JP2004249463A - ラミネート層形成装置及び形成方法 - Google Patents

ラミネート層形成装置及び形成方法 Download PDF

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Abstract

【課題】サーマルヘッド11の温度上昇により停止した後、停止するまでに形成されたラミネート層4aに続けてラミネート層4bを形成することを可能とする。
【解決手段】熱溶融性の透明樹脂層をサーマルヘッド11により加熱して、画像が形成された印字シート2に透明樹脂層14を転写してラミネート層を形成する装置であって、サーマルヘッド11の所定の温度以上の温度上昇を検出する温度センサ15によりサーマルヘッド11が所定温度以上の温度に上昇したことを検出した時に、ラミネート層4aの形成処理を中断させるとともに、この中断中に印字シート2を逆方向に戻し、温度センサ15のサーマルヘット11の温度低下を検出することによって上記戻し位置からラミネート層4bの形成処理を再開させる。
【選択図】 図9

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、熱転写等により文字・図形等の画像が形成された印字シートの表面に、前記文字・図形等の画像を保護するため、印字シートの上面に透明樹脂からなるラミネート層を熱転写によって形成するラミネート層形成装置及び形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より印刷機やプリンター等によって記録紙に印刷又は印字された文字や図形等を汚れや擦過等から保護するために、透明なラミネートフィルムを記録紙の表面に重ね合わせて加熱圧着させるようにしたラミネート装置が使用されている。このようなラミネート装置では、印刷機やプリンターと別にラミネート装置を準備する必要があり、更に、印刷機やプリンターで文字や図形を印刷又は印字して出力された記録紙にラミネートフィルムを重合させて記録紙毎にラミネート装置へ挿入する処理を行わなければならずラミネート作業が極めて面倒なものであった。
【0003】
また、熱昇華性染料によるインク層をリボンベースの片面に形成したインクリボンを、サーマルヘッドにより加熱することにより記録紙に文字や図形等を形成するようにした記録装置であって、前記インクリボンに熱溶融性の透明樹脂層を前記インク層と連続に形成、又は熱溶融性の透明樹脂層を形成したラミネートリボンを別体で構成し、前記インク層により文字や図形等の画像を形成した記録紙に、前記ラミネートリボンの熱溶融性の透明樹脂層を密着させてサーマルヘッドの加熱により透明樹脂層を熱転写させて、この透明樹脂層によって画像形成領域を保護するようにしたラミネート層の形成装置が既に提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開第2557622号公報
【0005】
上記従来技術では、熱昇華性の染料がインク層として形成されたインクリボンをサーマルヘッドによって加熱することにより加熱された熱昇華性の染料が記録紙に浸透して画像を形成するようにされており、インク層による画像が形成された記録紙を一旦画像形成の初期位置まで戻し、インクリボンを移動させるか又はインクリボンとラミネートリボンとを交換する等して熱溶融性の透明樹脂層が形成されたリボンを前記画像が形成された記録紙の上面に配置して、リボンの背面側から前記サーマルヘッドにより樹脂層を加熱して記録紙の上面に熱溶融性の透明樹脂層を熱転写により形成するようにしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで上記従来技術では、画像形成用のサーマルヘッドによって熱溶融性の透明樹脂を加熱して記録紙面に転写してラミネート層を形成するようにしている。ラミネート層は画像が形成された記録紙の全面に形成することが必要であるため、画像を形成するための全ドットが通電されてしかも長時間にわたって連続して通電されるため、サーマルヘッドの温度がラミネートフィルムが溶融してしまう所定の温度を超えてしまうことが発生する。サーマルヘッドには温度センサが設けられておりラミネートフィルムが溶融してしまう所定の温度の限界までサーマルヘッドの温度上昇を温度センサが検出して装置を停止させてしまい、全ての印字領域をラミネートした成果物が得られないことがある。また、装置が停止した状態からヘッド温度の降下を待って再開させるとドット抜け等が発生して完全なラミネート層が形成できなくなってしまう。
【0007】
本発明は上記従来技術による問題点を解決して、サーマルヘッドの所定の温度以上の温度上昇を温度センサが検出して装置を停止させた後、停止するまでに形成されたラミネート層に続けてラミネート層を形成することの可能なラミネート層形成装置及び形成方法を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るラミネート層形成装置は、熱溶融性の透明樹脂層を形成したラミネートリボンを画像が形成された印字シートの印字面へ密着させてサーマルヘッドにより加熱するとともに、ラミネートリボンと印字シートを移送させることによって印字シートの画像が形成された印字面へ透明樹脂を転写して印字シートの画像が形成された印字面に透明樹脂によるラミネート層を形成するようにした装置であって、ラミネート層の形成処理中の前記サーマルヘッドの所定の温度以上の温度上昇を検出する温度センサを設け、該温度センサによりサーマルヘッドが所定温度以上の温度に上昇したことを検出した時に、ラミネート層形成の処理を中断させるとともに、この中断中に印字シートを逆方向に所定距離だけ戻し、前記温度センサのサーマルヘットの温度低下を検出することによって上記戻し位置からラミネート層形成の処理を再開させるようにしたことを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係るラミネート形成方法は、熱溶融性の透明樹脂層を形成したラミネートリボンを画像が形成された印字シートの印字面へ密着させてサーマルヘッドにより加熱するとともに、ラミネートリボンと印字シートを移送させることによって印字シートの画像が形成された印字面へ透明樹脂を転写して印字シートの画像が形成された印字面に透明樹脂によるラミネート層を形成するようにした形成方法であって、ラミネート層の形成処理中の前記サーマルヘッドの所定の温度以上の温度上昇を検出する温度センサを設け、該温度センサによりサーマルヘッドが所定温度以上の温度に上昇したことを検出した時に、ラミネート層形成の処理を中断させるとともに、この中断中に印字シートを逆方向に所定距離だけ戻し、前記温度センサのサーマルヘットの温度低下を検出することによって上記戻し位置からラミネート層形成の処理を再開させるようにしたことを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、図に示す実施例に基づいて発明の実施の形態を説明する。図1及び図2は本発明のラミネート層形成装置1(図3(a)(b)参照)によって予めインク層3による画像が形成された印字面にラミネート層4a、4bを形成した印字シート2であり、該印字シート2はこの実施例の場合両側縁に沿って供給用の孔5が形成された長尺シート6の表面側にビニールシート7が貼着されており、このビニールシート7の表面にインク層3による画像とラミネート層4a、4bを形成した後長尺シート6からビニールシート7を剥離してビニールシート7の裏面側に形成されている粘着剤によって広告物等に貼り付けて使用するものである。
【0011】
図1及び図2に示すように、ラミネート層4a、4bは熱溶融性の透明樹脂層から成り、インク層3によって印字シート2の表面に形成されている画像の外郭を形成している画像領域8の幅方向及び印字シートの長手方向の端縁をそれぞれオーパラップして形成されている。このラミネート層4a、4bによって画像を形成しているインク層3の周囲を完全に覆っており、画像が透明な熱溶融性の透明樹脂によって保護されている
【0012】
図3(a)は上記印字シート2に予め形成されたインク層3の上面に熱溶融性の透明樹脂のラミネート層4a、4bを形成するためのラミネート層形成装置1であり、該ラミネート層形成装置1は、印字シート2をラミネート層形成処理方向及び該ラミネート層形成処理方向と逆の方向に移送させるシート供給機構10と、前記印字シート2の印字面に熱溶融性の透明樹脂を熱転写させるサーマルヘッド11及び、前記印字シート2をサーマルヘッド11の下面側で支持するプラテンローラ12によって構成されている。供給機構10はこの実施例の装置では長尺の印字シート2を使用するため前記印字シート2の両側縁に形成された送り孔3と係合するピン10aを外周面に突出させて形成した送り歯車によって構成されており、供給機構10が正転方向に回転されることによって前記ピン10aと係合された印字シート2がラミネート層形成処理方向に移送されて画像形成が行われ、又供給機構10が逆転方向に回転されると印字シートが逆方向に移送されて印字シート2を戻すことができるようにしている。
【0013】
図3(b)に示すように、サーマルヘッド11は印字シート2の表面とサーマルヘッド11の間に配置される熱溶融性の透明樹脂層14を形成したラミネートリボン13を印字シート2の印字面に密着させるように作動し、該サーマルヘッド11に形成されている印字ヘッド15によって熱溶融性インクを加熱して透明樹脂層14を印字シート2の印字面へ転写するようにされている。上記サーマルヘッド11は印字シート2の印字面に対向して印字シート2の移送方向と直角方向に向くように配置され、サーマルヘッド11によって印字シート2に密着されたラミネートリボン13を加熱して印字シート2をラミネート層形成処理方向へ移送することによって印字シート2の印字面へ透明樹脂層14によるラミネート層4a、4bが形成される。
【0014】
図1及び図2で示すように、ラミネート層4aは印字シートに形成されている画像領域8の前端縁より更に前方からラミネート層形成処理を開始して、図中Aの箇所にてサーマルヘッドの所定の温度以上の温度上昇を温度センサが検知して一旦ラミネート層形成処理が中断されたものである。従ってラミネート層4aの後方側の端縁がこの中断箇所に形成されている。ラミネート層4bは前記ラミネート層4aの後端縁の位置Aより重ね貼り分の寸法Lだけ前方の位置Bから開始され、画像領域8の後端縁より更に後方まで形成されている。従ってラミネート層4aの後端部とラミネート層4bの前端部が寸法Lだけ重ね貼りされて形成されている。前記サーマルヘッド11には温度センサー15が形成されており、サーマルヘッドの温度がラミネートフィルムが溶融してしまう所定の温度の限界まで上昇したときに検出出力を出力してラミネート層形成処理を中断させるようにしている。
【0015】
上記実施例にかかるラミネート層形成装置1は、図3に示すように、熱溶融性のインク層を形成したインクリボンを装着することにより、印字シート2の印字面にインク層3による画像を形成する画像形成装置と兼用できるようにされており、熱溶融性のインク層が形成されたインクリボンを装着して印字シート2にインク層3による画像を形成した後に、一旦装置を停止させてインクリボンを熱溶融性の透明樹脂層14を形成したラミネートリボン13と交換するとともに印字シート2を戻し、しかる後にラミネート層形成処理を再開させることによって、インクリボンによって画像を形成する処理と、形成された画像の上にラミネートリボン13の透明樹脂層14を熱転写してラミネート層4a、4bの形成処理を連続して行えるようにしている。
【0016】
以下、図4乃至図8に示す作動図及び図9に示す処理フローチャートに従ってラミネート形成装置1の操作状態を説明する。図9に示すステップS1では、画像が形成された印字シート2に対して画像領域8の前端より更に前方位置からラミネート層形成処理が開始される。図4に示すように、サーマルヘッド11がラミネートリボン13の熱溶融性の透明樹脂層14を印字面に密着させ、サーマルヘッド11の全部のドットが通電されるとともに印字シート2が図中の矢印方向に移送され、サーマルヘッド11によって透明樹脂層14が加熱されて印字面に転写されて文字や図形等の画像の上面を透明樹脂層14に覆ってラミネート層4aが形成される。
【0017】
上記ラミネート層4aのラミネート層形成処理中にサーマルヘッド11の温度がラミネートフィルムが溶融してしまう所定の温度の限界まで上昇すると、ステップS2において温度センサ15がこれを検出して、ステップS3によってラミネート層形成処理を中断させる。その後ステップS4では、再開時に非印字部が形成されるのを回避するため図5に示すように印字シート2とラミネートリボン13を所定寸法N分先送りさせ、ステップS5によりサーマルヘッド11を印字シート2の印字面から離反させる。
【0018】
更にステップS6では、図6中に示すように印字シート2を前記所定寸法N分とラミネート層の重なり寸法Lの分矢印で示す逆方向に移送して戻す。ステップS7では前記状態で温度センサ15によってサーマルヘッド11の温度を検出して、サーマルヘッド11の温度がラミネートフィルムが溶融してしまう所定の温度まで下がったことを検出すると、ステップS8によって、図7に示すようにサーマルヘッド11を印字シート2の印字面に当接させてラミネート層形成処理を再開させてラミネート層4bの形成を行う。ラミネート層4bの始端がラミネート層4aの終端部の上面に重なり寸法L分の幅の重ね貼り部分が形成される。図8に示すように、画像領域8の終端縁を越えた位置までラミネート層4bを形成することにより、印字シート2の印字面に形成されたインク層3による画像が、ラミネート層4a、4bによって保護される。
【0019】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、ラミネート層の形成処理中の前記サーマルヘッドの所定の温度以上の温度上昇を検出する温度センサを設け、該温度センサによりサーマルヘッドが所定温度以上の温度に上昇したことを検出した時にラミネート層の形成の処理を中断させるとともに、この中断中に印字シートを逆方向に所定距離だけ戻し、前記温度センサのサーマルヘットの温度低下を検出することによって上記戻し位置からラミネート層の形成の処理を再開させるようにしているので、サーマルヘッドの温度上昇によって処理が停止してラミネート層が完全に形成されないままで終了してしまうことが無く、また、再開後のラミネート層の端部が中断時までのラミネート層の端部に所定寸法Lだけ重ね貼りされて、ドット抜け等の無いラミネート層を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のラミネート層形成装置によって出力した印字シートの平面図
【図2】図1と同じ印字シートの断面図
【図3】本発明の実施例にかかるラミネート層形成装置の(a)サーマルヘッドを印字シートから離反させた状態と、(b)サーマルヘッドを印字シートに密着させてラミネート層形成処理を行っている状態の断面図
【図4】ラミネート層形成装置により最初のラミネート層を形成している状態の縦断側面図
【図5】温度センサによりサーマルヘッドの温度上昇を検出してラミネート形成処理を中断した状態の図4と同じラミネート層形成装置の縦断側面図
【図6】サーマルヘッドを印字シートから離反させて印字シートを戻した状態の図4と同じラミネート層形成装置の縦断側面図
【図7】サーマルヘッドを印字シートに密着させて2回目のラミネート層を形成している状態の図4と同じラミネート層形成装置の縦断側面図
【図8】2回目のラミネート層の形成を終了した状態の図4と同じラミネート層形成装置の縦断側面図
【図9】ラミネート層形成装置によりラミネート層形成の処理を行うフローチャート図
【符号の説明】
1 ラミネート層形成装置
2 印字シート
3 インク層
4a、4b ラミネート層
5 送り孔
6 長尺シート
7 ビニールシート
8 画像領域
10 供給機構
11 サーマルヘッド
12 プラテンローラ
13 インクリボン
14 熱溶融性インク層
15 温度センサ

Claims (2)

  1. 熱溶融性の透明樹脂層を形成したラミネートリボンを画像が形成された印字シートの印字面へ密着させてサーマルヘッドにより加熱するとともに、ラミネートリボンと印字シートを移送させることによって印字シートの画像が形成された印字面へ透明樹脂を転写して印字シートの画像が形成された印字面に透明樹脂によるラミネート層を形成するようにした装置であって、ラミネート層の形成処理中の前記サーマルヘッドの所定の温度以上の温度上昇を検出する温度センサを設け、該温度センサによりサーマルヘッドが所定温度以上の温度に上昇したことを検出した時に、ラミネート層形成の処理を中断させるとともに、この中断中に印字シートを逆方向に所定距離だけ戻し、前記温度センサのサーマルヘットの温度低下を検出することによって上記戻し位置からラミネート層形成の処理を再開させるようにしたことを特徴とするラミネート層形成装置。
  2. 熱溶融性の透明樹脂層を形成したラミネートリボンを画像が形成された印字シートの印字面へ密着させてサーマルヘッドにより加熱するとともに、ラミネートリボンと印字シートを移送させることによって印字シートの画像が形成された印字面へ透明樹脂を転写して印字シートの画像が形成された印字面に透明樹脂によるラミネート層を形成するようにした形成方法であって、ラミネート層の形成処理中の前記サーマルヘッドの所定の温度以上の温度上昇を検出する温度センサを設け、該温度センサによりサーマルヘッドが所定温度以上の温度に上昇したことを検出した時に、ラミネート層形成の処理を中断させるとともに、この中断中に印字シートを逆方向に所定距離だけ戻し、前記温度センサのサーマルヘットの温度低下を検出することによって上記戻し位置からラミネート層形成の処理を再開させるようにしたことを特徴とするラミネート層形成方法。
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JP2013154473A (ja) * 2012-01-26 2013-08-15 Seiko I Infotech Inc 重ね貼り方法、記録物の製造方法

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