JP4966559B2 - 情報表示用パネルの製造方法および情報表示用パネル - Google Patents
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Description
本発明は、上記情報表示用パネルの製造方法を用いて、2枚の基板として用いる2枚のフィルム基板の変形条件を一致させることにより、貼り合わせ後のパネルの反りや捻れを防止した情報表示用パネルを提供することを第2の目的とする。
図2(a),(b)に示す例では、少なくとも1種以上の粒子から構成される光学的反射率および帯電特性の異なる少なくとも2種以上の表示媒体3(ここでは白色表示媒体用粒子3Waの粒子群からなる白色表示媒体3Wと黒色表示媒体用粒子3Baの粒子群からなる黒色表示媒体3Bを示す)を、基板1に設けた電極5と基板2に設けた電極6との間に電圧を印加することにより発生する電界に応じて、基板1、2と垂直に移動させ、黒色表示媒体3Bを観察者に視認させて黒色の表示を行うか、あるいは、白色表示媒体3Wを観察者に視認させて白色の表示を行っている。なお、図2(b)に示す例では、図2(a)に示す例に加えて、基板1、2の間に例えば格子状に隔壁4を設けセルを形成している。また、図2(b)において、手前にある隔壁は省略している。
図3(a),(b)に示す例では、少なくとも1種以上の粒子から構成される光学的反射率および帯電性を有する1種の表示媒体3(ここでは白色表示媒体用粒子3Waの粒子群からなる白色表示媒体3Wを示す)を、基板1に設けた電極5と基板2に設けた電極6との間に電圧を印加することにより発生する電界に応じて、基板1、2と平行方向に移動させ、白色表示媒体3Wを観察者に視認させて白色の表示を行うか、あるいは、電極6または基板1の色を観察者に視認させて電極6または基板1の色の表示を行っている。なお、図3(b)に示す例では、図3(a)に示す例に加えて、基板1、2の間に例えば格子状の隔壁4を設けセルを形成している。また、図3(b)において、手前にある隔壁は省略している。
以上の説明は、粒子群からなる白色表示媒体3Wを粉流体からなる白色表示媒体に、粒子群からなる黒色表示媒体3Bを粉流体からなる黒色表示媒体に、それぞれ置き換えた場合も同様に適用することができる。
次に、図4に示す表示媒体充填工程を実施することにより、基板シート12上のパネル形成領域に形成した隔壁より成る各々のセル内に所定量の表示媒体を充填し、その後、図4に示す表示媒体除去工程を実施することにより、吸着ロール13によって隔壁上の不要な表示媒体を除去する。次に、図4に示す裁断工程を実施することにより、基板シート12をカッター14によって枚葉に裁断して、基板1を多面取り(図示例では4枚取り)するための枚葉基板15を形成する。
さらに、それぞれの基板シート12として、同一材料のものを用いるとともに、HC層(ハードコート層)やバリア層等の複数層の積層構造の基板シートを用いる場合には、同一積層構造ものを用いることが好ましい。同一材料かつ同一積層構造の基板シートを用いる場合には、2枚の基板の熱変形量が一致するため、貼り合わせ後の2枚の基板の熱変形量の差に起因するパネルの反りや捻れを防止することができる。
なお、上記シール剤硬化工程および上記接着剤硬化工程に用いるシール剤および接着剤は、互いに異なる硬化速度を有する硬化系に属するものを用いるものとし、例えばシール剤硬化工程では硬化速度が速いシール剤(例えばUV硬化系シール剤)を使用し、接着剤硬化工程では硬化速度が遅い接着剤(例えば熱硬化系接着剤)を使用するものとする。
なお、上記各工程を実施する順番は、上記に限定されるものではなく、必要に応じて実施する順番を変更することができる。
また、本発明の情報表示用パネルは、上記本発明の情報表示用パネルの製造方法を用いて2枚の基板として用いる2枚のフィルム基板の変形条件を一致させて作製するから、貼り合わせ後のパネルの反りや捻れを防止した情報表示用パネルとなる。
また、隔壁を形成するにあたり、対向する両基板1、2の各々にリブを形成した後に接合する両リブ法、片側の基板上にのみリブを形成する片リブ法が考えられる。この発明では、いずれの方法も好適に用いられる。
これらのリブからなる隔壁により形成されるセルは、図6に示すごとく、基板平面方向からみて四角状、三角状、ライン状、円形状、六角状が例示され、配置としては格子状やハニカム状や網目状が例示される。表示面側から見える隔壁断面部分に相当する部分(セルの枠部の面積)はできるだけ小さくした方が良く、表示の鮮明さが増す。
ここで、隔壁の形成方法を例示すると、金型転写法、スクリーン印刷法、サンドブラスト法、フォトリソ法、アディティブ法が挙げられる。いずれの方法もこの発明の情報表示用パネルに好適に用いることができるが、これらのうち、レジストフィルムを用いるフォトリソ法や金型転写法が好適に用いられる。
本発明に用いる粉流体とは、先に述べたように、気体の力も液体の力も借りずに、自ら流動性を示す、流体と粒子の特性を兼ね備えた両者の中間状態の物質である。この粉流体は、特にエアロゾル状態とすることができ、本発明の情報表示用パネルでは、気体中に固体状の物質が分散質として比較的安定に浮遊する状態で表示媒体として用いられる。
粒子には、その主成分となる樹脂に、必要に応じて、従来と同様に、荷電制御剤、着色剤、無機添加剤等を含ますことができる。以下に、樹脂、荷電制御剤、着色剤、その他添加剤を例示する。
青色着色剤としては、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー15、紺青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、フタロシアニンブルー、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー部分塩素化物、ファーストスカイブルー、インダンスレンブルーBC等がある。
赤色着色剤としては、ベンガラ、カドミウムレッド、鉛丹、硫化水銀、カドミウム、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ピラゾロンレッド、ウォッチングレッド、カルシウム塩、レーキレッドD、ブリリアントカーミン6B、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、アリザリンレーキ、ブリリアントカーミン3B、C.I.ピグメントレッド2等がある。
緑色着色剤としては、クロムグリーン、酸化クロム、ピグメントグリーンB、C.I.ピグメントグリーン7、マラカイトグリーンレーキ、ファイナルイエローグリーンG等がある。
橙色着色剤としては、赤色黄鉛、モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、インダンスレンブリリアントオレンジRK、ベンジジンオレンジG、インダンスレンブリリアントオレンジGK、C.I.ピグメントオレンジ31等がある。
紫色着色剤としては、マンガン紫、ファーストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ等がある。
白色着色剤としては、亜鉛華、酸化チタン、アンチモン白、硫化亜鉛等がある。
これらの顔料および無機系添加剤は、単独であるいは複数組み合わせて用いることができる。このうち特に黒色顔料としてカーボンブラックが、白色顔料として酸化チタンが好ましい。
Span=(d(0.9)−d(0.1))/d(0.5)
(但し、d(0.5)は粒子の50%がこれより大きく、50%がこれより小さいという粒子径をμmで表した数値、d(0.1)はこれ以下の粒子の比率が10%である粒子径をμmで表した数値、d(0.9)はこれ以下の粒子が90%である粒子径をμmで表した数値である。)
Spanを5以下の範囲に納めることにより、各粒子のサイズが揃い、均一な表示媒体移動が可能となる。
ここで、本発明における粒子径および粒子径分布は、体積基準分布から得られたものである。具体的には、Mastersizer2000(Malvern Instruments Ltd.)測定機を用いて、窒素気流中に粒子を投入し、付属の解析ソフト(Mie理論を用いた体積基準分布を基本としたソフト)にて、粒子径および粒子径分布の測定を行うことができる。
この空隙部分とは、図1(a),(b)〜図3(a),(b)において、対向する基板1、基板2に挟まれる部分から、電極5、6(電極を基板の内側に設けた場合)、表示媒体3の占有部分、隔壁4の占有部分、情報表示用パネルのシール部分を除いた、いわゆる表示媒体が接する気体部分を指すものとする。
空隙部分の気体は、先に述べた湿度領域であれば、その種類は問わないが、乾燥空気、乾燥窒素、乾燥アルゴン、乾燥ヘリウム、乾燥二酸化炭素、乾燥メタンなどが好適である。この気体は、その湿度が保持されるように情報表示用パネルに封入することが必要であり、例えば、表示媒体の充填、情報表示用パネルの組み立てなどを所定湿度環境下にて行い、さらに、外からの湿度侵入を防ぐシール材、シール方法を施すことが肝要である。
対向する基板間の空間における表示媒体の体積占有率は5〜70%が好ましく、さらに好ましくは5〜60%である。70%を超える場合には表示媒体の移動の支障をきたし、5%未満の場合にはコントラストが不明確となり易い。
基板2(上基板;視認側)および基板1(下基板)を形成する基板シート12として、同一積層構造のHC/PET(75μm)/SiO2 (バリア層)/ITOを用いて、かつ、それぞれの基板シート12の長手方向(MD方向)および幅方向(TD方向)を一致させて、図4に示す製造方法により、実施例1の情報表示用パネルを作製した。
この情報表示用パネルに対し、100℃での耐熱試験を実施したところ、パネルの変形はほとんど見られなかった。
基板2(上基板;視認側)を形成する基板シート12として、HC/PET(75μm)/SiO2 (バリア層)/ITOを用いるとともに、基板1(下基板)を形成する基板シート12として、HC/PET(125μm)/SiO2 (バリア層)/ITOを用いて、(a)それぞれの基板シート12の長手方向(MD方向)および幅方向(TD方向)を一致させて、(b)それぞれの基板シート12の長手方向(MD方向)および幅方向(TD方向)を異ならせて、図4に示す製造方法により、比較例1の情報表示用パネル(a)、(b)を作製した。
これら情報表示用パネル(a)、(b)に対し、100℃での耐熱試験を実施したところ、パネルの変形(反り)が見られた。
基板2(上基板;視認側)を形成する基板シート12として、HC/PET(75μm)/SiO2 (バリア層)/ITOを用いるとともに、基板1(下基板)を形成する基板シート12として、PET(75μm)/SiO2 (バリア層)/ITOを用いて、(c)それぞれの基板シート12の長手方向(MD方向)および幅方向(TD方向)を一致させて、(d)それぞれの基板シート12の長手方向(MD方向)および幅方向(TD方向)を異ならせて、図4に示す製造方法により、比較例2の情報表示用パネル(c)、(d)を作製した。
これら情報表示用パネル(c)、(d)に対し、100℃での耐熱試験を実施したところ、パネルの変形(反り)が見られた。
基板2(上基板;視認側)および基板1(下基板)を形成する基板シート12として、同一積層構造のHC/PET(75μm)/SiO2 (バリア層)/ITOを用いて、かつ、それぞれの基板シート12の長手方向(MD方向)および幅方向(TD方向)が逆になるように配置して、図4に示す製造方法により、比較例3の情報表示用パネルを作製した。
この情報表示用パネルに対し、100℃での耐熱試験を実施したところ、パネルの変形(反り)が見られた。
3 表示媒体(粒子群、粉流体)
3W 白色表示媒体
3B 黒色表示媒体
3Wa 白色表示媒体用粒子
3Ba 黒色表示媒体用粒子
4 隔壁
5 電極
6 電極
11 ロール
12 基板シート
13 吸着ロール
14 カッター
15 枚葉基板
16 枚葉基板
17 減圧チャンバー
18 オートクレーブ
Claims (4)
- 少なくとも一方が透明な2枚の基板間に表示媒体を封入し、表示媒体に電界を付与することによって、表示媒体を移動させて画像等の情報を表示する情報表示用パネルの製造方法であって、
一方の基板に関しては、表示媒体充填工程を実施することにより、基板シート上のパネル形成領域に形成した隔壁より成る各々のセル内に所定量の表示媒体を充填し、裁断工程を実施することにより、基板シートを枚葉に裁断して、基板を多面取りするための一方の枚葉基板を形成し、他方の基板に関しては、基板シートに対して、シール接着剤塗布工程を実施し、その後、裁断工程を実施して他方の枚葉基板を形成し、形成した一方の枚葉基板と他方の枚葉基板とを貼り合わせる工程を行い、その後、2枚の枚葉基板を接着したものから、情報表示用パネルを1枚ずつ切り分けることで情報表示用パネルを得るにあたり、一方の基板および他方の基板として、ロールに巻かれたシート状の連続した基板を使用するとともに、一方の基板および他方の基板として使用する連続した基板の2軸延伸させて製造した際の長手方向(MD方向)および幅方向(TD方向)を一致させることを特徴とする情報表示用パネルの製造方法。 - 前記一方の基板および他方の基板として使用する連続した基板は、同一材料、かつ、同一積層構造ものを用いることを特徴とする請求項1記載の情報表示用パネルの製造方法。
- 前記一方の基板および他方の基板として使用する連続した基板は、可撓性を有する樹脂基板であることを特徴とする請求項1または2に記載の情報表示用パネルの製造方法。
- 請求項1〜3の何れか1項に記載の情報表示用パネルの製造方法を用いて作製することを特徴とする情報表示用パネル。
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