JP2004244487A - 圧延油 - Google Patents

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Keiji Suzuki
啓司 鈴木
Hisao Imai
久雄 今井
Katsuto Kawamura
勝人 河村
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Abstract

【課題】圧延潤滑性を劣化させることなく、圧延時のロール汚れを低減できると共に圧延後の鋼板の脱脂性をも改善できる圧延油を提供する。
【解決手段】合成エステルを基油とする圧延油中、または合成エステルに加えてさらに動植物油または鉱物油のうちの1種または2種を合計で50%以下含有したものを基油とする圧延油中に、脂肪酸を3%以下含有させる。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、薄鋼板の冷間圧延に用いる圧延油に関し、特に冷間圧延後に発生するロール汚れを低減するとともに、鋼板の脱脂性をも改善することのできる薄鋼板用圧延油に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
薄鋼板の冷間圧延に使用される圧延油は、動・植物油脂(牛脂、パーム油、ヤシ油等のトリグリセライド構造を有する油脂)を基油とするものと鉱物油を基油とするものに大別される。動・植物油脂を基油とする圧延油は、高負荷・高速圧延に適したものであるが、圧延後の鋼板の付着油分を脱脂せずにそのまま焼鈍すると、焼鈍工程において、鋼板表面に汚れを生ずる。つまり、圧延潤滑性には優れるが、ミルクリーン性(直接焼鈍性)には劣る傾向がある。
【0003】
一方、鉱物油を基油とする圧延油は、冷延後の鋼板を脱脂することなく焼鈍しても表面汚れを生ずることがなく、ミルクリーン性に優れているが、高圧下圧延や高速圧延性に劣る傾向がある。そこで最近では、合成エステルを基油とし、高潤滑性と高ミルクリーン性を有する圧延油も開発されている。
【0004】
ところで、薄鋼板用の冷間圧延油は、動・植物油脂や鉱物油、合成エステルおよびこれらを混合した基油に、油性向上剤、極圧剤、酸化防止剤および防錆剤等の各種の添加助剤を加え、これに乳化剤を加えてO/W型エマルジョンとし、0.1〜20%程度の濃度で圧延加工部に供給される。上記油性向上剤は、圧延潤滑性を高めるために添加されるもので、脂肪酸(カプリル酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノレン酸等)が多く用いられている。
【0005】
上記油性向上剤は、圧延油組成物全量に対して20%を上限として添加できる(特許文献1参照。)とされている反面、ミルクリーン性を害するため、その含有量は必要最小限の範囲とすることが望ましいとも言われている(特許文献2参照。)。
【0006】
【特許文献1】特開平01−247494号公報
【特許文献2】特開昭62−290795号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の薄鋼板用の冷間圧延油は、圧延潤滑性とミルクリーン性の向上の改善を主目的として開発されてきており、圧延時のロールや鋼板に発生する汚れやその後の洗浄工程における脱脂性の改善にはあまり注意が払われてはいなかった。すなわち、従来の圧延油を用いて圧延を行うと、主に補助ロール等に汚れが発生して堆積し、そのまま圧延を続けると圧延鋼板の表面を汚したり、堆積物が落下して噛み込み、表面欠陥を引き起こしたりする。そのため、圧延作業を定期的に停止し、汚れの除去を行う必要があった。また、上記の鋼板汚れは、洗浄工程における脱脂性を阻害するため、速度を落として洗浄する必要があり、品質低下、能率低下の原因となっていた。
【0008】
本発明の目的は、圧延潤滑性を劣化させることなく、圧延時に発生するロールや鋼板の汚れを低減すると共に、圧延後の鋼板の脱脂性をも改善することができる薄鋼板用圧延油を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
発明者らは、上記従来技術が抱えている問題点を解決するために、汚れの原因に着目し、成分分析等の調査を行った。その結果、ロール汚れの主体は、圧延油中に油性向上剤として添加された脂肪酸とロール冷却水中に含まれる金属イオンからなる生成物であることが明らかになった。しかし、汚れの発生を抑制するために脂肪酸を無添加とすると、圧延潤滑性が確保できない。そこで、圧延潤滑性を確保しつつ汚れ発生を抑制できる条件について検討を行ったところ、圧延油中の脂肪酸添加量を3.0%以下とすることで、DR圧延に必要な圧延性を維持したままロール汚れを大幅に低減することができ、なおかつ、鋼板の脱脂性をも向上させ得ることを見出した。また、脂肪酸低減による圧延潤滑性の低下は、圧延油の基油を調整することにより改善できることも見出した。
【0010】
上記知見に基づき開発された本発明は、合成エステルを基油とする圧延油中に、脂肪酸を3%以下含有させたことを特徴とする圧延油である。
【0011】
また、本発明は、上記圧延油の基油に加えてさらに、動植物油または鉱物油のうちの1種または2種を合計で、全圧延油の50%以下含有させることが好ましい。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の開発の契機となった実験結果について説明する。
発明者らは、ロール汚れの主成分が圧延油中に添加された脂肪酸と冷却水中に含まれる金属イオンとからなることに着目し、合成エステルを基油とする圧延油中の脂肪酸の添加量を0〜10%の範囲で変化させて、ロール汚れの発生量および脱脂性との関係を調査した。なお、上記実験に用いた圧延油は、その他の添加剤として、極圧剤、酸化防止剤、乳化剤、防錆剤等を合計で3〜5%含むものである。
【0013】
ロール汚れの発生量の評価は、圧延油中の脂肪酸の量を変えて所定量(約20t)鋼板を圧延後、圧延機出側の補助ロールに、市販のテープ(商品名:スコッチメンディングテープ、幅:30mm)を貼り付け、引き剥がした時に付着した汚れの量を、白色度計(ミノルタ製:CR300)を用いて測定し、脂肪酸濃度が5%のときの白色度を1.0とした白色度比を求めて相対評価した。また、脱脂性は、各脂肪酸濃度で圧延したコイルを洗浄ラインにて同一条件で洗浄し、ライン出側でコイル中間部からサンプルを採取し、このサンプルを用いて水はじき試験を行い、水はじきの面積率(%)を求め、脂肪酸濃度が5%のときの水はじき面積率を1.0とした水はじき面積比を求めて相対評価した。
【0014】
上記試験の結果を、図1に示した。この図から、脂肪酸濃度が上昇するのにともない、白色度比は低下し、水はじき面積比は大きくなっている、すなわち、脂肪酸の添加量が増加するとロール汚れが増加し、脱脂性が劣化している。特に、脂肪酸濃度が3%を超えると、ロール汚れや脱脂性が急激に悪化することがわかる。上記試験の結果から、本発明では、圧延油中の脂肪酸の含有量を3%以下に制限することとした。
【0015】
なお、脂肪酸の添加量が3%以下であれば、通常の圧延における潤滑性には悪影響を及ぼさない。ただし、脂肪酸の含有量が1%を下回ると、圧延性が劣化する傾向があるので、脂肪酸の添加量は、好ましくは1〜3%の範囲とするのがよい。
【0016】
また、合成エステルを基油とした圧延油の場合には、過酷な圧延条件下では、脂肪酸を3%以下に制限したときに圧延性の低下が認められることがある。そのような場合には、基油である合成エステルに加えてさらに、パーム油や牛脂のような動植物油脂または鉱物油を、圧延油全体の50%以下の範囲で添加することにより、圧延性を改善することができる。好ましくは20〜40%の範囲である。
【0017】
【実施例】
表1に示す圧延油を用いて、低炭素鋼鋼板(規格:SPB−DR9−R、板厚×板幅:0.191mm×911mm)を、0.143mmの板厚まで圧延し、各圧延油における圧延潤滑性、ロール汚れおよび脱脂性について評価を行った。圧延潤滑性の評価は、各圧延油を用いて圧延したときの圧延荷重を測定し、圧延荷重が低いほど、圧延潤滑性が良好であると評価した。また、ロール汚れおよび脱脂性の評価は前述した方法で行った。
【0018】
上記評価結果を表1中に併記して示した。この表から明らかなように、脂肪酸を5%含む圧延油A(比較例)と比較し、本発明の条件を満たす圧延油B,Cは、圧延潤滑性の劣化(圧延荷重の増加)を招くことなく、圧延機出側のロール汚れを40〜55%低減することができた。その結果、ロールの手入れ時間が半減し、ライン稼働率を大幅に向上することができた。また鋼板の脱脂性も、25〜30%向上させることができたので、洗浄ラインの能率を約5%向上することができた。
【0019】
【表1】
Figure 2004244487
【0020】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、圧延油中に添加する脂肪酸の含有量を3%以下にすることにより、圧延時に発生するロール汚れを大幅に低減することができるとともに、洗浄工程における脱脂性をも大幅に改善することができる。その結果、作業能率を大幅に向上できるとともに製品品質の向上にも大きく寄与する。
【図面の簡単な説明】
【図1】圧延油中の脂肪酸の含有量とロール汚れおよび脱脂性との関係を示すグラフである。

Claims (2)

  1. 合成エステルを基油とする圧延油中に、脂肪酸を3%以下含有させたことを特徴とする圧延油。
  2. 上記圧延油の基油に加えてさらに、動植物油または鉱物油のうちの1種または2種を合計で、全圧延油の50%以下含有させたことを特徴とする請求項1に記載の圧延油。
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