱硬化性樹脂組成物の流動開始温度よりも高くなっており、絶縁シート1の熱硬化性樹脂組成物の流動開始温度以上でかつ転写用シート5の接着剤3のガラス転移温度未満の温度に加熱しながら転写用シート5の配線導体4を絶縁シート1に埋入することから、配線導体4を絶縁シート1に埋入する際に絶縁シート1の熱硬化性樹脂組成物が必要かつ十分に流動するため配線導体4を絶縁シート1に良好に埋入することができるとともに、その際に印加される熱により接着剤3が軟化することはなく、そのため接着剤3が配線導体4の粗化された表面に入り込むこともない。従って、配線導体4が埋入された絶縁シート1から転写用シート基材2および接着剤3を剥離する際に配線導体4と接着剤3とが良好に剥離する。その結果、配線導体4の表面に接着剤3を残すことなく配線導体4を絶縁シート1に良好に転写することができる。
【0032】
なお、配線導体4を絶縁シート1に埋入させる際の加熱温度が絶縁シート1の熱硬化性樹脂組成物の流動開始温度よりも低いと、絶縁シート1の熱硬化性樹脂組成物が流動せずに配線導体4を絶縁シート1に良好に埋入させることができなくなり、他方、転写用シート5の接着剤3のガラス転移温度よりも高いと、その熱により接着剤3が軟化して配線導体3の粗化された表面の凹凸に入り込み、それが配線導体4を埋入した絶縁シート1から転写用シート基材2および接着剤3を剥離する際に配線導体4に残ってしまう。従って、配線導体4を絶縁シート1に埋入させる際の加熱温度は、絶縁シート1の熱硬化性樹脂組成物の流動開始温度以上でかつ転写用シート5の接着剤3のガラス転移温度未満の温度に特定される。
【0033】
なお、絶縁シート1はロール状の連続体ではなく、1枚ずつカットされて供給されることが望ましい。これは、転写用シート5がロール状の連続体で供給される方が効率的であるため、絶縁シート1を動かして細かな位置の調整を行ない、転写用シート5との位置合わせを行なった方が、位置合わせ機構がコンパクトになるためである。さらに、転写用シート5と絶縁シート1との位置合わせは画像認識装置により、光学的に行なうことが好ましいが、その他、様々な公知の方法も使用しても良い。
【0034】
また、絶縁シート1から転写用シート基材2および接着剤3を剥離する時には、これらを50〜80℃に加温しつつ、絶縁シート1と転写用シート基材2および接着剤3とのなす剥離の角度が60°以上となるようにして剥離することが望ましい。剥離の角度が60°未満の場合、配線導体4表面上に接着剤3が残り易くなる傾向がある。この剥離の角度はできるだけ大きいほうが良く、望ましくは100°〜180°、最適には110°〜170°が用いられる。
【0035】
最後に、図1(f)に断面図で示すように、配線導体4が転写された絶縁シート1の複数枚を、各絶縁シート1に転写された配線導体4同士が導体ペースト7で接合されるようにして積層するとともにそれらを加熱加圧して熱硬化性樹脂組成物および導体ペースト7を熱硬化させることにより、絶縁シート1の熱硬化性樹脂組成物が硬化して成る絶縁層の上下面に配線導体4が配設されているとともに上下に位置する配線導体4同士を貫通孔6内に充填した導体ペースト7が硬化して成る貫通導体により電気的に接続して成る配線基板が完成する。なお、加熱加圧処理にあたっては、絶縁シート1の積層体をフッ素系樹脂などから成る離型性シートで上下から挟みこみ、1〜5MPaの圧力で180〜240℃の温度で加熱加圧処理する方法が採用される。
【0036】
かくして、本発明の配線基板の製造方法によれば、転写用シート基材2に配線導体4を被着させる接着剤3として、配線導体4が埋入される絶縁シート1における熱硬化性樹脂組成物の流動開始温度より高いガラス転移温度を有する接着剤3を用い、配線導体4と導体ペースト7とが接合されるように絶縁シート1の表面に転写用シート5を積層して、それらを絶縁シート1の熱硬化性樹脂組成物の流動開始温度以上でかつ転写用シート5の接着剤3のガラス転移温度未満の温度に加熱しながら加圧して転写用シート5の配線導体4を絶縁シート1に埋入するように転写した後、その絶縁シート1から転写用シート基材2および接着剤3を剥離して配線導体4を絶縁シート1に転写することから、配線導体4を絶縁シート1に埋入する際に絶縁シート1の熱硬化性樹脂組成物が必要かつ十分に流動するため配線導体4を絶縁シート1に良好に埋入することができるとともに転写用シート5の接着剤3が軟化することがないため配線導体4表面の凹凸内に接着剤3入り込むことはなく、従って、配線導体4が埋入された絶縁シート1から転写用シート基材2および接着剤3を剥離する際に接着剤3が配線導体4の表面に残ることはなく、その結果、配線導体4と貫通導体との電気的接続信頼性に優れた配線基板を提供することができる。
【0037】
なお、本発明は上述の実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲であれば、種々の変更が可能であることは言うまでもない。
【0038】
【実施例】
本発明の配線基板の製造方法において、転写状態を評価するために、次に説明する評価用の配線基板を製作した。
【0039】
まず、耐熱性繊維に未硬化の熱硬化性樹脂組成物を含浸させて成る絶縁シートと耐熱性樹脂から成る転写用シート基材に未硬化の前記熱硬化性樹脂組成物の流動開始温度より高いガラス転移温度を有する接着剤を介して金属箔から成る配線導体を被着した転写用シートとを用意した。
【0040】
次に絶縁シートに炭酸ガスレーザで30〜200μmの貫通孔を形成し、銅と低融点金属および架橋材からなる導体ペーストを貫通孔内に充填した後、表1に示す条件で配線導体を絶縁シートに転写し、その後、転写の状態を観察した。その結果を表1に示す。
【0041】
【表1】
【0042】
表1に示したように、転写の温度を絶縁シートの熱硬化性樹脂組成物の流動開始温度より低くした場合(試料No.1,6,11)、絶縁シートの熱硬化性樹脂組成物が流動しないために配線導体を絶縁シートに充分に埋入させることができなかった。また、転写の温度を接着剤のガラス転移温とした場合(試料No.5,10,15)、配線導体表面に接着剤が残ってしまった。それに対して、転写の温度を絶縁シートの熱硬化性樹脂組成物の流動開始温度以上でかつ接着剤のガラス転移温度未満の温度すると(試料No.2〜4,7〜9,12〜14)、転写は良好に行なわれた。
【0043】
【発明の効果】
本発明の配線基板の製造方法によれば、転写用シート基材に配線導体を被着させる接着剤として、配線導体が埋入される絶縁シートに含有される未硬化の熱硬化性樹脂組成物の流動開始温度より高いガラス転移温度を有する樹脂から成る接着剤を用い、配線導体と貫通孔内に充填した導体ペーストとが接合されるように絶縁シートの表面に転写用シートを積層して、それらを絶縁シートの熱硬化性樹脂組成物の流動開始温度以上でかつ転写用シートの接着剤のガラス転移温度未満の温度に加熱しながら加圧して転写用シートの配線導体を絶縁シートに埋入するように転写した後、その絶縁シートから転写用シート基材および接着剤を剥離して配線導体を絶縁シートに転写することから、配線導体を絶縁シートに埋入する際に絶縁シートの熱硬化性樹脂組成物がその流動開始温度以上に加熱されるため必要かつ十分に流動し、それにより配線導体を絶縁シートに良好に埋入することができる。また、配線導体の埋入は転写用シートの接着剤のガラス転移温度未満の温度で行なわれるため接着剤が軟化して配線導体表面の凹凸内に入り込むことはなく、従って、配線導体が埋入された絶縁シートから転写用シート基材および接着剤を剥離する際に接着剤が配線導体表面に残ることはなく、その結果、配線導体と貫通導体との電気的接続信頼性に優れた配線基板を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)〜(f)は、本発明の配線基板の製造方法を説明するための工程毎の断面図である。
【符号の説明】
1・・・・・・絶縁シート
2・・・・・・転写用シート基材
3・・・・・・接着剤
4・・・・・・配線導体
5・・・・・・転写用シート
6・・・・・・貫通孔
7・・・・・・導体ペースト
【発明の属する技術分野】
本発明は、表面に半導体素子や抵抗器等の電子部品を搭載するための配線基板の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、プリント基板は、ガラス繊維基材にエポキシ樹脂を含浸させるとともに硬化させて成る絶縁層の上下面に銅箔を被着した後、銅箔をエッチングして微細な配線導体を形成し、しかる後、このようにして配線導体を形成した複数の絶縁層を耐熱性繊維に未硬化の熱硬化性樹脂を含浸させて成るプリプレグを介して積層するとともにプリプレグを硬化させて積層板を形成し、さらに、積層板の上面から下面にかけて所望位置にマイクロドリルにより貫通孔を形成し、その貫通孔の内面に銅めっき膜を付着させて貫通導体を形成し、この貫通導体により絶縁層を挟んで上下に位置する各配線導体間を電気的に接続することにより製作されている。
【0003】
しかしながら、上記のプリント基板は、絶縁層の積層数が増加するとともに貫通導体の数も増加し、配線導体の形成に必要なスペースが確保できなくなり、その結果、電子部品の軽薄短小化に伴う配線基板の多層化、配線導体の微細化の要求に答えられないという問題点を有していた。
【0004】
このような問題点を解決するために、耐熱性繊維基材にアリル変性ポリフェニレンエーテル樹脂等の未硬化の熱硬化性樹脂組成物を含浸させて成る絶縁シートとを用意する工程と、この絶縁シートを貫通する貫通孔を穿孔する工程と、この貫通孔内に導電性粉末と架橋材とを含有する熱硬化性の導体ペーストを充填する工程と、耐熱性樹脂から成る転写用シート基材にアクリル樹脂から成る接着剤を介して表面が粗化された配線導体を被着した転写用シートを用意する工程と、配線導体と貫通孔内に充填した導体ペーストとを接合するように絶縁シートの表面に転写用シートを積層して、これらを加熱加圧することにより配線導体を絶縁シートに埋入するように転写した後、配線導体が転写された絶縁シートから転写用シート基材および接着剤を剥離する工程と、配線導体が転写された絶縁シートの複数枚を上下の配線導体を貫通孔内に充填した導体ペーストで接合するように積層し加熱加圧して熱硬化性樹脂組成物および導体ペーストを熱硬化する工程とを行なうことにより、絶縁シートの熱硬化性樹脂組成物が硬化して成る絶縁層の上下面に配線導体が配設されているとともに導体ペーストが硬化して成る貫通導体により絶縁層を挟んで上下に位置する配線導体同士が電気的に接続されて成る配線基板を製造する方法が提案されている。
【0005】
この製造方法によれば、従来のように絶縁層を積層した積層板の上面から下面にかけて貫通孔を設けるとともにその内面に銅めっき膜を被着させて形成した貫通導体により上下の配線導体間を接合する方法に比較して、貫通導体の径を小さくできるとともに貫通導体の形成位置を各絶縁層毎に自由に設計できることから、高密度の配線導体の形成が可能であり、また、各絶縁シートに配線導体を転写・積層して一括して硬化させることが可能となるために、工程数が少ない等の利点を有する。
【0006】
なお、この製造方法では、配線導体の表面を化学的にエッチングして粗化することにより配線導体と絶縁シートとの密着力を向上させている。また、転写用シートにおけるアクリル樹脂から成る接着剤は、接着剤として必要な室温付近の弾性を発現させるためにそのガラス転移温度を60〜80℃程度としている。さらに、配線導体が埋入される絶縁シートは、これに配線導体を良好に埋入させるためにその熱硬化性樹脂組成物の流動開始温度を80〜100℃としており、この流動開始温度よりわずかに高い温度に加熱しながら加圧することにより配線導体の埋入を行なっていた。
【0007】
【特許文献1】
特開2002−198658号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の配線基板の製造方法では、転写用シートのアクリル樹脂から成る接着剤のガラス転移温度が絶縁シートの熱硬化性樹脂組成物の流動開始温度よりも低く、そのため絶縁シートに配線導体を埋入させる際に絶縁シートの熱硬化性樹脂組成物の流動開始温度以上の温度に加熱されると、アクリル樹脂から成る接着剤が軟化して配線導体の粗化された表面の凹凸の内部に入り込み、それが配線導体を埋入した絶縁シートから転写用シート基材および接着剤を剥離する際に配線導体表面に残り、この残った接着剤が配線導体と貫通導体との良好な電気的接続を阻害してしまうという問題点を有していた。
【0009】
本発明は、かかる従来技術の問題点に鑑み完成されたものであり、その目的は、絶縁シートへ配線導体を転写する際に配線導体の表面に転写用シートの接着剤が残ることがなく、配線導体と貫通導体との接続信頼性に優れた配線基板の製造方法を提供するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の配線基板の製造方法は、耐熱性繊維に未硬化の熱硬化性樹脂組成物を含浸させて成る絶縁シートを用意する工程と、この絶縁シートに貫通孔を穿孔する工程と、この貫通孔内に熱硬化性の導体ペーストを充填する工程と、耐熱性樹脂から成る転写用シート基材に未硬化の前記熱硬化性樹脂組成物の流動開始温度より高いガラス転移温度を有する樹脂から成る接着剤を介して金属箔から成る配線導体を被着した転写用シートを用意する工程と、前記配線導体と前記貫通孔内に充填した前記導体ペーストとを接合するように前記絶縁シートの表面に前記転写用シートを積層して、それらを前記流動開始温度以上でかつ前記ガラス転移温度未満の温度に加熱しながら加圧して前記配線導体を前記絶縁シートに埋入するように転写した後、前記配線導体が転写された前記絶縁シートから前記転写用シート基材および前記接着剤を剥離する工程と、前記配線導体が転写された前記絶縁シートの複数枚を上下の前記配線導体を前記貫通孔内に充填した前記導体ペーストで接合するように積層し加熱加圧して前記熱硬化性樹脂組成物および前記導体ペーストを熱硬化する工程とを具備することを特徴とするものである。
【0011】
本発明の配線基板の製造方法によれば、転写用シート基材に配線導体を被着させる接着剤として、配線導体が埋入される絶縁シートに含有される未硬化の熱硬化性樹脂組成物の流動開始温度より高いガラス転移温度を有する樹脂から成る接着剤を用い、配線導体と貫通孔内に充填した導体ペーストとが接合されるように絶縁シートの表面に転写用シートを積層して、それらを絶縁シートの熱硬化性樹脂組成物の流動開始温度以上でかつ転写用シートの接着剤のガラス転移温度未満の温度に加熱しながら加圧して転写用シートの配線導体を絶縁シートに埋入するように転写した後、その絶縁シートから転写用シート基材および接着剤を剥離して配線導体を絶縁シートに転写することから、配線導体を絶縁シートに埋入する際に絶縁シートの熱硬化性樹脂組成物がその流動開始温度以上に加熱されるため必要かつ十分に流動し、それにより配線導体を絶縁シートに良好に埋入することができる。また、配線導体の埋入は転写用シートの接着剤のガラス転移温度未満の温度で行なわれるため接着剤が軟化して配線導体表面の凹凸内に入り込むことはなく、従って、配線導体が埋入された絶縁シートから転写用シート基材および接着剤を剥離する際に接着剤が配線導体表面に残ることはなく、その結果、配線導体と貫通導体との電気的接続信頼性に優れた配線基板を提供することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の配線基板の製造方法を、図1に基づいて詳細に説明する。
【0013】
図1(a)〜(f)は、本発明の配線基板の製造方法を説明するための各工程毎の断面図であり、これらの図において、1は絶縁シート、2は転写用シート基材、3は接着剤、4は配線導体、5は転写用シート、6は貫通孔、7は導体ペーストである。
【0014】
まず、図1(a)に示すように、耐熱性繊維に未硬化の熱硬化性樹脂組成物を含浸させて成る絶縁シート1を用意する。
【0015】
絶縁シート1は、配線基板における絶縁層となるものであり、その厚みは50〜200μmが好ましく、厚みが50μm未満であると絶縁性が低下する傾向があり、200μmを超えると配線基板を軽量化できなくなる傾向がある。従って、絶縁シート1の厚みは50〜200μmが好ましい。
【0016】
このような絶縁シート1は、ガラスクロスやアラミド繊維等の耐熱性繊維基材にエポキシ樹脂や変性ポリフェニレン樹脂等と架橋材から成る未硬化の熱硬化性樹脂組成物を含浸させて半硬化させたものから成り、後述するように、この絶縁シート1に転写用シート5を、配線導体4と絶縁シート1に形成した貫通孔6内に充填した導体ペースト7とが接合されるようにして積層し、それらを絶縁シート1の熱硬化性樹脂組成物の流動開始温度以上の温度で加熱しながら加圧することにより絶縁シート1の表面に配線導体4を埋入した後、転写用シート5の転写用シート基材2および接着剤3を絶縁シート1から剥離することにより配線導体4を絶縁シート1に転写することができる。
【0017】
なお、熱硬化性樹脂組成物の流動開始温度は、主として樹脂の分子量に依存し、80〜100℃の温度範囲が好ましい。熱硬化性樹脂組成物の流動開始温度が80℃未満であると樹脂の分子量が低くなって溶融粘度も低くなり、絶縁シート1に配線導体4を埋入する際や後述するように配線導体4が転写された絶縁シート1を複数枚積層してそれらを加熱加圧して絶縁シート1の熱硬化性樹脂組成物を熱硬化させる際に、熱硬化性樹脂組成物が過剰に流動して配線導体4の位置がずれてしまい、配線導体4と導体ペースト7とが良好に接続されなくなってしまう傾向にあり、100℃を超えると樹脂の分子量が高くなって溶融粘度も高くなり、絶縁シート1に配線導体4を埋入させる際にその埋入が困難となる傾向にある。従って、熱硬化性樹脂組成物の流動開始温度は、80〜100℃の温度範囲が好ましい。
【0018】
なお、本発明でいう流動開始温度とは、絶縁シート1を25×25mmの四角形状に切取り、それを離型フィルムで挟み、所定温度で10MPaの圧力を印加しながら10分間プレスした時に、切り取った絶縁シート1の上下面の面積の増大が1%を超える時点の温度とした。
【0019】
次に、図1(b)に断面図で示すように、絶縁シート1にレーザ光の照射により貫通孔6を穿孔する。このような貫通孔6は、絶縁シート1に従来周知の炭酸ガスレーザやYAGレーザ等を用いることにより形成される。貫通孔6の径は30〜200μmであることが好ましく、径が30μmより小さいと、後述するように貫通孔6内に導体ペースト7を充填する際に、導体ペースト7を良好に充填することが困難となる傾向があり、200μmより大きいと高密度配線が困難となる傾向にある。従って、貫通孔6の径は30〜200μmであることが好ましい。
【0020】
次に、図1(c)に断面図で示すように、貫通孔6内に導電性粉末と架橋剤とから成る導体ペースト7を充填する。このような導体ペースト7としては、銅や銀等の導電性粉末にイソシアヌレートやエポキシ化合物等の液状の架橋剤とを混練したものが好ましく、導体ペースト7を熱硬化させて成る貫通導体を低抵抗化するという観点からは、金属粉末に少なくとも錫を含む低融点金属を含有させても良い。
【0021】
なお、貫通孔6内への導体ペースト7の充填は、貫通孔6に対応する孔を有するメタルマスクを用いたスクリーン印刷法で行なわれる。または、絶縁シート1の上下面に保護フィルムを被着し、保護フィルムと絶縁シート1とを同時に穿孔して貫通孔6を形成した後に、保護フィルムの上から導体ペースト7を充填しても良い。この場合、導体ペースト7は、その上下の端面が保護フィルムの表面より1〜5μm程度盛り上がるようにして充填されるので、導体ペースト7の保護フィルム表面より盛り上がった部分を、例えば掻き取ることにより除去し、導体ペースト7の上下の端面の高さを揃えることが好ましい。この導体ペースト7の盛り上がった部分を掻き取る方法は、ゴム製のスキージの下面に無塵紙を取り付け、それで保護フィルムの表面を数回擦り、保護フィルム上の導体ペースト7を除去する等の方法を用いればよい。
【0022】
次に、図1(d)に断面図で示すように、耐熱性樹脂から成る転写用シート基材2に樹脂から成る接着剤3を介して金属箔から成る配線導体4を被着した転写用シート5を用意する。
【0023】
転写用シート5は、耐熱樹脂から成るフィルム状の転写用シート基材2の表面に、絶縁シート1の熱硬化性樹脂組成物の流動開始温度よりも高いガラス転移温度を有する接着剤3を介して金属箔から成る配線導体4を被着して成る。
【0024】
転写用シート基材2は、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂やポリカーボネート(PC)等の耐熱性樹脂が用いられ、金属箔をエッチングして配線導体4を形成する際の支持体、および配線導体4を絶縁シート1に転写する際の支持体としての機能を有する。そして、その厚みは20〜50μmが好ましく、厚みが20μm未満であるとその剛性が低下し金属箔をエッチングする際に配線導体4が変形し易くなる傾向にあり、50μmを超えるとその柔軟性が低下し絶縁シート1から剥離し難くなる傾向にある。従って、転写用シート基材2の厚みは20〜50μmが好ましい。
【0025】
また、転写用シート基材2に被着された配線導体4は、例えば金・銀・銅・アルミニウムの少なくとも1種を含む低抵抗金属の電解金属箔から成り、その厚みは5〜35μmが好ましく、さらには10〜18μmが好ましい。配線導体4の厚みが5μm未満であると配線導体4の抵抗値が大きなものとなる傾向があり、また、35μmを超えると配線導体4を絶縁シート1に転写する際に絶縁シート1への配線導体4の埋入量が多くなり、絶縁シート1の歪みが大きくなり熱硬化性樹脂組成物の硬化後に基板が変形を起こしやすくなる傾向がある。従って、配線導体4の厚みは5〜35μmが好ましい。
【0026】
さらに、配線導体4を転写用シート基材2に被着している接着剤3は、アクリル酸エステルやメタクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸共重合体等のアクリル樹脂にイソシアヌレート化合物やエポキシ樹脂等の架橋剤およびフタル酸エステルやアジピン酸エステル等の可塑剤等を配合して成り、そのガラス転移温度が絶縁シート1の熱硬化性樹脂組成物の流動開始温度よりも高い120〜150℃となっている。このガラス転移温度は接着剤3中の架橋剤とアクリル樹脂とを架橋させ、その架橋密度の高低で調整することができ、アクリル樹脂と架橋剤との架橋密度を低くすれば接着剤3のガラス転移温度が低くなり、逆に架橋密度を高くすれば接着剤3のガラス転移温度が高くなる。また、接着剤3に可塑剤を配合することにより接着剤3のガラス転移温度が120〜150℃と高いにも拘わらず接着剤3に接着剤として必要な室温付近の弾性を発現させることができる。
【0027】
なお、接着剤3は、そのガラス転移温度が120℃未満であるとその架橋密度が低いため、後述するように転写用シート基材2の表面に接着剤3を介して被着された金属箔をエッチングおよび粗化して配線導体4を形成する時に、エッチング液および粗化液が接着剤3に浸透してその接着力を低下させて配線導体4が剥れやすくなる傾向にあり、150℃を超えるとその架橋密度が高いため柔軟性が失われて配線導体4の転写時に絶縁シート1から剥離し難くなってしまう傾向にある。従って、接着剤3のガラス転移温度は120〜150℃が好ましい。
【0028】
また、接着剤3の厚みが1μm未満であると配線導体4を転写用シート基材2に充分に密着することが難しくなる傾向にあり、5μmを超えると転写用シート基材2の表面に配線導体4を形成する時に、エッチング液および粗化液が接着剤3に浸透して接着剤3の接着力を低下させて配線導体4が剥れてしまいやすくなる傾向にある。従って、接着剤3の厚みは1〜5μmであることが好ましい。なお、接着剤3のガラス転移温度は、示差走査熱量分析(DSC)により測定されたエンタルピー変化の屈曲点から算出される。
【0029】
このような転写用シート5は、例えば、厚みが25μm程度のポリエチレンテレフタレート等の耐熱性樹脂から成る転用シート基材2の一方の主面全面にアクリル樹脂に架橋剤および可塑剤から成る厚みが2μm程度の接着剤3を介して厚みが12μm程度の銅から成る金属箔を剥離可能に接着した後、金属箔上にフィルム状感光性レジストを被着するとともにこのレジストを露光・現像して配線導体4のパターンに対応するパターンのエッチングマスクを形成し、しかる後、これを塩化第二鉄溶液中に浸漬して金属箔の非パターン部をエッチング除去して配線導体4を形成した後、感光性レジストを剥離除去し、最後に配線導体4の表面を蟻酸や銅イオン、pH調整剤等から成る粗化液に浸漬して粗化することにより製作される。
【0030】
次に、図1(e)に断面図で示すように、配線導体4と貫通孔6内に充填した導体ペースト7とが接合するように絶縁シート1の表面に転写用シート5を積層し、これらを絶縁シート1の熱硬化性樹脂組成物の流動開始温度以上でかつ転写用シート5の接着剤3のガラス転移温度未満の温度に加熱しながら0.5〜5MPa程度の圧力で数分間加圧することにより配線導体4を絶縁シート1に埋入した後、絶縁シート1から転写用シート基材2および接着剤3を剥離することによって配線導体4を絶縁シート1に転写する。
【0031】
本発明の配線基板の製造方法では、転写用シート5の接着剤3のガラス転移温度が絶縁シート1の熱硬化性樹脂組成物の流動開始温度よりも高くなっており、転写シート5の配線導体4を絶縁シート1に埋入する際の温度が絶縁シート1の熱硬化性樹脂組成物の流動開始温度以上でかつ転写用シート5の接着剤3のガラス転移温度未満の温度であることが重要である。そして、このように転写用シート5の接着剤3のガラス転移温度が絶縁シート1の熱硬化性樹脂組成物の流動開始温度よりも高くなっており、絶縁シート1の熱硬化性樹脂組成物の流動開始温度以上でかつ転写用シート5の接着剤3のガラス転移温度未満の温度に加熱しながら転写用シート5の配線導体4を絶縁シート1に埋入することから、配線導体4を絶縁シート1に埋入する際に絶縁シート1の熱硬化性樹脂組成物が必要かつ十分に流動するため配線導体4を絶縁シート1に良好に埋入することができるとともに、その際に印加される熱により接着剤3が軟化することはなく、そのため接着剤3が配線導体4の粗化された表面に入り込むこともない。従って、配線導体4が埋入された絶縁シート1から転写用シート基材2および接着剤3を剥離する際に配線導体4と接着剤3とが良好に剥離する。その結果、配線導体4の表面に接着剤3を残すことなく配線導体4を絶縁シート1に良好に転写することができる。
【0032】
なお、配線導体4を絶縁シート1に埋入させる際の加熱温度が絶縁シート1の熱硬化性樹脂組成物の流動開始温度よりも低いと、絶縁シート1の熱硬化性樹脂組成物が流動せずに配線導体4を絶縁シート1に良好に埋入させることができなくなり、他方、転写用シート5の接着剤3のガラス転移温度よりも高いと、その熱により接着剤3が軟化して配線導体3の粗化された表面の凹凸に入り込み、それが配線導体4を埋入した絶縁シート1から転写用シート基材2および接着剤3を剥離する際に配線導体4に残ってしまう。従って、配線導体4を絶縁シート1に埋入させる際の加熱温度は、絶縁シート1の熱硬化性樹脂組成物の流動開始温度以上でかつ転写用シート5の接着剤3のガラス転移温度未満の温度に特定される。
【0033】
なお、絶縁シート1はロール状の連続体ではなく、1枚ずつカットされて供給されることが望ましい。これは、転写用シート5がロール状の連続体で供給される方が効率的であるため、絶縁シート1を動かして細かな位置の調整を行ない、転写用シート5との位置合わせを行なった方が、位置合わせ機構がコンパクトになるためである。さらに、転写用シート5と絶縁シート1との位置合わせは画像認識装置により、光学的に行なうことが好ましいが、その他、様々な公知の方法も使用しても良い。
【0034】
また、絶縁シート1から転写用シート基材2および接着剤3を剥離する時には、これらを50〜80℃に加温しつつ、絶縁シート1と転写用シート基材2および接着剤3とのなす剥離の角度が60°以上となるようにして剥離することが望ましい。剥離の角度が60°未満の場合、配線導体4表面上に接着剤3が残り易くなる傾向がある。この剥離の角度はできるだけ大きいほうが良く、望ましくは100°〜180°、最適には110°〜170°が用いられる。
【0035】
最後に、図1(f)に断面図で示すように、配線導体4が転写された絶縁シート1の複数枚を、各絶縁シート1に転写された配線導体4同士が導体ペースト7で接合されるようにして積層するとともにそれらを加熱加圧して熱硬化性樹脂組成物および導体ペースト7を熱硬化させることにより、絶縁シート1の熱硬化性樹脂組成物が硬化して成る絶縁層の上下面に配線導体4が配設されているとともに上下に位置する配線導体4同士を貫通孔6内に充填した導体ペースト7が硬化して成る貫通導体により電気的に接続して成る配線基板が完成する。なお、加熱加圧処理にあたっては、絶縁シート1の積層体をフッ素系樹脂などから成る離型性シートで上下から挟みこみ、1〜5MPaの圧力で180〜240℃の温度で加熱加圧処理する方法が採用される。
【0036】
かくして、本発明の配線基板の製造方法によれば、転写用シート基材2に配線導体4を被着させる接着剤3として、配線導体4が埋入される絶縁シート1における熱硬化性樹脂組成物の流動開始温度より高いガラス転移温度を有する接着剤3を用い、配線導体4と導体ペースト7とが接合されるように絶縁シート1の表面に転写用シート5を積層して、それらを絶縁シート1の熱硬化性樹脂組成物の流動開始温度以上でかつ転写用シート5の接着剤3のガラス転移温度未満の温度に加熱しながら加圧して転写用シート5の配線導体4を絶縁シート1に埋入するように転写した後、その絶縁シート1から転写用シート基材2および接着剤3を剥離して配線導体4を絶縁シート1に転写することから、配線導体4を絶縁シート1に埋入する際に絶縁シート1の熱硬化性樹脂組成物が必要かつ十分に流動するため配線導体4を絶縁シート1に良好に埋入することができるとともに転写用シート5の接着剤3が軟化することがないため配線導体4表面の凹凸内に接着剤3入り込むことはなく、従って、配線導体4が埋入された絶縁シート1から転写用シート基材2および接着剤3を剥離する際に接着剤3が配線導体4の表面に残ることはなく、その結果、配線導体4と貫通導体との電気的接続信頼性に優れた配線基板を提供することができる。
【0037】
なお、本発明は上述の実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲であれば、種々の変更が可能であることは言うまでもない。
【0038】
【実施例】
本発明の配線基板の製造方法において、転写状態を評価するために、次に説明する評価用の配線基板を製作した。
【0039】
まず、耐熱性繊維に未硬化の熱硬化性樹脂組成物を含浸させて成る絶縁シートと耐熱性樹脂から成る転写用シート基材に未硬化の前記熱硬化性樹脂組成物の流動開始温度より高いガラス転移温度を有する接着剤を介して金属箔から成る配線導体を被着した転写用シートとを用意した。
【0040】
次に絶縁シートに炭酸ガスレーザで30〜200μmの貫通孔を形成し、銅と低融点金属および架橋材からなる導体ペーストを貫通孔内に充填した後、表1に示す条件で配線導体を絶縁シートに転写し、その後、転写の状態を観察した。その結果を表1に示す。
【0041】
【表1】
【0042】
表1に示したように、転写の温度を絶縁シートの熱硬化性樹脂組成物の流動開始温度より低くした場合(試料No.1,6,11)、絶縁シートの熱硬化性樹脂組成物が流動しないために配線導体を絶縁シートに充分に埋入させることができなかった。また、転写の温度を接着剤のガラス転移温とした場合(試料No.5,10,15)、配線導体表面に接着剤が残ってしまった。それに対して、転写の温度を絶縁シートの熱硬化性樹脂組成物の流動開始温度以上でかつ接着剤のガラス転移温度未満の温度すると(試料No.2〜4,7〜9,12〜14)、転写は良好に行なわれた。
【0043】
【発明の効果】
本発明の配線基板の製造方法によれば、転写用シート基材に配線導体を被着させる接着剤として、配線導体が埋入される絶縁シートに含有される未硬化の熱硬化性樹脂組成物の流動開始温度より高いガラス転移温度を有する樹脂から成る接着剤を用い、配線導体と貫通孔内に充填した導体ペーストとが接合されるように絶縁シートの表面に転写用シートを積層して、それらを絶縁シートの熱硬化性樹脂組成物の流動開始温度以上でかつ転写用シートの接着剤のガラス転移温度未満の温度に加熱しながら加圧して転写用シートの配線導体を絶縁シートに埋入するように転写した後、その絶縁シートから転写用シート基材および接着剤を剥離して配線導体を絶縁シートに転写することから、配線導体を絶縁シートに埋入する際に絶縁シートの熱硬化性樹脂組成物がその流動開始温度以上に加熱されるため必要かつ十分に流動し、それにより配線導体を絶縁シートに良好に埋入することができる。また、配線導体の埋入は転写用シートの接着剤のガラス転移温度未満の温度で行なわれるため接着剤が軟化して配線導体表面の凹凸内に入り込むことはなく、従って、配線導体が埋入された絶縁シートから転写用シート基材および接着剤を剥離する際に接着剤が配線導体表面に残ることはなく、その結果、配線導体と貫通導体との電気的接続信頼性に優れた配線基板を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)〜(f)は、本発明の配線基板の製造方法を説明するための工程毎の断面図である。
【符号の説明】
1・・・・・・絶縁シート
2・・・・・・転写用シート基材
3・・・・・・接着剤
4・・・・・・配線導体
5・・・・・・転写用シート
6・・・・・・貫通孔
7・・・・・・導体ペースト
Claims (1)
- 耐熱性繊維に未硬化の熱硬化性樹脂組成物を含浸させて成る絶縁シートを用意する工程と、
該絶縁シートに貫通孔を穿孔する工程と、
該貫通孔内に熱硬化性の導体ペーストを充填する工程と、
耐熱性樹脂から成る転写用シート基材に未硬化の前記熱硬化性樹脂組成物の流動開始温度より高いガラス転移温度を有する樹脂から成る接着剤を介して金属箔から成る配線導体を被着した転写用シートを用意する工程と、
前記配線導体と前記貫通孔内に充填した前記導体ペーストとを接合するように前記絶縁シートの表面に前記転写用シートを積層して、それらを前記流動開始温度以上でかつ前記ガラス転移温度未満の温度に加熱しながら加圧して前記配線導体を前記絶縁シートに埋入するように転写した後、前記配線導体が転写された前記絶縁シートから前記転写用シート基材および前記接着剤を剥離する工程と、
前記配線導体が転写された前記絶縁シートの複数枚を上下の前記配線導体を前記貫通孔内に充填した前記導体ペーストで接合するように積層し加熱加圧して前記熱硬化性樹脂組成物および前記導体ペーストを熱硬化する工程とを具備することを特徴とする配線基板の製造方法。
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