JP2004245479A - 超臨界冷媒を用いた冷凍サイクルの着霜検出方法およびその方法を利用した除霜方法 - Google Patents

超臨界冷媒を用いた冷凍サイクルの着霜検出方法およびその方法を利用した除霜方法 Download PDF

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Abstract

【課題】吸熱器が着霜するとコンプレッサの吐出冷媒温度が上昇し、かつ、吐出圧力が下がるという特異な現象に着目して、簡単かつ正確に着霜現象を検出するようにした冷凍サイクルの着霜検出方法およびその方法を利用した除霜方法を提供する。
【解決手段】超臨界流体を用いた冷媒をコンプレッサ2で加圧して放熱器3によって室外空気と熱交換した後、膨張弁13によって断熱膨張して吸熱器4で蒸発させるとともに、膨張弁13の絞り弁を放熱器3出口の冷媒温度の上昇に伴って絞り方向に制御する冷凍サイクル1であって、それぞれ同時に検出するコンプレッサ2の吐出冷媒温度の上昇率と、コンプレッサ2の吐出圧力の低下率と、を用いて吸熱器4の着霜状態を推定するようにしたので、吸熱器4に着霜した場合に発生する特有の現象を利用したことにより着霜を簡単かつ正確に検知する。
【選択図】 図4

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、超臨界冷媒を用いて暖・冷房を行う冷凍サイクルの着霜検出方法およびその方法を利用した除霜方法。
【0002】
【従来の技術】
近年の車両用空調装置では、気液臨界温度・圧力以上に保持された超臨界流体である炭酸ガスを冷媒とした冷凍サイクルを用いて暖・冷房を行い、環境への影響を少なくする対策が採られるようになっている。
【0003】
冷凍サイクルは、一般的に超臨界冷媒を加圧するコンプレッサと、加圧した冷媒と外気とを熱交換する放熱器(凝縮器)と、放熱器で冷却した冷媒を断熱膨張させる膨張弁と、断熱膨張した冷媒を蒸発させる吸熱器(蒸発器)とを備え、特に炭酸ガスを冷媒とした場合に放熱器下流側の高圧冷媒と吸熱器下流側の低圧冷媒との間で熱交換する内部熱交換器を設けて構成される。
【0004】
ところで、このような冷凍サイクルでは、吸熱器は膨張弁で断熱膨張した低温冷媒が導入される関係上、吸熱器と熱交換する外気温度や外気湿度等によって吸熱器に着霜する場合があり、この着霜によって吸熱機能の低下が来される。
【0005】
従って、吸熱器が着霜した場合には、冷凍サイクルを除霜モードで運転して吸熱器を除霜することにより吸熱機能の回復が図られるが、この場合、吸熱器に着霜した状態を検出する必要がある。
【0006】
着霜状態の検出方法としては、冷凍サイクルの低圧圧力(蒸発圧力)を読み込み、この低圧圧力が予め決定された設定圧力よりも低下しているかどうかで判定するようになっている(例えば、特許文献1参照。)。
【0007】
【特許文献1】
特開平8−197937号公報(第22頁、第44,45図)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、かかる従来の冷凍サイクルの着霜検出方法では、単に冷凍サイクルの低圧圧力のみから着霜を検出するため、着霜の正確な着霜判断に乏しいものとなる。
【0009】
また、着霜現象は外気中に含まれる水分量(湿度)に大きく起因しており、湿度検出を合わせて着霜現象を検出する装置を構築しようとすると、湿度を正確に検出するためのセンサーが高価となるため、この湿度検出方式を採用することは望めない。
【0010】
そこで、本発明はかかる従来の課題に鑑みて、吸熱器が着霜するとコンプレッサの吐出冷媒温度が上昇し、かつ、吐出圧力が下がるという特異な現象に着目して、簡単かつ正確に着霜現象を検出するようにした冷凍サイクルの着霜検出方法およびその方法を利用した除霜方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するために本発明は、冷媒として超臨界流体を用い、この超臨界冷媒を加圧するコンプレッサと、加圧した冷媒と外気とを熱交換する放熱器と、放熱器で冷却した冷媒を断熱膨張させる膨張弁と、断熱膨張した冷媒を蒸発させる吸熱器とを備え、膨張弁の絞り弁を放熱器出口の冷媒温度の上昇に伴って絞り方向に制御する冷凍サイクルであって、それぞれ同時に検出するコンプレッサの吐出冷媒温度の上昇率と、コンプレッサの吐出圧力の低下率と、を用いて吸熱器の着霜状態を推定することを特徴としている。
【0012】
【発明の効果】
かかる構成になる本発明によれば、コンプレッサの吐出冷媒温度の上昇率と、コンプレッサの吐出圧力の低下率と、を同時に検出して吸熱器の着霜状態を推定するが、これら吐出冷媒温度の所定値を越える上昇と吐出圧力の所定値以下への低下は、吸熱器に着霜した場合に放熱器出口の冷媒温度の上昇に伴って膨張弁が絞り方向に制御されることにより発生する特有の現象であり、その特有の現象を利用することにより吸熱器の着霜を簡単かつ正確に検知することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面と共に詳述する。
【0014】
図1〜図5は本発明にかかる超臨界冷媒を用いた冷凍サイクルの着霜検出方法およびその方法を利用した除霜方法を示し、図1は冷凍サイクルの冷房モードでの運転状態を示す模式図、図2は冷凍サイクルの暖房モードでの運転状態を示す模式図、図3は冷凍サイクルの除湿モードでの運転状態を示す模式図、図4は冷凍サイクルの除霜モードでの運転状態を示す模式図、図5は除霜モードを実行するフローチャートを示す説明図である。
【0015】
本実施形態の冷凍サイクルは車両用空調装置に適用した場合を示し、かつ、冷媒として超臨界流体の炭酸ガス(CO)を用いてあり、図1〜図4に示すように冷凍サイクル1は、冷媒を加圧するコンプレッサ2と、加圧した冷媒と外気とを熱交換する副放熱器として機能するサブガスクーラ3および放熱器としての外部熱交換器4と、これらサブガスクーラ3および外部熱交換器4で冷却した冷媒を断熱膨張させる第1膨張弁5と、断熱膨張した冷媒を蒸発させる吸熱器としてのエバポレータ6と、外部熱交換器4下流側の高圧冷媒とエバポレータ6下流側の低圧冷媒との間で熱交換する内部熱交換器7と、を備えている。
【0016】
前記サブガスクーラ3は、空調ダクト8内に収納してコンプレッサ2の加圧冷媒を通路P1を介して導入し、この加圧冷媒の発生熱を暖房熱源として空調ダクト8内の空調風と熱交換するとともに、切換ドア9によって空調風がサブガスクーラ3を通過する加温通路8aと、サブガスクーラ3を迂回するバイパス通路8bとを切換えるようになっている。
【0017】
前記外部熱交換器4は、前記サブガスクーラ3を通過した冷媒を通路P2を介して導入するとともに、図外のエンジンルーム前方に配置して図外のラジエータファンによる外気風と熱交換するようになっている。
【0018】
前記第1膨張弁5は、外部熱交換器4を通過した冷媒を通路P3を介して導入するとともに、図外の絞り弁による可変絞り機能を備えて絞り量の制御が可能となっており、外部熱交換器4の出口温度の上昇に伴って絞り弁を絞る方向に制御するようになっているが、この出口温度が通常の制御範囲を超えて上昇した場合(後述の着霜状態)には、強制的に絞り弁を開ける方向に制御するようになっている。
【0019】
前記エバポレータ6は、前記第1膨張弁5の下流側の低圧通路P4に設けられ、第1膨張弁5で断熱膨張した冷媒を導入するとともに、空調ダクト8内の前記サブガスクーラ3の上流側に収納し、この空調ダクト8とこれを通過する空調風との間で熱交換することにより冷房熱源となっている。
【0020】
前記内部熱交換器7は、外部熱交換器4下流側の高温状態にある高圧冷媒と、エバポレータ6を通過した冷温化した低圧冷媒とで熱交換することにより、第1膨張弁5に流入する冷媒を低温化するとともに、コンプレッサ2に吸入される冷媒を温めることができる。
【0021】
前記低圧通路P4には、エバポレータ6と内部熱交換器7との間にアキュムレータ10を設け、このアキュムレータ10によってエバポレータ6を通過した冷媒を気液分離し、気相冷媒のみを内部熱交換7に通過させてコンプレッサ2に吸入させるようになっている。
【0022】
前記サブガスクーラ3と外部熱交換器4とを繋ぐ通路P2には三方弁11を設け、この三方弁11の切換えにより、外部熱交換器4を通路P2に連通する経路(第1切換位置)と、外部熱交換器4をエバポレータ6の下流側でアキュムレータ10の上流側に連通するリターン通路P5に連通する経路(第2切換位置)と、に切換えるようになっている。
【0023】
また、前記通路P2の三方弁11よりも上流側と前記通路P3とを、電磁弁12を設けた第1バイパス通路P6を介して連通するとともに、内部熱交換器7よりも下流側で第1膨張弁5よりも上流側と外部熱交換器4の出口側とを、第2膨張弁13を設けた第2バイパス通路P7を介して連通してある。
【0024】
前記通路P3には、外部熱交換器4と第1バイパス通路P6の連通部との間に、外部熱交換器4から内部熱交換器7方向への冷媒通過を許容する第1逆止弁14を設けるとともに、前記第2バイパス通路P7の第2膨張弁13よりも下流側に、大分熱交換器4方向への冷媒通過を許容する第2逆止弁15を設け、かつ、リターン通路P5には外部熱交換器4からコンプレッサ2への戻り方向の冷媒通過を許容する第3逆止弁16を設けてある。
【0025】
そして、このように構成した冷凍サイクル1は、図1〜図3に示すように冷房モード、暖房モード、除湿モードで運転するようになっており、更には、エバポレータ6に着霜した場合には、図4に示すように除霜モードで運転するようになっている。尚、図1〜図4の模式図では、冷媒が流通する経路を実線で示し、冷媒が供給されない経路を破線で示してある。
【0026】
<冷房モード>
冷凍サイクル1の冷房モードでの運転は、図1に示すように三方弁11を第1切換位置に切換えるとともに、電磁弁12を遮断状態に設定した状態で、コンプレッサ2の加圧冷媒を、サブガスクーラ3→(三方弁11)→外部熱交換器4→内部熱交換器7→第1膨張弁5→エバポレータ6→アキュムレータ10→内部熱交換器7の順に通過させた後、コンプレッサ2に吸引にさせるという循環経路を構成する。
【0027】
そして、空調ダクト8内では、サブガスクーラ3の空調風の流入側を切換ドア9によって遮断し、エバポレータ6を通過した冷房風のみがバイパス通路8aを通過して図外の車室内に吹き出すようになっている。
【0028】
<暖房モード>
冷凍サイクル1の暖房モードでの運転は、図2に示すように第1膨張弁5を遮断するとともに、三方弁11を第2切換位置に切換え、かつ、電磁弁12を連通状態に設定した状態で、コンプレッサ2の加圧冷媒を、サブガスクーラ3→(電磁弁12)→内部熱交換器7→第2膨張弁13→外部熱交換器4→(三方弁11)→アキュムレータ10→内部熱交換器7の順に通過させた後、コンプレッサ2に吸引させるという循環経路を構成する。
【0029】
そして、空調ダクト8内では、切換ドア9によってバイパス通路8bを開度調節し、空調風がサブガスクーラ3の加温通路8aと絞られたバイパス通路8bとを通過して、温度調節した暖房風として図外の車室内に吹き出すようになっている。この場合、エバポレータ6は機能していない。
【0030】
<除湿モード>
冷凍サイクル1の除湿モードでの運転は、図3に示すように第1膨張弁5を開通するとともに、電磁弁12を連通状態に設定した状態で、コンプレッサ2の加圧冷媒を、サブガスクーラ3→(電磁弁12)→内部熱交換器7→第1膨張弁5→エバポレータ6→アキュムレータ10→内部熱交換器7の順に通過させた後、コンプレッサ2に吸引させるという循環経路を構成する。
【0031】
そして、空調ダクト8内では、切換ドア9によってバイパス通路8bを開度調節し、エバポレータ6を通過した冷房風がサブガスクーラ3の加温通路8aを通過して冷暖混合風(温度調和風)とし、この冷暖混合風が図外の車室内に吹き出すようになっている。
【0032】
<除霜モード>
冷凍サイクル1の除霜モードでの運転は、外部熱交換器4に着霜した場合に、この着霜状態を検出して除霜する際に実行され、図4に示すように三方弁11を第1切換位置に切換えるとともに、電磁弁12を遮断状態に設定した状態で、コンプレッサ2の加圧冷媒を、サブガスクーラ3→(三方弁11)→外部熱交換器4→内部熱交換器7→第1膨張弁5→エバポレータ6→アキュムレータ10→内部熱交換器7の順に通過させた後、コンプレッサ2に吸引にさせるという循環経路を構成する。
【0033】
つまり、この除霜モードでの冷媒循環経路は冷房モードと同じであり、空調ダクト8内の切換ドア9の切換位置が異なっており、この切換ドア9は除湿モードと同様にバイパス通路8bを遮断し、エバポレータ6を通過した冷房風がサブガスクーラ3の加温通路8aを通過して冷暖混合風(温度調和風)とし、この温度調和風が図外の車室内に吹き出すようになっている。勿論、この場合にあっても切換ドア9でバイパス通路8bの開度調節することができる。
【0034】
従って、本実施形態では除霜モードを自動運転するためには外部熱交換器4の着霜を自動検出する必要があり、この着霜検出方法としては、それぞれ同時に検出したコンプレッサ2の吐出冷媒温度(Td)の上昇率と、コンプレッサ2の吐出圧力(Pd)の低下率と、を用いて着霜状態を推定するようになっており、これら吐出冷媒温度(Td)の上昇率と吐出圧力(Pd)の低下率とが所定値を越えた場合に除湿モードでの運転を実行するようになっている。
【0035】
即ち、本実施形態の冷凍サイクル1を実際に運転するにあたって、外部熱交換器4に着霜すると、以下の▲1▼〜▲6▼に述べる現象を経て除霜することになる。
【0036】
▲1▼外部熱交換器4を通過する低圧冷媒の吸熱量が減少するため、冷凍サイクル1内の冷媒循環流量が低下する。
【0037】
▲2▼これにより内部熱交換器7による低圧側の吸熱性能が低下するため、コンプレッサ2に吸引される冷媒加熱度が上昇し、これに伴ってコンプレッサ2の吐出冷媒温度(Td)が上昇する。
【0038】
▲3▼これにより、サブガスクーラ3の出口冷媒温度が上昇するため、第2膨張弁13の絞り弁を圧力が上昇する方向、つまり、絞り方向に制御することになる。
【0039】
▲4▼この第2膨張弁13の絞り量が大きくなることにより冷媒循環量が更に減少し、これに伴ってコンプレッサ2の冷媒吐出量が減少するため吐出圧力(Pd)が低下する。
【0040】
▲5▼従って、冷凍サイクル1では前記▲1▼〜▲4▼の動作が繰り返されることになり、コンプレッサ2の吐出冷媒温度(Td)は上昇を続ける一方、コンプレッサ2の吐出圧力(Pd)は低下を続けることになる。
【0041】
▲6▼そして、コンプレッサ2の吐出冷媒温度(Td)が予め設定した所定値、つまり、着霜時に現れる所定値を越え、かつ、これに伴ってコンプレッサ2の吐出圧力(Pd)が所定値以下となった場合に、サブガスクーラ3の出口温度の上昇に関わらず暖房モードから除霜モードへ切り換える。
【0042】
かかる冷凍サイクル1による除霜制御の一例を図5のフローチャートに従って説明すると、先ず、ステップS1によって空調装置(A/CON)をONして、ステップS2によって図外のコントロールパネルでモード選択(例えば、乗員による任意設定値、外気温度、室内温度、日射等の読み込み)し、冷房時はステップS3によって冷房制御(冷房モード)するとともに、暖房時はステップS4によって、DEF・SW(除湿スイッチ)、ワイパーSW、外気温等を読み込んで除湿運転(除湿モード)を行うかどうかを判断し、YESの場合はステップS5によって除湿モードでの運転を実行する。
【0043】
ステップS4でNOと判断した場合は、ステップS6によって乗員設定値、外気温度、室内温度、日射等を読み込んで暖房モードでの運転を実行し、この暖房モードでの運転状態でステップS7は、コンプレッサ2の吐出圧力Pdおよび吐出冷媒温度Tdを読み込んで保護作動を実行するかどうかを判断し、NOの場合はステップS6にリターンするとともに、YESの場合はステップS8によって図外の空調ファンの作動状態が正常かどうかを判断する。
【0044】
空調ファンが異常作動していると判断した場合はステップS9によって保護制御に移行するとともに、空調ファンが正常である場合はステップS10によって、前記コンプレッサ2の吐出圧力Pdと吐出冷媒温度Tdとの関係を判断し、予め設定した正常な演算範囲内である場合はステップS9に進んで保護制御に移行するとともに、吐出圧力Pdが所定値以下および吐出冷媒温度Tdが所定値を越えた演算範囲外である場合はステップS11に進んで、ステップS6で読み込んだ外気温度が設定値以内にあるかどうを判断する。
【0045】
そして、外気温度が設定値以上である場合は、吐出圧力Pdと吐出冷媒温度Tdが異常である場合にも、これが外気温の異常性に起因することであるとしてステップS9によって保護制御に移行するとともに、外気温度が設定値以下である場合は、吐出圧力Pdと吐出冷媒温度Tdが真に異常であるとしてステップS12に進み、冷凍サイクル1を除霜モードに切り換えてステップS13によって除霜モードでの運転を実行する。
【0046】
このとき、ステップS13による除霜モード運転は、タイマーによって除霜に必要な時間を予め設定しておき、この設定時間だけ除霜モードが実行されることになり、この設定時間が経過することによりステップS4にリターンされる。
【0047】
以上の構成により本実施形態の冷凍サイクル1の着霜検出方法にあっては、コンプレッサ2の吐出冷媒温度Tdの上昇率と、コンプレッサ2の吐出圧力Pdの低下率と、を同時に検出して外部熱交換器4の着霜状態を推定するようになっており、これら吐出冷媒温度Tdの所定値を越える上昇と吐出圧力Pdの所定値以下への低下は、外部熱交換器4に着霜した場合にサブガスクーラ3出口の冷媒温度の上昇に伴って第2膨張弁13が絞り方向に制御されることにより発生する特有の現象であり、その特有の現象を利用することにより、外部熱交換器4の着霜を簡単かつ正確に検知することができる。
【0048】
また、本実施形態の着霜検出方法を実行するにあたって、コンプレッサ2の出口に温度センサーや圧力センサーを設置することになるが、これら温度センサーや圧力センサーは比較的安価であるため、新たに設置する場合若しくは特に既存センサーを利用する場合には装置のコストアップを抑えることができる。
【0049】
更に、本実施形態の冷凍サイクル1の除霜方法では、前記着霜検出方法を利用してコンプレッサ2の吐出冷媒温度Tdおよび吐出圧力Pdを同時に検出し、この吐出冷媒温度Tdが着霜時に現れる所定値を越え、かつ、この吐出冷媒温度Tdの上昇に伴って吐出圧力Pdが所定値以下になった場合に、暖房モードから除霜モードに切り替わる。
【0050】
ところで、本発明の超臨界冷媒を用いた冷凍サイクルの着霜検出方法およびその方法を利用した除霜方法を、前記実施形態に例をとって説明したが、この実施形態に限ることなく本発明の要旨を逸脱しない範囲で各種他の実施形態を採ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態における冷凍サイクルの冷房モードでの運転状態を示す模式図。
【図2】本発明の一実施形態における冷凍サイクルの暖房モードでの運転状態を示す模式図。
【図3】本発明の一実施形態における冷凍サイクルの除湿モードでの運転状態を示す模式図。
【図4】本発明の一実施形態における冷凍サイクルの除霜モードでの運転状態を示す模式図。
【図5】本発明の一実施形態における除霜モードを実行するフローチャートを示す説明図。
【符号の説明】
1 冷凍サイクル
2 コンプレッサ
3 サブガスクーラ
4 外部熱交換器(放熱器)
5 第1膨張弁(膨張弁)
6 エバポレータ(吸熱器)
7 内部熱交換器

Claims (2)

  1. 冷媒として超臨界流体を用い、この超臨界冷媒を加圧するコンプレッサ(2)と、加圧した冷媒と外気とを熱交換する放熱器(4)と、放熱器(4)で冷却した冷媒を断熱膨張させる膨張弁(5)と、断熱膨張した冷媒を蒸発させる吸熱器(6)とを備え、膨張弁(5)の絞り弁を放熱器(4)出口の冷媒温度の上昇に伴って絞り方向に制御する冷凍サイクル(1)であって、
    それぞれ同時に検出するコンプレッサ(2)の吐出冷媒温度の上昇率と、コンプレッサ(2)の吐出圧力の低下率と、を用いて吸熱器(6)の着霜状態を推定することを特徴とする超臨界冷媒を用いた冷凍サイクルの着霜検出方法。
  2. 冷媒として超臨界流体を用い、この超臨界冷媒を加圧するコンプレッサ(2)と、加圧した冷媒と外気とを熱交換する放熱器(4)と、放熱器(4)で冷却した冷媒を断熱膨張させる膨張弁(5)と、断熱膨張した冷媒を蒸発させる吸熱器(6)とを備え、膨張弁(5)の絞り弁を放熱器(4)出口の冷媒温度の上昇に伴って絞り方向に制御する冷凍サイクル(1)であって、
    コンプレッサ(2)の吐出冷媒温度および吐出圧力を同時に検出し、この吐出冷媒温度が着霜時に現れる所定値を越え、かつ、この吐出冷媒温度の上昇に伴って吐出圧力が所定値以下になった場合に、前記膨張弁(5)の絞り弁を開ける方向に制御することを特徴とする超臨界冷媒を用いた冷凍サイクルの除霜方法。
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