JP2004243933A - 車両用屋上装着型空調装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】安価でかつ複雑な制御をすることなく吸込口8に風が流れ込み易い構造として、コンデンサ4の冷媒凝縮能力を向上させると共に、コンデンサファン5の負荷を軽減することのできる車両用屋上装着型空調装置を提供する。
【解決手段】吸込口8に車両前方側開口部16aと車両上方側開口部16bとを開口させた吸込部用カバー16を設けると共に、その吸込部用カバー16の車両上方側開口部16bの車両前方側端に回動支点17aを置いた自重で垂下する開口部切換ドア17を設けた。
これにより、常に吸込口8に風が流れ込み易い最適角度に開口部切換ドア17が動く構造となり、コンデンサ4の冷媒凝縮能力を向上させると共に、コンデンサファン5の負荷を軽減することができる。
【選択図】 図3
【解決手段】吸込口8に車両前方側開口部16aと車両上方側開口部16bとを開口させた吸込部用カバー16を設けると共に、その吸込部用カバー16の車両上方側開口部16bの車両前方側端に回動支点17aを置いた自重で垂下する開口部切換ドア17を設けた。
これにより、常に吸込口8に風が流れ込み易い最適角度に開口部切換ドア17が動く構造となり、コンデンサ4の冷媒凝縮能力を向上させると共に、コンデンサファン5の負荷を軽減することができる。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、コンデンサユニットが車両の屋上に装着されるタイプの空調装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、高福祉化・バリアフリー法案等で、人にやさしい車両として、例えばバスでは従来の標準床(2ステップ)バスに替わり、車両床高さが低く乗客の乗り降りが容易な低床(1ステップ・0ステップ)バスが主流になりつつある。そのため、バス用の空調装置の中で、従来はバス車両床下に搭載されていた冷媒凝縮のためのコンデンサユニットが車両の屋根上に搭載される様になった。このような屋根置きタイプのコンデンサユニットとして、図7に示すようなものがある。
【0003】
しかし、このような屋根置きタイプのコンデンサユニット1では、図7に示すように、車両走行時に吸込口8が負圧となって外気の吸込み量が低下するという問題がある。そのため、本出願人は特許文献1に示すように、吸込口8の上下に可変ルーバを設けたものを先に出願している。尚、図7中の符号は、後述する本発明の実施形態中の符号と対応するものである。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−318429号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特許文献1にある可変ルーバは、車両走行時と停車時とに合わせて、吸込口に風が流れ込み易い最適角度に向けるものである。当然、ルーバを可動させるための電源・ハーネス・サーボモータ・リンク機構等の部品が必要となるうえ、車速等に応じてルーバを最適角度にするための車速センサーや制御アンプ等も必要となりコストアップするという問題がある。
【0006】
図8は、コンデンサユニット1を搭載したバス車両2の側面図である。バス車両の場合一定車速でも、屋根上の風速は車両前方には無風部分も発生するうえ、車両後方では早い傾向にあり、コンデンサユニット1の搭載位置により一定車速でもかなり風速にばらつきがある。そのため、特許文献1にあるルーバを最適角度に可動させるのは、かなり複雑な制御が必要となるという問題がある。
【0007】
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑みて成されたものであり、その目的は、安価でかつ複雑な制御をすることなく吸込口に風が流れ込み易い構造として、コンデンサの冷媒凝縮能力を向上させると共に、コンデンサファンの負荷を軽減することのできる車両用屋上装着型空調装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1ないし請求項2に記載の技術的手段を採用する。すなわち、請求項1に記載の発明では、吸込口(8)に車両前方側開口部(16a)と車両上方側開口部(16b)とを開口させた吸込部用カバー(16)を設けると共に、その吸込部用カバー(16)の車両上方側開口部(16b)の車両前方側端に回動支点(17a)を置いた自重で垂下する開口部切換ドア(17)を設け、その開口部切換ドア(17)は、車両停止時には自重で垂下して車両前方側開口部(16a)を閉じて車両上方側開口部(16b)を開き、車両走行時には走行風に応じて車両前方側開口部(16a)を開くと共に車両上方側開口部(16b)を絞ることを特徴とする。
【0009】
これは、車両走行時〜停車時の走行風に応じて両開口部(16a・16b)の割合を可変するため、電源・ハーネス・サーボモータ・リンク機構等の駆動部品が不要であり、車速や搭載位置に応じた制御も不要のため車速センサー・制御アンプ等の制御部品も不要であり、安価でかつ搭載安易な構造となる。
【0010】
また、上記の各構成部品が必要ないシンプルな構造のため、故障が少なく信頼性の高い装置となる。これにより、常に吸込口(8)に風が流れ込み易い最適角度に開口部切換ドア(17)が動く構造となり、コンデンサ(4)の冷媒凝縮能力を向上させると共に、コンデンサファン(5)の負荷を軽減することができる。
【0011】
請求項2に記載の発明では、車両上方側開口部(16b)もしくは開口部切換ドア(17)を複数設けたことを特徴とする。車両上方側開口部(16b)を複数設けたことにより、コンデンサユニット(1)の高さ寸法を大きくすることなく、車両停止時に開口するため流入速度の遅い車両上方側開口部(16b)側の開口面積を広く構成することができる。
【0012】
また、この複数設けた車両上方側開口部(16b)に対応させて開口部切換ドア(17)を複数設けても良いし、車両前方側開口部(16a)を複数の開口部切換ドア(17)で開閉するようにしても良い。尚、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。図1はコンデンサユニット1を搭載したバス車両2の斜視図であり、図2はコンデンサユニット1の概略構成を示す斜視図である。尚、本実施形態中に示す上下・左右・前後はバス車両2、およびバス車両2に搭載されたコンデンサユニット1を視点とした方向を示すものである。
【0014】
本実施形態に示すコンデンサユニット1は、バス車両2の屋上に装着されるケーシング3の内部に、冷媒を凝縮させるコンデンサ4と、コンデンサ4に冷却風を通過させるためのコンデンサファン5と、機能品に相当するレシーバ6およびドライヤ7等が配置されたものである。コンデンサ4は、冷凍サイクルにおいてコンプレッサ12で圧縮した高温高圧の冷媒を外気と熱交換して凝縮液化させるためのもので、ケーシング3の車両前方側の左右中央に配置される。
【0015】
このコンデンサ4は、薄型に設けられており、外気が上下方向(やや前方からやや後方)に通過するように、少し前傾した状態で略水平に配置されている。ケーシング3は、上下ケースを組み合わせたものであり、車両前方側にはコンデンサ4と熱交換される外気を取り入れる吸込口8が開口して設けられている。この吸込口8は、前傾配置されるコンデンサ4の上面(コンデンサ4の外気流入口)に対向する部位に開口されており、走行風をケーシング3内に積極的に取り込むように設けられている。
【0016】
コンデンサ4の後方におけるケーシング3の上面には、コンデンサ4を通過した外気を排出する排出口9が複数開口して設けられている。この複数の排出口9の内部には、それぞれコンデンサファン5が配置されている。このコンデンサファン5は、ケーシング3の前面の吸込口8から外気を吸込み、コンデンサ4を通過した外気を排出口9から強制排出するものであり、図示しない制御回路によって、冷凍サイクルの運転中に作動するように設けられている。
【0017】
レシーバ6は、コンデンサ4で凝縮された冷媒を気液分離し、液冷媒を図示しない減圧装置に導くためのものであり、本実施形態でレシーバ6は2つ用いられている。ドライヤ7は、冷媒中に含まれる水分を取り除くためのものであり、本実施形態ではドライヤ7も2つ用いられている。これら、2つのレシーバ6および2つのドライヤ7は、ケーシング3内において、コンデンサ4およびコンデンサファン5の左右両側に配置されている。
【0018】
このように、レシーバ6およびドライヤ7をコンデンサ4の左右両側のスペースに配置したことにより、ケーシング3の左右上面の曲率を大きくでき、ケーシング3の左右コーナー部分が車両2の屋上において張り出す不具合を回避できる。
【0019】
10はこれらの構成部品を保持するベースとなるフレーム&プレートである。図示しない減圧装置によって減圧された冷媒は、図1に示すクーリングユニット13において車室内空気を冷却してコンプレッサ12へと戻る。14はこれら空調装置を制御する制御装置であり、15は運転者が空調装置を操作するためのコントロールパネルである。
【0020】
次に、本発明の要部の構成を、図3・4を用いて説明する。図3は本発明の一実施形態におけるコンデンサユニット1の概略断面図であり、図4は本発明の要部である吸込部用カバー16の構造を示す斜視図である。まず吸込口8の上に、車両前方側開口部16aと車両上方側開口部16bとを開口させた吸込部用カバー16を設けている。
【0021】
尚、車両上方側開口部16bは複数開口させている。そして、この吸込部用カバー16に開口した各車両上方側開口部16bの各車両前方側端に、回動支点としてドアシャフト部17aを置いて自重で垂下する開口部切換ドア17を、各車両上方側開口部16bに対応させて複数設けている。
【0022】
次に、本発明の要部の作動を、図5・6を用いて説明する。図5は車両停車時のコンデンサユニット1の概略断面図であり、図6は車両走行時のコンデンサユニット1の概略断面図である。まず、図5に示す車両停止時には、先の開口部切換ドア17は自重で垂下して、車両前方側開口部16aを閉じて各車両上方側開口部16bを開く。また、図6に示す車両走行時には、車両前方側からの走行風によって各開口部切換ドア17が車両後方側に持ち上げられ、車両前方側開口部16aを開くと共に車両上方側開口部16bを絞ることとなる。
【0023】
このように、車両走行中は、走行によって生じる走行風によって外気が車両前方側開口部16aから吸込口8を通って積極的にコンデンサ4に流入し、コンデンサファン5の作動によって排出口9から排出される。この時、各開口部切換ドア17は、水平方向に流れる走行風を吸込口8側へ曲げる効果もある。このように、走行風によって外気が積極的にコンデンサ4に流入するため、走行中におけるコンデンサ4の冷媒凝縮能力が向上し、冷凍サイクルの冷凍能力を高めることができる。
【0024】
また、走行風によって外気が車両前方側開口部16aから積極的に取込まれることによって、コンデンサファン5の負荷が軽減される。このため、コンデンサファン5の要求能力が低くなり、コンデンサファン5の低出力化が図れ、コストダウンおよび省エネを図ることができる。
【0025】
このように、本実施形態では、車両走行時〜停車時の走行風に応じて両開口部16a・16bの割合を可変するため、電源・ハーネス・サーボモータ・リンク機構等の駆動部品が不要であり、車速や搭載位置に応じた制御も不要のため車速センサー・制御アンプ等の制御部品も不要であり、安価でかつ搭載安易な構造となる。また、上記の各構成部品が必要ないシンプルな構造のため、故障が少なく信頼性の高い装置となる。
【0026】
これにより、常に吸込口8に風が流れ込み易い最適角度に開口部切換ドア17が動く構造となり、上記のようにコンデンサ4の冷媒凝縮能力を向上させると共に、コンデンサファン5の負荷を軽減することができる。また、車両上方側開口部16bを複数設けたことにより、コンデンサユニット1の高さ寸法を大きくすることなく、車両停止時に開口するため流入速度の遅い車両上方側開口部16b側の開口面積を広く構成することができる。
【0027】
(その他の実施形態)
上述の実施形態では、車両上方側開口部16bと、これに対応する開口部切換ドア17とを共に複数設けているが、本発明はこれに限定されるものではなく、車両上方側開口部16bを複数設け、その中で最も車両前方側の車両上方側開口部16bと車両前方側開口部16aとを切り換える開口部切換ドア17を1枚設ける構成であっても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】コンデンサユニットを搭載したバス車両の斜視図である。
【図2】コンデンサユニットの概略構成を示す斜視図である。
【図3】本発明の一実施形態におけるコンデンサユニットの概略断面図である。
【図4】吸い込み部カバーの構造を示す斜視図である。
【図5】車両停車時のコンデンサユニットの概略断面図である。
【図6】車両走行時のコンデンサユニットの概略断面図である。
【図7】従来のコンデンサユニットの概略断面図である。
【図8】コンデンサユニットを搭載したバス車両の側面図である。
【符号の説明】
1 コンデンサユニット
2 バス車両(車両)
3 ケーシング
4 コンデンサ
5 コンデンサファン
8 吸込口
16 吸込部用カバー
16a 車両前方側開口部
16b 車両上方側開口部
17 開口部切換ドア
17a ドアシャフト(回動支点)
【発明の属する技術分野】
本発明は、コンデンサユニットが車両の屋上に装着されるタイプの空調装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、高福祉化・バリアフリー法案等で、人にやさしい車両として、例えばバスでは従来の標準床(2ステップ)バスに替わり、車両床高さが低く乗客の乗り降りが容易な低床(1ステップ・0ステップ)バスが主流になりつつある。そのため、バス用の空調装置の中で、従来はバス車両床下に搭載されていた冷媒凝縮のためのコンデンサユニットが車両の屋根上に搭載される様になった。このような屋根置きタイプのコンデンサユニットとして、図7に示すようなものがある。
【0003】
しかし、このような屋根置きタイプのコンデンサユニット1では、図7に示すように、車両走行時に吸込口8が負圧となって外気の吸込み量が低下するという問題がある。そのため、本出願人は特許文献1に示すように、吸込口8の上下に可変ルーバを設けたものを先に出願している。尚、図7中の符号は、後述する本発明の実施形態中の符号と対応するものである。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−318429号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特許文献1にある可変ルーバは、車両走行時と停車時とに合わせて、吸込口に風が流れ込み易い最適角度に向けるものである。当然、ルーバを可動させるための電源・ハーネス・サーボモータ・リンク機構等の部品が必要となるうえ、車速等に応じてルーバを最適角度にするための車速センサーや制御アンプ等も必要となりコストアップするという問題がある。
【0006】
図8は、コンデンサユニット1を搭載したバス車両2の側面図である。バス車両の場合一定車速でも、屋根上の風速は車両前方には無風部分も発生するうえ、車両後方では早い傾向にあり、コンデンサユニット1の搭載位置により一定車速でもかなり風速にばらつきがある。そのため、特許文献1にあるルーバを最適角度に可動させるのは、かなり複雑な制御が必要となるという問題がある。
【0007】
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑みて成されたものであり、その目的は、安価でかつ複雑な制御をすることなく吸込口に風が流れ込み易い構造として、コンデンサの冷媒凝縮能力を向上させると共に、コンデンサファンの負荷を軽減することのできる車両用屋上装着型空調装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1ないし請求項2に記載の技術的手段を採用する。すなわち、請求項1に記載の発明では、吸込口(8)に車両前方側開口部(16a)と車両上方側開口部(16b)とを開口させた吸込部用カバー(16)を設けると共に、その吸込部用カバー(16)の車両上方側開口部(16b)の車両前方側端に回動支点(17a)を置いた自重で垂下する開口部切換ドア(17)を設け、その開口部切換ドア(17)は、車両停止時には自重で垂下して車両前方側開口部(16a)を閉じて車両上方側開口部(16b)を開き、車両走行時には走行風に応じて車両前方側開口部(16a)を開くと共に車両上方側開口部(16b)を絞ることを特徴とする。
【0009】
これは、車両走行時〜停車時の走行風に応じて両開口部(16a・16b)の割合を可変するため、電源・ハーネス・サーボモータ・リンク機構等の駆動部品が不要であり、車速や搭載位置に応じた制御も不要のため車速センサー・制御アンプ等の制御部品も不要であり、安価でかつ搭載安易な構造となる。
【0010】
また、上記の各構成部品が必要ないシンプルな構造のため、故障が少なく信頼性の高い装置となる。これにより、常に吸込口(8)に風が流れ込み易い最適角度に開口部切換ドア(17)が動く構造となり、コンデンサ(4)の冷媒凝縮能力を向上させると共に、コンデンサファン(5)の負荷を軽減することができる。
【0011】
請求項2に記載の発明では、車両上方側開口部(16b)もしくは開口部切換ドア(17)を複数設けたことを特徴とする。車両上方側開口部(16b)を複数設けたことにより、コンデンサユニット(1)の高さ寸法を大きくすることなく、車両停止時に開口するため流入速度の遅い車両上方側開口部(16b)側の開口面積を広く構成することができる。
【0012】
また、この複数設けた車両上方側開口部(16b)に対応させて開口部切換ドア(17)を複数設けても良いし、車両前方側開口部(16a)を複数の開口部切換ドア(17)で開閉するようにしても良い。尚、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。図1はコンデンサユニット1を搭載したバス車両2の斜視図であり、図2はコンデンサユニット1の概略構成を示す斜視図である。尚、本実施形態中に示す上下・左右・前後はバス車両2、およびバス車両2に搭載されたコンデンサユニット1を視点とした方向を示すものである。
【0014】
本実施形態に示すコンデンサユニット1は、バス車両2の屋上に装着されるケーシング3の内部に、冷媒を凝縮させるコンデンサ4と、コンデンサ4に冷却風を通過させるためのコンデンサファン5と、機能品に相当するレシーバ6およびドライヤ7等が配置されたものである。コンデンサ4は、冷凍サイクルにおいてコンプレッサ12で圧縮した高温高圧の冷媒を外気と熱交換して凝縮液化させるためのもので、ケーシング3の車両前方側の左右中央に配置される。
【0015】
このコンデンサ4は、薄型に設けられており、外気が上下方向(やや前方からやや後方)に通過するように、少し前傾した状態で略水平に配置されている。ケーシング3は、上下ケースを組み合わせたものであり、車両前方側にはコンデンサ4と熱交換される外気を取り入れる吸込口8が開口して設けられている。この吸込口8は、前傾配置されるコンデンサ4の上面(コンデンサ4の外気流入口)に対向する部位に開口されており、走行風をケーシング3内に積極的に取り込むように設けられている。
【0016】
コンデンサ4の後方におけるケーシング3の上面には、コンデンサ4を通過した外気を排出する排出口9が複数開口して設けられている。この複数の排出口9の内部には、それぞれコンデンサファン5が配置されている。このコンデンサファン5は、ケーシング3の前面の吸込口8から外気を吸込み、コンデンサ4を通過した外気を排出口9から強制排出するものであり、図示しない制御回路によって、冷凍サイクルの運転中に作動するように設けられている。
【0017】
レシーバ6は、コンデンサ4で凝縮された冷媒を気液分離し、液冷媒を図示しない減圧装置に導くためのものであり、本実施形態でレシーバ6は2つ用いられている。ドライヤ7は、冷媒中に含まれる水分を取り除くためのものであり、本実施形態ではドライヤ7も2つ用いられている。これら、2つのレシーバ6および2つのドライヤ7は、ケーシング3内において、コンデンサ4およびコンデンサファン5の左右両側に配置されている。
【0018】
このように、レシーバ6およびドライヤ7をコンデンサ4の左右両側のスペースに配置したことにより、ケーシング3の左右上面の曲率を大きくでき、ケーシング3の左右コーナー部分が車両2の屋上において張り出す不具合を回避できる。
【0019】
10はこれらの構成部品を保持するベースとなるフレーム&プレートである。図示しない減圧装置によって減圧された冷媒は、図1に示すクーリングユニット13において車室内空気を冷却してコンプレッサ12へと戻る。14はこれら空調装置を制御する制御装置であり、15は運転者が空調装置を操作するためのコントロールパネルである。
【0020】
次に、本発明の要部の構成を、図3・4を用いて説明する。図3は本発明の一実施形態におけるコンデンサユニット1の概略断面図であり、図4は本発明の要部である吸込部用カバー16の構造を示す斜視図である。まず吸込口8の上に、車両前方側開口部16aと車両上方側開口部16bとを開口させた吸込部用カバー16を設けている。
【0021】
尚、車両上方側開口部16bは複数開口させている。そして、この吸込部用カバー16に開口した各車両上方側開口部16bの各車両前方側端に、回動支点としてドアシャフト部17aを置いて自重で垂下する開口部切換ドア17を、各車両上方側開口部16bに対応させて複数設けている。
【0022】
次に、本発明の要部の作動を、図5・6を用いて説明する。図5は車両停車時のコンデンサユニット1の概略断面図であり、図6は車両走行時のコンデンサユニット1の概略断面図である。まず、図5に示す車両停止時には、先の開口部切換ドア17は自重で垂下して、車両前方側開口部16aを閉じて各車両上方側開口部16bを開く。また、図6に示す車両走行時には、車両前方側からの走行風によって各開口部切換ドア17が車両後方側に持ち上げられ、車両前方側開口部16aを開くと共に車両上方側開口部16bを絞ることとなる。
【0023】
このように、車両走行中は、走行によって生じる走行風によって外気が車両前方側開口部16aから吸込口8を通って積極的にコンデンサ4に流入し、コンデンサファン5の作動によって排出口9から排出される。この時、各開口部切換ドア17は、水平方向に流れる走行風を吸込口8側へ曲げる効果もある。このように、走行風によって外気が積極的にコンデンサ4に流入するため、走行中におけるコンデンサ4の冷媒凝縮能力が向上し、冷凍サイクルの冷凍能力を高めることができる。
【0024】
また、走行風によって外気が車両前方側開口部16aから積極的に取込まれることによって、コンデンサファン5の負荷が軽減される。このため、コンデンサファン5の要求能力が低くなり、コンデンサファン5の低出力化が図れ、コストダウンおよび省エネを図ることができる。
【0025】
このように、本実施形態では、車両走行時〜停車時の走行風に応じて両開口部16a・16bの割合を可変するため、電源・ハーネス・サーボモータ・リンク機構等の駆動部品が不要であり、車速や搭載位置に応じた制御も不要のため車速センサー・制御アンプ等の制御部品も不要であり、安価でかつ搭載安易な構造となる。また、上記の各構成部品が必要ないシンプルな構造のため、故障が少なく信頼性の高い装置となる。
【0026】
これにより、常に吸込口8に風が流れ込み易い最適角度に開口部切換ドア17が動く構造となり、上記のようにコンデンサ4の冷媒凝縮能力を向上させると共に、コンデンサファン5の負荷を軽減することができる。また、車両上方側開口部16bを複数設けたことにより、コンデンサユニット1の高さ寸法を大きくすることなく、車両停止時に開口するため流入速度の遅い車両上方側開口部16b側の開口面積を広く構成することができる。
【0027】
(その他の実施形態)
上述の実施形態では、車両上方側開口部16bと、これに対応する開口部切換ドア17とを共に複数設けているが、本発明はこれに限定されるものではなく、車両上方側開口部16bを複数設け、その中で最も車両前方側の車両上方側開口部16bと車両前方側開口部16aとを切り換える開口部切換ドア17を1枚設ける構成であっても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】コンデンサユニットを搭載したバス車両の斜視図である。
【図2】コンデンサユニットの概略構成を示す斜視図である。
【図3】本発明の一実施形態におけるコンデンサユニットの概略断面図である。
【図4】吸い込み部カバーの構造を示す斜視図である。
【図5】車両停車時のコンデンサユニットの概略断面図である。
【図6】車両走行時のコンデンサユニットの概略断面図である。
【図7】従来のコンデンサユニットの概略断面図である。
【図8】コンデンサユニットを搭載したバス車両の側面図である。
【符号の説明】
1 コンデンサユニット
2 バス車両(車両)
3 ケーシング
4 コンデンサ
5 コンデンサファン
8 吸込口
16 吸込部用カバー
16a 車両前方側開口部
16b 車両上方側開口部
17 開口部切換ドア
17a ドアシャフト(回動支点)
Claims (2)
- 車両(2)の屋上に装着されるケーシング(3)内に、少なくとも冷媒凝縮のためのコンデンサ(4)およびコンデンサファン(5)が配置されたコンデンサユニット(1)を具備し、
前記コンデンサ(4)は、前記ケーシング(3)の車両前方側において前傾された状態で略水平配置され、前記ケーシング(3)は、車両前方側に、前記コンデンサ(4)と熱交換される外気を取り入れる吸込口(8)を備える車両用屋上装着型空調装置において、
前記吸込口(8)に車両前方側開口部(16a)と車両上方側開口部(16b)とを開口させた吸込部用カバー(16)を設けると共に、その吸込部用カバー(16)の前記車両上方側開口部(16b)の車両前方側端に回動支点(17a)を置いた自重で垂下する開口部切換ドア(17)を設け、
その開口部切換ドア(17)は、車両停止時には自重で垂下して前記車両前方側開口部(16a)を閉じて前記車両上方側開口部(16b)を開き、車両走行時には走行風に応じて前記車両前方側開口部(16a)を開くと共に前記車両上方側開口部(16b)を絞ることを特徴とする車両用屋上装着型空調装置。 - 前記車両上方側開口部(16b)もしくは前記開口部切換ドア(17)を複数設けたことを特徴とする請求項1に記載の車両用屋上装着型空調装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003036714A JP2004243933A (ja) | 2003-02-14 | 2003-02-14 | 車両用屋上装着型空調装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003036714A JP2004243933A (ja) | 2003-02-14 | 2003-02-14 | 車両用屋上装着型空調装置 |
Publications (1)
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2003
- 2003-02-14 JP JP2003036714A patent/JP2004243933A/ja active Pending
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