JP2004247352A - フレキシブルプリント基板 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】(I) 折目線BLに沿って二つ折りでき、そのうち折目線BLを境とする一方の領域11の、二つ折りした際に内側となる面に端子部T1を設け、かつ他方の領域12に、二つ折りした状態で端子部T1を外部に露出させるための開口12aを形成してある第1接続部1と、
(II) 第1接続部1を二つ折りした際に互いに重なるように略線対称の平面形状とし、なおかつ二つ折りした際にそれぞれ内側となる面にのみ導体配線51、52を形成してある一対の可とう配線部材41、42と、
(III) 両可とう配線部材41、42の各々先端部に形成した、二つ折りした際にそれぞれ内側となる面に端子部T2、T3を設けてある第2および第3接続部2、3とを、
1枚のベースフィルムにて一体に形成したフレキシブルプリント基板FPである。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、新規な構造を有する接続用のフレキシブルプリント基板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
例えば折りたたみ式の携帯電話やPDA、ノート型パソコンなどにおいて、折りたたみのための関節部より上側の部分に配置した、液晶表示素子などを実装したメイン基板と、下側の部分に配置した、主制御回路などを実装したメイン基板とを、上記関節部を介しての折りたたみ可能な状態を維持しつつ電気的に接続するために、導体配線を備えた可とう配線部を有するフレキシブルプリント基板が使用されている。
【0003】
また近時、とくに折りたたみ式の携帯電話やPDAなどにおいては、そのさらなる小型化にともない、多層プリント基板のビルドアップ技術(例えば非特許文献1参照)を利用して、上記可とう配線部と、少なくとも一方のリジッドなメイン基板とを一体に形成した、いわゆるフレックス−リジッド基板が開発され、実用化されている。
【0004】
【非特許文献1】
「極限の軽薄化を可能にしたビルドアップフレキシブル多層回路基板」(谷川聡、山崎博司、藤井弘文、日東技報第39巻第1号、第47〜50頁、2001年1月、日東電工株式会社発行)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしフレックス−リジッド基板は製造工程が複雑で生産性が低い上、メイン基板と可とう配線部のいずれか一方にでも不良が生じれば、製品の全体が不良となることから製造の歩留まりも悪く、携帯電話などのコストアップの原因となっている。
そこで、他の用途の場合と同様に携帯電話などの小型の機器類においても、可とう配線部を、メイン基板と独立したフレキシブルプリント基板として製造して、それをメイン基板と接続して使用することが検討されている。これにより、不良のないフレキシブルプリント基板とメイン基板とを組み合わせることができるため、製造の歩留まりを向上することが期待される。
【0006】
フレキシブルプリント基板としては、例えば可とう配線部を、
・ 一枚のベースフィルムにて形成するとともに、その両面に導体配線を形成した、いわゆる両面板の構成としたものや、あるいは
・ 多層プリント基板の構成としたもの、
などが一般的に用いられる。
しかし、これら従来の構造を有する可とう配線部を備えたフレキシブルプリント基板はいずれも、フレックス−リジッド基板ほどでないものの、依然として製造工程が複雑で生産性が低いという問題がある。
【0007】
これは、積層する層の数に応じた分だけ種々の形成工程が必要となる上、例えば両面板では一枚のベースフィルムの両面に形成した導体配線同士の接続に、また多層プリント基板では絶縁層を介して多重に積層された導体配線同士の接続に、それぞれスルーホール加工、ビアホール加工などの特殊な加工技術を必要とするためである。
また、上に述べた従来の構造を有する可とう配線部を備えたフレキシブルプリント基板はいずれも、屈曲時に、導体配線に加わる歪み応力が大きいため可とう配線部の耐屈曲性に限界がある。そして、可とう配線部を繰り返し屈曲させた際に導体配線が断線するに至る屈曲回数を現状よりもさらに延長して、その耐屈曲性を現在のレベル以上に改善するのが難しいという問題もある。
【0008】
本発明の目的は、従来に比べて製造工程が簡単で生産性が高く、しかも製造の歩留まりにも優れる上、可とう配線部の屈曲時に、導体配線に加わる歪み応力を低減できるため、これまで以上に耐屈曲性にも優れた、新規なフレキシブルプリント基板を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
請求項1記載の発明は、二つの回路部材間を接続するための導体配線を備えた可とう配線部を含むフレキシブルプリント基板であって、
(I) 折目線に沿って二つ折り可能に形成してあるとともに、この折目線を境とする一方の領域の、二つ折りした際に内側となる面に、可とう配線部の導体配線を一方の回路部材上の回路と接続するための端子を配列した端子部を設け、かつ他方の領域の、二つ折りした際に端子部と重なる位置に、二つ折りした状態で端子部を外部に露出させるための開口を形成してある第1接続部と、
(II) 上記第1接続部を折目線に沿って二つ折りした際に互いに重なるように、当該第1接続部の、折目線をはさんで対称位置から、折目線を軸として互いに略線対称の平面形状となるように突出形成してあるとともに、第1接続部を二つ折りした際にそれぞれ内側となる面にのみ導体配線を形成してある、可とう配線部を構成する一対の可とう配線部材と、
(III) 両可とう配線部材の各々先端部に形成してあるとともに、第1接続部を二つ折りした際にそれぞれ内側となる面に、可とう配線部材の導体配線を他方の回路部材の表裏両面に形成した回路とそれぞれ接続するための端子を配列した端子部を設けてある第2および第3接続部とを、
1枚のベースフィルムにて一体に形成したことを特徴とするフレキシブルプリント基板である。
【0010】
請求項1の構成では、導体配線や端子となる金属の薄膜をいずれも、上記各部を構成する1枚のベースフィルムの片面、すなわち第1接続部を折目線に沿って二つ折りした際に内側となる面にのみ形成するだけで、フレキシブルプリント基板を製造することができる。つまり、いわゆる片面板の製造工程によって、上記各部を備えたフレキシブルプリント基板を製造できる。
このため請求項1の構成によれば、従来に比べて製造工程が簡単で生産性が高く、しかも製造の歩留まりにも優れたフレキシブルプリント基板を提供することができる。
【0011】
また請求項1の構成では、一対の可とう配線部材を単に重ね合わせるだけで可とう配線部を形成してあり、両可とう配線部材は互いに自由動が可能な状態を維持しているため、それぞれの可とう配線部材が片面板の構造であることと相まって、屈曲時に導体配線に加わる歪み応力を低減することができる。
したがって請求項1の構成によれば、現状よりも可とう配線部の耐屈曲性をさらに向上したフレキシブルプリント基板を提供することもできる。
【0012】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明のフレキシブルプリント基板の、実施の形態の一例を示す平面図である。
図に見るようにこの例のフレキシブルプリント基板FPは、
(i) 折目線BLに沿って二つ折り可能に形成してある略矩形状の第1接続部1と、
(ii) 当該第1接続部1の、折目線BLをはさんで対称位置からそれぞれ上下方向に突出形成してある一対の可とう配線部材41、42と、
(iii) 両可とう配線部材41、42の各々先端部に形成してある、それぞれ略矩形状の第2および第3接続部2、3とを、
1枚のベースフィルムにて一体に形成したものである。
【0013】
このうち第1接続部1の、折目線BLを境として図において上側の領域11の、二つ折りした際に内側となる面(図に示した側の面)には、複数の端子を直線状に配列した2列の端子列T1a、T1bからなる端子部T1を設けてある。
また折目線BLを境として下側の領域12の、二つ折りした際に端子部T1と重なる位置には、二つ折りにした状態で当該端子部T1を外部に露出させる〔図2(a)参照〕ための開口12aを形成してある。
【0014】
そしてこの例では端子部T1の、上記2列の端子列T1a、T1b上に、図2(c)および図3に示すように開口12aを通過しうるサイズのコネクタC1を実装して、このコネクタC1と、回路部材としての一方のメイン基板M1上に実装したコネクタC2とを図2(c)中に白抜きの矢印で示すように互いに接続することで、端子部T1を構成する各端子を、メイン基板M1上の、個々の回路と電気的に接続可能としてある。
【0015】
コネクタC1の、端子部T1への実装には、ハンダ付けや、あるいは異方導電膜をはさんでの圧着などの、従来公知の種々の方法を採用することができる。
また第2接続部2、および第3接続部3の、ともに二つ折りした際に内側となる面(図1に示した側の面)には、それぞれ複数の端子を平行に配列して端子部T2、T3を形成してある。
そしてこの例では、図2(b)に示すように、回路部材としての他方のメイン基板M2の表裏両面に形成した回路(図示せず)と、上記二つの接続部2、3のそれぞれ内側面に設けた端子部T2、T3との間に、接着性または粘着性を有する異方導電膜OC、OCを挿入した状態で、図中に黒矢印で示すように二つの接続部2、3によってメイン基板M2を表裏両面からはさんで圧着することで、
・ 異方導電膜OC、OCの接着性または粘着性によって、二つの接続部2、3を、メイン基板M2の表裏両面に機械的に接着、固定するとともに、
・ 当該異方導電膜OC、OCの、膜の厚み方向の導電抵抗が低く、かつ面方向の導電抵抗が高い異方導電特性によって、端子部T2、T3を形成する個々の端子を、隣接する端子と電気的に絶縁した状態で、異方導電膜OC、OCをはさんで対応するメイン基板M2の表裏両面の、個々の回路と電気的に接続可能としてある。
【0016】
上側の可とう配線部材41は、図1に示すように、第1接続部1のうち上側の領域11の上辺から、折目線BLと直交させて上方に延設した、一定幅を有する直線部41aと、第2接続部2の下辺から、上記直線部41aと平行に下方に延設した、同じ一定幅を有する直線部41bとを、両直線部41a、41bの幅よりも大きく、幅方向に互いにずらして配置するとともに、両直線部41a、41b間を略S字状の曲線部41cでつないだ平面形状に形成してある。
【0017】
また下側の可とう配線部材42は、上記上側の可とう配線部材41と、前述したように第1接続部1の、折目線BLをはさんで対称位置から、折目線BLを軸として略線対称の平面形状となるように突出形成してある。
すなわち可とう配線部材42は、第1接続部1のうち下側の領域12の下辺から、折目線BLと直交させて下方に延設した、直線部41a、41bと同じ一定幅を有する直線部42aと、第3接続部3の上辺から、上記直線部42aと平行に上方に延設した、同じ一定幅を有する直線部42bとを、直線部41a、41bと同方向に、同寸法ずらして配置するとともに、両直線部42a、42b間を略S字状の曲線部42cでつないだ平面形状に形成してある。
【0018】
また両可とう配線部材41、42の、ともに二つ折りした際に内側となる面(図1に示した側の面)には、それぞれ二つのメイン基板M1、M2間を電気的に接続するための導体配線51、52を形成してある。
このうち導体配線51は、銅箔等の金属薄膜にて、可とう配線部材41上に形成した本配線部51aを、第1接続部1のうち上側の領域11に形成した接続配線部51bによって、端子部T1のうち端子列T1aと接続するとともに、第2接続部2に形成した接続配線部51cによって端子部T2と接続した平面形状に一体に形成してある。
【0019】
また導体配線52は、同様に銅箔等の金属薄膜にて、可とう配線部材42上に形成した本配線部52aを、第1接続部のうち下側の領域12に形成した、開口12aを回避して二つに分岐し、さらに折目線BLの部分では二つ折りを容易にするために四つに分岐して上側の領域11に達する接続配線部52bによって、端子部T1のうち端子列T1bと接続するとともに、第3接続部3に形成した接続配線部52cによって端子部T3と接続した平面形状に一体に形成してある。
【0020】
なお図では、両導体配線51、52をいずれも一枚の平板状に略記してあるが、実際には、導体配線51は、端子列T1aの個々の端子と、端子部T2の個々の端子とを、例えば1対1で電気的に接続するための、複数の微細配線の集合体である。同様に導体配線52は、端子列T1bの個々の端子と、端子部T3の個々の端子とを、例えば1対1で電気的に接続するための、複数の微細配線の集合体である。
【0021】
それぞれの可とう配線部材41、42において導体配線51、52を形成する微細配線の数は、両可とう配線部材41、42がともに片面板の構成であるため、前述した従来の、両面板の構成を有するものや、あるいは多層プリント基板の構成を有するものに比べて少ない。
しかし、2枚の可とう配線部材41、42を重ねて可とう配線部4を形成するため、スルーホール部などを設けるスペースが不要で配線密度を向上できることと相まって、当該可とう配線部4上に形成しうる微細配線の総数は、同寸法の、両面板の構成を有するものと同等またはそれ以上とすることができる。
【0022】
可とう配線部4は、2枚の可とう配線部材41、42を、第1接続部1を折目線BLで二つ折りして互いに重ね合わせることによって、図2(a)に示すように、一定幅を有する直線部4a(直線部41a、42aの重なった部分)と、同じ一定幅を有する直線部4b(直線部41b、42bの重なった部分)とを、略S字状の曲線部4c(曲線部41c、42cの重なった部分)でつないだ平面形状に形成される。
【0023】
かかる平面形状を有する可とう配線部4によれば、例えば図3に示すように両直線部4a、4bを、曲線部4cをはさむことによって幅方向にずらして互いに支障しない状態としながら、折りたたみ式の携帯電話などの、関節部の軸AX(同図中に一点鎖線で示す)の周囲を一周するように巻き付けることができる。
このため、関節部の上下に配置した二つのメイン基板を、上記軸AXを中心とした回動による、関節部を介しての折りたたみが可能な状態を維持しつつ、導体配線51、52によって電気的に接続することができる。
【0024】
なお、一対の可とう配線部材41、42は、折目線BLを軸として正確に線対称となるように形成してもよいが、例えば巻き付けの外側となる可とう配線部材(この場合は可とう配線部材41)を、内側となる可とう配線部材(この場合は可とう配線部材42)より少し長めに形成してもよい。これにより、巻き付けの内外の円周差を吸収して、両者を重ねた状態で、よりスムースに軸AXに巻き付けることが可能となる。また、可とう配線部4の耐屈曲性をさらに向上することも可能となる。
【0025】
このため本発明で言うところの、両可とう配線部材41、42を、折目線BLを軸として「略線対称」の平面形状に形成することには、当該両可とう配線部材41、42を、折目線BLを軸として正確に線対称となるように形成することと、上記のように巻き付けの外側となる可とう配線部材41を、内側となる可とう配線部材42より少し長めに形成することの両方を含むこととする。
上記各部からなるこの例のフレキシブルプリント基板FPにおいては、以上で説明したように第1接続部1、一対の可とう配線部材41、42、第2接続部2、および第3接続部3の、いずれも折目線BLに沿って二つ折りした際に内側となる同じ側の面にのみ、端子部T1〜T3、および導体配線51、52を形成してある。
【0026】
したがってかかるフレキシブルプリント基板FPは、いわゆる片面板の製造工程によって製造することができるため、従来に比べて製造工程が簡単で生産性が高く、しかも製造の歩留まりにも優れたものとなる。
また、この例のフレキシブルプリント基板FPは、一対の可とう配線部材41、42を、それぞれ折目線BLと直交させて上下方向に延設することによって、その全体を、図1に見るようにほぼ一直線状に形成してある。
【0027】
このため一枚の定尺のベースフィルム上に、フレキシブルプリント基板FPとなる領域を複数、配置して、各領域内にそれぞれ端子部T1〜T3、導体配線51、52を形成したのち、第1接続部1、可とう配線部材41、42、第2および第3接続部2、3に対応する平面形状に抜き加工して複数のフレキシブルプリント基板FPを製造する際の、上記領域の間隔をできるだけ詰めて配置することができる。
【0028】
したがって、一枚の定尺のベースフィルムから製造できるフレキシブルプリント基板FPの個数を増やして、その生産性をさらに向上することも可能となる。また、可とう配線部4となる二つの可とう配線部材41、42は、第1接続部1を折目線BLに沿って二つ折りした際に単に重ね合わせてあるだけであり、重ね合わせた後も互いに自由動が可能な状態を維持している。このため、それぞれの可とう配線部材41、42が前記のように片面板の構造であることと相まって、屈曲時に導体配線51、52に加わる歪み応力を低減することができる。
【0029】
したがってフレキシブルプリント基板FPの、可とう配線部4の耐屈曲性を、現状よりさらに向上することもできる。
フレキシブルプリント基板FPのもとになるベースフィルムとしては、柔軟な樹脂のフィルムを使用する。とくに寸法安定性、耐熱性、耐久性、柔軟性等を考慮してポリイミドフィルムが好ましい。
また、端子部T1〜T3や導体配線51、52は、前記のように銅箔等の金属薄膜にて形成する。形成方法としては、サブトラクティブ法やアディティブ法などの、従来公知の種々の方法を採用することができる。
【0030】
また例えばフレキシブルプリント基板FPの、折目線BLをはさんで図1において上側の領域(領域11、可とう配線部材41、および第2接続部2)の表面には、図示していないが、端子部T1、T2を露出させつつ導体配線51を被覆するべく、樹脂フィルムなどからなるカバーレイを積層するのが好ましい。これにより、フレキシブルプリント基板FPを二つ折りした際に導体配線51、52が接触して短絡等を生じるのを防止することができる。また、二つ折りして重ねた可とう配線部材41、42間の滑りを良くして、可とう配線部4の耐屈曲性をさらに向上することもできる。
【0031】
なおカバーレイは、フレキシブルプリント基板FPの、折目線BLをはさんで図1において下側の領域(領域12、可とう配線部材42、および第3接続部3)の表面に、端子部T3を露出させつつ導体配線52を被覆するべく積層してもよい。また、上記両方の領域にそれぞれカバーレイを積層してもよい。
また、とくに前記のように端子部T1上にコネクタC1を実装する第1接続部1には、補強のために、樹脂フィルムなどからなる補強板を積層するのが好ましい。補強板は、第1接続部1を折目線BLに沿って二つ折りした状態の平面形状と同等程度の大きさと形状に形成したものを、第1接続部1のうち端子部T1を形成した上側の領域11の裏面に積層すればよい。
【0032】
上記カバーレイや補強板のもとになる樹脂フィルムとしては、それぞれ前記と同じ理由で、ポリイミドフィルムが好ましい。
またサブトラクティブ法などにおいて、端子部T1〜T3や導体配線51、52のもとになる銅箔等の金属箔をベースフィルムの表面に積層、接着したり、あるいはカバーレイや補強板となる樹脂フィルムを積層、接着したりするためには接着剤を用いる。かかる接着剤としては、各層の前記特性を損なわないために、硬化性樹脂系の接着剤が好ましく、とくにエポキシ樹脂系の接着剤が好ましい。
【0033】
【実施例】
実施例1
ベースフィルムとしての、厚み25μmのポリイミドフィルムの片面に、厚み10μmのエポキシ樹脂系の接着剤層を介して、厚み18μmの銅箔を積層した片面板を用いて、サブトラクティブ法によって銅箔をパターン形成して、上記ベースフィルムの片面に、図1に示す平面形状を有する端子部T1〜T3、導体配線51、52を形成した。
【0034】
次に上記ベースフィルムの、折目線BLより上側に対応する領域に、端子部T1、T2を露出させるための通孔を有する厚み25μmのポリイミドフィルムを、厚み20μmのエポキシ樹脂系の接着剤層を介して積層、接着して導体配線51を被覆するカバーレイを形成したのち打ち抜き加工して、図1に示す平面形状を有するフレキシブルプリント基板FPを製造した。
なお一対の可とう配線部材41、42は、巻き付けの外側となる可とう配線部材41の長さを、内側となる可とう配線部材42の長さより僅かに長めに形成した。
【0035】
比較例1
ベースフィルムとしての、厚み25μmのポリイミドフィルムの両面に、それぞれ厚み10μmのエポキシ樹脂系の接着剤層を介して、厚み18μmの銅箔を積層した両面板を用いて、サブトラクティブ法によって銅箔をパターン形成して、上記ベースフィルムの一方の面には導体配線51と同じ寸法、形状の導体配線を、また他方の面には導体配線52と同じ寸法、形状の導体配線を、それぞれの形成位置がベースフィルムの表裏で一致するように位置合わせしながら形成した。
【0036】
次に上記ベースフィルムの両面に、それぞれ厚み25μmのポリイミドフィルムを、厚み30μmのエポキシ樹脂系の接着剤層を介して積層、接着して導体配線51、52を被覆するカバーレイを形成したのち、図1の、折目線BLより上側と同形状に打ち抜き加工して、両面板の構造を有する比較例1のフレキシブルプリント基板を製造した。
耐屈曲性試験
上記実施例1で製造したフレキシブルプリント基板FPは、折目線BLに沿って二つ折りし、次いで可とう配線部4を、図3および図4(a)に示すように軸AXの周囲を一周するように巻き付けた状態で、第1接続部1を試験機の一方のクランプで保持するとともに、互いに重ね合わされた第2および第3接続部2、3を他方のクランプで保持した。
【0037】
また比較例1で製造したフレキシブルプリント基板は、同様に可とう配線部を、軸AXの周囲を一周するように巻き付けた状態で、一方の接続部を試験機の一方のクランプで保持するとともに、他方の接続部を他方のクランプで保持した。そして一方のクランプを固定した状態で、他方のクランプを、軸AXを中心として、図4(a)に示す「開」状態と、図4(b)に示す「閉」状態との間で180°の回転角度で連続的に往復回転させることによって、フレキシブルプリント基板FPの可とう配線部4を繰り返し屈曲させて、導体配線が断線するに至った屈曲回数を計数した。
【0038】
結果を表1に示す。
【0039】
【表1】
【0040】
表より、本発明の構成を有する実施例1のフレキシブルプリント配線板は、従来の、両面板の構成を有する比較例1のものに比べて、導体配線が破断するに至る屈曲回数をほぼ2倍に増加させて、耐屈曲性を著しく改善できることが確認された。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のフレキシブルプリント基板の、実施の形態の一例を示す平面図である。
【図2】同図(a)は、上記例のフレキシブルプリント基板を第1接続部の折目線に沿って二つ折りした状態を示す平面図、同図(b)は、上記状態のフレキシブルプリント基板の、第2接続部と第3接続部の間に他方のメイン基板をはさんで圧着した状態を示す断面図、同図(c)は、上記状態のフレキシブルプリント基板の、二つ折りした第1接続部にコネクタを実装して、一方のメイン基板に実装したコネクタと接続する直前の状態を示す断面図である。
【図3】上記例のフレキシブルプリント基板を二つ折りして、第2接続部と第3接続部の間に他方のメイン基板をはさんで圧着し、かつ第1接続部にコネクタを実装するとともに、折りたたみ式の携帯電話などの、関節部の軸の周囲を一周するように巻き付けた状態を示す平面図である。
【図4】本発明の実施例、比較例で製造したフレキシブルプリント基板の耐屈曲性を評価すべく、当該フレキシブルプリント基板を、軸の周囲を一周するように巻き付けて繰り返し屈曲させている途中の状態を示す図であって、同図(a)は「開」状態を示す図、同図(b)は「閉」状態を示す図である。
【符号の説明】
FP フレキシブルプリント基板
BL 折目線
1 第1接続部
11、12 領域
12a 開口
2 第2接続部
3 第3接続部
4 可とう配線部
41、42 可とう配線部材
51、52 導体配線
T1〜T3 端子部
M1、M2 メイン基板(回路部材)
Claims (1)
- 二つの回路部材間を接続するための導体配線を備えた可とう配線部を含むフレキシブルプリント基板であって、
(I) 折目線に沿って二つ折り可能に形成してあるとともに、この折目線を境とする一方の領域の、二つ折りした際に内側となる面に、可とう配線部の導体配線を一方の回路部材上の回路と接続するための端子を配列した端子部を設け、かつ他方の領域の、二つ折りした際に端子部と重なる位置に、二つ折りした状態で端子部を外部に露出させるための開口を形成してある第1接続部と、
(II) 上記第1接続部を折目線に沿って二つ折りした際に互いに重なるように、当該第1接続部の、折目線をはさんで対称位置から、折目線を軸として互いに略線対称の平面形状となるように突出形成してあるとともに、第1接続部を二つ折りした際にそれぞれ内側となる面にのみ導体配線を形成してある、可とう配線部を構成する一対の可とう配線部材と、
(III) 両可とう配線部材の各々先端部に形成してあるとともに、第1接続部を二つ折りした際にそれぞれ内側となる面に、可とう配線部材の導体配線を他方の回路部材の表裏両面に形成した回路とそれぞれ接続するための端子を配列した端子部を設けてある第2および第3接続部とを、
1枚のベースフィルムにて一体に形成したことを特徴とするフレキシブルプリント基板。
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