JP2007310283A - 液晶表示素子 - Google Patents
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Abstract
【課題】UVシールの液晶層への溶出を防止し表示品位を向上した液晶パネルを提供する。
【解決手段】アレイ基板2と対向基板3との間に介在する液晶層4の周囲に隣接した配設したUVシール5の各角部の画面部7側に、壁状の障壁部61を、それぞれアレイ基板2側から対向基板3側へとそれぞれ突設する。障壁部61によりUVシール5の各角部からの液晶層4の画面部7側への溶出を確実に防止でき、この溶出の防止により、表示品位を向上できる。
【選択図】図1
【解決手段】アレイ基板2と対向基板3との間に介在する液晶層4の周囲に隣接した配設したUVシール5の各角部の画面部7側に、壁状の障壁部61を、それぞれアレイ基板2側から対向基板3側へとそれぞれ突設する。障壁部61によりUVシール5の各角部からの液晶層4の画面部7側への溶出を確実に防止でき、この溶出の防止により、表示品位を向上できる。
【選択図】図1
Description
本発明は、アレイ基板と対向基板とを接着するシール部材を備えた液晶表示素子に関する。
液晶表示装置は、薄型、軽量、低消費電力であるなどの様々な特徴を有しており、OA機器、情報端末、時計およびテレビジョンなどの様々な用途に応用されている。特に、薄膜トランジスタ(以下、TFTという)を有する液晶表示素子は、その高い応答性から、携帯テレビジョンやコンピュータなどのように多量の情報を表示するモニタとして用いられている。
近年、情報量の増加に伴い、画像の高精細化や表示速度の高速化に対する要求が高まっている。これら要求のうち、画像の高精細化は、例えば上述したTFTが形成するアレイ構造を微細化することによって実現されている。
一方、表示速度の高速化に関しては、従来の表示モードの代わりに、ネマティック液晶を用いたOCBモード、VANモード、HANモード、および、π配列モードや、スメクティック液晶を用いた界面安定型強誘電性液晶(Surface Stabilized Ferroelectric Liquid Crystal)モードおよび反強誘電性液晶モードを採用することが検討されている。
これら表示モードは、高いコントラストを得るため、あるいは、低消費電力駆動を実現するなどのために高い極性を有する液晶材料を用いる場合がある。このような液晶材料は、不純物成分などを溶け込ませる性質が強く、液晶表示素子の外周に設けられたシール部材である接着剤(以下、シール剤という)からの不純物、あるいは構成成分そのものを液晶層内に溶出させることがある。
また、近年、量産適用が頻繁に行なわれるようになった液晶滴下工法では、紫外線硬化型シール剤(以下、UVシールという)が未硬化状態で液晶材料と接するため、UVシールの構成成分が液晶層に多量に溶出することがある。
これらの不純物や構成成分が液晶中に溶出すると、電圧保持率の低下、配向不良などを誘発し、表示品位を著しく悪化させる。
この問題を解決するために、UVシールと表示領域との間に2枚の基板に接する障壁を設け、シールした部分から表示領域への異物の溶出を防止する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2002−350873号公報
しかしながら、上述の液晶表示素子では、障壁を両基板に接触させることにより、この障壁が表示領域より剛直なスペーサの役割を果たすため、液晶層の外周縁側の間隔すなわち層厚が表示領域での層厚よりも大きくなってしまい、いわゆるセルギャップむらが発生し、その影響が表示領域まで及んで表示むらが発生するおそれがあるという問題がある。
また、液晶材料の広がりは、他の部分と比較して表示領域の角部において最も遅くなるため、表示領域の全周に連続して障壁を形成した場合、先に液晶材料が到達した部分では、液晶層の層厚が障壁の高さよりも高くなってこの障壁を乗り越えてしまい、結果的に液晶材料とUVシールとが接触し、シールの液晶層への溶出を抑制することが容易でないという問題もある。
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、シール部材の液晶層への溶出を防止し表示品位を向上した液晶表示素子を提供することを目的とする。
本発明は、アレイ基板と、このアレイ基板の一主面に対向して配設された対向基板と、前記アレイ基板と前記対向基板との間に介在され、表示領域を形成する液晶層と、この液晶層の周囲に隣接して四角形状に配設され、前記アレイ基板と前記対向基板とを接着するシール部材と、前記アレイ基板と前記対向基板との間に位置し、前記シール部材の角部の前記表示領域側に配設された壁状の障壁部とを具備したものである。
そして、液晶層の周囲に隣接して配設されたシール部材の角部の液晶層の表示領域側に、壁状の障壁部を配設する。
本発明によれば、障壁部でシール部材の液晶層の表示領域側への溶出を確実に防止でき、この溶出の防止により、表示品位を向上できる。
以下、本発明の第1の実施の形態の液晶表示素子の構成を図1ないし図5を参照して説明する。
図1において、1は液晶表示素子としてのアクティブマトリクス型の液晶パネルであり、この液晶パネル1は、略四角形平板状のアレイ基板2と、このアレイ基板2に対向配置されるカラーフィルタ基板である対向基板3と、これら基板2,3間に介在される液晶層4とを備え、基板2,3が液晶層4の周囲にて、シール部材としての紫外線硬化樹脂であるUVシール5により接着されている。
アレイ基板2は、薄膜トランジスタ(TFT)基板であって、略透明な四角形平板状の絶縁基板としての透光性基板であるガラス基板6を有している。
さらに、このガラス基板6の一主面である対向基板3側の主面の表面上の中央部には、表示領域としての画面部7が形成されている。この画面部7は、平面視で四角形状に形成され、全周がUVシール5により囲まれている。そして、このガラス基板6上の画面部7には、複数の画素8がマトリクス状に設けられて配置されている。これら複数の画素8は、ガラス基板6の縦方向に沿ってn個形成されており、このガラス基板6の横方向に沿ってm個形成されている。したがって、これら複数の画素8は、ガラス基板6上にn×m個形成されている。さらに、これら画素8のそれぞれには、透明電極である画素電極11、蓄積容量としての画素補助容量である補助容量12(図2)および薄膜トランジスタ(TFT)13がそれぞれ1つずつ配置されている。
また、ガラス基板6の表面には、シリコン窒化膜や酸化シリコン膜などにて構成された図示しないアンダーコート層が積層されて成膜されている。このアンダーコート層上には、例えばトップゲートタイプの薄膜トランジスタ13が1画素構成要素として配設されている。この薄膜トランジスタ13は、スイッチング素子として機能するTFT素子である。そして、これら薄膜トランジスタ13は、アンダーコート層上に形成されたソース電極21およびドレイン電極22を備えている。これらソース電極21およびドレイン電極22は、所定の間隙を介して電気的に絶縁された状態で設けられている。また、ドレイン電極22は、薄膜トランジスタ13に隣接してアンダーコート層上に積層された画素電極11に電気的に接続されている。
さらに、これらソース電極21およびドレイン電極22の間には、半導体層としての活性層23が設けられている。この活性層23は、ソース電極21およびドレイン電極22を含むアンダーコート層上に設けられている。そして、この活性層23は、p−Siにて構成された半導体層である。すなわち、この活性層23は、非晶質半導体としてのアモルファスシリコン(a−Si)をエキシマレーザ溶解結晶化であるアニールしてからパターニングして作成した島状のp−Si薄膜である。
また、この活性層23上には、図示しないゲート絶縁膜を介して導電性を有するゲート電極24が積層されて成膜されている。ここで、このゲート電極24は、活性層23の長手方向に直交する長手方向を有している。また、このゲート電極24は、活性層23の幅寸法より小さな幅寸法を有しており、この活性層23上の中央部に設けられている。
そして、薄膜トランジスタ13間には、アレイ基板2の厚さ方向に沿った長手方向を有する細長円柱状のスペーサ31が突設されている。これらスペーサ31は、液晶層4の層厚を制御するもので、画面部7の縦方向および横方向のそれぞれに向けて所定個数、設けられている。すなわち、これらスペーサ31は、アレイ基板2の画面部7上に等間隔に離間されて設けられている。また、これらスペーサ31は、例えばアクリル製の透明樹脂材料にて構成されている。
画素電極11は、薄膜トランジスタ13により駆動されるもので、例えば100nm(0.1μm)ほどの膜厚のITO(Indium Tin Oxide)膜のスパッタ法にて成膜されて形成されている。
そして、ガラス基板6の他主面である対向基板3と反対側の主面には、略四角形平板状の偏光板36が取り付けられている。
一方、対向基板3は、略透明な四角形平板状の絶縁基板としての透光性基板であるガラス基板41を備えている。このガラス基板41の一主面であるアレイ基板2側の主面には、図示しないアンダーコート層が積層され、このアンダーコート層上には、着色層としてのカラーフィルタ層42と、遮光層としての遮光部である額縁部43とが積層されて設けられている。
カラーフィルタ層42は、少なくとも2色以上である1組の色単位、例えば赤(Red:R)色の着色層である赤色フィルタ部44と、緑(Green:G)色の着色層である緑色フィルタ部45と、青(Blue:B)色の着色層である青色フィルタ部46との3つのドットがアレイ基板2の縦方向および横方向のそれぞれに向けて繰り返し配置されて構成されている。
ここで、赤色フィルタ部44は、例えば10質量%ほど赤色の顔料を分散させた紫外線硬化型アクリル樹脂レジストにて構成されている。また、緑色フィルタ部45および青色フィルタ部46も同様に、緑色あるいは青色の顔料を、例えば10質量%ほど分散させた紫外線硬化型アクリル樹脂レジストにて構成されている。さらに、これら赤色フィルタ部44、緑色フィルタ部45および青色フィルタ部46のそれぞれは、例えば1500nm(1.5μm)の等しい膜厚に形成されている。
そして、これら複数の赤色フィルタ部44、緑色フィルタ部45および青色フィルタ部46にて構成されたカラーフィルタ層42は、アレイ基板2の各画素8に対応して設けられており、これら各画素8内に位置する薄膜トランジスタ13を覆うように配置されている。
また、額縁部43は、例えばインクジェットあるいはディスペンサによる液状の遮光性材料の塗布にて形成された遮光性膜にてカラーフィルタ層42の周囲に形成されている。
ここで、遮光性材料としては、カーボンあるいはチタンなどの遮光性の高い顔料が用いられた、いわゆる樹脂ブラックなどである。よって、額縁部43は、カラーフィルタ層42の周縁部にて硬化する以前の液状の遮光性材料による漏れを防止するため、カラーフィルタ層42の層厚より小さな厚さ寸法を有している。
さらに、カラーフィルタ層42上には、共通電極(コモン電極)としての対向電極48が積層されている。この対向電極48は、透明電極として、例えばITO膜にて構成されている。また、この対向電極48は、対向基板3の表面とアレイ基板2の表面とを対向させた際に、このアレイ基板2のガラス基板6の画面部7全体に亘って対向する四角形状の大きな電極である。言い換えると、この対向電極48は、アレイ基板2に対向基板3を対向させた際に、このアレイ基板2の画素電極11と相対するように配置されている。さらに、この対向電極48を含んだガラス基板41上の全面には、図示しない配向膜が積層されて形成されている。
そして、対向基板3は、アレイ基板2に設けられている各スペーサ31を対向基板3の対向電極48に当接させて、これらアレイ基板2と対向基板3との間に所定の間隔である液晶封止領域がスペーサ31にて保持されて形成されるように、平行に離間された状態で取り付けられている。
また、液晶層4は、液晶材料として、所定の液晶組成物51が基板2,3の各配向膜間に滴下されることで形成されている。さらに、この液晶層4は、アレイ基板2の画素電極11と対向基板3の対向電極48との間に液晶容量を形成させる。
そして、UVシール5は、液晶層4を基板2,3間に封止させるもので、アレイ基板2の段差が最も低い位置、例えばアレイ基板2の画面部7の外方の配向膜と対向基板3の額縁部43との間に設けられている。すなわち、このUVシール5は、アレイ基板2のガラス基板6の画面部7より外側の部分に設けられている。
また、このUVシール5の周囲には、アレイ基板2から対向電極48に電圧を印加する電極転移材である図示しないトランスファが形成されている。このトランスファは、アレイ基板2と対向基板3との間の画面周辺部に形成された電極転移電極である図示しないトランスファ・パッド上に形成されている。
さらに、ガラス基板41の他主面であるアレイ基板2と反対側の主面には、略四角形平板状の偏光板52が取り付けられている。
また、アレイ基板2のガラス基板6の表面には、図2に示すように、電極配線としてのゲート電極配線である複数の走査線54が、このガラス基板6の幅方向に沿って配設されている。これら走査線54は、ガラス基板6の横方向に向けて等間隔に平行に離間され、各薄膜トランジスタ13のゲート電極24に電気的に接続されている。また、電極配線としての画像信号配線である複数の信号線55が、ガラス基板6の縦方向に沿って配設されている。これら信号線55は、ガラス基板6の横方向に向けて等間隔に平行に離間され、各薄膜トランジスタ13のソース電極21に電気的に接続されている。
したがって、これら走査線54および信号線55は、ガラス基板6上に交差して格子状であるマトリクス状に配線されている。そして、これら走査線54および信号線55の各交点に対応して、画素電極11、補助容量12および薄膜トランジスタ13のそれぞれが画素8毎に設けられている。
一方、このガラス基板6の周縁には、信号線駆動回路としての細長四角形平板状のYドライバ回路56が配設されている。このYドライバ回路56は、ガラス基板6の横方向に沿った一側縁に設けられている。さらに、このYドライバ回路56は、ガラス基板6の縦方向に沿って設けられており、このガラス基板6上の各走査線54それぞれの一端部が電気的に接続されている。また、このガラス基板6の縦方向に沿った一端には、信号線駆動回路としての細長四角形平板状のXドライバ回路57が配設されている。このXドライバ回路57は、ガラス基板6の横方向に沿って設けられており、このガラス基板6上の各信号線55それぞれの一端部が電気的に接続されている。なお、これらYドライバ回路56およびXドライバ回路57は、Yドライバ回路56から各走査線54に供給される走査信号によって、薄膜トランジスタ13をオンオフさせるタイミングに同期して、Xドライバ回路57から各信号線55に画素信号を供給させることによって、アレイ基板2の画面部7に所定の画像を表示させる。
そして、アレイ基板2のガラス基板6のアンダーコート層上には、図3に示すように、画面部7の各角部である四隅に、障壁部61が対向基板3側へとそれぞれ壁状に突設されている。これら障壁部61は、液晶層4内にてUVシール5の各角部の画面部7側に位置し、図3に示す左右方向に沿って形成された第1障壁62と、図3に示す上下方向に沿って形成された第2障壁63とが互いに一端部で直交するように連結されて画面部7の角部に対応して略L字状となるように形成されている。このため、各障壁部61は、液晶パネル1において、左右方向および上下方向に略対称となるように配設され、UVシール5の各角部と画面部7の各角部との間に位置し、UVシール5が各角部近傍で液晶層4の画面部7へと溶出することを防止可能となっている。
また、各障壁部61は、例えばスペーサ31と同じ材質でこれらスペーサ31と同時に形成され、先端部である対向基板3側の端部が、この対向基板3側から離間されている。
ここで、各障壁部61のガラス基板6からの突出寸法Lは、例えばスペーサ31の高さにより規定される液晶層4の画面部7の層厚Tより大きいと、各障壁部61が剛直なスペーサの役割を果たし、液晶層4の外周縁側の層厚が画面部7での層厚よりも大きくなることで、図4に示すように、いわゆるセルギャップむらを生じてしまう。一方で、各障壁部61のガラス基板6からの突出寸法Lが小さすぎると、図5に示すように、UVシール5の液晶層4の画面部7への溶出防止効果が充分でない。このため、各障壁部61のガラス基板6からの突出寸法Lは、例えば50%以上95%以下に設定されている。すなわち、0.5≦L/T≦0.95となっている。
さらに、スペーサ31、各障壁部61および画素電極11上の全面には、配向膜材料として、例えば80nmほどの膜厚の図示しない配向膜が積層されて形成されている。
次に、上記第1の実施の形態の液晶表示素子の製造方法を説明する。
まず、成膜工程とパターニング工程とを繰り返してガラス基板6上の画面部7に画素電極11、補助容量12、薄膜トランジスタ13、走査線54および信号線55のそれぞれを形成する。
次いで、このガラス基板6上に、感光性アクリル性透明樹脂(JSR株式会社製NN600)をスピンナ塗布して90℃で10分乾燥した後、フォトマスクを介して365nmの波長で、80mJ/cm2の露光量で露光し、pH11.5のアルカリ水溶液にて現像し、200℃、60分の焼成により、高さ5200nm(5.2μm)のスペーサ31を形成する。
このとき、UVシール5内側に該当する領域にスペーサ31と同一材料を用いて障壁部61を、例えば4800nm(4.8μm)に形成する。すなわち、障壁部61の突出寸法Lを、液晶層4の層厚Tと等しいスペーサ31の高さに対して、4800/5200≒92.3%とする。
さらに、対向基板3上に額縁部43とカラーフィルタ層42の各フィルタ部44,45,46をそれぞれ形成した後、対向電極48として50nmのITO膜をスパッタリング法により成膜する。
次いで、基板2,3のそれぞれに、配向膜材料としてAL−3046(JSR株式会社製)を、全面に80nm塗布して配向膜を形成する。
この後、対向基板3の配向膜の周辺に沿ってUVシール5となる紫外線硬化型接着剤を印刷するとともに、トランスファをトランスファ・パッド上に形成する。
さらに、アレイ基板2の配向膜と対向基板3の配向膜とを対向させて、このアレイ基板2上のスペーサ31それぞれを対向基板3上に当接させ、所定の液晶組成物51を適量滴下させ、真空中で基板2,3を貼り合わせ、外部から紫外光を3000mJ/cm2照射してUVシール5を硬化させた後、130℃で1時間、UVシール5を本硬化させ、各偏光板36,52を基板2,3に取り付けて、カラー表示可能な液晶パネル1を作製する。
この結果、この液晶パネル1を点灯評価したところ、優れた表示品位の液晶表示装置を得ることができた。
すなわち、液晶パネル1での表示速度の高速化を目的として、ネマティック液晶を用いたOCBモード、VANモード、HANモード、および、π配列モードや、スメクティック液晶を用いた界面安定型強誘電性液晶(Surface Stabilized Ferroelectric Liquid Crystal)モードおよび反強誘電性液晶モードを採用する場合には、高いコントラストを得るため、あるいは、低消費電力駆動を実現するなどのために高い極性を有する液晶組成物51を用いることがあり、このような液晶組成物51は、不純物成分などを溶け込ませる性質が強く、UVシール5からの不純物、あるいは構成成分そのものが液晶層4内に溶出しやすくなる。
特に、液晶滴下工法で液晶パネル1を製造する際には、UVシール5となる紫外線硬化樹脂が未硬化の状態で液晶組成物51と接触するため、UVシール5の構成成分が液晶組成物51中に多量に溶出するおそれがある。
そこで、上記第1の実施の形態では、液晶層4の周囲に隣接して四角形状に配設されたUVシール5の四隅の画面部7側に、壁状の障壁部61をそれぞれ配設する構成とすることで、UVシール5の液晶層4の各角部からの画面部7側への溶出を防止でき、この防止により、液晶層4の電圧保持率の低下、配向不良などを防止でき、表示品位を向上できる。
また、各障壁部61を、UVシール5と画面部7との角部に対応させて設けることで、UVシール5の2辺からの溶出の交差領域となって高濃度となるUVシール5の溶出物を画面部7に対して確実にブロックできるとともに、UVシール5および画面部7の全周に障壁部を形成する場合と比較して、滴下された液晶組成物51が全体に広がる時間、特にUVシール5と画面部7との角部にまで広がる時間と他の部分に広がる時間とにむらが生じにくく、特定の位置にて液晶層4の層厚が厚くなってしまうことを抑制できるので、液晶層4が必要以上に障壁部61を乗り越えてUVシール5と接触することを防止でき、UVシール5の液晶層4への溶出を、より確実に防止できる。
さらに、障壁部61の先端部を対向基板3に対して離間、具体的には、障壁部61の突出寸法Lを、液晶層4の層厚の50%以上95%以下とすることで、UVシール5の液晶層4の画面部7への溶出を確実に防止しつつ、基板2,3に撓みなどがある場合でも、障壁部61がスペーサ31のように液晶層4の層厚を制御することがないので、セルギャップむらが生じて画面部7に影響を与えることを防止でき、液晶パネル1の表示品位を、より向上できる。
そして、障壁部61は、スペーサ31と同一材料で形成されているため、スペーサ31と同時に障壁部61を形成でき、この障壁部61を形成するための別個の工程が必要ないから、製造性を向上できる。
なお、上記第1の実施の形態では、アレイ基板2上にカラーフィルタ層42を形成したが、図6に示す第2の実施の形態のように、各障壁62,63の非連結端部、すなわちUVシール5および画面部7の角部から遠い側の端部に、延出部65を平面視で画面部7側へと拡開状に延設する構成とすることも可能である。この場合には、液晶パネル1の製造の際に滴下された液晶組成物51が、延出部65側からUVシール5と障壁部61との隙間に容易に流入し、UVシール5の角部と障壁部61の角部との間の領域へと回り込み易くなるので、これら領域に気泡が発生することを確実に防止でき、歩留まりおよび表示品位を、より向上できる。
また、図7に示す第3の実施の形態のように、各障壁62,63のUVシール5および画面部7の角部に近い側の端部を互いに離間して、隙間部66を形成した平面視略ハ字状とする構成も可能である。この場合には、液晶パネル1の製造の際に滴下された液晶組成物51が、隙間部66からUVシール5の角部と画面部7の角部との間の領域へと容易に流入するので、この領域に気泡が発生することを確実に防止でき、歩留まりおよび表示品位を、より向上できる。なお、この実施の形態では、UVシール5の角部からの液晶層4への溶出は障壁部61で防止することが容易でないものの、このUVシール5の角部は、他の部分と比較して、画面部7との距離が最も遠い部分であるから、UVシール5の溶出による画面部7への影響は最小限に抑制される。
さらに、図8に示す第4の実施の形態のように、各障壁62,63を、孔部67を多数有するように断続的すなわち不連続に形成する構成も可能である。この場合には、液晶パネル1の製造の際に滴下された液晶組成物51が、孔部67から障壁部61とUVシール5との隙間に容易に流入するので、この領域に気泡が発生することを確実に防止でき、歩留まりおよび表示品位を、より向上できる。なお、この実施の形態では、複数の障壁部61をUVシール5側から画面部7側へと互いに離間して多重に形成し、孔部67の位置をずらすなどすることで、孔部67からUVシール5側に流入する液晶組成物51の量と、UVシール5の液晶層4の画面部7側への溶出量などとを、適宜調整できる。
そして、障壁部61は、アレイ基板2側に設けたが、対向基板3側に設けてもよく、この場合には、障壁部61の先端部をアレイ基板2に対して離間することで、上記各実施の形態と同様の作用効果を奏することが可能になる。
次に、第5の実施の形態を図9および図10を参照して説明する。なお、上記各実施の形態と同様の構成および作用については、同一符号を付してその説明を省略する。
この第5の実施の形態は、上記第1の実施の形態の液晶パネル1において、障壁部61のアレイ基板2側からの高さすなわち突出寸法を、スペーサ31と等しく形成するとともに、各障壁62,63の互いに連結されていない非連結端部に、それぞれUVシール5内へと延設した連結部68を形成するものである。
したがって、障壁部61は、先端部である対向基板3側が、この対向基板3の額縁部43に当接しているとともに、各連結部68がUVシール5内に内包されていることで、画面部7の四隅とUVシール5の四隅との間に、平面視で略L字状の隔離領域69を区画形成している。
すなわち、この隔離領域69は、液晶層4を構成する液晶組成物51および空気が内部に存在しない略真空状、あるいは、若干の液晶組成物51あるいは空気が流入し真空状態に近似した極めて低圧の閉空間となっている。
そして、この液晶パネル1の製造に際しては、障壁部61の形成時に、この障壁部61の高さを、スペーサ31の高さである5200nm(5.2μm)とし、他の工程は上記第1の実施の形態と同様である。
この結果、この第5の実施の形態は、上記第1の実施の形態と同様に、液晶層4の画面部7の四隅と、UVシール5の四隅との間に、壁状の障壁部61をそれぞれ配設するなど、上記第1の実施の形態と同様の構成を有することで、上記第1の実施の形態と同様の作用効果を奏することが可能である。
また、隔離領域69を形成しているため、UVシール5の角部が液晶層4に対して略完全に離間されているから、UVシール5が液晶層4に溶出することを確実に防止でき、この溶出に伴う表示品位の低下などを確実に防止できる。
なお、上記各実施の形態において、液晶層4の製造の際には、液晶組成物51を滴下する滴下工法を用いたが、UVシール5に代えてシール部材として熱硬化型シールを用い、液晶組成物51を基板2,3間に真空注入する真空注入法でも同様の作用効果を奏することが可能である。
また、各障壁部61の形状は、UVシール5の液晶層4中の画面部7側への溶出を防止できれば、上記に限定されるものではない。
さらに、アレイ基板2および対向基板3の構成の細部は、上記に限定されるものではなく、例えばカラーフィルタ層42をアレイ基板2側に設けるものなどでも、同様の作用効果を奏することが可能である。
1 液晶表示素子としての液晶パネル
2 アレイ基板
3 対向基板
4 液晶層
5 シール部材としてのUVシール
7 表示領域としての画面部
61 障壁部
2 アレイ基板
3 対向基板
4 液晶層
5 シール部材としてのUVシール
7 表示領域としての画面部
61 障壁部
Claims (4)
- アレイ基板と、
このアレイ基板の一主面に対向して配設された対向基板と、
前記アレイ基板と前記対向基板との間に介在され、表示領域を形成する液晶層と、
この液晶層の周囲に隣接して四角形状に配設され、前記アレイ基板と前記対向基板とを接着するシール部材と、
前記アレイ基板と前記対向基板との間に位置し、前記シール部材の角部の前記表示領域側に配設された壁状の障壁部と
を具備したことを特徴とした液晶表示素子。 - 前記障壁部は、前記アレイ基板側と前記対向基板側とのいずれか一方から離間されている
ことを特徴とした請求項1記載の液晶表示素子。 - 前記障壁部は、前記アレイ基板側と前記対向基板側とのそれぞれに接している
ことを特徴とした請求項1または2記載の液晶表示素子。 - 前記障壁部は、前記シール部材の角部と前記表示領域との間の領域を隔離している
ことを特徴とした請求項3記載の液晶表示素子。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006141446A JP2007310283A (ja) | 2006-05-22 | 2006-05-22 | 液晶表示素子 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2006141446A JP2007310283A (ja) | 2006-05-22 | 2006-05-22 | 液晶表示素子 |
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Family Applications (1)
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Country | Link |
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JP (1) | JP2007310283A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009222911A (ja) * | 2008-03-14 | 2009-10-01 | Toshiba Mobile Display Co Ltd | 液晶表示装置 |
JP2011242656A (ja) * | 2010-05-19 | 2011-12-01 | Toshiba Mobile Display Co Ltd | 液晶表示装置及びその製造方法 |
JP2013156663A (ja) * | 2013-05-21 | 2013-08-15 | Japan Display Inc | 液晶表示装置 |
-
2006
- 2006-05-22 JP JP2006141446A patent/JP2007310283A/ja active Pending
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