JP5444845B2 - 圧延油組成物及び冷間圧延方法 - Google Patents

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Description

本発明は、鋼などの鉄系金属、ステンレス鋼などの鉄合金等を圧延する時に用いる圧延油組成物に関し、特に、冷間圧延時に、効率良く圧延ロールや被圧延材料に付着し、圧延効率を向上させることができる鋼板の直接式供給用冷間圧延油組成物及びこれを用いた鋼板の冷間圧延方法に関するものである。
鉄鋼のブリキ板等の薄板を圧延する際、圧延油は、直接給油式(ダイレクト給油)又は循環給油式(リサーキュレーション給油)により給油される。特に直接給油式の圧延方法においては、牛脂やパーム油の天然油脂を水に強制的に分散してなる圧延油組成物が、被圧延材料や圧延ロールに給油される。この圧延油に、高分子添加剤を含有させ、圧延油が給油された後、被圧延材料に付着し易い状態にするなどの工夫がなされている(特許文献1)。
しかし、圧延ロールバイト内の被圧延材料温度は、圧延速度が早くなるに連れて高くなり、150℃以上の高温に達する場合が多い。この様な場合、被圧延材料の表面に残存した圧延油は、熱安定性の悪い天然油脂であるため、発生した磨耗粉を触媒として、酸化劣化を起こし劣化物が生成される。この劣化物は、次工程での脱脂処理において洗浄されず、被圧延材料の品質を低下させる原因となるなどの問題があった。
さらに、天然油脂は、産地の気候や精製状態によりその品質がばらつき、水に対する乳化性が変わるため、天然油脂を基油とする圧延油は、被圧延材料や圧延ロールに対する付着量(プレートアウト量)が変化し、圧延状態を常に安定な状態に維持することが困難であり、また、ミルの汚れも発生し易かった。
このような問題を軽減するものとして、特許文献2には、カチオン性高分子化合物を用いた直接給油式冷間圧延油が開示されている。また、特許文献3には、オキシアルキレンアルキルアミン脂肪酸エステルを含有する直接式供給用冷間圧延油が開示されている。しかし、これら従来の圧延油は、油水分離性が劣り、また、単独で用いた場合には高速圧延時に必要な油分を十分に付着させることができず、脂肪酸等の極性物質を添加する必要があった。
また、特許文献4には、特定のカチオン性高分子化合物を使用することにより油水分離性を向上させた直接式供給用冷間圧延油が開示されている。しかし、この圧延油組成物は、鋼板への付着性が十分とはいえなかった。
特公平3−13279号報 特開昭63−46298号公報 特開平11−80768号公報 特開2000−328088公報
本発明の目的は、圧延油組成物を提供することである。
本発明の他の目的は、直接給油式冷間圧延油組成物を提供することである。
本発明のさらに他の目的は、ミル汚れの発生し難い圧延油組成物及び直接給油式冷間圧延油組成物を提供することである。
本発明のさらに他の目的は、被圧延材料や圧延ロールに対する付着量を向上させた圧延油組成物及び直接給油式冷間圧延油組成物を提供することである。
本発明のさらに他の目的は、圧延潤滑性能を変化させずに、圧延油の酸化劣化を防止して、脱脂性を改善した圧延油組成物及び直接給油式冷間圧延油組成物を提供することである。
本発明のさらに他の目的は、上記圧延油組成物又は直接給油式冷間圧延油組成物を用いた冷間圧延方法を提供することである。
本発明のさらに他の目的は、上記冷間圧延方法で生産される圧延鋼板を提供することである。
本発明者は、鋭意検討した結果、特定の油脂、及び特定のカチオン性高分子化合物を使用することにより、従来の圧延油組成物及び直接給油式冷間圧延油組成物と比較して付着量の向上、ミル汚れを改善することができることを見出した。さらに、特定のアミン系酸化防止剤を併用することにより、脱脂性を改善することができることを見出した。本発明は上記知見に基づいて完成されたものである。
本発明は以下に示す圧延油組成物、直接給油式冷間圧延油組成物、上記圧延油組成物又は直接給油式冷間圧延油組成物を用いた冷間圧延方法、上記冷間圧延方法で生産される圧延鋼板を提供するものである。
1.下記の成分(a)及び(b)を含む圧延油組成物。
(a)ヨウ素価が56〜72及び上昇融点が24℃以下であるパームオレイン油。
(b) 下記の式(1)で示される化合物の少なくとも1種(A群)と、アクリル酸アルキルエステル及びメタアクリル酸アルキルエステルからなる群から選ばれる少なくとも1種(B群)との共重合物であって、数平均分子量が3,000〜1,000,000のカチオン性高分子化合物。
Figure 0005444845
式中、R1は水素原子またはメチル基を示し、R2及びR3は各々独立して炭素原子数1〜3のアルキル基を示し、nは1〜5の整数を示す。
2.成分(b)のカチオン性高分子化合物が、A群の化合物とB群の化合物の質量比率が1:5から5:1の共重合物である、上記1記載の圧延油組成物。
3.さらに(c)アミン系酸化防止剤を含有する上記1又は2記載の圧延油組成物。
4.成分(b)のカチオン性高分子化合物が、圧延油組成物中に0.1〜40質量%含まれている、上記1〜3のいずれか1項記載の圧延油組成物。
5.成分(c)のアミン系酸化防止剤が、4,4′−テトラメチル−ジ−アミノジフェニルメタン、α−ナフチルアミン、及びN−フェニル−α−ナフチルアミンからなる群から選ばれる少なくとも1種である上記3又は4記載の圧延油組成物。
6.成分(c)のアミン系酸化防止剤が、圧延油組成物中に0.1〜40質量%含まれている、上記3〜5のいずれか1項記載の圧延油組成物。
7.上記1〜6のいずれか1項記載の圧延油組成物0.5〜100質量%と動植物油脂0〜99.5質量%からなる直接式供給用冷間圧延油組成物。
8.上記1〜7のいずれか1項記載の圧延油組成物を、被圧延材料表面及び/又は圧延ロール表面に直接給油することを特徴とする鋼板の冷間圧延方法。
9.上記8記載の冷間圧延方法で生産される圧延鋼板。
本発明の圧延油組成物は、パームオレイン油、及び特定のカチオン性高分子化合物を使用することにより、従来の圧延油組成物と比較し、付着量を増加させることにより潤滑性が向上し、鋼板表面品質及び生産性の向上がはかれる。また、ミル汚れを改善したことによりボタ落ちによる鋼板表面キズの減少及び作業環境の改善がはかれる。
さらに特定のアミン系酸化防止剤を併用することにより、従来の圧延油組成物と比較し、著しく脱脂性を向上させることができる。従って、次工程でのメッキ不良の低減がはかれる。
本発明の成分(a)に使用するパームオレイン油(パームオレインとも呼ぶ、palm olein oil)は、一般的にアブラヤシの果肉(油脂含量16〜20%)から圧搾によって得られる油脂を分別し、必要な性状をもつ油脂分に分けたパーム分別油の中の一つであり、潤滑作用に有効である。
パーム分別油には、高融点画分のパームステアリンとパームオレインがあり、パームオレインはさらに中融点画分と曇り点の低い低融点画分に分別することが行われている。パームオレイン油は低融点画分の油であり、JAS規格で酸価0.20以下、水分夾雑物0.1%以下、ヨウ素価56〜72、上昇融点24℃以下と規定されている。
本発明の油剤に使用するパームオレイン油は、ヨウ素価が56〜72及び上昇融点が24℃以下のものである。好ましくはヨウ素価が56〜65及び上昇融点が20℃以下のものである。
本発明の成分(b) のカチオン性高分子化合物は、基油の油水分離性を向上させる目的で使用される。このカチオン性高分子化合物の数平均分子量は、3,000〜1,000,000であり、より好ましくは、5,000〜100,000であり、最も好ましくは7,000〜50,000である。分子量が大きすぎると高粘度になり、又、組み合わせによっては樹脂状となって適切でない。分子量が小さ過ぎると、溶剤や油剤に混入した水を効率良く分離できなくなる。
本発明の成分(b) のカチオン性高分子化合物の製造に使用するA群の化合物の好ましい例としては、式(1)において、R1 、R2 、R3 がメチル基、nが3の化合物が挙げられる。本発明の成分(b) のカチオン性高分子化合物の製造に使用するB群の化合物の好ましい例としては、アクリル酸メチルエステル、アクリル酸エチルエステル、アクリル酸2−エチルヘキシルエステル、アクリル酸ラウリルエステル、アクリル酸ステアリルエステル、メタクリル酸メチルエステル、メタクリル酸エチルエステル、メタクリル酸2−エチルヘキシルエステル、メタクリル酸ラウリルエステル、メタクリル酸ステアリルエステル、などの化合物が挙げられる。
本発明の成分(b)のカチオン性高分子化合物のA群の化合物とB群の化合物の質量比率は、1:5から5:1の範囲が好ましい。A群の化合物の比率が多いと、溶剤や基油に対する溶解性が低下し、基油の油水分離効果が低くなる。またB群の化合物の比率が多いと、カチオン性が低下する。A群の化合物:B群の化合物の質量比率は、より好ましくは1:3から3:1であり、更に好ましくは1:2から2:1である。
本発明の圧延油組成物中の成分(b) のカチオン性高分子化合物の含有量は、好ましくは0.1〜40質量%、さらに好ましくは0.1〜30質量%、最も好ましくは0.1〜15質量%である。0.1質量%より少ないと効果が発現しにくくなり、40質量%より多いと、分散剤として作用するため、油水分離性が低下し付着量減少により圧延性が低下する。
本発明の成分(c)のアミン系酸化防止剤の具体例としては、4,4′−テトラメチル−ジ−アミノジフェニルメタン、α−ナフチルアミン、N−フェニル−α−ナフチルアミン等が挙げられる。
本発明の圧延油組成物において任意成分として使用することができる成分(c) のアミン系酸化防止剤の含有量は、圧延油組成物中、好ましくは0.1〜40質量%、さらに好ましくは0.1〜30質量%である。0.1質量%より少ないと効果が発現しにくくなり、40質量%より多いと、酸化安定効果が飽和し経済性が低下する。
本発明の圧延油組成物は、そのまま使用しても良いし、水及び/又は動植物油脂で希釈して使用しても良い。動植物油脂としては、パーム油、牛脂、ナタネ油等を用いる事ができる。
本発明の直接式供給用冷間圧延油組成物は、圧延油組成物0.5〜100質量%と動植物油脂0〜99.5質量%からなる。本発明の圧延油組成物及び直接式供給用冷間圧延油組成物を水に希釈して使用する場合は、好ましくは、4.0〜20.0質量%に希釈して使用する。
本発明の圧延油組成物は、任意の給油方法により被圧延材料表面に給油することができ、本発明はその給油方法に何ら限定されるものではない。例えば、圧延油組成物の原液と水をアジテータ等により強制的に分散させ、ノズルを用いて圧延機入り側で被圧延材料に給油してもよいし、特開平5-84508 号公報に開示されたノズルヘッダーを用いた給油方法により給油してもよい。
例えば、被圧延材料表面、圧延ロール表面に希釈液を適量、通常は、スタンド当り0.1〜15.0 L/min 程度供給する。本発明の圧延油組成物は、直接給油式の圧延油として特に優れている。
実施例A1〜A9、比較例A1〜A6
成分(a)のパームオレイン油、成分(b) のカチオン性高分子化合物を含有する本発明の圧延油組成物を調製した。また、比較例として成分(a)、成分(b)の内いずれか一方の成分を含まない圧延油組成物を調製した。
付着性試験
圧延油組成物を水で5質量%に希釈し、振り子式瞬間付着試験器により、鋼板表面に吹き付け、鋼板表面への付着量を調べた。この振り子式瞬間付着試験器は、垂直な支柱の下部に、水平な支持枠を設け、これに2個の水洗水ノズルと、該2個のノズルの中間に1個の圧延油組成物ノズルをそれぞれ下向きに設け、支柱上部に取り付けた振り子(長さ1.2m)の先端に鋼板を水平に取り付け、振り子を振ると鋼板表面がノズルの下面を通過し、その際ノズルからの液体が鋼板表面に付着するように構成されている。
水洗水ノズルから水洗水を、圧延油組成物ノズルから圧延油組成物を下向きに噴射しながら、振り子を90度の角度(振り速度4.8m/s)で振って、ノズル下面を1往復させ、振り子先端に取り付けた鋼板表面に水洗水→圧延油組成物→水洗水→圧延油組成物→水洗水をこの順に吹き付け、鋼板を裏返して鋼板裏面にも同様の吹き付け操作を行った。次いで鋼板表面の圧延油組成物の付着状態を観察した。また、圧延油組成物の付着量を重量法により測定した。振り子式瞬間付着試験の条件は以下のとおりである。
水洗水:40℃
水洗水圧力:10kg/cm2
水洗水ノズル:1/4KB0265(共立金属(株)製)
圧延油組成物濃度:5質量%、圧延油組成物圧力:5kg/cm2
圧延油組成物ノズル:1/4KB00880(共立金属(株)製)
イオン交換水温度:70℃
振り子角度:90度(鋼板通過速度:4.8m/s)
振り子回数:1回
鋼板:100×100×1.0mm
鋼板温度:100℃
鋼板表面の圧延油組成物の付着状態評価は以下の規準に従って行った。
付着量の評価
○:2.5mg以上、×:2.5mg未満
付着状態の評価
○:均一付着、×:不均一付着
潤滑性試験
付着性試験条件にて付着させた鋼板を、圧延ロール(Φ240mm 、幅100mm )を用い、圧延速度1000m/分、圧下率30%で圧延した。この時の、板厚変化及び圧延荷重を測定し、摩擦係数(μ)を算出した。ただし、鋼板については、30×200×0.8mmを使用した。
また、圧延後圧延鋼板の表面性状を観察し以下の規準に従って評価した。
摩擦係数の評価
○:0.050未満、×:0.050以上
圧延鋼板の表面性状
○:均一、×:不均一
ミル汚れ性試験
試験片(60×80×1.0mm)30枚を、圧延機を用いて各パス圧下率25%で2パス圧延した後の、ハウジング及びロールチョックに飛散し付着した圧延油組成物、発生摩耗粉による汚れ状態を目視により確認する。ミル汚れ性試験の条件は、以下のとおりである。評価は、圧延油組成物、発生摩耗粉による汚れ状態により評価した。
試験片:60×80×1.0mm
圧延機:ロール径:Φ150×100mm 、ロール速度:30m/min
圧延油組成物濃度:5質量%、圧延油組成物吐出圧力:3kg/cm2
圧延油組成物ノズル:1/4KB00880(共立金属(株)製)
イオン交換水温度:70℃
圧延油組成物、発生摩耗粉による汚れ状態の評価:□及び○を合格とした
○:固体状の汚れ付着物微量(極薄く微量付着)
□:固体状の汚れ付着物少量発生(狭い範囲に薄く付着)
×:固体状の汚れ付着物多量に発生(広範囲に厚みをもって付着)
結果を表1及び表2に示す。
Figure 0005444845
パームオレイン油;ヨウ素価が60、上昇融点が20℃
パーム油;ヨウ素価が35、上昇融点が42℃
カチオン性高分子化合物A;N−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]メタクリルアミド・オクタデシルメタクリレート共重合物(数平均分子量約10000)
カチオン性高分子化合物B;N−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]メタクリルアミド・オクタデシルメタクリレート共重合物(数平均分子量約1000)
カチオン性高分子化合物C;アクリル酸−マレイン酸=1/1の共重合物のNa塩(数平均分子量約11000)
Figure 0005444845
成分(a)のヨウ素価が56〜72及び上昇融点が24℃以下であるパームオレイン油と、成分(b) の、数平均分子量が約10,000の式(1)のカチオン性高分子化合物Aを使用した実施例A1〜A9の圧延油組成物は、付着性、潤滑性に優れ、ミル汚れも少ないことがわかる。
これに対して、実施例A2及びA3においてカチオン性高分子化合物Aの代わりに数平均分子量が1,000のカチオン性高分子化合物Bを使用した比較例A1及びA2、実施例A2及びA4において、カチオン性高分子化合物Aの代わりに式(1)に含まれないカチオン性高分子化合物Cを使用した比較例A3及びA4では、ミル汚れは少ないが、付着性及び潤滑性が劣ること、成分(a)のパームオレイン油を使用していない、比較例A5〜A6では、付着性及び潤滑性は良好であるが、ミル汚れが多いことがわかる。
実施例B1〜B27、比較例B1〜B8
成分(a)のパームオレイン油、成分(b) のカチオン性高分子化合物、成分(c) のアミン系酸化防止剤を含有する本発明の圧延油組成物を調製した。また、比較例として成分(a)、成分(b)、成分(c)の少なくとも1種を含まない圧延油組成物を調製した。
付着性、潤滑性、ミル汚れ性については前記の方法で評価し、酸化安定性及び脱脂性は以下に示す方法により評価した。
酸化安定性試験
JIS K−2514 潤滑油−酸化安定度試験方法のうち、タービン油酸化安定度試験により168時間後の酸価を測定し、その変化により評価した。
酸価の評価
○:5.0未満、×:5.0以上
脱脂性試験
試験片(60×80×1.0mm)10枚を、圧延機を用いて各パス圧下率25%で2パス圧延した後、圧延後の試験片を重ね合わせて圧着し、100℃の恒温槽に48時間放置し、脱脂性試験に供した。圧延条件、脱脂性試験の条件は、以下のとおりである。評価は、脱脂後銅メッキ処理を行い銅メッキ面積で評価した。
圧延条件
圧延油組成物濃度:5質量%、圧延油組成物圧力:3kg/cm2
圧延油組成物ノズル:1/4KB00880(共立金属(株)製)
イオン交換水温度:70℃
ロール径:150mm
ロール速度:30m/min
脱脂性試験条件
脱脂液:オルトケイ酸ソーダ 3%、75℃
脱脂時間:30秒浸漬
銅メッキ液:硫酸銅 3%、80℃
銅メッキ時間:3秒浸漬
銅メッキ面積の評価
○:銅メッキ面積100%、×:銅メッキ面積100%未満
結果を表3〜表6に示す。
Figure 0005444845
パームオレイン油;ヨウ素価が60、上昇融点が20℃
パーム油;ヨウ素価が35、上昇融点が42℃
カチオン性高分子化合物A;N−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]メタクリルアミド・オクタデシルメタクリレート共重合物(数平均分子量約10000)
カチオン性高分子化合物B;N−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]メタクリルアミド・オクタデシルメタクリレート共重合物(数平均分子量約1000)
カチオン性高分子化合物C;アクリル酸−マレイン酸=1/1の共重合物のNa塩(数平均分子量約11000)
アミン系酸化防止剤A;N−フェニル−α−ナフチルアミン
アミン系酸化防止剤B;α−ナフチルアミン
フェノール系酸化防止剤A;N−n−ブチル−p−アミノフェノール
フェノール系酸化防止剤B;2,6−ジ−ターシャリーブチル−p−クレゾール
Figure 0005444845
Figure 0005444845
Figure 0005444845
成分(a)のパームオレイン油、成分(b) のカチオン性高分子化合物、成分(c) のアミン系酸化防止剤を含有する実施例B1〜B27の圧延油組成物は、付着性、潤滑性、ミル汚れ性、酸化安定性及び脱脂性のすべての評価項目において優れた結果を示している。
これに対して、実施例B2において、成分(b)のカチオン性高分子化合物Aの代わりに、カチオン性高分子化合物B又はCを使用した比較例B1及びB2では、付着性及び潤滑性が劣っている。
実施例B13及びB17において、アミン系酸化防止剤Bの代わりにフェノール系酸化防止剤A又はBを使用した比較例B3及びB4では、酸化安定性及び脱脂性が劣っている。
本発明の成分(b) の代わりにカチオン性高分子化合物Bを使用し、本発明の成分(c) の代わりにフェノール系酸化防止剤Aを使用した比較例5では、付着性、潤滑性、酸化安定性及び脱脂性が劣っている。
本発明の成分(a)の代わりにパーム油を使用し、本発明の成分(c) の代わりにフェノール系酸化防止剤Bを使用した比較例6では、酸化安定性、脱脂性及びミル汚れ性が劣っている。
本発明の成分(a)の代わりにパーム油又は牛脂を使用し、本発明の成分(b) の代わりにカチオン性高分子化合物B又はCを使用した比較例7及び8では、付着性、潤滑性及びミル汚れ性が劣っている。

Claims (6)

  1. 下記の成分(a)、(b)及び(c)を含む圧延油組成物。
    (a)ヨウ素価が56〜72及び上昇融点が24℃以下であるパームオレイン油からなる基油
    (b) 組成物の全質量を基準として0.1〜40質量%の、下記の式(1)で示される化合物の少なくとも1種(A群)と、アクリル酸アルキルエステル及びメタアクリル酸アルキルエステルからなる群から選ばれる少なくとも1種(B群)との共重合物であって、数平均分子量が3,000〜1,000,000の油溶性カチオン性高分子化合物。
    Figure 0005444845
    式中、R 1 、R 2 及びR 3 は炭素原子数1のアルキル基を示し、nはの整数を示す。
    (c) 組成物の全質量を基準として10〜40質量%のアミン系酸化防止剤
  2. 成分(b)のカチオン性高分子化合物が、A群の化合物とB群の化合物の質量比率が1:5から5:1の共重合物である、請求項1記載の圧延油組成物。
  3. 成分(c)のアミン系酸化防止剤が、4,4′−テトラメチル−ジ−アミノジフェニルメタン、α−ナフチルアミン、及びN−フェニル−α−ナフチルアミンからなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項1又は2記載の圧延油組成物。
  4. 請求項1〜のいずれか1項記載の圧延油組成物0.5〜100質量%と動植物油脂0〜99.5質量%からなる直接式供給用冷間圧延油組成物。
  5. 請求項1〜のいずれか1項記載の圧延油組成物を、被圧延材料表面及び/又は圧延ロール表面に直接給油することを特徴とする鋼板の冷間圧延方法。
  6. 請求項記載の冷間圧延方法で生産される圧延鋼板。
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