JP2004246289A - インクジェット式カラーフィルタを備える液晶ディスプレイおよびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】インクジェット式カラーフィルタを備える液晶ディスプレイおよびその製造方法を提供する。
【解決手段】ディスプレイは、薄膜トランジスタアレイ、インク隔離壁、カラーフィルタおよびピクセル電極層を含む。インク隔離層は薄膜トランジスタアレイに形成され、電気制御回路上に透明領域および不透明領域のブラックマトリクスを構成する。透明領域の各々は、インク隔離壁により形成された密閉空間によって包囲されている。カラーフィルタは、インクジェット技術によって密閉空間の内側に注入される。カラーフィルタは薄膜トランジスタアレイに直接作製されるので、従って、ディスプレイアセンブリは容易にアラインメントが得られるようになり、開口率は増大し、ディスプレイの画質は改善される。
【選択図】 図1B
【解決手段】ディスプレイは、薄膜トランジスタアレイ、インク隔離壁、カラーフィルタおよびピクセル電極層を含む。インク隔離層は薄膜トランジスタアレイに形成され、電気制御回路上に透明領域および不透明領域のブラックマトリクスを構成する。透明領域の各々は、インク隔離壁により形成された密閉空間によって包囲されている。カラーフィルタは、インクジェット技術によって密閉空間の内側に注入される。カラーフィルタは薄膜トランジスタアレイに直接作製されるので、従って、ディスプレイアセンブリは容易にアラインメントが得られるようになり、開口率は増大し、ディスプレイの画質は改善される。
【選択図】 図1B
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶ディスプレイ、特にインクジェット式カラーフィルタを備える液晶ディスプレイに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、液晶ディスプレイ(LCD)は、光学技術および半導体技術の急速な進歩により電気製品に広く応用されている。さらに、高画質、小型な大きさ、軽量、低駆動電圧および低電力消費という利点により、LCDは、ポータブルコンピュータ、パーソナルディジタルアシスタント、カラーテレビにも導入され、従来の表示装置に使用されてきた陰極線管(CRT)にしだいに取って代わっている。LCDは主流の表示装置になりつつある。
【0003】
LCDの主要部品は、液晶が内部に密封された2つの平行な透明基板から構成される液晶(LC)装置である。LCDの主要な傾向は、薄膜トランジスタ(TFT)液晶ディスプレイである。TFT−LCDの製造工程は4つの部分に分けることができる。すなわち、TFTアレイ工程、カラーフィルタ(CF)工程、LCセル組立て工程、液晶モジュール(LCM)工程。
【0004】
TFTアレイ工程は、TFT基板を製作するために使用される。個々のTFTは、1個のピクセル電極とそれぞれアラインメントが取られる。CF工程は、カラーフィルタ基板を製作するために使用される。異なるカラーフィルタシートから構成されるカラーフィルタ層がカラーフィルタ基板に配置され、ブラックマトリクス層が各カラーフィルタシートを包囲する。
【0005】
LCセル組立て工程はTFT基板およびCF基板を平行に組立てるために使用され、ビードスペーサがそれらの間に延展してTFT基板とCF基板との間に一定距離、すなわちセルギャップを維持する。LCがセルギャップに注入されてから、注入開口は密閉される。基本的に、個々のピクセル電極はそれぞれ1枚のカラーフィルタシートと対応しており、ブラックマトリクス層は、TFTおよび、異なるTFTを接続する金属線を被覆する。
【0006】
LCM工程は、偏光板をパネルに取り付けて、ドライバICとパネル回路とを電気的に接続するために使用される。その後、反射板およびバックライトがパネルに組立てられる。バーンインステップの後、LCM工程は終了する。
【0007】
一般に、TFTによって制御される液晶分子軸の方向は、各ピクセルが光を透過させるか否かを決定する。各ピクセルの色はカラーフィルタシートの色によって決定される。例えば、光が赤のカラーフィルタシートを通過すると、赤のスポットがパネルに示される。赤色、緑色および青色を混ぜることにより、フルカラー画像を示すことができる。
【0008】
ピクセル電極とカラーフィルタシートとの間にある液晶分子の分子軸は精確に制御されなければならないので、カラーフィルタおよびTFT基板も精確にアラインメントを得なければならない。アラインメントの許容誤差はわずか数マイクロメートル以内にすぎない。
【0009】
カラーフィルタ基板とTFT基板との熱膨張率が異なるので、ピクセル電極とカラーフィルタシートとの精確なアラインメントは得にくい。この問題によって製品歩留りの減少および製造コストの増大が生じる。この問題はますます大きくなる基板のサイズによって悪化する。従って、光の漏れおよびパネルの「コインむら(coin mura)」効果が発生する。
【0010】
ブラックマトリクスのサイズを増大させると、アラインメント精度を高めるが、LCDのカラーコントラストおよび輝度を低下させる。すなわち、開口率が減少し、画像の品質は低下する。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
LCセル組立て工程の間に2つの基板のアラインメントを得る必要がなく、高開口率および高品質の画像を実現する改善された液晶ディスプレイを提供する必要性が存在する。従って、本発明の目的は、薄膜トランジスタアレイにカラーフィルタを直接形成し、カラーフィルタをピクセル電極と正確にアラインメントを得るために、アレイ技術のカラーフィルタを利用することである。
【0012】
本発明の別の目的は、薄膜トランジスタアレイにカラーフィルタを直接作製し、製造コストを低減するために、カラー樹脂を伴うインク注ジェット技術を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を実現するために、本発明は、インクジェット式カラーフィルタを備える液晶ディスプレイを提供する。液晶ディスプレイは、薄膜トランジスタアレイ、インク隔離壁、カラーフィルタおよびピクセル電極層を含む。薄膜トランジスタアレイは、基板および制御回路を備える。インク隔離壁は、薄膜トランジスタアレイに形成され、透明領域およびブラックマトリクスを作成する。個々の透明領域は、インク隔離壁によって形成された密閉空間により包囲される。カラーフィルタは、インクジェット技術により密閉空間に注入されるカラーインクで作られる。ピクセル電極層は、液晶ディスプレイの液晶分子軸の方向を制御するためにインク隔離壁およびカラーフィルタに形成される。
【0014】
基板は透明ガラス基板を利用し、制御回路は、ゲート電極、ソース電極、ドレイン電極およびコンデンサよりなる。インク隔離壁は樹脂材料で作られる。個々の透明領域は、液晶ディスプレイのピクセルである。ブラックマトリクスは、光の漏れを防ぐために利用される。カラーフィルタは、赤、青および緑を含むカラー樹脂インクで作られる。ピクセル電極はインジウム−スズ酸化物で作られる。インクジェット技術は、圧電方式インクジェット技術またはサーマルバブル方式インクジェット技術を含む。
【0015】
本発明の別の側面は、インクジェット式カラーフィルタを備える液晶ディスプレイを製造する方法を提供することである。方法は以下のステップを含む。第一に、液晶ディスプレイの基板および制御回路を含む薄膜トランジスタアレイを設ける。そして、薄膜トランジスタアレイにインク隔離壁を形成して、透明領域およびブラックマトリクスを作成する。個々の透明領域は、インク隔離壁により形成された密閉空間によって包囲されている。インクジェット技術を利用して、密閉空間にカラーインクを注入し、カラーフィルタを形成する。最後に、ピクセル電極層をインク隔離壁およびカラーフィルタに堆積させて、液晶ディスプレイの液晶分子軸の方向を制御する。
【0016】
このようにして、本発明に従ったインクジェット式カラーフィルタを備える液晶ディスプレイおよびその製造方法は、カラーフィルタとピクセル電極との間のアラインメントを増強し、画質を改善し、製造コストを低減する。
【0017】
本発明の上述の態様および付随する効果の多くは、添付図面と連係してなされる以下の詳細な説明によってより本発明が良好に理解されると、いっそう容易に評価されるであろう。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下の説明は、本発明を実行する現に最良に想定される態様のものである。この説明は、限定的意味に取るべきではなく、単に本発明の一般原理を説明するためになされている。本発明の範囲は、添付請求項を参照することによって決定されなければならない。
【0019】
図1Aおよび1Bは、典型的な非晶質シリコン薄膜トランジスタアレイ構造である。ゲート電極180、コンデンサ120、第1の絶縁層130、第2の絶縁層160、ソース電極150、ドレイン電極190およびチャネル電極140が、透明ガラス基板110上に形成されている。ソース電極150を露出するために、第2の絶縁層160にコンタクトホール170が形成されている。
【0020】
図2Aおよび2Bに言及すれば、本発明に従ったTFTアレイはさらに、その上にインク隔離壁210を形成する。インク隔離壁210は不透明材料で作られ、従ってTFTアレイは、透明領域および不透明領域、すなわちブラックマトリクスになる。このようにして、インク隔離壁210は、インク隔離およびブラックマトリクスの機能を組み合わせる。インク隔離の機能は、インク隔離壁210がその中にインクを閉塞してピクセルのカラーフィルタを形成することを意味する。ブラックマトリクスの機能は光の漏れを防ぐことである。隔離壁210は、樹脂を含むいずれかの種類の不透明材料よりなる。本発明は、その材料が不透明で、内側にインクを閉塞できる限り、インク隔離壁の材料を限定しない。
【0021】
図3Aおよび3Bに言及すれば、インクが、赤、青および緑の各色を備えるすべてのピクセルの隔離壁210に注入される。本発明は、インクジェット技術を利用してTFTアレイで直接隔離壁にインクを注入する。従って、ピクセル電極とカラーフィルタシートとの間のアラインメントの問題がまったく存在しない。カラーフィルタが完全にTFTアレイに適合するので、画質は改善される。たとえTFT−LCDのサイズが増大しても、2つのガラス基板間のアラインメントの問題はまったくない。本発明は、カラーフィルタのために隔離壁に注入されるカラーインクとしてカラー樹脂を利用することができる。
【0022】
図4Aおよび4Bに言及すれば、インク310がインク隔離壁210に注入された後、ピクセル電極410が、インク310の上に直接基板110に形成される。ピクセル電極410はインジウム−スズ酸化物(ITO)で作られており、従ってピクセル電極410は透明電極である。ピクセル電極410は液晶分子軸の方向を制御し、ピクセルが光を透過させるか否かを決定する。
【0023】
本発明に従ったTFT−LCDは、TFTアレイにインクを直接注入する。アレイ技術のカラーフィルタの場合、他方の基板はコモン電極を必要とするだけである。従って、LCセル組立て工程において、2つの基板は容易に組立てられ、開口率および画質は向上する。本発明は、より大型のTFT−LCD製造の問題を解決するための良好な解決策を提供する。TFT−LCDテレビといった大型のTFT−LCDがより容易に製造でき、画質はより良好になり得る。本発明は、インクを注入するために、圧電方式インクジェット技術およびサーマルバブル方式インクジェット技術といったインクジェット技術を利用する。本発明はさらに、インクのむだを可能な限り低減するために、ドロップ オン デマンド方式インクジェット技術を組み合わせる。
【0024】
本発明は非晶質シリコン薄膜トランジスタアレイに限定されるものではなく、本発明はポリシリコン薄膜トランジスタアレイでも利用できる。また、カラーインクジェット技術は、製造コストを低減するためにポリマー発光ダイオード製造にも使用できる。本発明はTFT−LCD製造に多大な貢献を付与する。当業者には理解される通り、本発明の上述の好ましい実施形態は、本発明の限定というよりもむしろ本発明の例示である。様々な修正および類似の構成が添付請求項の精神および範囲内に含まれ、その範囲はすべてのそうした修正および類似の構造を包含するように最も広範な解釈が与えられなければならないものと意図されている。
【図面の簡単な説明】
【図1A】薄膜トランジスタアレイにカラーフィルタを形成するための連続工程を示す本発明に従った一実施形態の平面図である。
【図1B】図1Aの断面図である。
【図2A】薄膜トランジスタアレイにカラーフィルタを形成するための連続工程を示す本発明に従った一実施形態の平面図である。
【図2B】図2Aの断面図である。
【図3A】薄膜トランジスタアレイにカラーフィルタを形成するための連続工程を示す本発明に従った一実施形態の平面図である。
【図3B】図3Aの断面図である。
【図4A】薄膜トランジスタアレイにカラーフィルタを形成するための連続工程を示す本発明に従った一実施形態の平面図である。
【図4B】図4Aの断面図である。
【符号の説明】
110 透明ガラス基板
120 コンデンサ
130 第1の絶縁層
140 チャネル電極
150 ソース電極
160 第2の絶縁層
170 コンタクトホール
180 ゲート電極
190 ドレイン電極
210 インク隔離壁
310 インク
410 ピクセル電極
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶ディスプレイ、特にインクジェット式カラーフィルタを備える液晶ディスプレイに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、液晶ディスプレイ(LCD)は、光学技術および半導体技術の急速な進歩により電気製品に広く応用されている。さらに、高画質、小型な大きさ、軽量、低駆動電圧および低電力消費という利点により、LCDは、ポータブルコンピュータ、パーソナルディジタルアシスタント、カラーテレビにも導入され、従来の表示装置に使用されてきた陰極線管(CRT)にしだいに取って代わっている。LCDは主流の表示装置になりつつある。
【0003】
LCDの主要部品は、液晶が内部に密封された2つの平行な透明基板から構成される液晶(LC)装置である。LCDの主要な傾向は、薄膜トランジスタ(TFT)液晶ディスプレイである。TFT−LCDの製造工程は4つの部分に分けることができる。すなわち、TFTアレイ工程、カラーフィルタ(CF)工程、LCセル組立て工程、液晶モジュール(LCM)工程。
【0004】
TFTアレイ工程は、TFT基板を製作するために使用される。個々のTFTは、1個のピクセル電極とそれぞれアラインメントが取られる。CF工程は、カラーフィルタ基板を製作するために使用される。異なるカラーフィルタシートから構成されるカラーフィルタ層がカラーフィルタ基板に配置され、ブラックマトリクス層が各カラーフィルタシートを包囲する。
【0005】
LCセル組立て工程はTFT基板およびCF基板を平行に組立てるために使用され、ビードスペーサがそれらの間に延展してTFT基板とCF基板との間に一定距離、すなわちセルギャップを維持する。LCがセルギャップに注入されてから、注入開口は密閉される。基本的に、個々のピクセル電極はそれぞれ1枚のカラーフィルタシートと対応しており、ブラックマトリクス層は、TFTおよび、異なるTFTを接続する金属線を被覆する。
【0006】
LCM工程は、偏光板をパネルに取り付けて、ドライバICとパネル回路とを電気的に接続するために使用される。その後、反射板およびバックライトがパネルに組立てられる。バーンインステップの後、LCM工程は終了する。
【0007】
一般に、TFTによって制御される液晶分子軸の方向は、各ピクセルが光を透過させるか否かを決定する。各ピクセルの色はカラーフィルタシートの色によって決定される。例えば、光が赤のカラーフィルタシートを通過すると、赤のスポットがパネルに示される。赤色、緑色および青色を混ぜることにより、フルカラー画像を示すことができる。
【0008】
ピクセル電極とカラーフィルタシートとの間にある液晶分子の分子軸は精確に制御されなければならないので、カラーフィルタおよびTFT基板も精確にアラインメントを得なければならない。アラインメントの許容誤差はわずか数マイクロメートル以内にすぎない。
【0009】
カラーフィルタ基板とTFT基板との熱膨張率が異なるので、ピクセル電極とカラーフィルタシートとの精確なアラインメントは得にくい。この問題によって製品歩留りの減少および製造コストの増大が生じる。この問題はますます大きくなる基板のサイズによって悪化する。従って、光の漏れおよびパネルの「コインむら(coin mura)」効果が発生する。
【0010】
ブラックマトリクスのサイズを増大させると、アラインメント精度を高めるが、LCDのカラーコントラストおよび輝度を低下させる。すなわち、開口率が減少し、画像の品質は低下する。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
LCセル組立て工程の間に2つの基板のアラインメントを得る必要がなく、高開口率および高品質の画像を実現する改善された液晶ディスプレイを提供する必要性が存在する。従って、本発明の目的は、薄膜トランジスタアレイにカラーフィルタを直接形成し、カラーフィルタをピクセル電極と正確にアラインメントを得るために、アレイ技術のカラーフィルタを利用することである。
【0012】
本発明の別の目的は、薄膜トランジスタアレイにカラーフィルタを直接作製し、製造コストを低減するために、カラー樹脂を伴うインク注ジェット技術を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を実現するために、本発明は、インクジェット式カラーフィルタを備える液晶ディスプレイを提供する。液晶ディスプレイは、薄膜トランジスタアレイ、インク隔離壁、カラーフィルタおよびピクセル電極層を含む。薄膜トランジスタアレイは、基板および制御回路を備える。インク隔離壁は、薄膜トランジスタアレイに形成され、透明領域およびブラックマトリクスを作成する。個々の透明領域は、インク隔離壁によって形成された密閉空間により包囲される。カラーフィルタは、インクジェット技術により密閉空間に注入されるカラーインクで作られる。ピクセル電極層は、液晶ディスプレイの液晶分子軸の方向を制御するためにインク隔離壁およびカラーフィルタに形成される。
【0014】
基板は透明ガラス基板を利用し、制御回路は、ゲート電極、ソース電極、ドレイン電極およびコンデンサよりなる。インク隔離壁は樹脂材料で作られる。個々の透明領域は、液晶ディスプレイのピクセルである。ブラックマトリクスは、光の漏れを防ぐために利用される。カラーフィルタは、赤、青および緑を含むカラー樹脂インクで作られる。ピクセル電極はインジウム−スズ酸化物で作られる。インクジェット技術は、圧電方式インクジェット技術またはサーマルバブル方式インクジェット技術を含む。
【0015】
本発明の別の側面は、インクジェット式カラーフィルタを備える液晶ディスプレイを製造する方法を提供することである。方法は以下のステップを含む。第一に、液晶ディスプレイの基板および制御回路を含む薄膜トランジスタアレイを設ける。そして、薄膜トランジスタアレイにインク隔離壁を形成して、透明領域およびブラックマトリクスを作成する。個々の透明領域は、インク隔離壁により形成された密閉空間によって包囲されている。インクジェット技術を利用して、密閉空間にカラーインクを注入し、カラーフィルタを形成する。最後に、ピクセル電極層をインク隔離壁およびカラーフィルタに堆積させて、液晶ディスプレイの液晶分子軸の方向を制御する。
【0016】
このようにして、本発明に従ったインクジェット式カラーフィルタを備える液晶ディスプレイおよびその製造方法は、カラーフィルタとピクセル電極との間のアラインメントを増強し、画質を改善し、製造コストを低減する。
【0017】
本発明の上述の態様および付随する効果の多くは、添付図面と連係してなされる以下の詳細な説明によってより本発明が良好に理解されると、いっそう容易に評価されるであろう。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下の説明は、本発明を実行する現に最良に想定される態様のものである。この説明は、限定的意味に取るべきではなく、単に本発明の一般原理を説明するためになされている。本発明の範囲は、添付請求項を参照することによって決定されなければならない。
【0019】
図1Aおよび1Bは、典型的な非晶質シリコン薄膜トランジスタアレイ構造である。ゲート電極180、コンデンサ120、第1の絶縁層130、第2の絶縁層160、ソース電極150、ドレイン電極190およびチャネル電極140が、透明ガラス基板110上に形成されている。ソース電極150を露出するために、第2の絶縁層160にコンタクトホール170が形成されている。
【0020】
図2Aおよび2Bに言及すれば、本発明に従ったTFTアレイはさらに、その上にインク隔離壁210を形成する。インク隔離壁210は不透明材料で作られ、従ってTFTアレイは、透明領域および不透明領域、すなわちブラックマトリクスになる。このようにして、インク隔離壁210は、インク隔離およびブラックマトリクスの機能を組み合わせる。インク隔離の機能は、インク隔離壁210がその中にインクを閉塞してピクセルのカラーフィルタを形成することを意味する。ブラックマトリクスの機能は光の漏れを防ぐことである。隔離壁210は、樹脂を含むいずれかの種類の不透明材料よりなる。本発明は、その材料が不透明で、内側にインクを閉塞できる限り、インク隔離壁の材料を限定しない。
【0021】
図3Aおよび3Bに言及すれば、インクが、赤、青および緑の各色を備えるすべてのピクセルの隔離壁210に注入される。本発明は、インクジェット技術を利用してTFTアレイで直接隔離壁にインクを注入する。従って、ピクセル電極とカラーフィルタシートとの間のアラインメントの問題がまったく存在しない。カラーフィルタが完全にTFTアレイに適合するので、画質は改善される。たとえTFT−LCDのサイズが増大しても、2つのガラス基板間のアラインメントの問題はまったくない。本発明は、カラーフィルタのために隔離壁に注入されるカラーインクとしてカラー樹脂を利用することができる。
【0022】
図4Aおよび4Bに言及すれば、インク310がインク隔離壁210に注入された後、ピクセル電極410が、インク310の上に直接基板110に形成される。ピクセル電極410はインジウム−スズ酸化物(ITO)で作られており、従ってピクセル電極410は透明電極である。ピクセル電極410は液晶分子軸の方向を制御し、ピクセルが光を透過させるか否かを決定する。
【0023】
本発明に従ったTFT−LCDは、TFTアレイにインクを直接注入する。アレイ技術のカラーフィルタの場合、他方の基板はコモン電極を必要とするだけである。従って、LCセル組立て工程において、2つの基板は容易に組立てられ、開口率および画質は向上する。本発明は、より大型のTFT−LCD製造の問題を解決するための良好な解決策を提供する。TFT−LCDテレビといった大型のTFT−LCDがより容易に製造でき、画質はより良好になり得る。本発明は、インクを注入するために、圧電方式インクジェット技術およびサーマルバブル方式インクジェット技術といったインクジェット技術を利用する。本発明はさらに、インクのむだを可能な限り低減するために、ドロップ オン デマンド方式インクジェット技術を組み合わせる。
【0024】
本発明は非晶質シリコン薄膜トランジスタアレイに限定されるものではなく、本発明はポリシリコン薄膜トランジスタアレイでも利用できる。また、カラーインクジェット技術は、製造コストを低減するためにポリマー発光ダイオード製造にも使用できる。本発明はTFT−LCD製造に多大な貢献を付与する。当業者には理解される通り、本発明の上述の好ましい実施形態は、本発明の限定というよりもむしろ本発明の例示である。様々な修正および類似の構成が添付請求項の精神および範囲内に含まれ、その範囲はすべてのそうした修正および類似の構造を包含するように最も広範な解釈が与えられなければならないものと意図されている。
【図面の簡単な説明】
【図1A】薄膜トランジスタアレイにカラーフィルタを形成するための連続工程を示す本発明に従った一実施形態の平面図である。
【図1B】図1Aの断面図である。
【図2A】薄膜トランジスタアレイにカラーフィルタを形成するための連続工程を示す本発明に従った一実施形態の平面図である。
【図2B】図2Aの断面図である。
【図3A】薄膜トランジスタアレイにカラーフィルタを形成するための連続工程を示す本発明に従った一実施形態の平面図である。
【図3B】図3Aの断面図である。
【図4A】薄膜トランジスタアレイにカラーフィルタを形成するための連続工程を示す本発明に従った一実施形態の平面図である。
【図4B】図4Aの断面図である。
【符号の説明】
110 透明ガラス基板
120 コンデンサ
130 第1の絶縁層
140 チャネル電極
150 ソース電極
160 第2の絶縁層
170 コンタクトホール
180 ゲート電極
190 ドレイン電極
210 インク隔離壁
310 インク
410 ピクセル電極
Claims (22)
- インクジェット式カラーフィルタを備える液晶ディスプレイであって、液晶ディスプレイは、
液晶ディスプレイの基板および制御回路を備える薄膜トランジスタアレイと、
透明領域およびブラックマトリクスを作成するために薄膜トランジスタアレイに形成されたインク隔離壁であって、個々の透明領域はインク隔離壁によって形成された密閉空間により包囲されているインク隔離壁と、
インクジェット技術によって密閉空間に注入されたカラーインクで作られたカラーフィルタと、
液晶ディスプレイの液晶分子軸の方向を制御するためにインク隔離壁およびカラーフィルタの上に形成しているピクセル電極層とを含む、液晶ディスプレイ。 - 上記基板は透明ガラス基板により形成されている請求項1記載の液晶ディスプレイ。
- 上記制御回路は、ゲート電極、ソース電極、ドレイン電極およびコンデンサを含む、請求項1記載の液晶ディスプレイ。
- 上記インク隔離壁は樹脂材料で作られている、請求項1記載の液晶ディスプレイ。
- 上記透明領域の各々は液晶ディスプレイのピクセルである、請求項1記載の液晶ディスプレイ。
- 光の漏れを防ぐためにブラックマトリクスが利用されている、請求項1記載の液晶ディスプレイ。
- 上記カラーフィルタは、赤、緑および青のカラーフィルタよりなる、請求項1記載の液晶ディスプレイ。
- 上記カラーフィルタはカラー樹脂インクで作られている、請求項1記載の液晶ディスプレイ。
- 上記ピクセル電極はインジウム−スズ酸化物で作られている、請求項1記載の液晶ディスプレイ。
- 上記インクジェット技術は圧電方式インクジェット技術を含む、請求項1記載の液晶ディスプレイ、
- 上記インクジェット技術はサーマルバブル方式インクジェット技術を含む、請求項1記載の液晶ディスプレイ。
- インクジェット式カラーフィルタを備える液晶ディスプレイを製造する方法であって、方法は、
液晶ディスプレイの基板および制御回路を含む薄膜トランジスタアレイを設けることと、
個々の透明領域はインク隔離壁によって形成された密閉空間により包囲されている透明領域およびブラックマトリクスを作成するために薄膜トランジスタアレイにインク隔離壁を形成することと、
カラーフィルタを形成するために密閉空間にカラーインクを注入するためにインクジェット技術を利用することと、
液晶ディスプレイの液晶分子軸の方向を制御するためにインク隔離壁およびカラーフィルタの上にピクセル電極層を形成することとを含む、方法。 - 上記基板は透明ガラス基板よりなる、請求項12記載の方法。
- 上記制御回路は、ゲート電極、ソース電極、ドレイン電極およびコンデンサを含む、請求項12記載の方法。
- 上記インク隔離壁は樹脂材料で作られている、請求項12記載の方法。
- 上記透明領域の各々は液晶ディスプレイのピクセルである、請求項12記載の方法。
- 光の漏れを防ぐためにブラックマトリクスが利用されている、請求項12記載の方法。
- 上記カラーフィルタは、赤、緑および青のカラーフィルタよりなる、請求項12記載の方法。
- 上記カラーフィルタはカラー樹脂インクで作られている、請求項12記載の方法。
- 上記ピクセル電極はインジウム−スズ酸化物で作られている、請求項12記載の方法。
- 上記インクジェット技術は圧電方式インクジェット技術を含む、請求項12記載の方法。
- 上記インクジェット技術はサーマルバブル方式インクジェット技術を含む、請求項12記載の方法。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003038648A JP2004246289A (ja) | 2003-02-17 | 2003-02-17 | インクジェット式カラーフィルタを備える液晶ディスプレイおよびその製造方法 |
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