JP2004247630A - パッケージ基板 - Google Patents
パッケージ基板 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004247630A JP2004247630A JP2003037711A JP2003037711A JP2004247630A JP 2004247630 A JP2004247630 A JP 2004247630A JP 2003037711 A JP2003037711 A JP 2003037711A JP 2003037711 A JP2003037711 A JP 2003037711A JP 2004247630 A JP2004247630 A JP 2004247630A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- carbon fiber
- fiber reinforced
- reinforced resin
- package substrate
- plate
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Withdrawn
Links
Images
Landscapes
- Structure Of Printed Boards (AREA)
Abstract
【課題】微細加工に対応することが可能であり、半導体装置との熱膨張率の差により発生する応力が小さくて信頼性が高く、かつ低コスト化及び軽量化が可能なパッケージ基板を提供する。
【解決手段】ポリイミド樹脂により形成される回路基板10の上に、炭素繊維強化樹脂積層板18をソルダーレジスト19により接合する。回路基板10には、半導体装置20と接続される接続端子11cやパターン配線11a,11bが形成されている。また、炭素繊維強化樹脂積層板18は炭素繊維の方向を一方向にそろえた複数枚の炭素繊維強化樹脂シートを積層して形成されており、実装する半導体装置20に応じた開口部18aが設けられている。
【選択図】 図1
【解決手段】ポリイミド樹脂により形成される回路基板10の上に、炭素繊維強化樹脂積層板18をソルダーレジスト19により接合する。回路基板10には、半導体装置20と接続される接続端子11cやパターン配線11a,11bが形成されている。また、炭素繊維強化樹脂積層板18は炭素繊維の方向を一方向にそろえた複数枚の炭素繊維強化樹脂シートを積層して形成されており、実装する半導体装置20に応じた開口部18aが設けられている。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は半導体装置を直接実装するパッケージ基板に関し、特に微細化した半導体装置を実装するのに好適なパッケージ基板に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体装置を直接実装するパッケージ基板は、例えばICカードのように薄型化が要求される機器に使用されている(特開平9−3010169号公報)。この種のパッケージ基板では、製品の信頼性を確保するために、半導体装置とパッケージ基板との熱膨張率の差によって両者の間に生じる応力を小さくすることが必要である。一般的に半導体装置の熱膨張率は小さいので、パッケージ基板も熱膨張率が小さいガラス繊維強化樹脂等により形成されている。ガラス繊維強化樹脂では、樹脂により電気絶縁性を確保し、樹脂と複合化したガラス繊維により熱膨張率を小さくしている。
【0003】
パッケージ基板の表面には、半導体装置と接続される接続端子やパターン配線が形成されており、一方の面のパターン配線と他方の面のパターン配線とはスルーホールを介して電気的に接続されている。
【0004】
ところで、半導体装置の微細化に伴って、パッケージ基板に形成されるスルーホールの直径や配線の幅も微細化される傾向にある。しかし、ガラス繊維強化樹脂では、ガラス繊維の存在が微細加工を阻害するという問題点がある。
【0005】
そこで、パッケージ基板として、表面を絶縁性の樹脂で被覆したセラミック板が使用されるようになった。
【0006】
【特許文献1】
特開平9−3010169号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、セラミック板ではパッケージ基板の低コスト化及び軽量化が阻害されるという問題点がある。ガラス繊維強化樹脂の替わりに、熱膨張率が小さく、軽量かつ弾力性が高いという利点を備えた炭素繊維強化樹脂を使用することが考えられる。しかし、炭素繊維強化樹脂は導電性を有するため、ガラス繊維強化樹脂に替えてそのままパッケージ基板に使用することはできない。
【0008】
以上から、本発明の目的は、微細加工に対応することが可能であり、半導体装置との熱膨張率の差により発生する応力が小さくて信頼性が高く、かつ低コスト化及び軽量化が可能なパッケージ基板を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記した課題は、半導体装置を実装するパッケージ基板において、板状部材と、前記板状部材の一方の面上に形成されて前記半導体装置と接続される接続端子と、前記半導体装置に対応する開口部が設けられ、前記板状部材の一方の面上に接合された炭素繊維強化樹脂板とを有することを特徴とするパッケージ基板により解決する。
【0010】
通常のパッケージ基板では、実装される半導体装置の大きさが基板の大きさよりも小さく、半導体装置の周囲の基板上にはソルダーレジストと呼ばれる熱硬化性樹脂が塗布されている。従って、接続端子や配線が形成された板状部材の上に、半導体装置に対応する大きさの開口部を形成した炭素繊維強化樹脂板を接合してパッケージ基板とすることができる。板状部材としては、例えばプリント配線基板として一般的なポリイミド基板などを使用することができる。
【0011】
このように、板状部材と炭素繊維強化樹脂板とにより構成された本発明のパッケージ基板では、接続端子、パターン配線及びスルーホール等を板状部材に形成するので、これらの微細化が容易である。また、板状部材の上に炭素繊維強化樹脂板を接合しているので、実質的な熱膨張率が小さくなり、半導体装置との熱膨張率の差によって発生する応力が小さくなる。従って、信頼性が向上する。更に、炭素繊維強化樹脂板は軽量かつ安価であるので、従来のセラミック板を使用したパッケージ基板に比べて、軽量化及び低コスト化が達成される。
【0012】
前述したように、通常、パッケージ基板の上にはソルダーレジストを塗布する。従って、板状部材と炭素繊維強化樹脂板とを接合する接着剤としてソルダーレジストを利用すれば、工程数の増加を抑制することができる。
【0013】
また、板状部材に接合する炭素繊維強化樹脂板には反りがないことが重要である。炭素繊維の方向を一方向にそろえた複数枚のシートを炭素繊維の方向を変えて積層することにより、反りの発生を防止することができる。例えば、4枚のシートを積層して炭素繊維強化樹脂板を製造する場合、下から第1番目のシートと第4番目のシートの炭素繊維の方向を同じとし、第2番目のシートと第3番目のシートの炭素繊維の方向を第1番目及び第4番目のシートの炭素繊維の方向に対し直交する方向とすれば、反りの発生が回避され、かつ機械的強度も高くなる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、添付の図面を参照して説明する。
【0015】
図1は、本発明の実施の形態のパッケージ基板を示す断面図、図2は同じくそのパッケージ基板の分解図である。本実施の形態のパッケージ基板は、ポリイミド樹脂により形成された回路基板(板状部材)10と、この回路基板10の上に絶縁性のソルダーレジスト19により接合された炭素繊維強化樹脂積層板18とにより構成される。回路基板10の一方の面(図1では下面)にはパターン配線11aが形成されており、他方の面(図1では上面)にはパターン配線11bと接続端子11cとが形成されている。また、回路基板10には一方の面から他方の面に貫通する複数のスルーホール13が形成されており、これらのスルーホール13を介して所定のパターン配線11aとパターン配線11b又は接続端子11cとが電気的に接続されている。
【0016】
炭素繊維強化樹脂積層板18には、実装される半導体装置(半導体チップ)20に応じた大きさの開口部18aが設けられている。半導体装置20は、炭素繊維強化樹脂積層板18の開口部18a内に配置され、はんだバンプ14により接続端子11cと電気的及び機械的に接続される。
【0017】
回路基板10の大きさは例えば25mm×25mm、半導体装置20の大きさは例えば10mm×10mmであり、開口部18aの半導体装置20に対するマージンは1mm程度である。
【0018】
以下、本実施の形態のパッケージ基板の製造方法について説明する。
【0019】
まず、回路基板10となるポリイミド樹脂両面銅貼板を用意する。このポリイミド樹脂両面銅貼板は、例えば厚さが50μmのポリイミドフィルムの両面に厚さが12μmの銅箔をそれぞれ接合したものである。そして、一般的なプリント配線基板の製造方法と同様の方法により、パターン配線11a,11b、接続端子11c及びスルーホール13を形成する。すなわち、ドリル(又はレーザ)によりポリイミド樹脂両面銅貼板に貫通孔を形成した後、めっき法によって貫通孔内に銅をめっきしてスルーホール13を形成する。その後、フォトレジストを使用したエッチングプロセスによりポリイミド樹脂両面銅貼板の表面の銅箔をパターニングして、パターン配線11a,11b及び接続端子11cを形成する。これにより、回路基板10が完成する。
【0020】
一方、炭素繊維強化樹脂積層板18を用意する。本実施の形態においては、炭素繊維強化樹脂積層板18を4枚の炭素繊維強化樹脂シート(プリプレグ)を積層して形成する。各炭素繊維強化樹脂シートは、60tの弾性力を有する炭素繊維を用い、樹脂含有量が35%、厚さが50μm、炭素繊維の方向が一方向に揃えられている。この場合、図3に示すように、中間層となる2層目及び3層目の炭素繊維強化樹脂シートの炭素繊維の方向を同じ(0°方向)とし、表面層となる1層目及び4層目の炭素繊維強化樹脂シートの炭素繊維の方向を2層目及び3層目の炭素繊維強化樹脂シートの炭素繊維の方向に直交する方向(90°)とする。このように炭素繊維強化樹脂シートの炭素繊維方向を直交させて重ね合わせることにより、面方向の熱膨張率が均一になり、歪みの発生を回避しつつ4枚の炭素繊維強化樹脂シートを積層することができる。
【0021】
その後、4枚の炭素繊維強化樹脂シートを積層して形成した炭素繊維強化樹脂積層板をリュータによって加工する。すなわち、半導体装置実装部をくりぬいて開口部18aを形成し、更に所定の形状に外形加工する。これにより、炭素繊維強化樹脂積層板18が完成する。
【0022】
次いで、回路基板10の表面にソルダーレジスト19を塗布し、ソルダーレジスト19が未硬化の状態で回路基板10の上に炭素繊維強化樹脂積層板18を真空ラミネートして圧着する。そして、170℃の大気オーブンで1時間加熱してソルダーレジスト19を熱硬化させる。このようにして、本実施の形態のパッケージ基板が完成する。
【0023】
本実施の形態のパッケージ基板においては、回路基板10の上に高強度で熱膨張率が小さい炭素繊維強化樹脂積層板18が接合されているので、半導体装置20との熱膨張率の差により発生する応力を小さくすることができ、信頼性を確保することができる。
【0024】
炭素繊維強化樹脂積層板は、炭素繊維が存在するために微細加工には適していない。しかし、本実施の形態においては、微細な配線やスルーホールを回路基板10に形成しており、炭素繊維強化樹脂積層板18に微細加工を施す必要がない。従って、本実施の形態のパッケージ基板は、微細化された半導体装置に対応することができる。
【0025】
また、本実施の形態のパッケージ基板は、一般的なポリイミドの回路基板と炭素繊維強化樹脂積層板とを組み合わせて形成しているので、セラミック板を用いた従来のパッケージ基板に比べて軽量であり、かつ製品コストを低減することができる。
【0026】
本実施の形態のパッケージ基板を実際に製造し、その熱膨張率を測定した。上述したように、炭素繊維強化樹脂積層板18は4枚の炭素繊維強化樹脂シートを積層して形成した。また、回路基板10は、ポリイミド樹脂両面銅貼板により形成した。その結果、パッケージ基板の熱膨張率は面方向で4ppm/℃であった。これは、半導体装置材料であるシリコン(Si)と略同等の値であり、本実施の形態のパッケ−ジ基板の熱膨張に対する信頼性を確認することができた。
【0027】
なお、上記実施の形態では板状部材としてポリイミド基板を使用した場合について説明したが、板状部材はエポキシ樹脂又はその他の樹脂により形成してもよい。但し、熱膨張率が小さい樹脂を使用することが好ましい。
【0028】
また、上記実施の形態では、板状部材として両面にパターン配線が形成されたポリイミド基板を使用する場合について説明したが、板状部材として多層配線基板を用いてもよい。
【0029】
(付記1)半導体装置を実装するパッケージ基板において、板状部材と、前記板状部材の一方の面上に形成されて前記半導体装置と接続される接続端子と、前記半導体装置に対応する開口部が設けられ、前記板状部材の一方の面上に接合された炭素繊維強化樹脂板とを有することを特徴とするパッケージ基板。
【0030】
(付記2)前記炭素繊維強化樹脂板と前記板状部材とがソルダーレジストにより接合されていることを特徴とする付記1に記載のパッケージ基板。
【0031】
(付記3)前記炭素繊維強化樹脂板が、炭素繊維の方向を一方向にそろえた複数枚のシートを炭素繊維の方向を変えて積層して形成されていることを特徴とする付記1に記載のパッケージ基板。
【0032】
(付記4)前記炭素繊維強化樹脂板が、炭素繊維の方向を一方向に揃えた4枚のシートを積層して形成され、下から第1番目のシートと第4番目のシートの炭素繊維の方向が同じであり、第2番目のシートと第3番目のシートの炭素繊維の方向が前記第1番目及び第4番目のシートの炭素繊維の方向に対し直交する方向であることを特徴とする付記1に記載のパッケージ基板。
【0033】
(付記5)前記板状部材が樹脂により形成されていることを特徴とする付記1に記載のパッケージ基板。
【0034】
(付記6)前記板状部材がポリイミド樹脂により形成されていることを特徴とする付記1に記載のパッケージ基板。
【0035】
(付記7)前記板状部材の両面にそれぞれパターン配線が形成されていることを特徴とする付記1に記載のパッケージ基板。
【0036】
(付記8)前記板状部材に、一方の面から他方の面に貫通するスルーホールが形成されていることを特徴とする付記1に記載のパッケージ基板。
【0037】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のパッケージ基板は、接続端子等が形成された板状部材の上に高強度で熱膨張率が小さい炭素繊維強化樹脂板を接合して構成されているので、半導体装置の熱膨張率との差により発生する応力が小さい。また、本発明のパッケージ基板では、セラミック板に比べて軽量で安価な炭素繊維強化樹脂板を使用しているので、従来のセラミック板を使用したパッケージ基板に比べて軽量化及び低コスト化が達成される。更に、本発明のパッケージ基板は、接続端子やパターン配線及びスルーホール等を板状部材側に形成するので、炭素繊維強化樹脂板を微細加工する必要がない。従って、微細化された半導体装置を実装するパッケージ基板に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の実施の形態のパッケージ基板を示す断面図である。
【図2】図2は、本発明の実施の形態のパッケージ基板の分解図である。
【図3】図3は、炭素繊維強化樹脂積層板を構成する4枚の炭素繊維強化樹脂シートの炭素繊維の方向を示す模式図である。
【符号の説明】
10…回路基板、
11a,11b…パターン配線、
11c…接続端子、
13…スルーホール、
14…バンプ、
18…炭素繊維強化樹脂積層板、
18a…炭素繊維強化樹脂積層板の開口部、
20…半導体装置。
【発明の属する技術分野】
本発明は半導体装置を直接実装するパッケージ基板に関し、特に微細化した半導体装置を実装するのに好適なパッケージ基板に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体装置を直接実装するパッケージ基板は、例えばICカードのように薄型化が要求される機器に使用されている(特開平9−3010169号公報)。この種のパッケージ基板では、製品の信頼性を確保するために、半導体装置とパッケージ基板との熱膨張率の差によって両者の間に生じる応力を小さくすることが必要である。一般的に半導体装置の熱膨張率は小さいので、パッケージ基板も熱膨張率が小さいガラス繊維強化樹脂等により形成されている。ガラス繊維強化樹脂では、樹脂により電気絶縁性を確保し、樹脂と複合化したガラス繊維により熱膨張率を小さくしている。
【0003】
パッケージ基板の表面には、半導体装置と接続される接続端子やパターン配線が形成されており、一方の面のパターン配線と他方の面のパターン配線とはスルーホールを介して電気的に接続されている。
【0004】
ところで、半導体装置の微細化に伴って、パッケージ基板に形成されるスルーホールの直径や配線の幅も微細化される傾向にある。しかし、ガラス繊維強化樹脂では、ガラス繊維の存在が微細加工を阻害するという問題点がある。
【0005】
そこで、パッケージ基板として、表面を絶縁性の樹脂で被覆したセラミック板が使用されるようになった。
【0006】
【特許文献1】
特開平9−3010169号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、セラミック板ではパッケージ基板の低コスト化及び軽量化が阻害されるという問題点がある。ガラス繊維強化樹脂の替わりに、熱膨張率が小さく、軽量かつ弾力性が高いという利点を備えた炭素繊維強化樹脂を使用することが考えられる。しかし、炭素繊維強化樹脂は導電性を有するため、ガラス繊維強化樹脂に替えてそのままパッケージ基板に使用することはできない。
【0008】
以上から、本発明の目的は、微細加工に対応することが可能であり、半導体装置との熱膨張率の差により発生する応力が小さくて信頼性が高く、かつ低コスト化及び軽量化が可能なパッケージ基板を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記した課題は、半導体装置を実装するパッケージ基板において、板状部材と、前記板状部材の一方の面上に形成されて前記半導体装置と接続される接続端子と、前記半導体装置に対応する開口部が設けられ、前記板状部材の一方の面上に接合された炭素繊維強化樹脂板とを有することを特徴とするパッケージ基板により解決する。
【0010】
通常のパッケージ基板では、実装される半導体装置の大きさが基板の大きさよりも小さく、半導体装置の周囲の基板上にはソルダーレジストと呼ばれる熱硬化性樹脂が塗布されている。従って、接続端子や配線が形成された板状部材の上に、半導体装置に対応する大きさの開口部を形成した炭素繊維強化樹脂板を接合してパッケージ基板とすることができる。板状部材としては、例えばプリント配線基板として一般的なポリイミド基板などを使用することができる。
【0011】
このように、板状部材と炭素繊維強化樹脂板とにより構成された本発明のパッケージ基板では、接続端子、パターン配線及びスルーホール等を板状部材に形成するので、これらの微細化が容易である。また、板状部材の上に炭素繊維強化樹脂板を接合しているので、実質的な熱膨張率が小さくなり、半導体装置との熱膨張率の差によって発生する応力が小さくなる。従って、信頼性が向上する。更に、炭素繊維強化樹脂板は軽量かつ安価であるので、従来のセラミック板を使用したパッケージ基板に比べて、軽量化及び低コスト化が達成される。
【0012】
前述したように、通常、パッケージ基板の上にはソルダーレジストを塗布する。従って、板状部材と炭素繊維強化樹脂板とを接合する接着剤としてソルダーレジストを利用すれば、工程数の増加を抑制することができる。
【0013】
また、板状部材に接合する炭素繊維強化樹脂板には反りがないことが重要である。炭素繊維の方向を一方向にそろえた複数枚のシートを炭素繊維の方向を変えて積層することにより、反りの発生を防止することができる。例えば、4枚のシートを積層して炭素繊維強化樹脂板を製造する場合、下から第1番目のシートと第4番目のシートの炭素繊維の方向を同じとし、第2番目のシートと第3番目のシートの炭素繊維の方向を第1番目及び第4番目のシートの炭素繊維の方向に対し直交する方向とすれば、反りの発生が回避され、かつ機械的強度も高くなる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、添付の図面を参照して説明する。
【0015】
図1は、本発明の実施の形態のパッケージ基板を示す断面図、図2は同じくそのパッケージ基板の分解図である。本実施の形態のパッケージ基板は、ポリイミド樹脂により形成された回路基板(板状部材)10と、この回路基板10の上に絶縁性のソルダーレジスト19により接合された炭素繊維強化樹脂積層板18とにより構成される。回路基板10の一方の面(図1では下面)にはパターン配線11aが形成されており、他方の面(図1では上面)にはパターン配線11bと接続端子11cとが形成されている。また、回路基板10には一方の面から他方の面に貫通する複数のスルーホール13が形成されており、これらのスルーホール13を介して所定のパターン配線11aとパターン配線11b又は接続端子11cとが電気的に接続されている。
【0016】
炭素繊維強化樹脂積層板18には、実装される半導体装置(半導体チップ)20に応じた大きさの開口部18aが設けられている。半導体装置20は、炭素繊維強化樹脂積層板18の開口部18a内に配置され、はんだバンプ14により接続端子11cと電気的及び機械的に接続される。
【0017】
回路基板10の大きさは例えば25mm×25mm、半導体装置20の大きさは例えば10mm×10mmであり、開口部18aの半導体装置20に対するマージンは1mm程度である。
【0018】
以下、本実施の形態のパッケージ基板の製造方法について説明する。
【0019】
まず、回路基板10となるポリイミド樹脂両面銅貼板を用意する。このポリイミド樹脂両面銅貼板は、例えば厚さが50μmのポリイミドフィルムの両面に厚さが12μmの銅箔をそれぞれ接合したものである。そして、一般的なプリント配線基板の製造方法と同様の方法により、パターン配線11a,11b、接続端子11c及びスルーホール13を形成する。すなわち、ドリル(又はレーザ)によりポリイミド樹脂両面銅貼板に貫通孔を形成した後、めっき法によって貫通孔内に銅をめっきしてスルーホール13を形成する。その後、フォトレジストを使用したエッチングプロセスによりポリイミド樹脂両面銅貼板の表面の銅箔をパターニングして、パターン配線11a,11b及び接続端子11cを形成する。これにより、回路基板10が完成する。
【0020】
一方、炭素繊維強化樹脂積層板18を用意する。本実施の形態においては、炭素繊維強化樹脂積層板18を4枚の炭素繊維強化樹脂シート(プリプレグ)を積層して形成する。各炭素繊維強化樹脂シートは、60tの弾性力を有する炭素繊維を用い、樹脂含有量が35%、厚さが50μm、炭素繊維の方向が一方向に揃えられている。この場合、図3に示すように、中間層となる2層目及び3層目の炭素繊維強化樹脂シートの炭素繊維の方向を同じ(0°方向)とし、表面層となる1層目及び4層目の炭素繊維強化樹脂シートの炭素繊維の方向を2層目及び3層目の炭素繊維強化樹脂シートの炭素繊維の方向に直交する方向(90°)とする。このように炭素繊維強化樹脂シートの炭素繊維方向を直交させて重ね合わせることにより、面方向の熱膨張率が均一になり、歪みの発生を回避しつつ4枚の炭素繊維強化樹脂シートを積層することができる。
【0021】
その後、4枚の炭素繊維強化樹脂シートを積層して形成した炭素繊維強化樹脂積層板をリュータによって加工する。すなわち、半導体装置実装部をくりぬいて開口部18aを形成し、更に所定の形状に外形加工する。これにより、炭素繊維強化樹脂積層板18が完成する。
【0022】
次いで、回路基板10の表面にソルダーレジスト19を塗布し、ソルダーレジスト19が未硬化の状態で回路基板10の上に炭素繊維強化樹脂積層板18を真空ラミネートして圧着する。そして、170℃の大気オーブンで1時間加熱してソルダーレジスト19を熱硬化させる。このようにして、本実施の形態のパッケージ基板が完成する。
【0023】
本実施の形態のパッケージ基板においては、回路基板10の上に高強度で熱膨張率が小さい炭素繊維強化樹脂積層板18が接合されているので、半導体装置20との熱膨張率の差により発生する応力を小さくすることができ、信頼性を確保することができる。
【0024】
炭素繊維強化樹脂積層板は、炭素繊維が存在するために微細加工には適していない。しかし、本実施の形態においては、微細な配線やスルーホールを回路基板10に形成しており、炭素繊維強化樹脂積層板18に微細加工を施す必要がない。従って、本実施の形態のパッケージ基板は、微細化された半導体装置に対応することができる。
【0025】
また、本実施の形態のパッケージ基板は、一般的なポリイミドの回路基板と炭素繊維強化樹脂積層板とを組み合わせて形成しているので、セラミック板を用いた従来のパッケージ基板に比べて軽量であり、かつ製品コストを低減することができる。
【0026】
本実施の形態のパッケージ基板を実際に製造し、その熱膨張率を測定した。上述したように、炭素繊維強化樹脂積層板18は4枚の炭素繊維強化樹脂シートを積層して形成した。また、回路基板10は、ポリイミド樹脂両面銅貼板により形成した。その結果、パッケージ基板の熱膨張率は面方向で4ppm/℃であった。これは、半導体装置材料であるシリコン(Si)と略同等の値であり、本実施の形態のパッケ−ジ基板の熱膨張に対する信頼性を確認することができた。
【0027】
なお、上記実施の形態では板状部材としてポリイミド基板を使用した場合について説明したが、板状部材はエポキシ樹脂又はその他の樹脂により形成してもよい。但し、熱膨張率が小さい樹脂を使用することが好ましい。
【0028】
また、上記実施の形態では、板状部材として両面にパターン配線が形成されたポリイミド基板を使用する場合について説明したが、板状部材として多層配線基板を用いてもよい。
【0029】
(付記1)半導体装置を実装するパッケージ基板において、板状部材と、前記板状部材の一方の面上に形成されて前記半導体装置と接続される接続端子と、前記半導体装置に対応する開口部が設けられ、前記板状部材の一方の面上に接合された炭素繊維強化樹脂板とを有することを特徴とするパッケージ基板。
【0030】
(付記2)前記炭素繊維強化樹脂板と前記板状部材とがソルダーレジストにより接合されていることを特徴とする付記1に記載のパッケージ基板。
【0031】
(付記3)前記炭素繊維強化樹脂板が、炭素繊維の方向を一方向にそろえた複数枚のシートを炭素繊維の方向を変えて積層して形成されていることを特徴とする付記1に記載のパッケージ基板。
【0032】
(付記4)前記炭素繊維強化樹脂板が、炭素繊維の方向を一方向に揃えた4枚のシートを積層して形成され、下から第1番目のシートと第4番目のシートの炭素繊維の方向が同じであり、第2番目のシートと第3番目のシートの炭素繊維の方向が前記第1番目及び第4番目のシートの炭素繊維の方向に対し直交する方向であることを特徴とする付記1に記載のパッケージ基板。
【0033】
(付記5)前記板状部材が樹脂により形成されていることを特徴とする付記1に記載のパッケージ基板。
【0034】
(付記6)前記板状部材がポリイミド樹脂により形成されていることを特徴とする付記1に記載のパッケージ基板。
【0035】
(付記7)前記板状部材の両面にそれぞれパターン配線が形成されていることを特徴とする付記1に記載のパッケージ基板。
【0036】
(付記8)前記板状部材に、一方の面から他方の面に貫通するスルーホールが形成されていることを特徴とする付記1に記載のパッケージ基板。
【0037】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のパッケージ基板は、接続端子等が形成された板状部材の上に高強度で熱膨張率が小さい炭素繊維強化樹脂板を接合して構成されているので、半導体装置の熱膨張率との差により発生する応力が小さい。また、本発明のパッケージ基板では、セラミック板に比べて軽量で安価な炭素繊維強化樹脂板を使用しているので、従来のセラミック板を使用したパッケージ基板に比べて軽量化及び低コスト化が達成される。更に、本発明のパッケージ基板は、接続端子やパターン配線及びスルーホール等を板状部材側に形成するので、炭素繊維強化樹脂板を微細加工する必要がない。従って、微細化された半導体装置を実装するパッケージ基板に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の実施の形態のパッケージ基板を示す断面図である。
【図2】図2は、本発明の実施の形態のパッケージ基板の分解図である。
【図3】図3は、炭素繊維強化樹脂積層板を構成する4枚の炭素繊維強化樹脂シートの炭素繊維の方向を示す模式図である。
【符号の説明】
10…回路基板、
11a,11b…パターン配線、
11c…接続端子、
13…スルーホール、
14…バンプ、
18…炭素繊維強化樹脂積層板、
18a…炭素繊維強化樹脂積層板の開口部、
20…半導体装置。
Claims (4)
- 半導体装置を実装するパッケージ基板において、
板状部材と、
前記板状部材の一方の面上に形成されて前記半導体装置と接続される接続端子と、
前記半導体装置に対応する開口部が設けられ、前記板状部材の一方の面上に接合された炭素繊維強化樹脂板と
を有することを特徴とするパッケージ基板。 - 前記炭素繊維強化樹脂板と前記板状部材とがソルダーレジストにより接合されていることを特徴とする請求項1に記載のパッケージ基板。
- 前記炭素繊維強化樹脂板が、炭素繊維の方向を一方向にそろえた複数枚のシートを炭素繊維の方向を変えて積層して形成されていることを特徴とする請求項1に記載のパッケージ基板。
- 前記板状部材が樹脂により形成されていることを特徴とする請求項1に記載のパッケージ基板。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003037711A JP2004247630A (ja) | 2003-02-17 | 2003-02-17 | パッケージ基板 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003037711A JP2004247630A (ja) | 2003-02-17 | 2003-02-17 | パッケージ基板 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004247630A true JP2004247630A (ja) | 2004-09-02 |
Family
ID=33022423
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003037711A Withdrawn JP2004247630A (ja) | 2003-02-17 | 2003-02-17 | パッケージ基板 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004247630A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011255461A (ja) * | 2010-06-09 | 2011-12-22 | Mitsubishi Plastics Inc | ワイヤーソー及びそのメインローラー |
US9029989B2 (en) | 2012-09-24 | 2015-05-12 | Samsung Electronics Co., Ltd. | Semiconductor package and semiconductor devices with the same |
JP2015193457A (ja) * | 2014-03-31 | 2015-11-05 | Jx日鉱日石エネルギー株式会社 | 搬送ロール及び搬送ロールの製造方法 |
-
2003
- 2003-02-17 JP JP2003037711A patent/JP2004247630A/ja not_active Withdrawn
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011255461A (ja) * | 2010-06-09 | 2011-12-22 | Mitsubishi Plastics Inc | ワイヤーソー及びそのメインローラー |
US9029989B2 (en) | 2012-09-24 | 2015-05-12 | Samsung Electronics Co., Ltd. | Semiconductor package and semiconductor devices with the same |
JP2015193457A (ja) * | 2014-03-31 | 2015-11-05 | Jx日鉱日石エネルギー株式会社 | 搬送ロール及び搬送ロールの製造方法 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
KR100338908B1 (ko) | 인쇄회로기판및그의제조방법과전자구성부품패키지및그의제조방법 | |
US6828670B2 (en) | Module component | |
US8178191B2 (en) | Multilayer wiring board and method of making the same | |
US20090002950A1 (en) | Multi-layer electrically isolated thermal conduction structure for a circuit board assembly | |
JP2017123459A (ja) | プリント回路基板 | |
US7619316B2 (en) | Semiconductor package and method for manufacturing the same | |
JP2002299824A (ja) | 多層配線回路基板およびその製造方法 | |
JP2007149870A (ja) | 回路基板及び回路基板の製造方法。 | |
JP2009021578A (ja) | 補強材付き配線基板 | |
JP2001274556A (ja) | プリント配線板 | |
JP2000138453A (ja) | 配線基板 | |
KR101044105B1 (ko) | 휨 발생 방지를 위한 기판의 제조방법 | |
JP4086768B2 (ja) | フレキシブル回路用基板の製造方法 | |
JP2019021863A (ja) | 多層基板 | |
JP2011151048A (ja) | 電子部品の製造方法および電子部品 | |
JP5427476B2 (ja) | 半導体センサ装置 | |
JP4417294B2 (ja) | プローブカード用部品内蔵基板とその製造方法 | |
JP2004247630A (ja) | パッケージ基板 | |
JP2008118155A (ja) | 半導体装置用パッケージ | |
JP2004327516A (ja) | 多層光電気混載基板およびその製造方法 | |
JP5221682B2 (ja) | プリント回路基板及びその製造方法 | |
JP2007221117A (ja) | 部品内蔵基板およびその製造方法 | |
KR101044123B1 (ko) | 기판 제조용 캐리어 부재 및 이를 이용한 기판의 제조방법 | |
JPH02164096A (ja) | 多層電子回路基板とその製造方法 | |
JP2007123453A (ja) | コントローラ |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20060509 |