JP2004251855A - 缶外面の検査方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】チャック10に把持されて回転する缶1の外面2を、1周に余裕角度αを加えた角度範囲に渡って撮像する。バーコード4から検出したマーク位置5を基準としてチャック10に付されている目盛11に基づいて、缶1の1周画像データを作成する。目盛11を利用することで、缶外面2がベタ印刷のように1周を定める特徴がない場合であっても、缶1の1周画像データの作成が短時間で可能となり、検査時間が短縮化される。1周画像データと正規の缶の標準1周画像データとの比較によって、缶1の外面2が検査される。
【選択図】 図3
Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、缶外面の外観、印刷等の表面状態を検査する缶外面の検査方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ジュースやビール等の飲料用缶、食品缶詰め用の缶等の製缶ライン、又は充填ラインにおいては、缶の外観や印刷等の表面状態を検査し、不良品の缶を排除して良品の缶のみを利用することが行われている。円筒状の缶の表面には、商品の宣伝、マーク等の印刷が施されているが、これらの印刷は曲面印刷であるために、すべての缶を厳密な意味で同じに印刷することは困難である。従って、缶表面の印刷が適正に印刷がなされているか否かを検査し、許容幅内にある缶を良品として充填に供しているのが実情である。図柄や模様のような印刷状態に代表される缶外面の表面状態の良否は、例えば、検査の対象となる缶の外面をカメラによって撮影し、撮影して得られた画像データを画像処理し、検査すべき画像と記憶されている正規の缶の標準画像データとを比較検査して、自動的に判定されるようになってきている。
【0003】
そのような缶の自動的な検査の一例として、検査テーブルに缶を回転させる回転台を設け、缶搬送手段によって検査テーブルに缶を供給し、検査テーブルに対向して設けられた外観検査用の複数(5台)のカメラで、回転台で回転中の缶を周方向に分割して撮影し、カメラによる分割像のために回転台の回転を駆動手段によって制御し、マーク検出センサで缶に予め印刷されている基準点マークを検出し、この基準点マークを検出したタイミングとエンコーダを使用してカメラの撮像及び駆動手段の駆動を制御し、カメラにより缶を基準点マークから72°ずつ1周を5分割して撮像し、周方向分割毎に予め撮影した良品の画像を基準画像として記憶し、画像処理比較手段によって検査画像と基準画像とを比較して缶の内外を検査する缶内外面検査装置が提案されている(特許文献1参照)。
【0004】
また、最初に規格標準缶について外観を走査してその標準模様を記憶し、次いで、実質的に同一模様を施してあって生産ラインを流れる被検査缶について順次外観を走査し、その都度、規格標準缶と被検査缶の外観とを画素単位に比較して、その相違から缶の外観模様上の欠陥を発見する円筒缶の外表面検査方法及び装置が提案されている。この円筒缶の外表面検査方法及び装置によれば、ラインセンサカメラを用いて得られた画像による第1の画像処理において、規格標準缶と被検査缶については、缶を定速回転させるときに伴ってバーコードリーダーがバーコードを検知すると、読取りタイミング信号が制御用コンピュータに送られ、読取りタイミング信号の受信時点からパルスモータコントローラに一定角度、所定のパルス数をカウントさせ、撮影開始時点から缶の筒長方向を全幅に渡り周期的に線走査することで缶の筒長方向の主走査が行われ、缶の定速回転する缶の回転方向に副走査が行われる(特許文献2参照)。
【0005】
上記の各文献に記載の検査方法は、製缶の高速化を目指すものであるが、最近の製缶ラインや缶充填ラインにおいてはシステム全体が高速化しており、こうした高速化に対応するため、缶外面の検査においても応分の高速化が求められている。また、高度なカメラや画像処理は、高精細な機器を導入すればそれに応じた結果は得られるが、システム構築が高コストになる。また、缶の外面印刷については必ずしもすべてが1周を認識できる状態に施されてはいない。例えば、ベタ印刷の幅が広い缶、無地の部分が広い缶、あるいは印刷模様に特徴のない缶等については1周分の見分けが付かず、1周位置の検出ができない。そのため、このような缶については従来の外面検査の適用が困難であり、缶に基準位置設定のための専用の基準点マークを印刷する必要があった。また、基準点マークを印刷しても、その基準点マークを検出するのに缶を最大1回転させ、基準点マークの検出後に缶の1周を撮像するのに缶を更に1回転させるので、缶1周の撮像データを得るのに缶を最大で2周回転させる必要があり、缶当たりの検査時間が長くなるという問題があった。更に、缶の1周の分割撮像には、通常、エリアカメラが用いられており、エリアカメラは、高価であると共に、正面以外の横方向両側の画像には曲面に起因する歪みが回避できず、且つ照明が缶の面で反射する反射光量も一様ではないことが缶表面の良否の判定に障害となるという問題もあった。
【0006】
【特許文献1】
特開平6−174649号公報([0012]〜[0019]、[0031]〜[0035]、図1〜図4)
【特許文献2】
特開平5−120412号公報([0017]〜[0027]、図1〜図2)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、缶を把持するチャックに缶の1周についての情報を持たせることができることに着目して、缶外面が缶の1周を認識困難であるような缶であっても、どの位置からでも1周の画像データを高速に歪みなく取り込むことを可能にする点で解決すべき課題がある。
【0008】
この発明の目的は、べた印刷されている場合のように缶外面が缶の1周を識別困難であるような状態であっても、缶を把持するチャックに備わる缶1周についての情報を利用して、缶検査に必要な回転量を少なくしつつ高速に且つ正確に1周の画像データを取り込むことで、缶の検査時間を短縮して、製缶の高速化に対応することができる缶外面の検査方法を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、この発明による缶外面の検査方法は、チャックに把持されて回転する缶について基準マークを含む外面を前記チャックに付された目盛と共に1周に余裕角度を加えた角度範囲に渡って撮像し、撮像した得られた撮像画像データから前記目盛と前記基準マークとに基づいて前記基準マークのマーク位置を基準とした前記缶の1周画像データを作成し、前記1周画像データに基づいて前記缶の前記外面を検査することから成っている。
【0010】
この缶外面の検査方法によれば、チャックに把持されて回転する缶の外面を1周に余裕角度を加えた角度範囲に渡って撮像し、その角度範囲に渡る缶外面の画像データを得る。この画像には、基準マークとチャックに付された目盛のデータが含まれているが、余裕角度の範囲に相当するデータがオーバーラップしている。この画像データにおいて缶の基準マークを撮像したマーク位置を検出し、チャックに付されている目盛の画像を利用することにより、検出したマーク位置を基準としてチャックに付されている目盛に基づいて缶の1周画像データが作成される。缶外面がベタ印刷のように1周を定める特徴がない場合であっても、缶の1周画像データを作成することができる。このようにして作成された缶の1周画像データに基づいて、例えば、予め得られている標準1周画像データと比較することにより、缶の外面を検査することができる。
【0011】
この缶外面の検査方法において、前記撮像画像データから前記目盛に基づいて前記缶の仮1周画像データを作成し、前記仮1周画像データから前記マーク位置を基準とした前記1周画像データを作成することができる。先にチャックに付された目盛に基づいて缶の仮1周画像データを作成することによって、余裕角度の範囲に相当するデータを処理の対象から外して、データ処理の負荷を軽減し、高速な処理に寄与することが可能である。マーク位置を基準とした場合、仮1周画像データは必ずしも連続した一つの角度範囲に納まらず分割される場合もあるが、画像データをデジタル化すれば、二つの角度範囲に分割されている画像をつなぎ合わせて一つの角度範囲に渡る1周画像データを編集することができる。
【0012】
この缶外面の検査方法において、前記基準マークは、前記缶又は前記缶の内容物に関する情報を表すバーコードとすることができる。流通・販売される缶包装体の場合、殆ど例外なく、内容物を含む製造等に関する情報が缶の表面にバーコードで表示されている。バーコードは、全体としては缶外面の展開面において缶周方向と缶外面の母線方向とに辺を揃えた長方形に描かれており、バーコードの缶外面母線方向に沿った長方形の辺の位置を1周の基準位置として利用することができる。このようにバーコードを基準マークとし、バーコードの辺の位置をマーク位置と定めることにより、そのマーク位置から缶の1周の範囲が容易に定めることができる。そうして得られた1周の範囲の画像データが、缶の1周画像データとなる。
【0013】
この缶外面の検査方法において、前記缶の前記外面の検査は、前記1周画像データを前記マーク位置を基準とした前記缶の標準1周画像データと比較することにより行われる。缶の標準1周画像データは予め作成しておいたものでもよく、また、後述するように、充填ラインでの検査の開始に先立って作成することもできる。データ比較の手法については、従来のものを採用することができる。1周画像データを缶の標準1周画像データと比較して、データ上の差が許容範囲外であれば、不良品としてライン外へ排出する等の処置が取られる。
【0014】
この缶外面の検査方法において、前記缶の前記標準1周画像データは、前記1周画像データの作成方法を適用して作成することができる。即ち、缶の標準1周画像データそれ自体を、この缶外面の検査方法における缶の1周画像データの作成手法を適用して作成することができる。標準1周画像データのためだけに、別途の装置を製作する必要がなく、同じ検査装置を利用して安価で且つ短い作業時間で標準1周画像データを得ることができる。
【0015】
標準1周画像データを作成するこの缶外面の検査方法において、前記缶の前記標準1周画像データは、複数個の正常な前記缶について作成された前記1周画像データの各画素が持つ画素データにおいて、同じ画素位置について前記缶の良否を判定するための許容範囲を定める最大値と最小値のデータとすることができる。標準1周画像データの作成のために1個の缶外面のデータにのみ依存するのは、間違ったデータを作成してしまうリスクを伴う。本来あるべき缶外面の画像データとの誤差を可及的に少なくすることが必要である。従って、正常な外面を持つ複数個の缶について作成された1周画像データに最大・最小化処理を施すことによって、外面の良否の判断基準を与える標準1周画像データを作成することができる。
【0016】
この缶外面の検査方法において、前記缶の前記外面は、前記外面の母線方向に延びる態様に配置されたラインカメラによって撮像することができる。ラインカメラは缶の回転に伴って撮影するので1台で済む。また、缶の外面を照らす照明もラインカメラの配置に合わせた外面の母線方向に広がるライン状の照明でよい。照明による明るさが一様となり、反射光を撮影する画像データの信頼性が高くなる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、添付した図面に基づいて、この発明による缶外面の検査方法の実施例を説明する。図1はこの発明による缶外面の検査方法における標準1周画像データの作成手順の一例を示すフローチャート、図2は図1で作成した標準1周画像データに基づいた缶外面の検査手順の一例を示すフローチャート、図3は図1に示す標準1周画像データの作成及び図2に示す缶外面の検査において用いられる缶の1周画像データの作成の概要を示す説明図である。
【0018】
缶外面の検査方法における標準画像データが、図1のフローチャートに示す作成手順に従って作成される。即ち、標準画像の作成開始が設定される(ステップ0、以下「S0」と略す。以下、各ステップについて同様)と、予め外面が正常と判定されている缶について、1周+余裕角度αの角度の範囲の画像データが取り込まれる(S1)。図3に示すように、缶1は、例えば、充填ラインにおいて、充填前の検査において缶1の外面2に施された印刷や加工3(図示の例では、単色系の背景色にCANの印刷)が適正なものが採用される。缶1は個々にチャック10に把持された状態で縦軸回りに回転されるので、撮像手段によって缶1の外面を縦方向に主走査しながら周方向に副走査することにより、1周と余裕角度αの範囲に渡って撮影する。撮像手段としては、1台の一次元カメラ(ラインカメラ)を缶1の外面2の母線方向(主走査方向)に平行に延びる態様に配置することが好ましく、缶1の回転に伴って外面2を副走査方向に走査して撮影することができる。
【0019】
次に、取り込まれた画像データに基づいて1周画像作成処理(S2〜S4)が施されて、バーコード基準による1周画像データが作成される。即ち、図3に示すように、商品として製造・流通される缶1には、殆ど例外なく、商品の製造や内容物に関する情報を表す表示としてバーコード4が印刷されており、図3(a)に示すような1周+余裕角度αの角度の範囲の画像データには、必ず1つのバーコード4についての画像データが含まれる。バーコード4は、全体として、缶外面2の展開面において缶周方向と缶外面の母線方向とに辺を揃えた長方形に描かれており、バーコード4の缶外面母線方向に沿った辺の位置を1周を測る際の基準となるマーク位置として利用することができる。この考えに基づいて、図3(b)に示すようにバーコードの長方形の右側の辺の縦ラインがマーク位置5として検出される(S2)。一方、缶1を把持するチャック10には、周方向に目盛11が付されており、目盛11も撮像されて画像データに含まれている。従って、1周+余裕角度αの角度の範囲の画像データにおいて、マーク位置5を1周画像の基準とし、目盛11とに基づいて、例えば、取込み画像の右端6から左側に向かって1周位置7を取得することができる(S3)。
【0020】
マーク位置5からS3で求められた1周位置7までの範囲によって、以後の画像処理において採用される仮1周画像データが定められる。図3(a)に示されている余裕角度αに相当する画像領域分8の画像データは、採用されない。採用した仮1周画像データを、S2で求められた1周画像のマーク位置が右端となるように画像処理を施して、図3(c)に画像として示すようなバーコード基準による1周画像データが得られる(S4)。1周画像データは、例えば、512×約480の数の画素から作成することができる。こうした手法によって、ベタ刷りや模様に特徴がない外面印刷が施されていて缶外面2の1周が認識し難い場合でも、バーコードの縦ラインをマーク位置とした缶外面2の1周画像データを得ることができる。
【0021】
上記の1周画像作成処理(S2〜S4)を8缶について繰り返して行う。8つの缶についての1周画像データについて画素毎に濃淡値の最大・最小化処理を施し、各画素毎に許容可能な濃淡値の幅が設定された標準1周画像データが作成される(S5)。図4は、画素毎の濃淡値の最大・最小化処理を説明する説明図である(図4では、1周+αの取込み画像(512×512画素)について最大・最小化処理をする例を示す)。即ち、ラインカメラで外面が良品と判定された8個の缶1を撮影して、図4(a)に示す8缶分の画像データを収録する。この画像データから、対応する位置の各画素について濃淡値の最大値と最小値とを求める。図示の例では、マトリックスで(3,3)位置の画素の濃淡値は、1番目の缶についての画像1では150であり、3番目の缶についての画像3では120、4番目の缶についての画像4では50であり、その他の画像では100である。マトリックスで(511,511)位置の画素の濃淡値は、画像5では200であるが、その他の画像ではすべて100である。また、マトリックスで(3,511)位置の画素の濃淡値は、画像7では30であるが、その他の画像ではすべて100である。各画素位置について最大・最小値の標準1周画像データを作成すると、図4(b)に示す最小値の標準1周画像データと、図4(c)に示す最大値の標準1周画像データとが得られる。最小値の標準1周画像データでは、(3,3)位置の濃淡値データが50であり、(3,511)位置の濃淡値データが30であり、その他の位置のデータは100である。最大値の標準1周画像データでは、(3,3)位置の濃淡値データが150であり、(511,511)位置の濃淡値データが200であり、その他の位置のデータは100である。
【0022】
標準画像作成処理によって得られた標準1周画像データに基づいて、各缶の外面検査が図2に一例を示すフローチャートに示す手順に従って行われる。各缶の検査開始(ステップS10、以下、単に「S10」と略す。以下、各ステップについて同様)により、各缶の1周+余裕角度αの角度範囲の画像が取り込まれる(S11)。画像の取込みには標準1周画像作成と同じ作成方法及びシステムをそのまま利用することができる。缶の1周+余裕角度αの角度の範囲の画像は、標準1周画像データの作成の場合と同じく、512×512画素とする。
【0023】
次に、取り込まれた画像に基づいて1周画像作成処理(S12〜S14)が施されて、バーコード基準による1周画像データが作成される。1周画像作成処理は、標準1周画像データの作成における画像作成処理(S2〜S4)と同様であり、S12、S13、S14の各ステップは、それぞれ、S2、S3、S4に対応しているので、再度の説明を省略する。各缶の1周画像データは、標準1周画像データと同じ画素数から作成される。
【0024】
このようにして得られた、検査対象となる各缶について得られたバーコード基準による1周画像データが、既にS5によって作成されている標準1周画像データと比較判定される(S15)。画像の比較判定の手法には、カラー画像の処理である場合には、色の三原色画像をHSI(色相、彩度、明度)変換する手法、或いは両画像データの差データについて評価する手法等、既知の手法が適用可能であるが、ここでは詳細な説明を省略する。いずれにしても、1周画像データの各画素の値が、8個の缶を対象として測定され且つ各画素毎に設定されている最大値と最小値との両標準1周画像データの範囲内の値であるか否かが判断され、1周画像データの各画素の値が上記の範囲内の値であれば缶の外面は正常と判断され、範囲外の値であれば缶の外面は不良であると判断され、製缶又は充填ラインからの取り除きの対象となる。
【0025】
上記の缶外面の検査方法の説明においては、先ず、チャックの目盛に基づいて1周を決めてから基準マークを基準とした1周画像を編集する例を説明した。この場合、画像処理量が少なくて済む。しかしながら、基準マークによって基準位置を決めた画像データを先に編集して、その後、チャックの目盛に基づいて1周を区切っても良い。また、ラインカメラを用いているので、缶1の外面2に光を当てる照明は、ラインカメラの撮影領域に応じてライン状に当てれば良い。エリアカメラを用いると、缶1の曲面の両サイドは歪んで撮影されると共に、照明の反射光にも分布が出るが、ラインカメラとライン状の照明とによってこのような不具合が未然に防止される。
【0026】
【発明の効果】
この発明による缶外面の検査方法は、上記のように、チャックに把持されて回転する缶について基準マークを含む外面を前記チャックに付された目盛と共に1周に余裕角度を加えた角度範囲に渡って撮像し、撮像した得られた撮像画像データから前記目盛と前記基準マークとに基づいて前記基準マークのマーク位置を基準とした前記缶の1周画像データを作成し、前記1周画像データに基づいて前記缶の前記外面を検査することから成っているので、撮影画像データにおいて缶の基準マークを撮像したマーク位置とチャックに付されている目盛とに基づいて、缶の1周画像データが作成される。チャックに付されている目盛を利用することにより、缶外面がベタ印刷のように1周を定める特徴がない場合であっても、専用の基準点マークを印刷することなく缶の1周画像データを作成することができる。また、缶の1周画像データを作成するには、従来、撮像のために最大で2周回転させる必要があった缶の回転を、1周に余裕角度を加えた角度範囲という少ない回転角度に抑えることができ、検査期間を短縮することができる。更に、ラインカメラを用いることにより、1台のカメラでありながら、缶の外面を歪みなく且つ一様な照明の下で撮像することができ、正確な撮像画像データを得ることができる。このように、発明による缶外面の検査方法によれば、缶外面印刷模様に影響されない検査を行うことができ、1周画像データ及び標準1周画像データを短時間で且つ正確に取得することができるので、画像処理の短縮化を図ることができ、検査時間を短縮して製缶或いは缶充填等の缶に関する処理の高速化に寄与することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による缶外面の検査方法における標準画像データの作成手順の一例を示すフローチャートである。
【図2】図1で作成した標準画像データに基づいた缶外面の検査手順の一例を示すフローチャートである。
【図3】図1に示す標準画像データの作成及び図2に示す缶外面の検査において用いられる缶の1周画像データ作成の概要を示す説明図である。
【図4】標準1周画像データの作成において、画素毎の濃淡値の最大・最小化処理を説明する説明図である。
【符号の説明】
1 缶 2 外面
3 印刷 4 バーコード
5 マーク位置 6 画像右端
7 右端基準の1周位置
10 チャック 11 目盛
Claims (7)
- チャックに把持されて回転する缶について基準マークを含む外面を前記チャックに付された目盛と共に1周に余裕角度を加えた角度範囲に渡って撮像し、撮像した得られた撮像画像データから前記目盛と前記基準マークとに基づいて前記基準マークのマーク位置を基準とした前記缶の1周画像データを作成し、前記1周画像データに基づいて前記缶の前記外面を検査することから成る缶外面の検査方法。
- 前記撮像画像データから前記目盛に基づいて前記缶の仮1周画像データを作成し、前記仮1周画像データから前記マーク位置を基準とした前記1周画像データを作成することから成る請求項1に記載の缶外面の検査方法。
- 前記基準マークは、前記缶又は前記缶の内容物に関する情報を表すバーコードであることから成る請求項1に記載の缶外面の検査方法。
- 前記缶の前記外面の検査は、前記1周画像データを前記マーク位置を基準とした前記缶の標準1周画像データと比較することにより行われることから成る請求項1に記載の缶外面の検査方法。
- 前記缶の前記標準1周画像データは、前記1周画像データの作成方法を適用して作成されることから成る請求項4に記載の缶外面の検査方法。
- 前記缶の前記標準1周画像データは、複数個の正常な前記缶について作成された前記1周画像データの各画素が持つ画素データにおいて、同じ画素位置について前記缶の良否を判定するための許容範囲を定める最大値と最小値のデータであることから成る請求項5に記載の缶外面の検査方法。
- 前記缶の前記外面は、前記外面の母線方向に延びる態様に配置されたラインカメラによって撮像されることから成る請求項1に記載の缶外面の検査方法。
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