JP2004253371A - 有機エレクトロルミネッセンス素子 - Google Patents

有機エレクトロルミネッセンス素子 Download PDF

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Tomoaki Hara
智章 原
Yoshitomo Yonehara
祥友 米原
Miya Sakurai
美弥 桜井
Morio Taniguchi
彬雄 谷口
Yu Ichikawa
結 市川
Toshiki Koyama
俊樹 小山
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Abstract

【課題】 湿式製膜法で製造が可能で、高発光効率、高輝度が得られる有機EL素子を提供すること。
【解決手段】 透明基板上に形成された正電極層と、負電極層の間に発光層を有する有機エレクトロルミネッセンス素子において、発光層が、一般式(1)で表されるイリジウム(III)錯体からなる燐光発光材料を含有し、且つ、該発光層と負電極層との間に、一般式(2)で表される化合物を含む障壁層を有する有機エレクトロルミネッセンス素子を提供する。
【化1】
Figure 2004253371

(1)
(式中、Yは二座配位子を表し、Rは水素原子又は炭素原子数1〜10のアルコキシ基を表し、少なくとも一方はアルコキシ基を表す。nは3〜8の整数を表す。)
【化2】
Figure 2004253371

(2)
(式中、R、R、R、Rは各々独立して水素又は、炭素数1〜4のアルキル基を表す。)
【選択図】 なし



Description

本発明は燐光発光材料を使用した有機エレクトロルミネッセンス素子に関するものである。
近年、モバイルコンピュータ、携帯電話、PDA等の携帯情報端末用表示素子の需要が増し、表示素子の軽量化、低消費電力化が望まれている。
自己発光型の有機エレクトロルミネッセンス素子(以下、「有機EL素子」と略す。)は、バックライトを必要とせず、素子の薄型化や軽量化が可能であることや、低駆動電圧で高輝度の発光が得られることから、ブラウン管型表示装置や液晶表示素子等の既存の表示素子に代わる次世代表示メディアとして、研究が進められている。特に最近では、赤色、青色、緑色の有機EL素子を、フルカラーディスプレイへ適用することが検討されている。
有機EL素子は、一般に、正電極層、発光物質を含有する発光層、および負電極層が、順に積層した構造からなる。正、負両電極層間に電圧を印加すると、前記発光層に、負電極層から電子が、正電極層から正孔が注入される。注入された電子と正孔は、発光物質中において再結合し、発光物質は励起子を生成する。この励起子が基底状態に失活する際に発光がおこる。
発光物質としては一重項励起子が発光する蛍光性化合物と、三重項励起子が発光する燐光性化合物が知られている。現在、有機EL素子用の発光物質として最もよく使用されているのは、熱に安定な蛍光性化合物である。しかし、蛍光性化合物を利用した有機EL素子の理論上の発光効率は最大5%と非常に低い。これに対し、燐光性化合物を利用した有機EL素子の理論上の発光効率は最大20%である。このことから、燐光性化合物を利用した有機EL素子は、蛍光性化合物を利用した有機EL素子の4倍の発光効率を示すことが期待できる。
しかし、従来知られている燐光性化合物は、三重項励起子が熱的に不安定であり、室温で発光させることが困難であった。従って、室温で発光させることのできる燐光性化合物を使用した有機EL素子が望まれている。
室温で発光する燐光性化合物として、イリジウム(III)トリス(2−フェニルピリジン)錯体(以下、「Ir(ppy)」と略す。)が知られており、Ir(ppy)と、正孔輸送材料である4,4'−N,N'−ジカルバゾール−ビフェニルとの混合物を、電極層上に共蒸着させて得た発光層を有する有機EL素子が知られている(例えば、特許文献1参照。)。これは、発光効率が8%と、蛍光性化合物を発光物質として使用した有機EL素子と比べ、高い発光効率を示す。しかし、該有機EL素子は、発光層を共蒸着法で作製しているので、製造効率が低いといった問題があった。また発光層中のIr(ppy)濃度を高くすると多量体を形成し、三重項励起子が発光せずに失活するため、発光効率が低下する(以下、これを「濃度消光」と略す。)問題があった。
一方、置換基として芳香族基を有するIr(ppy)は、多量体形成による濃度消光がある程度抑制でき高い発光効率を示すが(例えば、特許文献2参照。)、該化合物もIr(ppy)同様に、蒸着により成膜する必要があるため、製造効率が低いという問題を有する。
これに対し、Ir(ppy)を、正孔輸送材料であるポリパラフェニレンに、該錯体が多量体を形成しない、即ち濃度消光が起こらない濃度以下となるようにドーピングし、これを正電極層上に印刷法等の湿式製膜法で発光層を得る方法が知られている(例えば、非特許文献1参照。)。高分子の正孔輸送材料にIr(ppy)をドーピングすることで、製造効率の高い湿式製膜法で発光層を作製することを可能とした。しかしこの方法で得られた有機EL素子は、正電極層からポリパラフェニレンに注入される正孔の、Ir(ppy)に輸送される確率、即ち正孔輸送効率が低いといった問題があった。また、Ir(ppy)の結晶性が高いため、Ir(ppy)を高濃度にドーピングできず、得られる有機EL素子の発光効率に限界があった。
一方、湿式製膜が可能な燐光性化合物として、主鎖または側鎖に3重項励起状態からの発光を示す金属錯体構造を有する、ポリスチレン換算の数平均分子量が10〜10の高分子発光体が知られている(例えば、特許文献3参照。)。該高分子発光体は、1〜5個のハロゲン原子等を有する金属錯体と、2個のハロゲン原子等を有するモノマーとを共重合することにより製造される。該高分子発光体は、モノマーとして芳香族化合物を使用することにより正孔輸送性を示すため、分子内で金属錯体への正孔輸送が可能となり高い発光効率を示しうる。更に、製膜性を有する高分子中に燐光発光性の金属錯体ユニットを導入しているため、結晶性が低下し湿式製膜が可能となる。
しかし、該高分子発光体は、金属錯体由来の燐光を発光させるために1分子中に導入する金属錯体濃度を高くする必要があるが、金属錯体濃度を高くすると、金属錯体ユニットが高分子中の分岐点となるために結晶性が増し、溶剤への溶解性が低下することになる。更に、金属錯体ユニット同士が重合し隣接するため、分子内での濃度消光が起こりうる。
一方、溶解性の低下および結晶化を抑制するために金属錯体濃度を低くすると、該高分子発光体の主鎖を形成する正孔輸送性ユニットの蛍光が主発光となるため、高発光効率の高分子発光体を得ることができない。
国際公開第00/70655号パンフレット 特開2002−332291号公報 特開2003−171659号公報 「アプライド・フィジックス・レター」,2002年3月,第80号(2002年)2045−2047
本発明が解決しようとする課題は、湿式製膜法で製造が可能で、高発光効率、高輝度が得られる有機EL素子を提供することにある。
本発明者らは、上記の課題を解決する手段として、以下の2つの手段を用いることで、課題を解決した。即ち、ポリパラフェニレン基をIr(ppy)のフェニル基に導入することで、分子内及び分子間での正孔輸送を効率化し、正電極層から注入された正孔をイリジウム(III)錯体へ効率良く輸送させ、電子と正孔がイリジウム(III)錯体中で再結合する確率を上げ、イリジウム(III)錯体の発光効率を高めた。このようにポリパラフェニレン基をIr(ppy)のフェニル基に導入することにより、前記の効果と同時にイリジウム(III)錯体間の相互作用が抑制され、これにより濃度消光を低減させ、発光層中のイリジウム(III)錯体の濃度を上げることができるようにした。更に一般式(2)で表される化合物を障壁材料として含む障壁層を発光層と負電極層の間に設けることによって、発光層内で正孔と電子を効率良く再結合させ、生成した励起子から効率良く発光させることを可能とした。これにより高輝度高発光効率の有機EL素子を得ることができる。
また、前記ポリパラフェニレン基に置換基としてアルコキシ基を導入し、かつ、フェニレン基の数を3〜8とし、より溶媒へ溶けやすくすることで、湿式製膜を可能とした。
すなわち本発明は透明基板上に形成された正電極層と、負電極層の間に発光層を有する有機エレクトロルミネッセンス素子において、発光層が、一般式(1)で表されるイリジウム(III)錯体からなる燐光発光材料を含有し、且つ、該発光層と負電極層との間に、一般式(2)で表される化合物を含む障壁層を有することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子を提供する。
Figure 2004253371
(1)
(式中、Yは二座配位子を表し、Rは水素原子又は炭素原子数1〜10のアルコキシ基を表し、少なくとも一方はアルコキシ基を表す。nは3〜8の整数を表す。)
Figure 2004253371

(2)
(式中、R、R、R、Rは各々独立して水素又は、炭素数1〜4のアルキル基を表す。)
本発明の有機EL素子は、正孔輸送材料であるポリパラフェニレン基を導入した前記一般式(1)で表されるイリジウム(III)錯体(以下、本発明で使用するイリジウム(III)錯体と略す)を使用しているので、正電極層から注入された正孔を、イリジウム(III)錯体へ効率良く輸送させることができる。電子と正孔とがイリジウム(III)錯体中で再結合する確率が上がるので、高い発光効率が得られる。
また、本発明で使用するイリジウム(III)錯体は、アルコキシ基で置換されたポリパラフェニレン基を導入しているため、溶剤に対する溶解性が高く、製膜時に結晶化が起こらない。従って、発光層を湿式製膜法で容易に形成することができる。
また、アルコキシ基で置換されたかさ高いポリパラフェニレン基を導入し、イリジウム(III)錯体間の相互作用を低下させているため、多量体が生成しにくい。その結果、発光層中のイリジウム(III)錯体濃度を高くしても濃度消光が起きにくいため、該濃度を高くすることができ、高い輝度の有機EL素子が得られる。
更に本発明の有機EL素子では一般式(2)で表される化合物を障壁材料として含む障壁層を発光層と負電極層の間に設けることによって、発光層内で正孔と電子を効率良く再結合させ、生成した励起子から効率良く発光させることができる。これにより一層高輝度高発光効率の有機EL素子を得ることができる。
本発明においてイリジウム(III)錯体とは、配位数が6のイリジウムの錯体を表す。
一般式(1)において、ポリパラフェニレン基の置換位置としては、2−フェニルピリジンのフェニル基の2位、3位または4位が好ましく、4位が最も好ましい。またポリパラフェニレン基の置換フェニレン基の数nは3〜8が好ましい。nが3より少ないと、ポリパラフェニレン基の正孔輸送性が十分発現せず、nが8より多いと、ポリパラフェニレン基自身も蛍光を発するため、燐光発光効率が低下する問題や、有機EL素子の発光が混色するため、色純度が低下する問題が生じる。そのため、溶媒に対する溶解性と燐光の発光効率のバランスから、nは3〜4であることがさらに好ましく、3であることが最も好ましい。
また、ポリパラフェニレン基は、置換基としてRで表される炭素数1〜10のアルコキシ基を有する。ポリパラフェニレン基の置換基としてはアルキル基やシアノ基も知られているが、置換基Rがアルキル基やシアノ基の場合、アルコキシ基に比べイリジウム(III)錯体の溶解性を高める効果が低く、このため置換数を増やす必要がある。その結果、ポリパラフェニレン基の正孔輸送性が低下し、得られるイリジウム(III)錯体の発光効率が低下してしまう。従って、置換基Rはアルコキシ基が最も好ましい。アルコキシ基の中でもエトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチロキシ基、ヘキシロキシ基が好ましい。アルコキシ基の炭素数が多すぎると、ポリパラフェニレン基の正孔輸送性が低下するため、得られるイリジウム(III)錯体の発光効率が低下する傾向にある。上記のアルコキシ基の中でも、溶解性と発光効率とのバランスから、ブトキシ基が最も好ましい。
上記のアルコキシ基は、フェニレン基1分子あたり2置換されていることが好ましい。アルコキシ基の置換位置に特に制限はないが、製造の容易さから1,4−フェニレン基の2位および5位が置換されていることが好ましい。
一般式(1)においてYは二座配位子を表す。二座配位子としては、例えば、2−フェニルピリジン、一般式(3)で表される配位子、
Figure 2004253371
(3)
(式中、Rは水素原子又は炭素原子数1〜10のアルコキシ基を表し、少なくとも一方はアルコキシ基を表す、nは3〜8の整数を表す。)
化学式(4)で表される2−(2−ベンゾチエニル)ピリジン、
Figure 2004253371
(4)
2−フェニルキノリン、2−チエニルキノリン、ピコリン酸、アセチルアセトン等があげられる。中でも、Yが前記一般式(3)で表される配位子であるイリジウム(III)錯体、即ち一般式(3)で表される配位子をすべての配位子に有するイリジウム(III)錯体は、発光色が緑色であり、また、Yが一般式(4)で表される2−(2−ベンゾチエニル)ピリジンであるイリジウム(III)錯体は、発光色が赤色となり、好ましい。
本発明において、前記ポリパラフェニレン基は正孔を輸送させる役割を有する。該ポリパラフェニレン基はイリジウム(III)錯体に結合しているので、該ポリパラフェニレン基は、正電極層から受け取った正孔を発光物質であるイリジウム(III)錯体に分子内でも輸送することができる。分子内及び分子間で正孔を輸送することができるので、輸送効率が高く、そのため、得られる有機EL素子は高い発光効率を示す。
また、前記一般式(1)で表されるイリジウム(III)錯体は、ポリパラフェニレン基が置換基としてアルコキシ基を有するので、溶剤に対する溶解性が高く、製膜時の結晶性が低い。従って、湿式製膜法による発光層の形成により適し、得られる発光層の結晶化を抑制することができる。
更に、ポリパラフェニレン基が置換基としてアルコキシ基を有し、かさ高さが増しているため、分子間での多量体を形成しにくく、濃度消光が起きにくい。
前記一般式(1)で表されるイリジウム(III)錯体としては、例えば、式(5)または式(6)の化合物が挙げられる。
Figure 2004253371

(5)
(式中、nは3〜8の整数を表す。)
Figure 2004253371

(6)
(式中、nは3〜8の整数を表す。)
式(5)で表されるイリジウム(III)錯体は、例えば、イノーガニック・ケミストリー、第30巻、第1685頁(1991年)等に記載の公知慣用の方法で合成することができる。具体的には、ポリパラフェニレン基を有する2−フェニルピリジンとイリジウム(III)化合物とを、不活性ガス気流下で加熱攪拌するだけで、容易に得られる。
ポリパラフェニレン基を有する2−フェニルピリジンとイリジウム(III)化合物との反応には、溶媒を使用してもよい。溶媒としては、例えば、水、グリセリン、エトキシエタノール等が挙げられる。また必要に応じて、トリフルオロ酢酸銀、トリフルオロメタンスルホン酸銀等の触媒を使用しても良い。反応温度は、室温〜250℃の範囲であれば差し支えない。
ポリパラフェニレン基を有する2−フェニルピリジンは、イリジウム(III)化合物1molに対し、3〜10mol反応させることが好ましい。
式(6)で表されるイリジウム(III)錯体は、例えば、国際公開第01/41512号パンフレットや、「ジャーナル・オブ・アメリカン・ケミカル・ソサイアティ (Journal of American Chemical Society)」,2001年,第123号,p.4304等に記載の方法により、下記反応式で合成することができる。
Figure 2004253371
(式中、Rは水素原子又は炭素原子数1〜10のアルコキシ基を表し、少なくとも一方はアルコキシ基を表す、nは3〜8の整数を表す。)
具体的には、ポリパラフェニレン基を有する2−フェニルピリジンとイリジウム(III)化合物とを、水、2−エトキシエタノール、あるいはグリセリン等の溶剤中で、窒素、アルゴン等の不活性ガス気流下50〜230℃の範囲内で攪拌し、橋かけ構造のイリジウムダイマーを得る。次に、該イリジウムダイマーと、2−(2−ベンゾチエニル)ピリジンと、炭酸ナトリウム、ナトリウムメトキシド等のアルカリとを、1,2−ジクロロエタン、エタノール、あるいは2−エトキシエタノール等の溶剤中で、窒素、アルゴン等の不活性ガス気流下50℃〜還流温度の範囲内で反応させて得られる。
ポリパラフェニレン基を有する2−フェニルピリジンは、2−(ハロゲン化フェニル)ピリジンと、ポリパラフェニレン誘導体のホウ酸化合物とを、テトラヒドロフラン、トルエン、アセトン等の溶剤中で、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)やトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)等の金属触媒下、室温から還流温度の範囲内でカップリング反応させて得られる。
2−(ハロゲン化フェニル)ピリジンの例としては、2−(4−ブロモフェニル)ピリジン、2−(4−クロロフェニル)ピリジン、2−(3−ブロモフェニル)ピリジン、2−(3−クロロフェニル)ピリジン、2−(2−ブロモフェニル)ピリジン、2−(2−クロロフェニル)ピリジン等が挙げられる。
中でも、2−(4−ブロモフェニル)ピリジン、又は2−(4−クロロフェニル)ピリジンから得られる配位子からなるイリジウム(III)錯体が好ましい。
ポリパラフェニレン誘導体のホウ酸化合物は、例えば、2,5−ジブトキシ−4−ブロモフェニルホウ酸をカップリング反応させて得られたブトキシ基を置換基に有するポリパラフェニレン基を有するホウ酸化合物が挙げられる。
前記イリジウム(III)化合物としては、例えば、イリジウム(III)トリクロリドおよびその水和物、イリジウム(III)トリアセチルアセトナート、カリウムヘキサクロロイリデート(III)等が使用できる。
本発明では、発光層と負電極層の間に下記一般式(2)で表される化合物を含んだ障壁層を設ける。
Figure 2004253371

一般式(2)
(式中、R、R、R、Rは各々独立して水素又は、炭素数1〜4のアルキル基を示す。)
本発明の有機EL素子では発光層に注入された正孔は発光層内で電子と再結合して励起三重項に基づく励起子を形成する。そのような励起子は一般的に励起一重項状態に基づく励起子よりも寿命が長いため発光に至るまでに比較的長い距離を拡散し、その結果としてそれら励起子のある割合が発光前に発光層から負電極層に至り無輻射失活してしまう。このような問題を最小限に抑制するために本発明では電子の拡散、通過は許すが、励起子の拡散通過は妨げる障壁層を使用する。これにより発光層中で生成した励起子は発光層内に閉じこめられ、かくして有機EL素子の発光効率、輝度が向上することとなる。
本発明の有機EL素子に用いる障壁層としては、その最低空軌道と最高被占軌道との間のバンドギャップが大きい材料からなることが好ましい。障壁層に含まれる材料のバンドギャップが発光層で生成した励起子のエネルギー準位よりも大きいことにより、励起子が障壁層を通過することが妨げられる。このような充分に大きなバンドギャップを持ち、なおかつ電子の通過は妨げず、各種成膜法により成膜可能な、本発明の有機EL素子の障壁層材料に適した材料が一般式(2)に構造を示す(アルキル)ジフェニルフェナントロリンである。即ち本発明の有機EL素子では障壁層を構成する材料として一般式(2)で表される(アルキル)ジフェニルフェナントロリンを使用する。
一般式(2)中のR〜Rは各々独立に水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基であり、どのような組み合わせでも本発明に好適に使用することができるが、特にRとRが水素原子であり、RとRが各々独立に水素原子、メチル基、エチル基である場合が好ましい。中でもRとRが水素原子であり、RとRが共にメチル基である場合(化合物名2,9−ジメチル−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン)は一般に市販されており、本発明の障壁層の材料として容易かつ好適に使用することができる。
次に、本発明の有機EL素子およびその製造方法の一例について説明する。
本発明の有機EL素子は、少なくとも、基板上に透明な正電極層、本発明で使用するイリジウム(III)錯体を含有する発光層、本発明で使用する(アルキル)ジフェニルフェナントロリンを含有する障壁層、及び負電極層が順に積層した構造を有する。負電極層は透明でなくてもよい。
前記基板は、電極層や発光層を形成する際に変質しない透明材料であればよく、例えば、ガラスや高分子フィルム等が挙げられる。高分子フィルムとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリシクロオレフィン、ポリエーテルスルホン等の透明材料を、酸化珪素や窒化珪素等でガスバリアコートしたフィルムを使用することができる。
前記透明な正電極層は、インジウムスズ酸化物(以下、ITOと略す。)等を基板上にスパッタリングや真空蒸着したり、あるいは、ITO微粒子の懸濁液を塗布し、該微粒子を焼結させて得られる。また、電極表面に、紫外線−オゾン処理、酸素雰囲気下のプラズマ処理等の表面処理を施すと、得られる有機EL素子の駆動電圧の低下を防ぎ、発光効率が向上する効果が得られる。
正電極層の膜厚は、10nm〜5μmの範囲であると、光が透過しやすい。中でも、膜厚が20nm〜1μmの範囲が好ましい。
前記基板に設けた正電極層上に、本発明で使用するイリジウム(III)錯体を含有する発光層を形成する。該発光層は、該イリジウム(III)錯体の有機溶剤溶液を、スプレイコーティング、スピンコーティング、ディップコーティングなどのコーティング法、グラビア印刷、フレキソ印刷、スクリーン印刷などの印刷法、又はインクジェット法等によってコーティング又は印刷後、乾燥して得られる。乾燥方法に特に制限はない。また、該イリジウム(III)錯体の有機溶剤溶液の粘度を調整するため、高分子材料を含有させても良い。このとき混合する高分子材料は、素子の性能を落とさないように、電荷輸送能を有するものが好ましい。高分子材料としては、例えば、溶剤可溶としたポリフェニレン、ポリフルオレン、ポリチオフェン、ポリフェニレンビニレン、ポリビニルカルバゾール、ポリピロール、ポリアセチレン、ポリアニリン、ポリオキサジアゾール等があげられる。特に溶剤可溶としたポリパラフェニレン、ポリビニルカルバゾールが好ましい。
本発明で使用するイリジウム(III)錯体と前記高分子材料との混合比は、発光層中のイリジウム(III)原子濃度が、少なくとも0.2%以上となるようにする。具体的には、2:98〜99:1の範囲が好ましく、更に好ましくは4:96〜90:10の範囲である。
発光層の膜厚は特に限定はないが、乾燥後1nm〜1μmとした場合に、高い発光効率が得られる。中でも、膜厚が10nm〜500nmとなるように作製することが好ましい。
前記有機溶剤としては、本発明で使用するイリジウム(III)錯体を溶解することができれば、いずれの有機溶剤でも使用できる。例えばシクロヘキサノン、トルエン、キシレン、テトラヒドロフラン、クロロホルム、ジクロロメタン、1,1,2−トリクロロエタン、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、テトラリン、1,1,2,2−テトラクロロエタン、ブチルカルビトール、N−メチルピロリドン等を挙げることができるが、有機溶剤の揮発速度が速いと該イリジウム(III)錯体の有機溶剤溶液の粘度上昇が起こることや、使用する印刷版に該イリジウム(III)錯体が固着しやすくなることから、25℃における蒸気圧が0.01〜3.0kPa(0.1〜22.5mmHg)の範囲内であって、沸点が100〜300℃の範囲内にある有機溶剤であることが好ましい。このような有機溶剤の例として、トルエン、キシレン、シクロヘキサノン、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、テトラリン、1,1,2−トリクロロエタン、1,1,2,2−テトラクロロエタン、ブチルカルビトール、N−メチルピロリドン等があげられる。これらの有機溶剤は、単独で使用しても混合して使用しても差し支えない。
本発明で使用するイリジウム(III)錯体の有機溶剤溶液の濃度は、印刷方法やコーティング方法により異なるが、0.1質量%〜15質量%の範囲であることが好ましい。該イリジウム(III)錯体の濃度が0.1質量%未満であると、印刷またはコーティングした乾燥後の膜厚が薄くなりすぎるため有機EL素子のショートを引き起こすおそれがある。一方、該イリジウム(III)錯体の濃度が15質量%を越えると、印刷またはコーティングした乾燥後の膜厚が厚くなるため、発光させるために必要な電圧が高くなる、あるいは発光輝度が低くなることになる。得られる有機EL素子の性能から、該イリジウム(III)錯体の有機溶剤溶液中での濃度は0.5質量%〜10質量%の範囲にあることが特に好ましい。該イリジウム(III)錯体の有機溶剤溶液中での濃度がこの範囲内であれば乾燥後の発光層の膜厚を、1nm〜1μmとなるように制御しやすい。
前記発光層上に本発明で使用する(アルキル)ジフェニルフェナントロリンを含有する障壁層を設ける。障壁層は例えば(アルキル)ジフェニルフェナントロリンを真空蒸着することによって得られる。障壁層が薄すぎると発光層で生成した励起子を閉じこめる効果が低くなり、障壁層が厚すぎると電子の通過が妨げられる。このため障壁層の膜厚は1nm〜500nmとすることが好ましく、5〜100nmとするのが特に好ましい。また、真空蒸着法の他に(アルキル)ジフェニルフェナントロリンを結着樹脂と共に溶剤に溶解又は分散させて、これを塗布又は印刷し乾燥させることによって障壁層を成膜することもできる。この場合、障壁層材料を溶解させるための溶剤としてはアルコール、炭化水素など発光層を溶解させないものが好ましく、特にメタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール等炭素数1〜4のアルコールが好ましい。このため結着樹脂としてはポリビニルブチラール等これらアルコールに可溶なものを用いると良い。(アルキル)ジフェニルフェナントロリンを結着樹脂中に溶解又は分散させて障壁層とする場合、障壁層中の(アルキル)ジフェニルフェナントロリンの質量百分率は25%〜90%とするのが好ましい。この割合が低いと障壁層による励起子閉じこめ効果、電子注入能が低下する。逆にこの割合が高すぎると障壁層の成膜性が低下し、均一かつ平滑な膜が得られにくくなる。結着樹脂を用いた場合の障壁層中の(アルキル)ジフェニルフェナントロリン質量百分率は40〜80%とするのが特に好ましい。
前記障壁層上に負電極層を設ける。負電極層は、例えば、前記発光層上に、リチウムやカリウム等のアルカリ金属、カルシウムやマグネシウム等のアルカリ土類金属、金、銀、アルミニウム、又はリチウム−アルミニウム合金やマグネシウム−銀合金等の合金を、真空蒸着、スパッタリングあるいはコーティングして得る。該負電極層の膜厚は20〜500nmとするのが好ましく、50〜300nmの範囲が特に好ましい。
また、前記負電極層上に、酸化珪素、窒化珪素、二酸化珪素酸化ゲルマニウム、又は二酸化ゲルマニウム等の保護層を、スパッタリング、真空蒸着、あるいはコーティング法で設けると、本発明の有機EL素子を劣化させる因子である水分や酸素を遮断することができる。
本発明の有機EL素子には、電荷輸送性をより向上させるために、正電極層と本発明で使用するイリジウム(III)錯体を含有する発光層との間に正孔輸送層を、本発明で使用する(アルキル)ジフェニルフェナントロリンを含有する障壁層と負電極層との間に電子輸送層を設けてもよい。また、電荷輸送性をより向上させるために、該イリジウム(III)錯体に正孔輸送材料または電子輸送材料を混合し、発光層を形成することもできる。さらに塗布溶液の粘度調整等の目的で該イリジウム(III)錯体を含有する発光層にイリジウム(III)錯体以外の高分子材料を含有させても良い。
正孔輸送層は、陽極から注入された正孔を移動させるために設けられる層である。正孔輸送層に使用する正孔輸送材料としては、例えば、トリフェニルアミン誘導体、ポリビニルカルバゾール誘導体、ポリアニリン誘導体、ポリチオフェン誘導体等が挙げられる。
正孔輸送層は、正電極層上に作製する。正孔輸送材料が、トリフェニルアミン誘導体等の低分子化合物である場合は、正電極層上に真空蒸着させたり、又は、正孔輸送材料を有機溶媒に溶かしてから、正電極層上に、各種コーティング法、インクジェット法、印刷法などで作製する。また、正孔輸送材料が、ポリビニルカルバゾール誘導体やポリチオフェン誘導体等の高分子化合物である場合は、必要に応じて有機溶媒に溶かした後、正電極層上に、各種コーティング法、インクジェット法、印刷法などで作製する。
正孔輸送層の膜厚は、一般に、5nm〜500nmとなるように作製する。
一方、前記電子輸送層に使用する電子輸送材料としては、例えば、オキサジアゾール誘導体、ナフトキノン誘導体、ポリキノキサリン誘導体等が挙げられる。
電子輸送層は、前記本発明で使用する(アルキル)ジフェニルフェナントロリンを含有する障壁層上に作製する。
電子輸送材料が、オキサジアゾール誘導体やナフトキノン誘導体等の低分子化合物である場合は、前記発光層上に真空蒸着させたり、又は、正孔輸送材料を有機溶媒に溶かしてから、前記発光層上に、各種コーティング法、インクジェット法、印刷法などで作製できる。また、電子輸送材料が、ポリキノキサリン誘導体等の高分子化合物である場合は、必要に応じて有機溶媒に溶かした後、前記発光層上に、各種コーティング法、インクジェット法、印刷法などで作製できる。
電子輸送層の膜厚は、一般に、5nm〜500nmとなるように作製する。
また、電子輸送層と負電極との間に、リチウムやカリウム等アルカリ金属のフッ化物層、カルシウムやマグネシウム等アルカリ土類金属のフッ化物層を、真空蒸着法、スパッタリング法やコーティング法等で、膜厚0.1〜10nmの範囲となる様に作製することもできる。
また、本発明で使用するイリジウム(III)錯体に正孔輸送材料または電子輸送材料を混合し発光層を形成する場合は、前記記載の正孔輸送材料または電子輸送材料と該イリジウム(III)錯体とを予めシクロヘキサノン、トルエン、キシレン、テトラヒドロフラン、クロロホルム、ジクロロメタン、1,1,2−トリクロロエタン、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、テトラリン、1,1,2,2−テトラクロロエタン、ブチルカルビトール、N−メチルピロリドン等の有機溶媒に溶かしてから、その溶液を各種コーティング法、インクジェット法、印刷法等で正電極上に塗布後、乾燥することで得られる。乾燥方法に特に制限はない。正孔輸送材料または電子輸送材料が少なすぎると、十分な電荷輸送性能が得られず、一方、正孔輸送材料または電子輸送材料が多すぎると、前記イリジウム(III)錯体の濃度が低くなりすぎて十分な発光輝度を得ることができないので、前記イリジウム(III)錯体と正孔輸送材料または電子輸送材料との混合比は、2:98〜99:1の範囲が好ましい。特に好ましくは2:98〜90:10の範囲である。
本発明で用いるイリジウム(III)錯体とこれ以外の高分子材料を混合させて用いる場合は、前記イリジウム(III)錯体とこれ以外の高分子材料の混合比を2:98〜99:1の範囲とすることが好ましい。特に好ましくは2:98〜90:10の範囲である。用いる前期イリジウム(III)錯体以外の高分子材料としては、溶剤可溶としたポリフェニレン、ポリフルオレノン、ポリチオフェン、ポリフェニレンビニレン、ポリビニルカルバゾール、ポリピロール、ポリアセチレン、ポリアニリン、ポリオキサジアゾール等、電荷輸送能を有する高分子材料を用いることが好ましい。特に溶剤可溶としたポリパラフェニレン、ポリピロール、ポリビニルカルバゾールが好ましい。
前記発光層の膜厚には特に限定はないが、乾燥後1nm〜1μmとなるように作製すると、発光効率をより高めることができる。中でも、膜厚が10nm〜500nmとなるように作製することが好ましい。
一方、本発明においては、本発明で使用するイリジウム(III)錯体が、電荷輸送材料であるπ共役鎖を有しており、正孔輸送機能または電子輸送機能を有するため、正孔輸送層または電子輸送層がなくても、発光効率の高い有機EL素子を得ることができる。
有機EL素子では一般的に正電極層からの正孔の注入を容易にするために、正電極層と正孔輸送層との間に、ルイス酸あるいはブレンステッド酸である電子受容性化合物を含むポリエチレンジオキシチオフェン−ポリスチレンスルホネート(PEDOT−PSS)等の正孔注入層を設けるが、本発明の有機EL素子では特にこの正孔注入層を必要としない。このため、前記電子受容性化合物によってITO表面が化学的に侵されることがなく、本発明の有機EL素子は高い信頼性を有する。ただし、ITO表面の凹凸の影響を軽減する目的で例えば、正電極層上に、フタロシアニン誘導体を、膜厚が50nm以下となるように真空蒸着することにより緩衝層を設けることはできる。
また負電極層からの電子の注入を容易にするために、負電極層と電子輸送層との間に電子注入層を設けてもよい。電子注入層は、例えば負電極層上でトラシアノキノジメタンやオキサジアゾール誘導体を、膜厚が50nm以下となるように真空蒸着して得られる。
本発明の有機EL素子は、結晶性が低く、会合体を形成しにくいイリジウム(III)錯体を使用しているので、濃度消光の起きにくい発光層を得ることができる。また、該イリジウム(III)錯体は溶剤に溶けやすいので、湿式製膜法で簡単に発光層を得ることができる。該イリジウム(III)錯体の結晶性が低いことから、本発明の有機EL素子は、時間が経過しても、発光層中でイリジウム(III)錯体が結晶化して析出することがなく、素子が劣化しにくい。
本発明の有機EL素子は、表示素子、ディスプレイ、バックライト、照明光源、記録光源、露光光源、読み取り光源、標識、看板、インテリア、光通信等の用途に、好適に使用することができる。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明する。なお、以下の例において、「%」は、特に断りのない限りは質量基準とする。
<合成参考例1> 2−(4−ブロモフェニル)ピリジンの合成
反応容器中に、2−ブロモピリジン11gとテトラヒドロフラン(以下、「THF」と略す。)200mlとを仕込み、アルゴン気流下アセトン−ドライアイスバスで冷却しながら、ターシャリー・ブチルリチウムの1.5mol/lのペンタン溶液92mlを滴下した。滴下終了後直ちに塩化亜鉛1.0mol/lのジエチルエーテル溶液70mlを滴下した。アセトン−ドライアイスバス中で1時間、0℃で2時間、室温で3時間反応させた後、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)800mgを加え、1−ブロモ−4−ヨードベンゼン19.6gのTHF溶液100mlを滴下した。室温で約68時間反応させた後、反応液に酢酸エチル200mlを加え、10%アンモニア水100mlで1回、蒸留水100mlで2回洗浄し、有機層を濃縮した。残査をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:酢酸エチル/ヘキサン)で分離し、溶剤を留去して2−(4−ブロモフェニル)ピリジン9.6gを得た。
<合成参考例2> Mwが1300のポリ(2,5−ジブトキシ−1,4−フェニレン)基を有するホウ酸化合物の合成
反応容器中に、2,5−ジブトキシ−1−ブロモ−4−フェニルホウ酸13.8g、1mol/lの炭酸カリウム水溶液80ml、THF200ml、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)400mgを仕込み、アルゴン気流下、60℃で撹拌し、7分後にフェニルホウ酸4.88gを加え、さらに同温で8時間撹拌して反応を終了した。反応液を1mol/lの塩酸400mlに滴下し、生成した沈殿物を濾集して蒸留水400mlで洗浄した。この沈殿物をジクロロメタン30mlに溶解し無水硫酸マグネシウムで乾燥後、0.5μmフィルターで濾過した。ジクロロメタンを濃縮し、ポリ(2,5−ジブトキシ−1,4−フェニレン)を有するホウ酸化合物(以下、「ホウ酸化合物(A)」と略す。)3.3gを得た。ホウ酸化合物(A)について、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(以下、「GPC」と略す。)を用いてポリスチレン換算の分子量分布を測定したところ、重量平均分子量(以下、「Mw」と略す。)が1300、数平均分子量(以下、「Mn」と略す。)が900、Mw/Mnが1.44、Mwから算出した2,5−ジブトキシ−1,4−フェニレンユニットの繰り返し数nは5.6であり、繰り返し数nの平均は5〜6であると推定される。
<合成参考例3> Mwが1600のポリ(2,5−ジブトキシ−1,4−フェニレン)基を有するホウ酸化合物の合成
反応容器中に、2,5−ジブトキシ−1−ブロモ−4−フェニルホウ酸13.8g、1mol/lの炭酸カリウム水溶液80ml、トルエン200ml、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)400mgを仕込み、アルゴン気流下、95℃で撹拌し、42時間後にフェニルホウ酸4.88gを加え、さらに同温で8時間撹拌して反応を終了した。これ以降は合成参考例2と同様の後処理工程を行い、Mwが1600、Mnが1400、Mw/Mnが1.14のポリ(2,5−ジブトキシ−1,4−フェニレン)を有するホウ酸化合物(以下、「ホウ酸化合物(B)」と略す。)3.3gを得た。Mwから算出した2,5−ジブトキシ−1,4−フェニレンユニットの繰り返し数nは6.9であり、繰り返し数nの平均は6〜7であると推定される。
<合成参考例4>ポリパラフェニレン基を有する2−フェニルピリジンの合成
反応容器中に、合成参考例1で得た2−(4−ブロモフェニル)ピリジン0.7g、合成参考例2で得たホウ酸化合物(A)を1.6g、THF200ml、1mol/lの炭酸カリウム水溶液40ml、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)35mgを仕込み、アルゴン気流下、60〜65℃で24時間撹拌した。反応溶液の有機層と水層とを分離し、有機層を乾燥、濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ジクロロメタン/ヘキサン)で精製し、ポリパラフェニレン基を有する2−フェニルピリジン誘導体(以下、「ピリジン誘導体(C)」と略す。)3.5gを得た。この化合物について、GPCを用いてポリスチレン換算の分子量分布を測定したところ、Mwが1400、Mnが1000であった。
H−NMRスペクトルデータ:CDCl、300MHz)
8.7ppm(d,1H,N−CH=)、8.1ppm(d,2H)、
7.8ppm(m,4H、)、7.6ppm(d,2H)、
7.4ppm(m,2H)、7.3ppm(d,1H)、
7.2ppm(m,1H)、7.0−7.1ppm(m,8H)、
3.9ppm(t,12H,O−CH −)、
1.6−1.7ppm(m、12H,−CH −)、
1.4−1.5ppm(m、12H,−CH −)、
0.9−1.0ppm(t,18H,−CH
<合成参考例5>ポリパラフェニレン基を有する2−フェニルピリジンの合成
合成参考例4における、ホウ酸化合物(A)1.6gに代えて、ホウ酸化合物(B)1.9gを用いた以外は合成参考例4と同様の操作を行い、Mwが1900、Mnが1600、Mw/Mnが1.18の、ポリパラフェニレン基を有する2−フェニルピリジン誘導体(以下、「ピリジン誘導体(D)」と略す。)1.4gを得た。
(1H−NMRスペクトルデータ:CDCl、300MHz)
8.7ppm(d,1H,N−CH=)、8.1ppm(d,2H)、
7.8ppm(m,4H、)、7.6ppm(d,2H)、
7.4ppm(m,2H)、
7.3ppm(d,1H)、7.2ppm(m,1H)、
7.0−7.1ppm(m,6H)、
3.9ppm(t,16H,O−CH −)、
6−1.7ppm(m、16H,−CH −)、
−1.5ppm(m、16H,−CH −)、
0.9−1.0ppm(t,24H,−CH
<合成参考例6> 2,5−ジブトキシフェニルホウ酸の合成
反応容器中にヒドロキノン110g、水酸化カリウム140g、エタノール800mlを仕込み、窒素気流下、還流しながら1−ブロモブタン412gを滴下した。5時間後反応を終了し、反応液にヘキサン800mlを加え、蒸留水100mlで3回洗浄した。有機層を濃縮後、水/メタノールにて再結晶し、1,4−ジブトキシベンゼン136gを得た。
得られた1,4−ジブトキシベンゼン136g、N−ブロモこはく酸イミド109g、ジクロロメタン600ml、酢酸300mlを35℃にて撹拌した。7時間後反応を終了し、反応液から大部分のジクロロメタンを留去した後、ヘキサン800mlを加え、蒸留水300ml、3%炭酸水素ナトリウム溶液250ml、10%水酸化ナトリウム溶液100ml、蒸留水300mlで2回の順に洗浄し、最後にヘキサンを留去した。残査をカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン)にて精製し、2−ブロモ−1,4−ジブトキシベンゼン155gを得た。
次に、2−ブロモ−1,4−ジブトキシベンゼン155g、ジエチルエーテル700mlをアセトン/ドライアイスバス中、アルゴン気流下で撹拌しながら、2.6mol/L N−ブチルリチウム ヘキサン溶液200mlを滴下した。反応液を同バス内で2時間、室温で2時間撹拌した後、再びアセトン/ドライアイスバスにて冷却し、トリメトキシボラン78gのジエチルエーテル溶液200mlを滴下した。反応液を室温で10時間撹拌後、反応液に2mol/L塩酸500mlを加え3時間撹拌した。エーテル層を濃縮し、残査にヘキサン700mlを加えた。生成した沈殿物を濾集し、アセトン500mlに溶解、不溶物を濾過後、アセトンを留去して2,5−ジブトキシフェニルホウ酸58gを得た。
<合成参考例7> 4−ブロモ−2,5−ジブトキシビフェニルの合成
反応容器中にフェニルヒドロキノン55.8g、水酸化カリウム44.8g、エタノール500mlを仕込み、窒素気流下、還流しながら1−ブロモブタン164gを滴下した。6時間後反応を終了し、反応液にヘキサン300mlを加え、蒸留水100mlで3回洗浄した。有機層を濃縮後、残査をカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン)にて精製し、2,5−ジブトキシビフェニル73.6gを得た。
得られた2,5−ジブトキシビフェニル71.2gを酢酸150mlに溶解し、室温で撹拌しながら臭素25gと酢酸35mlの混合溶液を滴下した。攪拌を続け、3時間後に臭素8gを追加し、更に4時間撹拌した。反応後の溶液にヘキサン300mlを加え、蒸留水100ml、2%炭酸水素ナトリウム水溶液100ml、蒸留水100mlで2回の順に洗浄し、最後にヘキサンを留去した。残査をカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン)にてカラム精製し、4−ブロモ−2,5−ジブトキシビフェニル60.6gを得た。
<合成参考例8> 2,5,2',5',2'',5''−ヘキサブトキシ〔1,1',4',1'',4'',1'''〕クオーターフェニルホウ酸の合成
反応容器中に合成参考例6で得た2,5−ジブトキシフェニルホウ酸18.4g、合成参考例7で得た4−ブロモ−2,5−ジブトキシビフェニル20.7g、THF250ml、2mol/L炭酸カリウム水溶液50ml、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)600mgを仕込み、アルゴン気流下、還流しながら24時間反応した。反応液にヘキサン300mlを加え、水層を分離後、有機層を濃縮した。残査をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)にて精製し、2,5,2',5'−テトラブトキシ〔1,1',4',1''〕ターフェニル25.3gを得た。
得られた2,5,2',5'−テトラブトキシ〔1,1',4',1''〕ターフェニル25.3gを酢酸200mlに溶解し、室温で撹拌しながら、臭素9gと酢酸10mlの混合溶液を滴下した。3時間後反応を終了し、反応液にヘキサン250mlを加え、蒸留水100ml、2%炭酸水素ナトリウム水溶液100ml、蒸留水100mlで2回の順に有機層を洗浄した。有機層を濃縮後、カラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)にて精製し、4−ブロモ−2,5,2',5'−テトラブトキシ〔1,1',4',1''〕ターフェニルを得た。
得られた4−ブロモ−2,5,2',5'−テトラブトキシ〔1,1',4',1''〕ターフェニル20.8g、参考例6で得た2,5−ジブトキシフェニルホウ酸13g、THF150ml、2mol/L炭酸カリウム水溶液30ml、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム380mgを還流しながらアルゴン気流下で24時間反応した。反応液にヘキサン300mlを加え、水層を分離後、有機層を濃縮した。残査をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)にて精製し、2,5,2',5',2'',5''−ヘキサブトキシ〔1,1',4',1'',4'',1'''〕クオーターフェニル22.5gを得た。
得られた2,5,2',5',2'',5''−ヘキサブトキシ〔1,1',4',1'',4'',1'''〕クオーターフェニル22.5gを、酢酸100mlとヘキサン50mlの混合溶剤に溶解し、室温で撹拌しながら、臭素5.0gと酢酸10mlの混合溶液を滴下した。3時間後反応を終了し、反応液に酢酸エチル300mlを加え、蒸留水100ml、2%炭酸水素ナトリウム水溶液100ml、蒸留水100mlで2回の順で有機層を洗浄した。有機層を濃縮後、カラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)にて精製し、4−ブロモ−2,5,2',5',2'',5''−ヘキサブトキシ〔1,1',4',1'',4'',1'''〕クオーターフェニル18.8gを得た。
次に、4−ブロモ−2,5,2',5',2'',5''−ヘキサブトキシ〔1,1',4',1'',4'',1'''〕クオーターフェニル18.8g、ジエチルエーテル200mlを、アセトン/ドライアイスバス中、アルゴン気流下で撹拌しながら、1.56mol/L n−ブチルリチウム ヘキサン溶液18mlを滴下した。反応液を同バス内で2時間、室温で2時間撹拌した後、再びアセトン/ドライアイスバスで冷却し、トリメトキシボラン5gのジエチルエーテル溶液10mlを滴下した。反応液を室温で10時間撹拌後、反応液に2mol/L塩酸50mlを加え3時間撹拌した。反応液から有機層を分離し溶剤留去後、カラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン)にて精製し、2,5,2',5',2'',5''−ヘキサブトキシ〔4,1',4',1'',4'',1'''〕クオーターフェニルホウ酸10.4gを得た。
<合成参考例9> 2−(2',5',2'',5'',2''',5'''−ヘキサブトキシクインケフェニル−4−イル)ピリジンの合成
合成参考例8で得た2,5,2',5',2'',5''−ヘキサブトキシ〔4,1',4',1'',4'',1'''〕クオーターフェニルホウ酸10.4g、2−(4−ブロモフェニル)ピリジン2.5g、THF200ml、2mol/L炭酸カリウム水溶液15ml、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム220mgを還流しながらアルゴン気流下で24時間反応した。反応液に酢酸エチル200mlを加え、水層を分離後、有機層を濃縮した。残査をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)にて精製し、2−(2',5',2'',5'',2''',5'''−ヘキサブトキシクインケフェニル−4−イル)ピリジン(以下「ピリジン誘導体(E)」と略す。)13.9gを得た。
<合成参考例10> 2−(2−ベンゾチエニル)ピリジンの合成
反応容器にチアナフテン−2−ホウ酸を1.78g、2−ブロモピリジンを1.55g、THF50ml、1mol/lの炭酸カリウム水溶液10ml、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)12mgを仕込み、アルゴン気流下、60〜65℃で24時間撹拌した。反応溶液の有機層と水層とを分離し、有機層を乾燥、濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:酢酸エチル/ヘキサン)で精製し、2−(2−ベンゾチエニル)ピリジン1.92gを得た。
(1H−NMRスペクトルデータ:CDCl、300MHz)
8.6ppm(d,1H,N−CH=)、
7.8−7.9ppm(m,4H、)、
7.7ppm(t,1H,−CH=)、7.3−7.4ppm(m,2H)、
7.2ppm(t,1H,−CH=)
<合成例1> ポリパラフェニレン基を有する2−フェニルピリジン誘導体を配位子とするイリジウム(III)錯体(A−1)の合成
反応容器中に、合成参考例4で得たMw1400、Mn1000、n数が5.6のピリジン誘導体(C)を1.2g、イリジウムトリス(アセチルアセトナート)440mg、グリセリン20mlを仕込み、窒素気流下、220℃で還流しながら8時間撹拌した。反応液にジクロロメタン200mlを加え、蒸留水50mlで3回洗浄した。ジクロロメタンを濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ジクロロメタン/ヘキサン)で精製し、式(8)で表されるポリパラフェニレン基を有する2−フェニルピリジン誘導体を配位子とするイリジウム(III)錯体(A−1)320mgを得た。この化合物について、GPCを用いてポリスチレン換算の分子量分布を測定したところ、Mwが4500、Mnが3100であった。
H−NMRスペクトルデータ:CDCl、300MHz)
7.9ppm(d,3H,N−CH=)、
7.6−7,8ppm(m,15H)、
7.4−7.5ppm(m,9H、)、7.3ppm(d,3H)、
6.9−7.1ppm(m,40H)、
3.9ppm(m,60H,O−CH −)、
1.6−1.7ppm(m、60H,−CH −)、
1.4−1.5ppm(m、60H,−CH −)、
0.9−1.0ppm(m,90H,−CH
Figure 2004253371
(8)
(式(8)中、nは5〜6を表す。)
<合成例2> 2−(2',5',2'',5'',2''',5'''−ヘキサブトキシクインケフェニル−4−イル)ピリジンを配位子とするイリジウム(III)錯体(A−2)の合成
反応容器中に、合成参考例9で得たピリジン誘導体(E)を8g、トリフルオロ酢酸銀を1.57g、イリジウムトリス(アセチルアセトナート)1.13g、グリセリン30mlを仕込み、アルゴン気流下、220℃で還流しながら8時間撹拌した。反応液を冷却後、反応液にジクロロメタン200mlを加え、蒸留水50mlで3回洗浄した。ジクロロメタンを濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン)で精製し、式(9)で表される2−(2',5',2'',5'',2''',5'''−ヘキサブトキシクインケフェニル−4−イル)ピリジンを配位子とするイリジウム(III)錯体(A−2)3.98gを得た。
(1H−NMRスペクトルデータ:CDCl3、300MHz)
7.9ppm(d,3H)、7.7ppm(d,3H)、
7.7ppm(d,3H)、7.6ppm(d,9H)、
7.4ppm(t,9H)、7.3ppm(t,3H)、
7.0ppm(s,3H)、7.0ppm(s,s,12H)、
6.9ppm(s,3H)、3.9ppm(m,36H)、
1.6−1.7ppm(m、36H)、1.4−1.5ppm(m、36H)、
8−0.9ppm(m,54H)
Figure 2004253371
(9)
<合成例3> ポリパラフェニレン基を有する2−フェニルピリジン誘導体および2−(2−ベンゾチエニル)ピリジンを配位子とするイリジウム(III)錯体(A−3)の合成
合成参考例5で得たMw1900、Mn1600、n数が6.9のピリジン誘導体(D)を0.7g、イリジウムトリクロリド3水和物を71mg、2−エトキシエタノールを20ml、水5mlを仕込み、窒素気流下、120℃で6時間攪拌した。室温に冷却後、1mol/l塩酸50mlを加え、析出した固体を濾別した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ジクロロメタン)で精製し、テトラキス(2−フェニルピリジン−C,N’)(μ−ジクロロ)ジイリジウム(III)誘導体の黄色固体を得た。
次に、得られた黄色固体500mg、合成参考例10で得た2−(2−ベンゾチエニル)ピリジン55mg、ナトリウムメトキシドメタノール溶液(28wt%)0.05ml、クロロホルム20mlを混合し、3時間加熱還流した。室温に冷却後、反応溶液をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ジクロロメタン/ヘキサン)で精製し、式(10)で表されるピリジン誘導体(D)および2−(2−ベンゾチエニル)ピリジンを配位子とするイリジウム(III)錯体(A−3)140mgを得た。この化合物について、GPCを用いてポリスチレン換算の分子量分布を測定したところ、Mwが2800、Mnが2300であった。
H−NMRスペクトルデータ:CDCl、300MHz)
8.1ppm(d,1H,N−CH=)、
7.9ppm(d,1H,N−CH=)、
7.6−7,8ppm(m,13H)、
7.3−7.5ppm(m,11H、)、
6.9−7.1ppm(m,30H)、
6.6−6.9ppm(m,7H)
3.9ppm(m,60H,O−CH −)、
1.6−1.7ppm(m、60H,−CH −)、
1.4−1.5ppm(m、60H,−CH −)、
0.9−1.0ppm(m,90H,−CH
Figure 2004253371

(10)
(式(10)中、nは6〜7を表す。)
<合成例4> 2−(2',5',2'',5'',2''',5'''−ヘキサブトキシクインケフェニル−4−イル)ピリジンおよび2−(2−ベンゾチエニル)ピリジンを配位子とするイリジウム(III)錯体(A−4)の合成
合成例3において、合成参考例5で得たピリジン誘導体(D)0.7gに代えて合成参考例9で得たピリジン誘導体(E)、イリジウムトリクロリド3水和物71mgに代えて同化合物142mgを使用した以外は合成例3と同様の操作を行い、式(11)で表されるピリジン誘導体(E)および2−(2−ベンゾチエニル)ピリジンを配位子とするイリジウム(III)錯体(A−4)160mgを得た。この化合物について、GPCを用いてポリスチレン換算の分子量分布を測定したところ、Mwが2200、Mnが2000であった。
H−NMRスペクトルデータ:CDCl、300MHz)
8.1ppm(d,1H,N−CH=)、
7.9ppm(d,1H,N−CH=)、
7.6−7,8ppm(m,13H)、
7.3−7.5ppm(m,11H、)、
6.9−7.1ppm(m,13H)、
6.6−6.9ppm(m,7H)
3.9ppm(m,24H,O−CH −)、
1.6−1.7ppm(m、24H,−CH −)、
1.4−1.5ppm(m、24H,−CH −)、
0.9−1.0ppm(m,36H,−CH
Figure 2004253371

(11)
<比較合成例1>主鎖にイリジウム(III)錯体ユニットを持つポリパラフェニレン誘導体(B−1)の合成
特開2003−171659号公報に基づき、イリジウムトリスアセチルアセトナート0.642g、2−(4−ブロモフェニル)ピリジン0.41g、2−(フェニル)ピリジン0.54gおよびグリセリン30mlを仕込み、220℃のオイルバスで10時間還流しながら撹拌した。反応液を冷却後、反応液にジクロロメタン200mlを加え、蒸留水50mlで3回洗浄した。ジクロロメタンを濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン)で精製し、得られた画分を約3mlに濃縮した。この濃縮液にメタノール100mlを加えて析出した黄色固体0.3gを濾集した。この黄色固体は、トリス(2−(フェニル)ピリジン)イリジウム(III)錯体(錯体1)、ビス(2−(フェニル)ピリジン)モノ(2−(4−ブロモフェニル)ピリジン)イリジウム(III)錯体(錯体2)、モノ(2−(フェニル)ピリジン)ビス(2−(4−ブロモフェニル)ピリジン)イリジウム(III)錯体(錯体3)、トリス(2−(4−ブロモフェニル)ピリジン)イリジウム(III)錯体(錯体4)の混合物(以下、錯体混合物Aと略す)であった。GPCより、それぞれの比率を求めると、以下の通りであった。
Figure 2004253371
反応生成物のイリジウム濃度が4.3%になるように、1,4−ジブロモ−2,5−ジブトキシベンゼン182mg、2,5−ジブトキシ−1,4−フェニルジボロニックアシッド186mg、錯体混合物A44mg(仕込みに際しては、ビス(2−(フェニル)ピリジン)モノ(2−(4−ブロモフェニル)ピリジン)イリジウム(III)の分子量733を用いた。)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)10mg、THF10ml、2mol/L炭酸カリウム水溶液2mlを仕込み、アルゴン気流下、60〜65℃で24時間撹拌した。反応溶液の有機層と水層とを分離し、有機層を濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:酢酸エチル/ヘキサン)で精製した。目的物の画分を約1mlに濃縮後、残査にメタノール30mlを加え、生成した黄色沈殿を濾集し、主鎖にイリジウム(III)錯体ユニットを持つポリパラフェニレン誘導体(B−1)130mgを得た。この化合物は、イリジウム(III)錯体ユニットとフェニレンユニットがランダム共重合した構造を有する。この化合物について、GPCを用いてポリスチレン換算の分子量分布を測定したところ、Mwが4200、Mnが2900であった。
<実施例1>
片面に厚さ100nmのITO電極層を有する面積が20mm×20mm、厚さが1.1mmのコーニング社製のガラス板「1737」のITO電極層をウシオ電機(株)製エキシマ光照射装置UES20−172にて10分間オゾンエキシマ処理した。
このITO電極層上に次のようにして発光層を成膜した。合成例1で得たイリジウム(III)錯体と電荷輸送材料であるMwが100000のポリ(2−(6−シアノ−6−メチルヘプチルオキシ)−1,4−フェニレン(以下、CN−PPPと略す)を質量比14:86の割合で1,1,2−トリクロロエタンに固形分2%となるように溶解させた溶液をスピンコーターにて100nmの膜厚となるように成膜し、真空乾燥機を用いて真空下110℃で1時間乾燥させた。発光層中のイリジウム原子濃度は0.59%であった。
次に前記発光層上に障壁層として2,9−ジメチル−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリンを真空蒸着した。障壁層の厚さは40nmとした。
このようにして得られたITO、発光層、障壁層が順に積層されたガラス板を、発光面積が2mm×2mmとなるようにシャドウマスクした後、真空蒸着機に入れ、マグネシウム9、銀1の割合となるよう共蒸着し膜厚200nmの負電極層を形成させた。さらに負電極層保護の目的で負電極層の上に銀を厚さ100nmとなるように真空蒸着し有機EL素子Aを得た。
有機EL素子Aの負電極と正電極よりリード線を出した後、窒素ガスで置換したグローブボックス内に入れた。このリード線をケースレー社製の電圧電流測定装置「237ハイ・ボルテージ・ソース・メジャー・ユニット」に接続し、電圧を印加して電流密度・電圧特性を測定した。さらに、トプコン社製色彩輝度計「BM−7」を使用して有機EL素子Aの輝度を、日立社製蛍光光度計「F−4500」を使用して有機EL素子Aの発光スペクトルをそれぞれ測定した。電流密度・電圧・輝度特性および発光スペクトルから、発光波長λmax、最高輝度、外部量子効率を算出した。
その結果、有機EL素子Aは、発光波長λmaxが540nm、最高輝度は7900cd/m、最大外部量子効率が3.1%であった。
<実施例2>
実施例1における発光層の代わりに、合成例1で得たイリジウム(III)錯体とCN−PPPを質量比35:65の割合で1,1,2−トリクロロエタンに溶解させた溶液を使用して発光層を設けたこと以外は、実施例1と同様の操作を行い、有機EL素子Bを得た。発光層中のイリジウム原子の濃度は1.5%であった。有機EL素子Bを実施例1と同様に評価した結果、有機EL素子Bは、発光波長λmaxが540nm、最高輝度は9800cd/m、最大外部量子効率が3.2%であった。
<実施例3>
実施例1における発光層の代わりに、合成例1で得たイリジウム(III)錯体を、1,1,2−トリクロロエタンに固形分3%の濃度となるよう溶解した溶液を使用して発光層を設けたこと以外は、実施例1と同様の操作を行い、有機EL素子Cを得た。発光層中のイリジウム原子濃度は4.3%であった。有機EL素子Cを実施例1と同様に評価した結果、有機EL素子Cは、発光波長λmaxが540nm、最高輝度は12000cd/m、最大外部量子効率が3.4%であった。
<実施例4>
実施例1における発光層の代わりに、合成例2で得たイリジウム(III)錯体を、1,1,2−トリクロロエタンに固形分3%の濃度となるよう溶解した溶液を使用して発光層を設けたこと以外は、実施例1と同様の操作を行い、有機EL素子Dを得た。発光層中のイリジウム原子濃度は6.7%であった。有機EL素子Dを実施例1と同様に評価した結果、有機EL素子Dは、発光波長λmaxが540nm、最高輝度は15000cd/m、最大外部量子効率が3.6%であった。
<実施例5>
実施例1における発光層の代わりに、合成例3で得たイリジウム(III)錯体と電荷輸送材料であるMwが20000であるポリ(N−ビニルカルバゾール)(以下、PVCzと略す)を質量比20:80の割合で固形分3%の濃度となるように1,1,2−トリクロロエタンに溶解させた溶液を使用して発光層を設けたこと以外は、実施例1と同様の操作を行い、有機EL素子Eを得た。発光層中のイリジウム原子の濃度は1.4%であった。有機EL素子Eを実施例1と同様に評価した結果、有機EL素子Eは、発光波長λmaxが587nm、最高輝度は3500cd/m、最大外部量子効率が2.8%であった。
<実施例6>
実施例1における発光層の代わりに、合成例3で得たイリジウム(III)錯体と電荷輸送材料であるMwが20000であるポリ(N−ビニルカルバゾール)(以下、PVCzと略す)を質量比40:60の割合で固形分3%の濃度となるように1,1,2−トリクロロエタンに溶解させた溶液を使用して発光層を設けたこと以外は、実施例1と同様の操作を行い、有機EL素子Fを得た。発光層中のイリジウム原子の濃度は2.8%であった。有機EL素子Fを実施例1と同様に評価した結果、有機EL素子Fは、発光波長λmaxが587nm、最高輝度は4600cd/m、最大外部量子効率が2.9%であった。
<実施例7>
実施例1における発光層の代わりに、合成例3で得たイリジウム(III)錯体を、固形分3%の濃度となるように1,1,2−トリクロロエタンに溶解した溶液を使用して発光層を設けたこと以外は、実施例1と同様の操作を行い、有機EL素子Gを得た。発光層中のイリジウム原子濃度は6.9%であった。有機EL素子Gを実施例1と同様に評価した結果、有機EL素子Gは、発光波長λmaxが587nm、最高輝度は5100cd/m、最大外部量子効率が2.9%であった。
<実施例8>
実施例1における発光層の代わりに、合成例4で得たイリジウム(III)錯体を、1,1,2−トリクロロエタンに固形分3%の濃度となるよう溶解した溶液を使用して発光層を設けたこと以外は、実施例1と同様の操作を行い、有機EL素子Hを得た。発光層中のイリジウム原子濃度は8.8%であった。有機EL素子Gを実施例1と同様に評価した結果、有機EL素子Hは、発光波長λmaxが587nm、最高輝度は6000cd/m、最大外部量子効率が3.0%であった。
<比較例1>
実施例1における発光層の代わりに、イリジウムトリス(2−フェニルピリジン)とCN−PPPを質量比2:98の割合で固形分2%の濃度となるように1,1,2−トリクロロエタンに溶解させた溶液を使用して発光層を設けたこと以外は、実施例1と同様の操作を行い、有機EL素子Iを得た。発光層中のイリジウム原子の濃度は0.59%であった。有機EL素子Iを実施例1と同様に評価した結果、有機EL素子Iは、発光波長λmaxが513nm、最高輝度は4800cd/m、外部量子効率が2.1%であり、最高輝度および最大外部量子効率は実施例1〜4で得られた有機EL素子A〜Dよりも低い値となった。
<比較例2>
実施例1における発光層の代わりに、イリジウムトリス(2−フェニルピリジン)とCN−PPPとを5:95の割合で固形分2%の濃度となるように1,1,2−トリクロロエタンに溶解させた溶液を使用して発光層を設けたこと以外は実施例1と同様の操作を行い、有機EL素子Jを得た。発光層中のイリジウム原子の濃度は1.5%であった。有機EL素子Jを実施例1と同様に評価した結果、有機EL素子Jは、発光波長λmaxが513nm、最高輝度は3700cd/m、最大外部量子効率が1.4%であり、最高輝度および最大外部量子効率は実施例1〜4で得られた有機EL素子A〜Dよりも低い値となった。さらに、有機EL素子Jの最大外部量子効率は、比較例1の有機EL素子Iよりも低い値となり、濃度消光の影響が認められた。
<比較例3>
実施例1における発光層の代わりに、イリジウムトリス(2−フェニルピリジン)とCN−PPPとを質量比14.8:85.2の割合で固形分2%の濃度となるように1,1,2−トリクロロエタンに溶解させた溶液を使用して発光層を設けたこと以外は実施例1と同様の操作を行い、有機EL素子Kを得た。発光層中のイリジウム原子の濃度は4.3%であった。有機EL素子Kを目視観察した結果、イリジウムトリス(2−フェニルピリジン)の結晶が析出し均一な発光層が形成されていなかった。この有機EL素子Kを実施例1と同様に評価したが、電圧を印加すると素子がショートし、最高輝度および最大外部量子効率を測定することができなかった。
<比較例4>
実施例1における発光層の代わりに、比較合成例1で得たイリジウム(III)錯体ユニットを持つポリパラフェニレン誘導体(B−1)を固形分2%の濃度となるように1,1,2−トリクロロエタンに溶解させた溶液を使用して発光層を設けたこと以外は実施例1と同様の操作を行い、有機EL素子Lを得た。発光層中のイリジウム原子の濃度は4.3%であった。有機EL素子Lを実施例1と同様に評価した結果、有機EL素子Lは、発光波長λmaxが535nm、最高輝度は150cd/m、最大外部量子効率が0.9%であり、最高輝度および最大外部量子効率は実施例3で得られた有機EL素子Cよりも著しく低い値となった。これは比較合成例1の化合物がイリジウム錯体ユニットとフェニレンユニットのランダム共重合体であることから、その構造の不規則性に起因するものと考えられる。
<比較例5>
実施例1における発光層の代わりに、ビス(2−(2−ベンゾチエニル)ピリジナート−N,C3’)イリジウム(III)アセチルアセトナート(以下BtpIrと略記する)とPVCzとを5:95の割合で固形分濃度2%となるようにテトラヒドロフランに溶解させた溶液を使用して発光層を設けたこと以外は実施例1と同様の操作を行い、有機EL素子Nを得た。発光層中のイリジウム原子の濃度は1.4%であった。有機EL素子Nを実施例1と同様に評価した結果、有機EL素子Nは、発光波長λmaxが614nm、最高輝度は900cd/m、最大外部量子効率が1.6%であり、最高輝度および最大外部量子効率は実施例5〜8で得られた有機EL素子E〜Hよりも低い値となった。
<比較例6>
実施例1における発光層の代わりに、BtpIrとPVCzとを10:90の割合で固形分2%の濃度となるようにテトラヒドロフランに溶解させた溶液を使用して発光層を設けたこと以外は実施例1と同様の操作を行い、有機EL素子Oを得た。発光層中のイリジウム原子の濃度は2.8%であった。有機EL素子Oを実施例1と同様に評価した結果、有機EL素子Oは、発光波長λmaxが614nm、最高輝度は750cd/m、最大外部量子効率が1.3%であり、最高輝度および最大外部量子効率は実施例5〜8で得られた有機EL素子E〜Hよりも低い値となった。さらに、有機EL素子Oの最大外部量子効率は、比較例6の有機EL素子Nよりも低い値となり、濃度消光の影響が認められた。
<比較例7>
実施例1における発光層の代わりに、BtpIrとPVCzとを25:75の割合で固形分2%の濃度となるようにテトラヒドロフランに溶解させた溶液を使用して発光層を設けたこと以外は実施例1と同様の操作を行い、有機EL素子Pを得た。発光層中のイリジウム原子の濃度は6.9%であった。有機EL素子Pを目視観察した結果、BtpIrの結晶が析出し均一な発光層が形成されていなかった。この有機EL素子Pを実施例1と同様に評価したが、電圧を印可すると素子がショートし、最高輝度および最大外部量子効率を測定することができなかった。
<参考例1>
実施例1において2,9−ジメチル−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリンからなる障壁層を設けなかったこと以外は全て実施例1と同様の操作を行い、有機EL素子Mを得た。発光層中のイリジウム原子の濃度は0.59%であった。有機EL素子Mを実施例1と同様に評価した結果、有機EL素子Mは、発光波長λmaxが540nm、最高輝度は4200cd/m、最大外部量子効率が1.2%であり、最高輝度および最大外部量子効率は実施例1〜4で得られた有機EL素子A〜Dよりも低い値となった。
Figure 2004253371
表2中、Irはイリジウムを表す。Ir(ppy)はイリジウム(III)トリス(2−フェニルピリジン)を表す。BtpIrは、ビス(2−(2−ベンゾチエニル)ピリジナート−N,C’)イリジウム(III)アセチルアセトナートを表す。
本発明の有機EL素子は、表示素子、ディスプレイ、バックライト、照明光源、記録光源、露光光源、読み取り光源、標識、看板、インテリア、光通信等の用途に、好適に使用することができる。


Claims (6)

  1. 透明基板上に形成された正電極層と、負電極層の間に発光層を有する有機エレクトロルミネッセンス素子において、発光層が、一般式(1)で表されるイリジウム(III)錯体からなる燐光発光材料を含有し、且つ、該発光層と負電極層との間に、一般式(2)で表される化合物を含む障壁層を有することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
    Figure 2004253371
    (1)
    (式中、Yは二座配位子を表し、Rは水素原子又は炭素原子数1〜10のアルコキシ基を表し、少なくとも一方はアルコキシ基を表す。nは3〜8の整数を表す。)
    Figure 2004253371

    (2)
    (式中、R、R、R、Rは各々独立して水素又は、炭素数1〜4のアルキル基を表す。)
  2. 前記一般式(1)においてRがブトキシ基である、請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  3. 前記一般式(1)において、nが3又は4である請求項1又は2に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  4. 前記一般式(1)において、Yが一般式(3)で表される配位子、又は一般式(4)で表される配位子である、請求項1〜3のいずれかに記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
    Figure 2004253371
    (3)
    (式(3)中、Rは水素原子又は炭素原子数1〜10のアルコキシ基を表し、少なくとも一方はアルコキシ基を表す、nは3〜8の整数を表す。)
    Figure 2004253371

    (4)
  5. 前記一般式(1)の化合物が式(5)で表されるイリジウム(III)錯体である請求項1記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
    Figure 2004253371
    (5)
  6. 前記一般式(1)の化合物が式(6)で表されるイリジウム(III)錯体である請求項1記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
    Figure 2004253371
    (6)


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