JP2004244388A - スフィンゴ脂質誘導体 - Google Patents

スフィンゴ脂質誘導体 Download PDF

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Abstract

【課題】抗腫瘍剤、抗インフルエンザ剤等の医薬、保湿剤、育毛剤等の化粧品、農薬、工業薬品として有用なスフィンゴ脂質誘導体を提供する。
【解決手段】下記一般式(1)で示される同一分子内にセラミド誘導体を2分子有する新規なスフィンゴ脂質誘導体。
一般式(1)
【化1】
Figure 2004244388

(式中、Rは有機基を示す。RからRは、水素原子もしくは有機基を示す。RとR、RとR、RとRは、それぞれ同一でも異なっていてもよい。)
【選択図】なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、抗腫瘍剤、抗インフルエンザ剤等の医薬、保湿剤、育毛剤等の化粧品、農薬、工業薬品などの幅広い用途に応用可能な新規なスフィンゴ脂質誘導体に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、スフィンゴ脂質誘導体は、抗腫瘍剤、抗インフルエンザ剤等の医薬、保湿剤、育毛剤等の化粧品、農薬、工業薬品などに幅広く用いられている重要な化合物として知られている。
このようなスフィンゴ脂質誘導体の人工的合成法としては、セリンもしくはセリン誘導体を出発原料とするスフィンゴミエリンの合成法の開発が主として行われ、特に、スフィンゴミエリンの中間体であるガーナーアルデヒド、スフィンゴシン、セラミドなどの合成に関してはほぼ合成経路が確立されおり(非特許文献1)、また、Slotteらの報告論文(非特許文献2)には、スフィンゴミエリンの全合成法が報告されている。
【0003】
しかしながら、スフィンゴ脂質関連化合物はその興味ある特性、物性が注目されているにも拘わらず、研究途中の段階にあり、未だ文献未載の化合物が多く存在し、たとえば同一分子内にセラミド誘導体を2分子有するスフィンゴ脂質誘導体は知られていなかった。
【0004】
【非特許文献1】Chem.Phys.Lipids,1999,3頁
【非特許文献2】Biochemistry,1991,10746頁
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は医薬、化粧品等として有用な、同一分子内にセラミド誘導体を2分子有する新規なスフィンゴ脂質誘導体を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明によれば、下記一般式(1)で示される同一分子内にセラミド誘導体を2分子有する新規なスフィンゴ脂質誘導体が提供される。
一般式(1)
【化2】
Figure 2004244388
(式中、Rは有機基を示す。RからRは、水素原子もしくは有機基を示す。RとR、RとR、RとRは、それぞれ同一でも異なっていてもよい。)
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の目的生成物である新規なスフィンゴ脂質誘導体は、下記一般式(1)で表すことができる。
一般式(1)
【化3】
Figure 2004244388
(式中の各記号は前記と同じ。)
【0008】
前記RからRは、いずれも有機基を示すが、Rは2価有機基を示し、RからRは1価有機基を示す。これらの有機基RからRにおいて、それに含まれる炭素数は、100以下、好ましくは50以下、さらに好ましくは25以下である。
前記Rを構成する有機基(1価有機基)には、脂肪族基、芳香族基及び複素環基が包含される。
脂肪族基には、鎖状及び環状のものが包含され、さらに、飽和及び不飽和のものが包含される。鎖状脂肪族基には、アルキル基及びアルケニル基が包含される。環状脂肪族基には、シクロアルキル基及びシクロアルケニル基が包含される。
アルキル基において、その主鎖を構成する炭素数は、好ましくは1〜60、より好ましくは1〜25である。
アルケニル基において、その主鎖を構成する炭素数は、好ましくは2〜50、より好ましくは2〜25である。シクロアルキル基及びシクロアルケニル基において、その環数は1つ又は複数(2〜4、好ましくは2〜3)であることができる,その分子中に含まれる全炭素環を構成する炭素数は5〜60、好ましくは6〜25である。
【0009】
前記芳香族基には、単環のもの及び多環のものが包含され、多環のものには、縮合多環のもの及び鎖状多環のものが包含される。より具体的には、芳香族基には、アリール基及びアラルキル基が包含される。
【0010】
アリール基は、単環または多環構造のものであることができ、その分子中に含まれる全炭素数を構成する炭素数は6〜60、好ましくは6〜25である。アラルキル基は、単環または多環構造のものであることができ、その分子中に含まれる全炭素環を構成する炭素数は7〜70、好ましくは7〜35である。
【0011】
複素環基には、脂肪族複素環基及び芳香族複素環基が包含される。複素環基を構成する環構成元素には、1つ又は複数のへテロ元素(酸素、窒素、イオウ、セレン等)が包含される。
複素環基は、単環又は多環構造のものであることができ、その分子中に含まれる全複素環を構成する元素数は5〜50、好ましくは5〜25である。
芳香族複素環基としては、チオフェン環、フラン環、ピロール環、ピリジン環、キノキサリン環、プリン環、オキサゾール環、ベンゾオキサゾール環、ナフトオキサゾール環、チアゾール環、ベンゾチアゾール環、ナフトチアゾール環、セレナゾール環、ベンゾセレナゾール環、ナフトセレナゾール環、イミダゾール環、ベンゾイミダゾール環、ナフトイミダゾール環、キノリン環、アクリジン環、フェナントロリン環等の芳香族複素環由来のものを挙げることができる。
【0012】
脂肪族複素環基としては、ピラゾリン環、ピラリジン環、ピペリジン環、インドリン環、モルホリン環、ピラン環、イミダゾリジン環、チアゾリン環、イミダゾリン環、オキサゾリン環等の脂肪族複素環由来のものを挙げることができる。
【0013】
前記有機基の具体例としては、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、2−メチルブチル、1−メチルブチル、n−へキシル、イソヘキシル、3−メチルペンチル、2−メチルペンチル、1−メチルペンチル、ヘプチル、オクチル、イソオクチル、2−エチルヘキシル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、テトラデシル、ヘキサデシル、オクタデシル、エイコシル、シクロペンチル、シクロへキシル、アダマンチル、ビニル、プロペニル、ブテニル、アクリル、メタクリル、オクチニル、ドデセニル、ウンデセニル、シクロヘキセニル、フェニル、トリル、ピレニル、フェナントレニル、ナフチル、ビフェニリル、ターフェニリル、ベンジル、フェネチル、ナフチルメチルの他、前記した各種複素環由来の複素環基が挙げられる。
【0014】
前記Rを構成する2価有機基には、前記Rに関して示した各種の1価有機基からさらに1個の水素原子を除いた有機基が包含される。
【0015】
前記RからRを構成する有機基は、本発明の合成反応に関与しない不活性な置換基を有していてもよい。このような置換基には、置換あるいは未置換アリール基、カルボニル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アシル基、アシルオキシ基、アルキルまたはアリールスルホニル基、ニトロ基、ハロゲン(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、よう素原子)等が包含される。
【0016】
また、前記有機基RからRは、その有機基の主鎖中に、異種原子(へテロ原子)を含有することができる。異種原子には、酸素原子、窒素原子、イオウ原子、ケイ素原子等が包含される。
【0017】
さらに、前記有機基RからRは、金属原子を含有していてもよい。この場合、金属原子としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウムなどのアルカリ金属、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウムなどのアルカリ土類金属、ホウ素、アルミニウム、チタン、錫、鉄などの金属原子を挙げることができる。これらの金属原子は、通常、炭素一金属の結合や、イオン結合等の結合形態で有機基に含まれる。
【0018】
本発明における前記の1価有機基RからRは、糖化合物残基(糖化合物から1つの水素原子を除いた基)であることができる。この場合の糖化合物には、単糖、アミノ糖、オリゴ糖及びそれらの変性物が包含される。
【0019】
単糖化合物は、下記一般式(2)
Cn(HO)n (2)
(式中、nは1〜10の数、好ましくは5〜8の数である)
で表される化合物である。この単糖化合物には、好ましくはペントース、へキソース、デオキシへキソース、へプトース等が包含される。
単糖化合物の具体例としては、例えば、アラビノース、リボース、キシロース、グルコース、ガラクトース、マンノース、フルクトース、ラムノース、フコース、ジギトキソース、チマロース、オレアンドロース、ジギタロース、アビオース、ハマメロース、ストレプトース、セドへプチュロース、コリオース等が挙げられる。
【0020】
アミノ糖合物(糖のアミノ誘導体)の具体例としては、例えば、グルコサミン、ガラクトサミン、2−デオキシ−2−メチルアミノグルコースなどが例示される。
オリゴ糖化合物類には、非還元性オリゴ糖、還元性オリゴ糖が包含される。具体的には、ショ糖、トレハロース、ゲンチアノース、ラフィノース、乳糖、セルビオース、麦芽糖、ゲンチオビオースなどが例示される。
【0021】
前記糖化合物は、通常、その糖骨格の末端の1位炭素原子に結合する酸素原子を介してアセチレン炭素に結合する。
【0022】
本発明における前記1価有機基RからRは、アミン化合物残基であることができる。このアミン化合物において、その炭素数は50以下、好ましくは35以下であり、より好ましくは2〜12である。窒素原子の割合は、炭素原子数[C]に対する窒素原子数[N]の比[N]/[C]で、1/50〜2/1、好ましくは1/35〜1/1である。
このアミン化合物は、通常、その窒素原子を介してアセチレン炭素原子に結合する。
【0023】
前記アミン化合物には、第1級〜第3級アミンの他、アミノ酸化合物及びペプチド化合物が包含される。
【0024】
アミノ酸化合物の具体例としては、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、セリン、トレオニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、アスパラギン、グルタミン、リジン、オルニチン、アルギニン、ヒスチジン、ヒドロキシリジン、システイン、シスチン、メチオニン、フェニルアラニン、チロシン、トリプトファン、プロリン、4−ヒドロキシプロリン、トリコロミン酸、イポテン酸、キスカリン酸、カナバニン、カイニン酸、ドモイ酸、1−アミノシクロプロパンカルボン酸、2−(メチレンシクロプロピル)グリシン、ヒポグリシンA、3−シアノアラニン、アベナ酸、ムギネ酸、ミモシン、レボドパ、β−ヒドロキシ−γ−メチルフルタミン酸、5−ヒドロキシトリプトファン、パントテン酸、ラミニン、ベタシアニンなどが例示される。また、タウリンなどスルホン酸基を有するアミン化合物なども挙げられる。
【0025】
前記アミン化合物(アミノ酸化合物及びペプチド化合物を含む)は、ハロゲン原子を含有することができる。また、このアミン化合物は、リン酸基とアミノアルコール(コリン、エタノールアミン、セリン等)とが縮合した構造のものでも良い。
【0026】
本発明における前記1価有機基RからRは、核酸化合物残基であることができる。この核酸化合物において、その炭素数は150以下、好ましくは100以下であり、より好ましくは4〜50である。
この核酸化合物は、通常、その酸素、窒素又は炭素原子を介してアセチレン炭素に結合する。
核酸化合物には、ヌクレオシド、ヌクレオチド、もしくはヌクレオチド単位のポリマー鎖が包含される。ヌクレオシドとしては、シトシン、チミン、アデニン、グアニンに含まれる塩基と2−デオキシリボースまたはリボースの糖が結合したものを示すことができる。ヌクレオチドとしては、ヌクレオシドの糖にリン酸基が結合したものを示すことができる。チミンとしては、ウラシルを示すことができる。
【0027】
本発明の一般式(1)で示されるスフィンゴ脂質誘導体は、たとえば、次のようにして合成することができる。
まず、表1に示されるように、前記非特許文献2に記載の方法に準じてセリンもしくはセリン誘導体を出発原料とし、中間体であるガーナ−アルデヒドまで合成する。つぎにこのガーナ−アルデヒドにRもしくはRをカップリングさせ、脱アセトナイド、脱Bocを行い、スフィンゴシン誘導体に導く。引き続き、RもしくはRを1級水酸基と反応させた後、RもしくはRを2級水酸基と反応させ、化合物AおよびBを合成する。ついで両者をRとカップリング反応させることにより所望とするスフィンゴ脂質誘導体を得ることができる。また、後記表2に示すようにスフィンゴシン誘導体とRを反応させた後、RもしくはRを1級水酸基と反応させ、引き続きRもしくはRを2級水酸基と反応させることにより所望のスフィンゴ脂質誘導体を得ることもできる。
【0028】
【表1】
Figure 2004244388
【0029】
本発明の一般式(1)で示されるスフィンゴ脂質誘導体は、同一分子内にセラミド誘導体を2分子有するので、セラミド1分子からなるスフィンゴ脂質誘導体は、細胞膜の外膜や内膜に集積するが、内膜と外膜の位置は異なる。同一分子内にセラミド誘導体を2分子有するスフィンゴ脂質誘導体は、細胞膜での集積時、外膜と内膜とを貫通した状態で存在すると考えられ、膜貫通型の界面活性としての性質を有することから、抗腫瘍剤、抗インフルエンザ剤等の医薬、保湿剤、育毛剤等の化粧品、農薬、工業薬品などに幅広く利用することができる。
【0030】
【実施例】
以下、本発明につき実施例を挙げて説明するが、その要旨を越えない限り以下に限定されるものではない。
【0031】
表2に示す合成スキームにしたがって、本発明のスフィンゴ脂質誘導体(化合物12)を合成した。
【0032】
[化合物1の合成]
化合物1は下記文献を参考に合成した。
Helv.Chim.Acta.,1988,354、J.Med.Chem.,1999,2687、Bioorg.Med.Chem.Lett.,1998,179
【0033】
[化合物2の合成]
窒素雰囲気下、1−ヘプチン(3.87mL,29.4mmol)を脱水テトラヒドロフランに溶解し−40度で攪拌した。この溶液に、n−ブチルリチウムのヘキサン溶液(1g/mL,18.9mL)を滴下し、同温度で15分間攪拌させた。この反応溶液に、化合物1(2.25g,9.82mmol)のテトラヒドロフラン溶液を滴下し、−20度まで1時間かけてゆっくりと加温した。この溶液に塩化アンモニウム飽和水溶液を加えた後、酢酸エチルで3回抽出操作を行った。有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。有機層を減圧留去して得られたシロップ状の粗生成物(3.215g)を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル=10:1)で精製し、化合物2(2.3g,、72.1%)を得た。
【0034】
[化合物3の合成]
化合物2(1.5g,4.61mmol)をメタノールに溶かし、p−トルエンスルホン酸1水和物(10mg)を加えて窒素雰囲気下室温で攪拌した。25時間後、p−トルエンスルホン酸1水和物(20mg)を加えてさらに24時間攪拌した。メタノールを減圧留去して得られた残渣に、炭酸水素ナトリウム飽和水溶液と酢酸エチルを加えて分液した。水層をさらに酢酸エチルで2回抽出し、得られた有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。有機層を減圧留去して得られたシロップ状の粗生成物(1.305g)を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル=3:1から1:1)で精製し、化合物3(1.25g,94.9%)を得た。
【0035】
[化合物4の合成]
窒素雰囲気下、脱アセタール体(726mg,2.55mmol)を脱水エチルエーテルに溶かし、−20度で攪拌させた。この溶液に、Red−Alのトルエン溶液(濃度65%,3.82mL,12.7mmol)を脱水エチルエーテルで希釈した溶液を滴下し、−20度から室温まで1時間かけてゆっくりと加温した。この反応溶液を、さらに室温で24時間攪拌させたのち、メタノール、飽和のロッシェル塩水溶液(50mL)を加え、酢酸エチルで3回抽出した。得られた有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。有機層を減圧留去して得られた粗生成物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル=2:1から1:2)で精製し、化合物5(488mg,66.7%)を得た。
【0036】
[化合物5の合成]
化合物4(485mg,1.69mmol)をトリフルオロ酢酸(1.0mL)に溶かし、氷冷下15分間攪拌後、室温にて30分攪拌した。さらに、トリフルオロ酢酸(0.5mL)を加え、室温にて1時間攪拌した。トリフルオロ酢酸を減圧留去させ、2Mの水酸化ナトリウム水溶液(5mL)を加えエチルエーテルで5回抽出した。得られた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、エチルエーテルを減圧留去して化合物5(310mg,98%)を得た。
【0037】
[化合物6の合成]
化合物5(19mg、0.1mmol)の脱水テトラヒドロフラン溶液に、調製したヘキサデカン二酸スクシンイミドエステル(15mg、0.05mmol)を加え、窒素雰囲気下室温で攪拌した。この溶液に脱水トリエチルアミン(0.014mL、0.1mmol)を加え、窒素雰囲気下室温で24時間攪拌した。その後、溶媒を減圧留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル:メタノール=10:10:1)で精製し、化合物6(23.1mg、73.9%)を得た。
【0038】
生成物は、H−NMRスペクトルにより同定した。
【0039】
H−NMR(TMS、CDCl):6.28(2H、d、J=7.7Hz)、5.79(2H、dtd、J=15.3、6.7、1.0Hz)、5.53(2H、ddt、J=15.3、6.4、1.0Hz)、4.32(2H、brs)、3.95(2H、brd、J=11.9Hz)、3.91(2H、m)、3.71(2H、m)、2.85(4H、brs)、2.23(4H、t、J=7.4Hz)、2.06(4H、dt、J=7.5、6.7Hz)、1.64(4H、tt、J=7.4、7.4Hz)、1.38(4H、tt、J=7.4、7.4Hz)、1.25−1.30(14H、m)、0.89(6H、t、J=7.0Hz)。
【0040】
[化合物7の合成]
化合物6(10mg、0.016mmol)の無水ピリジン溶液に、N,N−ジメチルアミノピリジン(0.032mg、0.0026mmol)を加え、室温で2時間攪拌後、塩化ベンゾイル(0.006ml、0.052mmol)を加え、同温度で20時間攪拌した。飽和塩化アンモニウム水溶液を加え激しく攪拌した後、クロロホルムで3回抽出した。得られた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水した。有機層を減圧留去して得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル=2:1からn−ヘキサン:酢酸エチル:メタノール=6:6:1)で精製し、化合物7(7.3mg、54.8%)を得た。
【0041】
生成物は、H−NMRスペクトルにより同定した。
【0042】
H−NMR(TMS、CDCl):8.02(4H、d、J=8.3Hz)、7.58(2H、t、J=7.6Hz)、7.45(4H、t、J=8.0Hz)、5.98(2H、d、J=7.9 Hz)、5.77(2H、dt、J=15.5、6.7Hz)、5.53(2H、ddt、J=15.5、6.7、1.0Hz)、4.56(2H、dd、J=12.5、8.3 Hz)、4.41(4H、m)、4.27(2H、brs)、2.87(2H、d、J=5.0Hz)、2.19(4H、t、J=7.6Hz)、2.01(4H、m)、1.58(4H、m)、1.34(4H、m)、1.34−1.20(28H、m)、0.87(6H、t、J=7.0Hz)。
【0043】
[化合物8の合成]
氷冷下、化合物7(20mg、0.024mmol)の脱水ジクロロメタン溶液に2,6−ルチジン(0.011ml、0.096mmol)を加え、同温度で1時間攪拌した。この溶液にt−ブチルジメチルシラントリフラート(0.072mmol)をゆっくり滴下後、室温までゆっくり上昇させ、さらに室温で1時間攪拌した。飽和食塩水を加え攪拌し、ジクロロメタンで3回抽出を行った。得られた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧留去して化合物8を得た。
【0044】
[化合物9の合成]
化合物8(20mg、0.024mmol)の脱水ジクロロメタン:脱水メタノール溶液(1:1)に炭酸カリウム(20mg)を加え、冷蔵庫で3日間静置させ、化合物9を定量的に得た。
【0045】
[化合物10の合成]
5当量の2−ブロモエチルジクロロホスフェートの無水ジエチルエーテル溶液に、氷冷下、当量のトリエチルアミン、化合物9の無水ジエチルエーテル溶液を滴下した。同温にて3.5時間撹拌した後、0.5N塩化カリウム水溶液を加え、ジエチルエーテルで希釈し1時間撹拌した。ジエチルエーテルで抽出した後、水、飽和食塩水の順で洗浄した。分離した有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥、濾過した後、溶媒を減圧下にて留去し、化合物10を得た。
【0046】
[化合物11の合成]
化合物10をクロロホルム:イソプロピルアルコール:アセトニトリル(3:3:5)に溶解させ、30%トリメチルアミン水溶液を加えて、50℃にて4時間撹拌した。冷後、減圧下にて濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=10:1)で精製し、化合物11を74%で得た。
【0047】
[化合物12の合成]
化合物11の無水テトラヒドロフラン溶液に氷冷下、2当量のテトラn−ブチルアンモニウムフルオリド(1.0Mテトラヒドロフラン溶液)を加え、室温にて4時間撹拌した。反応溶液を減圧下にて濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=5:1)で精製し、化合物12を収率88%で得た。
【0048】
生成物はH−NMRスペクトルにより同定した。
【0049】
H−NMR(CDCl−CDOD、TMS):7.19(2H、d、J=8.3Hz)、5.64(2H、dtd、J=15.3、6.7、1.0Hz)、5.40(2H、ddt、J=15.3、6.4、1.0Hz)、4.32(2H、brs)、3.92−3.81(8H、m)、3.71(2H、m)、3.43(4H、m)、3.20(18H、s)、2.85(2H、brs)、2.23(4H、t、J=7.4Hz)、2.06(4H、dt、J=7.5、6.7Hz)、1.64(4H、tt、J=7.4、7.4Hz)、1.38(4H、tt、J=7.4、7.4Hz)、1.25−1.30(28H、m)、0.89(6H、t、J=7.0Hz)。
【0050】
【表2】
Figure 2004244388
【0051】
【発明の効果】
本発明によれば、同一分子内にセラミド誘導体を2分子有する新規スフィンゴ脂質誘導体が提供される。
本発明方法で得られるスフィンゴ脂質誘導体は、抗腫瘍剤、抗インフルエンザ剤等の医薬、保湿剤、育毛剤等の化粧品、農薬、工業薬品などに幅広く用いられる。

Claims (1)

  1. 下記一般式(1)で示される、
    一般式(1)
    Figure 2004244388
    (式中、Rは有機基を示す。RからRは、水素原子もしくは有機基を示す。RとR、RとR、RとRは、それぞれ同一でも異なっていてもよい。)
    で表されるスフィンゴ脂質誘導体。
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