JP2011112593A - 印刷物の検査方法及び検査装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】印刷物を高精度に検査することが可能な印刷物検査方法および検査装置を提供すること。
【解決手段】印刷物の検査方法であって、印刷物表面または/および印刷物裏面に、照明を照射する照明段階と、印刷物の搬送と同期を取るかまたは所定時間間隔で、印刷物表面を撮像する撮像段階と、撮像段階にて得られた印刷物の表面の画像データを用いて、印刷物に存在する欠陥を判定する画像処理・欠陥判定段階と、を有し、画像処理・欠陥判定段階は、画像データ全体を細分化し、細分化した画像(セルと呼ぶ)ごとに独立して位置補正処理をする細分化位置補正段階と、細分化位置補正段階で位置補正処理された各セルの情報をもとに、基準画像と検査画像の位置ずれを補正する位置補正段階と、を有することを特徴とする印刷物の検査方法。
【選択図】図1
【解決手段】印刷物の検査方法であって、印刷物表面または/および印刷物裏面に、照明を照射する照明段階と、印刷物の搬送と同期を取るかまたは所定時間間隔で、印刷物表面を撮像する撮像段階と、撮像段階にて得られた印刷物の表面の画像データを用いて、印刷物に存在する欠陥を判定する画像処理・欠陥判定段階と、を有し、画像処理・欠陥判定段階は、画像データ全体を細分化し、細分化した画像(セルと呼ぶ)ごとに独立して位置補正処理をする細分化位置補正段階と、細分化位置補正段階で位置補正処理された各セルの情報をもとに、基準画像と検査画像の位置ずれを補正する位置補正段階と、を有することを特徴とする印刷物の検査方法。
【選択図】図1
Description
本発明は印刷物の検査方法及び検査装置に関するものであり、特に検査対象である印刷物の伸縮や撮像位置ずれなどで発生する基準画像と検査画像のずれを補正可能とする欠陥検査方法及びその検査装置に関する。
基材への印刷方法としては、例えば、グラビア印刷、オフセット印刷、フレキソ印刷などがある。以下、グラビア印刷機を例に挙げて説明する。
一般に、グラビア印刷機では、基材である原反に印刷して得られる帯状の印刷物を搬送し、検査装置が有するラインセンサカメラ等の撮像手段でその印刷物の絵柄を撮像し、その際に得られる画像データに基づいて検査を実施している。
このような印刷物の検査装置では、撮像手段によって得られる画像を、良否判定するための画像データとして使用する方法などが知られている。また、既知のデータ類(入稿、製版)を元に、良否を判定するための画像データを生成する方法も知られている。
これらの画像を基準として検査を行う場合、基材である原反の搬送過程における伸縮及び蛇行や、撮像手段による画像取得の微小なタイミングずれなどによって、基準画像と検査画像との位置ずれが生じることがある。
CCDカメラ等で印刷物を撮像し、画像処理を用いてその印刷物を検査する方法としては、例えば特許文献1が従来技術として知られている。
特許文献1に記載の技術よって、位置補正と同時に良否を判定するための画像データを用いた検査をすることは可能となったが、位置補正が画像全体に及ぶことで、一部の範囲が逆に誤検出・誤判定の原因となる位置ずれを起こすこと、また、位置ずれによる誤検出・誤判定を回避するため、欠陥の検出力を上げられないことが問題となっていた。
本発明は、上記問題点に鑑み考案されたもので、基材である原反の搬送時の伸縮及び蛇行や、撮像手段による画像取得の微小なタイミングずれによらず、印刷物を高精度に検査するのに好適な撮像方法を提供すると共に、リアルタイムかつ高い信頼性の下で検査を行なうことが可能な検査装置を提供することを目的としている。
上記の目的を達成するため請求項1の発明では、表面、又は裏面、又はその両面に印刷が施された印刷物の検査方法であって、前記印刷物表面または/および前記印刷物裏面に、照明を照射する照明段階と、前記印刷物の搬送と同期を取るかまたは所定時間間隔で、前記印刷物表面を撮像する撮像段階と、前記撮像段階にて得られた前記印刷物の表面の画像データを用いて、前記印刷物に存在する欠陥を判定する画像処理・欠陥判定段階と、を有し、前記画像処理・欠陥判定段階は、前記画像データ全体を細分化し、細分化した画像(セルと呼ぶ)ごとに独立して位置補正処理をする細分化位置補正段階と、前記細分化位置補正段階で位置補正処理された各セルの情報をもとに、前記印刷物に存在する欠陥を判定するための基準画像と検査画像の位置ずれを補正するための位置補正段階と、を有することを特徴とする印刷物の検査方法、としたものである。
また、請求項2の発明では、表面、又は裏面、又はその両面に印刷が施された印刷物の検査装置であって、前記印刷物表面に照明を照射する第1の照明手段と、前記印刷物裏面に照明を照射する第2の照明手段と、前記印刷物の搬送と同期を取るかまたは所定時間間隔で、前記印刷物表面を撮像する撮像手段と、前記撮像段階にて得られた前記印刷物の表面の画像データを用いて、前記印刷物に存在する欠陥を判定する画像処理・欠陥判定手段と、を有し、前記画像処理・欠陥判定手段は、前記画像データ全体を細分化し、細分化した画像(セルと呼ぶ)ごとに独立して位置補正処理をする細分化位置補正手段と、前記細分化位置補正手段で位置補正処理された各セルの情報をもとに、前記印刷物に存在する欠陥を判定するための基準画像と検査画像の位置ずれを補正するための位置補正手段と、を有することを特徴とする印刷物の検査装置、としたものである。
上記の目的を達成するため請求項3の発明では、表面、又は裏面、又はその両面に印刷が施された印刷物の検査方法であって、前記印刷物表面または/および前記印刷物裏面に、照明を照射する照明段階と、前記印刷物の搬送と同期を取るかまたは所定時間間隔で、前記印刷物表面を撮像する撮像段階と、前記撮像段階にて得られた前記印刷物の表面の画像データを用いて、前記印刷物に存在する欠陥を判定する画像処理・欠陥判定段階と、を有し、前記画像処理・欠陥判定段階は、前記画像データ全体を細分化し、細分化した画像(セルと呼ぶ)ごとに独立して位置補正処理をする細分化位置補正段階と、前記細分化位置補正段階で得られた各セルの位置補正情報を、画像データ全体にわたって統合して分析する傾向分析段階と、前記細分化位置補正段階で位置補正処理された各セルの情報をもとに、前記印刷物に存在する欠陥を判定するための基準画像と検査画像の位置ずれを補正するための位置補正段階と、を有することを特徴とする印刷物の検査方法、としたものである。
また、請求項4の発明では、表面、又は裏面、又はその両面に印刷が施された印刷物の検査装置であって、前記印刷物表面に照明を照射する第1の照明手段と、前記印刷物裏面に照明を照射する第2の照明手段と、前記印刷物の搬送と同期を取るかまたは所定時間間隔で、前記印刷物表面を撮像する撮像手段と、前記撮像段階にて得られた前記印刷物の表面の画像データを用いて、前記印刷物に存在する欠陥を判定する画像処理・欠陥判定手段と、を有し、前記画像処理・欠陥判定手段は、前記画像データ全体を細分化し、細分化した画像(セルと呼ぶ)ごとに独立して位置補正処理をする細分化位置補正手段と、前記細分化位置補正手段で得られた各セルの位置補正情報を、画像データ全体にわたって統合して分析する傾向分析手段と、前記細分化位置補正手段で位置補正処理された各セルの情報をもとに、前記印刷物に存在する欠陥を判定するための基準画像と検査画像の位置ずれを補正するための位置補正手段と、を有することを特徴とする印刷物の検査装置、としたものである。
上記のように、本発明によって、基材である原反の搬送時の伸縮及び蛇行や、撮像手段による画像取得の微小なタイミングずれによらず、印刷物を高精度に検査するのに好適な撮像方法を提供すると共に、リアルタイムかつ高い信頼性の下で検査を行なうことが可能な検査装置を提供することを可能としている。
以下、図面を参照しながら、本発明に係る印刷物の検査方法及び検査装置の実施形態を説明する。
図1は、印刷物の検査装置の一例を示す構成概略図である。本発明の検査装置は、印刷機が印刷物10を所定速度で移動し、印刷機の速度と同期を取り、且つ印刷物10の表面を撮影する撮像手段30と、印刷物10の表面に照明を照射する反射照明手段20と、印刷物10の裏面に照明を照射する透過照明手段21と、撮像手段30により印刷物10の表面を撮影して得られた画像データを用いて、印刷物10に存在する欠陥部を抽出、自動判定する制御・画像処理手段40とから構成されている。
印刷物10は所定速度で被撮像領域を移動している。この際、印刷機に取り付けた印刷物10の移動量を高精度に計測するユニットから単位距離毎の信号を得て、その信号を場合によっては、分周分配して制御・画像処理手段40にこの信号を送ることによって、印刷機の速度変動の影響を受けないように走査撮像を行なう。撮像手段30の分解能の範囲内で印刷機の搬送速度を一定と見なすことができる場合は、トリガー信号による撮像開始、及び一定時間間隔の撮像のみで画像を得る方法も考えられるが、前述のように常に印刷機の搬送速度と同期を取った撮像の方が確実である。
また、印刷物10の原反として、プラスチックフィルムなどの伸縮が発生しやすい原反を使用することも多い。印刷物10の原反に伸縮が発生した場合、印刷機の速度と同期を取った撮像を実施しても、画像に影響を与えてしまう可能性がある。よって、印刷機の搬送速度以外にも、印刷物10の伸縮の影響を考慮した計測が必要となる。一般的には、印刷物10にその一部を接触させた計測方法を採用することで、伸縮などの影響を軽減させていることが多い。
図2は、本発明の反射照明手段20と透過照明手段21について、実施形態を示す模式図である。
撮像手段30には撮像用のレンズ32が取り付けられており、その垂直方向に撮像対象である印刷物10が配置されている。グラビア印刷機では、印刷物10はロール状にて製造されるため、搬送速度は一定速度である場合が多い。その場合には撮像対象が、常に撮像手段30の下を通過することになるので、撮像手段30は主にラインセンサを選択することが多いが、印刷機の種類、特に搬送の形態によってはエリアセンサを選択しても構わない。また、撮像手段30の配置は、印刷物10に対して垂直に配置しているが、ラインセンサカメラの場合、適切な画像が得られる照明系を実現でき、且つラインセンサの横並び方向において各画素間で同じ距離にある印刷物10を撮像可能であれば、図2に示す角度θを傾いて(90°以外に)配置しても構わない。
反射照明手段20は、印刷物10と撮像手段30の間に配置され、印刷物10の表面に照射する第1の照明手段22を備えている。反射照明手段20の種類には、適切な処理を行なえる画像が得られる光量を確保できるのであれば何を使用しても構わないが、撮像手
段30にラインセンサを採用する場合、ライン状に照射可能な照明系が適している。具体的には、蛍光灯や伝送ライト、LED照明等を選択使用する。また反射照明手段20は、乱反射、正反射、又はその両方、又は両方を配置させつつ印刷物10の原反によってそのうちいずれかを選択する、という配置が考えられるが、印刷機の種類(印刷方式)や原反によってどの配置を選択しても構わない。また、撮像手段30に最適な光量を受光させるため、第1の照明手段22を二個以上配置しても構わない。また、反射照明手段20に蛍光灯を採用した場合には、反射照明手段20周辺に反射部材を配置させ、光量を増加させても構わない。
段30にラインセンサを採用する場合、ライン状に照射可能な照明系が適している。具体的には、蛍光灯や伝送ライト、LED照明等を選択使用する。また反射照明手段20は、乱反射、正反射、又はその両方、又は両方を配置させつつ印刷物10の原反によってそのうちいずれかを選択する、という配置が考えられるが、印刷機の種類(印刷方式)や原反によってどの配置を選択しても構わない。また、撮像手段30に最適な光量を受光させるため、第1の照明手段22を二個以上配置しても構わない。また、反射照明手段20に蛍光灯を採用した場合には、反射照明手段20周辺に反射部材を配置させ、光量を増加させても構わない。
反射照明手段20には撮像用のスリット31が設けられている。具体的には撮像手段30に受光する光量に影響が無ければ、空間であっても、ガラスや透明アクリルのような透明部材であっても構わない。
透過照明手段21は、撮像手段30と透過照明手段21の間に、印刷物10が配置されるような位置に配置され、印刷物10の裏面を照射する第2の照明手段23を備えている。透過照明手段21の種類には、適切な処理を行なえる画像が得られる光量を確保できるのであれば何を使用しても構わないが、撮像手段30にラインセンサを採用する場合、ライン状に照射可能な照明系が適している。具体的には、蛍光灯や伝送ライト、LED照明などを選択使用する。また透過照明手段20は、最大の光量が確保できる方法として、撮像手段30に対して直線的に配置させる方法が考えられるが、欠陥の検出に支障が出ない光量が確保できるのであれば、直線的な配置である必要はない。また、印刷機の種類(印刷方式)や原反によって、特に透過性が低い原反を使用する場合などは、透過照明手段21を採用しなくても構わない。但し、どの原反が搬送されるか未確定な印刷機に取り付ける場合などには、透過照明手段21をONとOFFを切り替え可能な形態であることが適している。また、撮像手段30に最適な光量を受光させるため、白色光を照射する第2の照明手段23をそれぞれ二個以上配置しても構わない。また、透過照明手段20に蛍光灯を採用した場合には、透過照明手段20周辺に反射部材を配置させ、光量を増加させても構わない。
図3は本発明に係る、画像細分化状態の一例であり、撮像手段30によって撮像された画像全体を幅方向及び搬送方向とも6等分している状態を示している。このように細分化は、画像の入力状態である矩形又は正方形に分割する手法が望ましい。また、算出の都合を考慮すると、細分化した後の画像の大きさが一定となるように、等分割する方が望ましい。また、等分割後の画像の大きさをどの程度にするか、つまり何等分するかについては、入力される画像サイズ及び、基材である原反の搬送過程における伸縮及び蛇行や、撮像手段による画像取得の微小なタイミングずれの限度、即ち位置補正を実施する範囲によって状況が異なるため、具体的な数値にはこだわらない。
通常、カラーのラインセンサ(以下カラーカメラ)による撮像では、R、G、B別に画像が出力されるため、R、G、B別に検出処理をすることが多い。当然、画像入力段階でこれらを合成し、処理することも可能であるが、合成手法によっては欠陥部の変化が平均化されることもあり、高精度な検出には不向きである。これらの課題を解決する合成手法を採用するのであれば、R、G、B別の検出処理にはこだわらない。図3ではR、G、Bのうちのいずれか1種類の画像に注目した処理例を示している。
図4は本発明に係る、基材である原反が伸縮した場合の画像例である。伸縮の前後で同じ点の座標がどのように変化しているかを、画像の中央部、画像の端部の二点の座標値で示している。図4のように、伸縮が起こった場合には画像の中央部と端部では、基準となる点の座標の変化の仕方が異なるということが分かる。よって一度に画像全体を移動させる移動量を規定するような位置補正を実施する場合、全ての位置を正確に合わせることは
難しくなる。
難しくなる。
また、画像全体で移動量を規定する場合、例えば良く知られているパターンマッチング処理を実施する場合、演算回数の基本が、最低でも画像サイズ(画素またはピクセル)数だけ必要になるため、処理量及び処理時間が膨大になってしまうことになる。加えて、図4のような伸縮が起こった場合には、その演算結果が不正確に出てしまうため、誤検出・誤判定の原因となる可能性も大きい。
図5は本発明に係る画像細分化状態と、細分化状態にて独立して位置補正演算を実施した結果の一例である。図5では細分化状態での集合をセルと定義し、それぞれ独立して演算処理できるように、セル(0,0)と全体位置に対するセル位置を記載することで、セルを弁別している。よって、セル単位で独立して位置補正演算を実施した結果は、セル数と同数演算することになる。セルという名称自体には意味は無く、全体位置に対するセル位置による弁別手法についても、位置に応じて弁別して処理することが可能であれば特にこだわらない。また、図5の演算結果はセル全体の内、一部を表記したものである。
図5のように、細分化した集合体であるセル単位で位置補正演算を実施することで、図4のような伸縮が起こった場合においても、伸縮の影響が異なる画像の中央部と端部などの各部で演算結果を独立に算出することができるため、誤検出・誤判定のリスクを軽減することが可能となる。
セルの各部における位置補正演算の手法に関しては、セル全体画像のパターンマッチングや微分処理によるエッジ抽出をベースとした補正処理、又は特徴的な階調値または数画素(ピクセル)を基準単位とした特徴パターンを抽出し、その座標の変動を元に補正量を決定させる特徴パターンによる補正など、様々な手法が考えられる。本発明では、位置ずれをできるだけ正確に補正することが可能であれば、そのいずれかを選択するかは特にこだわらない。また、移動量の算出に際し、一つの画素(ピクセル)を更に細分化するサブピクセル処理を実施し、移動量の単位が一画素(ピクセル)以下となっても構わない。また、画像が単純な巾(X)方向、及び搬送(Y)方向だけではなく、回転(Θ:シータ)方向にずれることを鑑み、回転方向に対するずれ量を算出し、位置補正演算を実施しても構わない。
図6は本発明に係る画像細分化状態の一例である。図3のようにセルを重複部分が無い状態で細分化した場合、位置補正の演算及びその後の処理において、基準画像又は検査画像を補正するときに、セルのサイズが基準画像と検査画像で異なるか、又はセルのサイズが異なった状態で、誤検出・誤判定を回避するための非検査処理などを実行すると、画像全体での検査が実行できなくなる可能性がある。
そこで、図6のようにセルの範囲を等分割した状態から、巾(X)方向、及び搬送(Y)方向に、あらかじめ規定する画素(ピクセル)だけ大きくする考え方、即ちオーバーラップ処理を実施しても構わない。当然画像全体を記憶し、セル単位での演算結果を正しく反映できるのであれば、位置補正処理に係わる演算単位を等分割セル丁度の範囲で実行しても構わない。
図7は本発明の請求項3及び4に係る細分化状態にて独立して位置補正演算を実施したセル毎の演算結果の一例である。図7のように、画像を細分化すると一回の検査における位置補正演算結果の回数がそれだけ増加することになる。よって、位置補正演算を失敗するリスクが高くなることになる。位置補正にて高精度な演算が実施できれば、失敗のリスクを考慮する必要が無くなるが、どんな位置補正演算も100%の精度を保つことは難しい。特に印刷物の検査においては、モザイク模様などの局所的に類似パターンが印刷され
ることによる位置補正演算ミス等も十分に考えられる。細分化することで逆に画像全体像が位置補正演算に反映できないということによる影響が大きい。
ることによる位置補正演算ミス等も十分に考えられる。細分化することで逆に画像全体像が位置補正演算に反映できないということによる影響が大きい。
図7は、セル(4,1)の演算結果のみが他と著しく異なっている例である。このような演算結果が出た場合、一つのセルのみが著しく位置変動する状況が物理的に想定できないため、通常の判断では、セル(4,1)の演算結果のみが誤っているということが容易に想像できる。このように画像全体に関する位置補正演算が終了した段階で、周囲のセルの位置補正演算の結果とは所定値以上の大きな差があるセルについて、何らかの特別な処理を行うようにすれば、位置補正演算処理のミスにより印刷物の良否を誤判定してしまうことを回避できる。このように、各セルの位置補正情報を画像データ全体にわたって統合して分析する傾向分析手段を設ければ、図7のセル(4,1)のような位置補正演算処理のミスが、その後の処理に悪影響を与えるのを回避することができるようになる。
具体的な傾向分析手法については、基材である原反の搬送過程における伸縮及び蛇行や、撮像手段による画像取得の微小なタイミングずれ、及び位置補正演算手法によって、位置補正演算ミスの状況が異なってくるため、手法については特に問わない。それぞれの特徴(トレンド)にあった判断ロジックを実現できれば構わない。また、位置補正演算自体に、近傍若しくは画像全体の補正状況が考慮されている位置補正演算を実現できるのであれば、各セル全ての演算結果が出揃った段階での判断にはこだわらない。
図8は、本発明に係る制御・画像処理手段40の全体動作を示したフローチャートである。印刷物10が所定の搬送速度にて移動し、印刷機の搬送速度及び印刷物10の伸縮と同期を取り、印刷物10の表面を撮像手段30により撮像する(ステップS1)。
この画像データは、制御・画像処理手段40に送出され、この画像データから印刷物の情報を抽出する(ステップS2)。このステップ2では、画像データを細分化して得られた各セルについて位置補正演算を行ったり、各セルについての位置補正演算結果が正しいかどうか評価したりする処理が行われる。
更に、各セルの位置補正演算処理後のデータを用いて欠陥検出・判定処理が実行される(ステップS3)。この欠陥検出・判定処理は、全ての印刷物10に対して実行され、この後全体動作は完了する(ステップS4,YES)。
上記不良検出・判定処理(ステップS3)では、得られた画像に対して二値化、多値化処理を施して不良部位を抽出するか、予め基準となる画像をマスターデータとして保持しておき、得られた画像データとのパターンマッチングや差分処理などの画像処理を施すことで各種印刷物10の不良を検出することができる。
以上より、本発明の位置補正手法を実施することで、基材である原反の搬送過程における伸縮及び蛇行や、撮像手段による画像取得の微小なタイミングずれによらず、カラーで構成された印刷物を高精度に検査することできるようになる
10・・印刷物
20・・反射照明手段
21・・透過照明手段
22・・第1の照明手段
23・・第2の照明手段
30・・撮像手段
31・・撮像用のスリット
32・・撮像用のレンズ
40・・制御・画像処理手段
20・・反射照明手段
21・・透過照明手段
22・・第1の照明手段
23・・第2の照明手段
30・・撮像手段
31・・撮像用のスリット
32・・撮像用のレンズ
40・・制御・画像処理手段
Claims (4)
- 表面、又は裏面、又はその両面に印刷が施された印刷物の検査方法であって、前記印刷物表面または/および前記印刷物裏面に、照明を照射する照明段階と、前記印刷物の搬送と同期を取るかまたは所定時間間隔で、前記印刷物表面を撮像する撮像段階と、前記撮像段階にて得られた前記印刷物の表面の画像データを用いて、前記印刷物に存在する欠陥を判定する画像処理・欠陥判定段階と、を有し、前記画像処理・欠陥判定段階は、前記画像データ全体を細分化し、細分化した画像(セルと呼ぶ)ごとに独立して位置補正処理をする細分化位置補正段階と、前記細分化位置補正段階で位置補正処理された各セルの情報をもとに、前記印刷物に存在する欠陥を判定するための基準画像と検査画像の位置ずれを補正するための位置補正段階と、を有することを特徴とする印刷物の検査方法。
- 表面、又は裏面、又はその両面に印刷が施された印刷物の検査装置であって、前記印刷物表面に照明を照射する第1の照明手段と、前記印刷物裏面に照明を照射する第2の照明手段と、前記印刷物の搬送と同期を取るかまたは所定時間間隔で、前記印刷物表面を撮像する撮像手段と、前記撮像段階にて得られた前記印刷物の表面の画像データを用いて、前記印刷物に存在する欠陥を判定する画像処理・欠陥判定手段と、を有し、前記画像処理・欠陥判定手段は、前記画像データ全体を細分化し、細分化した画像(セルと呼ぶ)ごとに独立して位置補正処理をする細分化位置補正手段と、前記細分化位置補正手段で位置補正処理された各セルの情報をもとに、前記印刷物に存在する欠陥を判定するための基準画像と検査画像の位置ずれを補正するための位置補正手段と、を有することを特徴とする印刷物の検査装置。
- 表面、又は裏面、又はその両面に印刷が施された印刷物の検査方法であって、前記印刷物表面または/および前記印刷物裏面に、照明を照射する照明段階と、前記印刷物の搬送と同期を取るかまたは所定時間間隔で、前記印刷物表面を撮像する撮像段階と、前記撮像段階にて得られた前記印刷物の表面の画像データを用いて、前記印刷物に存在する欠陥を判定する画像処理・欠陥判定段階と、を有し、前記画像処理・欠陥判定段階は、前記画像データ全体を細分化し、細分化した画像(セルと呼ぶ)ごとに独立して位置補正処理をする細分化位置補正段階と、前記細分化位置補正段階で得られた各セルの位置補正情報を、画像データ全体にわたって統合して分析する傾向分析段階と、前記細分化位置補正段階で位置補正処理された各セルの情報をもとに、前記印刷物に存在する欠陥を判定するための基準画像と検査画像の位置ずれを補正するための位置補正段階と、を有することを特徴とする印刷物の検査方法。
- 表面、又は裏面、又はその両面に印刷が施された印刷物の検査装置であって、前記印刷物表面に照明を照射する第1の照明手段と、前記印刷物裏面に照明を照射する第2の照明手段と、前記印刷物の搬送と同期を取るかまたは所定時間間隔で、前記印刷物表面を撮像する撮像手段と、前記撮像段階にて得られた前記印刷物の表面の画像データを用いて、前記印刷物に存在する欠陥を判定する画像処理・欠陥判定手段と、を有し、前記画像処理・欠陥判定手段は、前記画像データ全体を細分化し、細分化した画像(セルと呼ぶ)ごとに独立して位置補正処理をする細分化位置補正手段と、前記細分化位置補正手段で得られた各セルの位置補正情報を、画像データ全体にわたって統合して分析する傾向分析手段と、前記細分化位置補正手段で位置補正処理された各セルの情報をもとに、前記印刷物に存在する欠陥を判定するための基準画像と検査画像の位置ずれを補正するための位置補正手段と、を有することを特徴とする印刷物の検査装置。
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