JP2004245000A - 枠組足場の先行手摺 - Google Patents
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Abstract
【課題】枠組足場の最上段に設ける先行手摺に関し、不要に手摺を高く手で持ち上げる必要が無く、上段に取り付ける作業を一人の作業者で可能とした、枠組足場の先行手摺を提供する。
【解決手段】手摺枠11の左右下端部に一対のクランプ15a,15bを設け、一対のクランプ15a,15bで枠組足場の建枠の建地パイプ2aに取り付ける先行手摺10において、手摺枠11の左右の一方のみにクランプ15a,15bの上方に位置する掛止金物16を設け、掛止金物16を枠組足場の建枠頂部の横桟パイプに掛止し、掛止金物16の無い側のクランプ15aから建地パイプ2aに取り付ける。
【選択図】図1
【解決手段】手摺枠11の左右下端部に一対のクランプ15a,15bを設け、一対のクランプ15a,15bで枠組足場の建枠の建地パイプ2aに取り付ける先行手摺10において、手摺枠11の左右の一方のみにクランプ15a,15bの上方に位置する掛止金物16を設け、掛止金物16を枠組足場の建枠頂部の横桟パイプに掛止し、掛止金物16の無い側のクランプ15aから建地パイプ2aに取り付ける。
【選択図】図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、建設現場などで使用される枠組足場を組立・分解するときに、作業者の転落事故防止のため、枠組足場の最上段に設ける先行手摺に関する。
【0002】
【従来の技術】
【特許文献1】実公平7−35997号公報
【0003】
建設現場などで使用される枠組足場は、門形をした2本の建枠をブレースで連結し、建枠頂部の横桟パイプの間に布板を載置したものをユニットとし、このユニットを建設現場の幅と高さに応じて左右・上下に連結して枠組足場を構成する。
【0004】
したがって、最上段以外の布板に立って作業するときは建枠を連結しているブレースが安全柵の役目を果たすが、最上段の布板に立って作業するときの転落事故防止のため、先行手摺を設けている。
【0005】
このような手摺として、実公平7−35997号公報には、手摺り枠の縦杆下部に突起を設け、建枠の脚柱(建地パイプ)間に架け渡される水平杆(横桟パイプ)に着脱自在に係止可能な掛止部を有する左右一対の係止金具を突起に着脱自在に設け、突起の下方の縦杆に建枠の脚柱(建地パイプ)を把持する左右一対のつかみ金具を設け、つかみ金具は、手摺り枠の長手方向外方へ突出するように設けたものが示されている。
【0006】
この手摺は、上段となる建枠やブレースから成る枠組足場ユニットを構成した後、手摺り枠の係止金具を建枠頂部の水平杆に掛止し、手摺り枠のつかみ金具を建枠の脚柱に固定して構成する。次に布板を建枠頂部の間に掛け渡した後、更に上段となる建枠やブレースから成る枠組足場ユニットを構成する。
【0007】
この手摺では、一旦取り付けた手摺は分解時までそのまま取り付けておき、次々と新たな手摺を上段に取り付ける。そのため、全ての作業を行う場合において常にブレースと共に手摺が設置されているものである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上記の従来技術においては、一旦取り付けた手摺は分解時までそのまま取り付けておく方式のため、全ての枠組足場ユニットに手摺が取り付けられ安全ではあるが、それだけの数の手摺を用意することはコストが莫大にかかる。
【0009】
そのため、ブレースの設置されていない最上段にのみにこの手摺を取り付けることも考えられるが、上段に取り付けるために現在の段から取り外そうとしても、手摺枠の両下端は下段の建枠の縦材に把持されているため、一旦下段に降りてつかみ金具の把持を解いてからでないと上段に取り付けることができない。
【0010】
つまり、手摺の取り付けられている段と下段の二名で取り外しの作業を行う必要があり、しかも取り外した手摺は手摺り枠の係止金具が建枠頂部の水平杆に載っているだけの不安定な状態となり、直ちに上段に取り付ける必要がある。
【0011】
手摺を上段に取り付けるには、現在の位置から上段に対応する位置までほぼ水平に手摺を手で持ち上げ、左右一対の係止金具を同時に建枠の縦材の頂部を越して水平杆の上に載せる必要がある。更に、水平杆に載っているだけの不安定な状態なため、直ちにつかみ金具を建枠の脚柱に固定する必要がある。
【0012】
上記の従来技術でも、手摺り枠の両縦杆下部の間に水平材が渡され、この水平材を手で持って持ち上げることは可能である。しかし、下側に位置する細い丸管で構成される水平材を両手で握っても、回って手摺り枠が倒れようとする不安定な状態となり、両縦杆部を持たないと安定して持ち上げることができない。
【0013】
しかし、建枠の間隔は通常150から180cmと広く、手摺り枠の両縦杆は建枠の縦材に保持させるものでその間隔も広く、一人の作業者が手摺り枠の両縦杆部を手で持って押し上げるのは困難である。この上段へ取り付ける作業にも二名の作業者が必要であれば、合計三名の作業者が必要となり、人手を多く必要とする。
【0014】
そこで本発明では、枠組足場の最上段にのみに手摺を取り付けることができるよう、不要に手摺を高く手で持ち上げる必要が無く、上段に取り付ける作業を一人の作業者で可能とした、枠組足場の先行手摺を提供する事を目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明の枠組足場の先行手摺は、左右一対の垂直材12と、垂直材12の上端をつなぐ水平材13とで手摺枠11を構成し、手摺枠11の左右下端部に一対のクランプ15a,15bを設け、一対のクランプ15a,15bで枠組足場1の建枠2の建地パイプ2aに取り付ける先行手摺10において、手摺枠11の左右の一方のみにクランプ15a,15bの上方に位置する掛止金物16を設け、掛止金物16を枠組足場1の建枠2頂部の横桟パイプ2bに掛止し、掛止金物16の無い側のクランプ15aから建地パイプ2aに取り付けるものである。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明では、手摺枠11の左右の一方のみにクランプ15a,15bの上方に位置する掛止金物16を設け、掛止金物16を枠組足場1の建枠2頂部の横桟パイプ2bに掛止するから、先行手摺10を掛止金物16の側を上方として斜めにして掛止金物16を横桟パイプ2bに掛止でき、不要に先行手摺10を高く手で持ち上げる必要が無い。
【0017】
また、掛止金物16の無い側のクランプ15aから建地パイプ2aに取り付けるから、一人の作業者がクランプ15aを手で持ち上げ固定できる。
【0018】
【実施例】
以下、本発明の一実施例を図面を参照して説明する。
【0019】
図1に示すのは枠組足場1に取り付けた先行手摺10であり、枠組足場1は複数の門形をした建枠2が平行に立設され、その建枠2をブレース4で連結し、その建枠2の頂部の間に布板3を載置して作業者の足場としたものである。
【0020】
建枠2には、垂直方向に平行な一対の建地パイプ2aと、建地パイプ2aの頂部の間をつなぐ水平方向の横桟パイプ2bを設ける。建枠2の間隔は、実施例では180cmとした。
【0021】
先行手摺10には、その主要な枠体としての手摺枠11として、左右一対の垂直材12と、垂直材12の上端をつなぐ水平材13と、垂直材12をつなぐ下部支持枠14を設ける。
【0022】
左右一対の垂直材12と水平材13は角管を曲げて一体に構成される。下部支持枠14は、左右の垂直材12をつなぐ水平方向の角管で、水平材13の下方に位置しほぼ布板3の高さと同一で、下部支持枠14の両端は垂直材12に溶着される。
【0023】
また、下部支持枠14と水平材13の中間に位置し、垂直材12の間を水平につなぐ中間水平材17と、下部支持枠14と中間水平材17の中間部を垂直につなぐ垂直中桟18を設ける。
【0024】
手摺枠11の垂直材12の左右下端部に一対のクランプ15a,15bを設ける。クランプ15a,15bは垂直材12から左右外方向に突出し、その水平方向の位置は同一とし、その垂直方向の高さは右側のクランプ15bより左側のクランプ15aの方がその高さ分以上に上方に位置する。
【0025】
このクランプ15a,15bは、先行手摺10を枠組足場1に取り付ける際、建枠2の建地パイプ2aに取り付け固定する。クランプ15a,15bは布板3側に開口するよう取り付けられ、ネジを締め付けることにより建地パイプ2aにしっかりと固定されるものである。なお、高さが低い側の右側のクランプ15bでも、ブレース4の上方となるようにした方が作業性が良い。
【0026】
手摺枠11の左右に位置する垂直材12で、一方のみの垂直材12にクランプ15a,15bの上方に位置する掛止金物16を設ける。実施例では右側の垂直材12のみに掛止金物16を設け、掛止金物16は右側のクランプ15bの上方に位置する。
【0027】
掛止金具16は垂直材12から右方向に突出した板であり、その垂直方向の高さは下部支持枠14の高さとほぼ同一とし、その水平方向の位置は垂直材12の布板3側に位置する。
【0028】
この掛止金具16は、先行手摺10を枠組足場1に取り付ける際、建枠2の頂部の横桟パイプ2bに掛止される。
【0029】
次に枠組足場1の組立、および先行手摺10の取り付け、移動方法について説明する。
【0030】
枠組足場1の組立において、1段目は必要とする幅に相当する数の建枠2を順次立設し、ブレース4で建枠2を連結する。
【0031】
図6および図7に示すように、2段目用の先行手摺10の取り付け作業は、先行手摺10を掛止金物16の側を上方として斜めにして持ち上げ、掛止金物16を横桟パイプ2bの上に掛止する。この際、一方の手で掛止金物16の無い側の垂直材12を持ち、もう一方の手で下部支持枠14の中間部または垂直中桟18を持つと良い。
【0032】
このとき、手摺枠11の左右の一方のみにクランプ15bの上方に位置する掛止金物16を設け、掛止金物16を枠組足場1の建枠2頂部の横桟パイプ2bに掛止するに際して、先行手摺10を掛止金物16の側を上方として斜めにして掛止金物16を横桟パイプ2bに掛止でき、不要に先行手摺10を高く手で持ち上げる必要が無いから、取り付け作業の作業性が良い。
【0033】
次に、右側のクランプ15bを掛けやすくするために、掛止金物16が建枠2の建地パイプ2aに当たるまで寄せ、掛止金物16の無い左側のクランプ15aを持ち上げ、クランプ15a上面が横桟パイプ2b下面約1cmの位置で建地パイプ2aに両手でしっかりと固定する。
【0034】
このとき、掛止金物16の無い側のクランプ15aから建地パイプ2aに取り付け、一人の作業者がクランプ15aを手で持ち上げ固定できるから、人手を多く必要としない。
【0035】
左側のクランプ15aを固定すると先行手摺10が倒れる畏れがないので、作業者は先行手摺10から手を離して右側のクランプ15bの側に移り、右側のクランプ15bを両手でしっかりと固定する。
【0036】
図8および図9に示すように、順次、隣接する建枠2の横桟パイプ2bに先行手摺10の掛止金具16を掛止し、クランプ15a,15bを建地パイプ2aに固定する。隣り合う先行手摺10では同一の建地パイプ2aにクランプ15a,15bが取り付けられるが、クランプ15a,15bは上下方向に交互に位置するから重なり合うことはなく、先行手摺10は一直線上に取り付ける。
【0037】
次に、図10に示すように、布板3を建枠2の頂部の間に載置し、その後2段目の枠組足場1も同様に組み立てる。
【0038】
なお、ブレース4を建枠2に取り付ける際に、先行手摺10が内側に無いので、簡単に取り付けられる。また、先行手摺10が建枠2の建地パイプ2aに固定されているので、手摺間隔が広く作業性が良い。
【0039】
3段目用の先行手摺10に盛り替える(付け替える)には二名の作業者を必要とし、図11に示すように、2段目の作業者Aが先行手摺10を支え、1段目の作業者Bがクランプ15a,15bを緩めて取り外す。次に、図12に示すように、2段目の作業者Aが直ちに先行手摺10を持ち上げ、固定する。
【0040】
このときも、手摺枠11の左右の一方のみにクランプ15bの上方に位置する掛止金物16を設け、掛止金物16を枠組足場1の建枠2頂部の横桟パイプ2bに掛止するに際して、先行手摺10を掛止金物16の側を上方として斜めにして掛止金物16を横桟パイプ2bに掛止でき、不要に先行手摺10を高く手で持ち上げる必要が無いから、取り付け作業の作業性が良い。
【0041】
また、掛止金物16の無い側のクランプ15aから建地パイプ2aに取り付け、一人の2段目の作業者Aがクランプ15aを手で持ち上げ固定できるから、人手を多く必要としない。
【0042】
上記のような同様の手順を繰り返し、上方に枠組足場1を形成していく。また、枠組足場1の分解を行うには、上記を逆の手順で繰り返せばよい。
【0043】
なお、図3には先行手摺10を外側と建屋側の両側に取り付けた状態を示しているが、両側に取り付けることにより、親綱や安全帯を使用することなく作業ができるので、作業効率と安全性が向上する。
【0044】
以上の実施例では、一方の手で掛止金物16の無い側の垂直材12を持ち、もう一方の手で下部支持枠14の中間部または垂直中桟18を持つ例を示したが、下部支持枠14や垂直中桟18に換えて持ち手専用の部材を設けて、それを持つようにしても良い。
【0045】
また、先行手摺10を上段に取り付けてから布板3を建枠2の頂部の間に載置する例を示したが、布板3を載置してから先行手摺10を取り付けても良い。
【0046】
また、先行手摺10を盛り替えて最上段にのみ取り付ける例を示したが、全ての段に取り付けるようにしても良い。
【0047】
【発明の効果】
本発明によれば、手摺枠の左右の一方のみにクランプの上方に位置する掛止金物を設け、掛止金物を枠組足場の建枠頂部の横桟パイプに掛止するに際して、先行手摺を掛止金物の側を上方として斜めにして掛止金物を横桟パイプに掛止でき、不要に先行手摺を高く手で持ち上げる必要が無いから、取り付け作業の作業性が良い。
【0048】
また、掛止金物の無い側のクランプから建地パイプに取り付け、一人の作業者がクランプを手で持ち上げ固定できるから、人手を多く必要としない。
【図面の簡単な説明】
【図1】枠組足場の先行手摺の一実施例に係る正面図である。
【図2】その平面図である。
【図3】その側面図である。
【図4】図1の部分拡大図である。
【図5】図2の部分拡大図である。
【図6】図1の先行手摺を取り付ける状態を示す図である。
【図7】図2の先行手摺を取り付ける状態を示す図である。
【図8】図1の枠組足場を横に連結しそれに取り付けた図である。
【図9】図2の枠組足場を横に連結しそれに取り付けた図である。
【図10】図8の枠組足場を上に連結した図である。
【図11】図10の先行手摺を盛り替える作業状態を示す図である。
【図12】図11の続きの作業状態を示す図である。
【符号の説明】
1 枠組足場
2 建枠
2a 建地パイプ
2b 横桟パイプ
10 先行手摺
11 手摺枠
12 垂直材
13 水平材
15a クランプ
15b クランプ
16 掛止金物
【発明の属する技術分野】
本発明は、建設現場などで使用される枠組足場を組立・分解するときに、作業者の転落事故防止のため、枠組足場の最上段に設ける先行手摺に関する。
【0002】
【従来の技術】
【特許文献1】実公平7−35997号公報
【0003】
建設現場などで使用される枠組足場は、門形をした2本の建枠をブレースで連結し、建枠頂部の横桟パイプの間に布板を載置したものをユニットとし、このユニットを建設現場の幅と高さに応じて左右・上下に連結して枠組足場を構成する。
【0004】
したがって、最上段以外の布板に立って作業するときは建枠を連結しているブレースが安全柵の役目を果たすが、最上段の布板に立って作業するときの転落事故防止のため、先行手摺を設けている。
【0005】
このような手摺として、実公平7−35997号公報には、手摺り枠の縦杆下部に突起を設け、建枠の脚柱(建地パイプ)間に架け渡される水平杆(横桟パイプ)に着脱自在に係止可能な掛止部を有する左右一対の係止金具を突起に着脱自在に設け、突起の下方の縦杆に建枠の脚柱(建地パイプ)を把持する左右一対のつかみ金具を設け、つかみ金具は、手摺り枠の長手方向外方へ突出するように設けたものが示されている。
【0006】
この手摺は、上段となる建枠やブレースから成る枠組足場ユニットを構成した後、手摺り枠の係止金具を建枠頂部の水平杆に掛止し、手摺り枠のつかみ金具を建枠の脚柱に固定して構成する。次に布板を建枠頂部の間に掛け渡した後、更に上段となる建枠やブレースから成る枠組足場ユニットを構成する。
【0007】
この手摺では、一旦取り付けた手摺は分解時までそのまま取り付けておき、次々と新たな手摺を上段に取り付ける。そのため、全ての作業を行う場合において常にブレースと共に手摺が設置されているものである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上記の従来技術においては、一旦取り付けた手摺は分解時までそのまま取り付けておく方式のため、全ての枠組足場ユニットに手摺が取り付けられ安全ではあるが、それだけの数の手摺を用意することはコストが莫大にかかる。
【0009】
そのため、ブレースの設置されていない最上段にのみにこの手摺を取り付けることも考えられるが、上段に取り付けるために現在の段から取り外そうとしても、手摺枠の両下端は下段の建枠の縦材に把持されているため、一旦下段に降りてつかみ金具の把持を解いてからでないと上段に取り付けることができない。
【0010】
つまり、手摺の取り付けられている段と下段の二名で取り外しの作業を行う必要があり、しかも取り外した手摺は手摺り枠の係止金具が建枠頂部の水平杆に載っているだけの不安定な状態となり、直ちに上段に取り付ける必要がある。
【0011】
手摺を上段に取り付けるには、現在の位置から上段に対応する位置までほぼ水平に手摺を手で持ち上げ、左右一対の係止金具を同時に建枠の縦材の頂部を越して水平杆の上に載せる必要がある。更に、水平杆に載っているだけの不安定な状態なため、直ちにつかみ金具を建枠の脚柱に固定する必要がある。
【0012】
上記の従来技術でも、手摺り枠の両縦杆下部の間に水平材が渡され、この水平材を手で持って持ち上げることは可能である。しかし、下側に位置する細い丸管で構成される水平材を両手で握っても、回って手摺り枠が倒れようとする不安定な状態となり、両縦杆部を持たないと安定して持ち上げることができない。
【0013】
しかし、建枠の間隔は通常150から180cmと広く、手摺り枠の両縦杆は建枠の縦材に保持させるものでその間隔も広く、一人の作業者が手摺り枠の両縦杆部を手で持って押し上げるのは困難である。この上段へ取り付ける作業にも二名の作業者が必要であれば、合計三名の作業者が必要となり、人手を多く必要とする。
【0014】
そこで本発明では、枠組足場の最上段にのみに手摺を取り付けることができるよう、不要に手摺を高く手で持ち上げる必要が無く、上段に取り付ける作業を一人の作業者で可能とした、枠組足場の先行手摺を提供する事を目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明の枠組足場の先行手摺は、左右一対の垂直材12と、垂直材12の上端をつなぐ水平材13とで手摺枠11を構成し、手摺枠11の左右下端部に一対のクランプ15a,15bを設け、一対のクランプ15a,15bで枠組足場1の建枠2の建地パイプ2aに取り付ける先行手摺10において、手摺枠11の左右の一方のみにクランプ15a,15bの上方に位置する掛止金物16を設け、掛止金物16を枠組足場1の建枠2頂部の横桟パイプ2bに掛止し、掛止金物16の無い側のクランプ15aから建地パイプ2aに取り付けるものである。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明では、手摺枠11の左右の一方のみにクランプ15a,15bの上方に位置する掛止金物16を設け、掛止金物16を枠組足場1の建枠2頂部の横桟パイプ2bに掛止するから、先行手摺10を掛止金物16の側を上方として斜めにして掛止金物16を横桟パイプ2bに掛止でき、不要に先行手摺10を高く手で持ち上げる必要が無い。
【0017】
また、掛止金物16の無い側のクランプ15aから建地パイプ2aに取り付けるから、一人の作業者がクランプ15aを手で持ち上げ固定できる。
【0018】
【実施例】
以下、本発明の一実施例を図面を参照して説明する。
【0019】
図1に示すのは枠組足場1に取り付けた先行手摺10であり、枠組足場1は複数の門形をした建枠2が平行に立設され、その建枠2をブレース4で連結し、その建枠2の頂部の間に布板3を載置して作業者の足場としたものである。
【0020】
建枠2には、垂直方向に平行な一対の建地パイプ2aと、建地パイプ2aの頂部の間をつなぐ水平方向の横桟パイプ2bを設ける。建枠2の間隔は、実施例では180cmとした。
【0021】
先行手摺10には、その主要な枠体としての手摺枠11として、左右一対の垂直材12と、垂直材12の上端をつなぐ水平材13と、垂直材12をつなぐ下部支持枠14を設ける。
【0022】
左右一対の垂直材12と水平材13は角管を曲げて一体に構成される。下部支持枠14は、左右の垂直材12をつなぐ水平方向の角管で、水平材13の下方に位置しほぼ布板3の高さと同一で、下部支持枠14の両端は垂直材12に溶着される。
【0023】
また、下部支持枠14と水平材13の中間に位置し、垂直材12の間を水平につなぐ中間水平材17と、下部支持枠14と中間水平材17の中間部を垂直につなぐ垂直中桟18を設ける。
【0024】
手摺枠11の垂直材12の左右下端部に一対のクランプ15a,15bを設ける。クランプ15a,15bは垂直材12から左右外方向に突出し、その水平方向の位置は同一とし、その垂直方向の高さは右側のクランプ15bより左側のクランプ15aの方がその高さ分以上に上方に位置する。
【0025】
このクランプ15a,15bは、先行手摺10を枠組足場1に取り付ける際、建枠2の建地パイプ2aに取り付け固定する。クランプ15a,15bは布板3側に開口するよう取り付けられ、ネジを締め付けることにより建地パイプ2aにしっかりと固定されるものである。なお、高さが低い側の右側のクランプ15bでも、ブレース4の上方となるようにした方が作業性が良い。
【0026】
手摺枠11の左右に位置する垂直材12で、一方のみの垂直材12にクランプ15a,15bの上方に位置する掛止金物16を設ける。実施例では右側の垂直材12のみに掛止金物16を設け、掛止金物16は右側のクランプ15bの上方に位置する。
【0027】
掛止金具16は垂直材12から右方向に突出した板であり、その垂直方向の高さは下部支持枠14の高さとほぼ同一とし、その水平方向の位置は垂直材12の布板3側に位置する。
【0028】
この掛止金具16は、先行手摺10を枠組足場1に取り付ける際、建枠2の頂部の横桟パイプ2bに掛止される。
【0029】
次に枠組足場1の組立、および先行手摺10の取り付け、移動方法について説明する。
【0030】
枠組足場1の組立において、1段目は必要とする幅に相当する数の建枠2を順次立設し、ブレース4で建枠2を連結する。
【0031】
図6および図7に示すように、2段目用の先行手摺10の取り付け作業は、先行手摺10を掛止金物16の側を上方として斜めにして持ち上げ、掛止金物16を横桟パイプ2bの上に掛止する。この際、一方の手で掛止金物16の無い側の垂直材12を持ち、もう一方の手で下部支持枠14の中間部または垂直中桟18を持つと良い。
【0032】
このとき、手摺枠11の左右の一方のみにクランプ15bの上方に位置する掛止金物16を設け、掛止金物16を枠組足場1の建枠2頂部の横桟パイプ2bに掛止するに際して、先行手摺10を掛止金物16の側を上方として斜めにして掛止金物16を横桟パイプ2bに掛止でき、不要に先行手摺10を高く手で持ち上げる必要が無いから、取り付け作業の作業性が良い。
【0033】
次に、右側のクランプ15bを掛けやすくするために、掛止金物16が建枠2の建地パイプ2aに当たるまで寄せ、掛止金物16の無い左側のクランプ15aを持ち上げ、クランプ15a上面が横桟パイプ2b下面約1cmの位置で建地パイプ2aに両手でしっかりと固定する。
【0034】
このとき、掛止金物16の無い側のクランプ15aから建地パイプ2aに取り付け、一人の作業者がクランプ15aを手で持ち上げ固定できるから、人手を多く必要としない。
【0035】
左側のクランプ15aを固定すると先行手摺10が倒れる畏れがないので、作業者は先行手摺10から手を離して右側のクランプ15bの側に移り、右側のクランプ15bを両手でしっかりと固定する。
【0036】
図8および図9に示すように、順次、隣接する建枠2の横桟パイプ2bに先行手摺10の掛止金具16を掛止し、クランプ15a,15bを建地パイプ2aに固定する。隣り合う先行手摺10では同一の建地パイプ2aにクランプ15a,15bが取り付けられるが、クランプ15a,15bは上下方向に交互に位置するから重なり合うことはなく、先行手摺10は一直線上に取り付ける。
【0037】
次に、図10に示すように、布板3を建枠2の頂部の間に載置し、その後2段目の枠組足場1も同様に組み立てる。
【0038】
なお、ブレース4を建枠2に取り付ける際に、先行手摺10が内側に無いので、簡単に取り付けられる。また、先行手摺10が建枠2の建地パイプ2aに固定されているので、手摺間隔が広く作業性が良い。
【0039】
3段目用の先行手摺10に盛り替える(付け替える)には二名の作業者を必要とし、図11に示すように、2段目の作業者Aが先行手摺10を支え、1段目の作業者Bがクランプ15a,15bを緩めて取り外す。次に、図12に示すように、2段目の作業者Aが直ちに先行手摺10を持ち上げ、固定する。
【0040】
このときも、手摺枠11の左右の一方のみにクランプ15bの上方に位置する掛止金物16を設け、掛止金物16を枠組足場1の建枠2頂部の横桟パイプ2bに掛止するに際して、先行手摺10を掛止金物16の側を上方として斜めにして掛止金物16を横桟パイプ2bに掛止でき、不要に先行手摺10を高く手で持ち上げる必要が無いから、取り付け作業の作業性が良い。
【0041】
また、掛止金物16の無い側のクランプ15aから建地パイプ2aに取り付け、一人の2段目の作業者Aがクランプ15aを手で持ち上げ固定できるから、人手を多く必要としない。
【0042】
上記のような同様の手順を繰り返し、上方に枠組足場1を形成していく。また、枠組足場1の分解を行うには、上記を逆の手順で繰り返せばよい。
【0043】
なお、図3には先行手摺10を外側と建屋側の両側に取り付けた状態を示しているが、両側に取り付けることにより、親綱や安全帯を使用することなく作業ができるので、作業効率と安全性が向上する。
【0044】
以上の実施例では、一方の手で掛止金物16の無い側の垂直材12を持ち、もう一方の手で下部支持枠14の中間部または垂直中桟18を持つ例を示したが、下部支持枠14や垂直中桟18に換えて持ち手専用の部材を設けて、それを持つようにしても良い。
【0045】
また、先行手摺10を上段に取り付けてから布板3を建枠2の頂部の間に載置する例を示したが、布板3を載置してから先行手摺10を取り付けても良い。
【0046】
また、先行手摺10を盛り替えて最上段にのみ取り付ける例を示したが、全ての段に取り付けるようにしても良い。
【0047】
【発明の効果】
本発明によれば、手摺枠の左右の一方のみにクランプの上方に位置する掛止金物を設け、掛止金物を枠組足場の建枠頂部の横桟パイプに掛止するに際して、先行手摺を掛止金物の側を上方として斜めにして掛止金物を横桟パイプに掛止でき、不要に先行手摺を高く手で持ち上げる必要が無いから、取り付け作業の作業性が良い。
【0048】
また、掛止金物の無い側のクランプから建地パイプに取り付け、一人の作業者がクランプを手で持ち上げ固定できるから、人手を多く必要としない。
【図面の簡単な説明】
【図1】枠組足場の先行手摺の一実施例に係る正面図である。
【図2】その平面図である。
【図3】その側面図である。
【図4】図1の部分拡大図である。
【図5】図2の部分拡大図である。
【図6】図1の先行手摺を取り付ける状態を示す図である。
【図7】図2の先行手摺を取り付ける状態を示す図である。
【図8】図1の枠組足場を横に連結しそれに取り付けた図である。
【図9】図2の枠組足場を横に連結しそれに取り付けた図である。
【図10】図8の枠組足場を上に連結した図である。
【図11】図10の先行手摺を盛り替える作業状態を示す図である。
【図12】図11の続きの作業状態を示す図である。
【符号の説明】
1 枠組足場
2 建枠
2a 建地パイプ
2b 横桟パイプ
10 先行手摺
11 手摺枠
12 垂直材
13 水平材
15a クランプ
15b クランプ
16 掛止金物
Claims (1)
- 左右一対の垂直材と、垂直材の上端をつなぐ水平材とで手摺枠を構成し、手摺枠の左右下端部に一対のクランプを設け、一対のクランプで枠組足場の建枠の建地パイプに取り付ける先行手摺において、手摺枠の左右の一方のみにクランプの上方に位置する掛止金物を設け、掛止金物を枠組足場の建枠頂部の横桟パイプに掛止し、掛止金物の無い側のクランプから建地パイプに取り付ける枠組足場の先行手摺。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003038760A JP2004245000A (ja) | 2003-02-17 | 2003-02-17 | 枠組足場の先行手摺 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003038760A JP2004245000A (ja) | 2003-02-17 | 2003-02-17 | 枠組足場の先行手摺 |
Publications (1)
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---|---|
JP2004245000A true JP2004245000A (ja) | 2004-09-02 |
Family
ID=33023191
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003038760A Pending JP2004245000A (ja) | 2003-02-17 | 2003-02-17 | 枠組足場の先行手摺 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004245000A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014227820A (ja) * | 2013-05-21 | 2014-12-08 | 有限会社一城組 | 仮設足場用親綱装置 |
-
2003
- 2003-02-17 JP JP2003038760A patent/JP2004245000A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2014227820A (ja) * | 2013-05-21 | 2014-12-08 | 有限会社一城組 | 仮設足場用親綱装置 |
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