JP2004252858A - 自動車の販売支援装置および方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】一度、設定された仕様を容易に保存、再現できる機能を備えた自動車の販売支援装置等を提供すること。
【解決手段】本発明の自動車の販売支援装置1は、装備選択要求に応答し選択された装備を備えたカスタマイズ車を設定する装置であり、設定可能な全カスタマイズ車のそれぞれに対応し且つ各カスタマイズ車の仕様を特定可能な予備車種コードを記憶する予備車種コード記憶手段10と、設定されたカスタマイズ車に対応する予備車種コードを予備車種コード記憶手段から読み出し、読み出した予備車種コードをカスタマイズ車を設定したユーザと関連付けて記憶する仕様記憶手段12と、クライアント端末から設定されたカスタマイズ車の発注に関する意思表示が行われ設定されたカスタマイズ車に対応する商品指定コードが生成されていないときに設定されたカスタマイズ車を特定する商品指定コードを生成する商品指定コード生成手段と備えている。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車の販売支援装置および方法等に関連し、詳細には、通信回線を介して自動車の販売を支援する自動車の販売支援装置および方法等に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車販売の分野では、インターネット等のネットワークを介して自動車の装備を選択することにより、仮想空間上で、ベース車両を好みの装備を備えた車両(カスタマイズ車)にカスタマイズし、このカスタマイズ車に関する見積の請求、商談の申し込み等をオンラインで行えるようにした、BTO(Build to Order)と呼ばれるシステムが提案されている(例えば「ウエブチューンファクトリー」http://www.w−tune.comを参照)。
【0003】
一方、自動車産業において、生産および物流の管理は、車両の仕様毎に設定されている商品指定コードに基づいて行われている。商品指定コードは、車両の生産管理等に用いられるものであるため、BTOシステムによって設定可能な全てのタイプの仕様候補(カスタマイズ車候補)に対して、予め、設定されるのが望ましい。しかし、商品指定コードは複雑な採番ルールに基づいて設定されるため、選択可能な装備の数の増加によって種類が極めて多くなるカスタマイズ車の候補のそれぞれに対して、商品指定コードを予め設定しておくことは極めて煩雑で手間がかかる。さらに、BTOシステムでは、装備の選択により理論的には設定可能であっても、現実には、ユーザによって設定されない仕様(カスタマイズ車)が大部分であるため、全てのカスタマイズ候補に対して予め商品指定コードを生成しておくことは無駄である。
このため、ユーザが実際にカスタマイズ車を設定し、そのカスタマイズ車の発注を行ったときに、そのカスタマイズ車を特定する商品指定コードを生成するBTOシステムが提案されている。
本発明はこのような技術をもとになされたものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したBTOシステムでは、車両の発注が行われるまでは商品指定コードが設定されないため、設定されたが発注されなかったカスタマイズ車に対しては、商品指定コードが生成されない。即ち、設定されたが発注されなかったカスタマイズ車をコードで特定することができなかった。このため、設定されたが発注されなかった仕様のカスタマイズ車を、再度検討するために、後日、呼び出すことが容易にできず不便であった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、一度、設定された仕様を容易に保存、再現できる機能を備えた自動車の販売支援装置等を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、通信回線を介して接続されたクライアント端末からの装備選択要求に応答し選択された装備を備えたカスタマイズ車を設定し、設定されたカスタマイズ車に関する情報を前記クライアント端末に提示する自動車の販売支援装置であって、前記装備選択要求によって設定可能な全カスタマイズ車のそれぞれに対応し且つ各カスタマイズ車の仕様を特定可能な予備車種コードを記憶している予備車種コード記憶手段と、前記クライアント端末からの保存要求に応答して、前記設定されたカスタマイズ車に対応する予備車種コードを前記予備車種コード記憶手段から読み出し、該読み出した予備車種コードを前記カスタマイズ車を設定したユーザと関連付けて記憶する仕様記憶手段と、前記クライアント端末から前記設定されたカスタマイズ車の発注に関する意思表示が行われ、且つ、前記設定されたカスタマイズ車に対応する商品指定コードが生成されていなかったときには、前記設定されたカスタマイズ車を特定する商品指定コードを生成する商品指定コード生成手段と、を備えていることを特徴とする自動車の販売支援装置が提供される。ここで、「発注に関する意思表示」とは、販売代理店(ディーラ)での価格を請求する「見積依頼」、販売代理店での商談を希望する「商談申込」等を指す。
【0006】
このような構成によれば、設定可能なカスタマイズ車の全てを特定する予備車種コードが予め設定されているので、設定されたが発注に関する意思表示に至らなかったカスタマイズ車は予備車種コードで特定することが可能となる。また、予備車種コードから、カスタマイズ車の仕様(装備内容)を特定可能であるので、設定されたカスタマイズ車の仕様の管理が容易になる。
【0007】
本発明の好ましい態様によれば、前記予備車種コードは、全ての前記選択可能な装備の採否を2進数で表わすことによって生成された2進数の列を、連続ビット列に変換したものである。このような構成によれば、予備車種コードを、選択可能な装備の採否から機械的に生成できるので、設定可能な全カスタマイズに設定しても、作業が繁雑とならない。
【0008】
本発明の他の好ましい態様によれば、前記予備車種コードは自動車のバージョン毎に規定される。即ち、特定の車種がモデルチェンジをすると、ニューモデルに対しては、別の予備車種コードが規定される。
本発明の他の好ましい態様によれば、前記装備間での採否関係を定めるルールが規定されている。ここで採否関係を定めるルールとは、A装備を取り付けた場合にはB装備は干渉により取付け不能となるため、「A装備とB装備とを同時に選択できくする」というような、装備間での選択の可否を定めたルールをである。このような構成によれば、干渉し合う装備の選択が未然に防止される。
【0009】
本発明の他の好ましい態様によれば、前記予備車種コードは、Base64によってエンコードされたものであり、URLエンコードに耐えられるように最終部に文字が付加されている。
本発明の他の好ましい態様によれば、前記装備選択要求によって選択することができる装備の価格が設定されており、前記予備車種コードに基づいて装備の採否を判定し、前記装備選択要求に基づいて設定されたカスタマイズ車の価格を算出する価格算出手段を、さらに、備えている。このような構成によれば、装備を選定する毎に、その時点での車両価格が算出される。
【0010】
本発明の他の態様によれば、通信回線を介して接続されたクライアント端末からの装備選択要求に応答し選択された装備を備えたカスタマイズ車を設定し、設定されたカスタマイズ車に関する情報を前記クライアント端末に提示する自動車の販売支援方法であって、前記装備選択要求によって設定可能な全カスタマイズ車のそれぞれに対応し且つ各カスタマイズ車の仕様を特定可能な予備車種コードを記憶するステップと、前記クライアント端末からの保存要求に応答して、前記設定されたカスタマイズ車に対応する予備車種コードを前記予備車種コード記憶手段から読み出し、該読み出した予備車種コード記憶手段を前記カスタマイズ車を設定したユーザと関連付けて記憶するステップと、前記クライアント端末から前記設定されたカスタマイズ車の発注に関する意思表示が行われ、且つ、前記設定されたカスタマイズ車に対応する商品指定コードが生成されていなかったときには、前記設定されたカスタマイズ車を特定する商品指定コードを生成するステップと、を備えていることを特徴とする自動車の販売支援方法が提供される。
【0011】
本発明の他の態様によれば、通信回線を介して接続されたクライアント端末からの装備選択要求に応答し選択された装備を備えたカスタマイズ車を設定し、設定されたカスタマイズ車に関する情報を前記クライアント端末に提示する自動車の販売支援装置を制御するプログラムであって、前記装備選択要求によって設定可能な全カスタマイズ車のそれぞれに対応し且つ各カスタマイズ車の仕様を特定可能な予備車種コードを記憶させ、前記クライアント端末からの保存要求に応答して、前記設定されたカスタマイズ車に対応する予備車種コードを前記予備車種コード記憶手段から読み出し、該読み出した予備車種コード記憶手段を前記カスタマイズ車を設定したユーザと関連付けて記憶し、前記クライアント端末から前記設定されたカスタマイズ車の発注に関する意思表示が行われ、且つ、前記設定されたカスタマイズ車に対応する商品指定コードが生成されていなかったときには、前記設定されたカスタマイズ車を特定する商品指定コードを生成するように自動車の販売支援装置を制御することを特徴とするプログラムが提供される。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、図面に沿って、本発明の好ましい実施形態の自動車の販売支援装置を含む販売支援システムを詳細に説明する。販売支援システムSは、自動車の購入を希望するユーザが、仮想空間上で、ベース車の装備を好みの装備に変更することによりカスタマイズしていき、最終的に、自分が望む仕様の車両(カスタマイズ車)を設定するBTO機能を備えている。即ち、本実施形態の販売支援装置は、ベース車に装備する複数の装備を取捨選択していくことにより、好みの仕様の自動車(カスタマイズ車)をオーダーメードで設定することができるように構成されている。
【0013】
図1は、販売支援システムSの全体構成を概略的に示す図面である。図1に示されているように、本発明の好ましい実施形態の自動車の販売支援装置として機能するサーバ1と、クライアント端末2と、販売代理店端末4とが、インターネット6に接続されている。サーバ1は、販売支援システムSによって仕様が設定されたカスタマイズ車を生産する自動車メーカのサーバコンピュータであり、クライアント端末2、販売代理店端末4に対するアプリケーション・サーバ等として機能する。サーバ1は、自動車メーカ以外が運営してもよい。
【0014】
クライアント端末2は、インターネットを介してサーバ1との間で情報の授受を行うことができるパーソナルコンピュータ、携帯情報端末または携帯電話等の装置である。販売代理店端末4は、クライアント端末と同様に、インターネットを介してサーバ1との間で情報の授受を行うことができる、自動車を販売する販売代理店(販売会社)に設置されたコンピュータ等である。
クライアント端末2は、自動車の購入を希望するユーザが所有する端末装置であっても、あるいは、販売代理店に設置された端末装置であっても良い。クライアント端末2は、ユーザが操作するものでも、販売代理店のスタッフが操作するものでもよい。さらに、クライアント端末2を販売代理店に設置するときには、販売代理店端末4に、クライアント端末2の機能を持たせる構成でも良い。
【0015】
サーバ1は、価格データベース(DB)8と、購入支援情報データベース(DB)10と、ユーザデータベース(DB)12に接続されている。
価格DB8には、販売代理店毎に設定された、ベース車の価格、ベース車両に取付可能な装備(選択肢)の価格等の価格情報が記憶されている。
購入支援情報DB10には、クライアント端末2に表示される各種画面に関する情報や、ベース車および選定可能な装備(選択肢)に関する情報等が格納されている。
【0016】
本実施形態の販売支援システムSによるBTOでは、まず、ユーザが、購入支援DB10の情報に基づいて、数種類のベース車から好みのベース車を選択する。さらに、このベース車のエンジン、トランスミッション、タイヤ、ステアリングホイール、ブレーキベダル、シフトノブ等の種々の部品(装備)を、好みに応じて、システム側が設定した選択可能な部品(装備)と交換し、好みの仕様のカスタマイズ車を設定することができる。購入支援DB10には、装備相互間の組み合わせの可否に関するルール(例えば、ABSを装備すると、LSDを取付けることができない)も記憶されている。
【0017】
本実施形態では、カスタマイズ車の見積依頼、又は、商談申込等の購入に関する意志決定がなされ、且つ、その仕様のカスタマイズ車を特定する商品指定コードが過去において生成されていない場合には、設定されたカスタマイズ車の仕様を特定する商品指定コードが設定される。このようにして設定された商品指定コードも、その商品指定コードによって特定されるカスタマイズ車の装備内容(仕様)と共に、購入支援情報DB10に記憶される。
【0018】
ユーザDB12には、販売支援システムSにおいて各ユーザが過去に設定したカスタマイズ車に関する情報や、各ユーザに提示されたそのカスタマイズ車の見積価格等が、各ユーザに対して発行されているユーザIDに関連付けて記憶されている。ユーザは、ユーザID等による認証を行うことで、このユーザDB12に格納されている情報にアクセスすることが可能になる。
さらに、本実施形態では、選択可能な装備(選択肢)を組み合わせることによって設定可能な全種類のカスタマイズ車のそれぞれと一意的に対応する予備車種コードが購入支援情報DB10に記憶されている。装備を選択することによって特定のカスタマイズ車を設定したユーザが、そのカスタマイズ車の仕様を保存すること望むときには、そのカスタマイズ車を特定する予備車種コードが、そのユーザに対して発行されているユーザIDに関連付けられてユーザDB12に記憶される。
【0019】
サーバ1は、進捗管理コンピュータ14に通信回線によって接続されている。進捗管理コンピュータ14は、見積価格の提供から商談・契約に至るまでの進捗状況を管理すると共に、商品指定コードによって発注を行うコンピュータである。この進捗管理コンピュータ14は、専用線で販売代理店端末4が接続されている。
進捗管理コンピュータ14は、社内LAN等のネットワーク16を介して、生産管理コンピュータ18、および、物流管理コンピュータ20に、互いにアクセス可能に接続されている。生産管理コンピュータ18は、販売支援システムSにより発注されたカスタマイズ車の組み立て状況等を管理するコンピュータであり、商品指定コードに対応する生産管理コードに基づいて、組み立て状況等を管理するように構成されている。物流管理コンピュータ20は、組み立てられたカスタマイズ車の搬送状況等を管理するコンピュータであり、商品指定コードに対応する物流管理コードに基づいて、車両の搬送状況等を管理するように構成されている。
【0020】
図2は、販売支援システムSにおいて実行される処理の体系を示すブロック図であり、各ブロックは、サーバ1が実行する処理の一単位(処理モジュール)である。これらの処理プログラムは、サーバ1の記憶装置等に予め記憶されている。尚、処理を実行させるプログラムは、例えばCD−ROM等の記録媒体(図示省略)に記録されることもあり、この場合は、サーバ1が、この記録媒体に記録されたプログラムを読みとることによって、このサーバ1が各処理を実行する。
【0021】
次に、各処理モジュールの機能について概説する。
イニシャル処理(M1):販売支援システムSの初期画面をクライアント端末2に提供する処理である。
車両仕様選定処理(M2):クライアント端末2を操作するユーザに、予め用意された選択肢の中から所望の選択肢を選択する操作を繰り返し実行させることにより、ベース車に好みの装備を取り付け、所望のカスタマイズ車を設定できるようにする処理である。
カスタマイズ車記憶処理(M3):ユーザの要求に応じて、確定したカスタマイズ車の仕様を、そのカスタマイズ車の仕様を特定する予備車種コードと関付けてユーザDB12に記憶させる処理である。
見積依頼処理(M4):ユーザの要求に応じて、販売代理店に対して、仕様が確定したカスタマイズ車の販売価格の見積を依頼する処理である。
商談申し込み処理(M5):仕様が確定したカスタマイズ車に関する商談をユーザが希望する場合、その旨を販売代理店に報知する処理である。
購入検討確認処理(M6):クライアント端末2のユーザが、カスタマイズ車の情報をユーザDB12に記憶させていたり、既に見積依頼をしていたり、既に商談を申し込んでいる場合に、そのユーザに対して、過去に設定したカスタマイズ車に関する情報や、過去の見積価格等を提供する処理である。
納期照会処理(M7):カスタマイズ車を発注したユーザ(ユーザ)に対して、そのカスタマイズ車の製造状況および納期を報知する処理である。
インストラクション処理(M8):販売支援システムSの利用方法や各種機能をユーザに説明する処理である。
【0022】
次に、サーバ1のCPUにより実行される処理を具体的に説明する。
図3は、イニシャル処理(M1)が表示するホーム画面A−1を例示する図であり、このホーム画面A−1は、クライアント端末2が本システムSのサイトにアクセスしたときに、上記クライアント端末2に表示される画面である。
図2に示されているように、この表示画面には、複数の操作ボタンが表示されており、「このサイトについて」又は「ご購入手順」の操作ボタンが操作されたときには、上記インストラクション処理(M8)の機能により、クライアント端末2に、所定の説明画面が表示される。また、「ご購入検討一覧」の操作ボタンが操作されたときには、クライアント端末2に対して、購入検討確認処理(M6)が行われる。さらに、「ご購入車両納期照会」の操作ボタンが操作されたときには、クライアント端末2に対して、納期照会処理(M7)が行われる。
【0023】
また、ホーム画面A−1において、カスタマイズしたいベース車として例示されている車種A(スポーツタイプ)、又は、車種B(ワゴンタイプ)の写真部分がクリックされたときには、クライアント端末2に対して、車両仕様選定処理(M2)が開始され。
この車両仕様選定処理では、ユーザが、選択したベース車の所定の装備(例えば16005MTのエンジン・トランスミッション)を、所定の選択肢(例えば、16004AT、または、18006MT)と交換(選択)して、ベース車の内容を変更(カスタマイズ)していくことができる。すなわち、ベース車に予め設定されていた各種の装備を、ユーザの選択操作により、他のタイプの装備に置き換えたり、或いは、ベース車には設定されていない装備(オプション装備)を追加することができる。
【0024】
図4は、車両仕様選定処理(M2)が表示する車両仕様選定画面B−1の一例を示している。この車両仕様選定画面B−1では、中央に、現在選択されている装備内容を備えた車両の外観および運転席まわりの写真が表示される。また、上部に、現在の装備内容の車両価格が表示される。さらに、下部に、「startモデル変更」、「01カラー」、「02メカニズム」、「03タイヤ」、「04エクステリア」、「05シート」、「06インパネ」、「07インテリア」、「08オーディオ」および「Finish」のカスタマイズボタンが設定されている。
【0025】
「Startモデル変更」をクリックすることにより、ベース車の他候補が表示され、ベース車を変更することができる。また、「01カラー」をクリックすることにより、図4に示されているように、選択可能なボディカラー(スプラッシュグリーンマイカ、ガーネットレッドマイカ、グレースグリーンマイカなど)がカラーサンプルと共に表示され、ユーザがいずれかを選択すると、画面中央の車両のボディカラーが選択した色にペイントされる。
【0026】
また、「02メカニズム」をクリックすると、この項目「02メカニズム」内で選択可能な装備のタイトル、例えば、「エンジン&トランスミッション」、「シャーシ」等が表示され、さらに「エンジン&トランスミッション」をクリックすることにより、選択可能なエンジンとトランスミッションの組合わせ、例えば「16004AT」、「18005MT」、「18006MT」等が表示される。ユーザは、これらの選択肢の中から、好みのエンジンを選択する。この選択を反映して、上部の車両価格が変更される。このようにして、他の装備、「タイヤ」、「シート」、「オーディオ」等を選択していく。画面上の車両の写真および価格は、選択内容を反映して、逐次変更される。
【0027】
カスタマイズが終了(カスタマイズ車が確定)すると、左上の保存をクリックすることにより、設定(確定)したカスタマイズ車(仕様)を一意的に特定する予備車種コードと該ユーザのID等とが関連づけられてユーザDB12に記憶されるカスタマイズ車記憶処理(M3)が実行される。
【0028】
また、「Finish」をクリックすることより、販売代理店での販売価格を求める「見積請求」、販売代理店での商談を申し込む「商談申込」を選択できる画面が表示される。「見積請求」の操作ボタンを操作したときには、上記見積依頼処理(M4)が開始され、「商談申込」の操作ボタンを操作したときには、商談申し込み処理(M5)が開始される。
【0029】
サーバ1では、見積依頼処理(M4)又は商談申し込み処理(M5)のいずれかを実行するときは、商品指定コード設定処理を実行する。これにより、仕様選定処理において設定されたカスタマイズ車と選択肢が同じ仕様に対して商品指定コードが設定されていないときには、設定された(確定した)カスタマイズ車(選択肢の組み合わせ即ち仕様)に対して新たな商品指定コードが設定される。
【0030】
このように、カスタマイズ車記憶処理(M3)では、設定されたカスタマイズ車両が予備車種コードと関連付けて記憶する処理が実行され、見積依頼処理(M4)又は商談申込処理(M5)では、商品指定コードでカスタマイズ車を特定して記憶する処理が実行される。すなわち、見積依頼、又は、商談申し込みなどの「発注に関する意思表示」が行われると、必要に応じて、新たな商品指定コードが設定される。
【0031】
次に、予備車種コードの生成について説明する。この予備車種コードは、上述したように、選択可能な装備(選択肢)を組み合わせることによって設定可能な全てのカスタマイズ車のそれぞれを一意的に特定できる(対応する)コードであり、予め生成されて販売支援情報DB10に記憶されている。
本実施形態では、図5に一部が示されているような、選択可能な仕様単位を定義した表が作成されている。予備車種コードは、この表に基づいて生成される。
【0032】
この表では、まず、選択可能なベース車、即ち、NB13をベースとしたN082というベース車(車両価格1、890、000円)と、NB13をベースとしたN083というベース車(車両価格1、980、000円)が、上二段に配置されている。図5の例のカスタマイズ車では、「N082」がベース車として選択されているので、N082の段のビット列に、採用を示す「1」が設定される。従って、他方のベース車両(N083)を規定する2段目のビット列には、不採用を示す「0」が設定される。
【0033】
次の3段では、「エンジンとトランスミション」の採否が定義される。このカスタマイズ車の例では、「16004AT」が採用されているので、この装備に対応するビット列に「1」が、他のエンジンに対応するビット列に「0」が設定されている。このように、同一部品に関しては、ビット列に択一的に「1」、「0」が設定される。従って、「16004AT」に換えて、「18006MT」が選択されたカスタマイズ車では、「16004AT」に対応する3段目のビット列に「0」が、「18006MT」に対応する5段目のビット列に「1」が設定されることになる。
【0034】
さらに、次の2段は、ABSの採否を定義しており、このカスタマイズ車では、ABSは選択されていないので、ABS装着を示す項のビット列に「0」が、ABS非装着を示す項のビット列に「1」が設定されている。さらに、シート、ステアリング等の装備品、他のオプションについても採否を応じて、「0」、「1」が設定される。
このように、全ての装備(選択肢)に関する項のビット列に、その装備(選択肢)の採否に応じて「0」、又は、「1」を設定することにより、特定の仕様のカスタマイズ車を一意的に示す、ビット列(例えば、1010001001101……)が設定される。このビット列をBase64によりエンコードし、さらに、最終部に文字を付加することにより、図6に示されているような、文字列からなる予備車種コードが生成される。
【0035】
このような予備車種コードが、選択可能な、ベース車および装備の組み合わせにより設定可能な全てのカスタマイズ車(仕様)のそれぞれについて、予め設定され記憶されている。また、自動車がモデルチェンジをして異なったバージョンとなると、予備車種コードも異なったバージョンに対応したものが新たに設定される。
【0036】
図5に示されているように、この表で、各装備は、その価格と関連付けられているので、各装備に採否に基づくビット列に基づく予備車種コードは、各装置の採否およびカスタマイズ車の価格を間接的に反映していることになる。また、このような予備車種コードは、機械的に生成できるため、生成、処理等が極めて容易である。
【0037】
また、本実施形態の販売支援システムSは、図7の表に一部が示されているような、装備相互間の組み合わせの採否関係を定義するルールを備えている。本実施形態では、このルールは、購入支援情報DB12に記憶されている。このルールには、例えば、「def」、「com」、「req」、「not」等のタイプがある。「def」であり、図7の表の第1段目では、「ベース車はN082モデルにMNA、LQX、AOB等のオプションを装着したもの」であるとして、ベース車の装備内容を規定している。
【0038】
また、「com」は絶対条件であり、図7の表の第2段目では、「モデルN082は1600ATのABSなし」であることを規定している。さらに、「req」は選択条件であり、図7の表の第6段目では、「ユニットABSは16005MTに装着可能」であることを規定している。さらに、「not」は否定条件であり、図7の表の第9段目では、「オプションLQXを装着すればABCは装着不可」であることを規定している。
本実施形態では、ユーザが、車両仕様選定処理で装備を選択する毎に、このようにして規定されている採否のルールが参照され、ユーザが選択した装備が装着できないと判定されたときには、その旨の警告が表示される。
【0039】
次に、ユーザが販売支援システムSを用いてカスタマイズを行うときにサーバ1で行われる処理の一例を、図8のフローチャートに沿って説明する。
処理が開始されると、まず、ステップS1で、ユーザが選択仕様を設定済みであるか否か、即ち、ユーザが装備の選択を行ったか否かが判定される。カスタマイズを開始したユーザが最初にベース車を選択したとき、選択したベース車に対し装備の変更(追加等)を行ったときは、YESとなる。例えば、N082をベース車として選択したとき、ステアリングホイールをベース車のステアリングホイールから他のステアリングホイールに変更したとき等である。
【0040】
ステップS1で、YESのときには、ステップS2に進み、ステップS1で選択された装備内容を備えたカスタマイズ車(仕様)に対応する予備車種コードが呼び出され、ステップS3に進む。
一方、ステップS1でNOのときには、ステップS3に進み、予備車種コードの読み出し要求があったか否かが判定される。以前にカスタマイズ車を設定したことがあるユーザが再度、このシステムを利用し、以前に設定して保存したカスタマイズ車(仕様)を呼び出すことを要求しているか否かが判定される。ステップS3でYESのときには、ステップS4に進み、そのユーザのユーザIDと関連付けて保存されている予備車種コードに基づいて、そのユーザが以前に設定したカスタマイズ車(仕様)が特定され詳細が読出される。
【0041】
ステップS2又はステップS4の処理が終了すると、ステップS5に進み、予備車種コードに基づいて、その予備車種コードで特定されるカスタマイズ車の画像と価格をクライアント端末に表示させる。価格は、予備車種コードに基づいて、各装備の採否を判定して算出するのが好ましい。ユーザはこの表示を見て、他の装備の選択肢(例えば、選択可能なタイヤ)の表示を求める操作を行う。ユーザからのこの操作に応答して、ステップS6で、装備間の採否のルール(図7)を参酌して、現在設定されているカスタマイズ車(仕様)に装着可能な装備(例えば、タイヤ)の選択肢(例えば、185/55R15、195/50R16等)を写真と共にクライアント端末2の画面に表示する。ユーザは、表示された選択肢から好みの装備(好みのタイヤ)を選択し決定する(選択要求)。この操作に応答し、サーバ1は、B−1(図5)上の車両の写真を選択された装備を装着した状態に変更するとともに、画面上の車両価格を、選択された装備の価格を反映した価格に変更する。
【0042】
次いで、ステップS7に進み、現在、設定されているカスタマイズ車(仕様)の保存が要求されているかを判定する。システムを利用するユーザが、保存ボタンをクリックしたときにYESとなる。ステップS7でYESのときには、ステップS8に進み、現在、設定されているカスタマイズ車(仕様)に対応する予備車種コードを、そのユーザが設定したカスタマイズ車(仕様)を特定するコードとしてそのユーザのユーザIDと関連付けて記憶する。この処理により、このユーザが、後日、このカスタマイズ車(仕様)を呼び出すことを求めたとき、ユーザIDと予備車種コードとに基づいて、カスタマイズ車(仕様)を容易に再現できる。
【0043】
ステップS7でNOのとき、および、ステップS8の処理を終了すると、ステップS9に進み、見積請求(M4)又は商談申込(M5)があったか否かを判定する。ステップS9でYESのときには、ステップS10に進み、見積依頼又は商談申込の対象となるカスタマイズ車と、同じ仕様の車両に対して、商品指定コードが既に設定されているか否かを判定する。
【0044】
ステップS10でNOのときには、ステップS11に進み、そのカスタマイズ車(仕様)を特定するための商品指定コードを、購入支援情報DB12に格納されている商品指定コードの採番ルールに基づいて設定し、購入支援情報DB12に、その仕様(選択肢の組み合わせ)を、設定した商品指定コードと対応付けて格納する。
【0045】
ステップS10でYES、または、ステップS11の処理を終えたときには、ステップS12で、生産管理コンピュータ18に対して、ステップS11で設定した商品指定コードを提供して、この商品指定コードに対応する生産管理コードを設定させると共に、物流管理コンピュータ20に対しても、設定した商品指定コードを提供して、この商品指定コードに対応する物流管理コードを設定させる。また、設定した商品指定コードに係る個別仕様車の税金の額を算出し、これを、上記商品指定コードと対応付けて、上記価格DB11に格納する。
本発明は、上記実施形態に限定されることなく、特許請求の範囲に記載された技術事項の範囲内で種々の変更又は変形が可能である。
【0046】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、一度、設定された仕様を容易に保存、再現できる機能を備えた自動車の販売支援装置等を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好ましい実施形態の自動車の販売支援装置を含む販売支援システムの全体構成を概略的に示す図面である。
【図2】販売支援システムにおいて実行される処理の体系を示すブロック図である。
【図3】販売支援システムにおいて実行されるイニシャル処理で表示される画面A−1の一例である。
【図4】販売支援システムにおいて実行される車両仕様選定処理で表示される車両仕様選定画面の一例である。
【図5】選択可能な仕様単位を定義した表の一部分である。
【図6】予備車種コードの一例である。
【図7】選択可能な装備相互間の組み合わせの採否関係を定義するルールの表である。
【図8】BTOが行われるときにサーバで行われる処理の一例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
S:販売支援システム
1:サーバ
2:クライアント端末
4:販売代理店端末
8:価格データベース(DB)
10:購入支援情報データベース(DB)
12:ユーザデータベース(DB)

Claims (8)

  1. 通信回線を介して接続されたクライアント端末からの装備選択要求に応答し選択された装備を備えたカスタマイズ車を設定し、設定されたカスタマイズ車に関する情報を前記クライアント端末に提示する自動車の販売支援装置であって、
    前記装備選択要求によって設定可能な全カスタマイズ車のそれぞれに対応し且つ各カスタマイズ車の仕様を特定可能な予備車種コードを記憶している予備車種コード記憶手段と、
    前記クライアント端末からの保存要求に応答して、前記設定されたカスタマイズ車に対応する予備車種コードを前記予備車種コード記憶手段から読み出し、該読み出した予備車種コードを前記カスタマイズ車を設定したユーザと関連付けて記憶する仕様記憶手段と、
    前記クライアント端末から前記設定されたカスタマイズ車の発注に関する意思表示が行われ、且つ、前記設定されたカスタマイズ車に対応する商品指定コードが生成されていなかったときには、前記設定されたカスタマイズ車を特定する商品指定コードを生成する商品指定コード生成手段と、
    を備えていることを特徴とする自動車の販売支援装置。
  2. 前記予備車種コードは、全ての前記選択可能な装備の採否を2進数で表わすことによって生成された2進数の列を、連続ビット列に変換したものである、
    請求項1に記載の自動車の販売支援装置。
  3. 前記予備車種コードは自動車のバージョン毎に規定される、
    請求項2に記載の自動車の販売支援装置。
  4. 前記装備間での採否関係を定めるルールが規定されている、
    請求項1ないし3のいずれか1項に記載の自動車の販売支援装置。
  5. 前記予備車種コードは、Base64によってエンコードされたものであり、URLエンコードに耐えられるように最終部に文字が付加されている、
    請求項1ないし4のいずれか1項に記載の自動車の販売支援装置。
  6. 前記装備選択要求によって選択することができる装備の価格が設定されており、
    前記予備車種コードに基づいて装備の採否を判定し、前記装備選択要求に基づいて設定されたカスタマイズ車の価格を算出する価格算出手段を、さらに、備えている、
    請求項2ないし5のいずれか1項に記載の自動車の販売支援装置。
  7. 通信回線を介して接続されたクライアント端末からの装備選択要求に応答し選択された装備を備えたカスタマイズ車を設定し、設定されたカスタマイズ車に関する情報を前記クライアント端末に提示する自動車の販売支援方法であって、
    前記装備選択要求によって設定可能な全カスタマイズ車のそれぞれに対応し且つ各カスタマイズ車の仕様を特定可能な予備車種コードを記憶するステップと、
    前記クライアント端末からの保存要求に応答して、前記設定されたカスタマイズ車に対応する予備車種コードを前記予備車種コード記憶手段から読み出し、該読み出した予備車種コード記憶手段を前記カスタマイズ車を設定したユーザと関連付けて記憶するステップと、
    前記クライアント端末から前記設定されたカスタマイズ車の発注に関する意思表示が行われ、且つ、前記設定されたカスタマイズ車に対応する商品指定コードが生成されていなかったときには、前記設定されたカスタマイズ車を特定する商品指定コードを生成するステップと、
    を備えていることを特徴とする自動車の販売支援方法。
  8. 通信回線を介して接続されたクライアント端末からの装備選択要求に応答し選択された装備を備えたカスタマイズ車を設定し、設定されたカスタマイズ車に関する情報を前記クライアント端末に提示する自動車の販売支援装置を制御するプログラムであって、
    前記装備選択要求によって設定可能な全カスタマイズ車のそれぞれに対応し且つ各カスタマイズ車の仕様を特定可能な予備車種コードを記憶させ、
    前記クライアント端末からの保存要求に応答して、前記設定されたカスタマイズ車に対応する予備車種コードを前記予備車種コード記憶手段から読み出し、該読み出した予備車種コード記憶手段を前記カスタマイズ車を設定したユーザと関連付けて記憶し、
    前記クライアント端末から前記設定されたカスタマイズ車の発注に関する意思表示が行われ、且つ、前記設定されたカスタマイズ車に対応する商品指定コードが生成されていなかったときには、前記設定されたカスタマイズ車を特定する商品指定コードを生成するように、
    自動車の販売支援装置を制御することを特徴とするプログラム。
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