JP2004246311A - マルチビーム出射ユニット、及び画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】MSLD12の発光点P1、P2から出射されるビームL1、L2の光量を異ならせることによって、各ビームの波長を異ならせることができる。したがって、ビームL1、L2の干渉を防止してスリット18の制限開口18Aを通過するビーム光量の変動を防止できる。また、画像形成装置の感光体に対する光学走査装置の光源として使用される場合には、光学走査装置の光路上に各ビームの光量を均一にさせる手段を設けることによって、感光体上におけるビーム光量が均一化され、高画質の画像形成を行なうことができる。
【選択図】 図3
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数のビームを出射するマルチビーム出射ユニット、及び画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
高速高密度の画像形成を、複数ビームの同時走査により実現する画像形成装置が種々提案されている(例えば、特許文献1、2)。
【0003】
例えば、複数の発光点を一体的に備え、独立に制御可能とされた複数のレーザビームを出射する半導体レーザ(以下、MSLD(マルチスポットレーザダイオード)という)が光源として用いられている。ビーム間隔を狭めたMSLDを光源として使用することにより、単一のビームを出射するレーザダイオード(LDの使用時とほぼ同じ部品で光学走査装置を構成でき、極めてコストパフォーマンスの高い画像形成装置が実現できる。
【0004】
【特許文献1】
特開昭57−22218号公報
【特許文献2】
特開平9−197308号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
MSLDでは通常、同一の組成、形状からなる光共振器が1つの基材上に複数並置して形成されるため、MSLDから出射される複数の発光ビームの特性は極めて揃ったものとなり、発振波長もほぼ同一となる。このような条件下では光共振器間の漏れ光、あるいは光共振器外からの戻り光による複数の共振器間の光結合で位相同期が起こり、容易に可干渉状態となる。
【0006】
干渉が発生すると、コリメータレンズからの出射光には光強度の強弱の分布がおきる。この分布は光の位相が安定しないと変動する。コリメータレンズの後には結像光学系により結像させたときのビームスポット径の決定及び、ビームスポット径のバラツキ低減のため通常制限開口を設ける。制限開口は複数のビームに均等に作用するように光軸上のコリメータレンズの焦点位置に配置することが多い。制限開口は干渉ビームの一部のみを透過するため、光の位相が不安定であると開口を通過する光量が変動する。すなわち、本来、制限開口位置における光量は、図4(A)に示すように矩形波状にならなければならないのに、図4(B)のように光量が変動する。
【0007】
このようなレーザ出射ユニットを走査型の画像形成装置に利用した場合、光量変動が発生し画像上の目に見える欠陥となって表れることがある。例えば、全面黒の画像を形成する場合のように複数のビームを連続的に点灯する場合には、光量変動によって画像上に不規則な白筋が発生する等の問題を生ずる。また、水平同期ビーム検知タイミングで光量変動が発生すると、同期タイミングに誤差を生じ、画像にジッターが発生するなどの問題が起きる。
【0008】
本発明は、上記不都合を解決するために、半導体レーザから出射された複数のビームが相互に干渉しない構成としたマルチビーム出射ユニットを提供することを目的とする。また、マルチビーム出射ユニットを使用した画像形成装置において、光量変動を防止して高画質な画像形成を可能とする画像形成装置を提供することを目的とする。
【0009】
【発明が解決すべき課題】
発明者は、2つの発光点(Ach及びBch)の光量(mW)をそれぞれ変化させ、画像エリア、及びSOSエリア(水平同期用のビームを検知するエリア)での光量変動を調べた。
【0010】
図18,19のグラフは、片chの光量を変更していった場合の光量変動を示しており、縦軸は感光体上での光量、横軸は時間を示している。
【0011】
図18(A)のグラフでは、SOSエリア200の終わり近くに光量変動(点線丸で囲む部分)を生じていることを示しており、そのまま片chの光量を上げると、光量変動の時間的位置が後ろ側に移動し、図18(B)のグラフに示すように画像エリア2002の初期の一部分に光量変動(点線丸で囲む部分)を生じるようになる。
【0012】
図19(A)のグラフは、更に片chの光量を上げた場合の光量変動を示しており、画像エリア全体で光量変動を生じていことが分かる。また、図19(B)のグラフは、図19(A)よりも更に片chの光量を上げた場合の光量変動を示しており、画像エリアの初期の一部に(点線丸で囲む部分)を生じていることが分かる。
【0013】
なお、図19のグラフは、図18のグラフに対して、時間軸の倍率が変更されている。
【0014】
図20には、2つの発光点(Ach及びBch)の光量(mW)と、画像エリア、及びSOSエリアでの光量変動との関係を示すグラフである。
【0015】
図20のグラフにおいて、縦軸はBchの光量、横軸はAchの光量、0点から右上がり45°の実線は、A,B両方のチャンネルが同じ光量の場合を示すラインである。
【0016】
図20のグラフにおいて、「黒四角」は画像エリアで光量変動が最大になるAB光量である。
【0017】
図20のグラフにおいて、「黒四角」を中心とした縦線は、Achの光量を固定してBchの光量を大小変化させた場合のラインを示し、この縦線上の上の「黒三角」はBchの光量を上げていって画像エリアで光量変動が発生しなくなるAB光量を示し、同縦線上の下の「黒三角」はBchの光量を下げていって画像エリアで光量変動が発生しなくなるAB光量を示している。
【0018】
さらに、縦線上の上の「白抜き三角」はBchの光量を上げていってSOS位置から1μs以上の範囲に光量変動が発生しなくなるAB光量を示し、同縦線上の下の「白抜き三角」はBchの光量を下げていってSOS位置から1μs以上の範囲に光量変動が発生しなくなるAB光量を示し、同縦線上の上の「短い横線」はBchの光量を上げていってSOSエリアで全く光量変動が発生しなくなるAB光量を示し、同縦線上の下の「短い横線」はBchの光量を下げていってSOSエリアで全く光量変動が発生しなくなるAB光量を示している。
【0019】
また、図20のグラフにおいて、「黒四角」を中心とした横線は、Bchの光量を固定してAchの光量を大小変化させた場合のラインを示し、この横線上の右の「黒三角」はAchの光量を上げていって画像エリアで光量変動が発生しなくなるAB光量を示し、同横線上の左の「黒三角」はAchの光量を下げていって画像エリアで光量変動が発生しなくなるAB光量を示している。
【0020】
さらに、横線上の右の「白抜き三角」はAchの光量を上げていってSOS位置から1μs以上の範囲に光量変動が発生しなくなるAB光量を示し、同横線上の左の「白抜き三角」はAchの光量を下げていってSOS位置から1μs以上の範囲に光量変動が発生しなくなるAB光量を示し、同横線上の右の「短い縦線」はAchの光量を上げていってSOSエリアで全く光量変動が発生しなくなるAB光量を示し、同横線上の左の「短い縦線」はAchの光量を下げていってSOSエリアで全く光量変動が発生しなくなるAB光量を示している。
【0021】
発明者は、この試験結果から、少なくとも「黒三角」から外れたAB光量に設定することで画像エリア内で光量変動を生じさせないようにでき、「短い縦線」または「短い横線」から外れたAB光量に設定することで、画像エリアのみならずSOSエリアからも完全に光量変動を生じさせないようにできることを見出した。
【0022】
例えば、図21に示すように、A,B両方のチャンネルが同じ光量の場合のAchの光量とBchの光量との関係を示す一点鎖線のラインに対し、画像エリア、及びSOSエリアの少なくとも一方で光量変動を生ずる2点鎖線で示す領域(例えば、前述した短い縦線及び短い横線の内側の領域)が重なり、かつ下寄りにある場合には、例えば、Achの光量に対してBchの光量を一定に比率で大きく設定し、光量変動を生ずる領域にかからないように、実線のようにラインを立てれば良い。これにより、画像のノイズ、及び画像のジッターを防止できるようになる。
【0023】
なお、図21において、光量変動を生ずる領域の内部にある太い実線は、画像領域での光量変動が最大となる領域を示している。
【0024】
また、図22に示すように、A,B両方のチャンネルが同じ光量の場合のAchの光量とBchの光量との関係を示す一点鎖線のラインに対し、光量変動を生ずる2点鎖線で示す領域が重なり、かつ上寄りにある場合には、例えば、Achの光量に対してBchの光量を一定に比率で小さく設定し、光量変動を生ずる領域にかからないように、実線のようにラインを寝せれば良い。これにより、画像のノイズ、及び画像のジッターを防止できるようになる。
【0025】
なお、図23,24に示すように、Achの光量とBchの光量との関係を示す一点鎖線のラインに対し、光量変動を生ずる2点鎖線で示す領域が完全に離れている場合には、Achの光量とBchの光量との関係は、1対1のままで良いのは勿論である。
【0026】
なお、上記方法では、画像エリア、及びSOS領域共に光量変動を生じさせない場合の説明をしたが、画像エリアのみに光量変動を生じさせなければ良い場合では、Achの光量とBchの光量との関係を示すラインが図20で示す「黒三角」で囲まれる領域にかからなければ良い。
【0027】
例えば、図25に示すように、A,B両方のチャンネルが同じ光量の場合のAchの光量とBchの光量との関係を示す一点鎖線のラインに対し、画像領域での光量変動が最大となる領域(太い実線)が全体的に重なるような場合には、Achの光量とBchの光量との関係を示すラインを実線で示すように上側にオフセットさせればよく、これにより、画像のノイズを防止することができる。
【0028】
また、図26に示すように、A,B両方のチャンネルが同じ光量の場合のAchの光量とBchの光量との関係を示す一点鎖線のラインに対し、画像領域での光量変動が最大となる領域(太い実線)は外れているが、SOSエリアの最初の部分に光量変動が生じるような場合(例えば、図20で記載した「白抜き三角」で囲まれる領域にはかかっている)には、Achの光量とBchの光量との関係を示すラインを実線で示すように上側にオフセットさせればよく、これにより、画像のジッターを防止することができる。
【0029】
なお、Achの光量とBchの光量との関係を示すラインを、A,B両方のチャンネルが同じ光量の場合のAchの光量とBchの光量との関係を示す一点鎖線のラインに対して、平行にオフセットし、かつ傾斜角を変えても良い。
【0030】
例えば、図27に示すように、A,B両方のチャンネルが同じ光量の場合のAchの光量とBchの光量との関係を示す一点鎖線のラインに対し、実線200A、200B、及び点線200Cで示すようにAB光量を設定しても良い。
【0031】
例えば、Achの光量とBchの光量とが共に大きい場合には、Achの光量とBchの光量との関係を示す点線200Cは、光量変動を生ずる2点鎖線で示す領域を外れるが、Achの光量とBchの光量とが共に小さくなると、点線200Cが、光量変動を生ずる2点鎖線で示す領域にかかってしまう。したがって、このような場合には、実線200Bのようにさらにオフセットさせることで、光量変動を生ずる2点鎖線で示す領域を外すことが出来る。
【0032】
請求項1に記載のマルチビーム出射ユニットは上記事実に鑑みてなされたものであって、一体に形成され独立に制御される複数の発光点から複数のビームを出射する半導体レーザと、前記半導体レーザから出射された複数のビームを略平行にするコリメータレンズと、コリメート光の一部を透過させる制限開口と、を備え、前記複数の発光点から出射される複数のビームの発光光量が異なることを特徴としている。
【0033】
次に、請求項1に記載の出射ユニットの作用について説明する。
【0034】
半導体レーザでは、出射されたビームの波長が発光光量に依存することが知られている。すなわち、発光光量を変化させることで出射されたビームの波長を変化させることができる。したがって、マルチビーム出射ユニットにおいて、複数の発光点から出射された複数のビームの発光光量を異ならせることによって複数の発光点から出射されたビームの波長が異なることになる。したがって、複数のビーム間の干渉が防止され、制限開口を通過するビーム光量の変動が防止される。
【0035】
請求項2に記載のマルチビーム出射ユニットは、請求項1に記載のマルチビーム出射ユニットにおいて、前記複数の発光点から出射された複数のビームのうち、任意の2つのビームについて、一方のビームの発光光量が他方のビームの発光光量に対して105%〜130%であることを特徴としている。
【0036】
次に、請求項2に記載のマルチビーム出射ユニットの作用について説明する。
【0037】
複数の発光点から出射される複数のビームのうち、任意の2つのビームについて、一方のビームの発光光量が他方のビームの発光光量の105%(5%増)未満であると、両ビームの波長の違いがほんの僅かになり、干渉を良好に防止することができなくなる。これに対して、一方のビームの発光光量が他方のビームの発光光量の130%(30%増)を超えると、各ビームの発光光量に限度があるため他方のビームの光量が不足する。したがって、任意の2つの発光点から出射される2つのビームのうち、一方のビームの発光光量が他方のビームの発光光量の105%(5%増)〜130%(30%増)とすることにより、ビーム間の干渉を良好に防止して光量変動を防ぐと共に、十分な光量を有する複数のビームを出射することができる。
【0038】
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載のマルチビーム出射ユニットにおいて、前記半導体レーザの第1の発光点に対する第1の駆動電流、及び第2の発光点に対する第2の駆動電流の少なくとも一方の駆動電流に所定電流を引加する引加手段を設けた、ことを特徴としている。
【0039】
次に、請求項3に記載のマルチビーム出射ユニットの作用について説明する。
【0040】
請求項3に記載のマルチビーム出射ユニットでは、引加手段が、半導体レーザの第1の発光点に対する第1の駆動電流、及び第2の発光点に対する第2の駆動電流の少なくとも一方の駆動電流に所定電流を引加するので、第1の発光点と第2の発光点との間に所定量の発光量差を付けることができる。
【0041】
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載のマルチビーム出射ユニットにおいて、前記ビームの出射についてパルス幅と光強度とにより規定するとき、前記第1の発光点から出射されるビーム、及び前記第2の発光点から出射されるビームのビーム照射位置において、両ビームの照射エネルギーが同じになるように、異なるパルス幅に設定し、かつ異なる光強度に設定すべく制御する制御手段を設けた、ことを特徴としている。
【0042】
次に、請求項4に記載のマルチビーム出射ユニットの作用について説明する。
【0043】
第1の発光点と第2の発光点との間に発光量差をつけると、ビーム照射位置、例えば、画像形成装置の像担持体上(感光体上)において、第1の発光点から出射されたビームの照射エネルギーと、第2の発光点から出射されたビームの照射エネルギーとが変わってしまい、画像不良を生ずる場合がある。
【0044】
このため、請求項4に記載のマルチビーム出射ユニットでは、制御手段が、ビーム照射位置において、両ビームの照射エネルギーが同じになるように、両ビームを異なるパルス幅に設定し、かつ異なる光強度に設定し、これにより、ビーム照射位置における第1の発光点から出射されたビームの照射エネルギーと、第2の発光点から出射されたビームの照射エネルギーとを同じにすることができる。
【0045】
より具体的には、一方のビームの光強度が他方のビームの強度が大きい場合、一方のビームのパルス幅を他方のビームのパルス幅よりも小さく設定し、光強度とパルス幅とを反比例の関係とする。
【0046】
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載のマルチビーム出射ユニットにおいて、前記複数の発光点から出射された複数のビームの発散角が異なることを特徴としている。
【0047】
次に、請求項5に記載のマルチビーム出射ユニットの作用について説明する。
【0048】
請求項5に記載のマルチビーム出射ユニットは、複数の発光点から出射される複数のビームの発散角が異なるため、各発光点から出射された光束のうち、制限開口を透過可能な光量が異なる。すなわち、複数の発光点から発光光量の異なるビームを出射してビーム間の干渉を防止して光量変動を防止すると共に、マルチビーム出射ユニットの制限開口から均一な光量の複数のビームを出射することができる。
【0049】
請求項6に記載の画像形成装置は、請求項1〜5のいずれか1項記載のマルチビーム出射ユニットと、前記複数のビームを偏向走査させる偏向器と、偏向された複数のビームの照射により潜像が形成される像担持体と、前記マルチビーム出射ユニットの発光点から前記像担持体に到る光路上に設けられ、前記複数のビームの透過率が異なる光量調整手段と、を備え、前記光量調整手段によって前記像担持体上に照射される各ビームの光量を均一にさせることを特徴としている。
【0050】
次に、請求項6に記載の画像形成装置の作用について説明する。
【0051】
マルチビーム出射ユニットは、複数の発光点から出射される複数のビームの発光光量を異ならせているため、ビーム間の干渉を防止でき、ビームの光量変動を防ぐことができる。
【0052】
このように、マルチビーム出射ユニットから出射された複数のビームの発光光量は異なるが、光路上に配設された光量調整手段において各ビームの透過率が異なるため、像担持体上に到達する各ビームの光量を均一にすることができる。
【0053】
すなわち、発光点における発光光量を異ならせてビーム間の干渉を防止して光量変動を防止しつつ、像担持体上における光量を同一にして高画質な画像形成を可能とすることができる。
【0054】
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の画像形成装置において、前記光量調整手段は、光束の一部を遮蔽する遮蔽板であることを特徴としている。
【0055】
次に、請求項7に記載の画像形成装置の作用について説明する。
【0056】
光量調整手段が光束の一部を遮蔽する遮蔽板であれば、異なる発光点から出射された光束は遮蔽板で遮蔽される面積(割合)が異なることになる。したがって、互いに異なる発光光量である複数のビームが遮蔽板によって光量を調整され、像担持体上における光量を均一にすることができる。すなわち、複数の発光点から出射される複数のビーム間の干渉を防止して光量変動を防止すると共に、高画質な画像形成をすることができる。
【0057】
請求項8に記載の発明は、請求項6に記載の画像形成装置において、前記光量調整手段は、光束の一部が入射する光量減衰フィルタであることを特徴としている。
【0058】
次に、請求項8に記載の画像形成装置の作用について説明する。
【0059】
異なる発光点から出射された複数の光束は、光量減衰フィルタを通過する面積(割合)が異なる。したがって、複数の発光点から異なる発光光量で出射された光束の一部が光量減衰フィルタを透過することによって、像担持体上に照射される各ビームの光量を均一にすることができる。また、光量減衰フィルタは、ビームの一部の光を必ず透過させているため、透過した複数のビームのビーム径がばらつくことがなく、像担持体上の複数のビームスポット径が均一化される。
【0060】
すなわち、複数の発光点から出射されたビームの発光光量を異ならせてビーム間の干渉を防止して光量変動を防ぐと共に、像担持体上で複数のビームの光量とビーム径を均一化させることができ、高画質な画像形成を行なうことができる。
【0061】
請求項9に記載の発明は、請求項6に記載の画像形成装置において、前記光量調整手段は、ビーム光路上に配設される光学部品の一部に蒸着されて設けられたものであることを特徴としている。
【0062】
次に、請求項9に記載の画像形成装置の作用について説明する。
【0063】
光学部品の一部に蒸着することによって、光学部品におけるビームの透過率を部分的に異ならせることができ、光量調整手段とすることができる。
【0064】
請求項10に記載の発明は、請求項9に記載の画像形成装置において、前記光学部品は、シリンダーレンズであることを特徴としている。
【0065】
次に、請求項11に記載の画像形成装置の作用について説明する。
【0066】
マルチビーム出射ユニットの異なる発光点から出射されたビームの間隔は、シリンダーレンズの位置で最大とされることが多い。したがって、シリンダーレンズの一部に蒸着して光量調整手段とすることによって、発光点間隔が狭い半導体レーザから出射された複数のビームに対しても、ビーム間隔の大きいところで精度良く光量調整を行なうことができる。
【0067】
請求項11に記載の発明は、請求項8乃至請求項10のいずれか1項に記載の画像形成装置において、前記光量減衰フィルタは反射手段であり、入射光軸と反射光軸が異なるように光路上に配設されていることを特徴としている。
【0068】
次に、請求項11に記載の画像形成装置の作用について説明する。
【0069】
光量減衰フィルタは、入射光軸と反射光軸が異なるため、光量減衰フィルタに入射したビームの一部が反射ビームとなっても制限開口から発光点に戻ることはない。すなわち、反射ビームによって光量変動を生ずることが確実に防止される。
【0070】
請求項12に記載の発明は、請求項6に記載の画像形成装置において、請求項5に記載のマルチビーム出射ユニットを備え、前記光量調整手段は前記制限開口であることを特徴としている。
【0071】
次に、請求項12に記載の画像形成装置の作用について説明する。
【0072】
複数の発光点から出射された発散角の異なる光束は、光量調整手段である制限開口によって遮蔽される光束の幅が異なる。したがって、複数の発光点からの出射光量を異ならせることによって、ビーム間の干渉を防止して光量変動を防止すると共に、制限開口で光量調整を行なうことによって像担持体上の複数のビーム光量を均一とすることによって高画質な画像形成を行なうことができる。
【0073】
【発明の実施の形態】
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態に係るマルチビーム出射ユニットおよび画像形成装置について図1〜図6を参照して説明する。
【0074】
先ず、画像形成装置について簡単に説明する。
【0075】
画像形成装置50は、図2に示すように、感光体14の周囲に回転方向Bに沿って帯電器52、マルチビーム走査装置10、現像器54、転写器56が配設されており、帯電器52によって帯電された感光体14上をマルチビーム走査装置10が露光走査することによって静電潜像を形成し、現像器54によって静電潜像にトナーを付着させて顕像化する構成である。このようにして形成された感光体14上に形成されたトナー像は、転写器56によって搬送されてきた用紙57に転写され、定着器58によって用紙上に定着される構成である。
【0076】
なお、感光体上に残留されたトナーは、クリーニングブレード60で除去される。
【0077】
次に、マルチビーム走査装置について、図1を参照して概略説明する。
【0078】
図1に示すように、マルチビーム走査装置10は、光源であるマルチスポットレーザダイオード(以下、MSLDという)12から出射されたビームが感光体14上を走査するものである。具体的には、MSLD12から出射されたビームがコリメータレンズ16で略平行光束とされた後、スリット18の制限開口18Aで光束の一部のみが透過され、エキスパンダレンズ20で拡大され、折り返しミラー22で所定方向に折り返された後、非走査方向にのみパワーを有するシリンダーレンズ24、折り返しミラー26、走査レンズ28、30を介して偏向器32に入射する。なお、偏向器32における反射面上では非走査方向のみ集光されている。偏向器32によって入射されたビームが偏向され、走査レンズ30、28、折り返しミラー34、シリンダーミラー36を介して感光体14上を走査する。
【0079】
なお、MSLD12、コリメータレンズ16、スリット18は、マルチビーム出射ユニット40として一体化されている。
【0080】
ここで、マルチビーム出射ユニット40の光学系について、図3および図4を参照して説明する。図3はビームの光軸を含む非走査方向断面図である。なお、図3では、コリメータレンズの主平面のみを記載し、また、非走査方向と光軸方向の縮尺は実際よりも前者を大きくとっている。また、発光点P1、P2の非走査方向中点とスリット18の制限開口18Aの非走査方向中心を結ぶ線を中心線A(一点鎖線)として記載しており、後述する発光点P1、P2から出射するビームL1、L2をそれぞれ3本の実線、破線で記載している。両端の2本の線は光束を示し、真中の1本は主光線を示している。この記載方法は他の図でも同様である。
【0081】
MSLD12は、所定間隔おいて2つの発光点P1、P2が形成されており、本実施形態ではこの発光点の配列方向が主走査方向に直交する非走査方向とされている。また、非走査方向おいて、発光点P1、P2は、コリメータレンズ16の光軸(中心線A)に対して対称に配置されているため、発光点P1、P2から出射されたビームL1、L2は互いに反対方向に屈折してコリメータレンズ16の焦点位置に配設されたスリット18の制限開口18Aを通過する構成である。
【0082】
また、発光点P1、P2から出射されるビームL1、L2は、それぞれ単独で制御可能であり、相互に平行に出射されるものである。なお、隣接する発光点P1、P2間の距離は14μmである(図3参照)。また、MSLD12とコリメータレンズ16、コリメータレンズ16とスリット18の距離はそれぞれ12.5mmとされている。
【0083】
ところで、図3では、光軸方向に対して非走査方向を大きくして示しているために、各びームL1、L2が大きく離間して記載されているが、寸法を見ればわかるように、実際にはほとんど重なった状態になる。
【0084】
なお、MSLD12の各発光点P1、P2からビームを出射して感光体上に書き込みを行なう場合には、通常、図4(A)に示すように、一定光量で所定時間連続して点灯される矩形波状の発光を行なう。すなわち、一定光量の発光と非発光を交互に繰り返して画像書き込みが行われることになる。
(作用)
このように構成されるマルチビーム出射ユニット40、及び画像形成装置50の作用について説明する。
【0085】
本願発明では、ビーム波長の光量依存性に基づいて、発光点P1、P2におけるビームL1、L2の発光光量を異ならせることにより、ビームL1、L2の波長を異ならせ、ビーム間の干渉を排除してスリット18の制限開口18Aから出射されるビームL1、L2の光量変動を防止する。このように光量変動が防止されたビームL1、L2が感光体14に照射されることによって、用紙57上に高画質の画像が形成されるものである。
【0086】
先ず、ビーム波長の光量依存性について説明する。半導体レーザ(以下、LDという)およびMSLDでは、発光光量に従ってビーム波長が異なることをことが知られている。例えば、図5に示すように、定格5mWのLDの発振スペクトルの発光光量を2mW、3mW、5mW増加させていくと、波長が大きくなる(光量依存性がある)ことがわかっている。
【0087】
次に、ビーム間の光量を異ならせることによってビーム間の干渉を排除する点について、図6に示す実験結果を示して説明する。
【0088】
実験は、スリット18の制限開口18Aから出射されるビームL1、L2の光量が変動している12個のマルチビーム出射ユニット40を用い、各マルチビーム出射ユニット40のMSLD12の一方の発光点P1を所定の光量で発光させ、他方の発光点P2の発光光量を前記所定の光量から増加させていった場合にスリット18から出射されるビームL1、L2の光量変動がなくなる発光光量を求め、発光点P1、P2の発光光量比(P2/P1)を各マルチビーム出射ユニット40毎に求めたものである。図6に示すように、発光点P2の発光光量は発光点P1の発光光量の1.05倍(110%)〜1.20(120%)程度であれば、マルチビーム出射ユニット40の光量変動を抑制できることが確認された。
【0089】
なお、発光光量比は、105%〜130%が好ましい。これは、発光光量比が105%を下回るとビームL1、L2の波長差がほとんどなく、干渉(光量変動)防止作用が達成されないためである。また、発光点P1、P2間の発光光量比を大きくするほど干渉(光量変動)抑制効果が増大するが、各発光点の発光光量に限界があるため、発光光量の少ない側のビーム光量が小さくなりすぎ、感光体上に到達する光量が不足して、プリントの画像濃度が低くなりすぎでしまうからである。すなわち、発光光量比を105%〜130%とすることによって、所定のプリント画像濃度を確保しつつ、光量変動を良好に抑制することができる。したがって、高画質な画像形成を行なうことができる。
【0090】
また、マルチビーム出射ユニット40の製造誤差等を考慮すると、発光光量比は、図6に示す最大の発光光量比よりも大きい1.26(126%)であれば一層好ましい。この場合には、発光点P1、P2から出射されるビームL1、L2が干渉せず、この結果、スリット18の制限開口18Aから出射される各ビームの光量の変動を一層確実に抑制することができる。
【0091】
本実施形態は、例えば、図21、または図22に示す発光光量の関係を具体化したものである。
【0092】
なお、装置の調整としては、光学ユニット10を組み立てし、最小限の調整をした後に光量変動が生じているか否かを判断する。方法は図20に示すグラフにおいて、実機に搭載された時に主に使われる光量にLD出力を設定し(例えばグラフの中央の状態)、光量変動の発生するAB光量を確認し、「白抜き三角」が2つとも45°ライン上または近傍になければ、発光点P1および発光点P2の発光点の調整は必要としない。もし、「白抜き三角」が45°ラインの上下にそれぞれあるときは「黒四角」の位置が上下のどちらに有るかを確認し、その方向によって、発光点P1及び発光点P2の少なくとも一方を選択的に調整を実施すれば良い。
[第2実施形態]
本発明の第2実施形態に係る画像形成装置およびマルチビーム出射ユニットについて、図7を参照して説明する。なお、第1実施形態と同様の構成要素については同一の参照符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0093】
図7は、マルチビーム出射ユニット40のスリット18以降の光軸を含む非走査方向断面図である。なお、図7は非走査方向と光軸方向の縮尺は実寸比にほぼ合わせている。
【0094】
本実施形態のマルチビーム走査装置10では、第1実施形態と異なり、ビームの光路上においてスリット18の下流側に遮光板42を配設している。遮光板42は、図7において中心線Aよりも下側に配置されており、スリット18の制限開口18Aを通過したビームL1、L2の光束の一部を遮蔽する構成とされている。図7に示すように、スリット18の制限開口18Aから出射されるビームL1、L2は非走査方向において中心線Aを挟んで反対側に分離する方向に出射されるため、中心線Aを挟んで一方の側に配設される遮光板42によって遮蔽される光束の部分の割合が異なる(D1≠D2)ことになる。すなわち、遮光板42よって遮蔽される光量(透過率)がビーム毎に異なることになる。
【0095】
したがって、ビームL1、L2が感光体14上で同一光量となるように発光点P1、P2における発光光量を調整することによって、発光点P1、P2における発光光量に差をつけてビーム間の干渉を防止して光量変動を防止可能であると共に、感光体14上におけるビーム光量を同一に制御でき、良好な画像形成を可能とすることができる。
【0096】
なお、ビーム光路に対する遮光板42の挿入量によってビーム間における透過率の差が決まるので、感光体上におけるビーム光量を均一にすれば、透過率の差分に対応した光量差を発光点P1、P2の発光光量で生じさせることができる。
【0097】
また、遮光板42の挿入量で光量差をつける(解消する)場合には、ビームL1、L2の感光体14上におけるビームスポット径に差を生じるので、挿入量を最適化し、遮光板42を正確に保持することが必要である。
【0098】
なお、本実施形態では、図7に示すように、遮光板42は、中心線Aよりも下側に配置したが、発光点P1、P2における発光光量の大小関係が逆の場合には、遮光板42は、中心線Aよりも上側に配置する。このため、遮光板42を中心線Aよりも下側、及び上側の何れか一方に選択的に配置できるように遮光板42の取り付け部を構成することが好ましい。
[第3実施形態]
本発明の第3実施形態に係る画像形成装置およびマルチビーム出射ユニットについて、図8を参照して説明する。図8は、光軸を含む非走査方向断面であり、非走査方向と光軸方向の縮尺は実寸比と一致させている。なお、第1実施形態と同様の構成要素については同一の参照符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0099】
本実施形態では、ビームの光路上においてスリット18よりも下流(エキスパンダレンズ20)側を図示しており、スリット18とエキスパンダレンズ20の間に、一部がハーフミラーコーティングされたガラス板44が配設されている。ガラス板44は、中心線Aを中心に対称に配置されており、非走査方向の一端から中心線Aの近傍までがハーフミラーコーティングされた(コーティング膜45(図9参照)が表面に形成された)ハーフミラー領域44Aが形成されており、残りの部分がハーフミラーコーティングされていない透過領域44Bとされている。
【0100】
このように形成されたガラス板44を光路上に配設したことにより、以下の作用がある。
【0101】
すなわち、非走査方向において中心線Aに対して対称に配置されたMSLD12の発光点P1、P2から発光されたビームL1、L2は、コリメータレンズ16で相互に反対側に屈曲され、スリット18の制限開口18Aから中心線Aを挟んで相互に離間する方向に進行する。この状態でビームL1、L2がガラス板44に入射するため、ビームL1、L2は光束に占めるハーフミラー領域44Aを透過する割合が異なる(D3≠D4)。ハーフミラー領域44Aは透過領域44Bと比較して透過率が低いため、光束に占めるハーフミラー領域44Aを透過する割合が大きいビームほど、ガラス板44における透過率が低下することになる。すなわち、本実施形態では、ビームL1の方がビームL2と比較して光束に占めるハーフミラー領域44Aを透過する割合が大きい(D3>D4)ため、ビームL1の透過率の方が低いことになる。したがって、ガラス板44を透過したビーム光量が等しくなるようにビームL1、L2の発光光量を調節する(異ならせる)ことによって、感光体14上におけるビーム光量を均一化できると共に、ビーム間の干渉を防止して光量変動が抑制された高画質な画像形成を行なうことができる。
【0102】
特に、本実施形態では、ハーフミラー領域44Aでもビームの一部の光が透過するため、ガラス板44の透過によってビーム径が変動することが防止され、複数のビーム間におけるビーム径のバラツキを抑制でき、一層高画質な画像形成を行なうことができる。
【0103】
なお、ガラス板44のハーフミラー領域44Aを、ビームL1の主光線を超えて増加させても、ビームL1、L2の透過率の差を増やすことはできず、ビームL1をこえた位置まで増加させると、透過率の差が減少してしまうので注意が必要である。
【0104】
また、ガラス板44の透過領域44Bには、ARコーティングを施すとガラス板内での干渉を防止できるのでさらに良い。
【0105】
ところで、本実施形態のように構成すると、ビームL1、L2がガラス板44のハーフミラー領域44Aと、透過領域44Bの双方を通過するため、誘電体膜のようにコーティング膜45の膜厚Dが厚いと位相のずれが大きくなる(図9(模式図)参照)。この結果、結像性能が劣化したり、ハーフミラー領域44Aの反射光がMSLD12に戻ったりすることで、光量が不安定になる。さらに、光量変動を生じているビームが感光体14を走査すれば、筋状の画質劣化が起こる。
【0106】
したがって、コーティング膜45の膜厚Dを薄くでき、かつ膜でのエネルギー吸収が大きくすることで反射を少なくすることのできる金属膜にすると良い。例えば、クロムを蒸着したものを用いると良い。クロムは酸化しやすい物質であるため、保護膜を付けるとことは有効である。
【0107】
なお、ハーフミラーコーティングの透過率は、ガラス板44が配置された位置におけるビーム径、ビーム間隔、発光光量比から決定される。例えば、ビームL1、L2の非走査方向間隔が0.2mmで非走査方向のビーム径が1.29mmの位置にガラス板44を配置した場合に、ビームL1、L2の発光光量比を好ましい1.25にするためには、ハーフミラーコーティングの透過率を30%にする必要がある。
【0108】
また、ハーフミラーコーティングの透過率を小さくすると、光束の一部を遮蔽した場合と同様の現象が起こるので、透過率は30%以上が好ましい。
【0109】
なお、発光点P1、P2における発光光量の大小関係が逆の場合には、ガラス板44を上下逆に配置すれば良い。
[第4実施形態]
本発明の第4実施形態に係るマルチビーム走査装置およびマルチビーム出射ユニットについて、図10、図11を参照して説明する。なお、第1実施形態と同様の構成要素については同一の参照符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0110】
図11は図1に示すマルチビーム走査装置の構成を折り返しミラーを除いた展開光路図である。光軸を含む非走査方向断面図であり、非走査方向を拡大して書いている。
【0111】
図10は、第3実施形態と同様に光学部品にハーフミラー領域を設けた場合、ビームL1、L2の光量差が付くことをエネルギとして表したものである。すなわち、光学部品位置でのビームL1、L2の光量プロファイルがガウシャンであるとすると、非走査方向にある距離離れてある場合、ビームL1のガウシャンプロファイルの中央部から半分がハーフミラー領域(ハーフミラーコーティング部分(図10、ハッチング部分参照))とすると、非走査方向でビームL1とオフセットしているビームL2がハーフミラー領域で減衰する量はビームL1よりも少ないので、光量差がつくのである。したがって、ビームL1、L2の非走査方向間隔Gが大きいほど、光量差を大きくすることができる。
【0112】
ところで、本実施形態の光学系では、図11に示すように、ビームのL1、L2の非走査方向間隔が最大になるところは、シリンダーレンズ24の位置となる。
【0113】
したがって、シリンダーレンズ24にハーフミラーコーティングすれば、隣接するビーム間の間隔が小さい光学系で最も効果的に光量差をつけることができる。なお、ハーフミラーコーテイングは、製造の容易性からシリンダーレンズ24の平面部に行うことが好ましい。
【0114】
なお、発光点P1、P2における発光光量の大小関係が逆の場合には、シリンダーレンズ24を上下逆に配置すれば良い。
[第5実施形態]
本発明の第5実施形態に係るマルチビーム走査装置およびマルチビーム出射ユニットについて、図12、図13を参照して説明する。なお、第1、第3実施形態と同様の構成要素については同一の参照符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0115】
図12、図13は、光軸を含む非走査方向の断面図である。両図において、発光点P1、P2が非走査方向が14μmの間隔であり、ガラス板44の位置でも2ビーム間に非走査方向の間隔を生じているが、実際は小さい量なのでこの図では同一に記載している。
【0116】
図12に示すように、光路上においてスリット18とエキスパンダレンズ20の間に配設された一部がハーフミラー領域44Aとされたガラス板44は、入射光軸A1と反射光軸A2が異なる。したがって、スリット18を透過したビームL1、L2のハーフミラー領域44Aで反射されたビームL1´、L2´がスリット18の制限開口18AからMSLD12に入射して発光光量に変動を生じさせることはない。
【0117】
図13に示すように、反射ミラー46でビームL1、L2が折り返された後でも同様である。
[第6実施形態]
本発明の第6実施形態に係るマルチビーム走査装置およびマルチビーム出射ユニットについて、図14、図15を参照して説明する。なお、第1、第3実施形態と同様の構成要素については同一の参照符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0118】
本実施形態は、感光体上におけるビームの光量の均一化を達成しつつ発光点における発光光量差をつけるために、各発光点P1、P2から出射されるビームL1、L2の発散角に差をつけたものである。
【0119】
先ず、発散角を異ならせるためのMSLD12の構成について説明する。MSLD12は、図14に示すように、下側から下側電極70、GaAs基板72、コンファイメント74、下部グラッド76、活性層78、上部グラッド80、埋め込み層82、キャップ84、上部電極86が積層して構成されている。ここで、発光点P1、P2から出射されるビームL1、L2の発散角を決定するものは、埋め込み層82のストライプ幅S1、S2と活性層78の厚さである。すなわち、基板の延在方向と平行な面内の発散角を決めるのはストライプ幅S1、S2であり、ストライプ幅が大きくなると発散角が小さくなる。一方、基板の延在方向と垂直な面内の発散角を決めるのは活性層78の厚さであり、活性層78が厚くなると発散角が小さくなる。この性質を利用にして発光点P1、P2から出射されるビームL1、L2の発散角に差をつけることが可能となる。特に、ストライプ幅S1、S2で変えるほうは容易に製造できる。
【0120】
本実施形態では、ストライプ幅S1、S2のみ異ならせているため、発光点P1、P2から出射されるビームL1、L2は基板の延在方向と平行な面内における発散角のみが異なることになる。
【0121】
このように構成されたマルチビーム走査装置10では、図15に示すように、MSLD12の発光点P1、P2から出射するビームL1、L2の非走査方向の発散角θ1、θ2が異なるため、スリット18の制限開口18AでビームL1、L2の光束のうち通過できる割合が異なることになる。したがって、感光体上における各ビームの光量を均一化しつつ、発光点P1、P2におけるビームL1、L2の発光光量に差をつけることが可能になる。
【0122】
この結果、ビームL1、L2間の干渉を防止して光量変動を防止しつつ、感光体上におけるビーム光量を均一化して高画質な画像形成が可能になる。また、本実施形態では、中心線Aに対して発光点P1、P2およびスリット18の制限開口18Aが対称に配置されているため、スリット18の制限開口18Aを透過する(感光体上の)ビームL1、L2のビーム径が均一化され、一層高画質になる。
【0123】
なお、一連の実施形態では、2個の発光点を有するMSLD12を備えるマルチビーム走査装置10およびマルチビーム出射装置40について説明したが、3個以上の発光点を有するMSLDにも適用可能である。
[第7実施形態]
本発明の第7実施形態に係るマルチビーム走査装置およびマルチビーム出射ユニットについて、図16を参照して説明する。なお、前述した実施形態と同様の構成要素については同一の参照符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0124】
本実施形態は、前述した図25、または図26に示す発光光量の関係を具体化したものである。
【0125】
図16には、MSLD12の駆動回路88が示されており、図16において、符号90は発光点P1用のレーザドライバ、符号92は発光点P2用のレーザドライバ、符号94,96はコンパレータ、符号98は発光点P1及び発光点P2の光量をモニタする光センサ、符号100はアンプ、符号102は加算器、符号104はオフセット電圧発生器、符号106は制御回路を示している。
【0126】
駆動回路88では、加算器102を用い、基準電圧Vrefに対して、例えばオフセット電圧発生器104より出力されるオフセット電圧Vofsを加算することで、発光点P2の発光光量を発光点P1の発光光量よりも所定量多く設定することが出来る。なお、オフセット電圧Vofsは、任意に変更可能である。
【0127】
また、制御回路106は、発光点P1の発光光量、及び発光点P2の発光光量に応じてレーザドライバ90を制御し、発光点P1のパルス幅(点灯時間)を変更するものである。
【0128】
ここで、発光点P2の発光光量を発光点P1の発光光量よりも、所定光量多く設定すると、感光体上において、発光点P1から出射されたビームの照射エネルギーと、発光点P2から出射されたビームの照射エネルギーとが変わってしまい、画像不良を生ずる場合がある。
【0129】
このため、本実施形態の制御回路106は、感光体上での両ビームの照射エネルギーが同じになるように、発光点P1の発光パルスの幅を発光点P2の発光パルスの幅よりも広く設定する。
【0130】
レーザドライバ90では、図17に示すように、三角波信号に対して閾値を上下させることで、発光パルスの幅を変更している。
【0131】
本実施形態では、光学系を変更せずに感光体14上におけるビーム光量を同一に設定でき、良好な画像形成を可能とすることができる。
【0132】
なお、本実施形態では、発光点P1の光量と発光点P2の光量との関係を示すラインを、発光点P1と発光点P2が同じ光量の場合の発光点P1の光量と発光点P2の光量との関係を示すラインに対して、平行にオフセットしているのみであるが、更に傾斜角を変えても良い(例えば、図27参照)。
【0133】
即ち、第7の実施形態と、他の実施形態とを組み合わせても良い。
【0134】
【発明の効果】
本発明のマルチビーム出射ユニット、及び画像形成装置によれば、複数の発光点を有する半導体レーザから出射されたビーム間の干渉を防止して光量変動を抑制することにより、高画質な画像形成を可能にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係るマルチビーム走査装置の概略の構成を示す斜視図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る画像形成装置の概略構成図である。
【図3】本発明の第1実施形態に係るマルチビーム走査装置の要部を示す光路展開図である。
【図4】(A)は正常に出力された場合のスリット透過光量変化図であり、(B)は光量変動を生じた場合のスリット透過光量変化図である。
【図5】LD波長の出力依存性を示すグラフである。
【図6】光量変動が起こらなくなる発光光量比を示すグラフである。
【図7】本発明の第2実施形態に係るマルチビーム走査装置の要部を示す光路展開図である。
【図8】本発明の第3実施形態に係るマルチビーム走査装置の要部を示す光路展開図である。
【図9】コーティングによって、光の位相がずれる様子を表す図である。
【図10】本発明の一実施形態に係るマルチビーム出射ユニットにおける2ビームの光量のガウシアン分布を表す図である。
【図11】本発明の第4実施形態に係るマルチビーム走査装置を示す光路展開図である。
【図12】本発明の第5実施形態に係るマルチビーム走査装置の要部を示す光路展開図である。
【図13】本発明の第5実施形態の他の例に係るマルチビーム走査装置の要部を示す光路展開図である。
【図14】本発明の第6実施形態に係るMSLDの縦断面図である。
【図15】本発明の第6実施形態に係るマルチビーム走査装置の要部を示す光路展開図である。
【図16】本発明の第7実施形態に係るマルチビーム走査装置のMSLDの駆動回路図である。
【図17】発光パルスの幅を変更する方法を説明する説明図である。
【図18】(A)は片chの光量変更前の光量の変動を示すグラフであり、(B)は片chの光量を増加した場合の光量の変動を示すグラフである。
【図19】(A)は片chの光量を更に増加した後の光量の変動を示すグラフであり、(B)は片chの光量を(A)よりも更に増加した場合の光量の変動を示すグラフである。
【図20】両チャンネルの光量と光変動との関係を示すグラフである。
【図21】光量が変動する領域と両チャンネルの光量との関係を示すグラフである。
【図22】光量が変動する領域と両チャンネルの光量との関係を示すグラフである。
【図23】光量が変動する領域と両チャンネルの光量との関係を示すグラフである。
【図24】光量が変動する領域と両チャンネルの光量との関係を示すグラフである。
【図25】光量が変動する領域と両チャンネルの光量との関係を示すグラフである。
【図26】光量が変動する領域と両チャンネルの光量との関係を示すグラフである。
【図27】光量が変動する領域と両チャンネルの光量との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
10 マルチビーム走査装置
12 MSLD
14 感光体(像担持体)
16 コリメータレンズ
18 スリット
18A 制限開口
24 シリンダーレンズ
42 遮蔽板(光量調整手段)
44 ガラス板
44A ハーフミラー領域
106 制御回路(制御手段)
Claims (12)
- 一体に形成され独立に制御される複数の発光点から複数のビームを出射する半導体レーザと、
前記半導体レーザから出射された複数のビームを略平行にするコリメータレンズと、
コリメート光の一部を透過させる制限開口と、
を備え、
前記複数の発光点から出射される複数のビームの発光光量が異なることを特徴とするマルチビーム出射ユニット。 - 前記複数の発光点から出射された複数のビームのうち、任意の2つのビームについて、一方のビームの発光光量が他方のビームの発光光量に対して105%〜130%であることを特徴とする請求項1に記載のマルチビーム出射ユニット。
- 前記半導体レーザの第1の発光点に対する第1の駆動電流、及び第2の発光点に対する第2の駆動電流の少なくとも一方の駆動電流に所定電流を引加する引加手段を設けた、ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のマルチビーム出射ユニット。
- 前記ビームの出射についてパルス幅と光強度とにより規定するとき、前記第1の発光点から出射されるビーム、及び前記第2の発光点から出射されるビームのビーム照射位置において、両ビームの照射エネルギーが同じになるように、異なるパルス幅に設定し、かつ異なる光強度に設定すべく制御する制御手段を設けた、ことを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載のマルチビーム出射ユニット。
- 前記複数の発光点から出射された複数のビームの発散角が異なることを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載のマルチビーム出射ユニット。
- 請求項1〜5のいずれか1項記載のマルチビーム出射ユニットと、
前記複数のビームを偏向走査させる偏向器と、
偏向された複数のビームの照射により潜像が形成される像担持体と、
前記マルチビーム出射ユニットの発光点から前記像担持体に到る光路上に設けられ、前記複数のビームの透過率が異なる光量調整手段と、
を備え、前記光量調整手段によって前記像担持体上に照射される各ビームの光量を均一にさせることを特徴とする画像形成装置。 - 前記光量調整手段は、光束の一部を遮蔽する遮蔽板であることを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
- 前記光量調整手段は、光束の一部が入射する光量減衰フィルタであることを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
- 前記光量調整手段は、ビーム光路上に配設される光学部品の一部に蒸着されて設けられたものであることを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
- 前記光学部品は、シリンダーレンズであることを特徴とする請求項9に記載の画像形成装置。
- 前記光量減衰フィルタは反射手段であり、入射光軸と反射光軸が異なるように光路上に配設されていることを特徴とする請求項8乃至請求項10のいずれか1項に記載の画像形成装置。
- 請求項5に記載のマルチビーム出射ユニットを備え、前記光量調整手段は前記制限開口であることを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
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