JP2004250123A - エレベータの待ち時間表示システム - Google Patents

エレベータの待ち時間表示システム Download PDF

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Abstract

【課題】待ち時間の更新が不定期で増減しても、滑らかに待ち時間の表示を更新することのできるエレベータの待ち時間表示システムを得る。
【解決手段】乗場呼びに応答し、かごの運行に応じて、かごが乗場に到着するまでの待ち時間を更新するエレベータ制御装置3と、エレベータ制御装置3で更新された更新待ち時間を受信する通信手段41と、更新待ち時間の更新間隔より短い表示間隔で、更新待ち時間に基づいて、表示間隔毎に表示させる表示待ち時間を算出する表示制御手段45と、表示待ち時間に対応した時間表示画像を格納する格納手段44と、表示制御手段45で算出された表示待ち時間に対応した時間表示画像を表示する表示デバイス42とを備えた。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、乗場呼びに応答したかごが乗場に到着するまでの待ち時間を表示するエレベータの待ち時間表示システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のエレベータの待ち時間表示システムは、エレベータの待ち時間を分かり易く表示するために、表示器に表示する待ち時間をランプの点灯の変化で表しており、待ち時間を数字で表示させた場合に問題となる実際の待ち時間と表示待ち時間との食い違いによる利用者の不快感を緩和させている。この場合、待ち時間を予め決められた範囲に分割し、その分割された範囲毎に待ち時間の表示を変化させる。例えば、待ち時間が20秒以上であればランプA,B,Cを消灯させ、20秒より多く、10秒以下であればランプAだけを点灯させ、10秒未満であれば、ランプA,Bを点灯させ、0秒であれば全てのランプを点灯させる。
また、表示器がブラウン管や液晶ディスプレイなどにより詳細になった場合には、この分割数を増やしてより細かな表示に対応させている(例えば、特許文献1参照)。
また、待ち時間が長く、最初にランプが点灯するまでの時間が長くかかってしまうような場合に、待ち時間の初期値を分割数で割った範囲で待ち時間の表示を変化させ、待ち時間の表示を平均的に変化させるエレベータの待ち時間表示システムも提案されている(例えば、特許文献2参照)。
また、最終呼び出し割当は早期呼び出し割当より運行効率が高いが、再割当により表示される待ち時間が突然変わるといった問題点に対して、エレベータ制御装置(群制御装置)から表示器(待ち時間表示装置)に、待ち時間の長さを表す符号(等級)と、その減少速度(例えば、秒3%)、または減少速度に関する情報(例えば初期値100%、最終値60%、5秒)を送信し、これらに基づいて、表示器は待ち時間を表示する。この表示器は、より待ち時間が短い符号(等級)になるまで、表示待ち時間の減少を停止する(例えば、特許文献3参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開昭54−47261号公報
【特許文献2】
特許2786752号公報
【特許文献3】
特開平8−99779号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来のエレベータの待ち時間表示システムは以上のように、待ち時間が長い場合や待ち時間が突然変わった場合に表示待ち時間が長い間変化しなかったり、また、突然変化したり(増えたり)することがあるという問題点があった。
また、待ち時間が突然変化する場合などで、待ち時間の初期値から実際の待ち時間が大きく変化すると、表示が平均的にならないという問題点があった。
また、待ち時間の表示を、待ち時間の長さの符号を分割して決める場合に、予測した待ち時間が表示の途中で突然短くなると、次の符号による分割範囲まで表示が減少するまでに、次の符号による分割範囲を表示し始め、表示が非連続になる。逆に予想待ち時間表示の途中で突然長くなった場合、次の符号に変化するまでの時間が長くなり、表示待ち時間が長く停止することになる。
待ち時間の長さの符号の分割や減少速度や減少時間は、予め決められているか、物件の情報から自動的に算出されるか、待ち時間の統計的履歴情報から自動的に算出される。しかし、予め決められているか、物件の情報から算出されたのであれば、それはシステムが動作する前から固定的であり、予測した待ち時間が突然変化しても待ち時間の表示を補正することができない。また、統計的履歴情報から、待ち時間の長さの符号の分割、減少速度や減少時間の時間を、待ち時間の突然の変化に応じて変更することができなく、一度表示し始めた符号の分割範囲の表示を、連続性を保って変更させることができない。また、これらの複雑な情報を群管理制御装置から表示器に送信する必要があり、伝送路の帯域を浪費することになるという問題点があった。
【0005】
この発明は上記のような問題点を解決するためになされたもので、待ち時間の更新が不定期で増減しても、滑らかに待ち時間の表示を更新することのできるエレベータの待ち時間表示システムを得ることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この発明に係るエレベータの待ち時間表示システムは、乗場呼びに応答し、かごの運行に応じて、かごが乗場に到着するまでの待ち時間を更新するエレベータ制御手段と、エレベータ制御手段で更新された更新待ち時間を受信する通信手段と、更新待ち時間の更新間隔より短い表示間隔で、更新待ち時間に基づいて、表示間隔毎に表示させる表示待ち時間を算出する表示制御手段と、表示待ち時間に対応した時間表示画像を格納する格納手段と、表示制御手段で算出された表示待ち時間に対応した時間表示画像を表示する表示手段とを備えたものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
以下、図面を参照しながら、この発明の実施の形態1について詳細に説明する。図1は、この発明の実施の形態1を示すエレベータの待ち時間表示システムの構成図である。
図1において、エレベータの待ち時間表示システムは、少なくともかご1や巻上機2などで構成されるエレベータを制御するエレベータ制御装置3と、乗場やかごに設置される1つ以上の表示器4とにより構成され、エレベータ制御装置3と表示器4とは伝送路5により接続される。
また、エレベータ台数が複数ある場合には、必要に応じてエレベータ制御装置3、表示器4、伝送路5の数を増減することができ、複数のエレベータ制御装置を管理・制御する群管理制御装置(図示せず)をエレベータ制御装置に含むこともできる。
表示器4は、従来の表示器と同様にエレベータ状態(上昇・下降中、現在の階床など)を表示する表示手段を併せ持つことも可能である。伝送路5は、いかなる有線通信、または、いかなる無線通信の何れであっても構わない。
【0008】
次に、表示器4の構成について説明する。図2は、この発明の実施の形態1を示す表示器4のブロック構成図である。
表示器4は、伝送路5を介してエレベータ制御装置3と通信する通信手段41と、表示デバイス(表示手段)42と、表示デバイス42を制御する表示デバイス制御手段43と、表示デバイス42で表示させるための表示待ち時間を画像で表した時間表示用データ(時間表示画像)を格納する格納手段44と、これらを制御し、表示待ち時間を算出して、表示デバイス42に表示待ち時間を表示させる表示制御手段45とにより構成される。
なお、表示デバイス制御手段43は、表示制御手段45とともに構成されてもよい。
【0009】
なお、通信手段41は、通信用マイクロコンピュータと、通信用マイクロコンピュータの使用するメモリと、通信インターフェイスデバイスなど、または通信インターフェイスデバイスのみで構成される。
表示デバイス42は、液晶ディスプレイやプラズマディスプレイなどいかなる平面ディスプレイでも、ブラウン管などであっても、LEDなどで構成されるディスプレイなど、いかなる表示デバイスであっても構わない。
表示デバイス制御手段43は、表示インターフェイスデバイス、表示データを一時格納する記憶デバイスなどで構成される。
格納手段44は、フラッシュメモリやハードディスクなど、特に不揮発性の記憶装置などで構成される。
表示制御手段45は、制御を実行するマイクロコンピュータ、マイクロコンピュータで実行するプログラムを格納するメモリと、プログラムが実行する際に使用されるメモリなどで構成される。
【0010】
次に、図3〜図6を参照しながら、表示器4による待ち時間の表示方法について説明する。
図3〜図6は、この発明の実施の形態1を示す待ち時間の表示方法を説明する説明図である。
図3において、待ち時間表示の例として、図形的に棒状で表示し、待ち時間が短くなる度に左から棒状の表示(塗り部分)が伸びていき、棒の表示が最も右に達したときに到着を示す。もちろん、右から伸びていってもよく、棒状の表示は横でなく縦でもよい。
また、逆に、最初に棒状の表示を行って、徐々に短くなっていき、表示がなくなったときに到着を示しても良い。
次に、図4では円形、図5では半円形の例を示す。これらは、図3の表示と同様に待ち時間が短くなる度に塗り部分の面積が変化する。
【0011】
また、図6では、砂時計を模した図形で待ち時間を表している。図形の片側の塗り部分の面積が減ると、反対側の塗り部分の面積が増えていくような表示方法となる。
また、前述の表示内容を用いて、上昇方向および下降方向の待ち時問表示の両方をそれぞれ表示しても構わないし、エレベータ毎に待ち時間表示が異なる場合(つまり待ち時間を階床全体として表示しない場合)は、1つの表示器に全て又は一部のエレベータの待ち時間表示を行うことも可能である。
更に、待ち時間が残り少なくなったとき(例えばエレベータのかごが停止を決定したとき:具体的には、待ち時間が3秒や0秒になったときなど)に、これから向かうエレベータの方向を表示したり、待ち時間の表示を明滅させることも可能である。
格納手段44には、以上のような時間を図形化した画像が格納されており、表示デバイス42には、表示制御手段45で算出された表示待ち時間に対応した画像が表示される。
【0012】
次に、この発明の実施の形態1によるエレベータの待ち時間表示システムの動作について説明する。
図7は、この発明の実施の形態1による動作を示すフローチャートである。
図7のように、待ち時間表示システムでは、待ち時間の受信処理と、表示待ち時間の表示処理とが並列して実行される。
まず、通信手段41は、エレベータ制御装置3からの待ち時間(更新待ち時間)の受信データがあるか否かを判定する(ステップS1)。エレベータ制御装置3から待ち時間を受信した場合(すなわち、YES)、表示制御手段45に伝送された待ち時間を出力する(ステップS2)。一方、待ち時間を受信していない場合、エレベータ制御装置3からの受信データを待つ。
表示制御手段45は、最新の待ち時間のデータが受信されたことを確認すると(ステップS3)、表示待ち時間の算出を開始する(ステップS4)。表示待ち時間が算出されると、格納手段44から表示待ち時間の時間に対応した時間表示画像を取得し、表示デバイス制御手段43に出力する。表示デバイス制御手段43は、表示デバイス42を制御して、時間表示画像を表示させる(ステップS5)。
【0013】
表示制御手段45は、待ち時間を受信した時点から所定の表示間隔(表示周期)を計測し(ステップS6)、時間を計測しながら、所定の表示間隔が経過したか否かを判定する(ステップS7)。
ステップS7において、所定の表示間隔だけ経過した場合(すなわち、YES)、エレベータ制御装置3から最新の待ち時間を受信したか否かを確認し(ステップS3)、表示待ち時間を算出する(ステップS4)。
すなわち、所定の表示間隔毎に表示待ち時間を算出し、表示デバイス42の表示を更新する。
また、ステップS7において、所定の表示間隔だけ経過していない場合(すなわち、NO)、計測を続ける。
【0014】
次に、表示制御手段45による表示待ち時間の算出方法について説明する。
表1に、エレベータ制御装置3から出力された待ち時間と、その更新タイミングとを示した例を挙げる。
【0015】
【表1】
Figure 2004250123
【0016】
表1において、エレベータ制御装置3によって更新される待ち時間のタイミングは、0秒、4秒、14秒、・・・と不定期である。また、更新される待ち時間も、15秒で急に増加したりしている。
このように、エレベータ制御装置3から出力される待ち時間の更新タイミングは不定期でも定期的であっても構わないし、待ち時間の値は増減しても構わない。また、増減の幅は一定でなくても、一定であっても構わない。
表示制御手段45には表示の更新間隔が設定されており、単位時間Aとして、例えば0.5秒とする。
この値は、待ち時間の更新間隔より短ければ短いほど滑らかな表示が得られるが、0.03秒より細かい粒度は人間の視覚ではほとんどわからないため、高々0.03秒ぐらいである。
なお、表1では、エレベータ制御装置3から出力される待ち時間の更新間隔は不定期であり、具体的には、最短で1秒、最大で15秒である。この場合、待ち時間の更新間隔としては、最大値又は最大値と推定される値を想定した場合でも(もちろん平均値、最小値であっても)、待ち時間の更新に併せて表示を更新するよりも、表示の滑らかさの点において効果を表すことになる。
【0017】
例えば、単位時間Aを0.5秒とすると、表示デバイス42の表示は0.5秒おきに更新されることとなる。
表1において、更新時刻0秒において待ち時間は51秒で受信しており、乗場呼びに応答してから最初の表示待ち時間の表示が51秒に相当する。
次にエレベータ制御装置3からの待ち時間の受信は4秒であるので、待ち時間が更新されるまでの、0〜4秒までの4秒間、単位時間Aおきに表示待ち時間を算出していく。
表示待ち時間は、最初の表示待ち時間となる51秒から単位時間A(0.5秒)おきに、単位時間A(0.5秒)ずつ減算され、単位時間Aおきに表示待ち時間が更新される。
【0018】
次に待ち時間が更新される更新時刻4秒では、表示待ち時間は47秒となる。
また、このときエレベータ制御装置3によって更新された待ち時間も47秒となり、算出された表示待ち時間を表示させる。
また、更に単位時間Aおきに単位時間Aずつ減算して、更新時刻14秒では、表示待ち時間は47秒−(14秒−4秒)=37秒となる。エレベータ制御装置3により更新された待ち時間は39秒であり、両者に誤差が出るので、この場合、両者を比較して、値の小さい37秒を表示待ち時間とする。
次に、待ち時間が更新される更新時刻15秒では、表示待ち時間は37秒−(15秒−14秒)=36秒となる。更新時刻15秒の待ち時間は58秒であり、待ち時間は、算出された表示待ち時間より大きいため、小さい値の36秒を表示待ち時間とする。
【0019】
以上のように、単位時間おきに表示待ち時間を算出するとともに、待ち時間が更新された場合には、算出された表示待ち時間と比較することにより、表示待ち時間を決定する。この算出を繰り返し、表示待ち時間が0秒、すなわち、乗場にかごが到着するまで算出を繰り返す。
つまり、表示待ち時間は、以下の式(1)により与えられる。
表示待ち時間=min(前回(単位時間A前)の表示待ち時間−単位時間A,最新待ち時間)・・・ (1)
【0020】
このように、待ち時間が更新されたときの表示待ち時間から、次に待ち時間が更新されるまで、待ち時間の更新間隔より短い単位時間A(表示周期)毎に表示待ち時間の表示を変化させるので、待ち時間の更新間隔が不定期だったり、増減が一定でなくても、より滑らかな待ち時間表示を可能とする。
また、表示待ち時間の変化を単位時間Aずつの減少とし、待ち時間が更新されると、更新された待ち時間と現在の表示待ち時間に基づいて表示待ち時間を更新するので、簡便に滑らかな待ち時間表示を実現することができる。
また、更新された待ち時間に基づいた表示待ち時間が、更新直前の表示待ち時間より大きい場合には、表示待ち時間を更新しないので、表示待ち時間が途中で増加することを防ぎ、利用者に不快感を抱かさないようにすることができる。
【0021】
また、更新された待ち時間に基づいた表示待ち時間が、表示可能な最大表示待ち時間より大きい場合には、最大表示待ち時間を表示待ち時間とするので、かご毎の待ち時間を表示する場合にも、相対的な待ち時間を表示することができる。また、表示待ち時間を数値(数字、例えば秒数)で表すと、実際の時間の経過との対比によって表示が早かったり短かったりすることが利用者にわかりやすく、不快感を抱かさせることがあったが、表示待ち時間を図形的な面積の変化によって表すので、対比がしづらく、数値表示に比べて感覚的に不快感を軽減することができる。
【0022】
実施の形態2.
上記実施の形態1では、現在の表示待ち時間から単位時間を減算した値を最新の表示待ち時間としたが、ある時間までの待ち時間を予想し、予想された待ち時間までの待ち時間の変化率に応じて表示待ち時間を変化させてもよい。
表1を参照しながら、この発明の実施の形態2による動作について説明する。
表1において、0秒の時点でエレベータ制御装置3から待ち時間が51秒と伝送される。
【0023】
表示制御手段45は、エレベータ制御装置3から待ち時間を受信した時点から単位時間Bだけ経過した後の待ち時間を予想する。例えば、単位時間Bを15秒とし、0秒の時に受信した51秒から15秒経過後の待ち時間(予想待ち時間)を算出すると、
51秒−15秒=36秒
となる。また、最大表示待ち時間を50秒、表示更新タイミングとなる単位時間Aを0.5秒とすると、現在の表示待ち時間である50秒から線形に変化し、15秒後に36秒となるような、0.5秒当たりの変化量(変化時間)を算出する。
すなわち、変化時間は以下の式(2)のように算出される。
(50秒−36秒)/15秒×0.5秒=約0.467秒・・・ (2)
0秒から単位時間A経過後の0.5秒における表示待ち時間は、50秒から0.467秒を減算した値となる。
【0024】
次に、4秒までの間、エレベータ制御装置3からの待ち時間は更新されないので、単位時間A毎に、待ち時間50秒に基づいて、式(1)の計算が行われる。すなわち、4秒までの間、変化時間は0.467秒と算出され、最新の表示待ち時間から0.467秒が減算されていく。
次に、4秒経過時点で、エレベータ制御装置3から待ち時間47秒と更新されると、最新の待ち時間に基づいて、単位時間Bまでの単位時間A毎の変化時間を算出する。
最新の待ち時間の47秒から単位時間Bの15秒後は、
47秒−15秒=32秒
となり、47秒から15秒経過後の予想待ち時間は32秒となる。ここで、15秒経過後に32秒となるような0.5秒ごとの変化時間は、以下の式(3)のように算出される。なお、3.5秒時の表示待ち時間は46.731秒(=50秒−0.467秒×7)である。
【0025】
(46.731秒−32秒)/15秒×0.5秒=約0.491秒・・・ (3)
すなわち、4秒における表示待ち時間は、46.731秒から0.491秒を減算した値となる。
この算出を繰り返し、表示待ち時間が0秒になるまで繰り返し算出を行う。
表示待ち時間は、以下の式(4)のように表される。
表示待ち時間=min(前回の表示待ち時間,前回の表示待ち時間−(前回の表示待ち時間−(最新の待ち時間−単位時間B)/単位時間B)×単位時間A)・・・ (4)
なお、「前回の表示待ち時間」の初期値は、最大表示待ち時間とする。
【0026】
また、単位時間Bは、先の待ち時間の更新間隔以外に、最大表示待ち時間や最新の待ち時間、最新の予想待ち時間を用いることも可能である。
更に、最新の待ち時間を待ち時間の更新を待たずに更新したものを反映するために、以下の式(5)により表示待ち時間を求めることも可能である。
表示待ち時間=min(前回の表示待ち時間,前回の表示待ち時間−(前回の表示待ち時間−(最新の待ち時間−単位時間B−最新の待ち時間の更新からの経過時間)/単位時間B)×単位時間A)・・・ (5)
なお、先の例と同様に「前回の表示待ち時間」の初期値は、最大表示待ち時間とする。
【0027】
以上のように、最新の待ち時間に基づいて、所定時間までの予想待ち時間を算出し、その予想待ち時間に線形に変化するように、表示を変化させていく。
このように、現在の表示待ち時間から単位時間B経過後の予想待ち時間までを線形に減少させるように、表示待ち時間を変化させるので、待ち時間が更新されたときに表示待ち時間の表示が非連続にならないようにすることができる。
また、最大表示時間が実際の表示待ち時間よりも小さい場合でも、実際の時間経過に表示を見立てて、線形に時間を変化させることができる。
【0028】
実施の形態3.
次に、エレベータ制御装置3と表示器4との間でやりとりされる待ち時間情報について説明する。
表示器4の処理を軽くするためには、なるだけエレベータ制御装置側で処理を行う必要がある。このため、表示制御手段45をエレベータ制御装置3側で設け、待ち時間情報は、上記の算出で求められる表示待ち時間を符号化したもの、例えば、表示待ち時間を8ビットのデータとして持つパケットとして表示器4に伝送する。符号化された表示待ち時間のデータは、バイナリーコードで256秒までの待ち時間を表現できるようにする。
このパケットに設置階床識別子やエレベータかご識別子を付加するか、表示器4を示す識別子を付加し、必要な情報を伝送できるようにする。この場合、表示の更新間隔である単位時間A毎に伝送が行われることになる。
このように、待ち時間情報は、待ち時間に基づいて生成される表示待ち時間を符号で表したものであり、表示器4は、待ち時間情報から符号で表された表示待ち時間を読み取って待ち時間表示を行う。
これにより、表示器4における処理が軽減され、表示器4を簡易に構成することができる。
【0029】
逆に、伝送路の負荷を軽減するために、表示器側で処理を行ってもよい。この場合、エレベータ制御装置3からの待ち時間情報は、待ち時間を符号化したもの、例えば、待ち時間を符号化したものを3ビットのデータとして持つパケットとし、待ち時間を8分割した(例えば0から40秒までを5秒ごとに分割)符号として伝送される。この場合、この8分割した範囲が変更になったときのみ伝送が行われることになる。
このように、待ち時間情報は、待ち時間を符号で表したものであり、表示器4は、待ち時間情報から符号で表された待ち時間を読み取って、予想待ち時間を求め、待ち時間表示を行う。
これにより、伝送路5でやり取りされる情報は符号化された待ち時間情報だけとなり、伝送路の帯域を有効活用することができる。
【0030】
【発明の効果】
以上のように、この発明によれば、乗場呼びに応答し、かごの運行に応じて、かごが乗場に到着するまでの待ち時間を更新するエレベータ制御装置と、エレベータ制御装置で更新された更新待ち時間を受信する通信手段と、更新待ち時間の更新間隔より短い表示間隔で、更新待ち時間に基づいて、表示間隔毎に表示させる表示待ち時間を算出する表示制御手段と、表示待ち時間に対応した時間表示画像を格納する格納手段と、表示制御手段で算出された表示待ち時間に対応した時間表示画像を表示する表示デバイスとを備えたので、待ち時間の更新間隔が不定期だったり、増減が一定でなくても、より滑らかに待ち時間を表示することのできるエレベータの待ち時間表示システムが得られる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1を示すエレベータの待ち時間表示システムの構成図である。
【図2】この発明の実施の形態1を示す表示器のブロック構成図である。
【図3】この発明の実施の形態1を示す待ち時間の表示方法を説明する説明図である。
【図4】この発明の実施の形態1を示す待ち時間の表示方法を説明する説明図である。
【図5】この発明の実施の形態1を示す待ち時間の表示方法を説明する説明図である。
【図6】この発明の実施の形態1を示す待ち時間の表示方法を説明する説明図である。
【図7】この発明の実施の形態1による動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 かご、2 巻上機、3 エレベータ制御装置、4 表示器、5 伝送路、41 通信手段、42 表示デバイス、43 表示デバイス制御手段、44 格納手段、45 表示制御手段。

Claims (12)

  1. 乗場呼びに応答し、かごの運行に応じて、かごが乗場に到着するまでの待ち時間を更新するエレベータ制御手段と、
    前記エレベータ制御手段で更新された更新待ち時間を受信する通信手段と、
    前記更新待ち時間の更新間隔より短い表示間隔で、前記更新待ち時間に基づいて、前記表示間隔毎に表示させる表示待ち時間を算出する表示制御手段と、
    前記表示待ち時間に対応した時間表示画像を格納する格納手段と、
    前記表示制御手段で算出された表示待ち時間に対応した時間表示画像を表示する表示手段と
    を備えたことを特徴とするエレベータの待ち時間表示システム。
  2. 前記表示制御手段は、前回の表示待ち時間から前記表示間隔に対応した時間を減算した時間を今回の表示待ち時間とすることを特徴とする請求項1に記載のエレベータの待ち時間表示システム。
  3. 前記表示制御手段は、現在の更新待ち時間から所定時間経過後の時間を予想待ち時間とし、前回の表示待ち時間から前記所定時間経過後の表示待ち時間が前記予想待ち時間となるように、前記表示待ち時間を線形に減少させるための前記表示間隔単位の時間変化率を算出し、前記表示間隔毎に前記前回の表示待ち時間を前記時間変化率で減少させた時間を今回の表示待ち時間とすることを特徴とする請求項1に記載のエレベータの待ち時間表示システム。
  4. 前記表示制御手段は、前記現在の更新待ち時間から、前記更新間隔経過後の時間を前記予想待ち時間とし、前記前回の表示待ち時間から前記更新間隔経過後の表示待ち時間が前記予想待ち時間となる前記時間変化率を算出することを特徴とする請求項3に記載のエレベータの待ち時間表示システム。
  5. 前記表示制御手段は、前記現在の更新待ち時間から、前記格納手段に格納された最大の表示待ち時間経過後の時間を前記予想待ち時間として算出し、前記前回の表示待ち時間から前記最大の表示待ち時間経過後の表示待ち時間が前記予想待ち時間となる前記時間変化率を算出することを特徴とする請求項3に記載のエレベータの待ち時間表示システム。
  6. 前記表示制御手段は、前記現在の更新待ち時間から、前記現在の更新待ち時間経過後の時間を前記予想待ち時間とし、前記前回の表示待ち時間から前記現在の更新待ち時間経過後の表示待ち時間が前記予想待ち時間となる前記時間変化率を算出することを特徴とする請求項3に記載のエレベータの待ち時間表示システム。
  7. 前記表示制御手段は、前記現在の更新待ち時間から、前回の表示間隔の時点で算出された予想待ち時間経過後の時間を今回の予想待ち時間とし、前記前回の表示待ち時間から前記前回の予想待ち時間経過後の表示待ち時間が前記今回の予想待ち時間となる前記時間変化率を算出することを特徴とする請求項3に記載のエレベータの待ち時間表示システム。
  8. 前記表示制御手段は、前記前回の表示待ち時間と今回算出された表示待ち時間とを比べて、前記今回算出された表示待ち時間が前記前回の表示待ち時間よりも大きい場合には、前記前回の表示待ち時間を今回の表示待ち時間とすることを特徴とする請求項1から請求項7までの何れか1項に記載のエレベータの待ち時間表示システム。
  9. 前記格納手段は、最大表示待ち時間から最小待ち時間までの時間に対応した時間表示画像を格納し、
    前記表示制御手段は、算出された表示待ち時間が前記最大表示待ち時間よりも大きい場合には、前記最大表示待ち時間を表示待ち時間とすることを特徴とする請求項1から請求項8までの何れか1項に記載のエレベータの待ち時間表示システム。
  10. 前記格納手段は、前記表示待ち時間の経過を図形の面積の変化によって表した時間表示画像を格納することを特徴とする請求項1から請求項9までの何れか1項に記載のエレベータの待ち時間表示システム。
  11. 前記エレベータ制御手段は、前記更新待ち時間を符号化して前記通信手段に伝送することを特徴とする請求項1から請求項10までの何れか1項に記載のエレベータの待ち時間表示システム。
  12. 前記エレベータ制御手段は、前記表示制御手段とともに構成され、前記表示待ち時間を符号化し、符号化された表示待ち時間を前記表示間隔毎に伝送することを特徴とする請求項1から請求項11までの何れか1項に記載のエレベータの待ち時間表示システム。
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