JP2004247935A - フィルタ切換回路及び半導体集積回路装置 - Google Patents

フィルタ切換回路及び半導体集積回路装置 Download PDF

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Nagayoshi Dobashi
永祥 土橋
Haruo Shimada
晴夫 島田
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Abstract

【課題】本発明の課題は、回路素子数を少なくし、かつ低コスト化が可能となるフィルタ切換回路及び半導体集積回路装置を提供することである。
【解決手段】上記課題は、通過帯域の異なる低域通過手段(R11、R12、C11〜C14)と、入力信号に応じて前記低域通過手段(R11、R12、C11〜C14)を切換えるスイッチング制御手段(SW10)とを備えてなるフィルタ切換回路(LPF11)であって、前記低域通過手段(R11、R12、C11〜C14)内に前記スイッチング制御手段(SW10)を備えることを特徴とするフィルタ切換回路(LPF11)にて解決される。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、フィルタ切換回路及び半導体集積回路装置に係り、詳しくは、映像信号出力に応じて通過させるローパスフィルタを切換えるフィルタ切換回路及び半導体集積回路装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
最近のDVDプレーヤーなどでは、テレビ放送に用いられるインターレース出力と、インターレース方式の2倍の情報量を出力するプログレッシブ出力が映像出力として装備されている。インターレース方式とプログレッシブ方式とでは、信号帯域が異なっているため、上記DVDプレーヤーでは、2つの異なる帯域をもつローパスフィルタ(以下、LPFと略記)を映像信号に応じて切換えるためのフィルタ切換回路が備えられている。
【0003】
このフィルタ切換回路は、例えば、図6に示すように構成されている。図6は、従来のフィルタ切換回路例を示す図である。従来のフィルタ切換え回路は、RCと増幅素子(オペアンプ)で構成される2次形式のVCVS(VCVSとはvoltage Controlled Voltage Sourceの略で、電圧ソース型フィルタとも呼ばれている)型低域通過フィルタ回路(=VCVS型2次LPF)を2つ備え(図面上の点線部)、信号帯域の異なるインターレース方式(例:LPF1)とプログレッシブ方式(例:LPF2)を通過させるものとなっている。
【0004】
上記LPF1は、抵抗R1、R2と、C1、C2とオペアンプ1(amp1)から構成され、LPF2は、抵抗R3、R4と、C3、C4とオペアンプ3(amp3)から構成される。例えば、上記のDVDプレーヤーの場合、LPF1で27MHz成分を減衰させ(カットオフ周波数=7MHz)、LPF2で54MHz成分を減衰させる(カットオフ周波数=14MHz)ようになっている。
【0005】
また、上記LPF1、LPF2の外部には、オペアンプ2(amp2)、オペアンプ4(amp4)が接続され、このオペアンプに供給される電源VccをSW回路(以下、SWと略記)1、SW2によりオン/オフ制御することで、通過させたいLPFを切換えることが可能となっている。上記SW1、SW2は、オン/オフ制御のための制御信号であるCTRL1、CTRL2によってオン/オフ制御がなされる。Vin1から入力された信号は、CTRL1またはCTRL2によって選択されたLPFを通過した後、Voutから出力される。
【0006】
ここで、上記LPF1、2は、抵抗とコンデンサからなるLPFであるため、カットオフ周波数fは次式(1)によって求められる。
【0007】
=1/(2πCR) ・・・(1)
本構成において、R=R1=R2としたとき、C=√(C1・C2)となる。ここで、LPF1のfとLPF2のfの関係を次式(2)のようにした場合、
0LPF1=2×f0LPF2 ・・・(2)
このときのR1〜R4及びC1〜C4の関係は以下のようになる。
【0008】
R1=R2=R3=R4のとき、C1=2×C3、C2=2×C4
C1=C3、C2=C4のとき、R1=R2=2×R3=2×R4
このように従来のフィルタ切換回路は、CTRL1をオンにすることによってLPF1を、CTRL2をオンにすることによってLPF2を選択する回路構成となっている。
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来のフィルタ切換回路では、LPF1、LPF2をそれぞれ構成しなければならないため、各LPF用の抵抗、コンデンサ、オペアンプが必要となり、回路規模が大きくなるという問題があった。
【0009】
また、上記SW1、2は、一般にCMOSにて構成される場合が多い。これは、CMOSで構成されるアナログSWがオンとなった時に、低抵抗でオン状態となる(低抵抗素子とみなすことができる)からである。しかし、上記アナログSW1、2をCMOSにて構成する場合、バイポーラとCMOS混在プロセスを用いなければならず、コスト増加を招いてしまう。
【0010】
本発明は、上記のような問題点に鑑みてなされたもので、その課題とするところは、回路素子数を少なくし、かつ低コスト化が可能となるフィルタ切換回路及び半導体集積回路装置を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明は、請求項1に記載されるように、通過帯域の異なる低域通過手段と、入力信号に応じて前記低域通過手段を切換えるスイッチング制御手段とを備えてなるフィルタ切換回路であって、前記低域通過手段内に前記スイッチング制御手段を備えることを特徴としている。
【0012】
また、本発明の請求項2は、前記フィルタ切換回路であって、前記スイッチング制御手段は、所定の制御信号に基づいて、前記低域通過手段を切換えるスイッチ回路を備えることを特徴としている。
【0013】
また、本発明の請求項3は、前記フィルタ切換回路であって、前記スイッチ回路は、バイポーラトランジスタで構成されることを特徴としている。
【0014】
また、本発明の請求項4は、前記フィルタ切換回路であって、前記バイポーラトランジスタのコレクタにディープN拡散層を形成することを特徴としている。
【0015】
また、本発明の請求項5は、請求項1乃至4いずれか記載のフィルタ切換回路を内蔵した半導体集積回路装置である。
【0016】
上記本発明によれば、帯域の異なるLPFの切換えにオン抵抗を低抵抗にしたバイポーラトランジスタを用いるため、回路素子数の低減が可能となり、より小さい回路規模でフィルタ切換回路を実現することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0018】
図1は、本発明のフィルタ切換回路の構成を示す回路構成図である。このフィルタ切換回路LPF11は、入力端子Vin11に続き、抵抗R11、R12、コンデンサC11〜C14からなる2次のLPFが接続される。また、このLPF11には、カットオフ付近の特性の肩が丸くなってしまうのを避けるためのバッファamp11が設けられ、C12、C13には、後述するアナログスイッチSW10が接続される。上記CTRL11は、制御信号によりオン/オフ制御される。このLPF11を通過した信号はVout11から出力される。
【0019】
上記のように構成されたフィルタ切換回路LPF11において、R=R11=R12とした場合、CTRL11によってSW10がオフにされれば、C=√(C11・C14)となり、CTRL11によってSW10がオンにされれば、C=√{(C11+C12)・(C13+C14)}となる。つまり、SW10がオフのときは、上記図6のR3、R4、C3、C4で構成されるLPF2となり、SW10がオンのときは、上記図6のR1、R2、C1、C2で構成されるLPF1となる。
【0020】
このように本実施形態によれば、1つのLPF回路内で2つのLPFを構成し、かつ切換えることができる。
【0021】
次に、上記SW10について説明する。
【0022】
上記SW10は、前述のようにCMOSにて構成される場合が多いが、本発明では、上記SW10をバイポーラトランジスタで構成する。上記SW10を、図2に示すような一般的なバイポーラトランジスタ(Q1、Q2をペアにしてアナログスイッチを構成)で構成した場合、スイッチオン時の抵抗成分としては、数百Ωとなる。スイッチオン時のオン抵抗が数百Ωとなると、RとCとで構成するLPFのfに影響を与えてしまい、所望のLPF特性が確保できない。
【0023】
そこで、本発明では、図3に示すようなバイポーラトランジスタのコレクタにディープN(dn 拡散層を形成する。図3は、このバイポーラトランジスタの要部断面構造を示している。図3の構造においては、ウエハ上にnpn型のバイポーラトランジスタを形成する際、バイポーラトランジスタのコレクタ(C)にディープN型拡散層を形成してベース(B)のp型半導体層とエミッタ(E)のn型半導体層の周囲を囲むようにする。これにより、コレクタ・エミッタ飽和電圧VCE(サチュレーション電圧)が下げられ、バイポーラトランジスタのオン抵抗を低抵抗(数十Ω程度)にすることができる。その結果、LPFのfに影響を与えない特性をもつことができる。
【0024】
したがって、複数のLPFを1つのLPF回路にて構成する本発明の図1の回路をバイポーラのプロセスを用いて開発・製造する際、上述のバイポーラトランジスタで構成されたSW10を用いれば、バイポーラプロセスのみでの製造が可能となり、製造コストを抑えることができる。
【0025】
さて、ここで、R1=R2=R3=R4=(R=11=R12)とし、上記式(2)のような関係にする場合、
C1=C11+C12、C2=C13+C14、C3=C11、C4=C14・・・(3)
とすればよい。
【0026】
上述したバイポーラトランジスタを用いて基板上にコンデンサを形成する場合は、シリコンとアルミ箔の対抗面を用いるため、容量値は対抗面積に比例する。このため、上記式(3)の関係は、図4のように構成することができる。例えば、LPF1のC1は、本実施形態のLPF11では、C11+C12とで形成されるため、チップ面積は従来と比して縮小される。このように本実施形態によれば、半導体にて本回路(図1)を実施する場合は、回路素子数が低減され、より小さい回路規模で半導体集積回路(IC)を製造することが可能となる。
【0027】
また、上記LPF11は、RとCとで構成されるものであれば、このような回路構成に限定されるものではない。例えば、図5に示すような1次のLPFであってもよいし、次数を2次以上に増やしてもよい。
【0028】
さらに、上記LPF11では、2次のLPFが2つ備えられ、それらがSW10によって切換えられる形態であったが、2次のLPFを2つ以上備えてもよいし、次数の異なるLPFの組み合わせても勿論よい。その場合、LPFの構成に応じて上記のようなSWを構成すればよい。
【0029】
上記例において、低域通過手段がLPF11に対応し、スイッチング制御手段がSW10に対応する。
【0030】
【発明の効果】
以上、説明したように、本願発明によれば、上記本発明によれば、帯域の異なるLPFの切換えにオン抵抗を低抵抗にしたバイポーラトランジスタを用いるため、回路素子数の低減が可能となり、より小さい回路規模でフィルタ切換回路を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のフィルタ切換回路の構成を示す回路構成図である。
【図2】図1に示すSWをバイポーラトランジスタで構成した場合の回路図である。
【図3】図2に示すバイポーラトランジスタの要部断面構造図である。
【図4】半導体にてコンデンサを形成した場合の上面図である。
【図5】本発明に係る実施例の変形例を示す図である。
【図6】従来のフィルタ切換回路例を示す図である。
【符号の説明】
R1、R2、R11、R12、R21 抵抗
C1、C2、C3、C4、C11、C12、C13、C14、C21、C22コンデンサ
amp1、amp2、amp3、amp4、amp11、amp21 オペアンプ
SW1、SW2、SW10 アナログスイッチ
Q1,Q2 バイポーラトランジスタ
LPF1、LPF2、LPF11、LPF21 ローパスフィルタ

Claims (5)

  1. 通過帯域の異なる低域通過手段と、入力信号に応じて前記低域通過手段を切換えるスイッチング制御手段とを備えてなるフィルタ切換回路であって、
    前記低域通過手段内に前記スイッチング制御手段を備えることを特徴とするフィルタ切換回路。
  2. 請求項1記載のフィルタ切換回路であって、
    前記スイッチング制御手段は、所定の制御信号に基づいて、前記低域通過手段を切換えるスイッチ回路を備えることを特徴とするフィルタ切換回路。
  3. 請求項2記載のフィルタ切換回路であって、
    前記スイッチ回路は、バイポーラトランジスタで構成されることを特徴とするフィルタ切換回路。
  4. 請求項3記載のフィルタ切換回路であって、
    前記バイポーラトランジスタのコレクタにディープN拡散層を形成することを特徴とするフィルタ切換回路。
  5. 請求項1乃至4いずれか記載のフィルタ切換回路を内蔵した半導体集積回路装置。
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JP2010133767A (ja) * 2008-12-03 2010-06-17 Epson Toyocom Corp 物理量検出装置

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