JP2004244572A - エチレン系重合体製成形体 - Google Patents

エチレン系重合体製成形体 Download PDF

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Mamoru Takahashi
守 高橋
Motoka Sekine
素馨 関根
Tetsushi Kasai
徹志 笠井
Takahiro Akashi
崇弘 明石
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Abstract

【課題】機械特性に特に優れたエチレン系重合体製成形体を提供すること。
【解決手段】炭素原子数4〜20のα−オレフィンから導かれる構成単位を0.05〜1mol%含むエチレン系樹脂からなる成形体であり、その成形体から切り出した試料のパルスNMRのソリッド・エコー法で測定した40℃における3成分のうちの拘束された非晶からなる中間成分量〔M(%)〕と、該成形体を120℃、1時間アニールした後、成形体のほぼ同じ位置から切り出した試料のパルスNMRのソリッド・エコー法で測定した40℃における3成分のうちの拘束された非晶からなる中間成分量〔M(%)〕との差(M−M)が0〜2.5%の範囲にあり、140℃パラキシレンに可溶であるエチレン系重合体製成形体。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、機械的強度に優れたエチレン系重合体製成形体に関する。
【0002】
【従来の技術】
エチレンと少量のα−オレフィンとからなるエチレン系重合体は、フィルム、容器、パイプ、繊維、雑貨などの成形品として非常に幅広い分野で使用されている。エチレンと少量のα−オレフィンとからなるエチレン系重合体は、室温では重量結晶化度が60〜80%程度の半結晶性高分子であり、成形する場合は結晶融点以上の温度、即ち150〜230℃程度でいったん結晶を融解させて可塑化し、成形機を用いて必要な形状にしてから冷却することで成形品を得ている。この冷却過程において、結晶化の途中で構造が凍結されてしまうため、硬さを発現する結晶でも、柔軟性を発現する非晶でもないような中間体が生成してしまう。そのため、樹脂が本来持っている性能が必ずしも十分発揮されているとは言えない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者らは、このような従来技術に鑑みて、エチレン系重合体製成形体の構造と機械物性に優れたエチレン系重合体製成形体との関係について研究したところ、パルスNMRのソリッド・エコー法で測定した40℃における3成分のうちの拘束された非晶からなる中間成分量〔M(%)〕と、該成形体を120℃、1時間アニールした後、成形体のほぼ同じ位置から切り出した試料のパルスNMRのソリッド・エコー法で測定した40℃における3成分のうちの拘束された非晶からなる中間成分量〔M(%)〕との差(M−M)が特定の範囲にあるエチレン系重合体製成形体は機械特性に優れることを見出し本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、機械特性に特に優れたエチレン系重合体製成形体を提供することを目的としている。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るエチレン系重合体製成形体は、炭素原子数4〜20のα−オレフィンから導かれる構成単位を0.05〜1mol%含むエチレン系樹脂からなり、パルスNMRのソリッド・エコー法で測定した40℃における3成分のうちの拘束された非晶からなる中間成分量(M0(%))と、該成形体を120℃、1時間アニールした後、成形体のほぼ同じ位置から切り出した試料のパルスNMRのソリッド・エコー法で測定した40℃における3成分のうちの拘束された非晶からなる中間成分量(M1(%))との差(M0−M1)が0〜2.5%の範囲にあり、140℃デカンに可溶であることを特徴とした成形体である。
【0005】
本発明に係わるエチレン系重合体製成形体は、上記要件に加えて下記(1−1)または(1−2)の少なくともひとつの要件を満たすことが好ましい。
(1−1) ガソリンタンク、工薬缶、ボトル容器などブロー成形によって成形された、エチレン系重合体製成形体。
(1−2) ガス、水道などに用いることが出来るパイプ成形品および/またはパイプ用継ぎ手である、押出成形または射出成形によって成形されたエチレン系重合体製成形体。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るエチレン系重合体製成形体について、具体的に説明する。
成形体原料であるエチレン系重合体
本発明に係わるエチレン系重合体は、エチレンの単独重合体またはエチレンと炭素原子数4〜20のα−オレフィンとの共重合体である。
ここで炭素原子数が4〜20のα−オレフィン(以下単に「α−オレフィン」ともいう。)としては、例えば、1−ブテン、1−ペンテン、3−メチル−1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコセンなどの炭素原子数が4〜20の直鎖状または分岐状のα−オレフィン;シクロペンテン、シクロヘプテン、ノルボルネン、5−メチル−2−ノルボルネン、テトラシクロドデセン、2−メチル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレンなどの炭素原子数が4〜20の環状オレフィンが挙げられる。
【0007】
このエチレン系重合体が、エチレンと炭素原子数4〜20のα−オレフィンとの共重合体である場合は、エチレンから導かれる構成単位は、通常99〜99.95mol%、好ましくは99.5〜99.95mol%、より好ましくは99.6〜99.95mol%の割合で存在し、α−オレフィンから導かれる繰り返し単位は0.05〜1mol%、好ましくは0.05〜0.5mol%、より好ましくは0.05〜0.4mol%の割合で存在することが好ましい。また、このエチレン系重合体はエチレン単独重合体とエチレン・α−オレフィン共重合体とを包含していることがあり、その場合エチレン・α−オレフィン共重合体中のエチレンから導かれる構成単位は、通常98〜99.87mol%、好ましくは98.5〜99.85mol%、より好ましくは99.0〜99.80mol%の割合で存在し、α−オレフィンから導かれる繰り返し単位は0.13〜2mol%、好ましくは0.15〜1.5mol%、より好ましくは0.20〜1.0mol%の割合で存在することが好ましい。
【0008】
触媒や重合プロセスには特に制限はなく、触媒としては特許第821037号公報などに記載されたチーグラー触媒、クロム触媒、特開2002−53615号公報記載の触媒、EP1201711A1号公報記載の触媒、WO01/25328号公報に記載のCpTiNP(t−Bu)Clとボレートまたはアルモキサンからなる触媒、特開平11−106432号公報に記載の担持型幾何拘束型シングルサイト触媒(CGC/Borate)を挙げることが出来る。重合プロセスとしては、溶解重合、懸濁重合などの液相重合法または気相重合法のいずれでも良い。また、連続式、バッチ式いずれでも良い。
【0009】
得られた重合体に、本発明の目的を損なわない範囲で、耐候性安定剤、耐熱安定剤、帯電防止剤、スリップ防止剤、アンチブローッキング剤、防曇剤、滑剤、顔料、染料、核剤、可塑剤、老化防止剤、塩酸吸収剤、酸化防止剤などの添加剤が必要に応じて配合されていてもよい。また、造粒方法も特に制限は無く通常の押出機や混練機を用いてペレット化して良い。
また、該エチレン系重合体は140℃デカンに可溶である。これは架橋など分子鎖同士を化学的に結合させる手段が施されていないことを示す。
【0010】
本発明に関わる成形体
本発明に関わる成形体は、その成形体から切り出した試料のパルスNMRのソリッド・エコー法で測定した40℃における3成分のうちの拘束された非晶からなる中間成分量〔M(%)〕と、該成形体を120℃、1時間アニールした後、成形体のほぼ同じ位置から切り出した試料のパルスNMRのソリッド・エコー法で測定した40℃における3成分のうちの拘束された非晶からなる中間成分量〔M(%)〕との差(M0−M1)が0〜2.5%の範囲にある。成形時にエチレン系重合体はいったん融点以上に加熱されて融解し、ブロー成形、押出成形などで欲する形状に形作ると同じに冷却される。本発明に関わるエチレン系重合体は半結晶性高分子なので、この冷却過程において結晶化する。従来の成形方法で成形された成形体は、この成形時の結晶化の過程で構造が凍結されるために、中途半端な構造が残ってしまい、結果として機械特性が十分に発現しない場合があった。この「中途半端な構造」は成形体を融点以下の温度で熱処理することで低減されることを見出した。「中途半端な構造」を成形体から切り出した試料のパルスNMRのソリッド・エコー法で測定した40℃における3成分のうちの拘束された非晶からなる中間成分量〔M(%)〕で規定すると、中途半端な構造が少ないと、該成形体を120℃、1時間アニールした後、成形体のほぼ同じ位置から切り出した試料のパルスNMRのソリッド・エコー法で測定した40℃における3成分のうちの拘束された非晶からなる中間成分量〔M(%)〕との差(M−M)が0〜2.5%の範囲、好ましくは0〜2.0%の範囲、より好ましくは0〜1.0%の範囲にある。例えば、三井化学社製ハイゼックス6200Bを直径50mmφ、L/D=22のプラコー社製押出機を用い、設定温度180℃、ダイ径23mmφ、コア径21mmφ、押出量12kg/hrで押出し、金型温度25℃、型締速度2.0秒、型締め圧 5.5t、吹き込み空気圧5kg/cmで容量1000cc、目付け65gの円筒瓶を得た場合、胴部から切り出してパルスNMRのソリッド・エコー法で測定した40℃における3成分のうちの拘束された非晶からなる中間成分量は33.5%で、その近傍から切り出した試料を120℃、1時間アニールした後、パルスNMRのソリッド・エコー法で測定した40℃における3成分のうちの拘束された非晶からなる中間成分量は30.0%で、両者の差が3.5%となり請求範囲を満たさない。一方、上記で得られた円筒瓶を楠本化成社製真空乾燥機エタックサーモヴァックVT210を120℃に設定し、窒素を少量流しながら該真空乾燥機内に2時間放置したものを試料として、胴部から切り出してパルスNMRのソリッド・エコー法で測定した40℃における3成分のうちの拘束された非晶からなる中間成分量は28.2%で、その近傍から切り出した試料を120℃、1時間アニールした後、パルスNMRのソリッド・エコー法で測定した40℃における3成分のうちの拘束された非晶からなる中間成分量は27.5%で、両者の差が0.7%となり請求範囲を満たす。真空乾燥機内に放置する時間を短くすると両者の差が大きくなり、放置する時間が30分以下になると、両者の差が3.0%以上となって請求範囲を満たさない。逆に、真空乾燥機内に放置する時間を長くすると両者の差は小さくなり、放置する時間が4時間以上になると、両者の差は0%となる。両者の差が3%を超える場合には、中途半端な構造で凍結された割合が多い多いことを意味し、結果として樹脂本来が持つ機械特性が十分に発揮出来ていない。両者の差が0〜2.5%の場合には、中途半端な構造で凍結された割合が少ないため、樹脂本来が持つ機械特性が十分に発揮される。
本発明に係るエチレン系重合体からなる成形体は、ブロー成形体、インフレーション成形体、キャスト成形体、押出ラミ成形体、パイプや異形などの押出成形体、発泡成形体、射出成形体などがある。これらの成形体には、エチレン(共)重合体からなる部分と、他の樹脂からなる部分とを含む成形体(積層体等)が含まれる。
【0011】
また、本発明に係るエチレン系重合体からなる成形体は、140℃のパラキシレンに可溶であることを特徴とする。これは、架橋工程を施していないことを意味し、架橋工程を施していないと再溶融して再利用することが可能であるので、好ましい。
次に、本発明に係わる各種物性の測定方法について記載する。
【0012】
物性の測定方法
〔エチレン含量、α−オレフィン含量の測定〕
13C−NMRによりPE分子鎖中における1,000カーボン当たりのメチル分岐数を測定した。測定は日本電子(株)社製Lambda500型核磁気共鳴装置(H:500MHz)を用いた。積算回数1万〜3万回にて測定した。なお、化学シフト基準として主鎖メチレンのピーク(29.97ppm)を用いた。直径10mmの市販のNMR測定石英ガラス管中に、PEサンプル250から400mgと和光純薬工業(株)社製特級o−ジクロルベンゼン:ISOTEC社製ベンゼン−d=5:1(体積比)の混合液3mlを入れ、120℃にて加熱、均一分散させることにより行った。NMRスペクトルにおける各吸収の帰属は、化学の領域増刊141号 NMR−総説と実験ガイド[I]、132頁〜133頁に準じて行った。
エチレン・α−オレフィン共重合体の組成は、通常10mmφの試料管中で約200mgの共重合体を1mlのヘキサクロロブタジエンに均一に溶解させた試料の13C−NMRスペクトルを、測定温度120℃、測定周波数25.05MHz、スペクトル幅1500Hz 、パルス繰返し時間4.2秒、45°パルス幅6μsecの測定条件下で測定して決定される。
【0013】
〔拘束された非晶からなる中間成分量〕
試料は、エチレン系重合体からなる成形体から切り出した。
パルスNMRのソリッド・エコー法で測定した40℃における3成分のうちの拘束された非晶からなる中間成分量は以下のようにして測定した。
測定装置:日本電子製 JNM−MU25
サンプル量、サンプル形状:約500mgを3mm角に切り刻み測定サンプルとした。
測定手法:solid echo法、観測核
測定条件:90pulse 2.0μs、Rep 4s、Scans
(積算回数)8回
測定温度:40〜120℃(20℃stepで測定し、一定温度で5分間保持後に測定開始)
解析方法:ハード成分は、ガウス型(ワイブル関数が2)、中間成分、ソフト成分は、ローレンツ型(ワイブル関数が1)で3成分の波形分離処理を行った。
【0014】
〔成形品から切り出した試料のアニール〕
パルスNMRを測定するために成形体から切り出した箇所の近傍から試料を切り出し、120℃に設定した神藤金属工業社製油圧式熱プレス機を用い、試料を100厚ポリエチレンテレフタレート製フィルムを敷いた5mm厚のSUS板に乗せて、試料が当たらない程度に接近させた熱プレス熱板に置いて、1時間放置する。その後、20℃に設定した別の製油圧式熱プレス機の熱板間にSUS板ごと移して冷却する。この試料を、120℃、1時間アニールした試料として、パルスNMRを測定する。
【0015】
〔デカンに対する可溶性〕
溶媒に140℃に制御されたデカンを用い、試料は0.5mm厚プレスシートから切り出すか、または造粒ペレットを用い、濃度を1mg/mlとする以外は、JIS K 6796に準じてゲル含量の測定を行い、ゲル分率が1wt%以下の場合、140℃デカンに対して可溶とする。
【0016】
【実施例】
以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、各種試験法および測定用試料の作成方法を下記した。
【0017】
〔曲げ弾性率、耐環境応力破壊(ESCR)性、引張疲労強度、−20℃アイゾット衝撃強度測定用のプレスシートの作成〕
190℃に設定した神藤金属工業社製油圧式熱プレス機を用い、100kg/cmの圧力で2mm厚のシートを成形し(スペーサー形状:240×240×2mm厚の板に80×80×2mm、4個取り)、20℃に設定した別の製油圧式熱プレス機を用い、100kg/cmの圧力で圧縮することで冷却して測定用試料を作成した。熱板は5mm厚のSUS板を用いた。
190℃に設定した神藤金属工業社製油圧式熱プレス機を用い、100kg/cmの圧力で2mm厚、および6mm厚のシートを成形し(スペーサー形状:240×240×2mm厚の板に80×80×2mm、4個取り、および200×200×6mm厚の板に30×60×6mm、4個取り)、20℃に設定した別の神藤金属工業社製油圧式熱プレス機を用い、100kg/cmの圧力で圧縮することで冷却して測定用試料を作成した。熱板は5mm厚のSUS板を用いた。
【0018】
〔座屈強度、耐環境応力破壊(ESCR)性測定用のボトルの作成〕
直径50mmφ、L/D=22のプラコー社製押出機を用い、設定温度180℃、ダイ径23mmφ、コア径21mmφ、押出量12kg/hrで押出し、金型温度25℃、型締速度2.0秒、型締め圧 5.5t、吹き込み空気圧5kg/cmで容量1000cc、目付け65gの円筒瓶を作成した。
【0019】
〔曲げ弾性率〕
80×80×2mm厚プレスシートより、12.7mm×63.5mmの試験片をダンベルにより打ち抜き、評価試料に供した。
曲げ弾性率は、ASTM D790に準じて実施した。
評価条件の概略を以下に示した。
試験片形状(12.7×63.5×2mm厚)、スパン間距離(32mm)、クロスヘッド速度(5mm/min)
【0020】
〔−20℃アイゾット衝撃強度〕
2mm厚プレスシートから幅12.7mm,長さ63.5mmの試験片を打ち抜き、ASTM−D−790に準拠し、試験温度−20℃、ノッチ有りで測定した。
【0021】
〔シートの耐環境応力破壊(ESCR)性〕
80×80×2mm厚プレスシートより、13mm×38mmの試験片オーダーンベルにより打ち抜き、評価試料に供した。
耐環境応力破壊(ESCR)性は、ASTM D1693に準じて実施した。
評価条件(ベントストリップ法)の概略を以下に示した。
サンプル形状:プレス成形 C法
スペシメン 38x13mm 厚さ2mm(HDPE)
ノッチ長さ 19mm、深さ 0.35mm
試験温度:50℃ 恒温水槽 50.0±0.5℃に制御できるもの
サンプルの保持:内寸11.75mm長さ165mmのスペシメンホルダーに専用の折り曲げ冶具を用いてセットする
界面活性剤:ノニルフェニルポリオキシエチレンエタノール(Antarox CO−630の商品名で市販)を水で希釈して10%濃度で使用する。
評価法:F50破壊時間(50%破壊時間)を対数確率紙を用いて求める。
【0022】
〔ボトルの耐環境応力破壊(ESCR)性〕
ボトル中に花王製キッチンハイターを100cc充填した後、口部を樹脂でシールし、65℃のオーブン中に保持して破壊時間を観察し、対数確率紙を用いてF50破壊時間を求めた。
【0023】
〔引張疲労強度〕
30×60×6mm厚プレスシートまたはパイプより、タテ5〜6mm×ヨコ6mm×長さ60mmの角柱に切削し、評価試料に供した。
引張疲労強度(試験片形状)は、JIS K6774に準拠。(全周ノッチ式、ノッチ深さ1mm)
評価条件の概略を以下に示した。
試験片形状(5〜6×6×60mm角柱ノッチ入り)、試験波形および試験周波数(矩形波 0.5Hz)、試験温度(80℃)
実応力が8〜17MPaの範囲で数点測定し、試料が破壊したときの振動回数を疲労強度とした。
【0024】
〔ボトルの座屈強度〕
ボトルをインストロン製万能試験機にてクロスヘッド速度20mm/minの条件で測定した。
【0025】
〔比較例1〕
三井化学社製ハイゼックス6200Bを用いてプレスシートを作成した。また、プレスシートの一部を120℃、1時間アニールした。140℃デカンに可溶である。パルスNMR測定結果、物性測定結果を表1に示す。
【0026】
〔実施例1〕
比較例1で得たプレスシートを120℃に設定した楠本化成社製真空乾燥機エタックサーモヴァックVT210内に置き、窒素を少量流しながら該真空乾燥機内に2時間放置した。この試料の一部を120℃、1時間アニールした。140℃デカンに可溶である。パルスNMR測定結果、物性測定結果を表1に示す。
【0027】
〔合成例1〕
[固体触媒成分の調製]
200℃で3時間乾燥したシリカ8.5kgを33リットルのトルエンで懸濁状にした後、メチルアルミノキサン溶液(Al=1.42モル/リットル)82.7リットルを30分で滴下した。次いで1.5時間かけて115℃まで昇温し、その温度で4時間反応させた。その後60℃まで降温し、上澄み液をデカンテーション法によって除去した。得られた固体触媒成分をトルエンで3回洗浄した後、トルエンで再懸濁化して固体触媒成分(α)を得た(全容積150リットル)。
【0028】
[担持触媒の調製]
充分に窒素置換した反応器中に、トルエンに懸濁させた固体触媒成分(α)をアルミニウム換算で19.60molを入れ、その懸濁液を攪拌しながら、室温下(20〜25℃)でジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロライド37.38mmol/リットル溶液を2リットル(74.76mmol)加えた後、60分攪拌した。攪拌を停止後、上澄み液をデカンテーションで取り除き、n−ヘキサン40リットルを用いて洗浄を2回行い、得られた担持触媒をn−ヘキサンにリスラリーし25リットルの触媒懸濁液として、固体触媒成分(β)を得た。
【0029】
[固体触媒成分(β)の予備重合]
攪拌機つき反応器に窒素雰囲気下、精製n−ヘキサン15.8リットル、および上記固体触媒成分(β)を投入した後、トリイソブチルアルミニウム5molを加え、攪拌しながら、固体成分1g当たり4時間で3gのポリエチレンを生成相当量のエチレンで予備重合を行った。重合温度は20〜25℃に保った。重合終了後、攪拌を停止後、上澄み液をデカンテーションで取り除き、n−ヘキサン35リットルを用いて洗浄を4回行い、得られた担持触媒をn−ヘキサン20リットルにて触媒懸濁液として、固体触媒成分(γ)を得た。
【0030】
〔比較例2〕
[重合]
第1重合槽に、ヘキサンを45リットル/hr、合成例1で得た固体触媒成分(γ)をZr換算原子に換算して0.24mmol/hr、トリエチルアルミニウムを20mmol/hr、エチレンを7.0kg/hr、水素を125N−リットル/hrで連続的に供給し、かつ重合槽内の液レベルが一定になるように重合槽内容物を連続的に抜出しながら、重合温度85℃、反応圧8.5kg/cmG、平均滞留時間2.5hrという条件で重合を行った。
第1重合槽から連続的に抜出された内容物は、内圧0.2kg/mG、65℃に保たれたフラッシュドラムで未反応エチレンおよび水素が実質的に除去される。
その後、該内容物は、ヘキサン35リットル/hr、エチレン3.0kg/hr、水素0.07N−リットル/hr、1−ヘキセン30g/hrとともに第2重合槽へ連続的に供給され、重合温度80℃、反応圧2.5kg/cmG、平均滞留時間1.2hrという条件で引き続き重合を行った。
第2重合槽においても重合槽内の液レベルが一定になるように重合槽内容物を連続的に抜出し、該内容物中のヘキサン及び未反応モノマーを溶媒分離装置で除去、乾燥し重合体を得た。
次に該重合粒子100重量部に対して、二次抗酸化剤としてのトリ(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスフェートを0.1重量部、耐熱安定剤としてのn−オクタデシル−3−(4’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)プロピネートを0.1重量部、塩酸吸収剤としてのステアリン酸カルシウムを0.05重量部配合する。しかる後にプラボー社製2軸押出機BT−30(30mmφ、L/D=46、同方向回転、噛合い、ニーデイングゾーン4カ所)を用い、設定温度210℃で、樹脂押出量22g/min、120rpmで造粒して測定用試料とした。また、該試料を用いてプレスシートを作成した。更に、プレスシートの一部を120℃、1時間アニールした。140℃デカンに可溶である。パルスNMR測定結果、物性測定結果を表1に示す。
【0031】
〔実施例2〕
比較例2で得たプレスシートを120℃に設定した楠本化成社製真空乾燥機エタックサーモヴァックVT210内に置き、窒素を少量流しながら該真空乾燥機内に2時間放置した。この試料の一部を120℃、1時間アニールした。140℃デカンに可溶である。パルスNMR測定結果、物性測定結果を表1に示す。
【0032】
〔比較例3〕
三井化学社製ハイゼックス6200Bを用いて、1000ml円筒瓶をブロー成形した。この円筒瓶の胴部から一部を切り出して、120℃、1時間アニールした。140℃デカンに可溶である。パルスNMR測定結果、物性測定結果を表2に示す。
【0033】
〔実施例3〕
比較例3で得た円筒瓶を120℃に設定した楠本化成社製真空乾燥機エタックサーモヴァックVT210内に置き、窒素を少量流しながら該真空乾燥機内に2時間放置した。この試料の一部を120℃、1時間アニールした。140℃デカンに可溶である。パルスNMR測定結果、物性測定結果を表2に示す。
【0034】
〔比較例4〕
比較例2で得た造粒試料を用いて、1000ml円筒瓶をブロー成形した。この円筒瓶の胴部から一部を切り出して、120℃、1時間アニールした。140℃デカンに可溶である。パルスNMR測定結果、物性測定結果を表2に示す。
【0035】
〔実施例4〕
比較例4で得た円筒瓶を120℃に設定した楠本化成社製真空乾燥機エタックサーモヴァックVT210内に置き、窒素を少量流しながら該真空乾燥機内に2時間放置した。この試料の一部を120℃、1時間アニールした。140℃デカンに可溶である。パルスNMR測定結果、物性測定結果を表2に示す。
【0036】
【表1】
Figure 2004244572
【0037】
【表2】
Figure 2004244572
【0038】
【発明の効果】
本発明に係るエチレン系重合体製成形体は、機械特性に優れた成形体が得られる。

Claims (3)

  1. 炭素原子数4〜20のα−オレフィンから導かれる構成単位を0.05〜1mol%含むエチレン系樹脂からなる成形体であり、その成形体から切り出した試料のパルスNMRのソリッド・エコー法で測定した40℃における3成分のうちの拘束された非晶からなる中間成分量〔M(%)〕と、該成形体を120℃、1時間アニールした後、成形体のほぼ同じ位置から切り出した試料のパルスNMRのソリッド・エコー法で測定した40℃における3成分のうちの拘束された非晶からなる中間成分量〔M(%)〕との差(M−M)が0〜2.5%の範囲にあり、140℃デカンに可溶であるエチレン系重合体製成形体。
  2. ガソリンタンク、工薬缶、ボトル容器などブロー成形によって成形された、請求請1に記載のエチレン系重合体製成形体。
  3. ガス、水道などに用いることが出来るパイプ成形品および/またはパイプ用継ぎ手など押出成形または射出成形によって成形された、請求請1に記載のエチレン系重合体製成形体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2012502267A (ja) * 2008-09-08 2012-01-26 アルケマ フランス ポリマー組成物の疲労寿命を設定する方法

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