JP2004247553A - プラズマ処理方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】真空容器内に付着してダスト源となり得る反応性デポ物を取り除き、信頼性の高い微細パターンを形成できるプラズマ処理方法を提供すること。
【解決手段】真空容器内にガスを供給しつつ排気し、真空容器内を所定の圧力に制御しながら、真空容器内の基板を載置する基板電極に対向して設けられたプラズマ源に高周波電力を印加することで、真空容器内にプラズマを発生させ、基板上の貴金属または貴金属を含む物質をエッチングするプラズマ処理方法であって、エッチングプロセス終了後、前記エッチングプロセスとは別のアンモニアガスを用いて前記真空容器内をクリーニングすることで解決できる。
【選択図】 図1
【解決手段】真空容器内にガスを供給しつつ排気し、真空容器内を所定の圧力に制御しながら、真空容器内の基板を載置する基板電極に対向して設けられたプラズマ源に高周波電力を印加することで、真空容器内にプラズマを発生させ、基板上の貴金属または貴金属を含む物質をエッチングするプラズマ処理方法であって、エッチングプロセス終了後、前記エッチングプロセスとは別のアンモニアガスを用いて前記真空容器内をクリーニングすることで解決できる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体等の電子デバイス製造に利用されるプラズマ処理方法に関し、特に、貴金属または貴金属を含む物質をエッチングする際のプラズマ処理方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
半導体メモリ(記憶装置)において、従来、メモリキャパシタ構造を変革することによって、メモリキャパシタのキャパシタ容量の増大に対応してきたが、近年の微細化においては、構造の変革だけでは要望される容量を確保することが難しくなった。そのため、キャパシタ容量材料にチタン酸バリウム・ストロンチウム、チタン酸ジルコニウム鉛、タンタル酸ビスマス・ストロンチウムなどの誘電率の高いセラミック系酸化物が用いられるようになってきた。
【0003】
これらのセラミック系酸化物から酸素が脱離すると、その特性が大きく悪化してしまうため、キャパシタ電極材料として、酸素との反応が低い材料、例えば、ルテニウム、白金、イリジウム、ロジウム、金などの貴金属やこれらの貴金属を含む化合物または合金が用いられる。これらの材料を用いて、微細なパターンを形成するには、これらの材料のエッチング技術が必要である。
【0004】
以下、従来のエッチング方法の一例として、誘導結合型プラズマ源を用いた白金のドライエッチングについて、図1のドライエッチング装置の構造図を参照して説明する。
【0005】
図1において、真空容器1内に、ガス供給装置2から所定のガスを導入し、MFC3でガス流量を制御しつつ、排気装置としてのポンプ4により排気を行い、真空容器1内を所定の圧力に保ちながら、プラズマ源用高周波電源5により13.56MHzの高周波電力をコイル6に供給することにより、真空容器1内にプラズマが発生し、基板電極7上に載置された基板8に対してエッチング処理を行うことができる。また、基板電極7に高周波電力を供給するための基板電極用高周波電源9が設けられており、基板8に到達するイオンエネルギーを制御することができるようになっている。
【0006】
従来、白金のドライエッチングには、塩素ガスとアルゴンガスの混合ガスが用いられている。特許文献1及び2に記載された技術では、塩素ガスと酸素ガスとアルゴンガス、または、塩素ガスとアルゴンガスの混合ガスでエッチングしている。
【0007】
【特許文献1】
特開2002−009046号公報
【特許文献2】
特開2001−351898号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来方法による白金のエッチングでは、エッチング処理時間が増すにつれて、図2に見られるように、真空容器1内に反応生成物14が付着し続け、さらにはこれらの付着物が剥れることで、ダスト15の発生に繋がるという問題点がある。このように、真空容器内にダストが存在し、基板パターン上に落下した場合、後の工程に影響を及ぼすとともに、デバイスの信頼性を著しく低下させてしまう。
【0009】
本発明は、上記従来の問題点に鑑み、白金等の貴金属をエッチングする際に、真空容器内に付着してダスト源となり得る反応性デポ物を取り除いて、ダストを減少させ、その結果として安定したエッチングが行え、信頼性の高い微細パターンを形成できるように、付着デポ物を揮発除去できるプラズマ処理方法を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本願の第1発明のプラズマ処理方法は、真空容器内にガスを供給しつつ排気し、真空容器内を所定の圧力に制御しながら、真空容器内の基板を載置する基板電極に対向して設けられたプラズマ源に高周波電力を印加することで、真空容器内にプラズマを発生させ、基板上の貴金属または貴金属を含む物質をエッチングするプラズマ処理方法であって、エッチングプロセス終了後、前記エッチングプロセスとは別のアンモニアガスを用いて前記真空容器内をクリーニングすることを特徴とする。
【0011】
また、本願の第2発明のプラズマ処理方法は、真空容器内にガスを供給しつつ排気し、真空容器内を所定の圧力に制御しながら、真空容器内の基板を載置する基板電極に対向して設けられたプラズマ源に高周波電力を印加することで、真空容器内にプラズマを発生させ、基板上の貴金属または貴金属を含む物質をエッチングするプラズマ処理方法であって、エッチングプロセス終了後、前記エッチングプロセスで用いるガスにアンモニアガスを添加して真空容器内をクリーニングすることを特徴とする。
【0012】
また、本願の第3発明のプラズマ処理方法は、真空容器内にガスを供給しつつ排気し、真空容器内を所定の圧力に制御しながら、真空容器内の基板を載置する基板電極に対向して設けられたプラズマ源に高周波電力を印加することで、真空容器内にプラズマを発生させ、基板上の貴金属または貴金属を含む物質をエッチングするプラズマ処理方法であって、エッチングプロセス終了後、前記エッチングプロセスとは別の塩化水素ガスを用いて前記真空容器内をクリーニングすることを特徴とする。
【0013】
また、本願の第4発明のプラズマ処理方法は、真空容器内にガスを供給しつつ排気し、真空容器内を所定の圧力に制御しながら、真空容器内の基板を載置する基板電極に対向して設けられたプラズマ源に高周波電力を印加することで、真空容器内にプラズマを発生させ、基板上の貴金属または貴金属を含む物質をエッチングするプラズマ処理方法であって、エッチングプロセス終了後、前記エッチングプロセスで用いるガスに塩化水素ガスを添加して真空容器内をクリーニングすることを特徴とする。
【0014】
このとき、本願の第1または第2、第3、第4発明のプラズマ処理方法において、好適には貴金属または貴金属を含む物質が、貴金属または貴金属を含む物質が、ルテニウム、白金、パラジウムなどのうち少なくとも1つの元素を含む薄膜であることが望ましい。
【0015】
さらに、本願の第1または第3発明のプラズマ処理方法において、好適には、アンモニアガスもしくは塩化水素ガスでクリーニングを行う際は、1枚以上200枚以下のエッチング処理毎に行うことが望ましい。更に好適には、アンモニアガスもしくは塩化水素ガスでクリーニングを行う際は、1秒以上20分以下であることが望ましい。
【0016】
また、本願の第1、第2、第3または第4発明のプラズマ処理方法において、好適には、ドライエッチングプロセスに用いるガスは、塩素を含むガス(塩素、三塩化ホウ素、フッ化塩素)、フッ素を含むガス(四フッ化炭素、三フッ化メタン、八フッ化四炭素、八フッ化五炭素)およびアルゴン、酸素であることが望ましい。
【0017】
更に好適には、プラズマ源に印加する高周波電力の周波数が50kHzから3GHzであることが望ましい。そして、好適には、プラズマ源は、誘導結合型プラズマ源または電子サイクロトロン共鳴プラズマ源またはヘリコン波プラズマ源もしくはアンテナ式プラズマ源であることが望ましい。
【0018】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態について、図1から図3を参照して説明する。
図1に、本発明の第1実施形態において用いたエッチング装置の断面図を示す。
【0019】
図1において、真空容器1内に、ガス供給装置2から所定のガスを導入し、MFC3でガス流量を制御しつつ、排気装置としてのポンプ4により排気を行い、真空容器1内を所定の圧力に保ちながら、プラズマ源用高周波電源5により13.56MHzの高周波電力を真空容器1内に突出して設けられたコイルもしくはアンテナ6に供給することにより、真空容器1内にプラズマが発生し、基板電極7上に載置された基板8に対してエッチング処理を行うことができる。
【0020】
また、基板電極7に13.56MHzの高周波電力を供給するための基板電極用高周波電源9が設けられており、基板8に到達するイオンエネルギーを制御することができるようになっている。コイルもしくはアンテナ6と真空容器1との間に誘電板10が挟まれている。基板電極7内には、冷媒流路11が設けられており、冷媒循環装置12から冷媒が供給されており、また、基板電極7には基板8を基板電極7に対して、DC電源13を用いて静電的に吸着する機構が備えられており、基板8を低温に保持することができるようになっている。
【0021】
図1に示すエッチング装置において、GaAs基板もしくはSi基板上の白金250nmの全面エッチングを行った。エッチング条件は、アルゴン/塩素=90/10sccm、圧力=1.0Pa、プラズマ源電力=600W、電極電力=200W、基板温度=20℃であり、クリーニング条件は、1sl毎にアンモニア=100sccm、圧力=2.0Pa、プラズマ源電力=200W、電極電力=50W、基板温度=20℃、60secで行った。
【0022】
図3には、エッチング処理枚数と真空容器1内のダスト増加数の関係を示す。今回、パーティクルとしてカウントした大きさは0.2μm以上のダストである。従来のクリーニング処理なしにおいては、図3(a)より、200sl積算時までは、パーティクルの増加数はいずれも20個以下であるが、200sl以降パーティクルが増加しはじめ、300sl積算時には、200個以上のパーティクルが計測された。しかしながら、図3(b)に見られるように、アンモニアのガスクリーニングを行った場合は、300slを超えてもパーティクルの増加は計測されなかった。この結果より、従来例と比べて飛躍的な改善がみられたことがわかる。
【0023】
また、本実施形態においては、白金等の貴金属をエッチングする際に、真空容器内に付着してダスト源となり得る反応性デポ物を取り除いて、パーティクルを減少させることが可能となり、従来例と比べて、安定したエッチングが行え、信頼性の高い微細パターンを形成できる点において大きく改善した。
【0024】
このように、従来例に比べて、エッチング処理後のパーティクル増加が観測されなかったのは、アンモニアのガスクリーニングの際に真空容器内に付着した反応生成物を除去した為だと考えられる。以下、これについて詳しく説明する。
【0025】
今回、被エッチング膜として用いた白金は、エッチングプロセス中に塩素ガスと反応して、塩化白金(II)が生成することを発見した。図4に示すように、従来の方法で白金をエッチング処理した後の真空容器内の付着物を採取し、成分分析を行った結果から明らかである。それに対して、本実施形態においては、アンモニアガスでプラズマ処理を行ったことで、塩化白金(II)を揮発除去させるのに非常に効果的であったと言える。
【0026】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について、図1及び図5を参照して説明する。本発明の第2実施形態において用いたエッチング装置は、既に図1において説明したので、ここでは説明を省略する。
【0027】
図1に示すエッチング装置において、GaAs基板もしくはSi基板上の白金250nmの全面エッチングを行った。エッチング条件は、アルゴン/塩素/アンモニア=90/10/10sccm、圧力=1.0Pa、プラズマ源電力=600W、電極電力=200W、基板温度=20℃で行った。
【0028】
図5には、エッチング処理枚数と真空容器1内のダスト増加数の関係を示す。今回、パーティクルとしてカウントした大きさは0.2μm以上のダストである。従来のクリーニング処理なしにおいては、図5(a)より、200sl積算時までは、パーティクルの増加数はいずれも20個以下であるが、200sl以降パーティクルが増加しはじめ、300sl積算時には、200個以上のパーティクルが計測された。しかしながら、図5(b)に見られるように、アンモニアをエッチングガスに添加した場合は、300slを超えてもパーティクルの増加は計測されなかった。この結果より、従来例と比べて飛躍的な改善がみられたことがわかる。
【0029】
また、本実施形態においては、白金等の貴金属をエッチングする際に、真空容器内に付着してダスト源となり得る反応性デポ物を取り除いて、パーティクルを減少させることが可能となり、従来例と比べて、安定したエッチングが行え、信頼性の高い微細パターンを形成できる点において大きく改善した。
【0030】
このように、従来例に比べて、エッチング処理後のパーティクル増加が観測されなかったのは、エッチングプロセス中に真空容器内に付着した反応生成物を除去した為だと考えられる。以下、これについて詳しく説明する。
【0031】
今回、被エッチング膜として用いた白金は、エッチングプロセス中に塩素ガスと反応して、塩化白金(II)が生成することを発見した。図4に示すように、従来の方法で白金をエッチング処理した後の真空容器内の付着物を採取し、成分分析を行った結果から明らかである。それに対して、本実施形態においては、アンモニアガスをエッチングプロセスガスに添加してプラズマ処理を行ったことで、塩化白金(II)を揮発除去させるのに非常に効果的であったと言える。
【0032】
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態について、図1及び図6を参照して説明する。本発明の第3実施形態において用いたエッチング装置は、既に図1において説明したので、ここでは説明を省略する。
【0033】
図1に示すエッチング装置において、GaAs基板もしくはSi基板上の白金250nmの全面エッチングを行った。エッチング条件は、アルゴン/塩素=90/10sccm、圧力=1.0Pa、プラズマ源電力=600W、電極電力=200W、基板温度=20℃であり、クリーニング条件は、1sl毎に塩化水素=100sccm、圧力=2.0Pa、プラズマ源電力=200W、電極電力=50W、基板温度=20℃、60secで行った。
【0034】
そして、エッチング処理枚数と真空容器1内のダスト増加数の関係を図6に示す。今回、パーティクルとしてカウントした大きさは0.2μm以上のダストである。従来のクリーニング処理なし図6(a)においては、図3(a)と同様で省略する。それに対して、図6(b)に見られるように、塩化水素のガスクリーニングを行った場合は、300slを超えてもパーティクルの増加は計測されなかった。この結果より、従来例と比べて飛躍的な改善がみられたことがわかる。
【0035】
また、本実施形態においては、白金等の貴金属をエッチングする際に、真空容器内に付着してダスト源となり得る反応性デポ物を取り除いて、パーティクルを減少させることが可能となり、従来例と比べて、安定したエッチングが行え、信頼性の高い微細パターンを形成できる点において大きく改善した。
【0036】
このように、従来例に比べて、エッチング処理後のパーティクル増加が観測されなかったのは、塩化水素のガスクリーニングの際に真空容器内に付着した反応生成物を除去した為だと考えられる。以下、これについて詳しく説明する。
【0037】
今回、被エッチング膜として用いた白金は、エッチングプロセス中に塩素ガスと反応して、塩化白金(II)が生成することを発見した(図3参照)。それに対して、本実施形態においては、塩化水素ガスでプラズマ処理を行ったことで、塩化白金(II)を揮発除去させるのに非常に効果的であったといえる。
【0038】
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態について、図1及び図7を参照して説明する。本発明の第4実施形態において用いたエッチング装置は、既に図1において説明したので、ここでは説明を省略する。
【0039】
図1に示すエッチング装置において、GaAs基板もしくはSi基板上の白金250nmの全面エッチングを行った。エッチング条件は、アルゴン/塩素/塩化水素=90/10/10sccm、圧力=1.0Pa、プラズマ源電力=600W、電極電力=200W、基板温度=20℃で行った。
【0040】
図7には、エッチング処理枚数と真空容器1内のダスト増加数の関係を示す。今回、パーティクルとしてカウントした大きさは0.2μm以上のダストである。従来のクリーニング処理なしの図7(a)においては、図3(a)と同様で省略する。それに対して、図7(b)に見られるように、塩化水素をエッチングガスに添加した場合は、300slを超えてもパーティクルの増加は計測されなかった。この結果より、従来例と比べて飛躍的な改善がみられたことがわかる。
【0041】
また、本実施形態においては、白金等の貴金属をエッチングする際に、真空容器内に付着してダスト源となり得る反応性デポ物を取り除いて、パーティクルを減少させることが可能となり、従来例と比べて、安定したエッチングが行え、信頼性の高い微細パターンを形成できる点において大きく改善した。
【0042】
このように、従来例に比べて、エッチング処理後のパーティクル増加が観測されなかったのは、エッチングプロセス中に真空容器内に付着した反応生成物を除去した為だと考えられる。以下、これについて詳しく説明する。
【0043】
今回、被エッチング膜として用いた白金は、エッチングプロセス中に塩素ガスと反応して、塩化白金(II)が生成することを発見した。図4に示すように、従来の方法で白金をエッチング処理した後の真空容器内の付着物を採取し、成分分析を行った結果から明らかである。それに対して、本実施形態においては、塩化水素ガスをエッチングプロセスガスに添加してプラズマ処理を行ったことで、塩化白金(II)を揮発除去させるのに非常に効果的であったといえる。
【0044】
以上述べた本発明の実施形態において、被エッチング物が白金である場合を例示したが、その他、貴金属または貴金属を含む物質が、ルテニウム、白金、パラジウムなどのうち少なくとも1つの元素を含む薄膜にも、本発明は適応可能である。
【0045】
また、本発明の実施形態において、アンモニアガスもしくは塩化水素ガスでクリーニングを行う際は、1枚以上200枚以下のエッチング処理毎に行うことができる。
【0046】
また、本発明における、アンモニアガスもしくは塩化水素ガスでクリーニングを行う際は、1秒以上20分以下である方が望ましい。1秒以下であると付着したデポ物と反応して揮発するのに不十分であるという欠点があり、20分以上行うのは生産タクトの観点から不利となる。
【0047】
また、本発明で、ドライエッチングプロセスに用いるガスは、塩素を含むガス(塩素、三塩化ホウ素、フッ化塩素)、フッ素を含むガス(四フッ化炭素、三フッ化メタン、八フッ化四炭素、八フッ化五炭素)およびアルゴン、酸素を用いることができる。
【0048】
また、本発明の実施形態において、プラズマ源に印加する電力の周波数が13.56MHzを用いた場合を例示したが、プラズマ源はこれに限定されるものではなく、周波数50kHz乃至3GHzの高周波電力を印加することによりプラズマを発生させるプラズマ源を用いることができる。
【0049】
更に、本発明の実施形態において、プラズマ源は、誘導結合型プラズマ源または電子サイクロトロン共鳴プラズマ源またはヘリコン波プラズマ源もしくはアンテナ式プラズマ源であっても可能である。
【0050】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本願の第1発明のプラズマ処理方法によれば、真空容器内にガスを供給しつつ排気し、真空容器内を所定の圧力に制御しながら、真空容器内の基板を載置する基板電極に対向して設けられたプラズマ源に高周波電力を印加することで、真空容器内にプラズマを発生させ、基板上の貴金属または貴金属を含む物質をエッチングするプラズマ処理方法であって、エッチングプロセス終了後、前記エッチングプロセスとは別のアンモニアガスを用いて前記真空容器内をクリーニングすることで、白金等の貴金属をエッチングする際に、真空容器内に付着してダスト源となり得る反応性デポ物を取り除いて、ダストを減少させ、その結果として安定したエッチングが行え、信頼性の高い微細パターンを形成できるように、付着デポ物を揮発除去できる。
【0051】
また、本願の第2発明のプラズマ処理方法によれば、真空容器内にガスを供給しつつ排気し、真空容器内を所定の圧力に制御しながら、真空容器内の基板を載置する基板電極に対向して設けられたプラズマ源に高周波電力を印加することで、真空容器内にプラズマを発生させ、基板上の貴金属または貴金属を含む物質をエッチングするプラズマ処理方法であって、エッチングプロセス終了後、前記エッチングプロセスで用いるガスにアンモニアガスを添加して真空容器内をクリーニングすることで、白金等の貴金属をエッチングする際に、真空容器内に付着してダスト源となり得る反応性デポ物を取り除いて、ダストを減少させ、その結果として安定したエッチングが行え、信頼性の高い微細パターンを形成できるように、付着デポ物を揮発除去できる。
【0052】
また、本願の第3発明のプラズマ処理方法によれば、真空容器内にガスを供給しつつ排気し、真空容器内を所定の圧力に制御しながら、真空容器内の基板を載置する基板電極に対向して設けられたプラズマ源に高周波電力を印加することで、真空容器内にプラズマを発生させ、基板上の貴金属または貴金属を含む物質をエッチングするプラズマ処理方法であって、エッチングプロセス終了後、前記エッチングプロセスとは別の塩化水素ガスを用いて前記真空容器内をクリーニングすることで、白金等の貴金属をエッチングする際に、真空容器内に付着してダスト源となり得る反応性デポ物を取り除いて、ダストを減少させ、その結果として安定したエッチングが行え、信頼性の高い微細パターンを形成できるように、付着デポ物を揮発除去できる。
【0053】
更に、本願の第4発明のプラズマ処理方法によれば、真空容器内にガスを供給しつつ排気し、真空容器内を所定の圧力に制御しながら、真空容器内の基板を載置する基板電極に対向して設けられたプラズマ源に高周波電力を印加することで、真空容器内にプラズマを発生させ、基板上の貴金属または貴金属を含む物質をエッチングするプラズマ処理方法であって、エッチングプロセス終了後、前記エッチングプロセスで用いるガスに塩化水素ガスを添加して真空容器内をクリーニングすることで、白金等の貴金属をエッチングする際に、真空容器内に付着してダスト源となり得る反応性デポ物を取り除いて、ダストを減少させ、その結果として安定したエッチングが行え、信頼性の高い微細パターンを形成できるように、付着デポ物を揮発除去できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態および第2実施形態で用いたエッチング装置の構成を示す断面図
【図2】従来方法におけるエッチング処理中のエッチング装置内の様子を示す断面図
【図3】本発明の第1実施形態におけるエッチング処理枚数と真空容器内のダスト増加数との関係を示す図
【図4】従来方法におけるエッチング処理後の真空容器内から採取した反応生成物の成分分析結果を示す図
【図5】本発明の第2実施形態におけるエッチング処理枚数と真空容器内のダスト増加数との関係を示す図
【図6】本発明の第3実施形態におけるエッチング処理枚数と真空容器内のダスト増加数との関係を示す図
【図7】本発明の第4実施形態におけるエッチング処理枚数と真空容器内のダスト増加数との関係を示す図
【符号の説明】
1 真空容器
2 ガス供給装置
3 MFC(マスフローコントローラ)
4 ポンプ
5 プラズマ源用高周波電源
6 コイルもしくはアンテナ
7 基板電極
8 基板
9 基板電極用高周波電源
10 誘電板
11 冷媒流路
12 冷媒循環装置
13 DC電源
14 反応生成物
15 ダスト
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体等の電子デバイス製造に利用されるプラズマ処理方法に関し、特に、貴金属または貴金属を含む物質をエッチングする際のプラズマ処理方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
半導体メモリ(記憶装置)において、従来、メモリキャパシタ構造を変革することによって、メモリキャパシタのキャパシタ容量の増大に対応してきたが、近年の微細化においては、構造の変革だけでは要望される容量を確保することが難しくなった。そのため、キャパシタ容量材料にチタン酸バリウム・ストロンチウム、チタン酸ジルコニウム鉛、タンタル酸ビスマス・ストロンチウムなどの誘電率の高いセラミック系酸化物が用いられるようになってきた。
【0003】
これらのセラミック系酸化物から酸素が脱離すると、その特性が大きく悪化してしまうため、キャパシタ電極材料として、酸素との反応が低い材料、例えば、ルテニウム、白金、イリジウム、ロジウム、金などの貴金属やこれらの貴金属を含む化合物または合金が用いられる。これらの材料を用いて、微細なパターンを形成するには、これらの材料のエッチング技術が必要である。
【0004】
以下、従来のエッチング方法の一例として、誘導結合型プラズマ源を用いた白金のドライエッチングについて、図1のドライエッチング装置の構造図を参照して説明する。
【0005】
図1において、真空容器1内に、ガス供給装置2から所定のガスを導入し、MFC3でガス流量を制御しつつ、排気装置としてのポンプ4により排気を行い、真空容器1内を所定の圧力に保ちながら、プラズマ源用高周波電源5により13.56MHzの高周波電力をコイル6に供給することにより、真空容器1内にプラズマが発生し、基板電極7上に載置された基板8に対してエッチング処理を行うことができる。また、基板電極7に高周波電力を供給するための基板電極用高周波電源9が設けられており、基板8に到達するイオンエネルギーを制御することができるようになっている。
【0006】
従来、白金のドライエッチングには、塩素ガスとアルゴンガスの混合ガスが用いられている。特許文献1及び2に記載された技術では、塩素ガスと酸素ガスとアルゴンガス、または、塩素ガスとアルゴンガスの混合ガスでエッチングしている。
【0007】
【特許文献1】
特開2002−009046号公報
【特許文献2】
特開2001−351898号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来方法による白金のエッチングでは、エッチング処理時間が増すにつれて、図2に見られるように、真空容器1内に反応生成物14が付着し続け、さらにはこれらの付着物が剥れることで、ダスト15の発生に繋がるという問題点がある。このように、真空容器内にダストが存在し、基板パターン上に落下した場合、後の工程に影響を及ぼすとともに、デバイスの信頼性を著しく低下させてしまう。
【0009】
本発明は、上記従来の問題点に鑑み、白金等の貴金属をエッチングする際に、真空容器内に付着してダスト源となり得る反応性デポ物を取り除いて、ダストを減少させ、その結果として安定したエッチングが行え、信頼性の高い微細パターンを形成できるように、付着デポ物を揮発除去できるプラズマ処理方法を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本願の第1発明のプラズマ処理方法は、真空容器内にガスを供給しつつ排気し、真空容器内を所定の圧力に制御しながら、真空容器内の基板を載置する基板電極に対向して設けられたプラズマ源に高周波電力を印加することで、真空容器内にプラズマを発生させ、基板上の貴金属または貴金属を含む物質をエッチングするプラズマ処理方法であって、エッチングプロセス終了後、前記エッチングプロセスとは別のアンモニアガスを用いて前記真空容器内をクリーニングすることを特徴とする。
【0011】
また、本願の第2発明のプラズマ処理方法は、真空容器内にガスを供給しつつ排気し、真空容器内を所定の圧力に制御しながら、真空容器内の基板を載置する基板電極に対向して設けられたプラズマ源に高周波電力を印加することで、真空容器内にプラズマを発生させ、基板上の貴金属または貴金属を含む物質をエッチングするプラズマ処理方法であって、エッチングプロセス終了後、前記エッチングプロセスで用いるガスにアンモニアガスを添加して真空容器内をクリーニングすることを特徴とする。
【0012】
また、本願の第3発明のプラズマ処理方法は、真空容器内にガスを供給しつつ排気し、真空容器内を所定の圧力に制御しながら、真空容器内の基板を載置する基板電極に対向して設けられたプラズマ源に高周波電力を印加することで、真空容器内にプラズマを発生させ、基板上の貴金属または貴金属を含む物質をエッチングするプラズマ処理方法であって、エッチングプロセス終了後、前記エッチングプロセスとは別の塩化水素ガスを用いて前記真空容器内をクリーニングすることを特徴とする。
【0013】
また、本願の第4発明のプラズマ処理方法は、真空容器内にガスを供給しつつ排気し、真空容器内を所定の圧力に制御しながら、真空容器内の基板を載置する基板電極に対向して設けられたプラズマ源に高周波電力を印加することで、真空容器内にプラズマを発生させ、基板上の貴金属または貴金属を含む物質をエッチングするプラズマ処理方法であって、エッチングプロセス終了後、前記エッチングプロセスで用いるガスに塩化水素ガスを添加して真空容器内をクリーニングすることを特徴とする。
【0014】
このとき、本願の第1または第2、第3、第4発明のプラズマ処理方法において、好適には貴金属または貴金属を含む物質が、貴金属または貴金属を含む物質が、ルテニウム、白金、パラジウムなどのうち少なくとも1つの元素を含む薄膜であることが望ましい。
【0015】
さらに、本願の第1または第3発明のプラズマ処理方法において、好適には、アンモニアガスもしくは塩化水素ガスでクリーニングを行う際は、1枚以上200枚以下のエッチング処理毎に行うことが望ましい。更に好適には、アンモニアガスもしくは塩化水素ガスでクリーニングを行う際は、1秒以上20分以下であることが望ましい。
【0016】
また、本願の第1、第2、第3または第4発明のプラズマ処理方法において、好適には、ドライエッチングプロセスに用いるガスは、塩素を含むガス(塩素、三塩化ホウ素、フッ化塩素)、フッ素を含むガス(四フッ化炭素、三フッ化メタン、八フッ化四炭素、八フッ化五炭素)およびアルゴン、酸素であることが望ましい。
【0017】
更に好適には、プラズマ源に印加する高周波電力の周波数が50kHzから3GHzであることが望ましい。そして、好適には、プラズマ源は、誘導結合型プラズマ源または電子サイクロトロン共鳴プラズマ源またはヘリコン波プラズマ源もしくはアンテナ式プラズマ源であることが望ましい。
【0018】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態について、図1から図3を参照して説明する。
図1に、本発明の第1実施形態において用いたエッチング装置の断面図を示す。
【0019】
図1において、真空容器1内に、ガス供給装置2から所定のガスを導入し、MFC3でガス流量を制御しつつ、排気装置としてのポンプ4により排気を行い、真空容器1内を所定の圧力に保ちながら、プラズマ源用高周波電源5により13.56MHzの高周波電力を真空容器1内に突出して設けられたコイルもしくはアンテナ6に供給することにより、真空容器1内にプラズマが発生し、基板電極7上に載置された基板8に対してエッチング処理を行うことができる。
【0020】
また、基板電極7に13.56MHzの高周波電力を供給するための基板電極用高周波電源9が設けられており、基板8に到達するイオンエネルギーを制御することができるようになっている。コイルもしくはアンテナ6と真空容器1との間に誘電板10が挟まれている。基板電極7内には、冷媒流路11が設けられており、冷媒循環装置12から冷媒が供給されており、また、基板電極7には基板8を基板電極7に対して、DC電源13を用いて静電的に吸着する機構が備えられており、基板8を低温に保持することができるようになっている。
【0021】
図1に示すエッチング装置において、GaAs基板もしくはSi基板上の白金250nmの全面エッチングを行った。エッチング条件は、アルゴン/塩素=90/10sccm、圧力=1.0Pa、プラズマ源電力=600W、電極電力=200W、基板温度=20℃であり、クリーニング条件は、1sl毎にアンモニア=100sccm、圧力=2.0Pa、プラズマ源電力=200W、電極電力=50W、基板温度=20℃、60secで行った。
【0022】
図3には、エッチング処理枚数と真空容器1内のダスト増加数の関係を示す。今回、パーティクルとしてカウントした大きさは0.2μm以上のダストである。従来のクリーニング処理なしにおいては、図3(a)より、200sl積算時までは、パーティクルの増加数はいずれも20個以下であるが、200sl以降パーティクルが増加しはじめ、300sl積算時には、200個以上のパーティクルが計測された。しかしながら、図3(b)に見られるように、アンモニアのガスクリーニングを行った場合は、300slを超えてもパーティクルの増加は計測されなかった。この結果より、従来例と比べて飛躍的な改善がみられたことがわかる。
【0023】
また、本実施形態においては、白金等の貴金属をエッチングする際に、真空容器内に付着してダスト源となり得る反応性デポ物を取り除いて、パーティクルを減少させることが可能となり、従来例と比べて、安定したエッチングが行え、信頼性の高い微細パターンを形成できる点において大きく改善した。
【0024】
このように、従来例に比べて、エッチング処理後のパーティクル増加が観測されなかったのは、アンモニアのガスクリーニングの際に真空容器内に付着した反応生成物を除去した為だと考えられる。以下、これについて詳しく説明する。
【0025】
今回、被エッチング膜として用いた白金は、エッチングプロセス中に塩素ガスと反応して、塩化白金(II)が生成することを発見した。図4に示すように、従来の方法で白金をエッチング処理した後の真空容器内の付着物を採取し、成分分析を行った結果から明らかである。それに対して、本実施形態においては、アンモニアガスでプラズマ処理を行ったことで、塩化白金(II)を揮発除去させるのに非常に効果的であったと言える。
【0026】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について、図1及び図5を参照して説明する。本発明の第2実施形態において用いたエッチング装置は、既に図1において説明したので、ここでは説明を省略する。
【0027】
図1に示すエッチング装置において、GaAs基板もしくはSi基板上の白金250nmの全面エッチングを行った。エッチング条件は、アルゴン/塩素/アンモニア=90/10/10sccm、圧力=1.0Pa、プラズマ源電力=600W、電極電力=200W、基板温度=20℃で行った。
【0028】
図5には、エッチング処理枚数と真空容器1内のダスト増加数の関係を示す。今回、パーティクルとしてカウントした大きさは0.2μm以上のダストである。従来のクリーニング処理なしにおいては、図5(a)より、200sl積算時までは、パーティクルの増加数はいずれも20個以下であるが、200sl以降パーティクルが増加しはじめ、300sl積算時には、200個以上のパーティクルが計測された。しかしながら、図5(b)に見られるように、アンモニアをエッチングガスに添加した場合は、300slを超えてもパーティクルの増加は計測されなかった。この結果より、従来例と比べて飛躍的な改善がみられたことがわかる。
【0029】
また、本実施形態においては、白金等の貴金属をエッチングする際に、真空容器内に付着してダスト源となり得る反応性デポ物を取り除いて、パーティクルを減少させることが可能となり、従来例と比べて、安定したエッチングが行え、信頼性の高い微細パターンを形成できる点において大きく改善した。
【0030】
このように、従来例に比べて、エッチング処理後のパーティクル増加が観測されなかったのは、エッチングプロセス中に真空容器内に付着した反応生成物を除去した為だと考えられる。以下、これについて詳しく説明する。
【0031】
今回、被エッチング膜として用いた白金は、エッチングプロセス中に塩素ガスと反応して、塩化白金(II)が生成することを発見した。図4に示すように、従来の方法で白金をエッチング処理した後の真空容器内の付着物を採取し、成分分析を行った結果から明らかである。それに対して、本実施形態においては、アンモニアガスをエッチングプロセスガスに添加してプラズマ処理を行ったことで、塩化白金(II)を揮発除去させるのに非常に効果的であったと言える。
【0032】
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態について、図1及び図6を参照して説明する。本発明の第3実施形態において用いたエッチング装置は、既に図1において説明したので、ここでは説明を省略する。
【0033】
図1に示すエッチング装置において、GaAs基板もしくはSi基板上の白金250nmの全面エッチングを行った。エッチング条件は、アルゴン/塩素=90/10sccm、圧力=1.0Pa、プラズマ源電力=600W、電極電力=200W、基板温度=20℃であり、クリーニング条件は、1sl毎に塩化水素=100sccm、圧力=2.0Pa、プラズマ源電力=200W、電極電力=50W、基板温度=20℃、60secで行った。
【0034】
そして、エッチング処理枚数と真空容器1内のダスト増加数の関係を図6に示す。今回、パーティクルとしてカウントした大きさは0.2μm以上のダストである。従来のクリーニング処理なし図6(a)においては、図3(a)と同様で省略する。それに対して、図6(b)に見られるように、塩化水素のガスクリーニングを行った場合は、300slを超えてもパーティクルの増加は計測されなかった。この結果より、従来例と比べて飛躍的な改善がみられたことがわかる。
【0035】
また、本実施形態においては、白金等の貴金属をエッチングする際に、真空容器内に付着してダスト源となり得る反応性デポ物を取り除いて、パーティクルを減少させることが可能となり、従来例と比べて、安定したエッチングが行え、信頼性の高い微細パターンを形成できる点において大きく改善した。
【0036】
このように、従来例に比べて、エッチング処理後のパーティクル増加が観測されなかったのは、塩化水素のガスクリーニングの際に真空容器内に付着した反応生成物を除去した為だと考えられる。以下、これについて詳しく説明する。
【0037】
今回、被エッチング膜として用いた白金は、エッチングプロセス中に塩素ガスと反応して、塩化白金(II)が生成することを発見した(図3参照)。それに対して、本実施形態においては、塩化水素ガスでプラズマ処理を行ったことで、塩化白金(II)を揮発除去させるのに非常に効果的であったといえる。
【0038】
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態について、図1及び図7を参照して説明する。本発明の第4実施形態において用いたエッチング装置は、既に図1において説明したので、ここでは説明を省略する。
【0039】
図1に示すエッチング装置において、GaAs基板もしくはSi基板上の白金250nmの全面エッチングを行った。エッチング条件は、アルゴン/塩素/塩化水素=90/10/10sccm、圧力=1.0Pa、プラズマ源電力=600W、電極電力=200W、基板温度=20℃で行った。
【0040】
図7には、エッチング処理枚数と真空容器1内のダスト増加数の関係を示す。今回、パーティクルとしてカウントした大きさは0.2μm以上のダストである。従来のクリーニング処理なしの図7(a)においては、図3(a)と同様で省略する。それに対して、図7(b)に見られるように、塩化水素をエッチングガスに添加した場合は、300slを超えてもパーティクルの増加は計測されなかった。この結果より、従来例と比べて飛躍的な改善がみられたことがわかる。
【0041】
また、本実施形態においては、白金等の貴金属をエッチングする際に、真空容器内に付着してダスト源となり得る反応性デポ物を取り除いて、パーティクルを減少させることが可能となり、従来例と比べて、安定したエッチングが行え、信頼性の高い微細パターンを形成できる点において大きく改善した。
【0042】
このように、従来例に比べて、エッチング処理後のパーティクル増加が観測されなかったのは、エッチングプロセス中に真空容器内に付着した反応生成物を除去した為だと考えられる。以下、これについて詳しく説明する。
【0043】
今回、被エッチング膜として用いた白金は、エッチングプロセス中に塩素ガスと反応して、塩化白金(II)が生成することを発見した。図4に示すように、従来の方法で白金をエッチング処理した後の真空容器内の付着物を採取し、成分分析を行った結果から明らかである。それに対して、本実施形態においては、塩化水素ガスをエッチングプロセスガスに添加してプラズマ処理を行ったことで、塩化白金(II)を揮発除去させるのに非常に効果的であったといえる。
【0044】
以上述べた本発明の実施形態において、被エッチング物が白金である場合を例示したが、その他、貴金属または貴金属を含む物質が、ルテニウム、白金、パラジウムなどのうち少なくとも1つの元素を含む薄膜にも、本発明は適応可能である。
【0045】
また、本発明の実施形態において、アンモニアガスもしくは塩化水素ガスでクリーニングを行う際は、1枚以上200枚以下のエッチング処理毎に行うことができる。
【0046】
また、本発明における、アンモニアガスもしくは塩化水素ガスでクリーニングを行う際は、1秒以上20分以下である方が望ましい。1秒以下であると付着したデポ物と反応して揮発するのに不十分であるという欠点があり、20分以上行うのは生産タクトの観点から不利となる。
【0047】
また、本発明で、ドライエッチングプロセスに用いるガスは、塩素を含むガス(塩素、三塩化ホウ素、フッ化塩素)、フッ素を含むガス(四フッ化炭素、三フッ化メタン、八フッ化四炭素、八フッ化五炭素)およびアルゴン、酸素を用いることができる。
【0048】
また、本発明の実施形態において、プラズマ源に印加する電力の周波数が13.56MHzを用いた場合を例示したが、プラズマ源はこれに限定されるものではなく、周波数50kHz乃至3GHzの高周波電力を印加することによりプラズマを発生させるプラズマ源を用いることができる。
【0049】
更に、本発明の実施形態において、プラズマ源は、誘導結合型プラズマ源または電子サイクロトロン共鳴プラズマ源またはヘリコン波プラズマ源もしくはアンテナ式プラズマ源であっても可能である。
【0050】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本願の第1発明のプラズマ処理方法によれば、真空容器内にガスを供給しつつ排気し、真空容器内を所定の圧力に制御しながら、真空容器内の基板を載置する基板電極に対向して設けられたプラズマ源に高周波電力を印加することで、真空容器内にプラズマを発生させ、基板上の貴金属または貴金属を含む物質をエッチングするプラズマ処理方法であって、エッチングプロセス終了後、前記エッチングプロセスとは別のアンモニアガスを用いて前記真空容器内をクリーニングすることで、白金等の貴金属をエッチングする際に、真空容器内に付着してダスト源となり得る反応性デポ物を取り除いて、ダストを減少させ、その結果として安定したエッチングが行え、信頼性の高い微細パターンを形成できるように、付着デポ物を揮発除去できる。
【0051】
また、本願の第2発明のプラズマ処理方法によれば、真空容器内にガスを供給しつつ排気し、真空容器内を所定の圧力に制御しながら、真空容器内の基板を載置する基板電極に対向して設けられたプラズマ源に高周波電力を印加することで、真空容器内にプラズマを発生させ、基板上の貴金属または貴金属を含む物質をエッチングするプラズマ処理方法であって、エッチングプロセス終了後、前記エッチングプロセスで用いるガスにアンモニアガスを添加して真空容器内をクリーニングすることで、白金等の貴金属をエッチングする際に、真空容器内に付着してダスト源となり得る反応性デポ物を取り除いて、ダストを減少させ、その結果として安定したエッチングが行え、信頼性の高い微細パターンを形成できるように、付着デポ物を揮発除去できる。
【0052】
また、本願の第3発明のプラズマ処理方法によれば、真空容器内にガスを供給しつつ排気し、真空容器内を所定の圧力に制御しながら、真空容器内の基板を載置する基板電極に対向して設けられたプラズマ源に高周波電力を印加することで、真空容器内にプラズマを発生させ、基板上の貴金属または貴金属を含む物質をエッチングするプラズマ処理方法であって、エッチングプロセス終了後、前記エッチングプロセスとは別の塩化水素ガスを用いて前記真空容器内をクリーニングすることで、白金等の貴金属をエッチングする際に、真空容器内に付着してダスト源となり得る反応性デポ物を取り除いて、ダストを減少させ、その結果として安定したエッチングが行え、信頼性の高い微細パターンを形成できるように、付着デポ物を揮発除去できる。
【0053】
更に、本願の第4発明のプラズマ処理方法によれば、真空容器内にガスを供給しつつ排気し、真空容器内を所定の圧力に制御しながら、真空容器内の基板を載置する基板電極に対向して設けられたプラズマ源に高周波電力を印加することで、真空容器内にプラズマを発生させ、基板上の貴金属または貴金属を含む物質をエッチングするプラズマ処理方法であって、エッチングプロセス終了後、前記エッチングプロセスで用いるガスに塩化水素ガスを添加して真空容器内をクリーニングすることで、白金等の貴金属をエッチングする際に、真空容器内に付着してダスト源となり得る反応性デポ物を取り除いて、ダストを減少させ、その結果として安定したエッチングが行え、信頼性の高い微細パターンを形成できるように、付着デポ物を揮発除去できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態および第2実施形態で用いたエッチング装置の構成を示す断面図
【図2】従来方法におけるエッチング処理中のエッチング装置内の様子を示す断面図
【図3】本発明の第1実施形態におけるエッチング処理枚数と真空容器内のダスト増加数との関係を示す図
【図4】従来方法におけるエッチング処理後の真空容器内から採取した反応生成物の成分分析結果を示す図
【図5】本発明の第2実施形態におけるエッチング処理枚数と真空容器内のダスト増加数との関係を示す図
【図6】本発明の第3実施形態におけるエッチング処理枚数と真空容器内のダスト増加数との関係を示す図
【図7】本発明の第4実施形態におけるエッチング処理枚数と真空容器内のダスト増加数との関係を示す図
【符号の説明】
1 真空容器
2 ガス供給装置
3 MFC(マスフローコントローラ)
4 ポンプ
5 プラズマ源用高周波電源
6 コイルもしくはアンテナ
7 基板電極
8 基板
9 基板電極用高周波電源
10 誘電板
11 冷媒流路
12 冷媒循環装置
13 DC電源
14 反応生成物
15 ダスト
Claims (11)
- 真空容器内にガスを供給しつつ排気し、真空容器内を所定の圧力に制御しながら、真空容器内の基板を載置する基板電極に対向して設けられたプラズマ源に高周波電力を印加することで、真空容器内にプラズマを発生させ、基板上の貴金属または貴金属を含む物質をエッチングするプラズマ処理方法であって、エッチングプロセス終了後、前記エッチングプロセスとは別のアンモニアガスを用いて前記真空容器内をクリーニングすることを特徴とするプラズマ処理方法。
- 真空容器内にガスを供給しつつ排気し、真空容器内を所定の圧力に制御しながら、真空容器内の基板を載置する基板電極に対向して設けられたプラズマ源に高周波電力を印加することで、真空容器内にプラズマを発生させ、基板上の貴金属または貴金属を含む物質をエッチングするプラズマ処理方法であって、エッチングプロセス終了後、前記エッチングプロセスで用いるガスにアンモニアガスを添加して真空容器内をクリーニングすることを特徴とするプラズマ処理方法。
- 真空容器内にガスを供給しつつ排気し、真空容器内を所定の圧力に制御しながら、真空容器内の基板を載置する基板電極に対向して設けられたプラズマ源に高周波電力を印加することで、真空容器内にプラズマを発生させ、基板上の貴金属または貴金属を含む物質をエッチングするプラズマ処理方法であって、エッチングプロセス終了後、前記エッチングプロセスとは別の塩化水素ガスを用いて前記真空容器内をクリーニングすることを特徴とするプラズマ処理方法。
- 真空容器内にガスを供給しつつ排気し、真空容器内を所定の圧力に制御しながら、真空容器内の基板を載置する基板電極に対向して設けられたプラズマ源に高周波電力を印加することで、真空容器内にプラズマを発生させ、基板上の貴金属または貴金属を含む物質をエッチングするプラズマ処理方法であって、エッチングプロセス終了後、前記エッチングプロセスで用いるガスに塩化水素ガスを添加して真空容器内をクリーニングすることを特徴とするプラズマ処理方法。
- 貴金属または貴金属を含む物質が、ルテニウム、白金、パラジウムのうち少なくとも1つの元素を含む薄膜であることを特徴とする請求項1から4の何れか一項に記載のプラズマ処理方法。
- アンモニアガスもしくは塩化水素ガスでクリーニングを行う際は、1枚以上200枚以下のエッチング処理毎に行うことを特徴とする請求項1または3記載のプラズマ処理方法。
- アンモニアガスもしくは塩化水素ガスでクリーニングを行う際は、1秒以上20分以下であることを特徴とする請求項1または3記載のプラズマ処理方法。
- ドライエッチングプロセスに用いるガスは、塩素を含むガス、フッ素を含むガスおよびアルゴン、酸素であることを特徴とする請求項1から4の何れか一項に記載のプラズマ処理方法。
- 塩素を含むガスは、塩素,三塩化ホウ素,フッ化塩素の何れかのガスであることを特徴とする請求項8記載のプラズマ処理方法。
- フッ素を含むガスは、四フッ化炭素,三フッ化メタン,八フッ化四炭素,八フッ化五炭素の何れかのガスであることを特徴とする請求項8記載のプラズマ処理方法。
- プラズマ源に印加する電力の周波数は50kHzから3GHzであることを特徴とする請求項1から10の何れか一項に記載のプラズマ処理方法。
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