JP2008003443A - 電子ペーパー、電子ペーパー印字・印画方法、及び電子ペーパー印字・印画装置 - Google Patents

電子ペーパー、電子ペーパー印字・印画方法、及び電子ペーパー印字・印画装置 Download PDF

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Abstract

【課題】一旦表示された文字、図形等の画像情報を電源やバックライトを必要とすることなく保持して表示できることはもちろん、表示された画像情報が経時で変化することがなく、画像情報を長期間保持できるとともに、画素セルを形成する必要がなく、従って生産性に優れ、低コストの全く新規な電子ペーパーを提供すること、及び該電子ペーパーの印字・印画装置、並びに印字・印画方法を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明は、少なくとも、プラスチックフイルム(A)、ワックス、正負何れかに帯電した着色粒子、及び白色粒子を少なくとも含む表示層(B)、プラスチックフイルム(C)が順次形成されていることを特徴とする電子ペーパーである。
【選択図】図1

Description

本発明は、軽量、薄型で、フレキシブル性に優れ、一旦表示された文字、図形等の画像情報を電源やバックライトを必要とすることなく保持して表示できる電子ペーパーに関し、一旦表示された画像情報を半永久的に保持することができる電子ペーパー、及び該電子ペーパーに印字・印画する方法、並びにそれに使用する電子ペーパー印字・印画装置に関する。
軽量、薄型で、一旦表示された文字、図形等の画像情報を電源やバックライトを必要とすることなく保持して表示できる電子ペーパーが知られている。
特許文献1には、対向する一対の基板と該基板間に形成された隔壁により形成される空間に複数の帯電性の微粒子を封入した画素セルを2次元配列した表示パネルを備え、各画素セル内に設けられた一対の電極間に電界を形成することにより、前記微粒子を何れかの電極に移動させて所望の表示状態を設定し、画像情報を表示する表示装置において、前記帯電性の微粒子は、異なる粒子径を有する複数種類の微粒子からなり、前記画素セルには、前記複数種類の微粒子が封入されている表示装置(電子ペーパー)が記載されている。
特開2005−274857号公報
しかし、特許文献1記載の電子ペーパーには、以下に示す欠点があった。
1.一旦表示された文字、図形等の画像情報を電源やバックライトを必要とすることなく保持して表示できるものではあったが、電極に移動した帯電性の微粒子は、自然放電により徐々に電極から離脱してしまい、表示された画像情報が経時で変化して、画像情報を長期間保持できるものではなかった。
2.白黒表示するためには、黒色の帯電性の微粒子を画素セルに封入した表示画素を、またカラー表示をするためには、色の3原色であるシアン(藍系:青系色)、イエロー(黄系:黄系色)、及びマゼンタ(紅系:赤系色)の各色の帯電性の微粒子を各々画素セルに封入し、これら3つの画素セルを1組として、カラー表示を行うための一表示画素を構成する必要があり、そのため、対向する一対の基板間に隔壁を形成して画素セルを設けて2次元配列するための専用装置、電極を設けるための専用装置、画素セルに帯電性の微粒子を封入する専用装置等が必要となり、また手間もかかるため生産性も悪く、従ってコストも高くなるという欠点があった。
3.電極や、該電極に電荷を付与するための電子回路が必要であるため、軽量、薄膜化に限界があった。
本発明は、上記全ての欠点を除去したものであり、一旦表示された文字、図形等の画像情報を電源やバックライトを必要とすることなく保持して表示できることはもちろん、表示された画像情報が経時で変化することがなく、画像情報を長期間保持できるとともに、画素セルを形成する必要がなく、従って生産性に優れ、低コストの全く新規な電子ペーパーを提供すること、及び該電子ペーパーの印字・印画装置、並びに印字・印画方法を提供することを目的とする。
[1]本発明は、少なくとも、プラスチックフイルム(A)、ワックス、正負何れかに帯電した着色粒子、及び白色粒子を少なくとも含む表示層(B)、プラスチックフイルム(C)が順次形成されていることを特徴とする電子ペーパーである。
[2]本発明は、表示層(B)が、プラスチックフイルム(A)側から、ワックス、及び白色粒子を少なくとも含む作像層(B−1)、多孔質部材からなる隠蔽層(B−2)、ワックス、及び白色粒子を少なくとも含む格納層(B−3)が順次形成されており、かつ正負何れかに帯電した着色粒子が作像層(B−1)及び/又は格納層(B−3)に混入されているものである上記[1]に記載の電子ペーパーである。
[3]本発明は、プラスチックフイルム(C)の表示層(B)が形成されている側と反対面側に、基材が形成されている上記[1]、又は[2]に記載の電子ペーパーである。
[4]本発明は、上記[1]〜[3]に記載の電子ペーパーに印字・印画する装置であって、少なくとも、ワックスの融点以上の温度に加熱可能な加熱装置と、正負何れかに帯電した潜像を表面に形成可能な潜像形成装置と、ワックスの融点未満の温度に冷却可能な冷却装置とを備えていることを特徴とする電子ペーパー印字・印画装置である。
[5]本発明は、上記[1]〜[3]に記載の電子ペーパーに印字・印画する装置であって、加熱装置が、外周面をワックスの融点以上の温度に加熱可能な円筒状の加熱ドラム(1)からなり、潜像形成装置が、外周面に感光剤を含む感光層を形成してなる円筒状の感光ドラム(2)と、感光ドラム(2)の外周面近傍に備えられた、感光層を帯電させて感光性を付与する帯電装置(4)と、感光ドラム(2)の外周面近傍に備えられた、帯電した感光層を露光して静電潜像を形成する露光装置(5)とからなり、かつ冷却装置が、外周面をワックスの融点未満の温度に冷却可能な円筒状の冷却ドラム(3)からなる請求項4に記載の電子ペーパー印字・印画装置である。
[6]本発明は、上記[1]〜[3]に記載の電子ペーパーに印字・印画する方法であって、ワックスの融点以上の温度に加熱した加熱装置により電子ペーパーを加熱する工程と、正負何れかに帯電した潜像を表面に形成可能な潜像形成装置の該表面に、着色粒子の電荷と正負反対に帯電した所望の潜像を形成する工程と、加熱された前記電子ペーパーを潜像形成装置の表面に接することにより、潜像に対応する位置の正負何れかに帯電した着色粒子を表示層(B)の潜像形成装置側近傍に移動させる工程と、ワックスの融点未満の温度に冷却した冷却装置により電子ペーパーを冷却して、表示層(B)の潜像形成装置側近傍に前記着色粒子を固定する工程を、少なくとも含むことを特徴とする電子ペーパー印字・印画方法である。
[7]本発明は、上記[1]〜[3]に記載の電子ペーパーに印字・印画する方法であって、外周面をワックスの融点以上の温度に加熱した円筒状の加熱ドラム(1)を回転させながら、加熱ドラム(1)の該外周面に前記電子ペーパーを接することにより電子ペーパーを加熱する工程と、外周面に感光剤を含む感光層を形成してなる円筒状の感光ドラム(2)の外周面近傍に備えられた帯電装置(4)により、感光ドラム(2)の感光層を正負何れかに帯電させて感光性を付与した後、感光ドラム(2)の外周面近傍に備えられた露光装置(5)により、帯電した感光層を露光して、着色粒子の電荷と正負反対に帯電した所望の静電潜像を感光ドラム(2)の感光層に形成する工程と、感光ドラム(2)を回転させながら、加熱された前記電子ペーパーを感光ドラム(2)の外周面に接することにより、前記静電潜像に対応する位置の正負何れかに帯電した着色粒子を表示層(B)の感光ドラム(2)側近傍に移動させる工程と、外周面をワックスの融点未満の温度に冷却した円筒状の冷却ドラム(3)を回転させながら、冷却ドラム(3)の該外周面に前記電子ペーパーを接することにより電子ペーパーを冷却して、表示層(B)の感光ドラム(2)側近傍に前記着色粒子を固定する工程を、少なくとも含むことを特徴とする電子ペーパー印字・印画方法である。
(1)本発明の電子ペーパーは、一旦表示された文字、図形等の画像情報を電源やバックライトを必要とすることなく保持して表示できることはもちろん、表示された画像情報が経時で変化することがなく、画像情報を長期間保持できる。
尚、本発明における文字、図形等の画像情報とは、文字や図形はもちろん電子ペーパーの全面を着色するような場合も含まれる。
(2)本発明の電子ペーパーは、画素セルを形成する必要がないので、画素セルを設けて2次元配列するための専用装置、電極を設けるための専用装置、画素セルに帯電性の微粒子を封入する専用装置等が不要であり、従って生産性に優れ、コストも低くてすむ。
(3)電極や、該電極に電荷を付与するための電子回路が不要であるため、より軽量、薄膜化ができ、持ち運びも容易になる。
(4)本発明の印字・印画装置を使用して、本発明の印字・印画方法によれば、容易に、しかも何度でも本発明の電子ペーパーに印字・印画することができる。
本発明の電子ペーパーは、少なくとも、プラスチックフイルム(A)、ワックス、正負何れかに帯電した着色粒子、及び白色粒子を少なくとも含む表示層(B)、プラスチックフイルム(C)が順次形成されていることを特徴とする。
本発明の電子ペーパーが、印字・印画される基本的なメカニズムは、潜像形成装置に形成する潜像の電荷と、表示層(B)中の着色粒子の電荷の電位を正負逆にすることにより、両者が引き寄せあうことを利用して、電子ペーパーの画像表示面(画像情報を表示可能な面)に文字や図形等の画像情報を表示するものである。
表示層(B)が1層構造である上記本発明の電子ペーパーが、印字・印画されるメカニズムの詳細は、例えば以下の通りである。
尚、表示層(B)が1層構造である上記本発明の電子ペーパーは、プラスチックフイルム(A)側が画像表示面側であることを前提として以下説明をする。
まず、プラスチックフイルム(A)、及びプラスチックフイルム(C)間に、ワックス、正に帯電した着色粒子、及び白色粒子を含む表示層(B)を形成し、正に帯電した着色粒子を表示層(B)のプラスチックフイルム(C)側近傍に形成しておく(着色粒子を表示層(B)のプラスチックフイルム(C)側近傍に形成する方法については、後で詳述する)。
このとき、プラスチックフイルム(A)側から電子ペーパーを見た場合には、白色粒子の有する隠蔽性により、プラスチックフイルム(C)側近傍にある着色粒子の存在は感知されず、全面白色として視認されるため、画像情報は表示されない。
そして、加熱装置を使用して電子ペーパーを加熱すると、表示層(B)中のワックスが融解し、着色粒子が表示層(B)中を移動可能な状態となる。ここで、潜像形成装置を使用してプラスチックフイルム(A)側から負の電荷を印加すると、正に帯電した着色粒子が負の電荷に引き寄せられ、表示層(B)中をプラスチックフイルム(A)側に移動し、プラスチックフイルム(A)側近傍に形成される。
このとき、電子ペーパーの全面に負の電荷を印加すると(全面を負に帯電した潜像とすると)、着色粒子が表示層(B)のプラスチックフイルム(A)側近傍全面に移動形成される。
また、負の電荷を文字や図形の形状に印加すると(文字や図形の形状の負に帯電した潜像を形成すると)、該潜像に対応する位置の正に帯電した着色粒子を表示層(B)のプラスチックフイルム(A)側近傍に移動形成でき、一方、潜像に対応する位置にない着色粒子は、表示層(B)のプラスチックフイルム(C)側近傍に留まったままとなる。
次に、冷却装置を使用して電子ペーパーを冷却することにより、ワックスが凝固し、プラスチックフイルム(A)側近傍に移動形成された着色粒子は、もはや表示層(B)中を移動することはできなくなり、完全にプラスチックフイルム(A)側近傍に固定されるとともに、表示層(B)のプラスチックフイルム(C)側近傍に留まった着色粒子もそのままの状態で固定される結果、プラスチックフイルム(A)側から電子ペーパーを見た場合には、プラスチックフイルム(A)側近傍に固定形成された着色粒子による文字、図形等の画像情報を表示できるようになるのである。
このように、本発明の電子ペーパーは、着色粒子を電荷により電極に固定形成するものではなく、ワックスの融解、凝固を利用して固定形成するので、一旦表示された画像情報が経時で変化することがなく、画像情報を長期間保持できる。
また、上記のように画像情報を印字・印画された電子ペーパーを、再び加熱して表示層(B)中のワックスを融解した後、プラスチックフイルム(A)側から正の電荷を全面に印加すると、正に帯電した着色粒子が、正の電荷と反発して表示層(B)中をプラスチックフイルム(C)側に移動し、プラスチックフイルム(C)側近傍全面に形成される。
次に、電子ペーパーを冷却することにより、ワックスが凝固し、プラスチックフイルム(C)側近傍全面に移動形成された着色粒子は、もはや表示層(B)中を移動することはできなくなり、完全にプラスチックフイルム(C)側近傍全面に固定されるため、プラスチックフイルム(A)側から電子ペーパーを見た場合には、白色粒子の有する隠蔽性により、再び全面白色となり、画像情報は表示されなくなるのである。
以上の通り、本発明の電子ペーパーは、上記の操作を繰り返すことにより、何度でも印字・印画が可能となるとともに、一旦表示された画像情報が経時で変化することがなく、画像情報を長期間保持できるものである。
また、本発明の電子ペーパーは、表示層(B)が、プラスチックフイルム(A)側から、ワックス、及び白色粒子を少なくとも含む作像層(B−1)、多孔質部材からなる隠蔽層(B−2)、ワックス、及び白色粒子を少なくとも含む格納層(B−3)が順次形成されており、かつ正負何れかに帯電した着色粒子が作像層(B−1)及び/又は格納層(B−3)に混入されているものであってもよい。
表示層(B)を上記3層構造とした本発明の電子ペーパーが、印字・印画されるメカニズムは、例えば以下の通りである。
尚、上記表示層(B)が3層構造の本発明の電子ペーパーも、プラスチックフイルム(A)側が画像表示面であることを前提として以下説明をする。
まず、プラスチックフイルム(A)、及びプラスチックフイルム(C)間に、ワックス、及び白色粒子を少なくとも含む作像層(B−1)、多孔質部材からなる隠蔽層(B−2)、ワックス、及び白色粒子を少なくとも含む格納層(B−3)を形成し、正に帯電した着色粒子を格納層(B−3)のプラスチックフイルム(C)側近傍に形成しておく(着色粒子を格納層(B−3)のプラスチックフイルム(C)側近傍に形成する方法については、後で詳述する)。
このとき、プラスチックフイルム(A)側から電子ペーパーを見た場合には、白色粒子の有する隠蔽性と隠蔽層(B−2)の有する隠蔽性とが相俟って、格納層(B−3)のプラスチックフイルム(C)側近傍にある着色粒子の存在は感知されず、全面白色として視認されるため、画像情報は表示されない。
そして、加熱装置を使用して電子ペーパーを加熱すると、格納層(B−3)、及び作像層(B−1)中のワックスが融解し、着色粒子が格納層(B−3)、及び作像層(B−1)中を移動可能な状態となる。ここで、潜像形成装置を使用してプラスチックフイルム(A)側から負の電荷を印加すると、正に帯電した着色粒子が負の電荷に引き寄せられ、格納層(B−3)から隠蔽層(B−2)の孔を通過して、作像層(B−1)中をプラスチックフイルム(A)側に移動し、作像層(B−1)のプラスチックフイルム(A)側近傍に形成される。
このとき、電子ペーパーの全面に負の電荷を印加すると(全面を負に帯電した潜像とすると)、着色粒子が作像層(B−1)のプラスチックフイルム(A)側近傍全面に移動形成される。
また、負の電荷を文字や図形の形状に印加すると(文字や図形の形状の負に帯電した潜像を形成すると)、該潜像に対応する位置の正に帯電した着色粒子を作像層(B−1)のプラスチックフイルム(A)側近傍に移動形成でき、一方、潜像に対応する位置にない着色粒子は、格納層(B−3)のプラスチックフイルム(C)側近傍に留まったままとなる。
次に、冷却装置を使用して電子ペーパーを冷却することにより、ワックスが凝固し、プラスチックフイルム(A)側近傍に移動形成された着色粒子は、もはや作像層(B−1)中を移動することはできなくなり、完全にプラスチックフイルム(A)側近傍に固定されるとともに、格納層(B−3)のプラスチックフイルム(C)側近傍に留まった着色粒子もそのままの状態で固定される結果、プラスチックフイルム(A)側から電子ペーパーを見た場合には、プラスチックフイルム(A)側近傍に固定形成された着色粒子による文字、図形等の画像情報を表示できるようになるのである。
このように、上記構成の本発明の電子ペーパーも、ワックスの融解、凝固を利用して固定形成するので、一旦表示された画像情報が経時で変化することがなく、画像情報を長期間保持できるのである。
また、上記のように画像情報を印字・印画された電子ペーパーを、再び加熱して作像層(B−1)、及び格納層(B−3)中のワックスを融解した後、プラスチックフイルム(A)側から正の電荷を全面に印加すると、正に帯電した着色粒子が正の電荷と反発して、作像層(B−1)から隠蔽層(B−2)の孔を通過して、格納層(B−3)中をプラスチックフイルム(C)側に移動し、プラスチックフイルム(C)側近傍全面に形成される。
次に、電子ペーパーを冷却することにより、ワックスが凝固し、プラスチックフイルム(C)側近傍全面に移動形成された着色粒子は、もはや格納層(B−3)中を移動することはできなくなり、完全にプラスチックフイルム(C)側近傍全面に固定されるため、プラスチックフイルム(A)側から電子ペーパーを見た場合には、白色粒子の有する隠蔽性と隠蔽層(B−2)の有する隠蔽性とが相俟って、再び全面白色となり、画像情報は表示されなくなるのである。
以上の通り、表示層(B)が3層構造の本発明の電子ペーパーも、上記の操作を繰り返すことにより、何度でも印字・印画が可能となるとともに、一旦表示された画像情報が経時で変化することがなく、画像情報を長期間保持できるものである。
本発明の電子ペーパーに使用する着色粒子は、1種(1色)でもよいが、カラー表示する場合には2種以上(2色以上)としても構わない。
着色粒子を1種のみ使用する場合には、白地に1色の画像情報を、着色粒子を2種以上使用する場合には、白地に2色以上の画像情報を表示することができる。
着色粒子を2種以上使用する場合には、例えば各々の着色粒子をそれぞれ各々異なる電位の正の電荷に帯電させておく(例えば、シアン:xボルト、イエロー:yボルト、マゼンタ:zボルトにそれぞれ帯電させる)。
そして、所望の色を所望の位置に印字・印画できるように、潜像形成装置を使用してプラスチックフイルム(A)側から印加する負の電位を、各々の着色粒子の正の電位の絶対値に対応する負の電位の電荷を潜像形成装置表面の所望の位置に印加して(例えば、位置Aを−xボルト、位置Bを−yボルト、位置Cを−zボルトにそれぞれ帯電させて)、位置Aに−xボルトの潜像を、位置Bに−yボルトの潜像を、位置Cに−zボルトの潜像をそれぞれ形成する。そうするとそれぞれの電位の潜像に対応する位置に各々の着色粒子が引き寄せられ、表示層(B)中をプラスチックフイルム(A)側に移動し、それぞれの電位の潜像に対応した位置のプラスチックフイルム(A)側近傍に各々の着色粒子が形成され(例えば、位置Aにシアンが、位置Bにイエローが、位置Cにマゼンタが形成され)、白地に3色の画像情報を表示することができる。
また、上記例において、印加する負の電位として、位置Aを−xボルト、位置Bを−yボルトのようにした場合には、シアン、及びイエローは移動して、位置Aにシアンが、位置Bにイエローが形成されるが、対応する電位が存在しないマゼンタは、表示層(B)のプラスチックフイルム(C)側近傍に留まり、その結果白地に2色の画像情報が表示されることとなる。
尚、以上述べたメカニズムは、潜像形成装置で形成する潜像の電荷と、着色粒子の電荷を、正負逆にすることで、電荷の引き寄せを利用して、表示層(B)のプラスチックフイルム(A)側近傍に着色粒子を形成するものである。
しかし、例えば、正に帯電させた着色粒子を表示層(B)のプラスチックフイルム(C)側近傍に形成しておき、正に帯電した潜像を表面に形成した潜像形成装置の該表面に、プラスチックフイルム(C)側を接することにより、正に帯電した表示層(B)中の着色粒子が潜像の正電荷と反発し、表示層(B)中を移動して表示層(B)のプラスチックフイルム(A)側近傍に形成させることで、プラスチックフイルム(A)側に画像情報を表示するなど、潜像の電荷と、着色粒子の電荷を、正負同じにすることで、電荷の反発を利用して、表示層(B)のプラスチックフイルム(A)側近傍に着色粒子を形成することも可能である。
しかし、潜像に対応する位置に、より正確に着色粒子を形成するためには、潜像の電荷と、着色粒子の電荷を、正負逆にして、電荷の引き寄せを利用する前記方法がより好ましい。
本発明の電子ペーパーが印字・印画されるメカニズムは上記の通りであるが、本発明の電子ペーパーに印字・印画する装置としては、下記の装置が使用できる。
すなわち、本発明の電子ペーパー印字・印画装置は、少なくとも、ワックスの融点以上の温度に加熱可能な加熱装置と、正負何れかに帯電した潜像を表面に形成可能な潜像形成装置と、ワックスの融点未満の温度に冷却可能な冷却装置とを備えていることを特徴とする。
上記加熱装置は、本発明の電子ペーパーを加熱して、表示層(B)中のワックスを融解することにより、着色粒子の移動を可能にし、画像情報の形成等を容易にするものである。
従って、加熱装置の加熱温度は、ワックスが融解可能な温度以上、すなわちワックスの融点以上の温度とすることが必要である。
しかし、加熱温度が低いと、ワックスの融解に時間がかかって、画像情報を表示するのに時間がかかるため、着色粒子の移動をより容易ならしめるためワックスを速やかに融解するには、該加熱温度は、ワックスの融点より5℃以上高い温度としておくのが好ましく、10℃以上高い温度であればより好ましい。
但し、加熱温度を高くしすぎるとワックスの凝固に時間がかかって、せっかく表示された画像情報が歪んだり、一部消失したりするため好ましくない。
加熱温度は、ワックスの種類や融点等を考慮して、適宜決定すればよい。
加熱装置の加熱方法は、特に制限はなく、抵抗加熱、温風等様々な方法が採用でき、過熱装置の形状も特に制限はなく、平板状、円筒状等様々な形状が採用可能である。
上記潜像形成装置は、正負何れかに帯電した潜像を該装置の表面に形成するものである。
さらに、前記加熱装置で加熱された電子ペーパーを潜像形成装置の表面に接することにより、潜像に対応する位置の正負何れかに帯電した着色粒子を表示層(B)の潜像形成装置側近傍に移動させ、潜像と同じ形状の所望の画像情報を電子ペーパーに表示させるものである。
潜像形成装置の潜像形成方法は、特に制限はなく、感光剤を含む感光層を正負何れかに帯電させて感光性を付与した後、帯電した感光層を露光して、着色粒子の電荷と正負反対に帯電した潜像(静電潜像)を形成する方法、透明電極を使用して電荷を発生させて、潜像を形成する方法等が挙げられる。
潜像形成装置の形状も特に制限はなく、平板状、円筒状等様々な形状が採用でき、また、電子ペーパーに接する潜像形成装置の表面の材質も特に制限はなく、金属や、ゴム等の弾性体等、様々な材質が採用可能である。
上記冷却装置は、本発明の電子ペーパーを冷却して、表示層(B)中のワックスを凝固することにより、移動した着色粒子を固定形成し、画像情報を固定するものである。
従って、冷却装置の冷却温度は、ワックスが凝固可能な温度未満、すなわちワックスの融点未満の温度とすることが必要である。
しかし、冷却温度が高いと、ワックスの凝固に時間がかかって、せっかく表示された画像情報が歪んだり、一部消失したりするので、着色粒子の固定をより容易ならしめるためワックスを速やかに凝固するには、該冷却温度は、ワックスの融点より5℃以上低い温度としておくのが好ましく、10℃以上低い温度であればより好ましい。
但し、冷却温度を加熱温度より極端に低い温度とすると、表示層(B)にクラックが生じる場合があるので好ましくない。
冷却温度は、加熱温度、ワックスの種類や融点等を考慮して、適宜決定すればよい。
冷却装置の冷却方法は、特に制限はなく、冷媒、冷風等様々な方法が採用でき、冷却装置の形状も特に制限はなく、平板状、円筒状等様々な形状が採用可能である。
加熱装置、及び冷却装置は、電子ペーパーを充分に加熱、又は冷却できれば、プラスチックフイルム(A)側、あるいはプラスチックフイルム(C)側の何れの面側に設置しておいても構わない。
また、潜像形成装置は、例えば、プラスチックフイルム(A)側を画像表示面としたとき、潜像の電荷と、着色粒子の電荷を、正負逆にすることで、電荷の引き寄せを利用して画像表示する場合には、プラスチックフイルム(A)側に設置し、潜像の電荷と、着色粒子の電荷を、正負同じにすることで、電荷の反発を利用して画像表示する場合には、プラスチックフイルム(C)側に設置すればよく、潜像形成装置の設置位置は、画像表示面、印字・印画のメカニズム等により適宜決定すればよい。
上記に示した本発明の電子ペーパー印字・印画装置の具体的な一例として、加熱装置が、外周面をワックスの融点以上の温度に加熱可能な円筒状の加熱ドラム(1)からなり、正負何れかに帯電した潜像を表面に形成可能な潜像形成装置が、外周面に感光剤を含む感光層を形成してなる円筒状の感光ドラム(2)と、感光ドラム(2)の外周面近傍に備えられた、感光層を帯電させて感光性を付与する帯電装置(4)と、感光ドラム(2)の外周面近傍に備えられた、帯電した感光層を露光して静電潜像を形成する露光装置(5)とからなり、かつ冷却装置が、外周面をワックスの融点未満の温度に冷却可能な円筒状の冷却ドラム(3)からなる電子ペーパー印字・印画装置を挙げることができる。
以下この装置について具体的に説明する。
上記加熱ドラム(1)は、前記加熱装置の一態様であり、本発明の電子ペーパーを加熱して、表示層(B)中のワックスを融解することにより、着色粒子の移動を可能にし、画像情報の形成等を容易にするものである。
従って、加熱ドラム(1)の外周面の表面温度は、ワックスが融解可能な温度以上、すなわちワックスの融点以上の温度とすることが必要である。
しかし、加熱温度が低いと、ワックスの融解に時間がかかって、画像情報を表示するのに時間がかかりため、着色粒子の移動をより容易ならしめるためワックスを速やかに融解するには、該加熱温度は、ワックスの融点より5℃以上高い温度としておくのが好ましく、10℃以上高い温度であればより好ましい。
但し、加熱温度を高くしすぎるとワックスの凝固に時間がかかって、せっかく表示された画像情報が歪んだり、一部消失したりするため好ましくない。
加熱温度は、ワックスの種類や融点等を考慮して、適宜決定すればよい。
そして、加熱ドラム(1)に、電子ペーパーを接することにより、電子ペーパーの接した部分が加熱されるものであるが、加熱ドラム(1)を回転することにより、電子ペーパーを後で述べる感光ドラム(2)側に送紙しながら、該電子ペーパー全体をむらなく加熱することができる。
さらには、加熱ドラム(1)と電子ペーパーが接する部分の反対側に、円筒状のニップロールを設け、加熱ドラム(1)とニップロールで電子ペーパーを挟持しておくことが好ましく、こうすることで電子ペーパーの送紙がよりスムーズになるとともに、全体にむらなく加熱することができる。
また、加熱ドラム(1)やニップロールは駆動系にしておけばより万全である。
加熱ドラム(1)の材質は特に制限はなく、金属や、ゴム等の弾性体であってもよい。
上記感光ドラム(2)、帯電装置(4)、及び露光装置(5)は、前記潜像形成装置の一態様であり、以下これらについて詳細に説明する。
上記、感光ドラム(2)は、円筒状で、かつ外周面に感光剤を含む感光層を形成してなるもので、複写機の感光ドラムと同様の構造であり、市販の複写機の感光ドラムをそのまま使用しても構わない。
すなわち、感光ドラム(2)は、その外周面に形成された感光剤を含む感光層に、着色粒子の電荷と正負反対に帯電した所望の静電潜像を形成した後、感光ドラム(2)を回転させながら、加熱された前記電子ペーパーを感光ドラム(2)の外周面に接することにより、後で述べる冷却ドラム(3)側に送紙するとともに、静電潜像に対応する位置の正負何れかに帯電した着色粒子を表示層(B)の感光ドラム(2)側近傍に移動させ、静電潜像と同じ形状の所望の画像情報を電子ペーパーに表示させるものである。
また、感光ドラム(2)と電子ペーパーが接する部分の反対側に、円筒状のニップロールを設け、感光ドラム(2)とニップロールで電子ペーパーを挟持しておくことが好ましく、こうすることで電子ペーパーの送紙がよりスムーズになり、静電潜像に対応する位置に帯電した着色粒子を確実に表示層(B)の感光ドラム(2)側近傍に形成することができる。
また、感光ドラム(2)やニップロールは駆動系にしておけばより万全である。
感光ドラム(2)の材質は特に制限はなく、金属や、ゴム等の弾性体であってもよい。
帯電装置(4)は、感光ドラム(2)の外周面近傍に備えられ、感光ドラム(2)の感光層を帯電させて感光性を付与するものである。
帯電装置(4)は、複写機の帯電装置と同様の構造であり、市販の複写機の帯電装置をそのまま使用しても構わない。
露光装置(5)は、感光ドラム(2)の外周面近傍に備えられ、帯電した感光層を露光して静電潜像を形成するものである。
露光装置(5)は、複写機の露光装置と同様の構造であり、市販の複写機の露光装置をそのまま使用しても構わない。
上記冷却ドラム(3)は、前記冷却装置の一態様であり、本発明の電子ペーパーを冷却して、表示層(B)中のワックスを凝固することにより、移動した着色粒子を固定形成し、画像情報を固定するものである。
従って、冷却ドラム(3)の外周面の表面温度は、ワックスが凝固可能な温度未満、すなわちワックスの融点未満の温度とすることが必要である。
しかし、冷却温度が高いと、ワックスの凝固に時間がかかって、せっかく表示された画像情報が歪んだり、一部消失したりするので、着色粒子の固定をより容易ならしめるためワックスを速やかに凝固するには、該冷却温度は、ワックスの融点より5℃以上低い温度としておくのが好ましく、10℃以上低い温度であればより好ましい。
但し、冷却温度を加熱温度より極端に低い温度とすると、表示層(B)にクラックが生じる場合があるので好ましくない。
冷却温度は、加熱温度、ワックスの種類や融点等を考慮して、適宜決定すればよい。
そして、冷却ドラム(3)の外周面に、電子ペーパーを接することにより、電子ペーパーの接した部分が冷却されるものであるが、冷却ドラム(3)を回転することにより、電子ペーパーを送紙しながら、該電子ペーパー全体をむらなく冷却することができる。
さらには、冷却ドラム(3)と電子ペーパーが接する部分の反対側に、円筒状のニップロールを設け、冷却ドラム(3)とニップロールで電子ペーパーを挟持しておくことが好ましく、こうすることで電子ペーパーの送紙がよりスムーズになるとともに、全体にむらなく冷却することができる。
また、冷却ドラム(3)やニップロールは駆動系にしておけばより万全である。
冷却ドラム(3)の材質は特に制限はなく、金属や、ゴム等の弾性体であってもよい。
前記した、加熱ドラム(1)、感光ドラム(2)、冷却ドラム(3)、及びニップロールは、電子ペーパーの送紙をスムーズに行えるように、同一の周速度で回転するように調整しておくことが好ましい。
加熱ドラム(1)、及び冷却ドラム(3)は、電子ペーパーを充分に加熱、又は冷却できれば、プラスチックフイルム(A)側、あるいはプラスチックフイルム(C)側の何れの面側に設置しておいても構わない。
また、感光ドラム(2)は、例えば、プラスチックフイルム(A)側を画像表示面としたとき、静電潜像の電荷と、着色粒子の電荷を、正負逆にすることで、電荷の引き寄せを利用して画像表示する場合には、プラスチックフイルム(A)側に設置し、静電潜像の電荷と、着色粒子の電荷を、正負同じにすることで、電荷の反発を利用して画像表示する場合には、プラスチックフイルム(C)側に設置すればよく、感光ドラム(2)の設置位置は、画像表示面、印字・印画のメカニズム等により適宜決定すればよい。
本発明の電子ペーパーの印字・印画方法については、前記した電子ペーパーが印字・印画されるメカニズム、及び本発明の印字・印画装置で既に説明した内容と重複する部分もあるが、念のため説明する。
すなわち、本発明の電子ペーパー印字・印画方法は、まず、ワックスの融点以上の温度に加熱した加熱装置により電子ペーパーを加熱する工程と、正負何れかに帯電した潜像を表面に形成可能な潜像形成装置の該表面に、着色粒子の電荷と正負反対に帯電した所望の潜像を形成する工程と、加熱された前記電子ペーパーを潜像形成装置の表面に接することにより、潜像に対応する位置の正負何れかに帯電した着色粒子を表示層(B)の潜像形成装置側近傍に移動させる工程と、ワックスの融点未満の温度に冷却した冷却装置により電子ペーパーを冷却して、表示層(B)の潜像形成装置側近傍に前記着色粒子を固定する工程を、少なくとも含むことを特徴とする電子ペーパー印字・印画方法である。
また、本発明の電子ペーパー印字・印画方法は、まず、外周面をワックスの融点以上の温度に加熱した円筒状の加熱ドラム(1)を回転させながら、加熱ドラム(1)の該外周面に前記電子ペーパーを接することにより電子ペーパーを加熱する工程と、外周面に感光剤を含む感光層を形成してなる円筒状の感光ドラム(2)の外周面近傍に備えられた帯電装置(4)により、感光ドラム(2)の感光層を正負何れかに帯電させて感光性を付与した後、感光ドラム(2)の外周面近傍に備えられた露光装置(5)により、帯電した感光層を露光して、着色粒子の電荷と正負反対に帯電した所望の静電潜像を感光ドラム(2)の感光層に形成する工程と、感光ドラム(2)を回転させながら、加熱された前記電子ペーパーを感光ドラム(2)の外周面に接することにより、前記静電潜像に対応する位置の正負何れかに帯電した着色粒子を表示層(B)の感光ドラム(2)側近傍に移動させる工程と、外周面をワックスの融点未満の温度に冷却した円筒状の冷却ドラム(3)を回転させながら、冷却ドラム(3)の該外周面に前記電子ペーパーを接することにより電子ペーパーを冷却して、表示層(B)の感光ドラム(2)側近傍に前記着色粒子を固定する工程を、少なくとも含むことを特徴とする電子ペーパー印字・印画方法である。
上記本発明の印字・印画方法によれば、容易に、しかも何度でも本発明の電子ペーパーに印字・印画することができる。
次に、本発明の電子ペーパーについて詳細に説明する。
本発明の電子ペーパーは、図1に示すように、少なくとも、プラスチックフイルム(A)、ワックス、正負何れかに帯電した着色粒子、及び白色粒子を少なくとも含む表示層(B)、プラスチックフイルム(C)が順次形成されていることを特徴とするものである。
以下、まず、表示層(B)が1層構造である電子ペーパーについて述べる。
本発明の電子ペーパーに使用するプラスチックフイルム(A)は、本発明の電子ペーパーが画像情報を表示できる面側、すなわち画像表示面となるものである。
従って、プラスチックフイルム(A)は、プラスチックフイルム(A)側から見て、画像情報を表示できる程度の透明性があるものであれば特に制限はなく、ポリエチレンテレフタレートフイルム、ポリエチレンナフタレートフイルム、ポリプロピレンフイルム、ポリエチレンフイルム、塩化ビニルフイルム、フッ素フイルム、アクリルフイルム等の従来公知のプラスチックフイルムが使用できるが、耐熱性や強度等の点からポリエチレンテレフタレートフイルムが特に好ましい。
また、画像情報を表示できる程度の透明性を維持できる範囲であれば、マット加工やエンボス加工等の凹凸加工を施したプラスチックフイルムでも構わない。
凹凸加工を施したプラスチックフイルムを使用すれば、鉛筆等の筆記具で自由に書き込みができ、また消しゴム等で書き込みを消去することも可能であり、使用用途が広がる。
プラスチックフイルム(A)の厚さは、10〜100μmが好ましい。厚さが10μmより薄いと、電子ペーパーの加工時及び、使用時に、しわや破れが発生するので好ましくない。
厚さが100μmより厚いと、電子ペーパー自体のフレキシブル性が悪くなり、また薄膜、軽量化の点からも好ましくない。
プラスチックフイルム(C)は、表示層(B)のプラスチックフイルム(A)が形成されている側と反対側に形成され、基本的には、画像表示面とはならない。
従って、プラスチックフイルム(C)は、画像情報を表示できる程度の透明性を特に必要とせず、電子ペーパーの隠蔽性を付与するための補助的な役割を担うものであるので、隠蔽性のある白色等の着色プラスチックフイルム等が使用できる。
しかし、プラスチックフイルム(C)を、プラスチックフイルム(A)と同様、画像情報を表示できる程度の透明性を有するものとしてももちろんよく、そうした場合には、表示層(B)を中心に表裏が対称の構成になることから、プラスチックフイルム(A)側、又はプラスチックフイルム(C)側の何れの側を、画像情報を表示できる面としてもよく、表裏両面が画像表示面として使用可能である。
また、プラスチックフイルム(C)を、縦10〜200μm、横10〜200μm、深さ5〜100μmの凹部形状を施したものとしておいてもよい。
このとき、凹部は、表示層(B)側を向いて形成しておくのが好ましい。
プラスチックフイルム(A)、及びプラスチックフイルム(C)がともにフラットな表面状態であると、例えば、電子ペーパーが加熱ドラム(1)とニップロール間、感光ドラム(2)とニップロール間、又は冷却ドラム(3)とニップロール間を通って送紙される際に、電子ペーパーにかかる押さえ圧によって、電子ペーパーがしごかれることにより、表示層(B)の厚さが不均一となる結果、画像情報を精度よく表示できなくなる場合がある。
従って、プラスチックフイルム(C)を上記のような凹部形状を施したものとしておけば、電子ペーパーがしごかれても、表示層(B)が凹部に留まり、表示層(B)の厚さが不均一になるのを防止することができる。
プラスチックフイルム(A)とプラスチックフイルム(C)間に形成される表示層(B)は、表示層(B)が1層構造の場合には、ワックス、正負何れかに帯電した着色粒子、及び白色粒子を少なくとも含むものである。
ここで、ワックスは前記した通り、電子ペーパーの加熱により融解して、着色粒子の移動を容易にするとともに、電子ペーパーの冷却により凝固して、着色粒子を固定する役割を有する。
従って、ワックスは常温(室温)では融解せず凝固していて、適度の加熱で融解する比較的低融点のものが好ましく、具体的にはおおよそ45℃以上の融点のワックスが好ましく、55℃以上の融点のワックスがより好ましい。
また、白色粒子は、表示層(B)に隠蔽性を付与するとともに、白色粒子間に隙間を形成して、表示層(B)中の着色粒子の移動を妨げることがないようにするものである。
さらには、表示層(B)の強度を強くして、印字・印画時の押さえ圧による表示層(B)の変形を防止したり、電子ペーパーを曲げても元のフラットな形状に戻る復原性を向上するものである。
白色粒子は、上記目的を達成できるものであれば、特に制限はなく、無機物、樹脂等からなる有機物でもよく、また形状も球状、針状等の形状でもよい。
例えば、粒径0.1〜10μmの酸化チタン、硫酸バリウム、炭酸バリウム等の粒子が使用できる。
しかし、隠蔽性及び、着色粒子の移動の容易性の点から、針状白色粒子としておくのが好ましい。
針状白色粒子は針状構造であるため、ランダムに重なり合うことで隙間が形成され、この隙間を着色粒子がすり抜けることにより、着色粒子の移動を容易にするとともに、白色の隠蔽性をも付与するものである。
針状白色粒子の長さは、隠蔽性及び、着色粒子の移動の容易性を考慮すると、0.1〜20μmが好ましい。
針状白色粒子は、上記目的を達成できるものであれば、特に制限はなく、無機物、樹脂等からなる有機物でもよく、例えばチタン酸カリウムが例示できる。
また、表示層(B)中に混入するワックスと白色粒子の混入比率は、ワックス:白色粒子=60:40〜99:1が好ましい。
ワックスの比率が60重量%より少ないと、すなわち白色粒子の比率が40重量%より多いと、ワックス融解時の着色粒子の移動が妨げられるので好ましくない。
また、ワックスの比率が99重量%より多いと、すなわち白色粒子の比率が1%より少ないと、表示層(B)の強度が弱くなるので、印字・印画時に加熱ドラム(1)とニップロール間を通って送紙される際に電子ペーパーにかかる押さえ圧によって表示層(B)が変形したり、電子ペーパーを少し曲げただけで元のフラットな形状に戻らなくなるなど復原性が悪くなるので好ましくない。
また、白色粒子の比率が1%より少ないと、表示層(B)の隠蔽性が不足してしまうので、プラスチックフイルム(C)側近傍にある着色粒子の存在を感知してしまい、全面白色として視認されないなど、所望の画像情報を表示できにくくなるので好ましくない。
表示層(B)の厚さは、表示層(B)が1層構造の場合、10〜150μmが好ましい。
厚さが、10μmより薄いと、画像情報が鮮明に表示できなくなるので好ましくなく、また、150μmより厚いと、加熱時や冷却時の熱の伝導が悪くなり、ワックスの融解に時間がかかるため、画像情報を表示するのに時間がかかったり、またワックスの凝固に時間がかかるため、せっかく表示された画像情報が歪んだり、一部消失したりするので好ましくない。
着色粒子は、本発明の電子ペーパーに、画像情報を付与するものであり、1種(1色)、あるいは2種(2色)以上としても構わない。
着色粒子を1種のみ使用する場合には、白地に1色の画像情報を、着色粒子を2種以上使用する場合には、白地に2色以上の画像情報を表示することができる。
着色粒子は、複写機やレーザープリンター等に使用されているトナー(着色粒子と樹脂を混合したもの)に用いられている着色粒子等、有機物や無機物の着色粒子が使用可能である。
着色粒子の粒径は、白色粒子による隙間の大きさ、画像情報の精度等から、0.01〜1μmが好ましい。
また、着色粒子の混入量は、ワックス、及び白色粒子の混入量に対して、1〜20重量%が好ましく、より好ましくは5〜15重量%である。
尚、上記混入量は、表示層(B)が1層構造の場合には表示層(B)中のワックス、及び白色粒子の混入量に対する量を、表示層(B)が作像層(B−1)、隠蔽層(B−2)、格納層(B−3)からなる3層構造の場合には、作像層(B−1)、及び格納層(B−3)中のワックス、及び白色粒子の合計の混入量に対する量を示すものである。
また、使用する着色粒子の色、種類、混入量、粒径等は、所望の画像情報により適宜決定すればよい。
また、本発明の電子ペーパーは、図2に示すように、表示層(B)が、プラスチックフイルム(A)側から、ワックス、及び白色粒子を少なくとも含む作像層(B−1)、多孔質部材からなる隠蔽層(B−2)、ワックス、及び白色粒子を少なくとも含む格納層(B−3)が順次形成されており、かつ正負何れかに帯電した着色粒子が作像層(B−1)及び/又は格納層(B−3)に混入されているものであっても構わない。
以下、表示層(B)が、上記の3層構造である電子ペーパーについて述べる。
上記3層構造の本発明の電子ペーパーは、画像情報を表示する場合にのみ、作像層(B−1)に着色粒子を移動させ、画像情報を表示しない場合には、格納層(B−3)に着色粒子を留めておくとともに、隠蔽層(B−2)により、格納層(B−3)に留まっている着色粒子を、より確実に隠蔽するものである。
多孔質部材からなる隠蔽層(B−2)は、上記の通り、作像層(B−1)と格納層(B−3)とを隔てるとともに、隠蔽性を付与するものである。
さらに、作像層(B−1)、及び格納層(B−3)間の着色粒子の移動を容易ならしめるために、隠蔽層(B−2)は、多孔質部材であることが必要である。
隠蔽層(B−2)に使用する多孔質部材としては、着色粒子が移動可能な程度、すなわち、0.5〜10μm程度の孔を有するものであり、かつ隠蔽性を向上するものであれば特に制限はなく、例えば、和紙等の紙、不織布、布等が使用可能である。
また、隠蔽層(B−2)は、上記多孔質部材に真空蒸着等により、該部材の孔を埋めないように金属薄膜層を形成したものや、プラスチックフイルムに同様にして金属薄膜層を形成して孔を多数空けたものでもよく、これらのものは金属薄膜層の光反射性により、見た目の白色度合を上げ、隠蔽性をより向上することができる。
表示層(B)が3層構造の本発明の電子ペーパーも、プラスチックフイルム(A)、及びプラスチックフイルム(C)は、前記表示層(B)が1層構造の電子ペーパーと同様のものが使用可能である。
表示層(B)が3層構造の本発明の電子ペーパーは、基本的にプラスチックフイルム(A)側が画像表示面であるので、プラスチックフイルム(C)を通常隠蔽性のある白色等の着色プラスチックフイルムとしておけばよい。
しかし、プラスチックフイルム(C)をプラスチックフイルム(A)と同様、画像情報を表示できる程度の透明性を有するものとしてももちろんよく、そうした場合には、隠蔽層(B−2)を中心に表裏が対称の構成になることから、プラスチックフイルム(A)側、又はプラスチックフイルム(C)側の何れの側を、画像情報を表示できる面としてもよく、表裏両面が画像表示面として使用可能である。
作像層(B−1)、及び格納層(B−3)は何れも、ワックス、及び白色粒子を少なくとも含むものであり、ワックス、及び白色粒子は、前記表示層(B)中のワックス、及び白色粒子と同様のものが使用できる。
また、着色粒子も前記着色粒子と同様のものが使用可能である。
そして、着色粒子は作像層(B−1)及び/又は格納層(B−3)に混入されている。
着色粒子が作像層(B−1)にのみ混入されている場合とは、例えば、潜像を文字や図形の形状ではなく、電子ペーパーの全面を覆うように形成したことにより、着色粒子が作像層(B−1)のプラスチックフイルム(A)側近傍全面に移動形成され、その結果格納層(B−3)中には着色粒子が全く存在しなくなった場合が挙げられる。
この場合には、着色粒子が作像層(B−1)のプラスチックフイルム(A)側近傍全面に形成されているので、プラスチックフイルム(A)側から電子ペーパーを見たときには、電子ペーパー全面が着色されたものとなる。
また、着色粒子が格納層(B−3)にのみ混入されている場合とは、例えば、着色粒子が格納層(B−3)のプラスチックフイルム(C)側近傍全面に移動形成され、その結果作像層(B−1)中には着色粒子が全く存在しなくなった場合が挙げられる。
この場合には、着色粒子が格納層(B−3)のプラスチックフイルム(C)側近傍全面に形成されているので、プラスチックフイルム(A)側から電子ペーパーを見たときには、作像層(B−1)中の白色粒子の有する隠蔽性と隠蔽層(B−2)の有する隠蔽性とが相俟って、電子ペーパー全面が白色に視認され、画像情報が表示されないものとなる。
着色粒子が作像層(B−1)、及び格納層(B−3)に混入されている場合とは、例えば、潜像を文字や図形の形状に形成したときに、該潜像に対応する位置の着色粒子は作像層(B−1)のプラスチックフイルム(A)側近傍に形成され、一方、潜像に対応する位置にない着色粒子は、格納層(B−3)のプラスチックフイルム(C)側近傍に留まったままとなるような場合が挙げられる。
この場合には、プラスチックフイルム(A)側から電子ペーパーを見たときには、潜像に対応する文字や図形の形状の画像情報が表示される。
さらに、着色粒子が作像層(B−1)、及び格納層(B−3)に混入されている場合の他の例としては、着色粒子を3種(3色)使用したときに、2種の着色粒子が作像層(B−1)のプラスチックフイルム(A)側近傍に形成され、残りの1種が格納層(B−3)のプラスチックフイルム(C)側近傍に留まったままとなるような場合が挙げられる。
この場合には、プラスチックフイルム(A)側から電子ペーパーを見たときには、白地に2色の画像情報が表示される。
作像層(B−1)の厚さは、10〜100μmが好ましい。
厚さが、10μmより薄いと、画像情報が鮮明に表示できなくなるので好ましくなく、また、100μmより厚いと、加熱時や冷却時の熱の伝導が悪くなり、ワックスの融解に時間がかかるため、画像情報を表示するのに時間がかかったり、またワックスの凝固に時間がかかるため、せっかく表示された画像情報が歪んだり、一部消失したりするので好ましくない。
格納層(B−3)の厚さは、10〜100μmが好ましい。
厚さが、10μmより薄いと、着色顔料を充分に隠蔽できなくなり好ましくなく、また、100μmより厚いと、加熱時や冷却時の熱の伝導が悪くなり、ワックスの融解に時間がかかるため、画像情報を表示するのに時間がかかったり、またワックスの凝固に時間がかかるため、せっかく表示された画像情報が歪んだり、一部消失したりするので好ましくない。
本発明の電子ペーパーは、プラスチックフイルム(C)の表示層(B)が形成されている側と反対面側に、基材を形成しておいても構わない。
上記基材は、例えば電子ペーパーの厚さが薄く、電子ペーパー全体にいわゆる腰を持たせるような場合など、電子ペーパーに適度なフレキシブル性を付与するものである。
従って、基材としては、電子ペーパーに適度なフレキシブル性を付与するものであれば特に制限はなく、例えば透明や不透明のプラスチックフイルム、紙、不織布等が使用できる。
また、基材を、縦10〜200μm、横10〜200μm、深さ5〜100μmの凹部形状を施したものとしておいてもよい。
このようなエンボス形状を施した基材も、前記の凹部形状を施したプラスチックフイルム(C)と同様、例えば、電子ペーパーが加熱ドラム(1)、感光ドラム(2)、又は冷却ドラム(3)とニップロール間を通って送紙される際に、電子ペーパーにかかる押さえ圧によって、表示層(B)がしごかれても、表示層(B)が凹部に留まり、電子ペーパー内の移動を最小限に防止することができる。
本発明の電子ペーパーの製造方法としては、例えば下記の方法が例示できる。
表示層(B)を前記1層構造とした本発明の電子ペーパーの製造方法としては、例えばプラスチックフイルム(A)の片面に、ワックス、正負何れかに帯電した着色粒子、及び白色粒子を少なくとも含み、かつワックスの融点以上に加熱してワックスを融解させた塗料をコーティングして表示層(B)を形成するとともに、ワックスが凝固しないうちに、プラスチックフイルム(A)の表示層(B)側とプラスチックフイルム(C)を貼り合わせた後、ワックスが凝固するまで冷却して製造する方法、あるいはプラスチックフイルム(A)の片面に、上記と同様の方法で表示層(B)を形成した後、一旦ワックスが凝固するまで冷却し、その後、プラスチックフイルム(A)の表示層(B)側とプラスチックフイルム(C)を重ね合わすとともに、再びワックスの融点以上に加熱してワックスを融解させて貼り合わせた後、ワックスが凝固するまで冷却して製造する方法などが例示できる。
また、表示層(B)を上記3層構造とした本発明の電子ペーパーの製造方法としては、例えばプラスチックフイルム(A)、及びプラスチックフイルム(C)の片面に、ワックス、及び白色粒子を少なくとも含み、かつワックスの融点以上に加熱してワックスを融解させた塗料をそれぞれコーティングして作像層(B−1)、及び格納層(B−3)を各々形成したものを、ワックスが凝固しないうちに、隠蔽層(B−2)の片面にプラスチックフイルム(A)の作像層(B−1)側が、他の片面にプラスチックフイルム(C)の格納層(B−3)側が接するようにして貼り合わせ後、ワックスが凝固するまで冷却して製造する方法、あるいはプラスチックフイルム(A)、及びプラスチックフイルム(C)の片面に、ワックス、及び白色粒子を少なくとも含み、かつワックスの融点以上に加熱してワックスを融解させた塗料をそれぞれコーティングして作像層(B−1)、及び格納層(B−3)を各々形成した後、一旦ワックスが凝固するまで冷却し、その後、隠蔽層(B−2)の片面にプラスチックフイルム(A)の作像層(B−1)側が、他の片面にプラスチックフイルム(C)の格納層(B−3)側が接するようにして重ね合わすとともに、再びワックスの融点以上に加熱してワックスを融解させて貼り合わせた後、ワックスが凝固するまで冷却して製造する方法などが例示できる。
尚、上記の例において、正負何れかに帯電した着色粒子は、作像層(B−1)、又は格納層(B−3)の何れか一方に混入しておくか、あるいは作像層(B−1)、及び格納層(B−3)の両方に混入しておくかすればよい。
本発明の電子ペーパーは、上記の通り、プラスチックフイルム(A)とプラスチックフイルム(C)間に、表示層(B)、が形成されているが、実際の使用に際しては、適宜の形状や大きさにカットしたり、また、表示層(B)が、はみ出したり、流れ出てしまうのを防止するために、電子ペーパーの断面を密閉したりして使用すればよい。
密閉する方法としては、例えば、接着剤や無延伸ポリプロピレンフイルム等のシーラントフイルムなどを使用すればよい。
ここで、本発明に係る電子ペーパー、及び本発明に係る電子ペーパー印字・印画装置、並びに該装置により、本発明の電子ペーパーに印字・印画するメカニズムについて、図面を参照しながら説明する。
図1(a)は、本発明に係る電子ペーパーの一例を示す一部拡大断面図であり、プラスチックフイルム(A)、表示層(B)、プラスチックフイルム(C)が順次形成されており、着色粒子10が、表示層(B)のプラスチックフイルム(C)側近傍に全面に形成され、プラスチックフイルム(A)側から見た場合に、全面白色となり、画像情報が表示されていない状態を示している。
図1(b)は、本発明に係る電子ペーパーの一例を示す一部拡大断面図であり、プラスチックフイルム(A)、表示層(B)、プラスチックフイルム(C)が順次形成されており、着色粒子10の一部が、表示層(B)のプラスチックフイルム(A)側近傍に形成されて、プラスチックフイルム(A)側から見た場合に、画像情報が表示されている状態を示している。
図2(a)は、本発明に係る電子ペーパーの一例を示す一部拡大断面図であり、プラスチックフイルム(A)、表示層(B)、プラスチックフイルム(C)が順次形成された電子ペーパーにおいて、表示層(B)が、プラスチックフイルム(A)側から、作像層(B−1)、隠蔽層(B−2)、格納層(B−3)が順次形成された3層構造になっており、着色粒子10が、格納層(B−3)のプラスチックフイルム(C)側近傍に全面に形成され、プラスチックフイルム(A)側から見た場合に、全面白色となり、画像情報が表示されていない状態を示している。
図2(b)は、本発明に係る電子ペーパーの一例を示す一部拡大断面図であり、プラスチックフイルム(A)、表示層(B)、プラスチックフイルム(C)が順次形成された電子ペーパーにおいて、表示層(B)が、プラスチックフイルム(A)側から、作像層(B−1)、隠蔽層(B−2)、格納層(B−3)が順次形成された3層構造になっており、着色粒子10の一部が、作像層(B−1)のプラスチックフイルム(A)側近傍に形成されて、プラスチックフイルム(A)側から見た場合に、画像情報が表示されている状態を示している。
図3は、本発明に係る電子ペーパー印字・印画装置、及び該装置に接している本発明の電子ペーパーを示す一部拡大断面図であり、円筒状の加熱ドラム(1)と、円筒状の感光ドラム(2)と、円筒状の冷却ドラム(3)と、感光ドラム(2)の外周面近傍に、帯電装置(4)及び、露光装置(5)を備えた本発明の電子ペーパー印字・印画装置に、プラスチックフイルム(A)、表示層(B)、プラスチックフイルム(C)が順次形成された本発明の電子ペーパーが接しているとともに、感光ドラム(2)の外周面に負の電荷による静電潜像が形成され、該静電潜像に対応する位置の正に帯電した着色粒子10が、表示層(B)の感光ドラム(2)側近傍に形成されている状態を示している。
尚、加熱ドラム(1)、感光ドラム(2)、及び冷却ドラム(3)中の矢印(⇒)は、各ドラムの回転方向を、電子ペーパー左側の矢印(⇒)は、電子ペーパーの送紙方向を表している。
<印字・印画装置>
後で示す実施例に係る本発明の電子ペーパーに印字・印画する装置として、加熱装置が、外周面をワックスの融点以上の温度に加熱可能な円筒状の加熱ドラム(1)からなり、潜像形成装置が、外周面に感光剤を含む感光層を形成してなる円筒状の感光ドラム(2)と、感光ドラム(2)の外周面近傍に備えられた、感光層を帯電させて感光性を付与する帯電装置(4)と、感光ドラム(2)の外周面近傍に備えられた、帯電した感光層を露光して静電潜像を形成する露光装置(5)とからなり、かつ冷却装置が、外周面をワックスの融点未満の温度に冷却可能な円筒状の冷却ドラム(3)からなる、図3に示す本発明の電子ペーパー印字・印画装置を使用した。
<電子ペーパーの製造>
[実施例1]
厚さ75μmのポリエチレンテレフタレートフイルム(A)の片面に、130℃に加熱した下記の塗料をコーティングして、厚さ50μmの表示層(B)を形成するとともに、表示層(B)中のワックスが凝固しないうちに、ポリエチレンテレフタレートフイルム(A)の表示層(B)側と、厚さ75μmのポリエチレンテレフタレートフイルム(C)を貼り合わせた後、冷却してワックスを凝固させて、ポリエチレンテレフタレートフイルム(A)/表示層(B)/ポリエチレンテレフタレートフイルム(C)からなる積層体を得た。
その後、該積層体をA4サイズの長方形にカットし、表示層(B)が、はみ出したり、流れ出てしまうのを防止するために、断面を接着剤で密閉して、表示層(B)が1層構造である本発明の電子ペーパーを得た。
−塗料−
ワックス:三洋化成工業社製 PEG1540(融点:60℃) 80部
白色粒子:大塚化学社製 ティスモD(針状チタン酸カリウム) 10部
着色粒子:正に帯電した黒色顔料 10部
[実施例2]
表示層(B)を形成する塗料として、実施例1の塗料に替えて、130℃に加熱した下記の塗料を使用した以外は実施例1と同様にして、表示層(B)が1層構造である本発明の電子ペーパーを得た。
−塗料−
ワックス:三洋化成工業社製 PEG1000(融点:75℃) 80部
白色粒子:大塚化学社製 ティスモD(針状チタン酸カリウム) 10部
着色粒子:正に帯電した黒色顔料 10部
[実施例3]
厚さ75μmのポリエチレンテレフタレートフイルム(A)の片面に、130℃に加熱した実施例1の塗料をコーティングして、厚さ50μmの作像層(B−1)を形成したもの、及び厚さ75μmのポリエチレンテレフタレートフイルム(C)の片面に、130℃に加熱した実施例1の塗料をコーティングして、厚さ50μmの格納層(B−3)を形成したものを、作像層(B−1)、及び格納層(B−3)中のワックスが凝固しないうちに、隠蔽層(B−2)である和紙の片面にポリエチレンテレフタレートフイルム(A)の作像層(B−1)側が、他の片面にポリエチレンテレフタレートフイルム(C)の格納層(B−3)側が接するようにして貼り合わせ後、冷却してワックスを凝固させて、ポリエチレンテレフタレートフイルム(A)/表示層(B)[作像層(B−1)/和紙からなる隠蔽層(B−2)/格納層(B−3)]/ポリエチレンテレフタレートフイルム(C)からなる積層体を得た。
その後、該積層体をA4サイズの長方形にカットし、断面を接着剤で密閉して、表示層(B)が3層構造である本発明の電子ペーパーを得た。
<電子ペーパーへの印字・印画>
(実施例1の電子ペーパー)
前記した本発明の電子ペーパー印字・印画装置を使用して、外周面を70℃に加熱した円筒状の加熱ドラム(1)を回転させながら、加熱ドラム(1)の該外周面に実施例1の電子ペーパーのポリエチレンテレフタレートフイルム(A)側を接することにより電子ペーパーを加熱して表示層(B)中のワックスを融解し、次に外周面に感光剤を含む感光層を形成してなる円筒状の感光ドラム(2)の外周面近傍に備えられた帯電装置(4)により、感光ドラム(2)の感光層を負に帯電させて感光性を付与した後、感光ドラム(2)の外周面近傍に備えられた露光装置(5)により、帯電した感光層を露光して、負に帯電した所望の静電潜像を感光ドラム(2)の感光層に形成し、感光ドラム(2)を回転させながら、加熱された前記電子ペーパーのポリエチレンテレフタレートフイルム(A)側を感光ドラム(2)の外周面に接することにより、前記静電潜像に対応する位置の正に帯電した着色粒子を表示層(B)の感光ドラム(2)側、すなわちポリエチレンテレフタレートフイルム(A)側近傍に移動させ、次に外周面を30℃に冷却した円筒状の冷却ドラム(3)を回転させながら、冷却ドラム(3)の該外周面に前記電子ペーパーのポリエチレンテレフタレートフイルム(A)側を接することにより電子ペーパーを冷却して表示層(B)中のワックスを凝固して、表示層(B)の感光ドラム(2)側、すなわちポリエチレンテレフタレートフイルム(A)側近傍に前記着色粒子を固定して、実施例1の電子ペーパーの画像表示面(ポリエチレンテレフタレートフイルム(A)側)に、白地に黒色の所望の画像情報を表示した。
表示された画像情報は、画像情報が歪んだり一部消失したりすることもなく、非常に鮮明であった。
また、印字・印画した上記電子ペーパーは、室温で6ヶ月放置しても、該画像情報は印字・印画した際と全く変化がなく、画像情報を長期間保持できるものであった。
(実施例2の電子ペーパー)
加熱ドラム(1)の外周面の温度を85℃にした以外は、上記実施例1の電子ペーパーと同様にして実施例2の電子ペーパーに印字・印画した。
その結果、実施例2の電子ペーパーも、表示された画像情報は、画像情報が歪んだり一部消失したりすることもなく、非常に鮮明であった。
また、印字・印画した上記電子ペーパーは、室温で6ヶ月放置しても、該画像情報は印字・印画した際と全く変化がなく、画像情報を長期間保持できるものであった。
(実施例3の電子ペーパー)
上記実施例1の電子ペーパーと同様にして実施例3の電子ペーパーに印字・印画した。
その結果、実施例3の電子ペーパーも、表示された画像情報は、画像情報が歪んだり一部消失したりすることもなく、非常に鮮明であった。
また、印字・印画した上記電子ペーパーは、室温で6ヶ月放置しても、該画像情報は印字・印画した際と全く変化がなく、画像情報を長期間保持できるものであった。
何れも、本発明に係る電子ペーパーの一例を示す一部拡大断面図であり、(a)は画像情報を表示していない状態を、(b)画像情報を表示している状態を示している。 何れも、本発明に係る電子ペーパーの一例を示す一部拡大断面図であり、(a)は画像情報を表示していない状態を、(b)画像情報を表示している状態を示している。 本発明に係る電子ペーパー印字・印画装置、及び該装置に接している本発明の電子ペーパーを示す一部拡大断面図である。
符号の説明
(A) プラスチックフイルム
(B) 表示層
(B−1)作像層
(B−2)隠蔽層
(B−3)格納層
(C) プラスチックフイルム
(1) 加熱ドラム
(2) 感光ドラム
(3) 冷却ドラム
(4) 帯電装置
(5) 露光装置
10 着色粒子

Claims (7)

  1. 少なくとも、プラスチックフイルム(A)、ワックス、正負何れかに帯電した着色粒子、及び白色粒子を少なくとも含む表示層(B)、プラスチックフイルム(C)が順次形成されていることを特徴とする電子ペーパー。
  2. 表示層(B)が、プラスチックフイルム(A)側から、ワックス、及び白色粒子を少なくとも含む作像層(B−1)、多孔質部材からなる隠蔽層(B−2)、ワックス、及び白色粒子を少なくとも含む格納層(B−3)が順次形成されており、かつ正負何れかに帯電した着色粒子が作像層(B−1)及び/又は格納層(B−3)に混入されているものである請求項1に記載の電子ペーパー。
  3. プラスチックフイルム(C)の表示層(B)が形成されている側と反対面側に、基材が形成されている請求項1、又は2に記載の電子ペーパー。
  4. 請求項1〜3に記載の電子ペーパーに印字・印画する装置であって、少なくとも、ワックスの融点以上の温度に加熱可能な加熱装置と、正負何れかに帯電した潜像を表面に形成可能な潜像形成装置と、ワックスの融点未満の温度に冷却可能な冷却装置とを備えていることを特徴とする電子ペーパー印字・印画装置。
  5. 請求項1〜3に記載の電子ペーパーに印字・印画する装置であって、加熱装置が、外周面をワックスの融点以上の温度に加熱可能な円筒状の加熱ドラム(1)からなり、潜像形成装置が、外周面に感光剤を含む感光層を形成してなる円筒状の感光ドラム(2)と、感光ドラム(2)の外周面近傍に備えられた、感光層を帯電させて感光性を付与する帯電装置(4)と、感光ドラム(2)の外周面近傍に備えられた、帯電した感光層を露光して静電潜像を形成する露光装置(5)とからなり、かつ冷却装置が、外周面をワックスの融点未満の温度に冷却可能な円筒状の冷却ドラム(3)からなる請求項4に記載の電子ペーパー印字・印画装置。
  6. 請求項1〜3に記載の電子ペーパーに印字・印画する方法であって、ワックスの融点以上の温度に加熱した加熱装置により電子ペーパーを加熱する工程と、正負何れかに帯電した潜像を表面に形成可能な潜像形成装置の該表面に、着色粒子の電荷と正負反対に帯電した所望の潜像を形成する工程と、加熱された前記電子ペーパーを潜像形成装置の表面に接することにより、潜像に対応する位置の正負何れかに帯電した着色粒子を表示層(B)の潜像形成装置側近傍に移動させる工程と、ワックスの融点未満の温度に冷却した冷却装置により電子ペーパーを冷却して、表示層(B)の潜像形成装置側近傍に前記着色粒子を固定する工程を、少なくとも含むことを特徴とする電子ペーパー印字・印画方法。
  7. 請求項1〜3に記載の電子ペーパーに印字・印画する方法であって、外周面をワックスの融点以上の温度に加熱した円筒状の加熱ドラム(1)を回転させながら、加熱ドラム(1)の該外周面に前記電子ペーパーを接することにより電子ペーパーを加熱する工程と、外周面に感光剤を含む感光層を形成してなる円筒状の感光ドラム(2)の外周面近傍に備えられた帯電装置(4)により、感光ドラム(2)の感光層を正負何れかに帯電させて感光性を付与した後、感光ドラム(2)の外周面近傍に備えられた露光装置(5)により、帯電した感光層を露光して、着色粒子の電荷と正負反対に帯電した所望の静電潜像を感光ドラム(2)の感光層に形成する工程と、感光ドラム(2)を回転させながら、加熱された前記電子ペーパーを感光ドラム(2)の外周面に接することにより、前記静電潜像に対応する位置の正負何れかに帯電した着色粒子を表示層(B)の感光ドラム(2)側近傍に移動させる工程と、外周面をワックスの融点未満の温度に冷却した円筒状の冷却ドラム(3)を回転させながら、冷却ドラム(3)の該外周面に前記電子ペーパーを接することにより電子ペーパーを冷却して、表示層(B)の感光ドラム(2)側近傍に前記着色粒子を固定する工程を、少なくとも含むことを特徴とする電子ペーパー印字・印画方法。
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