JP2004248416A - バッテリ充電制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】主バッテリの充電が不足している状態で補助バッテリの充電が行われて主バッテリが消耗するのを防ぐことができるバッテリ充電装置を提供する。
【解決手段】機関により駆動される発電機1の整流出力により充電される主バッテリ5と、補助バッテリ6との間に通電制御用スイッチ21を介在させ、主バッテリ電圧が補助バッテリ6の充電を許可し得る値になっていることが確認されるとともに、機関の回転速度が発電機1から主バッテリ5及び補助バッテリ6の双方の充電を可能にするに足る出力を発生させるために必要な値以上になっていることが確認され、かつ補助バッテリ電圧が充電を必要とする状態にあるときにのみ通電制御用スイッチ21に駆動信号を与えて、補助バッテリ6の充電を行う。
【選択図】 図1
【解決手段】機関により駆動される発電機1の整流出力により充電される主バッテリ5と、補助バッテリ6との間に通電制御用スイッチ21を介在させ、主バッテリ電圧が補助バッテリ6の充電を許可し得る値になっていることが確認されるとともに、機関の回転速度が発電機1から主バッテリ5及び補助バッテリ6の双方の充電を可能にするに足る出力を発生させるために必要な値以上になっていることが確認され、かつ補助バッテリ電圧が充電を必要とする状態にあるときにのみ通電制御用スイッチ21に駆動信号を与えて、補助バッテリ6の充電を行う。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関により駆動される発電機の出力で主バッテリと補助バッテリとを充電するバッテリ充電制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
内燃機関により駆動される車両等においては、機関及び車両等の電装品を駆動する主バッテリの外に、一般負荷を駆動する補助バッテリを搭載することがある。このように、主バッテリと補助バッテリとを搭載する場合には、機関により駆動される交流発電機の整流出力により主バッテリと補助バッテリとの双方を充電する必要がある。
【0003】
内燃機関により駆動される交流発電機の整流出力で主バッテリと補助バッテリとを充電する装置としては、図9に示したように、機関により駆動される交流発電機(ACG)1の出力を電圧調整機能を備えた整流電源回路2の非接地側(正極側)の出力端子にダイオード3及び4のアノードを接続し、ダイオード3のカソードと接地間及びダイオード4のカソードと接地間にそれぞれ主バッテリ5及び補助バッテリ6を接続する回路を備えたものが広く知られている。図9において7は補助バッテリ6の両端に接続された負荷である。このようなバッテリ充電装置は例えば特許文献1に示されている。
【0004】
図9に示したバッテリ充電装置では、主バッテリ5から補助バッテリ6に充電電流が流れて主バッテリ5が放電するのを防ぐために、ダイオード3及び4により、主バッテリ5と補助バッテリ6との間を電気的に分離するアイソレータ8が構成されている。
【0005】
このように、ダイオード3及び4からなるアイソレータ8を設けた場合には、ダイオード3及び4により生じる電圧降下により主バッテリ5及び補助バッテリ6に印加される電圧が不足し、両バッテリの充電不足が生じることがあった。
【0006】
また、図10に示すように、主バッテリ5を整流電源回路2の出力端子間に直接接続するとともに、主バッテリ5の両端にリレー9の常開接点9aを通して補助バッテリ6を接続し、リレー9のコイル9yをキースイッチ10を通してバッテリ5の両端に接続した回路構成を有する充電装置も知られている。この充電装置では、リレー9によりアイソレータ8´が構成される。このような回路構成を有するバッテリ充電装置は、例えば特許文献2に示されている。
【0007】
図10に示したように構成すれば、ダイオードによる電圧降下はなくなるため、発電機側から主バッテリ5及び補助バッテリ6に印加される充電電圧が不足することはなくなる。しかしながらこのような構成では、キースイッチ10が閉じているときにリレー9が励磁されて主バッテリ5の両端に補助バッテリ6及び負荷7が接続されたままの状態になるため、主バッテリに蓄積されたエネルギーが補助バッテリ側の負荷7により消費されてしまうという問題があった。
【0008】
そこで、特許文献3に示されているように、主バッテリと補助バッテリとの間にスイッチ手段を備えた電流制御回路を設けるとともに、主バッテリの電圧及び補助バッテリの電圧をそれぞれ検出する電圧検出回路を設けて、補助バッテリの電圧が予め定めた電圧よりも低くなったとき、及び主バッテリの電圧が予め定めた電圧よりも低くなったときに電流制御回路のスイッチ手段を遮断状態にすることにより、補助バッテリ側への電流の供給を遮断するようにしたバッテリ充電制御装置が提案された。
【0009】
【特許文献1】
特開平9−46919号公報(図1ないし図3)
【0010】
【特許文献2】
実用新案登録第2507111号公報(図1a)
【0011】
【特許文献3】
特開平9−107639号公報(図1)
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献3に示された充電制御装置では、機関の運転状態の如何に関わりなく、主バッテリ及び補助バッテリの電圧のみを見て、補助バッテリの充電制御を行うようにしている。このように、主バッテリ及び補助バッテリの電圧のみを見て、補助バッテリの充電制御を行うようにした場合には、機関を始動した後、主バッテリの充電が完了していない状態であっても、主バッテリの電圧が予め定めた値に達していると直ちに補助バッテリの充電を開始してしまうため、主バッテリの充電が十分に行われなくなって、主バッテリが消耗してしまうことがあった。
【0013】
また従来の充電装置では、機関が停止して発電機が出力を発生していない状態や、機関の回転速度が低く、発電機が十分な出力を発生していない状態でも、主バッテリの電圧が予め定めた電圧値を示していると補助バッテリの充電が行われるため、主バッテリが消耗してしまうという問題があった。
【0014】
本発明の目的は、主バッテリを優先的に充電、保護しつつ、発電機の余剰出力で補助バッテリを自動的に満充電状態まで効率よく充電することができるバッテリ充電制御装置を提供することにある。
【0015】
本発明の他の目的は、機関の回転速度から発電機の出力を予測して、発電機の出力が不足することが予測されるときには補助バッテリの充電を止めて、主バッテリの充電のみを行わせることにより、主バッテリの放電を防ぐことができるバッテリ充電制御装置を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明は、内燃機関により駆動される交流発電機の整流出力で充電される主バッテリと、補助バッテリとの間に設けられて、補助バッテリの充電を制御するバッテリ充電制御装置に係わるものである。
【0017】
本発明においては、前記の目的を達成するため、機関の回転速度の情報を取り込んで、回転速度が発電機から主バッテリ及び補助バッテリの双方を充電するに足る出力を発生させるために必要な値以上になっていることが確認されたときにのみ補助バッテリの充電を行わせるようにする。
【0018】
そのため、本発明においては、主バッテリと補助バッテリとの間に介在するように設けられて駆動信号が与えられたときにオン状態になって主バッテリ側から補助バッテリに充電電流を供給する通電制御用スイッチと、主バッテリの両端の電圧を検出する主バッテリ電圧検出回路と、補助バッテリの両端の電圧を検出する補助バッテリ電圧検出回路と、内燃機関の回転速度を検出する回転速度検出部と、主バッテリ電圧検出回路により検出された主バッテリ電圧と補助バッテリ電圧検出回路により検出された補助バッテリ電圧と回転速度検出部により検出された回転速度とに応じて通電制御用スイッチへの駆動信号の供給を制御する制御部とを備えた構成とし、制御部は、主バッテリ電圧が補助バッテリの充電を許可し得る値になっていることが確認されるとともに、内燃機関の回転速度が発電機から主バッテリ及び補助バッテリの双方を充電するに足る出力を発生させるために必要な値以上になっていることが確認され、かつ補助バッテリ電圧が充電を必要とする状態にあるときにのみ通電制御用スイッチに駆動信号を供給するように構成する。
【0019】
上記のように、機関の回転速度の情報を取り込んで、回転速度が発電機から主バッテリ及び補助バッテリの双方を充電するに足る出力を発生させるために必要な値以上になっていることが確認され、主バッテリ電圧が所定値以上ある場合にのみ補助バッテリの充電を行わせるようにすると、機関が停止しているときや、機関の回転速度が低く、発電機の出力が不足しているとき、或いは主バッテリが未だ十分に充電されていないときには、補助バッテリを充電しないようにすることができるため、主バッテリが消耗するのを防ぐことができる。
【0020】
上記制御部は、主バッテリ電圧が補助バッテリの充電を許可し得る値になっている状態が設定された充電許可条件判定用規定時間の間継続し、回転速度が発電機から主バッテリ及び補助バッテリの双方を充電するに足る出力を発生させるために必要な値以上になっている状態が設定された発電出力充足状態判定用規定時間の間継続し、かつ補助バッテリ電圧が該補助バッテリの充電を必要とする電圧以下になっている状態が設定された充電開始条件判定用規定時間の間継続したときに通電制御用スイッチに駆動信号を与え、主バッテリ電圧が補助バッテリの充電を禁止する必要がある値まで低下している状態が設定された充電禁止条件判定用規定時間の間継続したとき、または回転速度が発電機の出力を不足させる値まで低下している状態が設定された発電出力不足判定用規定時間の間継続したとき、または補助バッテリ電圧が充電の完了を示す値以上になっている状態が設定された充電完了判定用規定時間の間継続したときに通電制御用スイッチへの駆動信号の供給を停止させるように構成するのが好ましい。
【0021】
上記のように、主バッテリ電圧が補助バッテリの充電を許可し得る値になっている状態が設定された充電許可条件判定用規定時間の間継続したときに補助バッテリの充電を許可するようにすると、主バッテリ電圧が補助バッテリの充電を許可し得る値に達してから更に一定時間の間主バッテリの充電を集中的に行わせることができるため、主バッテリの保護を確実に図ることができる。
【0022】
また上記のように、回転速度が発電機から主バッテリ及び補助バッテリの双方を充電するに足る出力を発生させるために必要な値以上になっている状態が設定された発電出力充足状態判定用規定時間の間継続したときに通電制御用スイッチに駆動信号を与えるようにすると、発電機が主バッテリ及び補助バッテリ双方の充電を行うための出力を安定に発生し得る状態になったことをより的確に推定して、補助バッテリの充電を行わせることができるため、機関の回転速度が瞬時的に上昇しただけで、未だ発電機が十分な出力を発生し得ない不安定な状態にあるときに補助バッテリに充電電流が供給されて、主バッテリが消耗するのを防ぐことができる。
【0023】
また本発明の好ましい態様では、主バッテリ電圧が前記補助バッテリの充電を許可し得る値になっている状態が設定された充電許可条件判定用規定時間の間継続し、回転速度が発電機から主バッテリ及び補助バッテリ双方の充電を可能にする出力を発生させるために必要な値以上になっている状態が設定された発電出力充足状態判定用規定時間の間継続し、かつ補助バッテリ電圧が該補助バッテリの充電を必要とする電圧以下になっている状態が設定された充電開始条件判定用規定時間の間継続したときに通電制御用スイッチに駆動信号を与え、補助バッテリ電圧が許容限度以下に低下しているとき、または補助バッテリが逆接続されているとき、または主バッテリ電圧が補助バッテリの充電を禁止する必要がある値まで低下している状態が設定された充電禁止条件判定用規定時間の間継続したとき、または回転速度が発電機の出力を不足させる値まで低下している状態が設定された発電出力不足判定用規定時間の間継続したとき、または補助バッテリ電圧が充電の完了を示す値以上になっている状態が設定された充電完了判定用規定時間の間継続したときに通電制御用スイッチへの駆動信号の供給を停止させるように構成される。
【0024】
上記のように、補助バッテリ電圧が許容限度以下に低下しているとき、または補助バッテリが逆接続されているときに通電制御用スイッチへの駆動信号の供給を停止させるようにすると、補助バッテリが誤って逆接続されたときや、補助バッテリが著しく消耗していて充電が不可能な状態にあるときに、主バッテリから補助バッテリに過大な電流が流れて主バッテリが消耗するのを防ぐことができる。
【0025】
また本発明の他の好ましい態様では、上記制御部が、主バッテリ電圧が補助バッテリの充電を禁止する必要がある値まで低下したか否かの判定基準を与える充電禁止条件判定用規定電圧値以下になっている状態が設定された充電禁止条件判定用規定時間の間継続したときに第1の充電禁止条件を成立させる第1の充電禁止条件判定手段と、回転速度が前記発電機の出力を不足させる状態にあるか否かの判定基準を与える発電出力不足状態判定用規定速度以下になっている状態が発電出力不足状態判定用規定時間の間継続したときに第2の充電禁止条件を成立させる第2の充電禁止条件判定手段と、補助バッテリ電圧が充電の完了を判定するための基準を与える補助バッテリ充電完了判定用規定電圧以上になっている状態が設定された充電停止条件判定用規定時間の間継続したときに充電停止条件を成立させる充電停止条件判定手段と、主バッテリ電圧が補助バッテリの充電を許可し得る値になっているか否かを判定するための基準を与える充電許可条件判定用規定電圧以上になっている状態が設定された充電許可条件判定用規定時間の間継続したときに第1の充電許可条件を成立させる第1の充電許可条件判定手段と、回転速度が発電機から主バッテリ及び補助バッテリ双方の充電を可能にする出力を発生させるために必要な値に達しているか否かの判定基準を与える発電出力充足状態判定用規定速度以上になっている状態が設定された発電出力充足状態判定用規定時間の間継続したときに第2の充電許可条件を成立させる第2の充電許可条件判定手段と、前記第1の充電禁止条件判定手段により、主バッテリ電圧が充電禁止条件判定用規定電圧値以下になっている状態が設定された充電禁止条件判定用規定時間の間継続したと判定されたときに、回転速度が設定値以上に上昇したか否かを判定して、回転速度が設定値以上に上昇したことが検出されたときに第3の充電許可条件を成立させる第3の充電許可条件判定手段と、補助バッテリ電圧が該補助バッテリの充電を必要とするか否かの判定基準を与える充電開始条件判定用規定電圧以下になっている状態が設定された充電開始条件判定用規定時間の間継続したときに充電開始条件を成立させる充電開始条件判定手段とを備えて、第1ないし第3の充電許可条件と充電開始条件とのすべてが成立しているときに通電制御用スイッチに駆動信号を与え、第1の充電禁止条件、第2の充電禁止条件及び充電停止条件の内のいずれか1つが成立したときに通電制御用スイッチへの駆動信号の供給を停止するように構成される。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下図面を参照して本発明の実施形態を説明する。図1は、本発明で用いる充電制御装置のハードウェアの構成例を示したもので、同図において1は図示しない内燃機関により駆動される交流発電機、2は発電機1の出力を整流して電圧値が調整された直流電圧を出力する電圧調整機能付きの整流電源回路、5は負極が接地された主バッテリ、6は同じく負極が接地された補助バッテリ、7は補助バッテリ6に接続された負荷、10はキースイッチ、20は本発明に係わるバッテリ充電制御装置である。
【0027】
なお図1においては、負荷7が補助バッテリ6に直結されているが、通常は負荷7と補助バッテリ6との間にスイッチが設けられる。
【0028】
本実施形態では、発電機1として、カップ状の回転子ヨークとその内周に取り付けられた永久磁石(図示せず。)とからなる磁石回転子1Aと、磁石回転子1Aの内側に配置された固定子1Bとを備えた磁石発電機が用いられ、その固定子1Bに設けられた発電コイルW1 の出力が整流電源回路2に入力されている。
【0029】
整流電源回路2は、発電コイルW1 の出力を整流する整流回路と、該整流回路の出力電圧を調整する電圧調整回路とからなっていて、整流電源回路2の出力電圧が主バッテリ5の両端に直接印加されている。整流電源回路2の出力電圧は、電圧調整回路により、主バッテリ5及び補助バッテリ6の両端に印加する電圧の上限値に等しい設定値以下に保たれる。
【0030】
磁石回転子1Aの回転子ヨークの外周にはリラクタ1aが設けられ、このリラクタを検出してパルス信号を発生するパルサ11がフライホイールの外周に対向させられている。パルサ11は、リラクタ1aに対向する磁極部を有する鉄心と、該鉄心に巻回された信号コイルと、該鉄心に磁気結合された永久磁石とを備えていて、リラクタ1aの回転方向の前端側のエッジ及び後端側のエッジをそれぞれ検出したときに極性が異なるパルス信号Vs1及びVs2を出力する。パルサ11が出力するパルスは内燃機関の回転速度情報を得るために用いられる。
【0031】
本発明に係わるバッテリ充電制御装置20は、主バッテリ5と補助バッテリ6との間に介在するように設けられて主バッテリ5側から補助バッテリ6に供給する充電電流をオンオフする通電制御用スイッチ21と、主バッテリ5の両端の電圧を検出する主バッテリ電圧検出回路22と、補助バッテリ6の両端の電圧を検出する補助バッテリ電圧検出回路23と、所定の条件が成立したときに充電指令を発生するマイクロコンピュータ24と、マイクロコンピュータが充電指令を発生したときに通電制御用スイッチ21に駆動信号を与えるスイッチ駆動回路25と、回転速度信号検出回路26と、マイクロコンピュータ24に電源電圧を与える電源回路27とを備えている。
【0032】
図示のバッテリ充電制御装置20は、主バッテリ5の正極端子に接続された主バッテリ接続端子20aと、補助バッテリ6の正極端子に接続された補助バッテリ接続端子20bと、主バッテリ5の正極端子にキースイッチ10を通して接続される電源端子20cと、回転速度信号検出回路26にパルサ11の出力を入力するパルサ入力端子20dと、アース端子20eとを備えていて、主バッテリ接続端子20aと補助バッテリ接続端子20bとの間に、補助バッテリ6の充電電流をオンオフ制御する通電制御用スイッチ21が設けられている。また電源端子20cと接地間、及び補助バッテリ接続端子20bと接地間にそれぞれ主バッテリ電圧検出回路22及び補助バッテリ電圧検出回路23が接続され、電源端子20cと接地間に得られる電圧がダイオード28を通して電源回路27に入力されている。
【0033】
電源回路27は、主バッテリ5の電圧をマイクロコンピュータを駆動するための一定の電圧(例えば5V)に変換する回路からなっていて、該電源回路の出力電圧がマイクロコンピュータ24の電源端子に印加されている。
【0034】
主バッテリ電圧検出回路22及び補助バッテリ電圧検出回路23はそれぞれ主バッテリ5の両端の電圧(主バッテリ電圧)Vbm及び補助バッテリ6の両端の電圧(補助バッテリ電圧)Vbaを分圧する抵抗分圧回路などからなっていて、これらの検出回路から得られる検出信号は、マイクロコンピュータ24に設けられた異なるアナログ/デジタル変換端子(A/D端子)に入力されている。
【0035】
回転速度信号検出回路26は、パルサ入力端子20dに入力されたパルスの出力信号Vs1及びVs2をマイクロコンピュータ24が認識し得る波形の信号に変換する回路からなっていて、この検出回路から得られる回転速度信号はマイクロコンピュータ24の所定のポートに入力されている。マイクロコンピュータ24は、回転速度信号検出回路26から入力される回転速度信号の発生間隔(パルサが出力するパルスの発生間隔)から機関の回転速度を検出する。この例では、パルサ11と、回転速度信号検出回路26と、マイクロコンピュータ24が実行するプログラムの一連の過程のうち、回転速度信号検出回路26を通して入力されるパルスの発生間隔から回転速度の情報を得る過程とにより、回転速度検出部が構成される。
【0036】
通電制御用スイッチ21は、トランジスタ等のオンオフ制御が可能な半導体素子をスイッチ手段としたスイッチ回路や、リレーなどからなっていて、マイクロコンピュータ24からスイッチ駆動回路25を通して駆動信号が与えられたときにオン状態になって、主バッテリ5の正極端子と補助バッテリ6の正極端子との間を接続する。
【0037】
この例では、マイクロコンピュータ24と、スイッチ駆動回路25とにより、主バッテリ電圧検出回路22により検出された主バッテリ電圧と補助バッテリ電圧検出回路23により検出された補助バッテリ電圧と回転速度検出部により検出された回転速度とに応じて通電制御用スイッチ21への駆動信号の供給を制御する制御部が構成されている。
【0038】
マイクロコンピュータ24は、CPU、ROM、RAM、タイマなどを有していて、ROMに記憶された所定のプログラムを実行することにより、通電制御用スイッチ21に駆動信号を与えるか否かを決定するための条件の成立の有無の判定や、通電制御用スイッチ21への駆動信号の供給等を行う制御部を構成するための各種の機能実現手段を構成する。
【0039】
図1に示した例では、通電制御用スイッチ21と、主バッテリ電圧検出回路22と、補助バッテリ電圧検出回路23と、回転速度信号検出回路26と、これらの検出回路により検出された主バッテリ電圧、補助バッテリ電圧及び機関の回転速度に基づいて通電制御用スイッチ21への駆動信号の供給を制御する制御部を構成するマイクロコンピュータ24及びスイッチ駆動回路25と、該マイクロコンピュータに電源電圧を与える電源回路27とが一つにまとめられてユニット化されて、バッテリ充電制御装置20が構成されている。
【0040】
マイクロコンピュータ24とスイッチ駆動回路25とにより構成される制御部は、主バッテリ電圧Vbmが補助バッテリの充電を許可し得る値になっている状態が設定された充電許可条件判定用規定時間の間継続し、機関の回転速度Nが発電機1から主バッテリ5及び補助バッテリ6の双方を充電するに足る出力を発生させるために必要な値以上になっている状態が設定された発電出力充足状態判定用規定時間の間継続し、かつ補助バッテリ電圧Vbaが該補助バッテリの充電を必要とする電圧以下になっている状態が設定された充電開始条件判定用規定時間の間継続したときに通電制御用スイッチに駆動信号を与え、主バッテリ電圧が補助バッテリの充電を禁止する必要がある値まで低下している状態が設定された充電禁止条件判定用規定時間の間継続したとき、または回転速度が発電機の出力を不足させる値まで低下している状態が設定された発電出力不足判定用規定時間の間継続したとき、または補助バッテリ電圧が充電の完了を示す値以上になっている状態が設定された充電完了判定用規定時間の間継続したときに通電制御用スイッチへの駆動信号の供給を停止させるように構成される。
【0041】
マイクロコンピュータ24は、所定のプログラムを実行することにより、図2に示すように、第1の充電許可条件判定手段31と、第2の充電許可条件判定手段32と、充電開始条件判定手段33と、第1の充電禁止条件判定手段41と、第2の充電禁止条件判定手段42と、充電停止条件判定手段43と、充電指令発生手段50とを構成する。図2に示された手段とスイッチ駆動回路25とにより、制御部が構成される。
【0042】
以下、上記の各判定手段及び信号発生手段について説明するが、以下の説明で用いる規定電圧や継続時間等を示す符号を図5にまとめて示した。
【0043】
図2において、第1の充電許可条件判定手段31は、主バッテリ電圧Vbmが補助バッテリ6の充電を許可し得る値になっているか否かを判定するための基準を与える充電許可条件判定用規定電圧Vcp以上になっている状態が、設定された充電許可条件判定用規定時間Tcpの間継続したときに第1の充電許可条件を成立させるように構成される。
【0044】
また第2の充電許可条件判定手段32は、機関の回転速度Nが発電機1から主バッテリ5及び補助バッテリ6の充電を可能にする出力を発生させるために必要な値に達しているか否かの判定基準を与える発電出力充足状態判定用規定速度Ng1以上になっている状態が設定された発電出力充足状態判定用規定時間Tg1の間継続したときに第2の充電許可条件を成立させるように構成される。
【0045】
更に充電開始条件判定手段33は、補助バッテリ電圧Vbaが補助バッテリ6の充電を必要とするか否かの判定基準を与える充電開始条件判定用規定電圧Vcs以下になっている状態が設定された充電開始条件判定用規定時間Tcsの間継続したときに充電開始条件を成立させるように構成される。
【0046】
また第1の充電禁止条件判定手段41は、主バッテリ電圧Vbmが補助バッテリ6の充電を禁止する必要がある値まで低下したか否かの判定基準を与える充電禁止条件判定用規定電圧値Vci以下になっている状態が設定された充電禁止条件判定用規定時間Tciの間継続したときに第1の充電禁止条件を成立させるように構成される。
【0047】
第2の充電禁止条件判定手段42は、機関の回転速度が発電機1の出力を不足させる状態にあるか否かの判定基準を与える発電出力不足状態判定用規定速度Ng2以下になっている状態が出力不足状態判定用規定時間Tg2の間継続したときに第2の充電禁止条件を成立させるように構成される。
【0048】
更に充電停止条件判定手段43は、補助バッテリ電圧Vbaが充電の完了を判定するための基準を与える補助バッテリ充電完了判定用規定電圧Vbf以上になっている状態が設定された充電停止条件判定用規定時間Tbfの間継続したときに充電停止条件を成立させるように構成される。
【0049】
また充電指令発生手段50は、上記第1及び第2の充電許可条件と充電開始条件とのすべてが成立しているときにスイッチ駆動回路25に充電指令を与え、第1の充電禁止条件、第2の充電禁止条件及び充電停止条件の内のいずれか1つが成立したときにスイッチ駆動回路25への充電指令の供給を停止するように構成される。
【0050】
第1の充電許可条件、第2の充電許可条件、充電開始条件、第1の充電禁止条件、第2の充電禁止条件及び充電停止条件がそれぞれ成立したときに第1の充電許可条件判定手段31、第2の充電許可条件判定手段32、充電開始条件判定手段33、第1の充電禁止条件判定手段41、第2の充電禁止条件判定手段42及び充電停止条件判定手段43がそれぞれ発生する出力を「1」とすると、充電指令発生手段50は、図2に示したように、第1の充電禁止条件判定手段41、第2の充電禁止条件判定手段42及び充電停止条件判定手段43の出力が入力されるオア回路50Aと、オア回路50Aの出力を否定する否定回路50Bと、第1の充電許可条件判定手段31、第2の充電許可条件判定手段32及び充電開始条件判定手段33の出力と、否定回路50Bの出力とを入力とするアンド回路50Cとにより表すことができる。なお本実施形態では、充電指令発生手段50を構成する論理回路が、マイクロコンピュータに所定のプログラムを実行させることによりソフトウェア的に構成される。
【0051】
図2に示した機能実現手段を実現するためにマイクロコンピュータに実行させるプログラムのアルゴリズムを示すフローチャートを図6に示した。
【0052】
電源が投入され、マイクロコンピュータ24のリセットと、各部の初期化が行われると、マイクロコンピュータは主バッテリ電圧Vbm、補助バッテリ電圧Vba及び回転速度Nの情報の検出を開始し、検出した情報が所定の規定値以上になっている時間及び規定値以下になっている時間をマイクロコンピュータ内のタイマにより構成される計時手段により計測する。
【0053】
例えば、検出された主バッテリ電圧Vbmが充電禁止条件判定用規定電圧Vci以下であるときに上記計時手段を起動し、検出された主バッテリ電圧が充電禁止条件判定用規定電圧Vciが超えているときに該計時手段をリセットすることにより、主バッテリ電圧が充電禁止条件判定用規定電圧以下になっている時間を計測する。
【0054】
また検出された主バッテリ電圧が充電許可条件判定用規定電圧Vcp以上であるときに計時手段を起動し、検出された主バッテリ電圧が充電許可条件判定用規定電圧Vcpを超えているときに該計時手段をリセットすることにより、主バッテリ電圧が充電許可条件判定用規定電圧以上になっている時間を計測する。
【0055】
同様にして、補助バッテリ電圧Vbaが補助バッテリ6の充電を必要とするか否かの判定基準を与える充電開始条件判定用規定電圧Vcs以下になっている時間、補助バッテリ電圧Vbaが充電の完了を判定するための基準を与える補助バッテリ充電完了判定用規定電圧Vbf以上になっている時間、機関の回転速度Nが発電機1から主バッテリ5及び補助バッテリ6の充電を可能にする出力を発生させるために必要な値に達しているか否かの判定基準を与える発電出力充足状態判定用規定速度Ng1以上になっている時間、及び機関の回転速度Nが発電機1の出力を不足させる状態にあるか否かの判定基準を与える発電出力不足状態判定用規定速度Ng2以下になっている時間を計測する。
【0056】
マイクロコンピュータは、一定のサンプリング間隔で、主バッテリ電圧、補助バッテリ電圧及び機関の回転速度をサンプリングして、上記の各時間を計測するための処理を行った後、図6のルーチンを実行する。図6のルーチンのステップ1においては、主バッテリ電圧Vcmが充電禁止条件判定用規定電圧Vci以下になっている時間が充電禁止条件判定用規定時間Tciに達しているか否かを判定する。その結果、主バッテリ電圧Vcmが充電禁止条件判定用規定電圧Vci以下になっている時間が既に充電禁止条件判定用規定時間Tciに達していると判定されたときには、次いでステップ2が実行されて充電指令の出力を停止させる処理を行い、メインルーチンに戻る。またステップ1において主バッテリ電圧Vcmが充電禁止条件判定用規定電圧Vci以下になっている時間が未だ充電禁止条件判定用規定時間Tciに達していないと判定されたときには、ステップ3に移行して、補助バッテリ電圧Vcaが補助バッテリ充電完了判定用規定電圧Vc以上になっている時間が補助バッテリ充電完了判定用規定時間Tbfに達しているか否かを判定する。その結果、補助バッテリ電圧Vcaが補助バッテリ充電完了判定用規定電圧Vc以上になっている時間が既に補助バッテリ充電完了判定用規定時間Tbfに達していると判定されたときには、ステップ2に移行して充電指令の出力を停止させる処理を行った後メインルーチンに戻る。ステップ3において、補助バッテリ電圧Vcaが補助バッテリ充電完了判定用規定電圧Vc以上になっている時間が未だ補助バッテリ充電完了判定用規定時間Tbfに達していないと判定されたときには、ステップ4に移行して、回転速度Nが発電出力不足状態判定用規定速度Ng2以下になっている時間が発電出力不足状態判定用規定時間Tg2に達しているか否かを判定する。その結果、回転速度Nが発電出力不足状態判定用規定速度Ng2以下になっている時間が発電出力不足状態判定用規定時間Tg2に達していると判定されたときには、ステップ2に移行して充電指令の出力を停止させる処理を行った後メインルーチンに戻る。またステップ4において、回転速度Nが発電出力不足状態判定用規定速度Ng2以下になっている時間が発電出力不足状態判定用規定時間Tg2に達していないと判定されたときには、ステップ5に移行して、主バッテリ電圧Vbmが充電許可条件判定用規定電圧Vcp以上になっている時間が充電許可条件判定用規定時間Tcpに達しているか否かを判定する。その結果、主バッテリ電圧Vbmが未だ充電許可条件判定用規定電圧Vcp以上になっている時間が充電許可条件判定用規定時間Tcpに達していないと判定されたときには、何もしないでメインルーチンに戻り、主バッテリ電圧Vbmが充電許可条件判定用規定電圧Vcp以上になっている時間が既に充電許可条件判定用規定時間Tcpに達していると判定されたときにはステップ6に移行して、補助バッテリ電圧Vbaが充電開始条件判定用規定電圧Vcs以下になっている時間が充電開始条件判定用規定時間Tcsに達しているか否かを判定する。その結果、充電開始条件判定用規定電圧Vcs以下になっている時間が未だ充電開始条件判定用規定時間Tcsに達していないと判定されたときには、何もしないでメインルーチンに戻り、充電開始条件判定用規定電圧Vcs以下になっている時間が既に充電開始条件判定用規定時間Tcsに達していると判定されたときには、ステップ7に移行する。ステップ7においては、回転速度Nが発電出力充足状態判定用規定速度Ng1以上になっている時間が発電出力充足状態判定用規定時間Tg1に達しているか否かを判定する。その結果、回転速度Nが発電出力充足状態判定用規定速度Ng1以上になっている時間が未だ発電出力充足状態判定用規定時間Tg1に達していないと判定されたときには、何もしないでメインルーチンに戻り、回転速度Nが発電出力充足状態判定用規定速度Ng1以上になっている時間が既に発電出力充足状態判定用規定時間Tg1に達していると判定されたときにはステップ8に移行して充電指令を発生させる処理を行わせた後メインルーチンに戻る。
【0057】
図6に示したアルゴリズムによる場合には、ステップ1、3及び4によりそれぞれ、第1の充電禁止条件判定手段、第2の充電禁止条件判定手段42及び充電停止条件判定手段43が構成され、これらの判定手段により成立の有無が判定される第1の充電禁止条件、第2の充電禁止条件、及び充電停止条件のいずれかが成立しているときに通電制御用スイッチ21への駆動信号の供給が停止される。
【0058】
通電制御用スイッチ21に駆動信号が与えられないときには、通電制御用スイッチ21がオフ状態になって、主バッテリ5と補助バッテリ6との間を切り離すため、補助バッテリ6の充電は行われず、もっぱら主バッテリ5の充電のみが行われる。
【0059】
また図6のステップ5ないし7によりそれぞれ、第1の充電許可条件判定手段31、第2の充電許可条件判定手段32及び充電開始条件判定手段33が構成され、これらの判定手段により成立の有無が判定される第1の充電許可条件、第2の充電許可条件及び充電開始条件のすべてが成立しているときに、通電制御用スイッチ21に駆動信号が与えられる。
【0060】
通電制御用スイッチ21に駆動信号が与えられると、通電制御用スイッチ21がオン状態になって主バッテリ5と補助バッテリ6との間を接続するため、主バッテリ5側の回路から補助バッテリ6に充電電流が供給され、主バッテリ5とともに補助バッテリ6が充電される。
【0061】
補助バッテリの充電が完了すると、図6のステップ3において第2の充電禁止条件が成立したと判定されるため、通電制御用スイッチ21への駆動信号の供給が停止され、補助バッテリの充電が停止させられる。
【0062】
なおマイクロコンピュータが実行するプログラムのメインルーチンのアルゴリズムについては特に示してないが、メインルーチンでは、電源投入時のマイクロコンピュータの各部の初期化を行う外、主バッテリ電圧、補助バッテリ電圧及び回転速度のサンプリング、計時手段による各規定時間の計測など、図6に示したルーチンでは行われない各種の処理が行われる。
【0063】
上記のように、機関の回転速度Nの情報を取り込んで、回転速度が発電機から主バッテリ5及び補助バッテリ6の双方を充電するに足る出力を発生させるために必要な値以上になっていることが確認され、主バッテリ電圧Vbmが所定値以上ある場合にのみ補助バッテリ6の充電を行わせるように構成すると、機関が停止しているときや、機関の回転速度が低く、発電機1の出力が不足しているとき、或いは主バッテリ5が未だ十分に充電されていないときには、補助バッテリ6を充電しないようにすることができるため、主バッテリ5が消耗するのを防ぐことができる。
【0064】
図1に示すように、通電制御用スイッチ21と、主バッテリ電圧検出回路22と、補助バッテリ電圧検出回路23と、回転速度信号検出回路26と、主バッテリ電圧、補助バッテリ電圧及び機関の回転速度に基づいて通電制御用スイッチへの駆動信号の供給を制御する制御部を構成するマイクロコンピュータ24と該マイクロコンピュータに電源電圧を与える電源回路27とを一つにまとめてユニット化すると、このユニットを主バッテリと補助バッテリとの間に接続するだけで本発明を実施できるので、内燃機関により駆動される発電機により充電される主バッテリと補助バッテリとを備えた既存の内燃機関駆動システムにも容易に本発明を適用することができる。
【0065】
上記の実施形態では、通電制御用スイッチに駆動信号を与えるための条件を判定する手段として、第1の充電許可条件判定手段31、第2の充電許可条件判定手段32、充電開始条件判定手段33の3つの判定手段を設け、通電制御用スイッチへの充電指令号の供給を停止するための条件を判定する手段として、第1の充電禁止条件判定手段、第2の充電禁止条件判定手段42及び充電停止条件判定手段43の3つの判定手段を設けたが、通電制御用スイッチ21への駆動信号の供給を制御するための条件として、更に他の条件を加えることができる。
【0066】
図3は、本発明の他の実施形態を示したもので、この実施形態では、通電制御用スイッチに駆動信号を与えるための条件を判定する手段として、図2に示した判定手段31ないし33に加えて、更に第3の充電許可条件判定手段34を設けて、通電制御用スイッチ21をオン状態にして補助バッテリを充電している状態で、補助バッテリ側の負荷の増大などにより主バッテリ電圧が低下したときに、一旦通電制御用スイッチ21をオフ状態にして補助バッテリを切り離した後、主バッテリ電圧が回復しても、回転速度Nが設定値以上に上昇するまでの間は、通電制御用スイッチ21をオン状態にしないようにしている。
【0067】
第3の充電許可条件判定手段34は、第1の充電禁止条件判定手段41により、主バッテリ電圧が規定電圧Vci以下を規定時間Tciの間継続したと判定されたときに、回転速度Nが設定値Ns以上に上昇したか否かを判定して、回転速度が設定値Ns以上に上昇したことが検出されたときに第3の充電許可条件を成立させるように構成される。
【0068】
上記のように、第3の充電許可条件判定手段34を設ける場合には、図6に示したルーチンに加えて、更に図7に示すルーチンを実行させる。即ち、第3の充電許可条件判定手段34を設ける場合には、図6のルーチンのステップ1において、主バッテリ電圧が充電禁止条件判定用規定電圧Vci以下の状態を充電禁止条件判定用規定時間Tciの間継続したと判定されたときにフラグをセットするようにしておく。そして、このフラグがセットされている場合には、図6のステップ2で通電制御用スイッチ21への駆動信号の供給を停止させた後、図7に示すルーチンを実行させる。
【0069】
図7に示したルーチンは、上記フラグがセットされているときにのみ実行されるもので、その構成は、図6に示したルーチンのステップ7とステップ8との間に、回転速度Nが設定値Ns以上に上昇したか否かを判定するステップ9を挿入した点を除き、図6のルーチンの構成と同様である。
【0070】
即ち、本実施形態では、図6のルーチンのステップ1において、主バッテリ電圧が充電禁止条件判定用規定電圧Vci以下の状態を充電禁止条件判定用規定時間Tciの間継続したと判定されたときにフラグをセットする過程(図示せず。)を行い、ステップ2で通電制御用スイッチ21への駆動信号の供給を停止させた後、図7のルーチンを実行させる。そして、図7のルーチンのステップ5ないし7で3つの接続条件(補助バッテリを接続するための条件)が成立する場合でも、同図のステップ9で、回転速度Nが設定値Ns以上に上昇したと判定されないときには、通電制御用スイッチ21への駆動信号の供給を行わないようにし、同図のステップ9で、回転速度Nが設定値Ns以上に上昇したと判定されたときに、上記フラグを解除するとともに、ステップ8に進んで充電指令を発生させる通電制御用スイッチ21に駆動信号を与えるようにする。
【0071】
図6及び図7のルーチンを実行させて上記のような制御動作を行わせる場合には、図6及び図7のそれぞれのステップ1、3及び4により第1の充電禁止条件判定手段、第2の充電禁止条件判定手段42及び充電停止条件判定手段43が構成され、図6及び図7のそれぞれのステップ5ないし7により第1の充電許可条件判定手段31、第2の充電許可条件判定手段32及び充電開始条件判定手段33が構成される。また図7のステップ9により、第1の充電禁止条件判定手段41により、主バッテリ電圧が規定電圧Vci以下を規定時間Tciの間継続したと判定されたときに、回転速度Nが設定値Ns以上に上昇したか否かを判定して、回転速度が設定値Ns以上に上昇したことが検出されたときに第3の充電許可条件を成立させる第3の充電許可条件判定手段34が構成される。
【0072】
上記のように、第3の充電許可条件判定手段34を加えて、主バッテリ電圧が低下したときに、一旦通電制御用スイッチをオフ状態にして補助バッテリを切り離し、その後主バッテリ電圧が回復して、図6のステップ5ないし7及び図7のステップ5ないし7で接続条件が成立する状態になっても、回転速度が設定値Ns以上になるまでの間は通電制御用スイッチ21をオン状態にしないようにすると、回転速度の設定値Nsを適当な値に設定しておくことにより、負荷の増大時に通電制御用スイッチが頻繁にオンオフを繰り返すといった、不安定な状態が生じるのを防ぐことができる。
【0073】
なお回転速度の設定値Nsは、複数種類用意しておいて、図7のルーチンのステップ9で回転速度が設定値Ns以上に上昇したと判定されて通電制御用スイッチがオン状態にされた後、すぐに図6のルーチンのステップ1で主バッテリ電圧が規定電圧Vci以下になる状態が生じたときに、回転速度の設定値Nsの値を前回よりも大きな値に切り換えるようにするのが好ましい。
【0074】
また、図4に示すように、図2に示した構成に加えて、更に第3の充電禁止条件判定手段44と第4の充電禁止条件判定手段45とを設けることもできる。ここで、第3の充電禁止条件判定手段44は、補助バッテリ電圧が許容下限値未満になったときに第3の充電禁止条件を成立させるように構成される。また第4の充電禁止条件判定手段45は、補助バッテリ6が逆接続されているときに第4の充電禁止条件を成立させるように構成され、第1ないし第4の充電禁止条件のいずれかが成立しているとき、または充電停止条件が成立しているときに、通電制御用スイッチ21への駆動信号の供給が停止させられる。
【0075】
図4に示すように制御部を構成する場合にマイクロコンピュータに実行させるプログラムのアルゴリズムを示すフローチャートを図8に示した。即ち、図2の構成に加えて更に第3の充電禁止条件判定手段44と第4の充電禁止条件判定手段45とを設ける場合には、図6に示したフローチャートのステップ1の前に、補助バッテリが正常な向きに接続されていて、その端子電圧が許容下限値Vmin以上であるか否かを判定するステップ10を挿入する。ここで、補助バッテリ電圧の許容下限値Vminは、補助バッテリを充電により回復させることが可能な電圧範囲の下限値または該下限値よりも僅かに大きい値に設定される。
【0076】
補助バッテリが誤って逆向きに接続されているときには、図8のステップ10において、補助バッテリの向きが正常でないと判定され、ステップ2に移行するため、通電制御用スイッチへの駆動信号の供給が停止され、補助バッテリ6への充電電流の供給が停止される。また補助バッテリの消耗が激しく、充電しても回復しない状態にあるときには、ステップ10において、補助バッテリ電圧Vbaが許容下限値Vmin以上でないと判定され、同じくステップ2に移行して、通電制御用スイッチへの駆動信号の供給が停止されるため、補助バッテリへの充電電流の供給が停止される。
【0077】
上記のように、補助バッテリ電圧が許容限度以下に低下しているとき、または補助バッテリが逆接続されているときに通電制御用スイッチへの駆動信号の供給を停止させるようにすると、補助バッテリ6が誤って逆接続されたときや、補助バッテリ6が著しく消耗していて充電が不可能な状態にあるときに、主バッテリ5から補助バッテリ6に過大な電流が流れて主バッテリが消耗するのを防ぐことができる。
【0078】
上記の各実施形態のように、充電許可条件判定用規定時間Tcp、発電出力充足状態判定用規定時間Tg1、発電出力不足状態判定用規定時間Tg2、充電開始条件判定用規定時間Tcs、充電禁止条件判定用規定時間Tci、及び補助バッテリ充電完了判定用規定時間Tbfを定めて、主バッテリ電圧や補助バッテリ電圧が規定電圧以下になったり、規定電圧以上になったりする状態、或いは回転速度が規定速度以下になったり以上になったりする状態がそれぞれ規定時間の間継続したときに所定の条件が成立したと判定するようにすると、各条件が瞬時的に成立したときに直ちに制御動作が行われて、通電制御用スイッチがオンオフを繰り返す状態(ハンチング状態)が生じるのを防ぐことができるため、動作を安定にすることができる。特に通電制御用スイッチとしてリレーを用いる場合に、ハンチング現象が生じると、リレーのバネが損傷したり、放電により接点が摩耗したりするため、上記のように所定の状態が規定時間の間継続したときに所定の条件を成立させるようにすることが有用である。
【0079】
また、通電制御用スイッチをオフ状態にする(補助バッテリの接続を解除する)ための条件(接続解除条件)の成立の有無を判定する際に、充電禁止条件判定用規定時間Tci、補助バッテリ充電完了判定用規定時間Tbf及び発電出力不足状態判定用規定時間Tg2を設定して、これらの規定時間の間所定の状態が継続したときに接続解除条件を成立させるようにしておくと、主バッテリが多少消耗していて、接続解除条件が頻繁に成立する状態であっても、少なくとも規定時間の間は補助バッテリを充電することができるため、上記各規定時間を適当な長さに(多少長めに)設定しておくことにより、補助バッテリを時間をかけて充電することができる。
【0080】
更に、上記のように、主バッテリ電圧が充電許可条件判定用規定電圧に達したときに、直ちに補助バッテリの充電を許可するのではなく、主バッテリ電圧が充電許可条件判定用規定電圧に達してから規定時間が経過してから補助バッテリの充電を許可するようにしておくと、主バッテリ電圧が充電許可条件判定用規定電圧に達した後もしばらくの間は主バッテリの充電を集中的に行わせることができるため、主バッテリの充電不足が生じるのを確実に防ぐことができる。
【0081】
上記の説明では、図1に示した駆動信号により通電制御用スイッチ内に設けたスイッチ回路をオンオフして、補助バッテリに供給される充電電流をオンオフさせるとしたが、補助バッテリに供給される充電電流の大きさを制御することが必要な場合には、駆動信号としてPWM変調された信号を用いて、通電制御用スイッチを構成するスイッチをPWM制御することにより、補助バッテリ充電時に該補助バッテリに供給される充電電流の平均値を制御するようにすることができる。
【0082】
上記の各実施形態では、機関の所定のクランク角位置でパルス信号を発生するパルサを設けて、このパルサの出力から機関の回転速度の情報を得ているが、パルサ以外の他の信号源から回転速度の情報を得るようにすることもできる。例えば、内燃機関の点火時に内燃機関用点火装置の点火コイルの一次コイルに誘起するパルス電圧を検出することにより機関の回転速度情報を得たり、発電機1の出力周波数から機関の回転速度情報を得たりすることもできる。
【0083】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、機関の回転速度の情報を取り込んで、回転速度が発電機から主バッテリ及び補助バッテリの双方を充電するに足る出力を発生させるために必要な値以上になっていることが確認され、主バッテリ電圧が所定値以上ある場合にのみ補助バッテリの充電を行わせるようにしたので、機関が停止しているときや、機関の回転速度が低く、発電機の出力が不足しているとき、或いは主バッテリが未だ十分に充電されていないときに、補助バッテリを充電しないようにして、主バッテリが消耗するのを防ぐことができる。
【0084】
また、補助バッテリ電圧を監視して、補助バッテリの充電が必要なときにのみ通電制御用スイッチに駆動信号を与えて、補助バッテリの充電を行わせるようにしたので、補助バッテリに無用の充電電流が供給されて、主バッテリの充電電流が不足する状態が生じるのを防ぐことができる。
【0085】
更に本発明において、主バッテリ電圧が充電許可条件判定用規定電圧に達したときに、直ちに補助バッテリの充電を許可するのではなく、主バッテリ電圧が充電許可条件判定用規定電圧に達してから規定時間が経過してから補助バッテリの充電を許可するようにした場合には、主バッテリ電圧が充電許可条件判定用規定電圧に達した後もしばらくの間は主バッテリの充電を集中的に行わせて、主バッテリの充電不足が生じるのを確実に防ぐことができる。
【0086】
また本発明において、補助バッテリの接続の向きと補助バッテリ電圧とを監視して、補助バッテリの接続の向きが逆であるとき及び補助バッテリ電圧が許容下限値を下回っているときに通電制御用スイッチに駆動信号が与えられないようにした場合には、補助バッテリが逆向きに接続されているとき及び補助バッテリが回復不能なほどに消耗しているときに補助バッテリに過大な充電電流が流れて主バッテリが消耗するのを防ぐことができる。
【0087】
更に本発明において、第3の充電許可条件判定手段を設けて、主バッテリ電圧が低下したときに、一旦通電制御用スイッチをオフ状態にして補助バッテリを切り離し、その後主バッテリ電圧が回復しても、回転速度が設定値以上になるまでの間は通電制御用スイッチをオン状態にしないようにした場合には、回転速度の設定値を適当な値に設定しておくことにより、負荷の増大時に通電制御用スイッチが頻繁にオンオフを繰り返してハンチング現象が生じるのを防ぐことができ、動作の安定化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わるバッテリ充電制御装置のハードウェアの構成を示した回路図である。
【図2】図1の充電制御装置で用いる制御部の構成例を示した機能ブロック図である。
【図3】図1の充電制御装置で用いる制御部の他の構成例を示した機能ブロック図である。
【図4】図1の充電制御装置で用いる制御部の更に他の構成例を示した機能ブロック図である。
【図5】図6ないし図8に示すフローチャートで用いる符号をまとめて示した図表である。
【図6】図2の機能ブロック図の各機能実現手段を実現するためにマイクロコンピュータに実行させるプログラムのアルゴリズムの一例を示したフローチャートである。
【図7】図3の機能ブロック図の各機能実現手段を実現するために図6に示したルーチンとともにマイクロコンピュータに実行させる他のルーチンのアルゴリズムの一例を示したフローチャートである。
【図8】図4の機能ブロック図の各機能実現手段を実現するためにマイクロコンピュータに実行させるプログラムのアルゴリズムの一例を示したフローチャートである。
【図9】従来のバッテリ充電制御装置を示した回路図である。
【図10】従来の他のバッテリ充電制御装置を示した回路図である。
【符号の説明】
1…交流発電機、2…整流電源回路、5…主バッテリ、6…補助バッテリ、7…補助バッテリの負荷、20…バッテリ充電制御装置、21…通電制御用スイッチ、22…主バッテリ電圧検出回路、23…補助バッテリ電圧検出回路、24…マイクロコンピュータ、26…回転速度信号検出回路。
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関により駆動される発電機の出力で主バッテリと補助バッテリとを充電するバッテリ充電制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
内燃機関により駆動される車両等においては、機関及び車両等の電装品を駆動する主バッテリの外に、一般負荷を駆動する補助バッテリを搭載することがある。このように、主バッテリと補助バッテリとを搭載する場合には、機関により駆動される交流発電機の整流出力により主バッテリと補助バッテリとの双方を充電する必要がある。
【0003】
内燃機関により駆動される交流発電機の整流出力で主バッテリと補助バッテリとを充電する装置としては、図9に示したように、機関により駆動される交流発電機(ACG)1の出力を電圧調整機能を備えた整流電源回路2の非接地側(正極側)の出力端子にダイオード3及び4のアノードを接続し、ダイオード3のカソードと接地間及びダイオード4のカソードと接地間にそれぞれ主バッテリ5及び補助バッテリ6を接続する回路を備えたものが広く知られている。図9において7は補助バッテリ6の両端に接続された負荷である。このようなバッテリ充電装置は例えば特許文献1に示されている。
【0004】
図9に示したバッテリ充電装置では、主バッテリ5から補助バッテリ6に充電電流が流れて主バッテリ5が放電するのを防ぐために、ダイオード3及び4により、主バッテリ5と補助バッテリ6との間を電気的に分離するアイソレータ8が構成されている。
【0005】
このように、ダイオード3及び4からなるアイソレータ8を設けた場合には、ダイオード3及び4により生じる電圧降下により主バッテリ5及び補助バッテリ6に印加される電圧が不足し、両バッテリの充電不足が生じることがあった。
【0006】
また、図10に示すように、主バッテリ5を整流電源回路2の出力端子間に直接接続するとともに、主バッテリ5の両端にリレー9の常開接点9aを通して補助バッテリ6を接続し、リレー9のコイル9yをキースイッチ10を通してバッテリ5の両端に接続した回路構成を有する充電装置も知られている。この充電装置では、リレー9によりアイソレータ8´が構成される。このような回路構成を有するバッテリ充電装置は、例えば特許文献2に示されている。
【0007】
図10に示したように構成すれば、ダイオードによる電圧降下はなくなるため、発電機側から主バッテリ5及び補助バッテリ6に印加される充電電圧が不足することはなくなる。しかしながらこのような構成では、キースイッチ10が閉じているときにリレー9が励磁されて主バッテリ5の両端に補助バッテリ6及び負荷7が接続されたままの状態になるため、主バッテリに蓄積されたエネルギーが補助バッテリ側の負荷7により消費されてしまうという問題があった。
【0008】
そこで、特許文献3に示されているように、主バッテリと補助バッテリとの間にスイッチ手段を備えた電流制御回路を設けるとともに、主バッテリの電圧及び補助バッテリの電圧をそれぞれ検出する電圧検出回路を設けて、補助バッテリの電圧が予め定めた電圧よりも低くなったとき、及び主バッテリの電圧が予め定めた電圧よりも低くなったときに電流制御回路のスイッチ手段を遮断状態にすることにより、補助バッテリ側への電流の供給を遮断するようにしたバッテリ充電制御装置が提案された。
【0009】
【特許文献1】
特開平9−46919号公報(図1ないし図3)
【0010】
【特許文献2】
実用新案登録第2507111号公報(図1a)
【0011】
【特許文献3】
特開平9−107639号公報(図1)
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献3に示された充電制御装置では、機関の運転状態の如何に関わりなく、主バッテリ及び補助バッテリの電圧のみを見て、補助バッテリの充電制御を行うようにしている。このように、主バッテリ及び補助バッテリの電圧のみを見て、補助バッテリの充電制御を行うようにした場合には、機関を始動した後、主バッテリの充電が完了していない状態であっても、主バッテリの電圧が予め定めた値に達していると直ちに補助バッテリの充電を開始してしまうため、主バッテリの充電が十分に行われなくなって、主バッテリが消耗してしまうことがあった。
【0013】
また従来の充電装置では、機関が停止して発電機が出力を発生していない状態や、機関の回転速度が低く、発電機が十分な出力を発生していない状態でも、主バッテリの電圧が予め定めた電圧値を示していると補助バッテリの充電が行われるため、主バッテリが消耗してしまうという問題があった。
【0014】
本発明の目的は、主バッテリを優先的に充電、保護しつつ、発電機の余剰出力で補助バッテリを自動的に満充電状態まで効率よく充電することができるバッテリ充電制御装置を提供することにある。
【0015】
本発明の他の目的は、機関の回転速度から発電機の出力を予測して、発電機の出力が不足することが予測されるときには補助バッテリの充電を止めて、主バッテリの充電のみを行わせることにより、主バッテリの放電を防ぐことができるバッテリ充電制御装置を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明は、内燃機関により駆動される交流発電機の整流出力で充電される主バッテリと、補助バッテリとの間に設けられて、補助バッテリの充電を制御するバッテリ充電制御装置に係わるものである。
【0017】
本発明においては、前記の目的を達成するため、機関の回転速度の情報を取り込んで、回転速度が発電機から主バッテリ及び補助バッテリの双方を充電するに足る出力を発生させるために必要な値以上になっていることが確認されたときにのみ補助バッテリの充電を行わせるようにする。
【0018】
そのため、本発明においては、主バッテリと補助バッテリとの間に介在するように設けられて駆動信号が与えられたときにオン状態になって主バッテリ側から補助バッテリに充電電流を供給する通電制御用スイッチと、主バッテリの両端の電圧を検出する主バッテリ電圧検出回路と、補助バッテリの両端の電圧を検出する補助バッテリ電圧検出回路と、内燃機関の回転速度を検出する回転速度検出部と、主バッテリ電圧検出回路により検出された主バッテリ電圧と補助バッテリ電圧検出回路により検出された補助バッテリ電圧と回転速度検出部により検出された回転速度とに応じて通電制御用スイッチへの駆動信号の供給を制御する制御部とを備えた構成とし、制御部は、主バッテリ電圧が補助バッテリの充電を許可し得る値になっていることが確認されるとともに、内燃機関の回転速度が発電機から主バッテリ及び補助バッテリの双方を充電するに足る出力を発生させるために必要な値以上になっていることが確認され、かつ補助バッテリ電圧が充電を必要とする状態にあるときにのみ通電制御用スイッチに駆動信号を供給するように構成する。
【0019】
上記のように、機関の回転速度の情報を取り込んで、回転速度が発電機から主バッテリ及び補助バッテリの双方を充電するに足る出力を発生させるために必要な値以上になっていることが確認され、主バッテリ電圧が所定値以上ある場合にのみ補助バッテリの充電を行わせるようにすると、機関が停止しているときや、機関の回転速度が低く、発電機の出力が不足しているとき、或いは主バッテリが未だ十分に充電されていないときには、補助バッテリを充電しないようにすることができるため、主バッテリが消耗するのを防ぐことができる。
【0020】
上記制御部は、主バッテリ電圧が補助バッテリの充電を許可し得る値になっている状態が設定された充電許可条件判定用規定時間の間継続し、回転速度が発電機から主バッテリ及び補助バッテリの双方を充電するに足る出力を発生させるために必要な値以上になっている状態が設定された発電出力充足状態判定用規定時間の間継続し、かつ補助バッテリ電圧が該補助バッテリの充電を必要とする電圧以下になっている状態が設定された充電開始条件判定用規定時間の間継続したときに通電制御用スイッチに駆動信号を与え、主バッテリ電圧が補助バッテリの充電を禁止する必要がある値まで低下している状態が設定された充電禁止条件判定用規定時間の間継続したとき、または回転速度が発電機の出力を不足させる値まで低下している状態が設定された発電出力不足判定用規定時間の間継続したとき、または補助バッテリ電圧が充電の完了を示す値以上になっている状態が設定された充電完了判定用規定時間の間継続したときに通電制御用スイッチへの駆動信号の供給を停止させるように構成するのが好ましい。
【0021】
上記のように、主バッテリ電圧が補助バッテリの充電を許可し得る値になっている状態が設定された充電許可条件判定用規定時間の間継続したときに補助バッテリの充電を許可するようにすると、主バッテリ電圧が補助バッテリの充電を許可し得る値に達してから更に一定時間の間主バッテリの充電を集中的に行わせることができるため、主バッテリの保護を確実に図ることができる。
【0022】
また上記のように、回転速度が発電機から主バッテリ及び補助バッテリの双方を充電するに足る出力を発生させるために必要な値以上になっている状態が設定された発電出力充足状態判定用規定時間の間継続したときに通電制御用スイッチに駆動信号を与えるようにすると、発電機が主バッテリ及び補助バッテリ双方の充電を行うための出力を安定に発生し得る状態になったことをより的確に推定して、補助バッテリの充電を行わせることができるため、機関の回転速度が瞬時的に上昇しただけで、未だ発電機が十分な出力を発生し得ない不安定な状態にあるときに補助バッテリに充電電流が供給されて、主バッテリが消耗するのを防ぐことができる。
【0023】
また本発明の好ましい態様では、主バッテリ電圧が前記補助バッテリの充電を許可し得る値になっている状態が設定された充電許可条件判定用規定時間の間継続し、回転速度が発電機から主バッテリ及び補助バッテリ双方の充電を可能にする出力を発生させるために必要な値以上になっている状態が設定された発電出力充足状態判定用規定時間の間継続し、かつ補助バッテリ電圧が該補助バッテリの充電を必要とする電圧以下になっている状態が設定された充電開始条件判定用規定時間の間継続したときに通電制御用スイッチに駆動信号を与え、補助バッテリ電圧が許容限度以下に低下しているとき、または補助バッテリが逆接続されているとき、または主バッテリ電圧が補助バッテリの充電を禁止する必要がある値まで低下している状態が設定された充電禁止条件判定用規定時間の間継続したとき、または回転速度が発電機の出力を不足させる値まで低下している状態が設定された発電出力不足判定用規定時間の間継続したとき、または補助バッテリ電圧が充電の完了を示す値以上になっている状態が設定された充電完了判定用規定時間の間継続したときに通電制御用スイッチへの駆動信号の供給を停止させるように構成される。
【0024】
上記のように、補助バッテリ電圧が許容限度以下に低下しているとき、または補助バッテリが逆接続されているときに通電制御用スイッチへの駆動信号の供給を停止させるようにすると、補助バッテリが誤って逆接続されたときや、補助バッテリが著しく消耗していて充電が不可能な状態にあるときに、主バッテリから補助バッテリに過大な電流が流れて主バッテリが消耗するのを防ぐことができる。
【0025】
また本発明の他の好ましい態様では、上記制御部が、主バッテリ電圧が補助バッテリの充電を禁止する必要がある値まで低下したか否かの判定基準を与える充電禁止条件判定用規定電圧値以下になっている状態が設定された充電禁止条件判定用規定時間の間継続したときに第1の充電禁止条件を成立させる第1の充電禁止条件判定手段と、回転速度が前記発電機の出力を不足させる状態にあるか否かの判定基準を与える発電出力不足状態判定用規定速度以下になっている状態が発電出力不足状態判定用規定時間の間継続したときに第2の充電禁止条件を成立させる第2の充電禁止条件判定手段と、補助バッテリ電圧が充電の完了を判定するための基準を与える補助バッテリ充電完了判定用規定電圧以上になっている状態が設定された充電停止条件判定用規定時間の間継続したときに充電停止条件を成立させる充電停止条件判定手段と、主バッテリ電圧が補助バッテリの充電を許可し得る値になっているか否かを判定するための基準を与える充電許可条件判定用規定電圧以上になっている状態が設定された充電許可条件判定用規定時間の間継続したときに第1の充電許可条件を成立させる第1の充電許可条件判定手段と、回転速度が発電機から主バッテリ及び補助バッテリ双方の充電を可能にする出力を発生させるために必要な値に達しているか否かの判定基準を与える発電出力充足状態判定用規定速度以上になっている状態が設定された発電出力充足状態判定用規定時間の間継続したときに第2の充電許可条件を成立させる第2の充電許可条件判定手段と、前記第1の充電禁止条件判定手段により、主バッテリ電圧が充電禁止条件判定用規定電圧値以下になっている状態が設定された充電禁止条件判定用規定時間の間継続したと判定されたときに、回転速度が設定値以上に上昇したか否かを判定して、回転速度が設定値以上に上昇したことが検出されたときに第3の充電許可条件を成立させる第3の充電許可条件判定手段と、補助バッテリ電圧が該補助バッテリの充電を必要とするか否かの判定基準を与える充電開始条件判定用規定電圧以下になっている状態が設定された充電開始条件判定用規定時間の間継続したときに充電開始条件を成立させる充電開始条件判定手段とを備えて、第1ないし第3の充電許可条件と充電開始条件とのすべてが成立しているときに通電制御用スイッチに駆動信号を与え、第1の充電禁止条件、第2の充電禁止条件及び充電停止条件の内のいずれか1つが成立したときに通電制御用スイッチへの駆動信号の供給を停止するように構成される。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下図面を参照して本発明の実施形態を説明する。図1は、本発明で用いる充電制御装置のハードウェアの構成例を示したもので、同図において1は図示しない内燃機関により駆動される交流発電機、2は発電機1の出力を整流して電圧値が調整された直流電圧を出力する電圧調整機能付きの整流電源回路、5は負極が接地された主バッテリ、6は同じく負極が接地された補助バッテリ、7は補助バッテリ6に接続された負荷、10はキースイッチ、20は本発明に係わるバッテリ充電制御装置である。
【0027】
なお図1においては、負荷7が補助バッテリ6に直結されているが、通常は負荷7と補助バッテリ6との間にスイッチが設けられる。
【0028】
本実施形態では、発電機1として、カップ状の回転子ヨークとその内周に取り付けられた永久磁石(図示せず。)とからなる磁石回転子1Aと、磁石回転子1Aの内側に配置された固定子1Bとを備えた磁石発電機が用いられ、その固定子1Bに設けられた発電コイルW1 の出力が整流電源回路2に入力されている。
【0029】
整流電源回路2は、発電コイルW1 の出力を整流する整流回路と、該整流回路の出力電圧を調整する電圧調整回路とからなっていて、整流電源回路2の出力電圧が主バッテリ5の両端に直接印加されている。整流電源回路2の出力電圧は、電圧調整回路により、主バッテリ5及び補助バッテリ6の両端に印加する電圧の上限値に等しい設定値以下に保たれる。
【0030】
磁石回転子1Aの回転子ヨークの外周にはリラクタ1aが設けられ、このリラクタを検出してパルス信号を発生するパルサ11がフライホイールの外周に対向させられている。パルサ11は、リラクタ1aに対向する磁極部を有する鉄心と、該鉄心に巻回された信号コイルと、該鉄心に磁気結合された永久磁石とを備えていて、リラクタ1aの回転方向の前端側のエッジ及び後端側のエッジをそれぞれ検出したときに極性が異なるパルス信号Vs1及びVs2を出力する。パルサ11が出力するパルスは内燃機関の回転速度情報を得るために用いられる。
【0031】
本発明に係わるバッテリ充電制御装置20は、主バッテリ5と補助バッテリ6との間に介在するように設けられて主バッテリ5側から補助バッテリ6に供給する充電電流をオンオフする通電制御用スイッチ21と、主バッテリ5の両端の電圧を検出する主バッテリ電圧検出回路22と、補助バッテリ6の両端の電圧を検出する補助バッテリ電圧検出回路23と、所定の条件が成立したときに充電指令を発生するマイクロコンピュータ24と、マイクロコンピュータが充電指令を発生したときに通電制御用スイッチ21に駆動信号を与えるスイッチ駆動回路25と、回転速度信号検出回路26と、マイクロコンピュータ24に電源電圧を与える電源回路27とを備えている。
【0032】
図示のバッテリ充電制御装置20は、主バッテリ5の正極端子に接続された主バッテリ接続端子20aと、補助バッテリ6の正極端子に接続された補助バッテリ接続端子20bと、主バッテリ5の正極端子にキースイッチ10を通して接続される電源端子20cと、回転速度信号検出回路26にパルサ11の出力を入力するパルサ入力端子20dと、アース端子20eとを備えていて、主バッテリ接続端子20aと補助バッテリ接続端子20bとの間に、補助バッテリ6の充電電流をオンオフ制御する通電制御用スイッチ21が設けられている。また電源端子20cと接地間、及び補助バッテリ接続端子20bと接地間にそれぞれ主バッテリ電圧検出回路22及び補助バッテリ電圧検出回路23が接続され、電源端子20cと接地間に得られる電圧がダイオード28を通して電源回路27に入力されている。
【0033】
電源回路27は、主バッテリ5の電圧をマイクロコンピュータを駆動するための一定の電圧(例えば5V)に変換する回路からなっていて、該電源回路の出力電圧がマイクロコンピュータ24の電源端子に印加されている。
【0034】
主バッテリ電圧検出回路22及び補助バッテリ電圧検出回路23はそれぞれ主バッテリ5の両端の電圧(主バッテリ電圧)Vbm及び補助バッテリ6の両端の電圧(補助バッテリ電圧)Vbaを分圧する抵抗分圧回路などからなっていて、これらの検出回路から得られる検出信号は、マイクロコンピュータ24に設けられた異なるアナログ/デジタル変換端子(A/D端子)に入力されている。
【0035】
回転速度信号検出回路26は、パルサ入力端子20dに入力されたパルスの出力信号Vs1及びVs2をマイクロコンピュータ24が認識し得る波形の信号に変換する回路からなっていて、この検出回路から得られる回転速度信号はマイクロコンピュータ24の所定のポートに入力されている。マイクロコンピュータ24は、回転速度信号検出回路26から入力される回転速度信号の発生間隔(パルサが出力するパルスの発生間隔)から機関の回転速度を検出する。この例では、パルサ11と、回転速度信号検出回路26と、マイクロコンピュータ24が実行するプログラムの一連の過程のうち、回転速度信号検出回路26を通して入力されるパルスの発生間隔から回転速度の情報を得る過程とにより、回転速度検出部が構成される。
【0036】
通電制御用スイッチ21は、トランジスタ等のオンオフ制御が可能な半導体素子をスイッチ手段としたスイッチ回路や、リレーなどからなっていて、マイクロコンピュータ24からスイッチ駆動回路25を通して駆動信号が与えられたときにオン状態になって、主バッテリ5の正極端子と補助バッテリ6の正極端子との間を接続する。
【0037】
この例では、マイクロコンピュータ24と、スイッチ駆動回路25とにより、主バッテリ電圧検出回路22により検出された主バッテリ電圧と補助バッテリ電圧検出回路23により検出された補助バッテリ電圧と回転速度検出部により検出された回転速度とに応じて通電制御用スイッチ21への駆動信号の供給を制御する制御部が構成されている。
【0038】
マイクロコンピュータ24は、CPU、ROM、RAM、タイマなどを有していて、ROMに記憶された所定のプログラムを実行することにより、通電制御用スイッチ21に駆動信号を与えるか否かを決定するための条件の成立の有無の判定や、通電制御用スイッチ21への駆動信号の供給等を行う制御部を構成するための各種の機能実現手段を構成する。
【0039】
図1に示した例では、通電制御用スイッチ21と、主バッテリ電圧検出回路22と、補助バッテリ電圧検出回路23と、回転速度信号検出回路26と、これらの検出回路により検出された主バッテリ電圧、補助バッテリ電圧及び機関の回転速度に基づいて通電制御用スイッチ21への駆動信号の供給を制御する制御部を構成するマイクロコンピュータ24及びスイッチ駆動回路25と、該マイクロコンピュータに電源電圧を与える電源回路27とが一つにまとめられてユニット化されて、バッテリ充電制御装置20が構成されている。
【0040】
マイクロコンピュータ24とスイッチ駆動回路25とにより構成される制御部は、主バッテリ電圧Vbmが補助バッテリの充電を許可し得る値になっている状態が設定された充電許可条件判定用規定時間の間継続し、機関の回転速度Nが発電機1から主バッテリ5及び補助バッテリ6の双方を充電するに足る出力を発生させるために必要な値以上になっている状態が設定された発電出力充足状態判定用規定時間の間継続し、かつ補助バッテリ電圧Vbaが該補助バッテリの充電を必要とする電圧以下になっている状態が設定された充電開始条件判定用規定時間の間継続したときに通電制御用スイッチに駆動信号を与え、主バッテリ電圧が補助バッテリの充電を禁止する必要がある値まで低下している状態が設定された充電禁止条件判定用規定時間の間継続したとき、または回転速度が発電機の出力を不足させる値まで低下している状態が設定された発電出力不足判定用規定時間の間継続したとき、または補助バッテリ電圧が充電の完了を示す値以上になっている状態が設定された充電完了判定用規定時間の間継続したときに通電制御用スイッチへの駆動信号の供給を停止させるように構成される。
【0041】
マイクロコンピュータ24は、所定のプログラムを実行することにより、図2に示すように、第1の充電許可条件判定手段31と、第2の充電許可条件判定手段32と、充電開始条件判定手段33と、第1の充電禁止条件判定手段41と、第2の充電禁止条件判定手段42と、充電停止条件判定手段43と、充電指令発生手段50とを構成する。図2に示された手段とスイッチ駆動回路25とにより、制御部が構成される。
【0042】
以下、上記の各判定手段及び信号発生手段について説明するが、以下の説明で用いる規定電圧や継続時間等を示す符号を図5にまとめて示した。
【0043】
図2において、第1の充電許可条件判定手段31は、主バッテリ電圧Vbmが補助バッテリ6の充電を許可し得る値になっているか否かを判定するための基準を与える充電許可条件判定用規定電圧Vcp以上になっている状態が、設定された充電許可条件判定用規定時間Tcpの間継続したときに第1の充電許可条件を成立させるように構成される。
【0044】
また第2の充電許可条件判定手段32は、機関の回転速度Nが発電機1から主バッテリ5及び補助バッテリ6の充電を可能にする出力を発生させるために必要な値に達しているか否かの判定基準を与える発電出力充足状態判定用規定速度Ng1以上になっている状態が設定された発電出力充足状態判定用規定時間Tg1の間継続したときに第2の充電許可条件を成立させるように構成される。
【0045】
更に充電開始条件判定手段33は、補助バッテリ電圧Vbaが補助バッテリ6の充電を必要とするか否かの判定基準を与える充電開始条件判定用規定電圧Vcs以下になっている状態が設定された充電開始条件判定用規定時間Tcsの間継続したときに充電開始条件を成立させるように構成される。
【0046】
また第1の充電禁止条件判定手段41は、主バッテリ電圧Vbmが補助バッテリ6の充電を禁止する必要がある値まで低下したか否かの判定基準を与える充電禁止条件判定用規定電圧値Vci以下になっている状態が設定された充電禁止条件判定用規定時間Tciの間継続したときに第1の充電禁止条件を成立させるように構成される。
【0047】
第2の充電禁止条件判定手段42は、機関の回転速度が発電機1の出力を不足させる状態にあるか否かの判定基準を与える発電出力不足状態判定用規定速度Ng2以下になっている状態が出力不足状態判定用規定時間Tg2の間継続したときに第2の充電禁止条件を成立させるように構成される。
【0048】
更に充電停止条件判定手段43は、補助バッテリ電圧Vbaが充電の完了を判定するための基準を与える補助バッテリ充電完了判定用規定電圧Vbf以上になっている状態が設定された充電停止条件判定用規定時間Tbfの間継続したときに充電停止条件を成立させるように構成される。
【0049】
また充電指令発生手段50は、上記第1及び第2の充電許可条件と充電開始条件とのすべてが成立しているときにスイッチ駆動回路25に充電指令を与え、第1の充電禁止条件、第2の充電禁止条件及び充電停止条件の内のいずれか1つが成立したときにスイッチ駆動回路25への充電指令の供給を停止するように構成される。
【0050】
第1の充電許可条件、第2の充電許可条件、充電開始条件、第1の充電禁止条件、第2の充電禁止条件及び充電停止条件がそれぞれ成立したときに第1の充電許可条件判定手段31、第2の充電許可条件判定手段32、充電開始条件判定手段33、第1の充電禁止条件判定手段41、第2の充電禁止条件判定手段42及び充電停止条件判定手段43がそれぞれ発生する出力を「1」とすると、充電指令発生手段50は、図2に示したように、第1の充電禁止条件判定手段41、第2の充電禁止条件判定手段42及び充電停止条件判定手段43の出力が入力されるオア回路50Aと、オア回路50Aの出力を否定する否定回路50Bと、第1の充電許可条件判定手段31、第2の充電許可条件判定手段32及び充電開始条件判定手段33の出力と、否定回路50Bの出力とを入力とするアンド回路50Cとにより表すことができる。なお本実施形態では、充電指令発生手段50を構成する論理回路が、マイクロコンピュータに所定のプログラムを実行させることによりソフトウェア的に構成される。
【0051】
図2に示した機能実現手段を実現するためにマイクロコンピュータに実行させるプログラムのアルゴリズムを示すフローチャートを図6に示した。
【0052】
電源が投入され、マイクロコンピュータ24のリセットと、各部の初期化が行われると、マイクロコンピュータは主バッテリ電圧Vbm、補助バッテリ電圧Vba及び回転速度Nの情報の検出を開始し、検出した情報が所定の規定値以上になっている時間及び規定値以下になっている時間をマイクロコンピュータ内のタイマにより構成される計時手段により計測する。
【0053】
例えば、検出された主バッテリ電圧Vbmが充電禁止条件判定用規定電圧Vci以下であるときに上記計時手段を起動し、検出された主バッテリ電圧が充電禁止条件判定用規定電圧Vciが超えているときに該計時手段をリセットすることにより、主バッテリ電圧が充電禁止条件判定用規定電圧以下になっている時間を計測する。
【0054】
また検出された主バッテリ電圧が充電許可条件判定用規定電圧Vcp以上であるときに計時手段を起動し、検出された主バッテリ電圧が充電許可条件判定用規定電圧Vcpを超えているときに該計時手段をリセットすることにより、主バッテリ電圧が充電許可条件判定用規定電圧以上になっている時間を計測する。
【0055】
同様にして、補助バッテリ電圧Vbaが補助バッテリ6の充電を必要とするか否かの判定基準を与える充電開始条件判定用規定電圧Vcs以下になっている時間、補助バッテリ電圧Vbaが充電の完了を判定するための基準を与える補助バッテリ充電完了判定用規定電圧Vbf以上になっている時間、機関の回転速度Nが発電機1から主バッテリ5及び補助バッテリ6の充電を可能にする出力を発生させるために必要な値に達しているか否かの判定基準を与える発電出力充足状態判定用規定速度Ng1以上になっている時間、及び機関の回転速度Nが発電機1の出力を不足させる状態にあるか否かの判定基準を与える発電出力不足状態判定用規定速度Ng2以下になっている時間を計測する。
【0056】
マイクロコンピュータは、一定のサンプリング間隔で、主バッテリ電圧、補助バッテリ電圧及び機関の回転速度をサンプリングして、上記の各時間を計測するための処理を行った後、図6のルーチンを実行する。図6のルーチンのステップ1においては、主バッテリ電圧Vcmが充電禁止条件判定用規定電圧Vci以下になっている時間が充電禁止条件判定用規定時間Tciに達しているか否かを判定する。その結果、主バッテリ電圧Vcmが充電禁止条件判定用規定電圧Vci以下になっている時間が既に充電禁止条件判定用規定時間Tciに達していると判定されたときには、次いでステップ2が実行されて充電指令の出力を停止させる処理を行い、メインルーチンに戻る。またステップ1において主バッテリ電圧Vcmが充電禁止条件判定用規定電圧Vci以下になっている時間が未だ充電禁止条件判定用規定時間Tciに達していないと判定されたときには、ステップ3に移行して、補助バッテリ電圧Vcaが補助バッテリ充電完了判定用規定電圧Vc以上になっている時間が補助バッテリ充電完了判定用規定時間Tbfに達しているか否かを判定する。その結果、補助バッテリ電圧Vcaが補助バッテリ充電完了判定用規定電圧Vc以上になっている時間が既に補助バッテリ充電完了判定用規定時間Tbfに達していると判定されたときには、ステップ2に移行して充電指令の出力を停止させる処理を行った後メインルーチンに戻る。ステップ3において、補助バッテリ電圧Vcaが補助バッテリ充電完了判定用規定電圧Vc以上になっている時間が未だ補助バッテリ充電完了判定用規定時間Tbfに達していないと判定されたときには、ステップ4に移行して、回転速度Nが発電出力不足状態判定用規定速度Ng2以下になっている時間が発電出力不足状態判定用規定時間Tg2に達しているか否かを判定する。その結果、回転速度Nが発電出力不足状態判定用規定速度Ng2以下になっている時間が発電出力不足状態判定用規定時間Tg2に達していると判定されたときには、ステップ2に移行して充電指令の出力を停止させる処理を行った後メインルーチンに戻る。またステップ4において、回転速度Nが発電出力不足状態判定用規定速度Ng2以下になっている時間が発電出力不足状態判定用規定時間Tg2に達していないと判定されたときには、ステップ5に移行して、主バッテリ電圧Vbmが充電許可条件判定用規定電圧Vcp以上になっている時間が充電許可条件判定用規定時間Tcpに達しているか否かを判定する。その結果、主バッテリ電圧Vbmが未だ充電許可条件判定用規定電圧Vcp以上になっている時間が充電許可条件判定用規定時間Tcpに達していないと判定されたときには、何もしないでメインルーチンに戻り、主バッテリ電圧Vbmが充電許可条件判定用規定電圧Vcp以上になっている時間が既に充電許可条件判定用規定時間Tcpに達していると判定されたときにはステップ6に移行して、補助バッテリ電圧Vbaが充電開始条件判定用規定電圧Vcs以下になっている時間が充電開始条件判定用規定時間Tcsに達しているか否かを判定する。その結果、充電開始条件判定用規定電圧Vcs以下になっている時間が未だ充電開始条件判定用規定時間Tcsに達していないと判定されたときには、何もしないでメインルーチンに戻り、充電開始条件判定用規定電圧Vcs以下になっている時間が既に充電開始条件判定用規定時間Tcsに達していると判定されたときには、ステップ7に移行する。ステップ7においては、回転速度Nが発電出力充足状態判定用規定速度Ng1以上になっている時間が発電出力充足状態判定用規定時間Tg1に達しているか否かを判定する。その結果、回転速度Nが発電出力充足状態判定用規定速度Ng1以上になっている時間が未だ発電出力充足状態判定用規定時間Tg1に達していないと判定されたときには、何もしないでメインルーチンに戻り、回転速度Nが発電出力充足状態判定用規定速度Ng1以上になっている時間が既に発電出力充足状態判定用規定時間Tg1に達していると判定されたときにはステップ8に移行して充電指令を発生させる処理を行わせた後メインルーチンに戻る。
【0057】
図6に示したアルゴリズムによる場合には、ステップ1、3及び4によりそれぞれ、第1の充電禁止条件判定手段、第2の充電禁止条件判定手段42及び充電停止条件判定手段43が構成され、これらの判定手段により成立の有無が判定される第1の充電禁止条件、第2の充電禁止条件、及び充電停止条件のいずれかが成立しているときに通電制御用スイッチ21への駆動信号の供給が停止される。
【0058】
通電制御用スイッチ21に駆動信号が与えられないときには、通電制御用スイッチ21がオフ状態になって、主バッテリ5と補助バッテリ6との間を切り離すため、補助バッテリ6の充電は行われず、もっぱら主バッテリ5の充電のみが行われる。
【0059】
また図6のステップ5ないし7によりそれぞれ、第1の充電許可条件判定手段31、第2の充電許可条件判定手段32及び充電開始条件判定手段33が構成され、これらの判定手段により成立の有無が判定される第1の充電許可条件、第2の充電許可条件及び充電開始条件のすべてが成立しているときに、通電制御用スイッチ21に駆動信号が与えられる。
【0060】
通電制御用スイッチ21に駆動信号が与えられると、通電制御用スイッチ21がオン状態になって主バッテリ5と補助バッテリ6との間を接続するため、主バッテリ5側の回路から補助バッテリ6に充電電流が供給され、主バッテリ5とともに補助バッテリ6が充電される。
【0061】
補助バッテリの充電が完了すると、図6のステップ3において第2の充電禁止条件が成立したと判定されるため、通電制御用スイッチ21への駆動信号の供給が停止され、補助バッテリの充電が停止させられる。
【0062】
なおマイクロコンピュータが実行するプログラムのメインルーチンのアルゴリズムについては特に示してないが、メインルーチンでは、電源投入時のマイクロコンピュータの各部の初期化を行う外、主バッテリ電圧、補助バッテリ電圧及び回転速度のサンプリング、計時手段による各規定時間の計測など、図6に示したルーチンでは行われない各種の処理が行われる。
【0063】
上記のように、機関の回転速度Nの情報を取り込んで、回転速度が発電機から主バッテリ5及び補助バッテリ6の双方を充電するに足る出力を発生させるために必要な値以上になっていることが確認され、主バッテリ電圧Vbmが所定値以上ある場合にのみ補助バッテリ6の充電を行わせるように構成すると、機関が停止しているときや、機関の回転速度が低く、発電機1の出力が不足しているとき、或いは主バッテリ5が未だ十分に充電されていないときには、補助バッテリ6を充電しないようにすることができるため、主バッテリ5が消耗するのを防ぐことができる。
【0064】
図1に示すように、通電制御用スイッチ21と、主バッテリ電圧検出回路22と、補助バッテリ電圧検出回路23と、回転速度信号検出回路26と、主バッテリ電圧、補助バッテリ電圧及び機関の回転速度に基づいて通電制御用スイッチへの駆動信号の供給を制御する制御部を構成するマイクロコンピュータ24と該マイクロコンピュータに電源電圧を与える電源回路27とを一つにまとめてユニット化すると、このユニットを主バッテリと補助バッテリとの間に接続するだけで本発明を実施できるので、内燃機関により駆動される発電機により充電される主バッテリと補助バッテリとを備えた既存の内燃機関駆動システムにも容易に本発明を適用することができる。
【0065】
上記の実施形態では、通電制御用スイッチに駆動信号を与えるための条件を判定する手段として、第1の充電許可条件判定手段31、第2の充電許可条件判定手段32、充電開始条件判定手段33の3つの判定手段を設け、通電制御用スイッチへの充電指令号の供給を停止するための条件を判定する手段として、第1の充電禁止条件判定手段、第2の充電禁止条件判定手段42及び充電停止条件判定手段43の3つの判定手段を設けたが、通電制御用スイッチ21への駆動信号の供給を制御するための条件として、更に他の条件を加えることができる。
【0066】
図3は、本発明の他の実施形態を示したもので、この実施形態では、通電制御用スイッチに駆動信号を与えるための条件を判定する手段として、図2に示した判定手段31ないし33に加えて、更に第3の充電許可条件判定手段34を設けて、通電制御用スイッチ21をオン状態にして補助バッテリを充電している状態で、補助バッテリ側の負荷の増大などにより主バッテリ電圧が低下したときに、一旦通電制御用スイッチ21をオフ状態にして補助バッテリを切り離した後、主バッテリ電圧が回復しても、回転速度Nが設定値以上に上昇するまでの間は、通電制御用スイッチ21をオン状態にしないようにしている。
【0067】
第3の充電許可条件判定手段34は、第1の充電禁止条件判定手段41により、主バッテリ電圧が規定電圧Vci以下を規定時間Tciの間継続したと判定されたときに、回転速度Nが設定値Ns以上に上昇したか否かを判定して、回転速度が設定値Ns以上に上昇したことが検出されたときに第3の充電許可条件を成立させるように構成される。
【0068】
上記のように、第3の充電許可条件判定手段34を設ける場合には、図6に示したルーチンに加えて、更に図7に示すルーチンを実行させる。即ち、第3の充電許可条件判定手段34を設ける場合には、図6のルーチンのステップ1において、主バッテリ電圧が充電禁止条件判定用規定電圧Vci以下の状態を充電禁止条件判定用規定時間Tciの間継続したと判定されたときにフラグをセットするようにしておく。そして、このフラグがセットされている場合には、図6のステップ2で通電制御用スイッチ21への駆動信号の供給を停止させた後、図7に示すルーチンを実行させる。
【0069】
図7に示したルーチンは、上記フラグがセットされているときにのみ実行されるもので、その構成は、図6に示したルーチンのステップ7とステップ8との間に、回転速度Nが設定値Ns以上に上昇したか否かを判定するステップ9を挿入した点を除き、図6のルーチンの構成と同様である。
【0070】
即ち、本実施形態では、図6のルーチンのステップ1において、主バッテリ電圧が充電禁止条件判定用規定電圧Vci以下の状態を充電禁止条件判定用規定時間Tciの間継続したと判定されたときにフラグをセットする過程(図示せず。)を行い、ステップ2で通電制御用スイッチ21への駆動信号の供給を停止させた後、図7のルーチンを実行させる。そして、図7のルーチンのステップ5ないし7で3つの接続条件(補助バッテリを接続するための条件)が成立する場合でも、同図のステップ9で、回転速度Nが設定値Ns以上に上昇したと判定されないときには、通電制御用スイッチ21への駆動信号の供給を行わないようにし、同図のステップ9で、回転速度Nが設定値Ns以上に上昇したと判定されたときに、上記フラグを解除するとともに、ステップ8に進んで充電指令を発生させる通電制御用スイッチ21に駆動信号を与えるようにする。
【0071】
図6及び図7のルーチンを実行させて上記のような制御動作を行わせる場合には、図6及び図7のそれぞれのステップ1、3及び4により第1の充電禁止条件判定手段、第2の充電禁止条件判定手段42及び充電停止条件判定手段43が構成され、図6及び図7のそれぞれのステップ5ないし7により第1の充電許可条件判定手段31、第2の充電許可条件判定手段32及び充電開始条件判定手段33が構成される。また図7のステップ9により、第1の充電禁止条件判定手段41により、主バッテリ電圧が規定電圧Vci以下を規定時間Tciの間継続したと判定されたときに、回転速度Nが設定値Ns以上に上昇したか否かを判定して、回転速度が設定値Ns以上に上昇したことが検出されたときに第3の充電許可条件を成立させる第3の充電許可条件判定手段34が構成される。
【0072】
上記のように、第3の充電許可条件判定手段34を加えて、主バッテリ電圧が低下したときに、一旦通電制御用スイッチをオフ状態にして補助バッテリを切り離し、その後主バッテリ電圧が回復して、図6のステップ5ないし7及び図7のステップ5ないし7で接続条件が成立する状態になっても、回転速度が設定値Ns以上になるまでの間は通電制御用スイッチ21をオン状態にしないようにすると、回転速度の設定値Nsを適当な値に設定しておくことにより、負荷の増大時に通電制御用スイッチが頻繁にオンオフを繰り返すといった、不安定な状態が生じるのを防ぐことができる。
【0073】
なお回転速度の設定値Nsは、複数種類用意しておいて、図7のルーチンのステップ9で回転速度が設定値Ns以上に上昇したと判定されて通電制御用スイッチがオン状態にされた後、すぐに図6のルーチンのステップ1で主バッテリ電圧が規定電圧Vci以下になる状態が生じたときに、回転速度の設定値Nsの値を前回よりも大きな値に切り換えるようにするのが好ましい。
【0074】
また、図4に示すように、図2に示した構成に加えて、更に第3の充電禁止条件判定手段44と第4の充電禁止条件判定手段45とを設けることもできる。ここで、第3の充電禁止条件判定手段44は、補助バッテリ電圧が許容下限値未満になったときに第3の充電禁止条件を成立させるように構成される。また第4の充電禁止条件判定手段45は、補助バッテリ6が逆接続されているときに第4の充電禁止条件を成立させるように構成され、第1ないし第4の充電禁止条件のいずれかが成立しているとき、または充電停止条件が成立しているときに、通電制御用スイッチ21への駆動信号の供給が停止させられる。
【0075】
図4に示すように制御部を構成する場合にマイクロコンピュータに実行させるプログラムのアルゴリズムを示すフローチャートを図8に示した。即ち、図2の構成に加えて更に第3の充電禁止条件判定手段44と第4の充電禁止条件判定手段45とを設ける場合には、図6に示したフローチャートのステップ1の前に、補助バッテリが正常な向きに接続されていて、その端子電圧が許容下限値Vmin以上であるか否かを判定するステップ10を挿入する。ここで、補助バッテリ電圧の許容下限値Vminは、補助バッテリを充電により回復させることが可能な電圧範囲の下限値または該下限値よりも僅かに大きい値に設定される。
【0076】
補助バッテリが誤って逆向きに接続されているときには、図8のステップ10において、補助バッテリの向きが正常でないと判定され、ステップ2に移行するため、通電制御用スイッチへの駆動信号の供給が停止され、補助バッテリ6への充電電流の供給が停止される。また補助バッテリの消耗が激しく、充電しても回復しない状態にあるときには、ステップ10において、補助バッテリ電圧Vbaが許容下限値Vmin以上でないと判定され、同じくステップ2に移行して、通電制御用スイッチへの駆動信号の供給が停止されるため、補助バッテリへの充電電流の供給が停止される。
【0077】
上記のように、補助バッテリ電圧が許容限度以下に低下しているとき、または補助バッテリが逆接続されているときに通電制御用スイッチへの駆動信号の供給を停止させるようにすると、補助バッテリ6が誤って逆接続されたときや、補助バッテリ6が著しく消耗していて充電が不可能な状態にあるときに、主バッテリ5から補助バッテリ6に過大な電流が流れて主バッテリが消耗するのを防ぐことができる。
【0078】
上記の各実施形態のように、充電許可条件判定用規定時間Tcp、発電出力充足状態判定用規定時間Tg1、発電出力不足状態判定用規定時間Tg2、充電開始条件判定用規定時間Tcs、充電禁止条件判定用規定時間Tci、及び補助バッテリ充電完了判定用規定時間Tbfを定めて、主バッテリ電圧や補助バッテリ電圧が規定電圧以下になったり、規定電圧以上になったりする状態、或いは回転速度が規定速度以下になったり以上になったりする状態がそれぞれ規定時間の間継続したときに所定の条件が成立したと判定するようにすると、各条件が瞬時的に成立したときに直ちに制御動作が行われて、通電制御用スイッチがオンオフを繰り返す状態(ハンチング状態)が生じるのを防ぐことができるため、動作を安定にすることができる。特に通電制御用スイッチとしてリレーを用いる場合に、ハンチング現象が生じると、リレーのバネが損傷したり、放電により接点が摩耗したりするため、上記のように所定の状態が規定時間の間継続したときに所定の条件を成立させるようにすることが有用である。
【0079】
また、通電制御用スイッチをオフ状態にする(補助バッテリの接続を解除する)ための条件(接続解除条件)の成立の有無を判定する際に、充電禁止条件判定用規定時間Tci、補助バッテリ充電完了判定用規定時間Tbf及び発電出力不足状態判定用規定時間Tg2を設定して、これらの規定時間の間所定の状態が継続したときに接続解除条件を成立させるようにしておくと、主バッテリが多少消耗していて、接続解除条件が頻繁に成立する状態であっても、少なくとも規定時間の間は補助バッテリを充電することができるため、上記各規定時間を適当な長さに(多少長めに)設定しておくことにより、補助バッテリを時間をかけて充電することができる。
【0080】
更に、上記のように、主バッテリ電圧が充電許可条件判定用規定電圧に達したときに、直ちに補助バッテリの充電を許可するのではなく、主バッテリ電圧が充電許可条件判定用規定電圧に達してから規定時間が経過してから補助バッテリの充電を許可するようにしておくと、主バッテリ電圧が充電許可条件判定用規定電圧に達した後もしばらくの間は主バッテリの充電を集中的に行わせることができるため、主バッテリの充電不足が生じるのを確実に防ぐことができる。
【0081】
上記の説明では、図1に示した駆動信号により通電制御用スイッチ内に設けたスイッチ回路をオンオフして、補助バッテリに供給される充電電流をオンオフさせるとしたが、補助バッテリに供給される充電電流の大きさを制御することが必要な場合には、駆動信号としてPWM変調された信号を用いて、通電制御用スイッチを構成するスイッチをPWM制御することにより、補助バッテリ充電時に該補助バッテリに供給される充電電流の平均値を制御するようにすることができる。
【0082】
上記の各実施形態では、機関の所定のクランク角位置でパルス信号を発生するパルサを設けて、このパルサの出力から機関の回転速度の情報を得ているが、パルサ以外の他の信号源から回転速度の情報を得るようにすることもできる。例えば、内燃機関の点火時に内燃機関用点火装置の点火コイルの一次コイルに誘起するパルス電圧を検出することにより機関の回転速度情報を得たり、発電機1の出力周波数から機関の回転速度情報を得たりすることもできる。
【0083】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、機関の回転速度の情報を取り込んで、回転速度が発電機から主バッテリ及び補助バッテリの双方を充電するに足る出力を発生させるために必要な値以上になっていることが確認され、主バッテリ電圧が所定値以上ある場合にのみ補助バッテリの充電を行わせるようにしたので、機関が停止しているときや、機関の回転速度が低く、発電機の出力が不足しているとき、或いは主バッテリが未だ十分に充電されていないときに、補助バッテリを充電しないようにして、主バッテリが消耗するのを防ぐことができる。
【0084】
また、補助バッテリ電圧を監視して、補助バッテリの充電が必要なときにのみ通電制御用スイッチに駆動信号を与えて、補助バッテリの充電を行わせるようにしたので、補助バッテリに無用の充電電流が供給されて、主バッテリの充電電流が不足する状態が生じるのを防ぐことができる。
【0085】
更に本発明において、主バッテリ電圧が充電許可条件判定用規定電圧に達したときに、直ちに補助バッテリの充電を許可するのではなく、主バッテリ電圧が充電許可条件判定用規定電圧に達してから規定時間が経過してから補助バッテリの充電を許可するようにした場合には、主バッテリ電圧が充電許可条件判定用規定電圧に達した後もしばらくの間は主バッテリの充電を集中的に行わせて、主バッテリの充電不足が生じるのを確実に防ぐことができる。
【0086】
また本発明において、補助バッテリの接続の向きと補助バッテリ電圧とを監視して、補助バッテリの接続の向きが逆であるとき及び補助バッテリ電圧が許容下限値を下回っているときに通電制御用スイッチに駆動信号が与えられないようにした場合には、補助バッテリが逆向きに接続されているとき及び補助バッテリが回復不能なほどに消耗しているときに補助バッテリに過大な充電電流が流れて主バッテリが消耗するのを防ぐことができる。
【0087】
更に本発明において、第3の充電許可条件判定手段を設けて、主バッテリ電圧が低下したときに、一旦通電制御用スイッチをオフ状態にして補助バッテリを切り離し、その後主バッテリ電圧が回復しても、回転速度が設定値以上になるまでの間は通電制御用スイッチをオン状態にしないようにした場合には、回転速度の設定値を適当な値に設定しておくことにより、負荷の増大時に通電制御用スイッチが頻繁にオンオフを繰り返してハンチング現象が生じるのを防ぐことができ、動作の安定化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わるバッテリ充電制御装置のハードウェアの構成を示した回路図である。
【図2】図1の充電制御装置で用いる制御部の構成例を示した機能ブロック図である。
【図3】図1の充電制御装置で用いる制御部の他の構成例を示した機能ブロック図である。
【図4】図1の充電制御装置で用いる制御部の更に他の構成例を示した機能ブロック図である。
【図5】図6ないし図8に示すフローチャートで用いる符号をまとめて示した図表である。
【図6】図2の機能ブロック図の各機能実現手段を実現するためにマイクロコンピュータに実行させるプログラムのアルゴリズムの一例を示したフローチャートである。
【図7】図3の機能ブロック図の各機能実現手段を実現するために図6に示したルーチンとともにマイクロコンピュータに実行させる他のルーチンのアルゴリズムの一例を示したフローチャートである。
【図8】図4の機能ブロック図の各機能実現手段を実現するためにマイクロコンピュータに実行させるプログラムのアルゴリズムの一例を示したフローチャートである。
【図9】従来のバッテリ充電制御装置を示した回路図である。
【図10】従来の他のバッテリ充電制御装置を示した回路図である。
【符号の説明】
1…交流発電機、2…整流電源回路、5…主バッテリ、6…補助バッテリ、7…補助バッテリの負荷、20…バッテリ充電制御装置、21…通電制御用スイッチ、22…主バッテリ電圧検出回路、23…補助バッテリ電圧検出回路、24…マイクロコンピュータ、26…回転速度信号検出回路。
Claims (6)
- 内燃機関により駆動される交流発電機の整流出力で充電される主バッテリと、補助バッテリとの間に設けられて、前記補助バッテリの充電を制御するバッテリ充電制御装置において、
前記主バッテリと補助バッテリとの間に介在するように設けられて駆動信号が与えられたときにオン状態になって前記主バッテリ側から前記補助バッテリに充電電流を供給する通電制御用スイッチと、前記主バッテリの両端の電圧を検出する主バッテリ電圧検出回路と、前記補助バッテリの両端の電圧を検出する補助バッテリ電圧検出回路と、前記内燃機関の回転速度を検出する回転速度検出部と、前記主バッテリ電圧検出回路により検出された主バッテリ電圧と前記補助バッテリ電圧検出回路により検出された補助バッテリ電圧と前記回転速度検出部により検出された回転速度とに応じて前記通電制御用スイッチへの前記駆動信号の供給を制御する制御部とを備え、
前記制御部は、前記主バッテリ電圧が前記補助バッテリの充電を許可し得る値になっていることが確認されるとともに、前記内燃機関の回転速度が前記発電機から前記主バッテリ及び補助バッテリの双方を充電するに足る出力を発生させるために必要な値以上になっていることが確認され、かつ前記補助バッテリ電圧が充電を必要とする状態にあるときにのみ前記通電制御用スイッチに駆動信号を供給するように構成されていること、
を特徴とするバッテリ充電制御装置。 - 内燃機関により駆動される交流発電機の整流出力で充電される主バッテリと、補助バッテリとの間に設けられて、前記補助バッテリの充電を制御するバッテリ充電制御装置において、
前記主バッテリと補助バッテリとの間に介在するように設けられて駆動信号が与えられたときにオン状態になって前記主バッテリ側から前記補助バッテリに充電電流を供給する通電制御用スイッチと、前記主バッテリの両端の電圧を検出する主バッテリ電圧検出回路と、前記補助バッテリの両端の電圧を検出する補助バッテリ電圧検出回路と、前記内燃機関の回転速度を検出する回転速度検出部と、前記主バッテリ電圧検出回路により検出された主バッテリ電圧と前記補助バッテリ電圧検出回路により検出された補助バッテリ電圧と前記回転速度検出部により検出された回転速度とに応じて前記通電制御用スイッチへの前記駆動信号の供給を制御する制御部とを備え、
前記制御部は、前記主バッテリ電圧が前記補助バッテリの充電を許可し得る値になっている状態が設定された充電許可条件判定用規定時間の間継続し、前記回転速度が前記発電機から前記主バッテリ及び補助バッテリの双方を充電するに足る出力を発生させるために必要な値以上になっている状態が設定された発電出力充足状態判定用規定時間の間継続し、かつ前記補助バッテリ電圧が該補助バッテリの充電を必要とする電圧以下になっている状態が設定された充電開始条件判定用規定時間の間継続したときに前記通電制御用スイッチに前記駆動信号を与え、前記主バッテリ電圧が前記補助バッテリの充電を禁止する必要がある値まで低下している状態が設定された充電禁止条件判定用規定時間の間継続したとき、または前記回転速度が前記発電機の出力を不足させる値まで低下している状態が設定された発電出力不足判定用規定時間の間継続したとき、または前記補助バッテリ電圧が充電の完了を示す値以上になっている状態が設定された充電完了判定用規定時間の間継続したときに前記通電制御用スイッチへの前記駆動信号の供給を停止させるように構成されていること、
を特徴とするバッテリ充電制御装置。 - 内燃機関により駆動される交流発電機の整流出力で充電される主バッテリと、補助バッテリとの間に設けられて、前記補助バッテリの充電を制御するバッテリ充電制御装置において、
前記主バッテリと補助バッテリとの間に介在するように設けられて駆動信号が与えられたときにオン状態になって前記主バッテリ側から前記補助バッテリに充電電流を供給する通電制御用スイッチと、前記主バッテリの両端の電圧を検出する主バッテリ電圧検出回路と、前記補助バッテリの両端の電圧を検出する補助バッテリ電圧検出回路と、前記内燃機関の回転速度を検出する回転速度検出部と、前記主バッテリ電圧検出回路により検出された主バッテリ電圧と前記補助バッテリ電圧検出回路により検出された補助バッテリ電圧と前記回転速度検出部により検出された回転速度とに応じて前記通電制御用スイッチへの前記駆動信号の供給を制御する制御部とを備え、
前記制御部は、前記主バッテリ電圧が前記補助バッテリの充電を許可し得る値になっている状態が設定された充電許可条件判定用規定時間の間継続し、前記回転速度が前記発電機から前記主バッテリ及び補助バッテリ双方の充電を可能にする出力を発生させるために必要な値以上になっている状態が設定された発電出力充足状態判定用規定時間の間継続し、かつ前記補助バッテリ電圧が該補助バッテリの充電を必要とする電圧以下になっている状態が設定された充電開始条件判定用規定時間の間継続したときに前記通電制御用スイッチに前記駆動信号を与え、前記補助バッテリ電圧が許容限度以下に低下しているとき、または前記補助バッテリが逆接続されているとき、または前記主バッテリ電圧が前記補助バッテリの充電を禁止する必要がある値まで低下している状態が設定された充電禁止条件判定用規定時間の間継続したとき、または前記回転速度が前記発電機の出力を不足させる値まで低下している状態が設定された発電出力不足判定用規定時間の間継続したとき、または前記補助バッテリ電圧が充電の完了を示す値以上になっている状態が設定された充電完了判定用規定時間の間継続したときに前記通電制御用スイッチへの前記駆動信号の供給を停止させるように構成されていること、
を特徴とするバッテリ充電制御装置。 - 内燃機関により駆動される交流発電機の整流出力で充電される主バッテリと、補助バッテリとの間に設けられて、前記補助バッテリの充電を制御するバッテリ充電制御装置において、
前記主バッテリと補助バッテリとの間に介在するように設けられて駆動信号が与えられたときにオン状態になって前記主バッテリ側から前記補助バッテリに充電電流を供給する通電制御用スイッチと、前記主バッテリの両端の電圧を検出する主バッテリ電圧検出回路と、前記補助バッテリの両端の電圧を検出する補助バッテリ電圧検出回路と、前記内燃機関の回転速度を検出する回転速度検出部と、前記主バッテリ電圧検出回路により検出された主バッテリ電圧と前記補助バッテリ電圧検出回路により検出された補助バッテリ電圧と前記回転速度検出部により検出された回転速度とに応じて前記通電制御用スイッチへの前記駆動信号の供給を制御する制御部とを備え、
前記制御部は、前記主バッテリ電圧が前記補助バッテリの充電を許可し得る値になっているか否かを判定するための基準を与える充電許可条件判定用規定電圧以上になっている状態が設定された充電許可条件判定用規定時間の間継続したときに第1の充電許可条件を成立させる第1の充電許可条件判定手段と、前記回転速度が前記発電機から主バッテリ及び補助バッテリの充電を可能にする出力を発生させるために必要な値に達しているか否かの判定基準を与える発電出力充足状態判定用規定速度以上になっている状態が設定された発電出力充足状態判定用規定時間の間継続したときに第2の充電許可条件を成立させる第2の充電許可条件判定手段と、前記補助バッテリ電圧が該補助バッテリの充電を必要とするか否かの判定基準を与える充電開始条件判定用規定電圧以下になっている状態が設定された充電開始条件判定用規定時間の間継続したときに充電開始条件を成立させる充電開始条件判定手段と、前記主バッテリ電圧が前記補助バッテリの充電を禁止する必要がある値まで低下したか否かの判定基準を与える充電禁止条件判定用規定電圧値以下になっている状態が設定された充電禁止条件判定用規定時間の間継続したときに第1の充電禁止条件を成立させる第1の充電禁止条件判定手段と、前記回転速度が前記発電機の出力を不足させる状態にあるか否かの判定基準を与える発電出力不足状態判定用規定速度以下になっている状態が発電出力不足状態判定用規定時間の間継続したときに第2の充電禁止条件を成立させる第2の充電禁止条件判定手段と、前記補助バッテリ電圧が充電の完了を判定するための基準を与える補助バッテリ充電完了判定用規定電圧以上になっている状態が設定された充電停止条件判定用規定時間の間継続したときに充電停止条件を成立させる充電停止条件判定手段とを備えて、前記第1及び第2の充電許可条件と前記充電開始条件とのすべてが成立しているときに前記通電制御用スイッチに前記駆動信号を与え、前記第1の充電禁止条件、第2の充電禁止条件及び充電停止条件の内のいずれか1つが成立したときに前記通電制御用スイッチへの駆動信号の供給を停止するように構成されていること、
を特徴とするバッテリ充電制御装置。 - 内燃機関により駆動される交流発電機の整流出力で充電される主バッテリと、補助バッテリとの間に設けられて、前記補助バッテリの充電を制御するバッテリ充電制御装置において、
前記主バッテリと補助バッテリとの間に介在するように設けられて駆動信号が与えられたときにオン状態になって前記主バッテリ側から前記補助バッテリに充電電流を供給する通電制御用スイッチと、前記主バッテリの両端の電圧を検出する主バッテリ電圧検出回路と、前記補助バッテリの両端の電圧を検出する補助バッテリ電圧検出回路と、前記内燃機関の回転速度を検出する回転速度検出部と、前記主バッテリ電圧検出回路により検出された主バッテリ電圧と前記補助バッテリ電圧検出回路により検出された補助バッテリ電圧と前記回転速度検出部により検出された回転速度とに応じて前記通電制御用スイッチへの前記駆動信号の供給を制御する制御部とを備え、
前記制御部は、前記主バッテリ電圧が前記補助バッテリの充電を禁止する必要がある値まで低下したか否かの判定基準を与える充電禁止条件判定用規定電圧値以下になっている状態が設定された充電禁止条件判定用規定時間の間継続したときに第1の充電禁止条件を成立させる第1の充電禁止条件判定手段と、前記回転速度が前記発電機の出力を不足させる状態にあるか否かの判定基準を与える発電出力不足状態判定用規定速度以下になっている状態が発電出力不足状態判定用規定時間の間継続したときに第2の充電禁止条件を成立させる第2の充電禁止条件判定手段と、前記補助バッテリ電圧が充電の完了を判定するための基準を与える補助バッテリ充電完了判定用規定電圧以上になっている状態が設定された充電停止条件判定用規定時間の間継続したときに充電停止条件を成立させる充電停止条件判定手段と、前記主バッテリ電圧が前記補助バッテリの充電を許可し得る値になっているか否かを判定するための基準を与える充電許可条件判定用規定電圧以上になっている状態が設定された充電許可条件判定用規定時間の間継続したときに第1の充電許可条件を成立させる第1の充電許可条件判定手段と、前記回転速度が前記発電機から主バッテリ及び補助バッテリ双方の充電を可能にする出力を発生させるために必要な値に達しているか否かの判定基準を与える発電出力充足状態判定用規定速度以上になっている状態が設定された発電出力充足状態判定用規定時間の間継続したときに第2の充電許可条件を成立させる第2の充電許可条件判定手段と、前記第1の充電禁止条件判定手段により、前記主バッテリ電圧が充電禁止条件判定用規定電圧値以下になっている状態が設定された充電禁止条件判定用規定時間の間継続したと判定されたときに、前記回転速度が設定値以上に上昇したか否かを判定して、回転速度が設定値以上に上昇したことが検出されたときに第3の充電許可条件を成立させる第3の充電許可条件判定手段と、前記補助バッテリ電圧が該補助バッテリの充電を必要とするか否かの判定基準を与える充電開始条件判定用規定電圧以下になっている状態が設定された充電開始条件判定用規定時間の間継続したときに充電開始条件を成立させる充電開始条件判定手段とを備えて、前記第1ないし第3の充電許可条件と前記充電開始条件とのすべてが成立しているときに前記通電制御用スイッチに前記駆動信号を与え、前記第1の充電禁止条件、第2の充電禁止条件及び充電停止条件の内のいずれか1つが成立したときに前記通電制御用スイッチへの駆動信号の供給を停止するように構成されていること、
を特徴とするバッテリ充電制御装置。 - 内燃機関により駆動される交流発電機の整流出力で充電される主バッテリと、補助バッテリとの間に設けられて、前記補助バッテリの充電を制御するバッテリ充電制御装置において、
前記主バッテリと補助バッテリとの間に介在するように設けられて駆動信号が与えられたときにオン状態になって前記主バッテリ側から前記補助バッテリに充電電流を供給する通電制御用スイッチと、前記主バッテリの両端の電圧を検出する主バッテリ電圧検出回路と、前記補助バッテリの両端の電圧を検出する補助バッテリ電圧検出回路と、前記内燃機関の回転速度を検出する回転速度検出部と、前記主バッテリ電圧検出回路により検出された主バッテリ電圧と前記補助バッテリ電圧検出回路により検出された補助バッテリ電圧と前記回転速度検出部により検出された回転速度とに応じて前記通電制御用スイッチへの前記駆動信号の供給を制御する制御部とを備え、
前記制御部は、前記主バッテリ電圧が前記補助バッテリの充電を禁止する必要がある値まで低下したか否かの判定基準を与える充電禁止条件判定用規定電圧値以下になっている状態が設定された充電禁止条件判定用規定時間の間継続したときに第1の充電禁止条件を成立させる第1の充電禁止条件判定手段と、前記回転速度が前記発電機の出力を不足させる状態にあるか否かの判定基準を与える発電出力不足状態判定用規定速度以下になっている状態が発電出力不足状態判定用規定時間の間継続したときに第2の充電禁止条件を成立させる第2の充電禁止条件判定手段と、前記補助バッテリ電圧が許容下限値未満になったときに第3の充電禁止条件を成立させる第3の充電禁止条件判定手段と、前記補助バッテリが逆接続されているときに第4の充電禁止条件を成立させる第4の充電禁止条件判定手段と、前記補助バッテリ電圧が充電の完了を判定するための基準を与える補助バッテリ充電完了判定用規定電圧以上になっている状態が設定された充電停止条件判定用規定時間の間継続したときに充電停止条件を成立させる充電停止条件判定手段と、前記主バッテリ電圧が前記補助バッテリの充電を許可し得る値になっているか否かを判定するための基準を与える充電許可条件判定用規定電圧以上になっている状態が設定された充電許可条件判定用規定時間の間継続したときに第1の充電許可条件を成立させる第1の充電許可条件判定手段と、前記回転速度が前記発電機から主バッテリ及び補助バッテリ双方の充電を可能にする出力を発生させるために必要な値に達しているか否かの判定基準を与える発電出力充足状態判定用規定速度以上になっている状態が設定された発電出力充足状態判定用規定時間の間継続したときに第2の充電許可条件を成立させる第2の充電許可条件判定手段と、前記補助バッテリ電圧が該補助バッテリの充電を必要とするか否かの判定基準を与える充電開始条件判定用規定電圧以下になっている状態が設定された充電開始条件判定用規定時間の間継続したときに充電開始条件を成立させる充電開始条件判定手段とを備えて、前記第1及び第2の充電許可条件と前記充電開始条件とのすべてが成立しているときに前記通電制御用スイッチに前記駆動信号を与え、前記第1の充電禁止条件、第2の充電禁止条件、第3の充電禁止条件、第4の充電禁止条件及び前記充電停止条件の内のいずれか1つが成立したときに前記通電制御用スイッチへの前記駆動信号の供給を停止するように構成されていること、
を特徴とするバッテリ充電制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003036052A JP2004248416A (ja) | 2003-02-14 | 2003-02-14 | バッテリ充電制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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- 2003-02-14 JP JP2003036052A patent/JP2004248416A/ja active Pending
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