JP3776368B2 - スクリュー式濾過脱水装置 - Google Patents
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Description
【発明の技術分野】
本発明は、オキシデーションディッチ法等に代表される比較的小規模の下水処理作業において発生する懸濁微粒子を含む懸濁液を、濃縮工程を経由しない低濃度の状態により、濾液と懸濁微粒子とに分離するためのスクリュー式濾過脱水装置に関するものである。
【０００２】
【従来技術とその問題点】
図４に示すよう、細隙を隔てて対設される環状濾過プレート１０２と環状可動プレート１０３とで一組の濾過素子となし、該濾過素子の多数組を互に細隙を隔てて積層状に配列させることにより上記各細隙を分離水流出溝１０６とする筒状の濾過体１０７に形成し、該濾過体１０７の一端上に開設された汚泥原水の供給流下口１０８の直下より濾過体１０７の中心孔１１０にスクリューコンベア１０９を嵌装し、中心孔１１０の始端開口部を上記供給流下口１０８と通じる汚泥原水の送り込み口１１１とし終端開口部を脱水ケーキの送り出し口１１２とするスクリュー式濾過脱水装置は既に公知である。
【０００３】
そして送り込み口１１１から濾過体１０７内へ送り込まれた固液混合体は、液分が分離抽出されつつ送り出し口１１２の方向へ近づくに従って次第に含水比率が低下する。この含水比率の変化に対応させて固液混合体に及ぼす圧力も次第に高めて行くことが必要となるため、従来のこの種の濾過脱水装置におけるスクリューコンベア１０９のスクリューピッチは、送り込み口１１１に近い部位では緩やかで、送り出し口１１２に近い部位では密に形成されている。
【０００４】
しかし、中心孔１１０内の上流部でのスクリューピッチが緩やかであることの欠点として、固分の流入量が不足な場合など、スクリュー内の汚泥充填率が悪くなってスクリュー内に空隙を生じ、下流部でのスクリューピッチが密であることによる容積圧縮効果が損われ、有効な濾過脱水作用が行われないことになる。特に、汚泥原水の供給流下口１０８の前後方向の開口幅Ｔが該供給流下口直下におけるスクリューの１ピッチ以上の長さに亘って開口されている場合は、送り込み口１１１付近でスクリューが恰も防波板のような状態Ｘとなって汚泥原水の流通を阻害し、濾過体１０７の中心孔１１０への送り込みが著しく停滞するため、スクリュー内への汚泥充填率を一層悪化させ、スクリュー内の空隙発生を更に助長することになる。
【０００５】
【発明の目的】
本発明の目的は、投入された汚泥原水が送り込み口を容易に通過して濾過体の中心孔へ迅速に送り込まれ、スクリュー内への汚泥の充填率が高められ容積圧縮効果の増大された状態で濾過脱水作用が行われ、固分の流入量が不足な場合などにおいても有効に機能するスクリュー式濾過脱水装置を提供することにある。
【０００６】
【発明の構成】
本発明に係るスクリュー式濾過脱水装置では、細隙を隔てて対設される環状濾過プレートと環状可動プレートとで一組の濾過素子となし、該濾過素子の多数組を互に細隙を隔てて積層状に配列させることにより上記各細隙を分離水流出溝とする筒状の濾過体に形成し、該濾過体の一端上に開設された汚泥原水の供給流下口の直下より濾過体の中心孔にスクリューコンベアを嵌装し、中心孔の始端開口部を上記供給流下口と通じる汚泥原水の送り込み口とし終端開口部を脱水ケーキの送り出し口とするスクリュー式濾過脱水装置であって、該装置内部が、汚泥原水の供給流下口の直下より中心孔の上流域にかけて汚泥原水の送り込みを迅速に行わせるためスクリューピッチを緩やかにした第１ゾーンと、該第１ゾーンの前方において汚泥原水の充填率を高めるためスクリューピッチを密にした第２ゾーンと、該第２ゾーンの前方において通常の脱水作用を行わせるため始部においては第２ゾーンよりもスクリューピッチを粗くし下流へかけて次第にスクリューピッチを密にした第３ゾーンとで構成されている
【０００７】
【実施例】
以下実施例の図１ないし図３により説明をする。
【０００８】
１は環状濾過プレート２と環状可動プレート３を細隙を隔てて対設させてなる一組の濾過素子であり、該濾過素子１の多数組をスペーサ４・・・・４により互に細隙を隔てて積層状に配列させ、樋状或いは枠状等の固定体５により連結させて上記各細隙を分離水流出溝６・・・・６とする筒状の濾過体７に形成する。８は濾過体７の一端上に開設された汚泥原水の供給流下口、９は供給流下口８の直下より濾過体７の中心孔１０に嵌装されたスクリューコンベアであり、濾過体７の中心孔１０は始端開口部が前記供給流下口８と通ずる汚泥原水の送り込み口１１となり、終端開口部が脱水ケーキの送り込み口１２となっている。前記スクリューコンベア９は原動機１３により駆動されて懸濁微粒子を移送させ、これと連動して環状可動プレート３・・・・３を偏心状に揺振させることで分離水流出溝６・・・・６の目詰りを防止する。
【０００９】
濾過脱水装置内部は、汚泥原水の供給流下口８の直下より中心孔１０の上流域にかけて汚泥原水の送り込みを迅速に行わせるためのスクリューピッチを緩やかにした第１ゾーンＡと、該第１ゾーンＡの前方において汚泥原水の充填率を高めるためスクリューピッチを密にした第２ゾーンＢと、該第２ゾーンＢの前方において通常の脱水作用を行わせるため始部においては第２ゾーンＢよりもスクリューピッチを粗くし下流へかけて次第にスクリューピッチを密にした第３ゾーンＣとで構成されている。
【００１０】
汚泥原水の供給流下口８の前後方向の開口幅Ｔは、スクリューコンベア９の第１ゾーンＡにおけるスクリューの１／２ピッチ以下の長さに設定しておけば、送り込み口１１付近で汚泥原水の流通を阻害するような要因は存在しなくなり、投入された汚泥原水が流下口８から送り込み口１１を容易に通過して濾過体７の中心孔１０内へ迅速に送り込まれることになる。そして第１ゾーンＡからスクリューコンベア９のスクリューピッチが密に形成された第２ゾーンＢに至り、スクリュー内への汚泥の充填率を高め容積圧縮効果を増大させた状態としたのち、第３ゾーンＣにおいて通常の濾過脱水作用が行われるが、第３ゾーンＣ内の始部においてはスクリューピッチが粗いため含水率の高い初期段階での濾過脱水が迅速に行われ、中間部から終部にかけてはスクリューピッチが次第に密に形成されているため容積圧縮効果が高められて含水率の低い後期段階での濾過脱水が強力に行われることになる。そして送り出し口１２から脱水ケーキが送出されるのである。
【００１１】
なお、環状可動プレート３・・・・３の作動については、該環状可動プレート３・・・・３の内径をスクリューコンベア９のスクリュー外径よりも若干小径に形成してスクリューコンベア９の回転により直接環状可動プレート３・・・・３が偏心回転運動を行うという公知の方式であってもよく、或いはスクリューコンベア９と連動して駆動する偏心回転軸（図示せず）が環状可動プレート３・・・・３の外周と摺接することによって該環状可動プレート３・・・・３を揺振させるという新規な方式でもよいが、これは本発明の要点ではないので詳述しない。１４は送り出し口１２に付設された吐出圧調整弁である。
【００１２】
【発明の効果】
本発明スクリュー式濾過脱水装置によれば、投入された汚泥原水が送り込み口１１を容易に通過して濾過体７の中心孔１０へ迅速に送り込まれ、スクリュー内への汚泥の充填率が高められて容積圧縮効果の増大された状態で濾過脱水作用が行われ、固分の流入量が不足な場合などにおいても有効に機能するという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明に係るスクリュー式濾過脱水装置の構成を略示した縦断側面図である。
【図２】本発明装置における濾過素子の正面図である。
【図３】本発明装置における濾過部に装着される濾過素子の縦断側面図である。
【図４】従来のスクリュー式濾過脱水装置の構成を略示した縦断側面図である。
【符号の説明】
１ 濾過素子
２ 環状濾過プレート
３ 環状可動プレート
６ 分離水流出溝
７ 濾過体
８ 供給流下口
９ スクリューコンベア
１０ 中心孔
１１ 送り込み口
１２ 送り出し口
Ａ 第１ゾーン
Ｂ 第２ゾーン
Ｃ 第３ゾーン
Claims (1)
- 細隙を隔てて対設される環状濾過プレートと環状可動プレートとで一組の濾過素子となし、該濾過素子の多数組を互に細隙を隔てて積層状に配列させることにより上記各細隙を分離水流出溝とする筒状の濾過体に形成し、該濾過体の一端上に開設された汚泥原水の供給流下口の直下より濾過体の中心孔にスクリューコンベアを嵌装し、中心孔の始端開口部を上記供給流下口と通じる汚泥原水の送り込み口とし終端開口部を脱水ケーキの送り出し口とするスクリュー式濾過脱水装置であって、該装置内部が、汚泥原水の供給流下口の直下より中心孔の上流域にかけて汚泥原水の送り込みを迅速に行わせるためスクリューピッチを緩やかにした第１ゾーンと、該第１ゾーンの前方において汚泥原水の充填率を高めるためスクリューピッチを密にした第２ゾーンと、該第２ゾーンの前方において通常の脱水作用を行わせるため始部においては第２ゾーンよりもスクリューピッチを粗くし下流へかけて次第にスクリューピッチを密にした第３ゾーンとで構成されていることを特徴とする、スクリュー式濾過脱水装置。
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