JP2004228487A - ドライエッチング方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】エッチング側壁に形成されるフェンス状デポ膜の発生を防止し、その結果として微細パターンを形成することが可能な貴金属または貴金属を含む物質のドライエッチング方法を提供すること。
【解決手段】真空容器1内に、ガス供給装置2から所定のガスを導入し、MFCでガス流量を制御しつつ、排気装置としてのポンプ4により排気を行い、真空容器1内を所定の圧力に保ちながら、プラズマ源用高周波電源5により13.56MHzの高周波電力を真空容器1内に突出して設けられたコイルもしくはアンテナ6に供給することにより、真空容器1内にプラズマが発生し、基板電極7上に載置された基板8に対してエッチング処理を行うことで解決できる。
【選択図】 図1
【解決手段】真空容器1内に、ガス供給装置2から所定のガスを導入し、MFCでガス流量を制御しつつ、排気装置としてのポンプ4により排気を行い、真空容器1内を所定の圧力に保ちながら、プラズマ源用高周波電源5により13.56MHzの高周波電力を真空容器1内に突出して設けられたコイルもしくはアンテナ6に供給することにより、真空容器1内にプラズマが発生し、基板電極7上に載置された基板8に対してエッチング処理を行うことで解決できる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体等の電子デバイス製造に利用されるドライエッチング方法に関し、特に貴金属または貴金属を含む物質をドライエッチング方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
半導体メモリ(記憶装置)において、従来、メモリキャパシタ構造を変革することによって、メモリキャパシタのキャパシタ容量の増大に対応してきたが、近年の微細化においては、構造の変革だけでは要望される容量を確保することが難しくなった。そのため、キャパシタ容量材料にチタン酸バリウム・ストロンチウム、チタン酸ジルコニウム鉛、タンタル酸ビスマス・ストロンチウムなどの誘電率の高いセラミック系酸化物が用いられるようになってきた。
【0003】
これらのセラミック系酸化物から酸素が脱離すると、その特性が大きく悪化してしまうため、キャパシタ電極材料として、酸素との反応が低い材料、例えば、ルテニウム、白金、イリジウム、ロジウム、金などの貴金属やこれらの貴金属を含む化合物または合金が用いられる。これらの材料を用いて、微細なパターンを形成するには、これらの材料のエッチング技術が必要である。
【0004】
以下、従来のエッチング方法の一例として、誘導結合型プラズマ源を用いた白金のドライエッチングについて、図1のドライエッチング装置の構造図を参照して説明する。
【0005】
図1において、真空容器1内に、ガス供給装置2から所定のガスを導入し、MFC3でガス流量を制御しつつ、排気装置としてのポンプ4により排気を行い、真空容器1内を所定の圧力に保ちながら、プラズマ源用高周波電源5により13.56MHzの高周波電力をコイル6に供給することにより、真空容器1内にプラズマが発生し、基板電極7上に載置された基板8に対してエッチング処理を行うことができる。また、基板電極7に高周波電力を供給するための基板電極用高周波電源9が設けられており、基板8に到達するイオンエネルギーを制御することができるようになっている。
【0006】
従来、白金のドライエッチングには、塩素ガスとアルゴンガスの混合ガスが用いられている。特許文献1及び特許文献2に記載された発明では、塩素ガスと酸素ガスとアルゴンガス、または、塩素ガスとアルゴンガスの混合ガスでエッチングしている。
【0007】
【特許文献1】
特開2002−9046号公報
【特許文献2】
特開2001−351898号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来方法による白金のエッチングでは、塩素と白金薄膜との反応が十分でなく、スパッタ性が主体のエッチングとなる。その結果、図4(a)に示すように、レジストマスク20及び被エッチング膜である白金膜21のエッチング側壁には、デポ膜22が付着してしまう。
【0009】
次に、この基板7をアッシングした直後の断面模式図を図4(b)に示す。デポ膜22はほとんど除去されていないことがわかる。このようにフェンス状のデポ膜22が除去できずに残ってしまうと、後の工程に影響を及ぼすとともに、デバイスの信頼性を著しく低下させてしまう。
【0010】
本発明は、上記従来の問題点に鑑み、エッチング側壁に形成されるフェンス状デポ膜の発生を防止し、その結果として微細パターンを形成できる、貴金属または貴金属を含む物質のドライエッチング方法を提供することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本願の第1発明のドライエッチング方法は、真空容器内にガスを供給しつつ真空容器内を排気し、真空容器内を所定の圧力に制御しながら、真空容器内の基板電極に載置された基板に対向して設けられたプラズマ源に高周波電力を印加するとともに、基板電極にも高周波電力を印加することにより、真空容器内にプラズマを発生させ、基板上の貴金属または貴金属を含む物質をエッチングするエッチング方法であって、レジスト膜厚を被エッチング膜の5倍以下にすることを特徴とする。
【0012】
本願の第2発明のドライエッチング方法は、真空容器内にガスを供給しつつ真空容器内を排気し、真空容器内を所定の圧力に制御しながら、真空容器内の基板電極に載置された基板に対向して設けられたプラズマ源に高周波電力を印加するとともに、基板電極にも高周波電力を印加することにより、真空容器内にプラズマを発生させ、基板上の貴金属または貴金属を含む物質をエッチング処理するエッチング方法であって、酸素を添加したエッチング条件を用いることで対レジスト選択比を減少させて、レジスト形状を順テーパに制御することを特徴とする。
【0013】
本願の第1または第2発明のエッチング方法において、好適には貴金属または貴金属を含む物質が、イリジウム、ルテニウム、白金、ロジウム、金、レニウムなどの遷移金属全般および第2周期以降の典型金属のうち少なくとも1つの元素を含む薄膜であることが望ましい。
【0014】
更に好適には、本願の第1発明においてレジスト膜厚を調整させる手段として、エッチングプロセスに酸素を用いて処理することが望ましい。
【0015】
その上、好適には、ドライエッチングプロセスに用いるガスは、塩素を含むガス(塩素、三塩化ホウ素、フッ化塩素など)、フッ素を含むガス(四フッ化炭素、三フッ化メタンなど)およびアルゴン、酸素であることが望ましい。
【0016】
また、好適には、請求項3に含まれる物質とレジストとを同時にエッチングした場合には、レジストのエッチング速度が、前記物質のエッチング速度よりも相対的に大きく、対レジスト選択比が1以下であることが望ましく、プラズマ源に印加する高周波電力の周波数が50kHz乃至3GHzであることが望ましい。
【0017】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態について、図1及び図2を参照して説明する。
【0018】
図1に、本発明の第1実施形態において用いたエッチング装置の断面図を示す。
【0019】
図1において、真空容器1内に、ガス供給装置2から所定のガスを導入し、MFC3でガス流量を制御しつつ、排気装置としてのポンプ4により排気を行い、真空容器1内を所定の圧力に保ちながら、プラズマ源用高周波電源5により13.56MHzの高周波電力を真空容器1内に突出して設けられたコイルもしくはアンテナ6に供給することにより、真空容器1内にプラズマが発生し、基板電極7上に載置された基板8に対してエッチング処理を行うことができる。
【0020】
また、基板電極7に13.56MHzの高周波電力を供給するための基板電極用高周波電源9が設けられており、基板8に到達するイオンエネルギーを制御することができるようになっている。コイルもしくはアンテナ6と真空容器1との間に誘電板10が挟まれている。基板電極7内には、冷媒流路11が設けられており、冷媒循環装置12から冷媒が供給されており、また、基板電極7には基板8を基板電極7に対して、DC電源13を用いて静電的に吸着する機構が備えられており、基板8を低温に保持することができるようになっている。
【0021】
図1に示すエッチング装置において、膜厚0.2μmの白金膜に2μmのレジスト膜付き基板7をエッチングした。まず、酸素=100sccm、圧力=2.0Pa、プラズマ源電力600W、電極電力300W、基板温度=20℃のエッチング条件でレジストをエッチングし、膜厚を減少させる。その際、レジストのレートを考慮し、レジストの残膜が▲1▼2.0μmおよび▲2▼1.0μmになるようにする。その後、アルゴン/塩素/酸素=80/20/10sccm、圧力=0.5Pa、プラズマ源電力=600W、電極電力=300W、基板温度=20℃の条件で白金のエッチングを行う。
【0022】
エッチング直後のエッチング断面模式図を図2(a)及び(c)に示す。
【0023】
レジストマスク14の寸法は0.2μmである。図2(a)に示すように、レジスト残膜が2.0μmのとき、レジストマスク20及び被エッチング膜である白金膜21のエッチング側壁には、デポ膜22が付着している。図2(c)に示すように、レジスト残膜が1.0μmでは、被エッチング膜である白金膜21のエッチング側壁には、デポ膜22が少し付着している。
【0024】
次に、これらの基板7をアッシングした直後の断面模式図を、それぞれ図2(b)及び(d)に示す。レジスト残膜が2.0μm(図2(a)に相当)のとき、デポ膜22は除去されておらず、フェンス状のデポが存在する。それに対して、レジスト残膜が1.0μm(図2(c)に相当)では、フェンス状デポ膜はほとんど付着していないことがわかる。
【0025】
このように、従来例では除去できなかったデポ膜が除去できたのは、レジストの膜厚の違いに起因していると考えられる。すなわち、本実施形態においては、白金をエッチングする際に発生するデポ物がレジストに付着する比率が少なく、揮発する量が増加するが、従来例ではレジスト膜厚が厚い為に、デポ物が揮発する前に、レジストに付着してしまう。
【0026】
換言すれば、反応により生成するデポ物に付着する障害をできるだけ除去してしまうことが、デポ物を揮発させ、デポ膜の除去性を向上させるのに極めて効果的であると言える。その際、被エッチング膜に対して、レジスト膜厚が5倍以下にすることが効果的である。
【0027】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について、図1及び図3を参照して説明する。本発明の第2実施形態において用いたエッチング装置は、既に図1において説明したので、ここでは説明を省略する。
【0028】
図1に示すエッチング装置において、膜厚0.2μmの白金膜に2μmのレジスト膜付き基板7をエッチングした。エッチング条件は、アルゴン/塩素/酸素=80/20/10sccm、圧力=0.5Pa、プラズマ源電力=600W、電極電力=200W、基板温度=20℃である。
【0029】
エッチング直後のエッチング断面模式図を図3(a)に示す。レジストマスク20の寸法は0.2μmである。被エッチング膜である白金膜21のエッチング側壁には、デポ膜22が少し付着している。しかし、レジストマスク20の側壁にはデポ膜の付着は見られない。次に、この基板7をアッシングした直後の断面模式図を図3(b)に示す。フェンス状のデポ膜はほとんど付着していないことがわかる。
【0030】
このように、従来例では除去できなかったデポ膜が除去できたのは、レジストの形状の違いに起因していると考えられる。すなわち、酸素を用いた条件でエッチングを行うことで、レジスト形状を順テーパ形状に制御しながら、同時に白金のエッチングをする。この際、レジストが従来の垂直形状に比べて、順テーパ形状になっているのでデポ物がレジストに付着しにくく、デポ物を揮発させ、デポ膜の除去性を向上させるのに極めて効果的であるといえる。
【0031】
以上述べた本発明の実施形態において、被エッチング物が白金である場合を例示したが、その他、イリジウム、ルテニウム、白金、ロジウム、金、レニウムなどの遷移金属全般および第2周期以降の典型金属のうち少なくとも1つの元素を含む薄膜にも、本発明は適応可能である。
【0032】
更に、請求項1においてレジスト膜厚を減少させる手段として、エッチングプロセスに酸素を用いて処理することがのぞましい。
【0033】
また、本発明で、ドライエッチングプロセスに用いるガスは、塩素を含むガス(塩素、三塩化ホウ素、フッ化塩素など)、フッ素を含むガス(四フッ化炭素、三フッ化メタンなど)およびアルゴン、酸素を用いることができる。
【0034】
本発明において、被エッチング物質とレジストとを同時にエッチングした場合には、レジストのエッチング速度が、前記物質のエッチング速度よりも相対的に大きく、対レジスト選択比が1以下であることが望ましい。対レジスト選択比が1よりも大きいと、レジストの形状を順テーパに制御することが困難になるという欠点がある。
【0035】
また、本発明の実施形態において、プラズマ源に印加する電力の周波数が13.56MHzを用いた場合を例示したが、プラズマ源はこれに限定されるものではなく、周波数50kHz乃至3GHzの高周波電力を印加することによりプラズマを発生させるプラズマ源を用いることができる。
【0036】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本願の第1発明のドライエッチング方法によれば、真空容器内にガスを供給しつつ真空容器内を排気し、真空容器内を所定の圧力に制御しながら、真空容器内の基板電極に載置された基板に対向して設けられたプラズマ源に高周波電力を印加するとともに、基板電極にも高周波電力を印加することにより、真空容器内にプラズマを発生させ、基板上の貴金属または貴金属を含む物質をエッチングするエッチング方法であって、レジスト膜厚を被エッチング膜の5倍以下にすることで、エッチング側壁に形成されるフェンス状デポ膜の発生を防止し、その結果として微細パターンを形成できる、貴金属または貴金属を含む物質のドライエッチング方法を提供することができる。
【0037】
また、本願の第2発明のドライエッチング方法によれば、真空容器内にガスを供給しつつ真空容器内を排気し、真空容器内を所定の圧力に制御しながら、真空容器内の基板電極に載置された基板に対向して設けられたプラズマ源に高周波電力を印加するとともに、基板電極にも高周波電力を印加することにより、真空容器内にプラズマを発生させ、基板上の貴金属または貴金属を含む物質をエッチング処理するエッチング方法であって、酸素を添加したエッチング条件を用いることで対レジスト選択比を減少させて、レジスト形状を順テーパに制御するため、エッチング側壁に形成されるフェンス状デポ膜の発生を防止し、その結果として微細パターンを形成できる、貴金属または貴金属を含む物質のエッチング方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態および第2実施形態で用いたエッチング装置の構成を示す断面図
【図2】本発明の第1実施形態におけるエッチング断面模式図
【図3】本発明の第2実施形態におけるエッチング断面模式図
【図4】従来例におけるエッチング断面模式図
【符号の説明】
1 真空容器
2 ガス供給装置
3 MFC(マスフローコントローラ)
4 ポンプ
5 プラズマ源用高周波電源
6 コイルもしくはアンテナ
7 基板電極
8 基板
9 基板電極用高周波電源
10 誘電板
11 冷媒流路
12 冷媒循環装置
13 DC電源
14 レジストマスク
15 白金膜
16 デポ膜
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体等の電子デバイス製造に利用されるドライエッチング方法に関し、特に貴金属または貴金属を含む物質をドライエッチング方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
半導体メモリ(記憶装置)において、従来、メモリキャパシタ構造を変革することによって、メモリキャパシタのキャパシタ容量の増大に対応してきたが、近年の微細化においては、構造の変革だけでは要望される容量を確保することが難しくなった。そのため、キャパシタ容量材料にチタン酸バリウム・ストロンチウム、チタン酸ジルコニウム鉛、タンタル酸ビスマス・ストロンチウムなどの誘電率の高いセラミック系酸化物が用いられるようになってきた。
【0003】
これらのセラミック系酸化物から酸素が脱離すると、その特性が大きく悪化してしまうため、キャパシタ電極材料として、酸素との反応が低い材料、例えば、ルテニウム、白金、イリジウム、ロジウム、金などの貴金属やこれらの貴金属を含む化合物または合金が用いられる。これらの材料を用いて、微細なパターンを形成するには、これらの材料のエッチング技術が必要である。
【0004】
以下、従来のエッチング方法の一例として、誘導結合型プラズマ源を用いた白金のドライエッチングについて、図1のドライエッチング装置の構造図を参照して説明する。
【0005】
図1において、真空容器1内に、ガス供給装置2から所定のガスを導入し、MFC3でガス流量を制御しつつ、排気装置としてのポンプ4により排気を行い、真空容器1内を所定の圧力に保ちながら、プラズマ源用高周波電源5により13.56MHzの高周波電力をコイル6に供給することにより、真空容器1内にプラズマが発生し、基板電極7上に載置された基板8に対してエッチング処理を行うことができる。また、基板電極7に高周波電力を供給するための基板電極用高周波電源9が設けられており、基板8に到達するイオンエネルギーを制御することができるようになっている。
【0006】
従来、白金のドライエッチングには、塩素ガスとアルゴンガスの混合ガスが用いられている。特許文献1及び特許文献2に記載された発明では、塩素ガスと酸素ガスとアルゴンガス、または、塩素ガスとアルゴンガスの混合ガスでエッチングしている。
【0007】
【特許文献1】
特開2002−9046号公報
【特許文献2】
特開2001−351898号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来方法による白金のエッチングでは、塩素と白金薄膜との反応が十分でなく、スパッタ性が主体のエッチングとなる。その結果、図4(a)に示すように、レジストマスク20及び被エッチング膜である白金膜21のエッチング側壁には、デポ膜22が付着してしまう。
【0009】
次に、この基板7をアッシングした直後の断面模式図を図4(b)に示す。デポ膜22はほとんど除去されていないことがわかる。このようにフェンス状のデポ膜22が除去できずに残ってしまうと、後の工程に影響を及ぼすとともに、デバイスの信頼性を著しく低下させてしまう。
【0010】
本発明は、上記従来の問題点に鑑み、エッチング側壁に形成されるフェンス状デポ膜の発生を防止し、その結果として微細パターンを形成できる、貴金属または貴金属を含む物質のドライエッチング方法を提供することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本願の第1発明のドライエッチング方法は、真空容器内にガスを供給しつつ真空容器内を排気し、真空容器内を所定の圧力に制御しながら、真空容器内の基板電極に載置された基板に対向して設けられたプラズマ源に高周波電力を印加するとともに、基板電極にも高周波電力を印加することにより、真空容器内にプラズマを発生させ、基板上の貴金属または貴金属を含む物質をエッチングするエッチング方法であって、レジスト膜厚を被エッチング膜の5倍以下にすることを特徴とする。
【0012】
本願の第2発明のドライエッチング方法は、真空容器内にガスを供給しつつ真空容器内を排気し、真空容器内を所定の圧力に制御しながら、真空容器内の基板電極に載置された基板に対向して設けられたプラズマ源に高周波電力を印加するとともに、基板電極にも高周波電力を印加することにより、真空容器内にプラズマを発生させ、基板上の貴金属または貴金属を含む物質をエッチング処理するエッチング方法であって、酸素を添加したエッチング条件を用いることで対レジスト選択比を減少させて、レジスト形状を順テーパに制御することを特徴とする。
【0013】
本願の第1または第2発明のエッチング方法において、好適には貴金属または貴金属を含む物質が、イリジウム、ルテニウム、白金、ロジウム、金、レニウムなどの遷移金属全般および第2周期以降の典型金属のうち少なくとも1つの元素を含む薄膜であることが望ましい。
【0014】
更に好適には、本願の第1発明においてレジスト膜厚を調整させる手段として、エッチングプロセスに酸素を用いて処理することが望ましい。
【0015】
その上、好適には、ドライエッチングプロセスに用いるガスは、塩素を含むガス(塩素、三塩化ホウ素、フッ化塩素など)、フッ素を含むガス(四フッ化炭素、三フッ化メタンなど)およびアルゴン、酸素であることが望ましい。
【0016】
また、好適には、請求項3に含まれる物質とレジストとを同時にエッチングした場合には、レジストのエッチング速度が、前記物質のエッチング速度よりも相対的に大きく、対レジスト選択比が1以下であることが望ましく、プラズマ源に印加する高周波電力の周波数が50kHz乃至3GHzであることが望ましい。
【0017】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態について、図1及び図2を参照して説明する。
【0018】
図1に、本発明の第1実施形態において用いたエッチング装置の断面図を示す。
【0019】
図1において、真空容器1内に、ガス供給装置2から所定のガスを導入し、MFC3でガス流量を制御しつつ、排気装置としてのポンプ4により排気を行い、真空容器1内を所定の圧力に保ちながら、プラズマ源用高周波電源5により13.56MHzの高周波電力を真空容器1内に突出して設けられたコイルもしくはアンテナ6に供給することにより、真空容器1内にプラズマが発生し、基板電極7上に載置された基板8に対してエッチング処理を行うことができる。
【0020】
また、基板電極7に13.56MHzの高周波電力を供給するための基板電極用高周波電源9が設けられており、基板8に到達するイオンエネルギーを制御することができるようになっている。コイルもしくはアンテナ6と真空容器1との間に誘電板10が挟まれている。基板電極7内には、冷媒流路11が設けられており、冷媒循環装置12から冷媒が供給されており、また、基板電極7には基板8を基板電極7に対して、DC電源13を用いて静電的に吸着する機構が備えられており、基板8を低温に保持することができるようになっている。
【0021】
図1に示すエッチング装置において、膜厚0.2μmの白金膜に2μmのレジスト膜付き基板7をエッチングした。まず、酸素=100sccm、圧力=2.0Pa、プラズマ源電力600W、電極電力300W、基板温度=20℃のエッチング条件でレジストをエッチングし、膜厚を減少させる。その際、レジストのレートを考慮し、レジストの残膜が▲1▼2.0μmおよび▲2▼1.0μmになるようにする。その後、アルゴン/塩素/酸素=80/20/10sccm、圧力=0.5Pa、プラズマ源電力=600W、電極電力=300W、基板温度=20℃の条件で白金のエッチングを行う。
【0022】
エッチング直後のエッチング断面模式図を図2(a)及び(c)に示す。
【0023】
レジストマスク14の寸法は0.2μmである。図2(a)に示すように、レジスト残膜が2.0μmのとき、レジストマスク20及び被エッチング膜である白金膜21のエッチング側壁には、デポ膜22が付着している。図2(c)に示すように、レジスト残膜が1.0μmでは、被エッチング膜である白金膜21のエッチング側壁には、デポ膜22が少し付着している。
【0024】
次に、これらの基板7をアッシングした直後の断面模式図を、それぞれ図2(b)及び(d)に示す。レジスト残膜が2.0μm(図2(a)に相当)のとき、デポ膜22は除去されておらず、フェンス状のデポが存在する。それに対して、レジスト残膜が1.0μm(図2(c)に相当)では、フェンス状デポ膜はほとんど付着していないことがわかる。
【0025】
このように、従来例では除去できなかったデポ膜が除去できたのは、レジストの膜厚の違いに起因していると考えられる。すなわち、本実施形態においては、白金をエッチングする際に発生するデポ物がレジストに付着する比率が少なく、揮発する量が増加するが、従来例ではレジスト膜厚が厚い為に、デポ物が揮発する前に、レジストに付着してしまう。
【0026】
換言すれば、反応により生成するデポ物に付着する障害をできるだけ除去してしまうことが、デポ物を揮発させ、デポ膜の除去性を向上させるのに極めて効果的であると言える。その際、被エッチング膜に対して、レジスト膜厚が5倍以下にすることが効果的である。
【0027】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について、図1及び図3を参照して説明する。本発明の第2実施形態において用いたエッチング装置は、既に図1において説明したので、ここでは説明を省略する。
【0028】
図1に示すエッチング装置において、膜厚0.2μmの白金膜に2μmのレジスト膜付き基板7をエッチングした。エッチング条件は、アルゴン/塩素/酸素=80/20/10sccm、圧力=0.5Pa、プラズマ源電力=600W、電極電力=200W、基板温度=20℃である。
【0029】
エッチング直後のエッチング断面模式図を図3(a)に示す。レジストマスク20の寸法は0.2μmである。被エッチング膜である白金膜21のエッチング側壁には、デポ膜22が少し付着している。しかし、レジストマスク20の側壁にはデポ膜の付着は見られない。次に、この基板7をアッシングした直後の断面模式図を図3(b)に示す。フェンス状のデポ膜はほとんど付着していないことがわかる。
【0030】
このように、従来例では除去できなかったデポ膜が除去できたのは、レジストの形状の違いに起因していると考えられる。すなわち、酸素を用いた条件でエッチングを行うことで、レジスト形状を順テーパ形状に制御しながら、同時に白金のエッチングをする。この際、レジストが従来の垂直形状に比べて、順テーパ形状になっているのでデポ物がレジストに付着しにくく、デポ物を揮発させ、デポ膜の除去性を向上させるのに極めて効果的であるといえる。
【0031】
以上述べた本発明の実施形態において、被エッチング物が白金である場合を例示したが、その他、イリジウム、ルテニウム、白金、ロジウム、金、レニウムなどの遷移金属全般および第2周期以降の典型金属のうち少なくとも1つの元素を含む薄膜にも、本発明は適応可能である。
【0032】
更に、請求項1においてレジスト膜厚を減少させる手段として、エッチングプロセスに酸素を用いて処理することがのぞましい。
【0033】
また、本発明で、ドライエッチングプロセスに用いるガスは、塩素を含むガス(塩素、三塩化ホウ素、フッ化塩素など)、フッ素を含むガス(四フッ化炭素、三フッ化メタンなど)およびアルゴン、酸素を用いることができる。
【0034】
本発明において、被エッチング物質とレジストとを同時にエッチングした場合には、レジストのエッチング速度が、前記物質のエッチング速度よりも相対的に大きく、対レジスト選択比が1以下であることが望ましい。対レジスト選択比が1よりも大きいと、レジストの形状を順テーパに制御することが困難になるという欠点がある。
【0035】
また、本発明の実施形態において、プラズマ源に印加する電力の周波数が13.56MHzを用いた場合を例示したが、プラズマ源はこれに限定されるものではなく、周波数50kHz乃至3GHzの高周波電力を印加することによりプラズマを発生させるプラズマ源を用いることができる。
【0036】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本願の第1発明のドライエッチング方法によれば、真空容器内にガスを供給しつつ真空容器内を排気し、真空容器内を所定の圧力に制御しながら、真空容器内の基板電極に載置された基板に対向して設けられたプラズマ源に高周波電力を印加するとともに、基板電極にも高周波電力を印加することにより、真空容器内にプラズマを発生させ、基板上の貴金属または貴金属を含む物質をエッチングするエッチング方法であって、レジスト膜厚を被エッチング膜の5倍以下にすることで、エッチング側壁に形成されるフェンス状デポ膜の発生を防止し、その結果として微細パターンを形成できる、貴金属または貴金属を含む物質のドライエッチング方法を提供することができる。
【0037】
また、本願の第2発明のドライエッチング方法によれば、真空容器内にガスを供給しつつ真空容器内を排気し、真空容器内を所定の圧力に制御しながら、真空容器内の基板電極に載置された基板に対向して設けられたプラズマ源に高周波電力を印加するとともに、基板電極にも高周波電力を印加することにより、真空容器内にプラズマを発生させ、基板上の貴金属または貴金属を含む物質をエッチング処理するエッチング方法であって、酸素を添加したエッチング条件を用いることで対レジスト選択比を減少させて、レジスト形状を順テーパに制御するため、エッチング側壁に形成されるフェンス状デポ膜の発生を防止し、その結果として微細パターンを形成できる、貴金属または貴金属を含む物質のエッチング方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態および第2実施形態で用いたエッチング装置の構成を示す断面図
【図2】本発明の第1実施形態におけるエッチング断面模式図
【図3】本発明の第2実施形態におけるエッチング断面模式図
【図4】従来例におけるエッチング断面模式図
【符号の説明】
1 真空容器
2 ガス供給装置
3 MFC(マスフローコントローラ)
4 ポンプ
5 プラズマ源用高周波電源
6 コイルもしくはアンテナ
7 基板電極
8 基板
9 基板電極用高周波電源
10 誘電板
11 冷媒流路
12 冷媒循環装置
13 DC電源
14 レジストマスク
15 白金膜
16 デポ膜
Claims (9)
- 真空容器内にガスを供給しつつ真空容器内を排気し、真空容器内を所定の圧力に制御しながら、真空容器内の基板電極に載置された基板に対向して設けられたプラズマ源に高周波電力を印加するとともに、基板電極にも高周波電力を印加することにより、真空容器内にプラズマを発生させ、基板上の貴金属または貴金属を含む物質をエッチングするエッチング方法であって、レジスト膜厚を被エッチング膜の5倍以下にすること
を特徴とするドライエッチング方法。 - 真空容器内にガスを供給しつつ真空容器内を排気し、真空容器内を所定の圧力に制御しながら、真空容器内の基板電極に載置された基板に対向して設けられたプラズマ源に高周波電力を印加するとともに、基板電極にも高周波電力を印加することにより、真空容器内にプラズマを発生させ、基板上の貴金属または貴金属を含む物質をエッチング処理するエッチング方法であって、酸素を添加したエッチング条件を用いることで対レジスト選択比を減少させて、レジスト形状を順テーパに制御すること
を特徴とするドライエッチング方法。 - 貴金属または貴金属を含む物質が、イリジウム、ルテニウム、白金、ロジウム、金、レニウムなどの遷移金属全般および第2周期以降の典型金属のうち少なくとも1つの元素を含む薄膜であることを特徴とする請求項1または2記載のドライエッチング方法。
- レジスト膜厚を調整させる手段として、エッチングプロセスに酸素を用いて処理することを特徴とする請求項1記載のエッチング方法。
- ドライエッチングプロセスに用いるガスは、塩素を含むガス、フッ素を含むガス及びアルゴン、酸素であることを特徴とする請求項1または2記載のドライエッチング方法。
- 物質とレジストとを同時にエッチングした場合には、レジストのエッチング速度が、前記物質のエッチング速度よりも相対的に大きく、対レジスト選択比が1以下であることを特徴とする請求項1または2記載のドライエッチング方法。
- プラズマ源に印加する電力の周波数が50kHz乃至3GHzであることを特徴とする請求項1または2記載のドライエッチング方法。
- 塩素を含むガスが、塩素、三塩化ホウ素、フッ化塩素の少なくとも一つであることを特徴とする請求項5記載のドライエッチング方法。
- フッ素を含むガスが、四フッ化炭素、三フッ化メタンの少なくとも一つであることを特徴とする請求項5記載のドライエッチング方法。
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---|---|---|---|
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2014056895A (ja) * | 2012-09-11 | 2014-03-27 | Shibaura Mechatronics Corp | 反射型マスクの製造方法、および反射型マスクの製造装置 |
US11049729B2 (en) | 2017-03-28 | 2021-06-29 | Central Glass Company, Limited | Dry etching method, semiconductor device manufacturing method, and chamber cleaning method |
CN113728126A (zh) * | 2019-05-15 | 2021-11-30 | 昭和电工株式会社 | 金属除去方法、干蚀刻方法和半导体元件的制造方法 |
-
2003
- 2003-01-27 JP JP2003017375A patent/JP2004228487A/ja active Pending
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