JP2008292999A - 外観可変装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】外観可変機能を備えた装置の製造コストを減少させる。
【解決手段】装置1は液晶表示パネル2をその筐体3内に収容している。筐体3の前面パネル部3aは、前面パネル基体5と、電子ペーパ6と、可視光を良好に透過するカバー7とを備える。電子ペーパ6は、樹脂フィルムの表示素子形成目標箇所を変形させることによりその一方の面に複数の凸部が形成されると同時に他方の面に当該凸部と同数の凹部が形成されたエンボスフィルムと、エンボスフィルムの前記他方の面に貼り合わせた平面状のベースフィルムと、前記凹部がベースフィルムにより閉塞されることにより形成された気泡状セルと、気泡状セル内に封入された少なくとも1種類以上の表示媒体とを有する表示素子シートを備える。表示素子シートに電界を印加して各セルごとに表示媒体の見え方を変化させることにより、前面パネル部3aの色調や模様を変化させることができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、外観を自由に変更できるようにした装置、筐体および外装体に関する。
無給電状態でも画像の表示状態を維持可能な表示素子シート(電子ペーパ、不揮発性表示媒体)をその筐体(ケーシング)または外装体に備えた装置が提案されている。この種の装置(以下、この種の装置を外観可変装置と記す。)は、表示素子シートに表示させる画像や色調を変化させることにより、筐体または外装体の色調や模様を変化させて、その外観を自由に変更することができる。(特許文献1〜6)
表示媒体として粒子群又は粉流体を用い、表示媒体の見える量や種類を画素ごとに変化させることにより任意の画像を表示できるようにした表示素子シートが知られている。この種の表示素子シートは、観察面に沿って整然と配置されたセルと、セルを区画形成する隔壁とを有している。表示媒体は各セル内に封入されている。セルを区画形成する隔壁を基板(表示媒体保持体)上に形成する方法として、フォトリソグラフィ、押出成型、射出成型、又は、プレス成形が用いられる。(特許文献7〜28)
特開2007−65571号公報 特開2007−65537号公報 特開2007−57788号公報 特開2007−57558号公報 特開2007−45025号公報 特開2007−11227号公報 特開2006−337503号公報 特開2006−330707号公報 特開2006−330233号公報 特開2006−322971号公報 特開2006−317622号公報 特開2006−317621号公報 特開2006−317613号公報 特開2006−317608号公報 特開2006−317607号公報 特開2006−243169号公報 特開2006−235220号公報 特開2006−221169号公報 特開2006−173484号公報 特開2005−37851号公報 特開2005−321492号公報 特開2005−210322号公報 特開2005−210320号公報 特開2004−64612号公報 特開2004−62052号公報 特開2003−279866号公報 特開2003−167238号公報 特開2002−268581号公報 特開2002−169190号公報 特開2001−092387号公報
上記のように、従来の表示素子シートは、セルを区画形成する隔壁を、フォトリソグラフィ、押出成型、射出成型、又は、プレス成形により基板(表示媒体保持体)上に形成していたため、セルを区画形成する隔壁を有する基板(表示媒体保持体)を枚葉処理によってしか製造することができなかった。このため、表示媒体を封入した複数のセルを有する表示素子シートを効率良く安価に製造することができなかった。そして、このことが外観可変装置の製造コストを大幅に増大させる要因になっていた。
本発明の課題は、無給電状態でも画像の表示状態を維持可能な表示素子シートを効率良く安価に製造することができる製造技術を確立することにより、外観可変装置の製造コストを低減させることにある。
上記課題を解決するために、本発明は以下の手段を採用した。
本発明にかかる装置は、筐体を備えた装置であって、前記筐体は、無給電状態でも画像の表示状態を維持可能なすなわち不揮発性表示機能を有する表示素子シートを備え、前記表示素子シートは、樹脂フィルムの表示素子形成目標箇所を吸引して変形させることによりその一方の面に複数の凸部が形成されると同時に他方の面に当該凸部と同数の凹部が形成されたエンボスフィルムと、前記エンボスフィルムの前記他方の面に貼り合わせた平面状のベースフィルムと、前記凹部が前記ベースフィルムにより閉塞されることにより形成された気泡状セルと、前記気泡状セル内に封入された少なくとも1種類以上の表示媒体とを備え、前記表示素子シートに電界を印加することにより前記表示媒体を各気泡状セル内で移動させて、前記表示素子シートに表示させる画像または色調を変化させることにより、その外観を変化させることができるように構成されている。この装置は、その筐体の構成要素である表示素子シートに表示させる画像や色調を変化させることにより、筐体の色調や模様を変化させて、その外観を自由に変更することができる。
ここで、筐体とは、コンピュータの分野での筐体に限らず、ケース、ボディ、外殻といった広い意味で使用している(以下同様)。また、筐体が表示素子シートを備えているということの意味は、筐体が表示素子シートを筐体それ自体の構成要素として備えているという意味であり、表示素子シートを筐体内に収容しているという意味ではない(以下同様)。表示素子シートを筐体内に収容している装置は、その他の表示媒体(LCD、CRT、等)を筐体内に収容してなる表示装置と同様、従来の装置に属する。説明が若干くどくなるが、不揮発性表示機能を有する表示素子シートを筐体内に収容している従来の装置は、装置の主機能として不揮発性表示機能を実現するべく、筐体とは別の構成要素である不揮発性の表示素子シートを筐体内に備えた物である。これに対し本発明にかかる装置は、装置の付加的な機能としてその外観を自由に変更できる機能を実現するべく、装置の筐体それ自体の構成要素として不揮発性表示機能を有する表示素子シートを備えた物である。
本発明の装置には、以下の装置が含まれる。
筐体と撮像素子とを備えた装置であって、前記筐体は、前記表示素子シートを備え、前記撮像素子で撮像した被写体の色調や模様に応じて、前記表示素子シートに表示させる画像または色調を変化させることにより、その外観を変化させることができるように構成されている装置。
筐体を備えたウエアラブルコンピュータであって、前記筐体は、前記表示素子シートを備え、前記表示素子シートに表示させる画像または色調を変化させることにより、その外観をその時々の服装に合わせて変更することができるように構成されているウエアラブルコンピュータ。
筐体を備えたリモートコントローラであって、前記筐体は、前記表示素子シートを備え、前記表示素子シートに表示させる画像または色調を変化させることにより、その外観を変化させることができ、且つ、テレビ放送番組プログラムまたはビデオ録画再生機の操作方法を表示することができるように構成されている、テレビ受像器またはビデオ録画再生機のリモートコントローラ。
筐体を備えた壁掛型テレビであって、前記筐体は、前記表示素子シートを備え、前記表示素子シートに表示させる画像または色調を変化させることにより、その外観を部屋の壁の色調および模様に合わせて変更することができるように構成されている壁掛型テレビ。
筐体とメイン表示パネルとを備えた表示装置であって、前記筐体は、サブ表示パネルを構成する前記表示素子シートと、前記表示素子シートを覆うカバーとを備え、前記表示素子シートは、前記メイン表示パネルを取り囲んでいるフレーム部分に設けられており、前記カバーを通して前記表示素子シートの表示領域が見えるようになっており、前記表示素子シートに表示させる画像または色調を変化させることにより、その外観を変化させることができるように構成されているコンピュータの表示装置。メイン表示パネルには、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイ、電界放出型ディスプレイ、表面伝導型電子放出素子ディスプレイなどに使用される表示パネルを用いることができる。メイン表示パネルとして電子ペーパを用いてもよい。
本発明にかかる筐体は、装置の筐体であって、無給電状態でも画像の表示状態を維持可能なすなわち不揮発性表示機能を有する表示素子シートを備え、前記表示素子シートは、樹脂フィルムの表示素子形成目標箇所を吸引して変形させることによりその一方の面に複数の凸部が形成されると同時に他方の面に当該凸部と同数の凹部が形成されたエンボスフィルムと、前記エンボスフィルムの前記他方の面に貼り合わせた平面状のベースフィルムと、前記凹部が前記ベースフィルムにより閉塞されることにより形成された気泡状セルと、前記気泡状セル内に封入された少なくとも1種類以上の表示媒体とを備え、前記表示素子シートに電界を印加することにより前記表示媒体を各気泡状セル内で移動させて、前記表示素子シートに表示させる画像または色調を変化させることにより、その外観を変化させることができるように構成されている。この筐体は、その構成要素である表示素子シートに表示させる画像や色調を変化させることにより、筐体の色調や模様を変化させて、装置の外観を自由に変更することができる。
本発明にかかる外装体は、装置の筐体の外面部に取り付けられる外装体であって、無給電状態でも画像の表示状態を維持可能なすなわち不揮発性表示機能を有する表示素子シートを備え、前記表示素子シートは、樹脂フィルムの表示素子形成目標箇所を吸引して変形させることによりその一方の面に複数の凸部が形成されると同時に他方の面に当該凸部と同数の凹部が形成されたエンボスフィルムと、前記エンボスフィルムの前記他方の面に貼り合わせた平面状のベースフィルムと、前記凹部が前記ベースフィルムにより閉塞されることにより形成された気泡状セルと、前記気泡状セル内に封入された少なくとも1種類以上の表示媒体とを備え、前記表示素子シートに電界を印加することにより前記表示媒体を各気泡状セル内で移動させて、前記表示素子シートに表示させる画像または色調を変化させることにより、その外観を変化させることができるように構成されている。この外装体は、その構成要素である表示素子シートに表示させる画像や色調を変化させることにより、外装体の色調や模様を変化させて、装置の外観を自由に変更することができる。
本発明にかかる外装体を、主に装飾の目的で装置の筐体の外面部に取り付けられる化粧パネル(意匠パネル)に適用した場合、その構成要素である表示素子シートに表示させる画像や色調を変化させることにより、その色調や模様を自由に変更することができるので、装置の外観を変更するために化粧パネルを交換する必要がない。
本発明にかかる時計は、文字盤を備えた時計であって、前記文字盤は、無給電状態でも画像の表示状態を維持可能なすなわち不揮発性表示機能を有する表示素子シートを備え、前記表示素子シートは、樹脂フィルムの表示素子形成目標箇所を吸引して変形させることによりその一方の面に複数の凸部が形成されると同時に他方の面に当該凸部と同数の凹部が形成されたエンボスフィルムと、前記エンボスフィルムの前記他方の面に貼り合わせた平面状のベースフィルムと、前記凹部が前記ベースフィルムにより閉塞されることにより形成された気泡状セルと、前記気泡状セル内に封入された少なくとも1種類以上の表示媒体とを備え、前記表示素子シートに電界を印加することにより前記表示媒体を各気泡状セル内で移動させて、前記表示素子シートに表示させる画像または色調を変化させることにより、前記文字盤の外観を変化させることができるように構成されている。この時計は、その文字盤の構成要素である表示素子シートに表示させる画像や色調を変化させることにより、その文字盤の色調や模様を自由に変更することができる。
本発明にかかる筐体、外装体または時計の文字盤が備える表示素子シートは、多数の凸部が形成されたエンボスフィルム(第1のフィルム)と、このエンボスフィルムの凸部が形成されていない面に貼り合わされて互いに独立した凸状の気泡状セルを形成する平面状のベースフィルム(第2のフィルム)と、各気泡状セル内に封入された少なくとも1種類以上の表示媒体とを備えている。表示素子シートは、ロール・ツー・ロール方式により製造することができる。すなわち、ロール状に巻かれたフィルムを第1のフィルムおよび第2のフィルム又はその何れか一方として用いて連続的にすなわちフィルムを走行させながら、第1のフィルムの表示素子形成目標箇所を吸引して変形させることにより当該フィルムの一方の面に複数の凸部を形成すると同時に他方の面に当該凸部と同数の凹部を形成するエンボス加工工程と、第1のフィルムと第2のフィルムの互いの貼り合わせ面のうち少なくとも一方の面の表示素子形成目標箇所に少なくとも1種類以上の表示媒体を供給する表示媒体供給工程と、前記エンボス加工工程と前記表示媒体供給工程とを経た後、第1のフィルムの前記他方の面に第2のフィルムを貼り合わせることにより表示媒体を封入した気泡状セルを形成する気泡状セル形成工程とを実施して表示素子(気泡状セル)を製造し、表示素子(気泡状セル)形成後の帯状のフィルム積層体すなわち表示素子シートをロール状に巻き取ることができる。
また、この表示素子シートは、ダイ・ツー・ロール方式により製造することも可能である。「ダイ・ツー・ロール方式」とは、フラットダイを用いて帯状のフィルムを連続生成しつつ、そのフィルムを第1のフィルムおよび第2のフィルム又はその何れか一方として用いて連続的にすなわちフィルムを走行させながらエンボス加工工程、表示媒体供給工程および気泡状セル形成工程を実施して表示素子(気泡状セル)を製造し、表示素子(気泡状セル)形成後の帯状のフィルム積層体すなわち表示素子シートをロール状に巻き取る生産方式(手法)である。フラットダイ法(Tダイ法)に代えて、或いはこれに加えて、インフレーション法や多層(積層)成形法を利用することもできる。フィルム成型法の詳細は、例えば特許庁ホームページの「技術分野別特許マップ」(https://www.jpo.go.jp/shiryou/s_sonota/map/kagaku06/4/4-7-1.htm)に掲載されている(西暦2007年2月8日現在)。
本発明にかかる筐体、外装体または時計の文字盤において、前記表示媒体は、電子粉流体(登録商標)であることが望ましい。
また、前記表示素子シートは、前記気泡状セルを配列方向に膨らませて隣り合うセルの壁同士を接近させた状態で、エンボスフィルムに合成樹脂の平坦なライナーフィルムを貼りつけてなることが望ましい。この表示素子シートにおいて、最も望ましい状態は、相隣接する気泡状セルの壁同士が接触した状態である。
また、前記表示素子シートは、少なくとも一方が透明な互いに対向する2枚の板の間に挟まれた状態で透明なフィルムからなる袋体内に収容されており、当該袋体は、その内部が排気され減圧された状態で密封されていることが望ましい。
本発明にかかる製造方法は、本発明の装置、筐体、外装体、又は時計を製造するための製造方法であって、前記表示素子シートの製造工程が、第1のフィルムの表示素子形成目標箇所を吸引して変形させることにより当該フィルムの一方の面に複数の凸部を形成すると同時に他方の面に当該凸部と同数の凹部を形成するエンボス加工工程と、第1のフィルムと第2のフィルムの互いの貼り合わせ面のうち少なくとも一方の面の表示素子形成目標箇所に少なくとも1種類以上の表示媒体を供給する表示媒体供給工程と、前記エンボス加工工程と前記表示媒体供給工程とを経た後、第1のフィルムの前記他方の面に第2のフィルムを貼り合わせることにより表示媒体を封入した気泡状セルを形成する気泡状セル形成工程とを有することを特徴としている。
本発明の装置、筐体および外装体は、その外観変更機能を実現するための表示素子シートとして、ロール・ツー・ロール方式またはダイ・ツー・ロール方式により効率良く安価に製造することができる表示素子シートを備えているので、外観可変機能を備えた従来の装置、筐体および外装体と比較して製造コストが安価である。
そして、本発明の装置によれば、その筐体の表示素子シートに表示させる画像や色調を変化させることにより、筐体の外観を変化させて、装置の外観を自由に変更することができるので、装置の外観を変更するために外装体の付け替えや塗装の塗り替え、外装シールの張り替えなどを行う必要がない。
本発明の筐体によれば、その内部の表示素子シートに表示させる画像や色調を変化させることにより、その外観を自由に変化させて、装置の外観を自由に変更することができるので、装置の外観を変更するために外装体の付け替えや筐体塗装の塗り替え、外装シールの張り替えなどを行う必要がない。
本発明の外装体によれば、その内部の表示素子シートに表示させる画像や色調を変化させることにより、その外観を自由に変化させて、装置の外観を自由に変更することができるので、装置の外観を変更するために外装体の付け替えや筐体塗装の塗り替え、外装シールの張り替えなどを行う必要がない。
本発明の時計によれば、その文字盤の表示素子シートに表示させる画像や色調を変化させることにより、その文字盤の外観を自由に変更することができるので、文字盤もしくは時計の外観を変更するために、文字盤の交換や文字盤塗装の塗り替え、文字盤シールの張り替えなどを行う必要がない。
本発明の製造方法によれば、本発明の装置、筐体および外装体が備える表示素子シートは、ロール・ツー・ロール方式またはダイ・ツー・ロール方式により効率良く安価に製造して、本発明の装置、筐体および外装体の製造コストを大幅に低減させることができる。
以下、本発明の実施の形態について説明する。
[装置、筐体および外装体]
図1(a)、(b)は本発明にかかる装置の実施の形態の一例を示す正面図である。この装置1はコンピュータの表示装置であり、液晶表示パネル2と図示しない駆動回路などを筐体3内に収容してなる。筐体3は脚体4によって卓上に支持されている。
図1(b)は筐体3の前面パネル部3aすなわち液晶表示パネル2の表示部を取り囲んでいるフレーム部分の斜視断面図である。筐体3の前面パネル部3aは、図示しない後面側パネルと接合される樹脂製の前面パネル基体(パネル本体)5と、前面パネル基体5の前面部に設けられた電子ペーパ(不揮発性表示装置)6と、電子ペーパ6を覆うカバー7とを備えている。カバー7は、可視光を良好に透過する材質(アクリル、ガラス、等)で形成されており、このカバー7を通して電子ペーパ6の表示領域が見えるようになっている。
図2は電子ペーパ6の形態例を示す部分断面図である。図2に示す電子ペーパ6は、表示素子シート205を備えている。表示素子シート205は、図5に示すように、熱可塑性樹脂フィルムの表示素子形成目標箇所を吸引(減圧吸引、真空吸引)して変形させることによりその一方の面に複数の凸部が形成されると同時に他方の面に当該凸部と同数の凹部が形成されたエンボスフィルム(第1のフィルム)201と、エンボスフィルム201の前記他方の面に貼り合わせた平面状(すなわちエンボスフィルムのような凹凸部を有していない)のベースフィルム(第2のフィルム)202と、前記凹部がベースフィルム202により閉塞されることにより形成された気泡状セル206と、気泡状セル206内に封入された表示媒体203とを備えている。そして、この電子ペーパ6は、当該表示素子シート205内の表示媒体203に電界Eを印加することにより表示媒体203を各気泡状セル206内で移動させて情報を表示するように構成されている。表示素子シート205は、少なくとも一方が透明な互いに対向する2枚の板411.412の間に挟まれて圧縮された状態になっている。表示素子シート205の各気泡状セル206は2枚の板411.412の間で押圧されて変形すなわちセル206の配列方向に膨らむことにより、相隣接する気泡状セル206の壁同士が接触した状態になっている。2枚の板411.412のうち観察される側であるエンボスフィルム側に配置された板411は透明な板である。両板411.412の内面または外面には、表示素子シート205を挟んで相対向する多数の画素電極413F、413Rが整然と配置される。この例では、両板411.412の内面に画素電極413F、413Rが設けられている。画素電極413F、413Rのうち少なくともエンボスフィルム201側の画素電極413Fは透明な電極である。
上記のように構成された電子ペーパ6は、互いに対向する二つの画素電極413F、413Rからなる電極対413Pごとに、一方の画素電極413Fと他方の画素電極413Rの極性を切り換えることにより、表示媒体203に作用する電界Eの向きを電極対413Pごとに切り替えて画像を表示することができる。したがって、この電子ペーパ6によれば、画素電極413F、413Rを微細且つ高密度化することにより、高解像度の表示が可能となる。表示素子シート205が2枚の板411.412の間で押圧されて変形し、相隣接する気泡状セル206の壁同士が接触した状態になっているので、気泡状セル206の配置、寸法及び形状は解像度にほとんど影響を及ぼさない。また、表示素子シート205が2枚の板411.412の間に挟まれて圧縮された状態になっていることにより、各気泡状セル206の内圧が圧縮前よりも高められているので、使用環境の気温や気圧の変化による影響を受けにくい。
図3は電子ペーパ6の別の形態例を示す部分断面図である。図3に示す電子ペーパ6は、表示素子シート208を備えている。この表示素子シート208は、図6に示すように、熱可塑性樹脂フィルムの表示素子形成目標箇所を吸引(減圧吸引、真空吸引)して変形させることによりその一方の面に複数の凸部が形成されると同時に他方の面に当該凸部と同数の凹部が形成されたエンボスフィルム201と、エンボスフィルム201の前記他方の面に貼り合わせた平面状(すなわちエンボスフィルムのような凹凸部を有していない)のベースフィルム202と、前記凹部がベースフィルム202により閉塞されることにより形成された気泡状セル209と、気泡状セル209内に封入された2種類の表示媒体203B、203Wとを備えている。そして、この電子ペーパ6は、当該表示素子シート208内の2種類の表示媒体203B、203Wに電界Eを印加することにより表示媒体203B、203Wを各気泡状セル209内で移動させて情報を表示するように構成されている。第1種表示媒体203Bは、第1の表示色(たとえば黒)を呈し且つ第1の極性(たとえば負)の電荷を帯びた表示媒体である。第2種表示媒体203Wは、第2の表示色(たとえば白)を呈し且つ第2の極性の電荷(たとえば正)を帯びた表示媒体である。表示素子シート208は、少なくとも一方が透明な互いに対向する2枚の板421.422の間に挟まれて圧縮された状態になっている。表示素子シート208の各気泡状セル209は2枚の板421.422の間で押圧されて変形することにより相隣接する気泡状セル209の壁同士が接触した状態になっている。2枚の板421.422のうち観察される側であるエンボスフィルム側に配置された板421は透明な板である。両板421.422の内面または外面には、表示素子シート208を挟んで相対向する多数の画素電極423F、423Rが整然と配置される。この例では、両板421.422の内面に画素電極423F、423Rが設けられている。画素電極423F、423Rのうち少なくともエンボスフィルム201側の画素電極423Fは透明な電極である。
上記のように構成された電子ペーパ6は、互いに対向する二つの画素電極423F、423Rからなる電極対423Pごとに、一方の画素電極423Fと他方の画素電極、423Rの極性を切り換えることにより、表示媒体203B、203Wに作用する電界Eの向きを電極対423Pごとに切り替えて画像を表示することができる。したがって、この表示装置420によれば、画素電極423F、423Rを微細且つ高密度化することにより、高解像度の表示が可能となる。表示素子シート208が2枚の板421.422の間で押圧されて変形し、相隣接する気泡状セル209の壁同士が接触した状態になっているので、気泡状セル209の配置、寸法及び形状は解像度にほとんど影響を及ぼさない。また、表示素子シート208が2枚の板421.422の間に挟まれて圧縮された状態になっていることにより、各気泡状セル209の内圧が圧縮前よりも高められているので、使用環境における気温や気圧の変化による影響を受けにくい。
図4は電子ペーパ6の更に別の形態例を示す部分断面図である。この電子ペーパ6は、図5の表示素子シート205を備える。表示素子シート205は、少なくとも一方が透明な互いに対向する2枚の板411.412の間に挟まれた状態で樹脂製の薄い透明なフィルムからなる袋体431内に収容されている。袋体431は、その内部が排気され減圧された状態で密封されている。袋体431の内部空間が排気されて減圧されることにより、表示素子シート205の各気泡状セル206は2枚の板411.412の間で押圧(大気圧により押圧)されるとともにセル206内の気体の膨張によりセル206の配列方向に膨らみ、相隣接する気泡状セル206の壁同士が接触した状態になっている。表示装置430において、図5の表示素子シート205に代えて、図6の表示素子シート208を使用することもできる。
図7(a)〜(d)は図5又は図6の表示素子シートにおける気泡状セルの配置及びセル形状を例示する部分平面図である。
上記のように構成される電子ペーパ6は、呈示色の異なる複数種類の表示媒体を使用することにより、或いは液晶表示デバイスで使用されるものと同様のカラーフィルタを装備することにより、マルチカラー或いはフルカラー表示が可能である。
電子ペーパ6は、装置1内の電子ペーパ用の駆動回路によって駆動される。電子ペーパ用の駆動回路は、液晶表示パネル2用の駆動回路とともに図示しないコンピュータ本体に接続されており、当該コンピュータ本体からの制御信号に従って電子ペーパ6を駆動する。当該コンピュータ本体には、電子ペーパ6に任意の画像を表示させるためのプログラム(以下、「着せ替えアプリ」と記す。)がインストールされており、図示しない入力装置(キーボード、マウス、等)を操作することにより、ユーザが作成した画像や予め用意された画像の中から希望の画像を選択して、電子ペーパ6に表示させることができるようになっている。その際、操作画面あるいは入力画面は、装置1の液晶表示パネル2に表示される。
図8(a)〜(h)に装置1の動作例を示す。図8(a)は電源オフの状態である。初期状態(製品出荷時)における電子ペーパ6の表示色は前面パネル基体5と同じ色(この例では白色とする)であり、模様は無模様である。装置1の電源をオンした状態で、装置1が接続されているコンピュータ本体を起動し、インストールされている着せ替えアプリを起動すると、図8(b)に示すように、着せ替えアプリの操作画面が液晶表示パネル2に表示される。この操作画面上には、色選択モードボタン8と、模様選択モードボタン9が表示される。色選択モードボタン8は、電子ペーパ6の表示領域の背景色などを選択するモードに進むためのボタンである。模様選択モードボタン9は、電子ペーパ6に表示させる模様を選択するモードに進むためのボタンである。
色選択モードボタン8をクリック(確定操作)すると、図8(c)に示すように、液晶表示パネル2に色選択画面が表示される。色選択画面には、様々な色調の中から希望の色を選択するための多数の色選択ボタン10−1〜10−nと、確定(OK)ボタン11と、戻るボタン12とが表示される。希望の色の色選択ボタンをクリックすることにより、電子ペーパ6の表示領域の背景色を希望の色に設定することができる。
たとえば、「黒」の色選択ボタン10−2をクリックすると、表示素子シート6の表示領域の背景色が黒色になる。その結果、図8(d)に示すように、装置1の筐体3の前面の色が黒色になる。同時に、液晶表示パネル2には操作画面が表示される。この操作画面には、色選択モードボタン8および模様選択モードボタン9の他に、戻るボタン13と終了ボタン14とが表示される。戻るボタン13をクリックすることにより、前画面すなわち図8(c)の色選択画面に戻ることができる。終了ボタン14をクリックすると、着せ替えアプリが終了する。
着せ替えアプリが終了した後も、電子ペーパ6の表示領域の背景色は、図8(c)の色選択画面で設定した色調、すなわち上記の例では黒色のまま保持され、さらに装置1の電源をオフした後もそのまま保持される。したがって、再度着せ替えアプリによって電子ペーパ6の表示領域の背景色の変更を行わない限り、図8(e)に示すように、装置1の筐体3の前面の色は黒色のまま保持される。
図8(b)の操作画面で模様選択モードボタン9をクリックすると、図8(f)に示すように、液晶表示パネル2に模様選択画面が表示される。模様選択画面には、様々な模様の中から希望の模様を選択するための多数の模様選択ボタン15−1〜15−nと、確定(OK)ボタン16と、戻るボタン17とが表示される。希望の模様の模様選択ボタンをクリックすることにより、電子ペーパ6に表示させる模様を希望の模様に設定することができる。
たとえば、「トラ柄」の模様選択ボタン15−2をクリックすると、電子ペーパ6にトラ柄模様が表示される。その結果、図8(g)に示すように、装置1の筐体3の前面の模様がトラ柄模様になる。ヒョウ柄に見えるかもしれないが、トラでもヒョウでもシマウマでもキリンでも何でもよい。要するに装置1の筐体3の前面の模様が図8(f)の模様選択画面で選択した模様になる。同時に、液晶表示パネル2には、図8(d)と同じ操作画面が表示される。
着せ替えアプリが終了した後も、電子ペーパ6に表示される模様は、図8(f)の模様選択画面で設定した模様、すなわち上記の例ではトラ柄模様のまま保持され、さらに装置1の電源をオフした後もそのまま保持される。したがって、再度着せ替えアプリによって表示模様の変更を行わない限り、図8(h)に示すように、装置1の筐体3の前面の模様はトラ柄のまま保持される。
上記のように、この実施の形態の装置1では、その筐体3に視認可能に内蔵した電子ペーパ6による表示を変化させることにより、装置1の筐体3の前面の色調や模様を自由に変更することができる。
上記の例では、装置1の筐体3の前面のみ色調や模様を変更できるようにしたが、筐体3の全体を前面パネル部3aの前面部と同様の構造とすれば、すなわち電子ペーパ6を筐体3全体に内蔵するとともにその表面を可視光を良好に透過するカバーで覆っておけば、筐体3の全体色調や模様を自由に変更することができる。
また、上記の例では、前面パネル部3aの前面部全体に電子ペーパ6を内蔵したが、前面パネル部3aの前面部の一部のみに内蔵してもよい。
また、電子ペーパ6に表示させる画像は、模様だけでなく、文字情報であってもよい。たとえば、図9に示すように、仕事のスケジュールやメモ書きなどの文字情報を表示することもできる。装置1の電源をオフした後も表示がそのまま保持されるので、付箋紙の代わりに使用できる。
また、任意の画像を専用の電子ペンで直接書き込めるようにしてもよい。この種の電子ペンとしては、電子ペーパ6を覆うカバーの表面にペン先を近接あるいは当接させることによって電子ペーパ6の画素の状態(表示媒体の見え方すなわち見える量又は見える媒体の種類)を変化させる機能を有するものが使用される。電子ペーパ6を覆うカバーの表面にペン先の接触を検知するための透明電極を設け、ペン先が近接あるいは接触した箇所の画素の状態を変化させることにより、任意の画像を書き込むことができる。電子ペーパ6の方式によっては、画像の書き込みを装置1の電源をオフした状態においても可能とすることができる。
上記の実施の形態では、本発明にかかる装置をコンピュータの液晶ディスプレイ装置に適用した場合について説明したが、その他の装置、たとえば携帯電話機(スティック型、折り畳み型を問わない。PHS端末、衛星電話機、IP電話機を含む。)、携帯情報端末、オーディオ機器(CDプレーヤ、MDプレーヤ、DVDプレーヤ、スピーカ、等)、電子辞書装置、電子ブック装置、時計(腕時計、壁掛時計、据置時計)、カメラ(銀塩フィルムなどを使用するカメラ、デジタルスチルカメラ、デジタルムービカメラ)、固定電話機(家庭用電話機、オフィス用電話機、公衆電話機)、ウエアラブルコンピュータ、コンピュータ本体(据置型、携帯型を問わない。)、据置型コンピュータのCRTディスプレイ装置、有機ELディスプレイ装置、コンピュータの入力装置(マウス、キーボード、スティック、等)、プリンタ、テレビ受像器(据置型、壁掛型を問わない。CRTディスプレイ、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイ、電界放出ディスプレイまたはプラズマディスプレイを備えたものを含む。)、ビデオゲーム機本体、ビデオゲーム機のコントローラ、冷蔵庫(冷凍冷蔵庫、冷凍庫を含む。電子冷却、レーザ冷却その他の冷却方式によるものを含む。)、洗濯機(単槽型、複槽型を問わない。乾燥機能付きのものを含む。)、衣類乾燥機、アイロン、空調機器、扇風機、肛門洗浄機能付き便座、什器(商品陳列台)、電磁調理器(マイクロウエイブ、オーブンを含む。)、リモートコントローラ、車両用ナビゲーション装置、玩具(ロボット、乗り物、積み木ブロック、等)、車両(自家用車、バス、戦車、装甲車、等)、飛行装置(旅客機、戦闘機、ヘリコプタ、等)などにも有効に適用可能である。
本発明にかかる装置を携帯電話機に適用した場合、従来のような外装体の付け替えや塗装の塗り替え、外装シールの張り替えなどを行うことなく、携帯電話機の外観(色調や模様)を自由に変更することができる。携帯電話機の筐体に内蔵する電子ペーパ6は、携帯電話機内の駆動回路によって駆動するようにしても、サービス拠点(店舗、サービスセンタ、等)に設置されたコンピュータやユーザが所有するコンピュータによって駆動するようにしてもよい。携帯電話機内の駆動回路によって駆動するようにした場合、いつでもどこでも携帯電話機の外観を変更することができる。好みの模様やキャラクタの画像をダウンロードして、携帯電話機の外観に使用することも可能である。携帯電話機の着せ替え画像の作成サービスや配信サービスといった新規なサービスを展開することも可能である。
また、本発明にかかる装置をウエアラブルコンピュータに適用した場合、ウエアラブルコンピュータの外観(色調や模様)を、その時々の服装に合わせて自由に変更することができる。さらに、服装側たとえばジャケットの表素材に電子ペーパ6を内蔵した生地を使用すれば、ジャケットの色調や模様を自由に変更することも可能である。たとえば、市街地では一般的なビジネススーツの色調および模様とし、山間地やジャングルでは迷彩色に変更するといったカメレオンのような使い方が可能である。このような使い方をする人はそう多くないと思われるが、いないとも言い切れない。
また、本発明にかかる装置をカメラに適用した場合、カメラの外観(色調や模様)を、その時々の使用者の服装や撮影場所などに合わせて自由に変更することができる。デジタルスチルカメラやデジタルビデオカメラの場合、カメラの撮像素子(CCD、C−MOSセンサ、等)で撮像した被写体の色調や模様に応じて、カメラの筐体に内蔵した電子ペーパ(表示素子シート)6に表示させる画像や色調を変化させることによって、カメラの外観を変化させることもできる。また、撮像素子を備えた携帯電話機の場合、携帯電話機の撮像素子で撮像した被写体の色調や模様に応じて、携帯電話機の筐体に内蔵した電子ペーパ6に表示させる画像や色調を変化させることによって、携帯電話機の外観を変化させることもできる。
図10は本発明の装置を撮像素子を備えた装置(デジタルスチルカメラ、デジタルビデオカメラ、携帯電話機、ノートパソコン、等)に適用した場合の装置構成例を示すブロック図である。撮像素子24で撮像された被写体23の画像信号は信号処理部25に送られる。信号処理部25は、入力された画像信号にノイズ低減処理、白バランス処理、γ処理などの所定のアナログ信号処理を施した後、それをデジタル画像信号に変換して画像生成部26へ出力する。画像生成部26は、画像メモリを備えており、信号処理部26からのデジタル画像信号を画像情報として画像メモリ上に展開する。駆動回路27は、画像メモリ上に展開された画像情報に応じて電子ペーパ28の各画素状態を制御することにより、電子ペーパ28に被写体24の画像または被写体23の色調や模様に応じた画像や色調や模様を表示させる。したがって、この装置によれば、被写体23の画像または被写体23の色調や模様に応じた画像や色調や模様を装置の筐体に表示させることができる。たとえば、撮像素子21で撮像した家族やペットの画像を携帯電話機の筐体やノートパソコンの筐体などに表示したり、撮像素子21で撮像した服装の柄を携帯電話機の筐体に表示したりすることができる。電子ペーパ28として、たとえば図2〜図4に例示した電子ペーパ6が用いられる。
また、本発明にかかる装置を冷蔵庫に適用した場合、冷蔵庫の色調や模様を、キッチンの床や壁などの色調や模様、その他の装置(電磁調理器など)の色調や模様に合わせて自由に変更することができる。また、冷蔵庫の筐体に内蔵されている電子ペーパに表示させる画像は、模様だけでなく、文字情報であってもよいので、たとえば、冷蔵庫の扉に料理レシピや買い物情報、子供などへの伝言などを表示することができる。電子ペーパは表示した画像を電力供給後も保持できるので、同種の機能を液晶表示パネルによって実現した場合よりも消費電力を削減できる。万一停電が発生しても冷蔵庫の扉に表示した伝言などが消えることがない。
また、本発明にかかる装置を空調用の室内機に適用した場合、室内機の色調や模様を、部屋の床や壁などの色調や模様、その他の物(その他の電気製品や家具、等)の色調や模様に合わせて自由に変更することができる。また、季節やその時々の気分などによって室内機の色調や模様を自由に変更することもできる。
また、本発明にかかる装置を据置時計や壁掛時計に適用した場合、据置時計や壁掛時計の色調や模様を、部屋の床や壁などの色調や模様、その他の物(その他の電気製品や家具、等)の色調や模様に合わせて自由に変更することができる。また、季節やその時の気分などによって据置時計や壁掛時計の色調や模様を自由に変更することもできる。また、腕時計や据置時計や壁掛時計の文字盤に電子ペーパを内蔵すれば、あるいは電子ペーパを文字盤そのものとして使用すれば、部品を交換したり、文字盤の塗装を塗り替えたり、シールを貼り替えたりすることなく、図11に示すように、文字盤29の色調や模様、文字のデザインなどを自由に変更することができる。
また、本発明にかかる装置を肛門洗浄機能付き便座に適用した場合、肛門洗浄機能付き便座の色調や模様を、トイレの床や壁などの色調や模様、その他の物(便器、タンク、化粧台、等)の色調や模様に合わせて自由に変更することができる。
また、本発明にかかる装置を壁掛型テレビに適用した場合、壁掛型テレビの色調や模様を、部屋の壁や天井、床などの色調や模様に合わせて自由に変更することができる。また、季節やその時の気分などによって壁掛型テレビの色調や模様を自由に変更することもできる。図12は壁掛型テレビ20のフレーム部分21の色および模様を部屋の壁22の色および模様に合わせて変更した例を示している。
また、本発明にかかる装置をテレビ受像器やビデオ録画再生機などのリモートコントローラに適用した場合、リモートコントローラの色調や模様を自由に変更することができる。リモートコントローラの筐体に内装されている電子ペーパ6に表示させる画像は、模様だけでなく、文字情報であってもよいので、たとえば、テレビ放送プログラムやビデオ録画再生機の操作方法などの文字情報を表示することもできる。
また、本発明にかかる装置を什器(商品陳列台)に適用した場合、陳列されている商品の情報(価格、消費期限、原産地、生産者(製造者)、等)を什器自体に表示させることができるので、従来別途什器に取り付けられてきた値札やPOP(Point of Purchase)プレートなどを省略することができる。
以上の実施の形態では、本発明にかかる装置および筐体について説明したが、装置の筐体の外面部に取り付けられる化粧パネルなどの外装体に適用した場合、その内部の電子ペーパ(表示素子シート)に表示させる画像や色調を変化させることにより、外装体の色調や模様を自由に変更することができるので、装置の外観を変えるために外装体自体を交換する必要がない。
図13は本発明にかかる外装体を折り畳み型携帯電話機の化粧パネルに適用した場合の実施の形態を例示したものである。図13(a)に示すように、折り畳み型携帯電話機30の上部筐体31の外面部には化粧パネル33が取り付けられている。化粧パネル33は、図13(b)に示すように、電子ペーパ34とこれを覆うカバー35とを備えて構成されている。電子ペーパ34は、互いに平行な2枚の保持シート36a、36bの間に、表示素子シート37を挟持してなる。表面側すなわちカバー35側の保持シート36aは可視光を良好に透過する材質で形成されている。背面側の保持シート36bは、可視光を良好に透過する材質または白色の材質で形成されている。保持シート36a、36bの互いの対向面には図示しない画素電極が配置されており、折り畳み型携帯電話機30内の図示しない駆動回路によって相対向する画素電極の極性を切り替えることによって、表示素子シート37の各素子(セル)の状態が切り替えられるようになっている。カバー35は、可視光を良好に透過する材質で形成されており、このカバー35を通して電子ペーパ34の表示領域が見えるようになっている。電子ペーパ34として、たとえば図2〜図4に例示した電子ペーパ6が用いられる。すなわち、図13中の表示素子シート37は図2〜図4中の表示素子シート205又は208に相当するものである。
上記のように構成された化粧パネル33は、その構成要素である電子ペーパ34(表示素子シート37)に表示させる画像や色調を変化させることにより、図14に示すように、その外観を自由に変更することができる。したがって、折り畳み型携帯電話機30の外観を変更するために化粧パネル33を交換する必要がない。
[表示素子シートの製造装置および製造方法]
次に、本発明にかかる装置、筐体および外装体が備える表示素子シートの製造装置および製造方法について説明する。
図15は製造装置の一例を概念的に示す装置構成図である。この製造装置100は、図5の表示素子シート205を製造する装置である。
製造装置100は、エンボス加工手段110と、表示媒体供給手段120と、気泡状セル形成手段130と、第1のフィルム供給手段140と、第2のフィルム供給手段150とを有している。
エンボス加工手段110は、エンボスロール(エンボスシリンダ)111を備えている。エンボスロール111は、その外周面に表示素子の形成条件に適合させて整然と配置された多数の吸引部(穴)を有し、第1のフィルム供給手段140から供給される第1のフィルム201の表示素子形成目標箇所を徐々に冷却しながら吸引部で吸引して変形させることにより当該フィルム201の一方の面に複数の凸部を形成すると同時に他方の面に当該凸部と同数の凹部を形成する。
表示媒体供給手段120は、乾式複写機において感光ドラム上で実施されるプロセスと同様の一連のプロセス(一次帯電、露光、現像、転写、分離、除電、クリーニング)により、第1のフィルム(エンボスフィルム)201と第2のフィルム(ベースフィルム)202の互いの貼り合わせ面のうち第2のフィルム202の表示素子形成目標箇所に表示媒体203を供給する。この例では、表示媒体供給手段120は、表示媒体帯電供給装置121と、表示媒体担持ローラ122と、感光体ドラム123と、静電潜像形成装置124と、転写装置125とを有している。表示媒体帯電供給装置121は、帯電した表示媒体203を、表示媒体担持ローラ122に供給する。静電潜像形成装置124は、感光体ドラム123の表面に所定のパターン(形成すべき表示素子の配置に合わせて整然と配置された多数のドットからなるパターン)の静電潜像を形成する。表示媒体担持ローラ122は、その表面に表示媒体203を担持しつつ回転し、これと近接して同じ周速度で逆向きに回転している感光体ドラム123の表面に表示媒体203を供給することにより、感光体ドラム123上の静電潜像を表示媒体203で現像(顕像化)する。感光体ドラム123は、表示媒体203からなる所定パターンをその表面に担持しつつ回転する。転写装置125は、第2のフィルム供給手段150から供給される第2のフィルム202の通過領域を隔てて、感光体ドラム123の下方近傍に設けられており、感光体ドラム123上の表示媒体203からなる所定パターンを第2のフィルム202に転写(供給)する。
気泡状セル形成手段130は、エンボスロール111に圧接しつつこれと同じ周速度で逆向きに回転している圧着ロール131を有している。そして、エンボスロール111と圧着ロール131との間(圧着部)を、エンボス加工済みの第1のフィルム(エンボスフィルム)201と表示媒体供給済みの第2のフィルム(ベースフィルム)202が互いに上下に重なり合った状態で通過する際に、両フィルム201、202を圧着ロール131でエンボスロール111に圧着させて、エンボスロール111の表面で互いに熱融着させて貼り合わせることにより、表示媒体203を封入した気泡状セル206を形成する。圧着ロール131の外周面には、エンボスロール111の外周面に形成されている吸引部の配置・寸法に合わせて多数の穴が形成されており、表示素子形成目標箇所の周縁部のみ加熱・加圧して両フィルム201、202を貼り合わせることができるようになっている。
第1のフィルム供給手段140は、押し出し成型ダイ141を用いて帯状の第1のフィルム201を連続生成しつつエンボス加工手段110に供給する。
第2のフィルム供給手段150は、押し出し成型ダイ151を用いて帯状の第2のフィルム202を連続生成しつつ気泡状セル形成手段130に供給する。この例では、第2のフィルム202は、ガイドローラ152を経由して表示媒体供給手段120を通過した後、気泡状セル形成手段130に供給される。
上記のように構成された製造装置100は、二つの押し出し成型ダイ141、151を用いて第1のフィルム201と第2のフィルム202を同時に連続生成しつつ、両フィルム201、202を走行させながらエンボス加工工程、表示媒体供給工程および気泡状セル形成工程を実施して表示素子204を製造することができる。そして、表示素子形成後の帯状のフィルム積層体すなわち表示素子シート205をロール状に巻き取ることができる。すなわち、この製造装置100は、表示素子シート205をダイ・ツー・ロール方式により効率良く安価に製造することができる。
上記製造装置100において、第1のフィルム供給手段140の押し出し成型ダイ141に代えて、第1のフィルム201をロール状に巻いてなるフィルムロールを用い、当該フィルムロールから第1のフィルム201を繰り出してエンボス加工手段110に供給するように装置を構成することも可能である。また、第2のフィルム供給手段150の押し出し成型ダイ151に代えて、第2のフィルム202をロール状に巻いてなるフィルムロールを用い、当該フィルムロールから第2のフィルム202を繰り出して気泡状セル形成手段130に供給するように装置を構成することも可能である。これらの装置構成によれば、表示素子シート205をダイ・ツー・ロール方式とロール・ツー・ロール方式の混成方式により効率良く安価に製造することができる。
また、両フィルム供給手段140、150の押し出し成型ダイ141、151に代えて、フィルムロールを用い、それぞれのフィルムロールからフィルム201、202を繰り出してエンボス加工手段110と気泡状セル形成手段130に供給するように装置を構成することもできる。この装置構成によれば、表示素子シート205をロール・ツー・ロール方式により効率良く安価に製造することができる。
図16は製造装置の別の例を概念的に示す装置構成図である。この製造装置300は、図5の表示素子シート208を製造する装置である。
製造装置300は、エンボス加工手段310と、第1の表示媒体供給手段320Bと、第2の表示媒体供給手段320Wと、気泡状セル形成手段330と、第1のフィルム供給手段340と、第2のフィルム供給手段350とを有している。
エンボス加工手段310は、エンボスロール(エンボスシリンダ)311を備えている。エンボスロール311は、その外周面に表示素子の形成条件に適合させて整然と配置された多数の吸引部(穴)とを有し、第1のフィルム供給手段340から供給される第1のフィルム201の表示素子形成目標箇所を徐々に冷却しながら吸引部で吸引して変形させることにより当該フィルム201の一方の面に複数の凸部を形成すると同時に他方の面に当該凸部と同数の凹部を形成する。
第1の表示媒体供給手段320Bは、乾式複写機において感光ドラム上で実施されるプロセスと同様の一連のプロセスにより、第1のフィルム201と第2のフィルム202の互いの貼り合わせ面のうち第2のフィルム202の表示素子形成目標箇所に第1種表示媒体203Bを供給する。この例では、第1の表示媒体供給手段320Bは、表示媒体帯電供給装置321Bと、表示媒体担持ローラ322Bと、感光体ドラム323Bと、静電潜像形成装置324Bと、転写装置325Bとを有している。表示媒体帯電供給装置321Bは、帯電した第1種表示媒体203Bを、表示媒体担持ローラ322Bに供給する。静電潜像形成装置324Bは、感光体ドラム323Bの表面に所定のパターン(形成すべき表示素子の配置に合わせて整然と配置された多数のドットからなるパターン)の静電潜像を形成する。表示媒体担持ローラ322Bは、その表面に第1種表示媒体203Bを担持しつつ回転し、これと近接して同じ周速度で逆向きに回転している感光体ドラム323Bの表面に第1種表示媒体203Bを供給することにより、感光体ドラム323B上の静電潜像を第1種表示媒体203Bで現像(顕像化)する。感光体ドラム323Bは、第1種表示媒体203Bからなる所定パターンをその表面に担持しつつ回転する。転写装置325Bは、第2のフィルム供給手段350から供給される第2のフィルム202の通過領域を隔てて、感光体ドラム323Bの下方近傍に設けられており、感光体ドラム323B上の第1種表示媒体203Bからなる所定パターンを第2のフィルム202に転写することにより、第1種表示媒体203Bを第2のフィルム202の表示素子形成目標箇所に供給する。
第2の表示媒体供給手段320Wは、乾式複写機において感光ドラム上で実施されるプロセスと同様の一連のプロセスにより、第1のフィルム201と第2のフィルム202の互いの貼り合わせ面のうち第1のフィルム201の表示素子形成目標箇所に第2種表示媒体203Wを供給する。この例では、第2の表示媒体供給手段320Wは、表示媒体帯電供給装置321Wと、表示媒体担持ローラ322Wと、感光体ドラム323Wと、静電潜像形成装置324Wと、転写装置325Wとを有している。表示媒体帯電供給装置321Wは、帯電した第2種表示媒体203Wを、表示媒体担持ローラ322Wに供給する。静電潜像形成装置324Wは、感光体ドラム323Wの表面に所定のパターン(形成すべき表示素子の配置に合わせて整然と配置された多数のドットからなるパターン)の静電潜像を形成する。表示媒体担持ローラ322Wは、その表面に第2種表示媒体203Wを担持しつつ回転し、これと近接して同じ周速度で逆向きに回転している感光体ドラム323Wの表面に第2種表示媒体203Wを供給することにより、感光体ドラム323W上の静電潜像を第2種表示媒体203Wで現像(顕像化)する。感光体ドラム323Wは、第2種表示媒体203Wからなる所定パターンをその表面に担持しつつ回転する。転写装置325Wは、転写電圧印加装置326とエンボスロール311とで構成される。転写電圧印加装置326は、感光体ドラム323Wに担持されている第2種表示媒体203Wを第1のフィルム201に転写するのに必要な電圧をエンボスロール311に印加する。すなわち、この転写装置325Wは、感光体ドラム323W上の第2種表示媒体203Wからなる所定パターンをエンボスロール311上の第1のフィルム201に転写することにより、第2種表示媒体203Wを第1のフィルム201の表示素子形成目標箇所である凹部に供給する。
気泡状セル形成手段330は、エンボスロール311に圧接しつつこれと同じ周速度で逆向きに回転している圧着ロール331を有している。そして、エンボスロール311と圧着ロール331との間(圧着部)を、エンボス加工及び第2種表示媒体供給済みの第1のフィルム(エンボスフィルム)201と第1種表示媒体供給済みの第2のフィルム(ベースフィルム)202が互いに上下に重なり合った状態で通過する際に、両フィルム201、202を圧着ロール331でエンボスロール311に圧着させて、エンボスロール311の表面で互いに熱融着させて貼り合わせることにより、2種類の表示媒体203B、203Wを封入した気泡状セル209を形成する。圧着ロール331の外周面には、エンボスロール311の外周面に形成されている吸引部の配置・寸法に合わせて多数の穴が形成されており、表示素子形成目標箇所の周縁部のみ加熱・加圧して両フィルム201、202を貼り合わせることができるようになっている。
第1のフィルム供給手段340は、押し出し成型ダイ341を用いて帯状の第1のフィルム201を連続生成しつつエンボス加工手段360に供給する。この例では、押し出し成型ダイ341から押し出された第1のフィルム201がガイドローラ342を経由してエンボスロール311に供給されるようになっている。
第2のフィルム供給手段350は、押し出し成型ダイ351を用いて帯状の第2のフィルム202を連続生成しつつ気泡状セル形成手段330に供給する。この例では、第2のフィルム202は、ガイドローラ352を経由して第1の表示媒体供給手段320Bを通過した後、気泡状セル形成手段330に供給される。
上記のように構成された製造装置300は、二つの押し出し成型ダイ341、351を用いて第1のフィルム201と第2のフィルム202を同時に連続生成しつつ、両フィルム201、202を走行させながらエンボス加工工程、表示媒体供給工程および気泡状セル形成工程を実施して表示素子207を製造することができる。そして、表示素子形成後の帯状のフィルム積層体すなわち表示素子シート208をロール状に巻き取ることができる。すなわち、この製造装置100は、表示素子シート208をダイ・ツー・ロール方式により効率良く安価に製造することができる。
上記製造装置300において、第1のフィルム供給手段340の押し出し成型ダイ341に代えて、第1のフィルム201をロール状に巻いてなるフィルムロールを用い、当該フィルムロールから第1のフィルム201を繰り出してエンボス加工手段310に供給するように装置を構成することも可能である。また、第2のフィルム供給手段350の押し出し成型ダイ351に代えて、第2のフィルム202をロール状に巻いてなるフィルムロールを用い、当該フィルムロールから第2のフィルム202を繰り出して気泡状セル形成手段330に供給するように装置を構成することも可能である。これらの装置構成によれば、表示素子シート208をダイ・ツー・ロール方式とロール・ツー・ロール方式の混成方式により効率良く安価に製造することができる。
また、両フィルム供給手段340、350の押し出し成型ダイ341、351に代えて、フィルムロールを用い、それぞれのフィルムロールからフィルム201、202を繰り出してエンボス加工手段310と気泡状セル形成手段330に供給するように装置を構成することもできる。この装置構成によれば、表示素子シート208をロール・ツー・ロール方式により効率良く安価に製造することができる。
上記の形態例ではエンボス加工後の第1のフィルム201の表示素子形成目標箇所に表示媒体203Wを供給するように製造装置300を構成したが、その表示素子形成目標箇所に表示媒体203Wを供給した後の第1のフィルム201をエンボス加工するように製造装置300を構成してもよい。
上記のように、本発明の装置、筐体および外装体が備える表示素子シート205、208は、ロール・ツー・ロール方式またはダイ・ツー・ロール方式により効率良く安価に製造することができる。したがって、この表示素子シート205、208を電子ペーパの表示媒体層に使用することにより、外観変更機能を備えた装置、筐体および外装体の製造コストを低減させることができる。
[表示媒体]
本発明の装置、筐体および外装体が備える表示素子シートで使用する表示媒体の例として、電子粉流体(登録商標)を挙げることができる。電子粉流体(登録商標)に関する以下の説明は、特開2006−330707号公報(出願人:株式会社ブリヂストン)からの引用であり、引用文中の「情報表示用パネル」を表示素子シートと読み替えれば本発明と整合する。
「粉流体」は、気体の力も液体の力も借りずに、自ら流動性を示す、流体と粒子の特性を兼ね備えた両者の中間状態の物質である。例えば、液晶は液体と固体の中間的な相と定義され、液体の特徴である流動性と固体の特徴である異方性(光学的性質)を有するものである(平凡社:大百科事典)。一方、粒子の定義は、無視できるほどの大きさであっても有限の質量をもった物体であり、重力の影響を受けるとされている(丸善:物理学事典)。ここで、粒子でも、気固流動層体、液固流動体という特殊状態があり、粒子に底板から気体を流すと、粒子には気体の速度に対応して上向きの力が作用し、この力が重力とつりあう際に、流体のように容易に流動できる状態になるものを気固流動層体と呼び、同じく、流体により流動化させた状態を液固流動体と呼ぶとされている(平凡社:大百科事典)。このように気固流動層体や液固流動体は、気体や液体の流れを利用した状態である。本発明では、このような気体の力も、液体の力も借りずに、自ら流動性を示す状態の物質を、特異的に作り出せることが判明し、これを粉流体と定義した。
すなわち、本発明における粉流体は、液晶(液体と固体の中間相)の定義と同様に、粒子と液体の両特性を兼ね備えた中間的な状態で、先に述べた粒子の特徴である重力の影響を極めて受け難く、高流動性を示す特異な状態を示す物質である。このような物質はエアロゾル状態、すなわち気体中に固体状もしくは液体状の物質が分散質として安定に浮遊する分散系で得ることができ、本発明の情報表示用パネルで固体状物質を分散質とするものである。
本発明の情報表示用パネルは、少なくとも一方が透明な、対向する基板間に、例えば気体中に固体粒子が分散質として安定に浮遊するエアロゾル状態で高流動性を示す粉流体を封入するものであり、このような粉流体は、粉体の流動性を示す指数である安息角を形成しないほど流動性に富んだ状態を示すものであり、低電圧の印加等で形成される電界でクーロン力などにより容易に安定して移動させることができる。
本発明に表示媒体として例えば用いる粉流体とは、先に述べたように、気体の力も液体の力も借りずに、自ら流動性を示す、流体と粒子の特性を兼ね備えた両者の中間状態の物質である。この粉流体は、特にエアロゾル状態とすることができ、本発明の情報表示用パネルでは、気体中に固体状の物質が分散質として比較的安定に浮遊する状態を容易に作り出せる表示媒体として用いられる。
次に、本発明の情報表示用パネルにおいて表示媒体を構成する表示媒体用粒子(以下、粒子ともいう)について説明する。表示媒体用粒子は、そのまま該表示媒体用粒子だけで構成して表示媒体としたり、その他の粒子と合わせて構成して表示媒体としたり、粉流体となるように調整、構成して表示媒体としたりして用いられる。
粒子には、その主成分となる樹脂に、必要に応じて、従来と同様に、荷電制御剤、着色剤、無機添加剤等を含ますことができる。以下に、樹脂、荷電制御剤、着色剤、その他添加剤を例示する。
樹脂の例としては、ウレタン樹脂、ウレア樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アクリルウレタン樹脂、アクリルウレタンシリコーン樹脂、アクリルウレタンフッ素樹脂、アクリルフッ素樹脂、シリコーン樹脂、アクリルシリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ポリスチレン樹脂、スチレンアクリル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ブチラール樹脂、塩化ビニリデン樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、フッ素樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスルフォン樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリアミド樹脂等が挙げられ、2種以上混合することもできる。特に、基板との付着力を制御する観点から、アクリルウレタン樹脂、アクリルシリコーン樹脂、アクリルフッ素樹脂、アクリルウレタンシリコーン樹脂、アクリルウレタンフッ素樹脂、フッ素樹脂、シリコーン樹脂が好適である。
荷電制御剤としては、特に制限はないが、負荷電制御剤としては例えば、サリチル酸金属錯体、含金属アゾ染料、含金属(金属イオンや金属原子を含む)の油溶性染料、4級アンモニウム塩系化合物、カリックスアレン化合物、含ホウ素化合物(ベンジル酸ホウ素錯体)、ニトロイミダゾール誘導体等が挙げられる。正荷電制御剤としては例えば、ニグロシン染料、トリフェニルメタン系化合物、4級アンモニウム塩系化合物、ポリアミン樹脂、イミダゾール誘導体等が挙げられる。その他、超微粒子シリカ、超微粒子酸化チタン、超微粒子アルミナ等の金属酸化物、ピリジン等の含窒素環状化合物及びその誘導体や塩、各種有機顔料、フッ素、塩素、窒素等を含んだ樹脂等も荷電制御剤として用いることもできる。
着色剤としては、以下に例示するような、有機または無機の各種、各色の顔料、染料が使用可能である。
黒色着色剤としては、カーボンブラック、酸化銅、二酸化マンガン、アニリンブラック、活性炭等がある。
青色着色剤としては、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー15、紺青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、フタロシアニンブルー、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー部分塩素化物、ファーストスカイブルー、インダンスレンブルーBC等がある。
赤色着色剤としては、ベンガラ、カドミウムレッド、鉛丹、硫化水銀、カドミウム、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ピラゾロンレッド、ウォッチングレッド、カルシウム塩、レーキレッドD、ブリリアントカーミン6B、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、アリザリンレーキ、ブリリアントカーミン3B、C.I.ピグメントレッド2等がある。
黄色着色剤としては、黄鉛、亜鉛黄、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、ミネラルファーストイエロー、ニッケルチタンイエロー、ネーブルイエロー、ナフトールイエローS、ハンザイエローG、ハンザイエロー10G、ベンジジンイエローG、ベンジジンイエローGR、キノリンイエローレーキ、パーマネントイエローNCG、タートラジンレーキ、C.I.ピグメントイエロー12等がある。
緑色着色剤としては、クロムグリーン、酸化クロム、ピグメントグリーンB、C.I.ピグメントグリーン7、マラカイトグリーンレーキ、ファイナルイエローグリーンG等がある。
橙色着色剤としては、赤色黄鉛、モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、インダンスレンブリリアントオレンジRK、ベンジジンオレンジG、インダンスレンブリリアントオレンジGK、C.I.ピグメントオレンジ31等がある。
紫色着色剤としては、マンガン紫、ファーストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ等がある。
白色着色剤としては、亜鉛華、酸化チタン、アンチモン白、硫化亜鉛等がある。
体質顔料としては、バライト粉、炭酸バリウム、クレー、シリカ、ホワイトカーボン、
タルク、アルミナホワイト等がある。また、塩基性、酸性、分散、直接染料等の各種染料として、ニグロシン、メチレンブルー、ローズベンガル、キノリンイエロー、ウルトラマリンブルー等がある。
無機系添加剤の例としては、酸化チタン、亜鉛華、硫化亜鉛、酸化アンチモン、炭酸カルシウム、鉛白、タルク、シリカ、ケイ酸カルシウム、アルミナホワイト、カドミウムイエロー、カドミウムレッド、カドミウムオレンジ、チタンイエロー、紺青、群青、コバルトブルー、コバルトグリーン、コバルトバイオレット、酸化鉄、カーボンブラック、マンガンフェライトブラック、コバルトフェライトブラック、銅粉、アルミニウム粉などが挙げられる。
これらの顔料および無機系添加剤は、単独であるいは複数組み合わせて用いることができる。このうち特に黒色顔料としてカーボンブラックが、白色顔料として酸化チタンが好ましい。
上記着色剤を配合して所望の色の表示媒体用粒子を作製できる。
また、本発明の粒子は平均粒子径d(0.5)が、0.1〜20μmの範囲であり、均一で揃っていることが好ましい。平均粒子径d(0.5)がこの範囲より大きいと表示上の鮮明さに欠け、この範囲より小さいと粒子同士の凝集力が大きくなりすぎるために表示媒体としての移動に支障をきたすようになる。
更に本発明では、各表示媒体用粒子の粒子径分布に関して、下記式に示される粒子径分布Spanを5未満、好ましくは3未満とする。
Span=(d(0.9)−d(0.1))/d(0.5)
(但し、d(0.5)は粒子の50%がこれより大きく、50%がこれより小さいという粒子径をμmで表した数値、d(0.1)はこれ以下の粒子の比率が10%である粒子径をμmで表した数値、d(0.9)はこれ以下の粒子が90%である粒子径をμmで表した数値である。)
Spanを5以下の範囲に納めることにより、各粒子のサイズが揃い、表示媒体としての均一な移動が可能となる。
さらにまた、各表示媒体用粒子の相関について、使用した粒子の内、最大径を有する粒子のd(0.5)に対する最小径を有する粒子のd(0.5)の比を50以下、好ましくは10以下とすることが肝要である。たとえ粒子径分布Spanを小さくしたとしても、互いに帯電特性の異なる粒子が互いに反対方向に動くので、互いの粒子サイズが近く、互いの粒子が当量ずつ反対方向に容易に移動できるようにするのが好適であり、それがこの範囲となる。
本発明で製造した情報表示用パネルを気中空間で表示媒体を駆動する乾式の情報表示用パネルとして用いる場合には、表示媒体を取り巻く空隙部分の気体(すなわち気泡セル内の気体)の管理が重要であり、表示安定性向上に寄与する。具体的には、空隙部分の気体の湿度について、25℃における相対湿度を60%RH以下、好ましくは50%RH以下とすることが重要である。
空隙部分の気体は、先に述べた湿度領域であれば、その種類は問わないが、乾燥空気、乾燥窒素、乾燥アルゴン、乾燥ヘリウム、乾燥二酸化炭素、乾燥メタンなどが好適である。この気体は、その湿度が保持されるように情報表示用パネルに封入することが必要であり、例えば、表示媒体の充填、情報表示用パネルの組み立てなどを所定湿度環境下にて行い、さらに、外からの湿度侵入を防ぐシール材、シール方法を施すことが肝要である。
[シート]
次に、本発明の装置、筐体および外装体が備える表示素子シートで使用するフィルム(第1のフィルム、第2のフィルム)について説明する。
フィルムの材料としては、公知の熱可塑性樹脂を用いることができる。熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン(低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、エチレン・α−オレフィン共重合体など)、ポリプロピレン、4−メチルペンテン−1などの炭素数2〜10のオレフィン重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリフッ化ビニルなどのハロゲン化重合体、ポリスチレンなどの付加重合物、ナイロン6、ナイロン12などのアミド重合体、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル重合体などの縮重合物、ポリ乳酸、ポリラクトンなどの生分解性樹脂などを用いることができる。特に、オレフィン重合体が、気密性、加工性、機械的特性が良好かつ安価なので好ましい。
熱可塑性樹脂などのフィルムは、インフレーション成形、Tダイ成形などの押出し成形により製造されたものを用いることが好ましい。特に、フィルムをTダイより直接エンボスシリンダに供給する方式を採用することにより、製造工程を簡素化できる。
上記オレフィン重合体としては、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、エチレンと炭素数3〜10のα−オレフィンとの共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸アルキル共重合体、エチレン−アクリル酸フェニル共重合体、エチレン−アクリル酸ベンジル共重合体、ポリプロピレン、プロピレンと炭素数4〜10のα−オレフィンとの共重合体などおよびこれらの混合物などを用いることが好ましい。
また、本発明の装置、筐体および外装体が備える表示素子シートで使用するフィルムとして、特開2007−45025号公報(出願人:三菱化学ポリエステルフィルム株式会社)に記載の電子ペーパ用ポリエステルフィルムを用いることも可能である。このフィルムは、少なくとも片面に易接着層またはハードコート層を有し、ヘーズ値が1.5%以下であり、表面および裏面のRa値の平均値が0.004〜0.015μmであり、150℃で1時間処理後のフィルム縦方向および横方向の加熱収縮率の絶対値が0.7%以下であるという特徴を有している。ここにおけるポリエステルとは、例えば、芳香族ジカルボン酸と脂肪族グリコールとを重縮合させて得られるものである。 芳香族ジカルボン酸としては、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸などが挙げられ、脂肪族グリコールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等が挙げられる。代表的であり、かつ、コスト的に最も安価なポリエステルは、ポリエチレンテレフタレート(PET)である。
[その他の実施形態]
図16の形態例の製造装置300では、エンボスロール311が第2の表示媒体供給手段320Wの転写装置325Wの一部を成しているが、第1の表示媒体供給手段320Bと同様に、感光体ドラム323Wをエンボスロール311から離間させて配置し、第1のフィルム201の通過領域を隔てて、感光体ドラム323Wの下方近傍に転写装置を設けてもよい。
また、図4の例では、図5の表示素子シート205を2枚の板411.412で挟むことにより、各気泡状セル206を配列方向に膨らませた状態に保っているが、各気泡状セル206を何らかの方法で同時に押圧して配列方向に膨らませた状態で、第1のフィルム201に合成樹脂の平坦なライナーフィルムを貼りつけることにより、当該状態を維持するようにしてもよい。図6についても同様である。
以上の説明では、表示媒体として電子粉流体(登録商標)を用いた製造方法、製造装置、表示素子、表示素子シート及び表示装置について説明したが、本発明で使用する表示媒体は電子粉流体(登録商標)に限定されない。たとえば、特許文献10や特許文献30の電子ペーパにおいて使用されている粉流体(トナー)を用いてもよいことは言うまでもない。
また、分散粒子と着色溶液からなる分散液または着色分散粒子と透明溶液からなる分散液を表示媒体として用いてもよい。また、分散粒子と溶液からなる分散液をマイクロカプセル化したものを表示媒体として用いてもよい。この種の表示媒体を使用すれば、電気泳動方式の表示手段を実現できる。分散液をセル内に供給する方法として、インクジェット法を挙げることができる。
(a)は本発明にかかる装置の実施の形態の一例を示す正面図 (b)は(a)に示す装置の筐体の前面パネル部分の斜視断面図 本発明の装置が備える電子ペーパの形態例を示す部分断面図 本発明の装置が備える電子ペーパの別の形態例を示す部分断面図 本発明の装置が備える電子ペーパの更に別の形態例を示す部分断面図 図2の電子ペーパが備える表示素子シートの構造を例示する断面図 図3の電子ペーパが備える表示素子シートの構造を例示する断面図 (a)〜(d)は図5又は図6の表示素子シートにおける気泡状セルの配置及びセル形状を例示する部分平面図 (a)〜(h)は図1に示す装置の動作例を示す正面図 図1に示す装置の別の動作例を示す正面図 本発明にかかる装置を撮像素子を備えた装置に適用した場合の装置構成例を示すブロック図 (a)〜(d)は本発明にかかる時計の実施の形態の一例を示す正面図 本発明にかかる装置を壁掛型テレビに適用した場合の動作例を示す正面図 (a)は本発明にかかる外装体を折り畳み型携帯電話機の化粧パネルに適用した場合の実施の形態を示す側面図 (b)は要部断面図 (a)〜(d)は化粧パネルの外観変更例を示す正面図 本発明の装置が備える表示素子シートを製造するための製造装置の一例を概念的に示す装置構成図 本発明の装置が備える表示素子シートを製造するための製造装置の別の例を概念的に示す装置構成図
符号の説明
1 装置
2 液晶表示パネル
3 筐体
3a 前面パネル部分
5 前面パネル基体
6 電子ペーパ
7 カバー
9 模様選択モードボタン
10−1〜10−n 色選択ボタン
15−1〜15−n 模様選択ボタン
20 壁掛型テレビ
21 フレーム部分
23 被写体
24 撮像素子
25 信号処理部
26 画像生成部
27 駆動回路
28 電子ペーパ
30 折畳型携帯電話機
31 上部筐体
33 化粧パネル
34 電子ペーパ
35 カバー
36a、36b 保持シート
37 表示媒体層
201 第1のフィルム(エンボスフィルム)
202 第2のフィルム(ベースフィルム)
203 表示媒体

203B 第1種表示媒体
203W 第2種表示媒体 204 表示素子
206 気泡状セル

207 表示素子 208 表示素子シート
209 気泡状セル
410 表示装置
411.412 板
413F、413R 画素電極
413P 電極対
420 表示装置
421.422 板
430 表示装置
431 袋体
E 電界

Claims (28)

  1. 筐体を備えた装置であって、
    前記筐体は、無給電状態でも画像の表示状態を維持可能な表示素子シートを備え、
    前記表示素子シートは、樹脂フィルムの表示素子形成目標箇所を吸引して変形させることによりその一方の面に複数の凸部が形成されると同時に他方の面に当該凸部と同数の凹部が形成されたエンボスフィルムと、前記エンボスフィルムの前記他方の面に貼り合わせた平面状のベースフィルムと、前記凹部が前記ベースフィルムにより閉塞されることにより形成された気泡状セルと、前記気泡状セル内に封入された少なくとも1種類以上の表示媒体とを備え、
    前記表示素子シートに電界を印加することにより前記表示媒体を各気泡状セル内で移動させて、前記表示素子シートに表示させる画像または色調を変化させることにより、その外観を変化させることができるように構成したことを特徴とする装置。
  2. 前記表示媒体は、電子粉流体(登録商標)である請求項1の装置。
  3. 前記表示素子シートは、少なくとも一部に透明な部分を有する袋体内に収容され、
    当該袋体は、その内部が排気された状態で密封されている、請求項1または2の装置。
  4. 前記表示素子シートは、2枚の板の間に挟んで圧縮した状態に保持されており、両板のうちすくなくとも筐体の外面側に配置された板は透明な板である請求項1または2の装置。
  5. 前記圧縮した状態は、前記気泡状セルが前記2枚の板の間で押圧されて変形することにより相隣接する気泡状セルの壁同士が当該変形前よりも接近した状態である、請求項4の装置。
  6. 前記表示素子シートは、2枚の板と共に少なくとも一部に透明な部分を有する袋体内に収容され、
    当該袋体は、その内部が排気された状態で密封されている、請求項4又は5の表示装置。
  7. 装置の筐体であって、
    無給電状態でも画像の表示状態を維持可能な表示素子シートを備え、
    前記表示素子シートは、樹脂フィルムの表示素子形成目標箇所を吸引して変形させることによりその一方の面に複数の凸部が形成されると同時に他方の面に当該凸部と同数の凹部が形成されたエンボスフィルムと、前記エンボスフィルムの前記他方の面に貼り合わせた平面状のベースフィルムと、前記凹部が前記ベースフィルムにより閉塞されることにより形成された気泡状セルと、前記気泡状セル内に封入された少なくとも1種類以上の表示媒体とを備え、
    前記表示素子シートに電界を印加することにより前記表示媒体を各気泡状セル内で移動させて、前記表示素子シートに表示させる画像または色調を変化させることにより、その外観を変化させることができるように構成したことを特徴とする筐体。
  8. 前記表示媒体は、電子粉流体(登録商標)である請求項7の筐体。
  9. 前記表示素子シートは、少なくとも一部に透明な部分を有する袋体内に収容され、
    当該袋体は、その内部が排気された状態で密封されている、請求項7または8の筐体。
  10. 前記表示素子シートは、2枚の板の間に挟んで圧縮した状態に保持されており、両板のうちすくなくとも筐体の外面側に配置された板は透明な板である請求項7または8の筐体。
  11. 前記圧縮した状態は、前記気泡状セルが前記2枚の板の間で押圧されて変形することにより相隣接する気泡状セルの壁同士が当該変形前よりも接近した状態である、請求項10の筐体。
  12. 前記表示素子シートは、2枚の板と共に少なくとも一部に透明な部分を有する袋体内に収容され、
    当該袋体は、その内部が排気された状態で密封されている、請求項10又は11の筐体。
  13. 装置の筐体の外面部に取り付けられる外装体であって、
    無給電状態でも画像の表示状態を維持可能な表示素子シートを備え、
    前記表示素子シートは、樹脂フィルムの表示素子形成目標箇所を吸引して変形させることによりその一方の面に複数の凸部が形成されると同時に他方の面に当該凸部と同数の凹部が形成されたエンボスフィルムと、前記エンボスフィルムの前記他方の面に貼り合わせた平面状のベースフィルムと、前記凹部が前記ベースフィルムにより閉塞されることにより形成された気泡状セルと、前記気泡状セル内に封入された少なくとも1種類以上の表示媒体とを備え、
    前記表示素子シートに電界を印加することにより前記表示媒体を各気泡状セル内で移動させて、前記表示素子シートに表示させる画像または色調を変化させることにより、その外観を変化させることができるように構成したことを特徴とする外装体。
  14. 前記表示媒体は、電子粉流体(登録商標)である請求項13の筐体。
  15. 前記表示素子シートは、少なくとも一部に透明な部分を有する袋体内に収容され、
    当該袋体は、その内部が排気された状態で密封されている、請求項13または14の外装体。
  16. 前記表示素子シートは、2枚の板の間に挟んで圧縮した状態に保持されており、両板のうちすくなくとも筐体の外面側に配置された板は透明な板である請求項13または14の外装体。
  17. 前記圧縮した状態は、前記気泡状セルが前記2枚の板の間で押圧されて変形することにより相隣接する気泡状セルの壁同士が当該変形前よりも接近した状態である、請求項16の外装体。
  18. 前記表示素子シートは、2枚の板と共に少なくとも一部に透明な部分を有する袋体内に収容され、
    当該袋体は、その内部が排気された状態で密封されている、請求項16又は17の外装体。
  19. 文字盤を備えた時計であって、
    前記文字盤は、無給電状態でも画像の表示状態を維持可能な表示素子シートを備え、
    前記表示素子シートは、樹脂フィルムの表示素子形成目標箇所を吸引して変形させることによりその一方の面に複数の凸部が形成されると同時に他方の面に当該凸部と同数の凹部が形成されたエンボスフィルムと、前記エンボスフィルムの前記他方の面に貼り合わせた平面状のベースフィルムと、前記凹部が前記ベースフィルムにより閉塞されることにより形成された気泡状セルと、前記気泡状セル内に封入された少なくとも1種類以上の表示媒体とを備え、
    前記表示素子シートに電界を印加することにより前記表示媒体を各気泡状セル内で移動させて、前記表示素子シートに表示させる画像または色調を変化させることにより、前記文字盤の外観を変化させることができるように構成したことを特徴とする時計。
  20. 前記表示媒体は、電子粉流体(登録商標)である請求項19の時計。
  21. 前記表示素子シートは、少なくとも一部に透明な部分を有する袋体内に収容され、
    当該袋体は、その内部が排気された状態で密封されている、請求項19または20の時計。
  22. 前記表示素子シートは、2枚の板の間に挟んで圧縮した状態に保持されており、両板のうちすくなくとも筐体の外面側に配置された板は透明な板である請求項19または20の時計。
  23. 前記圧縮した状態は、前記気泡状セルが前記2枚の板の間で押圧されて変形することにより相隣接する気泡状セルの壁同士が当該変形前よりも接近した状態である、請求項22の時計。
  24. 前記表示素子シートは、2枚の板と共に少なくとも一部に透明な部分を有する袋体内に収容され、
    当該袋体は、その内部が排気された状態で密封されている、請求項22又は23の時計。
  25. 請求項1〜6の何れかの装置、請求項7〜12の何れかの筐体、請求項13〜18の外装体、又は請求項18〜24の時計の製造方法であって、
    前記表示素子シートの製造工程が、
    第1のフィルムの表示素子形成目標箇所を吸引して変形させることにより当該フィルムの一方の面に複数の凸部を形成すると同時に他方の面に当該凸部と同数の凹部を形成するエンボス加工工程と、
    第1のフィルムと第2のフィルムの互いの貼り合わせ面のうち少なくとも一方の面の表示素子形成目標箇所に少なくとも1種類以上の表示媒体を供給する表示媒体供給工程と、
    前記エンボス加工工程と前記表示媒体供給工程とを経た後、第1のフィルムの前記他方の面に第2のフィルムを貼り合わせることにより表示媒体を封入した気泡状セルを形成する気泡状セル形成工程と、を有し、
    フラットダイを用いて帯状のフィルムを連続生成しつつ、そのフィルムを第1のフィルムおよび第2のフィルム又はその何れか一方として用いる、製造方法。
  26. 前記表示素子シートを所定の寸法・形状のシートに裁断する裁断工程と、
    当該シートを少なくとも一部に透明な部分を有する袋体内に収容し、その袋体の内部を排気した後密封する密封工程と、を有する製造方法。
  27. 請求項1〜6の何れかの装置、請求項7〜12の何れかの筐体、請求項13〜18の外装体、又は請求項18〜24の時計の製造方法であって、
    前記表示素子シートの製造工程が、
    第1のフィルムの表示素子形成目標箇所を吸引して変形させることにより当該フィルムの一方の面に複数の凸部を形成すると同時に他方の面に当該凸部と同数の凹部を形成するエンボス加工工程と、
    第1のフィルムと第2のフィルムの互いの貼り合わせ面のうち少なくとも一方の面の表示素子形成目標箇所に少なくとも1種類以上の表示媒体を供給する表示媒体供給工程と、
    前記エンボス加工工程と前記表示媒体供給工程とを経た後、第1のフィルムの前記他方の面に第2のフィルムを貼り合わせることにより表示媒体を封入した気泡状セルを形成する気泡状セル形成工程と、
    以上の工程を経て製造された気泡状セルを有する中間製造物を所定の寸法・形状のシートに裁断する裁断工程と、
    当該シートを少なくとも一部に透明な部分を有する袋体内に収容し、その袋体の内部を排気した後密封する密封工程と、を有する製造方法。
  28. フラットダイを用いて帯状のフィルムを連続生成しつつ、そのフィルムを第1のフィルムおよび第2のフィルム又はその何れか一方として用いる、請求項27の製造方法。
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KR20110015959A (ko) * 2009-08-10 2011-02-17 엘지전자 주식회사 휴대 단말기 및 그 동작 제어방법
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