JP2004243762A - 光学シート - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 ガラス繊維(b)を同一方向に近接又は隣接して敷き整えることによって形成されたガラス繊維の層が、そのガラス繊維の軸方向が略直交するように2層以上積層され、透明樹脂(a)中に埋設されていることを特徴とする光学シート。
Description
クスタイプ)、カラーフィルター基板、太陽電池用基板等としては、ガラス板が広く用い
られている。しかしながらガラス板は、割れ易い、曲げられない、比重が大きく軽量化に不向きなどの理由から、近年、その代替としてプラスチック素材が検討されている。
しかしながら、これら従来のガラス代替用プラスチック材料は、ガラス板に比べ線膨張係数が大きく、特に、アクティブマトリックス表示素子基板に用いるとその製造工程において反りやアルミ配線の断線などの問題が生じ、これら用途への使用は困難である。したがって、表示素子基板、特にアクティブマトリックス表示素子用基板に要求される、透明性、耐熱性等を満足しつつ線膨張係数の小さなプラスチック素材が求められている。
液晶表示素子用基板、有機EL表示素子用基板、カラーフィルター用基板、タッチパネル用基板、太陽電池基板などに好適に用いられる。
(1)ラス繊維(b)を同一方向に近接又は隣接して敷き整えることによって形成されたガラス繊維の層が、そのガラス繊維の軸方向が略直交するように2層以上積層され、透明樹脂(a)中に埋設されていることを特徴とする光学シート、
(2)略直交するガラス繊維の層を縦方向と横方向に区別したとき、縦方向のガラス繊維の厚みの合計と横方向の厚みの合計との比が0.67〜1.5であることを特徴とする(1)の光学シート。
(3)前記ガラス繊維の各層の厚みが10μm〜200μmである(1)または(2)の光学シート。
(4)前記透明樹脂(a)の屈折率とガラス繊維(b)の屈折率との差が0.01以下である(1)〜(3)の光学シート、
(5)前記透明樹脂(a)のアッベ数が45以上である(1)〜(4)の光学シート、
(6)前記透明樹脂(a)が2つ以上の官能基を有する(メタ)アクリレートを構成成分として架橋したアクリレート樹脂である(1)〜(5)の光学シート、
(7)前記透明樹脂(a)が2つ以上の官能基を有するエポキシ樹脂を構成成分として硬化したエポキシ樹脂である(1)〜(5)の光学シート、
(8)前記ガラス繊維(b)の屈折率が1.45〜1.55である(1)〜(7)の光学シート、
(9)30〜150℃における平均線膨張係数が40ppm以下である(1)〜(8)の光学シート、
(10)全厚みが50〜2000μmである(1)〜(9)の光学シート、
(11)550nmにおける光線透過率が80%以上である(1)〜(10)の光学シート、
(12)光学シートが、表示素子用プラスチック基板、又はアクティブマトリックス表示素子用基板である(1)〜(11)の光学シート、
である。
液晶表示素子基板として用いられているガラス基板を直交した偏光板間(クロスニコル)に挟んで光をあてると光は遮断され、光漏れはほとんど生じない。しかし、透明樹脂とガラス繊維から成る透明な複合シートでは、光漏れが生じることがある。クロスニコルで
光が漏れると、液晶表示素子基板として用いた場合に表示品位が低下する恐れがある。本発明者らは、クロスニコルでの光漏れの現象を詳細に解析した結果、この光漏れがガラス繊維近傍に発生するリタデーションに由来するものと推定した。さらに、このリタデーションは、ガラス繊維を直交させることによって打ち消すことができ、クロスニコルでの光漏れが改善できることを見出した。
1より大きい場合には、得られる光学シートの透明性が劣る傾向がある。
が採用し得る。
またはガラス繊維の屈折率を調整して屈折率差を0.01以下にするのが好ましい。ガラ
ス繊維の屈折率を調整して樹脂の屈折率に合わせる方法では特殊なガラス繊維を用いることになり、コストの面からは、樹脂の屈折率を調整してガラス繊維の屈折率に合わせる方法が好ましい。
脂を組み合わせる方法、(2)樹脂よりも屈折率が大きいか、小さい添加剤を添加して調整
する方法などが挙げられる。なかでも、ガラス繊維(b)よりも屈折率の高い樹脂とガラス
繊維(b)よりも屈折率の低い樹脂を組み合わせて屈折率を調整する方法が好ましい。この方法によれば、樹脂の屈折率をEガラス、Sガラス、NEガラスなどの汎用的なガラスフィラーの屈折率に合わすことが比較的容易である。
しい。また、柔軟性を付与するなどの目的で、要求される特性を極端に損なうことのない範囲で、単官能のエポキシ化合物を併用しても良い。
本発明に用いるエポキシ樹脂は、硬化剤もしくは重合開始剤存在下、加熱もしくは活性エネルギー線を照射し、硬化して用いる。用いる硬化剤は、特に限定されないが、優れた透明性の硬化物が得られやすいことから、酸無水物系硬化剤やカチオン系硬化触媒が好ましい。
脂の場合はアクリル基を有するシラン化合物で、エポキシ樹脂の場合はエポキシ基を有するシラン化合物で処理するのが好ましい。
Sガラス系ガラス繊維からなるロービング(屈折率1.530)を焼きだしして有機物を除去した後、アクリロイロキシプロピルトリエトキシシラン(アクリルシラン)で処理した。このロービングを厚さ50μmの均一なシート状になるように一方向に並べ、この上に直交して厚さ50μmの均一なシート状になるようにロービングを並べて積層した。この積層ガラス繊維にジシクロペンタジエニルジアクリレート(東亞合成(株)製M−203、架橋後の屈折率1.527)92重量部とビス[4−(アクリロイロキシエトキシ)フェニル]スルフィド(東亞合成(株)試作品TO−2066、架橋後の屈折率1.606)8重量部、光重合開始剤として1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン
(チバスペシャリティケミカル製のイルガキュア184)を0.5重量部とからなる樹脂(架橋後の屈折率1.533)を含浸し、脱泡した。この樹脂を含浸した積層ガラス繊維を離型処理したガラス板に挟み込んで、両面から約10J/cm2のUV光を照射して架
橋させた。さらに真空オーブン中250℃で3時間加熱し、0.1mmの光学シートを得た。
Sガラス系ガラス繊維からなるロービング(屈折率1.530)を焼きだしして有機物を除去した後、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(エポキシシラン)で処理した。このロービングを厚さ50μmの均一なシート状になるように一方向に並べ、この上に直交して厚さ50μmの均一なシート状になるようにロービングを並べて積層した。この積層ガラス繊維に、トリグリシジルイソシアヌレート(日産化学工業製TEPIC)90重量部、ビスフェノールS型エポキシ樹脂(大日本インキ化学工業製エピクロンEXA
1514)10重量部、メチル水添無水ナジック酸(新日本理化製リカシッドHNA−100)153重量部、及びテトラフェニルホスホニウムブロマイド(北興化学工業製TPP−PB)1.4重量部を110℃にて溶融混合した樹脂を含浸し、脱泡した。この樹脂を含浸した積層ガラス繊維を離型処理したガラス板に挟み込んで、オーブン中、100℃2時間+200℃2時間加熱して、厚さ0.1mmの光学シートを得た。
Eガラス系ガラス繊維からなるガラスチョップ(屈折率1.560)を焼きだしして有機物を除去した後、このガラスチョップをアクリロイロキシプロピルトリエトキシシラン(アクリルシラン)で処理した。このガラスチョップにジシクロペンタジエニルジアクリレート(東亞合成(株)製M−203、架橋後の屈折率1.527)58重量部とビス[4−(アクリロイロキシエトキシ)フェニル]スルフィド(東亞合成(株)試作品TO−2066、架橋後の屈折率1.606)42重量部、光重合開始剤として1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(チバスペシャリティケミカル製のイルガキュア184)0.5重量部とからなる樹脂(架橋後の屈折率1.533)に充填し、脱泡した。このガラスチョップを充填した樹脂を離型処理したガラス板に挟み込んで、両面から約10J/cm2のUV光を照射して硬化させた。さらに真空オーブン中250℃で3時間加熱
し、0.1mmの光学シートを得た。
Eガラス系ガラス繊維からなるガラスチョップ(屈折率1.530)を焼きだしして有機物を除去した後、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(エポキシシラン)で処理した。このガラスチョップをトリグリシジルイソシアヌレート(日産化学工業製TE
PIC)20重量部、ビスフェノールS型エポキシ樹脂(大日本インキ化学工業製エピクロンEXA1514)80重量部、メチル水添無水ナジック酸(新日本理化製リカシッドHNA−100)75重量部、及びテトラフェニルホスホニウムブロマイド(北興化学工業製TPP−PB)1.4重量部を110℃にて溶融混合した樹脂中に充填し、脱泡した。このガラスチョップを充填した樹脂を離型処理したガラス板に挟み込んで、オーブン中、100℃2時間+200℃2時間加熱して、厚さ0.1mmの光学シートを得た。
(比較例3)
Sガラス系ガラス繊維からなるロービング(屈折率1.530)を焼きだしして有機物を除去した後、アクリロイロキシプロピルトリエトキシシラン(アクリルシラン)で処理した。このロービングを厚さ100μmの均一なシート状になるように一方向に並べ、この上に直交して厚さ50μmの均一なシート状になるようにロービングを並べて積層した。この積層ガラス繊維にジシクロペンタジエニルジアクリレート(東亞合成(株)製M−203、架橋後の屈折率1.527)92重量部とビス[4−(アクリロイロキシエトキシ)フェニル]スルフィド(東亞合成(株)試作品TO−2066、架橋後の屈折率1.6
06)8重量部、光重合開始剤として1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(チバスペシャリティケミカル製のイルガキュア184)を0.5重量部とからなる樹脂(架橋後の屈折率1.533)を含浸し、脱泡した。この樹脂を含浸した積層ガラス繊維を離型処理したガラス板に挟み込んで、両面から約10J/cm2のUV光を照射して
架橋させた。さらに真空オーブン中250℃で3時間加熱し、0.15mmの光学シートを得た。
前記の実施例、比較例にて作製した光学シートについて、下記の評価方法により各種の特性を測定した。
作成した光学シートをクロスニコルにした偏光顕微鏡で観察した。偏光顕微鏡の光軸を固定し、光源の強さを一定にした状態でサンプルを回転させ、光学シートの一部分あるいは全体がもっとも明るくなる角度にセットした。2.4mm×1.8mmの観察部分を画像(画素数640x480)化してPCに取り込み、これを各画素が0〜255の階調を持つ白黒画像に変換した。この白黒画像中の各画素の階調の総和を算出し、その総和が1000万未満の場合を○、以上の場合を×とした。
b)平均線膨張係数
セイコー電子(株)製TMA/SS120C型熱応力歪測定装置を用いて、窒素の存在下、1分間に5℃の割合で温度を30℃から400℃まで上昇させて20分間保持した後、1分間に5℃の割合で温度を0℃まで冷却して5分間保持した。その後、再度、1分間に5℃の割合で温度を上昇させて、30℃〜150℃の時の値を測定して求めた。荷重を5gにし、引張モードで測定した。
c)光線透過率
分光光度計U3200(日立製作所製)で400nm及び550nmの光線透過率を測定した。
d)屈折率、アッベ数
アタゴ社製アッベ屈折率計DR−M2を用いて、25℃で波長589nmの屈折率を測定した。また、波長656nm及び486nmの屈折率を測定してアッベ数を求めた。
評価結果を表1に示す。
Claims (12)
- ガラス繊維(b)を同一方向に近接又は隣接して敷き整えることによって形成されたガラス繊維の層が、そのガラス繊維の軸方向が略直交するように2層以上積層され、透明樹脂(a)中に埋設されていることを特徴とする光学シート。
- 略直交するガラス繊維の層を縦方向と横方向に区別したとき、縦方向のガラス繊維の厚みの合計と横方向の厚みの合計との比が0.67〜1.5であることを特徴とする請求項1記載の光学シート。
- 前記ガラス繊維の各層の厚みが10μm〜200μmである請求項1または2記載の光学シート。
- 前記透明樹脂(a)の屈折率とガラス繊維(b)の屈折率との差が0.01以下である請求項1〜3いずれかの光学シート。
- 前記透明樹脂(a)のアッベ数が45以上である請求項1〜4いずれかの光学シート。
- 前記透明樹脂(a)が2つ以上の官能基を有する(メタ)アクリレートを構成成分として架橋したアクリレート樹脂である請求項1〜7いずれかの光学シート。
- 前記透明樹脂(a)が2つ以上の官能基を有するエポキシ樹脂を構成成分として硬化したエポキシ樹脂である請求項1〜5いずれかの光学シート。
- 前記ガラス繊維(b)の屈折率が1.45〜1.55である請求項1〜7いずれかの光学シート。
- 30〜150℃における平均線膨張係数が40ppm以下である請求項1〜8いずれかの光学シート。
- 全厚みが50〜2000μmである請求項1〜9いずれかの光学シート。
- 550nmにおける光線透過率が80%以上である請求項1〜10いずれかの光学シート。
- 光学シートが、表示素子用プラスチック基板、又はアクティブマトリックス表示素子用基板である請求項1〜11いずれかの光学シート。
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