JP2004249184A - スクリュー式濾過脱水装置 - Google Patents

Abstract

【目的】分離対象とされる汚泥の性状に対応させ、また、脱水ケーキの排出量を適量に増減させると共にその含水率を適正値に保持させるための微調整が、確実且つ迅速に行われるスクリュー式濾過脱水装置の提供。
【構成】中心孔４にスクリューコンベア５を嵌装した濾過体１の終端開口部より筒状ケーシング６を導出し、該筒状ケーシング６に対向して筒状圧力調整弁７をスクリュー軸５Ｓに装着し、該筒状圧力調整弁７を前記筒状ケーシング６と摺動自在に嵌合させ、筒状圧力調整弁７または筒状ケーシング６の筒壁に溝状または孔状の透し部９を設けて濾過体１内から外方へ通じる脱水ケーキの送り出し口８となし、筒状圧力調整弁７の嵌合状態を前後方向に調整することにより前記送り出し口８の有効開口面積が増減されるよう構成した。
【選択図】 図１

Description

【０００１】
【発明の技術分野】
本発明は、固分を含んだ二層流体を液分と固分に分離して各別に排出するための、スクリュー式濾過脱水装置に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
スクリュー式濾過脱水装置では通常、脱水ケーキの含水率を一定値に保持させ、且つその吐出量を適量に増減させるための円錐形圧力調整弁が、筒状濾過体の終端開口部と離接自在に対向させた態様で装着されている（例えば、特許文献１参照）。
【０００３】
【特許文献１】
実開昭６３−５３３９４号公報 （第１−４図）
【０００４】
【発明が解決しょうとする課題】
脱水ケーキの送り出し口となる、筒状濾過体の終端開口部と、円錐形圧力調整弁との対向面間の環状間隙は、分離対象とされる汚泥の性状によって、また、脱水ケーキの排出量や含水率を増減させるためにも、適正値に微調整されていなければならない。そしてこの微調整は、円錐形圧力調整弁の装着位置を前後方向へ変位させることにより行われている。
【０００５】
しかし円錐形圧力調整弁の移動量の算術級数的変化に対応して、環状間隙の開口面積は幾何級数的に変化することになる。従って、円錐形圧力調整弁の移動操作によって脱水ケーキの排出量や含水率を所望値に調整することは至難であり、現実には大まかな調整が行われているに過ぎない。
【０００６】
本発明の目的は、分離対象とされる汚泥の性状に対応させ、また、脱水ケーキの排出量を適量に増減させると共にその含水率を適正値に保持させるための微調整が、確実且つ迅速に行われるスクリュー式濾過脱水装置を提供することにある。
【０００７】
【問題を解決するための手段】
本発明に係る請求項１記載のスクリュー式濾過脱水装置では、多数枚の環状濾過プレートを互に細隙を隔てて積層状に配列させ上記細隙を濾水流出溝とする筒状の濾過体に形成し、該濾過体の始端開口部を汚泥の送り込み口として中心孔にスクリューコンベアを嵌装し、濾過体の終端開口部より筒状ケーシングを導出し、該筒状ケーシングと対向して筒状圧力調整弁をスクリュー軸に装着し、該筒状圧力調整弁を前記筒状ケーシングの内周面または外周面において前後方向へ摺動自在に嵌合させ、筒状圧力調整弁または筒状ケーシングの筒壁に溝状または孔状の透し部を設けて濾過体内から外方へ通じる脱水ケーキの送り出し口となし、筒状圧力調整弁の嵌合状態を前後方向に調整することにより前記送り出し口の有効開口面積が増減されるよう構成した。また、請求項２記載の発明では、請求項１記載のスクリュー式濾過脱水装置を前提として、筒状圧力調整弁または筒状ケーシングの筒壁に設けられた溝状または孔状の透し部が、軸方向に長く且つその始端部から終端部へ亘り横幅がほぼ一定に保たれるよう形成されている。
【０００８】
【発明の実施の態様】
以下の図１ないし図５の実施例により説明をする。
【０００９】
１は筒状の濾過体であり、多数枚の環状濾過プレートを所要の細隙を保持して積層状に配列させ、各環状濾過プレート間の細隙を濾水流出溝２・・２とする。濾過体１の始端開口部は汚泥の送り込み口３として中心孔４にスクリューコンベア５が嵌装される。６は濾過体１の終端開口部より導出された筒状ケーシング、７は該筒状ケーシング６と対向してスクリュー軸５Ｓに装着された筒状圧力調整弁である。そして例えば該筒状圧力調整弁７を前記筒状ケーシング６の内周面において前後方向へ摺動自在に嵌合させ、筒状圧力調整弁７の筒壁に溝状または孔状の透し部９を設けて濾過体１内から外方へ通じる脱水ケーキの送り出し口８となし、また別の実施態様として、筒状圧力調整弁７を前記筒状ケーシング６の外周面において前後方向へ摺動自在に嵌合させ、筒状ケーシング６の筒壁に溝状または孔状の透し部（図示せず）を設けて濾過体１内から外方へ通じる脱水ケーキの送り出し口８とする。１１は筒状圧力調整弁７を所定の設定位置で定着させるためのセットボルト、１２はスクリューコンベア５を駆動させるための原動機である。
【００１０】
そして筒状圧力調整弁７の嵌合状態を前後方向に移動させて調整することにより、前記送り出し口８の有効開口面積が任意に増減されるよう構成するのであるが、透し部９が溝状または孔状のいずれの場合においても、軸方向に長く且つその始端部から終端部へ亘り横幅がほぼ一定に保たれるよう形成することが望ましい。
【００１１】
【作用】
原動機１２を駆動させるとスクリューコンベア５が回転し，送り込み口３から濾過体１内へ送り込まれた汚泥が、スクリューブレード５Ｂに沿って旋回しながら軸方向へ前進する過程において、濾過された濾水は濾水流出溝２・・２より流出すると共に脱水ケ−キは前方の送り出し口８から順次排出されるのであるが、その排出量および脱水ケーキの含水率は、送り出し口８の有効開口面積によって規制される。そして送り出し口８の有効開口面積は、透し部９の引き出し長さによって変化するが、透し部９の引き出し長さは筒状圧力調整弁７の前後方向への移動量に比例して増減する。従って、透し部９の始端部から終端部へ亘り横幅が一定に保たれるよう形成しておくことにより、筒状圧力調整弁７の前後方向への移動に伴い送り出し口８の有効開口面積は算術級数的に変化することになって微調整が容易に行われる。また、透し部９を軸方向へ長く形成しておくことによって送り出し口８の有効開口面積の増減調整幅を大きく取ることができる。更にまた、スクリュー軸５Ｓと共に筒状圧力調整弁７が回転することにより、汚泥中に混じっている小粒状の夾雑物は透し部９の側縁に沿って掻き出されるため詰りを生じることがない。
【００１２】
【発明の効果】
本発明スクリュー式濾過脱水装置によれば、分離対象とされる汚泥の性状に対応させ、また、脱水ケーキの排出量を適量に増減させると共にその含水率を適正値に保持させるための微調整が、筒状圧力調整弁の簡単な操作によって確実且つ迅速に行われ、また、その調整幅を大きく取ることもできるという利点がある。更にまた、小粒状の夾雑物による詰りを防止し得るという副次的効果をも生じる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明スクリュー式濾過脱水装置の構成を略示した縦断側面図である。
【図２】本発明スクリュー式濾過脱水装置における筒状圧力調整弁の縦断側面図であって、筒壁に溝状の透し部を設けた事例を示す。
【図３】図２のＡ−Ａ線における断面図である。
【図４】本発明スクリュー式濾過脱水装置における筒状圧力調整弁の縦断側面図であって、筒壁に孔状の透し部を設けた事例を示す。
【図５】図４のＢ−Ｂ線における断面図である。
【符号の説明】
１ 筒状の濾過体
２ 濾水流出溝
３ 汚泥の送り込み口
４ 中心孔
５ スクリューコンベア
５Ｓ スクリュー軸
６ 筒状ケーシング
７ 筒状圧力調整弁
８ 脱水ケーキの送り出し口
９ 透し部

Claims (2)

1. 多数枚の環状濾過プレートを互に細隙を隔てて積層状に配列させ上記細隙を濾水流出溝とする筒状の濾過体に形成し、該濾過体の始端開口部を汚泥の送り込み口として中心孔にスクリューコンベアを嵌装し、濾過体の終端開口部より筒状ケーシングを導出し、該筒状ケーシングと対向して筒状圧力調整弁をスクリュー軸に装着し、該筒状圧力調整弁を前記筒状ケーシングの内周面または外周面において前後方向へ摺動自在に嵌合させ、筒状圧力調整弁または筒状ケーシングの筒壁に溝状または孔状の透し部を設けて濾過体内から外方へ通じる脱水ケーキの送り出し口となし、筒状圧力調整弁の嵌合状態を前後方向に調整することにより前記送り出し口の有効開口面積が増減されるよう構成したことを特徴とする、スクリュー式濾過脱水装置。
2. 筒状圧力調整弁または筒状ケーシングの筒壁に設けられる溝状または孔状の透し部が、軸方向に長く且つその始端部から終端部へ亘り横幅がほぼ一定に保たれるよう形成されていることを特徴とする、請求項１記載のスクリュー式濾過脱水装置。

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