JP2004250807A - 抄紙方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】機械パルプや古紙の配合比率が増加した製紙原料を用いて抄造する場合、また特に酸性において新聞用紙あるいは中質紙原料を抄造する場合でも低コストで高い歩留率を発現する製紙方法を提供する。
【解決手段】抄紙前の製紙原料中に歩留及び/又は濾水性向上を目的として、有機または無機のポリカチオン物質及び、カチオン当量値とアニオン当量値の割合がアニオン当量値≧カチオン当量値である両性水溶性高分子を添加することによって達成できる。また、ポリカチオン物質を併用することでさらに効果を向上させることができる。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、抄紙方法に関するものであり、抄紙前の製紙原料中にカチオン当量値とアニオン当量値の関係が、アニオン当量値≧カチオン当量値である両性水溶性高分子を添加することを特徴とする抄紙方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
【特許文献1】特開平3−27676号公報
【特許文献2】特開昭62−191598号公報
【特許文献3】特開2001−254290号公報
【特許文献4】特開2001−329484号公報
製紙の抄紙工程において、生産性の向上や白水の清浄化等のため歩留り向上剤あるいは濾水性向上剤が使用されている。歩留り向上剤あるいは濾水性向上剤としてはカチオンあるいはカチオン当量値がアニオン当量値より高い両性の水溶性(メタ)アクリル系高分子が使用されていた。
【0003】
しかし近年、資源の節約や環境への配慮という観点から、製紙原料として古紙や機械パルプの配合率が増加傾向にあることや抄紙マシンの高速化等から抄紙工程での歩留まり率低下が進み、従来のカチオン性あるいは両性の水溶性(メタ)アクリル系高分子のシングルポリマー処方では対応が難しくなってきていることから最近ではデュアルシステムが開発されている。
【0004】
例えばカチオンあるいは両性高分子とコロイダルシリカ(特許文献1)、カチオンあるいは両性高分子とベントナイト(特許文献2)等が提案されている。しかしコロイダルシリカは製品濃度が低く安定性も悪く、ベントナイトは天然物で製品の物性が安定でない等の欠点がある。この欠点を解決するため開発されたのがカチオンあるいは両性高分子とアニオン性高分子による方法 (特許文献3) である。
【0005】
しかしいずれの処方も中性抄紙においては効果的であるが、酸性抄紙では有効とはいえない。殊に新聞用紙の製紙原料中においても古紙や機械パルプの配合率が高くなってきており、従来から新聞用紙原料中には、機械パルプが使用されていることもあり、ピッチトラブルを防止するため酸性抄紙で行うのが普通である。
【0006】
前記カチオンあるいは両性高分子とアニオン性高分子による方法(特許文献3)の場合、アニオン性高分子の活性基はカルボキシル基のみのため酸性側で解離しにくく、酸性抄紙での効果は十分でない。さらにスルホン基を有する高分子を使用する方法(特許文献4)も開発され酸性抄紙にて有効であるが原料コストが高い。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、機械パルプや古紙の配合比率が増加した製紙原料を用いて抄造した場合、特に酸性において新聞用紙あるいは中性紙原料を抄造する場合でも低コストで高い歩留率を発現する製紙方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため鋭意研究を重ねた結果、以下のような発明に達した。すなわち本発明の請求項1の発明は、製紙工程における歩留りおよび/又は濾水性向上を目的として、抄紙前の製紙原料中に、カチオン当量値とアニオン当量値の関係が、アニオン当量値≧カチオン当量値である両性水溶性高分子を添加することを特徴とする抄紙方法に関する。
【0009】
請求項2の発明は、両性水溶性高分子に有機及び/又は無機のポリカチオン物質を併用することを特徴とする請求項1に記載の抄紙方法である。
【0010】
請求項3の発明は、前記両性水溶性高分子が、カチオン性単量体及びアニオン性単量体を必須として含有する水溶性単量体を、塩水溶液中で該塩水溶液に可溶な高分子分散剤を共存させ、前記塩水溶液に不溶な粒径100μm以下の重合体粒子を生成させる分散重合法によって製造されたものであることを特徴とする請求項1あるいは2に記載の抄紙方法である。
【0011】
請求項4の発明は、前記両性水溶性高分子のアニオン性基がカルボキシル基のみで構成されていることを特徴とする請求項1〜3に記載の抄紙方法である。
【0012】
請求項5の発明は、前記両性水溶性高分子が、メタクロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム塩、アクロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム塩、アクリル酸及びアクリルアミドからなる単量体混合物の重合体であることを特徴とする請求項1〜4に記載の抄紙方法である。
【0013】
請求項5の発明は、抄紙前の製紙原料pHが酸性であることを特徴とする請求項1あるいは2に記載の抄紙方法である。
【0014】
請求項6の発明は、前記製紙原料が新聞用紙原料あるいは中質紙原料であることを特徴とする請求項1、2あるいは6に記載の抄紙方法である。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明の特徴は、抄紙前の製紙原料中に歩留及び/又は濾水性向上を目的としてカチオン当量値とアニオン当量値の関係がアニオン当量値≧カチオン当量値である両性水溶性高分子を添加し、抄紙することに特徴がある。また本発明の抄紙方法は、有機及び/又は無機のポリカチオン物質と併用すると更なる効果を発揮する。すなわち機械パルプや古紙などの配合比の高い製紙原料中には、アニオン性物質や成紙欠点の原因となるピッチ類が多く存在し、歩留向上・ピッチトラブル回避に効果的である。
【0016】
初めに両性水溶性高分子に関して説明する。すなわちこれら両性水溶性高分子は、カチオン性ビニル単量体、アニオン性ビニル単量体を必須とする単量体混合物を重合した共重合体である。たとえばカチオン性ビニル単量体は、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチルやジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドなどの無機酸や有機酸の塩、あるいは塩化メチルや塩化ベンジルによる四級アンモニウム塩とアクリルアミドとの共重合体である。例えば単量体として、(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム塩化物、(メタ)アクリロイルオキシ2−ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウム塩化物、(メタ)アクリロイルアミノプロピルトリメチルアンモニウム塩化物、(メタ)アクリロイルオキシエチルジメチルベンジルアンモニウム塩化物、(メタ)アクリロイルオキシ2−ヒドロキシプロピルジメチルベンジルアンモニウム塩化物、(メタ)アクリロイルアミノプロピルジメチルベンジルアンモニウム塩化物などがあげらる。またジメチルジアリルアンモニウム塩化物のようなジアリルアンモニウム塩類も使用することができる。
【0017】
アニオン性ビニル単量体は、アクリルアミド2−メチルプロパンスルホン酸、スチレンスルホン酸、(メタ)アリルスルホン酸、ビニルスルホン酸、(メタ)アクリル酸、マレイン酸あるいたイタコン酸などであり、これらを一種以上用いて共重合する。
【0018】
両性水溶性高分子は上記アニオン性ビニル単量体とカチオン性単量体の共重合により合成することができるが、非イオン性単量体を共重合してもよい。例えば(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、酢酸ビニル、アクリロニトリル、アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、ジアセトンアクリルアミド、N−ビニルピロリドン、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミドなどがあげられ、アクリルアミドが好ましい。
【0019】
上記単量体の中の組み合わせとして好ましいものは、メタクロイルオキシエチルトリアルキルアンモニウム塩、アクロイルオキシエチルトリアルキルアンモニウム塩、アクリル酸及びアクリルアミドからなる単量体混合物を重合した両性水溶性高分子であり、具体的にはメタクロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム塩化物、アクロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム塩化物、アクリル酸及びアクリルアミドからなる単量体混合物を重合した両性水溶性高分子である。
【0020】
また本発明で使用する両性水溶性高分子は、複数のビニル基を有する単量体の存在下でアニオン性ビニル単量体とカチオン性ビニル単量体を必須として共重合した架橋性共重合体を使用することもできる。すなわち、製紙における歩留向上剤に関しては、抄紙速度の高速化や製紙原料中への不純物の増加に対応するため凝集力の向上が追求されてきたため、架橋性高分子の応用という観点は考慮されてこなかった。架橋性水溶性高分子は水中における分子の広がりが直鎖状高分子に較べ相対的に小さいので、凝集力が抑制されていて製紙工業におけるプロセス薬剤に適している。このような目的で使用する複数のビニル基を有する単量体としては、メチレンビスアクリルアミドやエチレングルコ−ルジ(メタ)アクリレ−トなどがあげられる。単量体混合物中の配合比としては、0.001〜0.1モル%である。
【0021】
これら両性水溶性高分子の各単量体の比率は、カチオン性ビニル単量体5〜95モル%、アニオン性ビニル単量体5〜95モル%、非イオン性ビニル単量体0〜90モル%であり、好ましくはカチオン性ビニル単量体10〜90モル%、アニオン性ビニル単量体10〜90モル%、非イオン性ビニル単量体0〜80モル%である。
【0022】
本発明で使用する両性水溶性高分子の分子量は1万〜2,000万であるが、好ましくは1万〜1,500万である。1万以下では凝集力が不足し歩留率が低下し、2000万以上では、凝集力が高すぎ抄紙後の地合崩れを起こす。また、溶液粘度も高くなり過ぎ分散性も悪くなるほか、水溶液の取り扱いも悪くなる。また製品形態は水溶液、粉末、油中水型エマルジョン重合物、塩水溶液中分散重合物などどのようなものでも使用できるが、溶解の速さや製紙原料中への分散性などを考慮すると塩水溶液中分散重合物が好ましい。
【0023】
次に塩水溶液中分散重合に関して説明する。塩水溶液中に分散した高分子微粒子分散液からなる水溶性重合体は、特開昭62−15251号公報などによって製造することができる。この方法は、カチオン性単量体あるいはカチオン性単量体と非イオン性単量体を、塩水溶液中で該塩水溶液に可溶なイオン性高分子からなる分散剤共存下で、攪拌しながら製造された粒系100mμ以下の高分子微粒子の分散液からなるもである。両性水溶性高分子を重合する場合は、アニオン性単量体を重合時共存させる。高分子分散剤は、ジメチルジアリルアンモニウム塩化物、(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム塩化物の単独重合体や非イオン性単量体との共重合体を使用する。あるいは非イオン性のポリビニルピロリドンなども使用する。塩水溶液を構成する無機塩類は、多価アニオン塩類が、より好ましく、硫酸塩又は燐酸塩が適当であり、具体的には、硫酸アンモニウム、硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、硫酸アルミニウム、燐酸水素アンモニウム、燐酸水素ナトリウム、燐酸水素カリウム等を例示することができ、これらの塩を濃度15%以上の水溶液として用いることが好ましい。
【0024】
前記両性高分子と併用するポリカチオン物質として無機凝集剤の硫酸バンド、ポリ塩化アルミニウム、ポリ塩化鉄などが挙げられる。有機系一種ポリカチオン物質としては、上記カチオン性ビニル単量体の重合体あるいは共重合体、又は非イオン性ビニル単量体とカチオン性ビニル単量体との共重合体である。すなわちポリアクリルアミド誘導体等、ビニルアミン系ポリマーあるいはビニルアミジン系ポリマー等の高分子カチオンポリマーが挙げられる。さらにポリエチレンイミン、ポリアミドポリアミンエピクロヒドリン樹脂、ポリー(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム塩化物等の有機系の低分子カチオンポリマー、またカチオン変性デンプンやカチオン変性セルロースなどが挙げられ、前記両性高分子とこれらのポリカチオン物質を併用することにより、本発明の効果は更に大きく改善される。
【0025】
次に本発明の抄紙方法において、両性水溶性高分子の作用機構について説明する。従来のジュアル処方はカチオン性高分子を添加後、アニオン性物質であるコロイダルシリカ、ベントナイトあるいはアニオン性水溶性高分子を添加していた。しかし、酸性抄紙の場合、コロイダルシリカやベントナイトでは珪酸の解離、アニオン性水溶性高分子はカルボキシル基の解離が各々十分ではなくなり、その結果ジュアル処方の効果が発現しにくい。そのため本発明においては、酸性抄紙の場合、アニオン当量値がカチオン当量値より高い両性水溶性高分子を添加する。酸性におけるカルボキシル基の解離状況は同様であるが、両性高分子であるため分子内にカチオン性基が存在し、分子内塩などを生成しやすく、歩留向上や濾水性に効果を及ぼしているものと推定される。
【0026】
両性水溶性高分のイオン当量値としては、前記のように共重合比が、カチオン性ビニル単量体5〜95モル%、アニオン性ビニル単量体5〜95モル%、非イオン性ビニル単量体0〜90モル%であるので、これをイオン当量値で表すと、組成によりことなるためカチオン当量値約0.5〜12meq/gであり、アニオン当量値約0.6〜13meq/gである。
【0027】
添加する両性水溶性高分子の添加場所としては、製紙原料が白水により希釈されるファンポンプ入り口、またはスクリ−ン入り口などが考えられる。また添加量としては、対製紙原料固形分20〜5000ppmであり、好ましくは50〜500ppmである。併用するポリカチオン物質として無機凝集剤の硫酸バンド、ポリ塩化アルミニウム、ポリ塩化鉄などの添加量は、対製紙原料固形分0.5〜5%である。有機系一種ポリカチオン物質の添加量は、対製紙原料固形分50〜5000ppmであり、好ましくは100〜500ppmである。
【0028】
以上、上記に説明したように本発明の歩留及び/又は濾水性向上に関する抄紙方法の適用可能な抄紙pHとしては、3〜9であるが、より効果を発揮するのは酸性抄紙であり、すなわち3〜6、より好ましくはpH3.5〜6.0で高い歩留り効果を発揮する。また対象となる紙製品として、上質紙、中質紙、新聞用紙、ライナー、中芯原紙、白ボールなどであるが、好ましくは酸性抄紙が一般的である新聞用紙の抄造に適している。
【0029】
【実施例】
以下、実施例および比較例によって本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に制約されるものではない。
【0030】
(合成例1)温度計、攪拌機、窒素導入管、還流冷却管を備えた500mLの4ツ口セパラブルフラスコ内にメタクロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム塩化物(以下DMCと略記)の80重量水溶液%11.92g、アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム塩化物(以下DMQと略記)の80重量%水溶液55.58g、アクリル酸(以下AACと略記)の60重量%水溶液38.60g、アクリルアミド(以下AAMと略記)の50%水溶液45.68g、イオン交換水169.50g、硫酸アンモニウム120.0g、塩化ナトリウム4.00g、分散剤としてアクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム塩化物単独重合体40.0g(20重量%液、粘度6450mPa・s)、ジメチルジアリルアンモニウム塩化物単独重合体5.71g(35重量%液、粘度3000mPa・s)、グリセリン9.0g、粘度調整剤としてグルコン酸ソーダ1.5g、ギ酸ソーダ0.05g、没食子酸0.02gをそれぞれしこみpHを3.2に調節した。この時各単量体のモル%は、DMC/DMQ/AAC/AAM=5/25/35/35である。次ぎに反応器内の温度を36±2℃に保ち、30分間窒素置換をした後、開始剤として2、2’−アゾビス〔2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン〕ニ塩化水素化物の1%水溶液1.20g(対単量体0.012%)を添加し重合を開始させた。内部温度を36±2℃に保ち重合開始から7時間反応させた時点で上記開始剤を対単量体0.03%追加し、さらに7時間反応させ終了した。得られた分散液の仕込み単量体濃度は20%であり、ポリマー粒径は10μm以下、分散液の粘度は470mPa・sであった。また、静的光散乱法による分子量測定器(大塚電子製DLS−7000)によって重量平均分子量を測定した。この試料を試料−1とする。結果を表1及び表2に示す。
【0031】
(合成例2〜4)合成例1と同様な操作により、塩水溶液中分散重合品DMC/DMQ/AAC/AAM=19/1/30/50(試料−2)、DMBZ/DMQ/AAC/AAM=10/10/25/55(試料−3)及びDMQ/AAC/AAM=25/35/40(試料−4)を合成した。結果を表1及び表2に示す。
【0032】
(合成例5)温度計、攪拌機、窒素導入管、還流冷却管を備えた500mLの4ツ口セパラブルフラスコ内に沸点190°Cないし230°Cのイソパラフィン127.5gにソルビタンモノオレート7.5g及びポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート5.0gを仕込み溶解させた。別に脱イオン水76.3g、アクリル酸(AACと略記)80%水溶液72.1g、アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム塩化物(以下DMQと略記)80%水溶液103.8g、メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム塩化物(以下DMCと略記)80%水溶液22.3g、アクリルアミド(AAMと略記)50%水溶液85.3g、粘度調整剤としてイソプロパノ−ル0.2g(対単量体1000ppmを各々採取し添加した。油と水溶液を混合し、ホモジナイザーにて10000rpmで2分間攪拌乳化した。この時の単量体組成は、DMQ/DMC/AAC/AAM=25/5/35/35(モル%)である。
【0033】
得られたエマルジョンの温度を45±2℃に保ち、窒素置換を30分行った後、ジメチル 2、2’−アゾビス(2−メチルプロピオン酸メチル)0.16g(対単量体0.08重量%)を加え、重合反応を開始させた。反応温度45±2℃で1.5時間重合させたのち70℃に加温し、1時間保温することで反応を完結させた。重合後、生成した油中水型エマルジョンに転相剤としてポリオキシエチレンデシルエ−テル10.0g(対液2.0重量%)を添加混合して試験に供する試料(試料−5)とした。また静的光散乱法による分子量測定器(大塚電子製DLS−7000)によって重量平均分子量を測定した。結果を表1及び表2に示す。
【0034】
(合成例6〜8)合成例5と同様な操作により、DMC/DMQ/AAC/AAM=19/1/30/50(試料−6)、DMBZ/DMQ/AAC/AAM=10/10/25/55(試料−7)及びDMQ/AAC/AAM=25/35/40(試料−8)(モル%)からなる組成の油中水型両性高分子エマルジョンを合成した。結果を表1及び表2に示す。
【0035】
(比較合成例1)攪拌機、還流冷却管、温度計および窒素導入管を備えた4つ口500mlセパラブルフラスコに脱イオン水:264.13g、硫酸アンモニウム89.06g、60%アクリル酸:11.24g、50%アクリルアミド:48.79g、アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム塩化物(以下DMQと略記)80%水溶液21.15g、アクリロイルオキシエチルジメチルベンジルアンモニウム塩化物(以下DMABCと略記)80%水溶液33.67g、分散剤としてアクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム塩化物単独重合体3.75g(20重量%液、粘度6450mPa・s)、ジメチルジアリルアンモニウム塩化物単独重合体4.29g(35重量%液、粘度3000mPa・s)、グリセリン3.75gをそれぞれしこみpHを3.5に調節した。この時各単量体のモル%は、DMABC/DMQ/AAC/AAM=16/14/15/55である。次ぎに反応器内の温度を36±2℃に保ち、30分間窒素置換をした後、開始剤として2、2’−アゾビス〔2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン〕ニ塩化水素化物の1%水溶液0.75g(対単量体0.01%)を添加し重合を開始させた。内部温度を36±2℃に保ち重合開始から7時間反応させた時点で上記開始剤を対単量体0.01%追加し、さらに7時間反応させたのち硫酸アンモニウム20.16gを添加、撹拌して終了した。得られた分散液のしこみ単量体濃度は15%であり、ポリマー粒径は10μm以下、分散液の粘度は90mPa・sであった。また、静的光散乱法による分子量測定器(大塚電子製DLS−7000)によって重量平均分子量を測定した。この試料を試料−1とする。結果を表1及び表2に示す。
【0036】
(比較合成例2〜3)合成例1あるいは比較合成例1と同様な操作により、塩水溶液中分散重合品DMQ/AAM=10/90(比較−2)あるいはDMC/DAAC/AAM=35/25/40(比較−3)をそれぞれ合成した。結果を表1及び表2に示す。
【0037】
【表1】
Figure 2004250807
DMC:メタクロルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリド
DMQ:アクロルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリド
DMBZ:アクロルオキシエチルジメチルベンジルアンモニウムクロリド
AAC:アクリル酸、AAM:アクリルアミド
【0038】
【表2】
Figure 2004250807
製品粘度:mPa・s、分子量:万
E;油中水型エマルジョン重合品、D;塩水中分散重合品、
【0039】
【実施例1〜12】
製紙原料に新聞用紙用原料を用いた。物性はpH6.8、全ss2.58%、灰分0.58%、カチオン要求量0.0988meq/L。歩留試験用の試料は、表1に記載の試料を用い、試験は以下のように行う。パルプ濃度を1.00重量%に水道水を用いて希釈、製紙原料を500ml採取し、攪拌回転数を1000rpmに設定しブリット式ダイナミックジャ−テスタ−により歩留率を測定する。添加薬品としてタルク20%、エマルジョン型ロジンサイズ、0.15%、硫酸バンド4.0%、表1の両性水溶性高分子0.01%を加え(対製紙原料乾燥固形)、それぞれこの順で15秒間隔に加えた。また、ポリカチオン物質を併用した試験を行なった。ポリカチオン物質としてポリエチレンイミン(重量平均分子量;5万、カチオン当量値20.5meq/g、カチオン−1)を用いた。添加順序としては、タルク、エマルジョン型ロジンサイズ、硫酸バンド2%、ポリカチオン物質、両性水溶性高分子である。全薬品添加後のpHは4.73であった。薬品添加完了30秒後に10秒間白水を排出し捨て、引き続き30秒間白水を採取し、下記条件で総歩留率を測定した。その他の条件は、ワイヤー125Pスクリーン(200メッシュ相当)、総歩留率(SS濃度)はADVANTEC NO.2にて濾過し測定した。また乾燥後の濾紙は2時間、900℃で焼却し灰分を測定することによりタルクの歩留率を算出した。測定結果を表3に示す。
【0040】
【比較例1〜6】
比較試験として、表1のカチオン性水溶性高分子、両性高分子比較を添加する処方に変えた他は、実施例1〜8と同様な操作により試験した。測定結果を表3に示す。
【0041】
【表3】
Figure 2004250807
総歩留率;重量%、タルク歩留率;重量%
【0042】
【実施例13〜24】
製紙原料としてLBKPを主体とした上質紙製造用紙料を用いた。物性はpH8.10、全ss分2.12%、灰分0.41%、カチオン要求量0.0085meq/Lである。歩留試験用の試料は、表1の試料を用い、試験は以下のように行う。パルプ濃度を0.75重量%に水道水を用いて希釈、製紙原料を500ml採取し、攪拌回転数を1000rpmに設定しブリット式ダイナミックジャ−テスタ−により歩留率を測定する。添加薬品として炭酸カルシウム50%、ロジンサイズ0.15%、硫酸バンド1.3%、表1の両性水溶性高分子を0.01%(対製紙原料乾燥固形)それぞれこの順で15秒間隔に加えた。全薬品添加後のpHは7.79であった。また、ポリカチオン物質を併用した試験を行なった。ポリカチオン物質としてアクリロルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリド重合物(重量平均分子量;35万、カチオン当量値5.12meq/g、カチオン−2)を用いた。添加順序として炭酸カルシウム、ロジンサイズ、硫酸バンド、ポリカチオン物質、表1の両性水溶性高分である。白水採取条件は、薬品添加完了30秒後に10秒間白水を排出し捨て、引き続き30秒間白水を採取し、下記条件で総歩留率を測定した。その他の条件は、ワイヤー125Pスクリーン(200メッシュ相当)、総歩留率(SS濃度)はADVANTEC NO.2にて濾過し測定した。また乾燥後、濾紙を2時間575℃で焼却し灰分を測定することによりタルクの歩留率を算出した。測定結果を表4に示す。
【0043】
【比較例7〜12】
比較試験として、表1のカチオン性水溶性高分子、両性高分子を添加する処方に変えた他は、実施例9〜16と同様な操作により試験した。測定結果を表4に示す。
【0044】
【表4】
Figure 2004250807
総歩留率;重量%、タルク歩留率;重量%

Claims (7)

  1. 製紙工程における歩留りおよび/又は濾水性向上を目的として、抄紙前の製紙原料中にカチオン当量値とアニオン当量値の関係が、アニオン当量値≧カチオン当量値である両性水溶性高分子を添加することを特徴とする抄紙方法。
  2. 両性水溶性高分子に有機及び/又は無機のポリカチオン物質を併用することを特徴とする請求項1に記載の抄紙方法。
  3. 前記両性水溶性高分子が、カチオン性単量体及びアニオン性単量体を必須として含有する水溶性単量体を、塩水溶液中で該塩水溶液に可溶な高分子分散剤を共存させ、前記塩水溶液に不溶な粒径100μm以下の重合体粒子を生成させる分散重合法によって製造されたものであることを特徴とする請求項1あるいは2に記載の抄紙方法。
  4. 前記両性水溶性高分子のアニオン性基がカルボキシル基のみで構成されていることを特徴とする請求項1〜3に記載の抄紙方法。
  5. 前記両性水溶性高分子が、メタクロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム塩、アクロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム塩、アクリル酸及びアクリルアミドからなる単量体混合物の重合体であることを特徴とする請求項1〜4に記載の抄紙方法。
  6. 抄紙前の製紙原料pHが酸性であることを特徴とする請求項1あるいは2に記載の抄紙方法。
  7. 前記製紙原料が新聞用紙原料あるいは中質紙原料であることを特徴とする請求項1、2あるいは6に記載の抄紙方法。
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