JP2004252271A - 書換え可能の画像表示媒体の製造方法 - Google Patents

書換え可能の画像表示媒体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】画像表示媒体を収容する高強度の現像剤収容セルを製造するための生産性良好な方法を提供する。
【解決手段】基板11、12と、該基板間に現像剤収容セル14を提供する基板間の仕切り壁13と、セル14に収容される乾式現像剤DLとを備え、画像観察側基板として仕切り壁13及びセル14を有する基板11及び反対側基板12を準備し、仕切り壁13の頂面に接着材料15を配置し、その後にセル14に現像剤DLを収容し、次いで反対側基板12を接着材料15にて貼り合わせる。接着材料15としては現像剤DLに対し非タック性を示し得るものを採用し、現像剤収容工程は接着材料15が非タック性を示す状態で実施し、基板貼り合わせ工程は接着材料15が接着性を発現する状態で実施する。接着剤はドット状等の不連続パターンで行うことが好ましい。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は画像表示媒体、特に再使用できる、書換え可能の画像表示媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在ワードプロセッサ、パソコン等の作業における画像表示或いは出力の方法として、ディスプレイによる表示かプリンタによる印字表示の方法がある。ディスプレイによる表示は一般に解像度が低く、文字主体のテキスト文書の表示には不向きであり、また発光型表示のため長時間作業では非常に眼が疲れやすい。一方、プリンタによる印字画像は高解像度で反射型表示のため目にはやさしい。このため一時的に見れば足りるようなドキュメントであってもプリンタで出力することが非常に多い。
【0003】
しかし、プリンタは電気代が高くつき、印字用紙等の消耗品が必要でランニングコストが高くつく。最近では環境負荷低減指向によりプリンタが消費するエネルギーの削減や、紙等の消費量の削減が求められている。にも拘らず、一時的に見れば足りるようなものでも、プリンタ等で用紙に画像が出力表示され、一旦見られるとすぐに不要になり廃棄される場合が多い。
【0004】
そのため最近では再使用できる書換え可能の画像表示媒体が研究され、種々提案されるに至っている。
そのような画像表示媒体として、一対の基板間に乾式現像剤を内包し、該現像剤を構成する現像粒子を電界を印加することで移動させて画像表示できる粒子移動型の書換え可能の画像表示媒体が提案されている。
【0005】
かかる粒子移動型画像表示媒体として、特開2001−290179号公報及び特開2002−296622号公報は、一対の基板間に乾式現像剤を内包し、該乾式現像剤として互いに帯電極性の異なる、且つ、互いに光学的反射濃度の異なる少なくとも2種類の、相互に摩擦帯電性を有する現像粒子を含むものを採用し、画像に対応する電界を印加して該2種類の現像粒子を相対的に反対方向へ移動させることで画像を表示する画像表示媒体を開示している。
【0006】
また、「Japan Hardcopy ’99 論文集 PP249 〜252 」は、電極と電荷輸送層とを積層した2枚の基板を所定間隔をおいて対向させて密封空間を形成し、該空間の中に導電性トナー及びこれと色の異なる絶縁性粒子とを封入し、静電場を付与して導電性トナーに電荷注入して帯電させ、該導電性トナーをクーロン力で移動させて画像表示する画像表示媒体を開示している。
【0007】
このような粒子移動型の画像表示媒体の製造は、通常、一対の基板のうち一方の基板として現像剤収容セルを提供する仕切り壁を有する基板を準備し、該基板上の現像剤収容セルに現像剤を収容した後、他方の基板を接着剤を用いて該仕切り壁に貼り合わせるか、或いは該一方の基板上の仕切り壁の頂面に接着剤を塗布した後、現像剤収容セルに現像剤を収容し、その後他方の基板を仕切り壁頂面上の接着剤を用いて該仕切り壁に貼り合わせる方法がとられる。
【特許文献1】特開2001−290179号公報
【特許文献2】特開2002−296622号公報
【非特許文献1】Japan Hardcopy ’99 論文集 PP249 〜252
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、セルに現像剤を収容したのち他方の基板を貼り合わせるという前者方法においては、(i)セルに現像剤が収容された状態で接着剤が仕切り壁の頂面に塗布され、この接着剤により他方の基板が貼り合わされるか、或いは(ii)セルに現像剤が収容された状態で、貼り合わせ面に接着剤が塗布された他方の基板が貼り合わされる。
【0009】
この場合、いずれにしても、現像剤の一部が接着剤に捕捉され、良好な画像表示のために移動可能であるべきセル内現像剤量が減少し、これに対しては現像剤を余分目に収容しなければならないが、それでは良好な画像を表示するための収容現像剤量の確定が困難であるとともに現像剤消費が多くなってしまう。
【0010】
仕切り壁頂面に接着剤を塗布する場合には、その頂面のみに接着剤を塗布すればよいが、表示すべき画像の解像度等の点から、実際には仕切り壁幅やセル幅等は微細なものであり、仕切り壁頂面に接着剤を塗布するとき、接着剤の所謂膜引き、仕切り壁側面等への回り込み等が生じ、このように膜引き、回り込みした接着剤により現像剤が捕捉される。たとえ頂面のみに接着剤を塗布することができたとしても、その作業はきわめて精緻な塗布位置、塗布量等の制御を伴い、きわめて生産性の悪いものとなる。
【0011】
また、仕切り壁頂面に接着剤を塗布した後、セルに現像剤を収容し、その後他方の基板を貼り合わせる前記後者の方法においても、接着剤の所謂膜引き、仕切り壁側面等への回り込み等が生じ、このように膜引き、回り込みした接着剤により現像剤が捕捉され、画像表示のために移動可能であるべきセル内現像剤量が減少するうえ、仕切り壁頂面上の接着剤にも現像剤が捕捉され、これが他方の基板と仕切り壁相互の接着強度を低下させるという問題がある。
【0012】
特開2002−296622号公報は、接着剤として接着性発現温度が現像剤の軟化温度より低いホットメルト接着剤や反応型ホットメルト接着剤を用いることを開示しているが、かかる接着剤は前記他方の基板の貼り合わせ面に全面的に塗布され、基板の貼り合わせ時にはやはり現像粒子が該他方の基板面上の接着剤へ付着し易いうえ、接着剤が仕切り壁の側面へ大きく垂れやすく、これにも現像粒子が付着するので、セル内の移動可能な現像剤量低減抑制のうえでは満足できるものではない。また、画像表示上無い方が好ましい接着剤膜が基板面に形成されることにもなる。
【0013】
そこで本発明は、一対の基板と、該基板間に現像剤収容セルを提供する該基板間に設けられた仕切り壁と、該現像剤収容セルに収容された乾式現像剤とを備え、該現像剤に表示すべき画像に対応した電界を印加することで該乾式現像剤を構成する現像粒子を移動させて画像表示できる書換え可能の画像表示媒体の製造方法であって、該画像表示媒体を、現像剤収容セル内における移動可能な現像剤量が画像形成のための、過不足の抑制された量に維持されるとともに、強度低下が抑制される状態で、生産性良好に製造できる方法を提供することを課題とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するため本発明は、
一対の基板と、該基板間に現像剤収容セルを提供する該基板間に設けられた仕切り壁と、該現像剤収容セルに収容された乾式現像剤とを備え、該現像剤に表示すべき画像に対応した電界を印加することで該乾式現像剤を構成する現像粒子を移動させて画像表示できる書換え可能の画像表示媒体の製造方法であり、
前記一対の基板のうち一方の基板として前記仕切り壁及び前記現像剤収容セルを有する基板を準備する工程と、
前記一対の基板のうち他方の基板を準備する工程と、
前記一方の基板上の前記仕切り壁の頂面に接着材料を配置する接着材料配置工程と、
前記仕切り壁頂面に接着材料が配置された前記一方の基板上の現像剤収容セルに前記乾式現像剤を収容する現像剤収容工程と、
前記現像剤収容セルに乾式現像剤が収容された前記一方の基板における前記仕切り壁に、該仕切り壁頂面に配置された前記接着材料にて前記他方の基板を貼り合わせる基板貼り合わせ工程とを含み、
前記接着材料として、該現像剤に対し非タック性を示し得るものを採用し、前記現像剤収容工程は、該接着材料が該非タック性を示す状態で実施し、前記基板貼り合わせ工程は、該接着材料が前記仕切り壁と他方の基板相互の接着性を発現する状態で実施する書換え可能の画像表示媒体の製造方法。
【0015】
なお、本明細書において「非タック性を示す」とは、換言すれば「タック性を示さない」ことであり、それは現像粒子が接着材料に付着することがないと言える状態は勿論のこと、たとえ付着することがあっても、振動を与えたり、ブラシで掃く、ブレードでこすり取るなどして容易に取り除くことができる状態も指している。例えば、「非タック性」として、人が指で触ってもベタ付感がない程度の状態を挙げることができる。
【0016】
本発明の画像表示媒体の製造方法によると、現像剤を現像剤収容セルに収容する前に該セルを提供している一方の基板上の仕切り壁の頂面に接着材料が配置され、該接着材料が現像剤に対し非タック性を示す状態下に現像剤が該セルに収容され、その後に、該接着材料の接着性発現状態下に他方の基板が貼り合わされる。
【0017】
従って、現像剤収容工程において現像剤が仕切り壁頂面に配置された接着材料へ付着することを十分抑制することができるとともに他方の基板を強固に仕切り壁へ貼り合わせることができる。これにより現像剤収容セル内における移動可能な現像剤量が画像形成のための、過不足の抑制された量に維持されるとともに、強度低下(特に仕切り壁と他方の基板相互の接着強度低下)が抑制される。
【0018】
また、接着材料は仕切り壁頂面に配置され、その場合、完全にその頂面のみに配置されることがもっとも好ましいが、少しぐらい仕切り壁側面等への回り込みや、仕切り壁頂面間の膜引き状態が生じたとしても、かかる接着材料が非タック性を示す状態下に現像剤がセルへ収容されるので、現像剤が接着剤に捕捉されることを十分抑制できる。
【0019】
また、該接着材料の接着性発現下に他方の基板が貼り合わされるときに、該膜引きしたり、回り込んだ接着材料に現像剤の一部が捕捉されることがあり得るとしても、かかる膜引きしたり、回り込んだ接着材料の量は少ないものであるとともに、普通には、仕切り壁頂面を上方へ向け、現像剤をそれより下方へ集めた状態で他方の基板の貼り合わせが行われるから、かかる現像剤の捕捉量は無視できる程度のものにすぎない。
【0020】
従って、接着材料を仕切り壁頂面に配置する作業において、接着材料を該頂面のみに精度よく配置する必要はなく、比較的ラフに配置できるから、それだけ生産性良好に画像表示媒体を製造することができる。
【0021】
この点本発明は、接着材料の膜引き量や回り込み量をできるだけ低減するために、接着材料の仕切り壁頂面への配置をドット状等の不連続パターンで行う前記画像表示媒体の製造方法も提供する。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の形態について説明する。本発明の実施形態に係る画像表示媒体の製造方法は基本的に次のものである。
【0023】
一対の基板と、該基板間に現像剤収容セルを提供する該基板間に設けられた仕切り壁と、該現像剤収容セルに収容された乾式現像剤とを備え、該現像剤に表示すべき画像に対応した電界を印加することで該乾式現像剤を構成する現像粒子を移動させて画像表示できる書換え可能の画像表示媒体の製造方法であり、次の工程を含んでいる。
【0024】
(1) 前記一対の基板のうち一方の基板として前記仕切り壁及び前記現像剤収容セルを有する基板を準備する工程、
(2) 前記一対の基板のうち他方の基板を準備する工程、
(3) 前記一方の基板上の前記仕切り壁の頂面に接着材料を配置する接着材料配置工程、
(4) 前記仕切り壁頂面に接着材料が配置された前記一方の基板上の現像剤収容セルに前記乾式現像剤を収容する現像剤収容工程、及び
(5) 前記現像剤収容セルに乾式現像剤が収容された前記一方の基板における前記仕切り壁に、該仕切り壁頂面に配置された前記接着材料にて前記他方の基板を貼り合わせる基板貼り合わせ工程。
【0025】
そして、前記接着材料として、該現像剤に対し非タック性を示し得るものを採用し、前記現像剤収容工程は該接着材料が該非タック性を示す状態で実施し、前記基板貼り合わせ工程は、該接着材料が前記仕切り壁と他方の基板相互の接着性を発現する状態で実施する。
【0026】
かかる接着材料としては次の(a)、(b)及び(c)を例示できる。
(a)前記現像剤には非タック性を示すが、前記仕切り壁と前記他方の基板相互の接着性を示す被着体選択性粘着剤。
該被着体選択性粘着剤としては、画像表示媒体の使用環境温度(それには限定されないが、通常は50℃程度以下である室温程度)において現像剤に対し非タック性を示すものを例示できる。
一般的な粘着剤は室温程度において殆どあらゆるものに粘着可能に設計されているが、被着体選択性粘着剤は、被着体の素材により、粘着力が大きく変化するものである。かかる被着体選択性粘着剤の具体的例として、日東電工社製のシリコーンフリー粘着テープ SPAP−3020、セメダイン社製 速乾Gクリア、住友スリーエム社製 Scotch用途別接着剤(プラスチック)を挙げることができる。
【0027】
(b)現像剤収容工程実施時の温度では現像剤に対し非タック性を示す接着剤。
現像剤収容工程は媒体製造コストをできるだけ低く抑えることが好ましいことから、現像剤収容工程実施時の温度はそれには限定されないが通常50℃程度以下である室温程度が好ましく、従ってかかる接着剤として、室温程度の温度で現像剤に対し非タック性を示す接着剤を挙げることができる。かかる接着剤として、代表的には、加熱することでタック性を発現するホットメルト接着剤を例示できる。
【0028】
しかし、冷却することで現像剤に対し非タック性を示す接着剤や、外部からのエネルギーにより現像剤収容工程実施時に(例えば50℃程度以下の室温程度下でも)非タック性を示し得る接着剤も使用できる。前者接着剤を採用する場合、現像剤収容工程はその冷却温度下に行えばよく、後者接着剤を採用する場合は、現像剤収容工程において該接着剤に所定の外部エネルギーを与えればよい。前者接着剤として例えば冷却することで現像剤に対し非タック性を示すUV硬化型接着剤等を挙げることができる。
【0029】
ホットメルト系接着剤の場合は、流動性、接着性発現温度以上に加熱して仕切り壁に塗布し、その後−旦接着性発現温度よりも低温に冷却して非タック性を示す状態とし、その状態で現像剤をセルに収容し、その後前記他方の基板を重ねて接着温度に加熱することで固定するといった方法が可能である。また、後述するように、接着剤塗布後、その表面に微粒子を付着させてもよい。低温に冷却する場合には、乾燥空気を用いるなど、結露に注意することが望ましい。
湿気硬化型ホットメルト接着剤を用いることもでき、湿気硬化型ホットメルト接着剤は未硬化時には温度制御によりタック性を制御できるので取扱が容易であり、硬化後に、従って媒体使用時等に高温に曝されても基板剥がれが抑制される利点がある。
【0030】
UV硬化型接着剤等を採用する場合であれば、例えばこれを仕切り壁に塗布後、冷却し、現像剤に対してはタック性を無くした状態で、そして接着剤としては未硬化状態或いは一部硬化状態でセルに現像剤を収容し、その後前記他方の基板を該接着剤に重ねて接着温度に上げ、UV(紫外線)照射等により固定するといった方法が可能である。
【0031】
(c)前記仕切り壁頂面に塗布される接着剤と、該仕切り壁頂面に塗布された該接着剤層に付着される、前記現像剤に対し非タック性を示す微粒子とを含む接着材料。
【0032】
微粒子を接着剤に付着させる方法は、接着剤層の上に薄い微粒子層を形成し、これにより一時的に現像剤に対するタック性を減じる方法である。微粒子が付着した接着剤層に前記他方の基板が押し当てられた際には、該微粒子が接着剤層の中に押し込まれ、該接着剤による基板の接着が可能となる。接着剤として比較的硬い粘着剤を採用すれば、微粒子が効果的に接着剤表面に保持されるため、現像剤に対する一層良好な非タック性が発現される。
【0033】
かかる微粒子を採用する副次的な効果として、接着剤層内に取り込まれた微粒子がフイラーとしての役目を果たし、接着剤層の改質に役立てることができる点が挙げられる。
【0034】
使用する微粒子については、それに求められる機能から明らかなように、粒子の大きさが重要である。好ましい微粒子の大きさは、接着剤の粘度、塗布量などにもよるが、概ね1nm〜1μm程度であり、より好ましくは1nm〜100nm程度である。
【0035】
微粒子の材質については、特に制限はないが、使用する現像剤粒子との滑り性が高いほどよく、接着剤とのマッチングのよいものがよい。滑り性の点から、フッ素樹脂微粒子や、シリカ、疎水基置換シリカ、酸化チタンなどの無機微粒子が好ましい。
【0036】
微粒子を接着剤へ付着させる方法としては、特に制限はないが、散布−ブラシ塗擦、散布−エアー吹きつけ、微粒子分散液の塗布−分散媒の乾燥除去などを例示できる。
【0037】
既述のとおり、接着材料を仕切り壁の頂面へ配置するにあたっては、接着材料、特に接着剤の仕切り壁頂面間の膜引き状態や仕切り壁側面等への回り込みをできるだけ抑制するために、接着材料(接着剤)の仕切り壁頂面への配置をドット状等の不連続パターンで行ってもよい。この点について説明する。
【0038】
本発明方法により製造しようとする画像表示媒体は、既述のとおり、一対の基板と、該基板間に現像剤収容セルを提供する該基板間に設けられた仕切り壁と、該現像剤収容セルに収容された乾式現像剤とを備えたものであるが、該セルのサイズは、表示画像の解像度を上げるために、通常は微細である。セルを提供する仕切り壁を平行状に複数本形成し、セルを連続溝状のものとする場合を例にとると、仕切り壁の幅は30μm〜50μm程度、高さは50μm〜200μm程度であり、セル幅は100μm〜500μm程度である。
【0039】
このような幅の小さい仕切り壁に生産性よく接着剤を塗布するには、印刷法が適している。その場合でも、ベタ状の版を用いて塗布するのが簡易である。
【0040】
しかしながら、このように小さい構造物に対してベタ版で塗布する際は、界面張力、接着剤粘度などの影響を受け、接着剤の膜引きや、仕切り壁側面等への接着剤の回り込みが発生しやすい。
【0041】
そこで生産性の観点から印刷法により仕切り壁頂面へ接着材料(接着剤)を塗布するときには、このような現象発生を抑制するために、接着剤の塗布パターンが不連続となるように塗布することが望ましい。
不運続なパターンに塗布すれば、接着剤が途切れる領域が設けられるため、膜引きが発生しにくい。また、回り込みについても、仕切り壁の角に接着剤が偶然接触した場合に限られ、その回り込み量は局所的な接着剤の量に制限され、ごくわずかなものに抑えることができる。
【0042】
不連続パターンとしては、ドット状が望ましく、他に直線状、メッシュ状、直線状や波形ライン状、これらの2以上の組み合わせなどを例示できる。
【0043】
いずれにしても、これらパターンにおける接着剤塗布ピッチは壁幅/2より小小となることが好ましい。該ピッチが壁幅と同程度であると、塗布量が少量の場合、セルを提供する仕切り壁の位置のゆらぎなとが影響し、それに塗布される接着剤量がきわめて少量になり、十分な基板接着強度が得られなくなる恐れがある。なお、きわめて正確にセル壁(仕切り壁)を構成し、それに塗布することができる場合にはその限りではない。
【0044】
前記塗布ピッチの最小値は、特に制限されないが、接着剤塗布量(印刷時の接着剤転写量)、接着剤粘度などから、1μm程度が挙げられる。
【0045】
また、塗布パターンとセル壁パターンの組合せは任意であるが、例えば、図1に示すパターンを例示できる。図1(A)から図1(C)の例では、仕切り壁13が複数本平行に形成されており、これら仕切り壁(セル壁)13により複数本の平行な連続溝状の現像剤収容セル14が形成されている。図1(A)の例では壁13の頂面に接着剤が円形ドット状パターンで塗布されており、図1(B)の例では壁13の頂面に接着剤が楕円形ドット状パターンで塗布されており、図1(C)の例では壁13の頂面に接着剤が四角形ドット状パターンで塗布されている。
【0046】
また、図1(D)の場合には格子状に連続する仕切り壁(セル壁)13’により碁盤目状に四角形のセル14’が形成されており、該仕切り壁13’の頂面に円形ドット状、四角形ドット状、波形ライン状のパターンで接着剤が塗布されている。なお、ライン状パターンについてはセル壁と平行状のものでもよく、セル壁と角度をなす(セル壁を横切る)ようなものでもよい。図1(C)の右側の仕切り壁13や図1(D)の仕切り壁13’のように、異なるドット形状やラインを組み合わせて採用してもよい。
【0047】
図1の(A)、(B)及び(C)のそれぞれにおける左側及び中央の仕切り壁についてはドットのピッチとセル壁幅の比が略1:2であり、右側の仕切り壁については同比が略1:3である。
【0048】
このような接着剤の塗布には、ロータリースクリーン印刷機などを採用すればよい。例えば、日本文化精工社製のNPT201ロータリースクリーン印刷機などが挙げられる。
【0049】
次に、製造しようとする画像表示媒体の例を図面を参照して説明する。図2(A)及び図2(B)は画像表示媒体の1例(媒体1)の一部の概略断面を示しており、図3は同媒体1の一部を切り欠いて示す平面図である。また、図4は製造しようとする画像表示媒体の他の例(媒体1’)の一部を切り欠いて示す平面図である。図5は媒体1に画像を書き込む例を示す図である。
【0050】
図2及び図3に示す媒体1は、図1(A)等に示すように現像剤収容セル14を連続溝状に形成したものである。媒体1は、画像観察側の基板11と反対側の基板12とを含んでいる。これら基板11、12は両者間に所定のギャップをおいて対向している。基板11、12の間には、複数本の平行な仕切り壁13が設けられており、これら仕切り壁13により両基板間ギャップが所定のものに確保されている。仕切り壁13は両基板11、12間のスペーサを兼ねている。
【0051】
基板11、12としては、ガラス基板、樹脂基板等を採用でき、可撓性を有する樹脂フィルム基板でもよい。いずれにしても、少なくとも画像観察側の基板11は媒体内部の画像表示に寄与する現像粒子を視認できるように透光性基板とし、より好ましくは透明基板とすればよい。
そうする必要はないが、ここでは、仕切り壁13は基板11と一体的に形成されており、基板11の長手方向に平行に複数本形成されている。隣り合う仕切り壁13の間が連続溝状の現像剤収容セル14となっている。
【0052】
画像観察側の基板11及びこれと一体の仕切り壁13は、それには限定されないが、ここでは透明樹脂フィルムを成形するなどして形成されている。基板12は必ずしも透明である必要はないが、ここでは透明樹脂フィルムからなっており、外面に電極膜16が形成されている。また、接着材料15を用いて仕切り壁13に接着されている。さらに両基板11、12の周縁部10はヒートシールされている。
【0053】
前記各セル14には、互いに帯電極性が異なり、且つ、光学的反射濃度が異なる(換言すれば、「コントラストが異なる」或いは「色が異なる」)少なくとも2種類の、相互に摩擦帯電可能の現像粒子WP及び現像粒子BPを含む乾式現像剤DLが収容されている。そうである必要はないが、ここでは粒子WPは負帯電性の白色粒子であり、粒子BPは正帯電性の黒色の磁性粒子である。
【0054】
現像粒子WPとBPはセル14に収容した後、画像形成に供する前に相互に摩擦帯電させてもよいが、ここでは収容前の現像剤作製工程時に摩擦帯電させてある。
【0055】
各仕切り壁13は幅α、高さhで、隣り合う仕切り壁13の間隔(セル幅)をwとして形成されている。これらの寸法は画像表示に支障のない範囲で決定される。
【0056】
以上説明した画像表示媒体1は、例えば図5に示す電子写真方式の画像形成装置等を用いて画像表示させることができる。
【0057】
図5の装置は、図中矢印方向に回転駆動される感光体ドラムPCを含んでいる。この感光体ドラムPCの周囲にスコロトロン帯電器CH、レーザー画像露光装置EX、イレーサランプIRが配置してある。感光体ドラムPCの下方には回転駆動される電極ローラR1を配置してある。電極ローラR1は画像表示のための静電場を形成するための現像電極ローラである。ローラR1には電源PW1からバイアス電圧が印加される。ローラR1はローラR1とは反対方向に回転駆動される(或いは往復回転駆動される)回転磁極ローラR2を内蔵している。
【0058】
かかる感光体ドラムPC表面を帯電器CHにより帯電させた後、その帯電域に露光装置EXにより画像露光してドラムPC上に静電潜像EIを形成する。一方、電極ローラR1には電源PW1からバイアスを印加する(ローラR1は場合によっては接地してもよい。)。
そして感光体ドラムPC上の静電潜像EIと同期をとって該ドラムと電極ローラR1との間に媒体1を送り込む。このとき媒体1の画像観察側基板11を感光体ドラムPCへ向けるとともに、基板12外面の電極膜16を電極ローラR1に接触させる。
【0059】
かくして、媒体1の各セル14に内包された現像剤DLの現像粒子BP、WPに対し所定の静電場が形成され、これにより該静電場と帯電現像粒子との間に働くクーロン力にて両現像粒子が相対的に互いに反対方向に移動する。そして、図2(A)に示すように現像剤DLにおいて白黒粒子WP、BPが混合されている状態から図2(B)に示すように白色粒子WP、黒色粒子BPがそれぞれ電場に応じて移動する。かくして所定のコントラストで画像が表示される。
以上のように画像表示したのちは、次回のプリントに備えて、感光体ドラムPC表面の電荷をイレーサーランプIRで消去しておく。
【0060】
このように画像形成した媒体1は、再び、例えば図5に示す画像形成装置により、前回とは異なる静電場を印加することで、画像を消去したり、画像を書き換えたりでき、再使用できる。
図4の画像表示媒体1’は、図2及び図3に示す媒体において仕切り壁を図1(D)に示すように格子状に連続した仕切り壁13’とし、現像剤収容セル14’を碁盤目状に形成したものである。仕切り壁13’は幅α’、高さh’で、隣り合う仕切り壁13’の間隔(セル幅)をw’として形成されている。これらの寸法は画像表示に支障のない範囲で決定される。
【0061】
それ以外の点は媒体1と実質上と同様であり、媒体1と同様に画像を書き込むことができ、また、一旦書き込んだ画像を消去したり、書き換えたりでき、再使用できる。
【0062】
媒体1は図6に示す基本的な工程を採用して製造できる。すなわち、
(1) 画像観察側の基板11として仕切り壁13及び現像剤収容セル14を有する基板11を準備する工程と(図6(A)参照)、
(2) 反対側の基板12を準備する工程と(図示省略)、
(3) 基板11上の仕切り壁13の頂面に接着材料15を配置する接着材料配置工程と(図6(B)参照)、
(4) 仕切り壁13の頂面に接着材料16が配置された基板11上の現像剤収容セル14に乾式現像剤DLを収容する現像剤収容工程と(図6(C)参照)、
(5) セル14に現像剤DLが収容された基板11における仕切り壁13に、該仕切り壁頂面に配置された接着材料15を用いて反対側基板12を貼り合わせる基板貼り合わせ工程と(図6(D)参照)である。
【0063】
接着材料15には、既述のいずれかの接着材料、すなわち、現像剤DLに対し非タック性を示し得るものを採用し、現像剤収容工程は、接着材料15が該非タック性を示す状態で実施し、基板貼り合わせ工程は、接着材料15が仕切り壁13と基板12相互の接着性を発現する状態で実施する。
【0064】
かくして、現像剤収容セル14内における移動可能な現像剤DL量が画像形成のための、過不足の抑制された量に維持されるとともに、強度(特に仕切り壁13と基板12の接着強度)の低下が抑制される状態で生産性良好に媒体1が製造される。
【0065】
図4の画像表示媒体1’についても同様に製造できる。
なお、本発明に係る画像表示媒体の製造方法は既述の「Japan Hardcopy ’99論文集 PP249 〜252 」において開示されたタイプの媒体の製造等にも適用できる。
【0066】
次に画像表示媒体製造の具体例を実施例として説明し、併せて比較例についても説明する。実施例1−1〜1−5及び比較例1−1〜1−3についてはいずれも、仕切り壁へ配置する接着材料の種類等の接着材料に関する点を除けば、次のように媒体を製造した。用いた現像剤も次に説明する共通のものである。
また、実施例2−1〜2−7及び比較例2−1〜2−3についてはいずれも、接着剤の仕切り壁頂面への塗布パターン等の点を除けば、次のように媒体を製造した。用いた現像剤も次に説明する共通のものである。
【0067】
<画像表示媒体の作製>
実施例1−1〜1−5及び比較例1−1〜1−3、2−1〜2−3については、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを加熱型押しして、ベース部の平均厚みt(図2(A)参照)=25μm、仕切り壁の幅α=50μm、仕切り壁の高さh=150μm、隣り合う仕切り壁の間隔(セル幅)w=300μmの、連続溝状セル及びこれに沿う仕切り壁を有する画像観察側基板を作製した。基板サイズ及び形は一辺5cmの四角形であり、仕切り壁の本数は全部で142本程度である。
なお、実施例2−6及び2−7については、UV硬化樹脂をエッチング処理してベース部の平均厚み=25μm、仕切り壁の幅α’=50μm、仕切り壁の高さh’=150μm、セル幅w’=300μmの、格子状仕切り壁及び碁盤目状セルを有する画像観察側基板を作製した。この基板もサイズ及び形は一辺5cmの四角形である。
【0068】
また、いずれの実施例、比較例についても反対側基板として片面に電極膜としてITO膜を蒸着形成した厚さ25μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを準備した。この基板もサイズ及び形は一辺5cmの四角形である。
【0069】
次いで画像観察側基板の仕切り壁の頂面に接着材料を配置し、該接着材料が現像剤に対し実質上タック性のない状態下に各セルにセル容積に対して34vol.%の充填率で現像剤を収容した。
【0070】
その後、該接着材料を用いて反対側基板を仕切り壁に接着し、その後両基板の周縁部をヒートシールして画像表示媒体を製造した。
【0071】
<使用現像剤>
(白色現像粒子)
熱可塑性ポリエステル樹脂(軟化点121℃、ガラス転移点67℃)100重量部と、酸化チタン(石原産業社製:CR−50)40重量部と、負荷電制御剤としてサリチル酸亜鉛錯体(オリエント化学社製:ボントロンE−84)5重量部とをヘンシェルミキサーで十分に混合した後、2軸押出し機で混練後冷却した。該混練物を粗粉砕し、その後ジェット粉砕機で粉砕し、風力分級により平均粒径10μmの白色粉末を得た。この白色粉末に疎水性シリカ微粒子(日本アエロジル社製:アエロジルR−972)0.3重量部を加え、ヘンシェルミキサーにより混合処理を行い白色現像粒子とした。
【0072】
(黒色現像粒子)
スチレンーnブチルメタクリレート系樹脂(軟化点132℃、ガラス転移点65℃)100重量部と、カーボンブラック(ライオン油脂社製,ケッチェンブラック)2重量部と、シリカ(日本アエロジル社製,#200)1.5重量部と、マグネタイト系磁性粉(RB−BL チタン工業社製)500重量部とをヘンシェルミキサーで充分混合した後、ベント二軸混練装置で混練した。
この混練物を冷却後フェザーミルで粗粉砕した後、ジェットミルで微粉砕し、これを風力分級機で分級して体積平均粒径が20μmの黒色現像粒子を得た。
【0073】
(現像剤の調整)
前記白色現像粒子30gと、黒色現像粒子を70gとをポリエチレン製のボトルに入れ、ボールミル架台にて回転させて30分間混合攪拌を行い、現像剤を得た。この現像剤では、白色現像粒子は負極性に、また黒色現像粒子は正極性に帯電していた。
【0074】
先ず、実施例1−1〜1−5及び比較例1−1〜1−3について説明する。
これらに関する接着材料の種類及び該接着材料による反対側基板の接着は以下のとおりである。
(実施例1−1)
仕切り壁の頂面全面に被着体選択性粘着剤(日東電工社製、テトラヒドロフラン(THF)溶液)を塗布し、乾燥させた。その後、現像剤をセルに収容し、反対側基板を仕切り壁に密着させ、両基板周縁部をヒートシールした。
【0075】
(比較例1−1)
被着体選択性粘着剤の代わりにセメダインC(セメダイン社製)を用いたほかは、実施例1−1と同様である。
【0076】
(実施例1−2)
被着体選択性粘着剤の代わりに湿気硬化形ホットメルト接着剤(反応性ホットメルト接着剤)KUM1000 (コニシ社製)を用い、これを100℃に加熱して仕切り壁頂面に塗布後、−10℃に冷却して現像剤をセルに収容し、その後反対側基板を仕切り壁に密着させ、130℃でヒートシールした。この他は実施例1−1と同様である。
【0077】
(実施例1−3)
ホットメルト接着剤KUM1000 の代わりにホットメルト接着剤バイロン200(東洋紡社製)を用い、これを120℃に加熱して仕切り壁頂面に塗布した他は実施例1−2と同様である。
【0078】
(比較例1−2)
ホットメルト接着剤KUM1000 の代わりにホットメルト接着剤バイロン200(東洋紡社製)を用い、これを120℃に加熱して仕切り壁頂面に塗布し、これを一旦冷却することなく、直ちに現像剤をセルに収容した他は実施例1−3と同様である。
【0079】
(実施例1−4)
被着体選択性粘着剤を仕切り壁に塗布後、該粘着剤層にメチル基置換シリカ微粒子 アエロジルR972(日本アエロジル社製)をブラシで塗布した他は実施例1−1と同様である。R972の塗布量は0.05mg/cmであった。
【0080】
(実施例1−5)
湿気硬化型ホットメルト接着剤KUM1000 (コニシ社製)を仕切り壁に塗布後、これにアエロジルR972をブラシで塗布した他は、実施例1−2と同様である。R972の塗布量は0.05mg/cmであった。
【0081】
(比較例1−3)
湿気硬化型ホットメルト接着剤KUM1000 を仕切り壁に塗布後、これに架橋ポリメタクリル酸メチル微粒子MBX−8(積水化成品工業社製、粒径8μm)をブラシで塗布した他は、実施例1−2と同様である。MBX−8の塗布量は約0.1mg/cmであった。
【0082】
以上説明した実施例及び比較例の各画像表示媒体を外径500mmの円筒体表面に、画像観察側とは反対側のITO膜を形成した基板を向けて巻き付け、該反対側基板と仕切り壁相互の剥がれをみて接着強度を評価した。一本でも仕切り壁が基板から剥がれたものは接着強度不良「×」とし、すべてが接着されたままであったものを接着強度良好「○」と評価した。実施例1−1〜1−5はいずれも評価「○」であったが、比較例1−1〜1−3のものは評価「×」であった。
以下にこれらをまとめてす。
【0083】
Figure 2004252271
これら評価結果より、本発明に係る接着方法を採用すれば、反対側基板全面に接着剤を塗布する従来法と同程度の基板接着強度を保ちつつ、接着剤に捕捉される現像剤粒子量を低減できることが分かる。
【0084】
次に、仕切り壁への接着剤の塗布を不連続パターンで行って媒体を製造した実施例2−1〜2−7を、比較例2−1〜2−3とともに説明する。いずれも接着剤の塗布は日本文化精工社製のNPT201ロータリースクリーン印刷機を用いて行った。また、接着剤としてホットメルト接着剤バイロン200(東洋紡社製)を採用し、これを120℃に加熱して、塗布量をベタ塗布換算すると0.6mg/cmとなるように塗布した。ドットパターン塗布、ラインパターン塗布のいずれの場合も塗布幅は10μmmとした。
【0085】
(実施例2−1)
図7(A)に示すように、ドットパターンを採用し、ドットのピッチと仕切り壁の幅αの比が1:2となるように接着剤を塗布した。
(実施例2−2)
図7(B)に示すように、ドットパターンを採用し、ドットのピッチと璧の幅αの比が、壁と平行方向(‖)では1:4、壁に垂直方向(⊥)では1:2となるように接着剤を塗布した。
【0086】
(実施例2−3及び2−4)
いずれもラインパターンを採用し、実施例2−3では図7(C)に示すようにラインを壁の長手方向と平行とし、実施例2−4では図7(D)に示すようにラインを壁の長手方向に対し垂直とした。いずれもラインのピッチと壁幅αの比が1:2となるように接着剤を塗布した。
【0087】
(実施例2−5)
図7(E)に示すようにメッシュ状パターンを採用した。ラインの縦横の各ピッチ(メッシュピッチ)と壁幅αの比が1:2となるように接着剤を塗布した。
(実施例2−6及び2−7)(格子状の仕切り壁、碁盤目状配置のセル)
実施例2−6については実施例2−1と同様のドットパターンで接着剤を塗布し、実施例2−7では実施例2−3と同様のラインパターンで接着剤を塗布した。
【0088】
(比較例2−1)
接着剤を仕切り壁頂面へベタ塗布した。
(比較例2−2)
ドットパターンを採用し、ドットのピッチと璧の幅αの比が1:1となるように接着剤を塗布した。
(比較例2−3)
ラインパターンを採用し、ラインのピッチと璧の幅αの比が1:1となるように接着剤を塗布した。
【0089】
これら実施例、比較例につき接着剤塗布における膜引き及び仕切り壁の基板からの剥がれについて評価した。膜引きについては膜引きしている壁間隔の数で評価し、剥がれについては実施例1〜1等の場合と同様の方法で剥がれ壁数で評価した。
【0090】
膜引きについては
5個未満:良好「○」、5〜10個:「△」、10個以上:不良「×」とし、
壁剥がれについては、剥がれ個数無しを良「○」、一つでもあると不良「×」とした。そして両項目のうち悪い方を総合評価とした。
以下これらを次にまとめて示す。
【0091】
Figure 2004252271
【0092】
これら評価結果より、本発明に係る不連続パターンによる接着剤塗布方法を採用すると、膜引きを抑制し、正常な基板接着が可能になることが分かる。また、前記のタック性に関係する接着剤塗布方法とこの不連続パターン塗布とを組み合わせることで、一層良好な画像表示媒体が得られることが分かる。
【0093】
【発明の効果】
本発明によると、一対の基板と、該基板間に現像剤収容セルを提供する該基板間に設けられた仕切り壁と、該現像剤収容セルに収容された乾式現像剤とを備え、該現像剤に表示すべき画像に対応した電界を印加することで該乾式現像剤を構成する現像粒子を移動させて画像表示できる書換え可能の画像表示媒体の製造方法であって、該画像表示媒体を、現像剤収容セル内における移動可能な現像剤量が画像形成のための、過不足の抑制された量に維持されるとともに、強度低下が抑制される状態で、生産性良好に製造することができる方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(A)から図1(D)はそれぞれ仕切り壁頂面への接着剤塗布パターンを例示する図である。
【図2】図2(A)、図2(B)は製造しようとする画像表示媒体の1例の一部省略の概略断面図であり、図2(A)は画像表示前の状態を示しており、図2(B)は画像表示状態の1例を示している。
【図3】図2に示す媒体の、一部を切り欠いて示す平面図である。
【図4】製造しようとする画像表示媒体の、他の例の一部を切り欠いて示す平面図である。
【図5】図2に示す画像表示媒体に画像の書き込みを行う例を示す図である。
【図6】画像表示媒体の製造工程を示す図である。
【図7】図7(A)から図7(E)はそれぞれ実施例における仕切り壁頂面への接着剤塗布パターンを示す図である。
【符号の説明】
1、1’ 書換え可能の画像表示媒体
11 画像観察側の基板
12 反対側の基板
13、13’ 仕切り壁
14、14’ 現像剤収容セル
15 接着材料
DL 現像剤
α、α’ 仕切り壁幅
h、h’ 仕切り壁高さ
w、w’ セル幅
WP 白色現像粒子
BP 黒色現像粒子
PC 感光体ドラム
CH スコロトロン帯電器
EX レーザー画像露光装置
IR イレーサランプ
R1 電極ローラ
R2 回転磁極ローラ
PW1 バイアス電源

Claims (5)

  1. 一対の基板と、該基板間に現像剤収容セルを提供する該基板間に設けられた仕切り壁と、該現像剤収容セルに収容された乾式現像剤とを備え、該現像剤に表示すべき画像に対応した電界を印加することで該乾式現像剤を構成する現像粒子を移動させて画像表示できる書換え可能の画像表示媒体の製造方法であり、
    前記一対の基板のうち一方の基板として前記仕切り壁及び前記現像剤収容セルを有する基板を準備する工程と、
    前記一対の基板のうち他方の基板を準備する工程と、
    前記一方の基板上の前記仕切り壁の頂面に接着材料を配置する接着材料配置工程と、
    前記仕切り壁頂面に接着材料が配置された前記一方の基板上の現像剤収容セルに前記乾式現像剤を収容する現像剤収容工程と、
    前記現像剤収容セルに乾式現像剤が収容された前記一方の基板における前記仕切り壁に、該仕切り壁頂面に配置された前記接着材料にて前記他方の基板を貼り合わせる基板貼り合わせ工程とを含み、
    前記接着材料として、前記現像剤に対し非タック性を示し得るものを採用し、前記現像剤収容工程は、該接着材料が該非タック性を示す状態で実施し、前記基板貼り合わせ工程は、該接着材料が前記仕切り壁と他方の基板相互の接着性を発現する状態で実施することを特徴とする書換え可能の画像表示媒体の製造方法。
  2. 前記接着材料は、前記現像剤には非タック性を示すが、前記仕切り壁と前記他方の基板相互の接着性を示す被着体選択性粘着剤である請求項1記載の画像表示媒体の製造方法。
  3. 前記接着材料は、前記現像剤収容工程実施時の温度では前記現像剤に対し非タック性を示す接着剤である請求項1記載の画像表示媒体の製造方法。
  4. 前記接着材料は、前記仕切り壁頂面に塗布される接着剤と、該仕切り壁頂面に塗布された該接着剤層に付着される、前記現像剤に対し非タック性を示す微粒子とを含む請求項1記載の画像表示媒体の製造方法。
  5. 前記接着材料の前記仕切り壁頂面への配置を不連続パターンで行う請求項1から4のいずれかに記載の画像表示媒体の製造方法。
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