JP2004243033A - ゴルフボールの製造方法 - Google Patents
ゴルフボールの製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004243033A JP2004243033A JP2003038627A JP2003038627A JP2004243033A JP 2004243033 A JP2004243033 A JP 2004243033A JP 2003038627 A JP2003038627 A JP 2003038627A JP 2003038627 A JP2003038627 A JP 2003038627A JP 2004243033 A JP2004243033 A JP 2004243033A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- golf ball
- mark
- pad printing
- protective layer
- transparent protective
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Abstract
【課題】ゴルフボールのマーク欠けを低減するとともに、マーク耐久性に優れたゴルフボールの製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明のゴルフボールの製造方法は、ゴルフボール表面にマークをパッド印刷し、印刷されたマークを他の物体と接触させることなく、該マークを含む一部の領域に透明保護層をパッド印刷により設けることを特徴とする。
【選択図】 図4
【解決手段】本発明のゴルフボールの製造方法は、ゴルフボール表面にマークをパッド印刷し、印刷されたマークを他の物体と接触させることなく、該マークを含む一部の領域に透明保護層をパッド印刷により設けることを特徴とする。
【選択図】 図4
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ゴルフボールの製造方法に関するものであり、より詳細には、ゴルフボール表面に印刷されるマーク欠けを低減するゴルフボールの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ゴルフボールには、通常、商品名等を表わすブランドネームやプレーナンバー等のマークが印刷されている。一般的に、これらのマークは、ゴルフボール本体に印刷され、さらに、該マーク及びゴルフボール全体を被覆する透明な塗膜によって保護されている。
【0003】
近年、上記マークの形状や色が多様化する傾向にあり、マークを含むゴルフボールの外観が、ゴルフボールそのものの商品価値に大きな影響を与えるようになってきている。従って、ゴルフボールの使用などによって一部でもマーク欠けが生じると、ゴルフボールの性能自体に全く問題がない場合でも、商品価値が大幅に低下したり、クレームの対象になったりする。このような状況の下、マークの外観を美しくしたり、マーク欠けを低減する方法等が提案されている。
【0004】
例えば、特許文献1には、オウンネームなどのマークを設け、該マーク上にクリアー塗膜を施すゴルフボールの塗装方法が開示されている。また、特許文献2には、マークを形成するインクとゴルフボール表面との密着性を向上させることによってマーク欠けを低減するゴルフボール用印刷インクおよびこれを用いたゴルフボールが開示されている。
【0005】
【特許文献1】特開平11−276639号公報
【特許文献2】特開2000−172539号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ゴルフボールにマークを印刷し、続けて、塗装を施す工程では、ゴルフボールがマーク印刷工程から通路を転がって塗装工程へと移動する。また、塗装工程直前において、一時的にゴルフボールが収納される場合がある。このようなゴルフボールの製造工程においては、マークが十分に乾燥していない間に、ゴルフボールが、他のゴルフボールと衝突したり、或いは、通路を構成する部材など接触することにより印刷されたマークが欠ける場合が生じる。
【0007】
上述した特許文献1の塗装方法は、オウンネームなどの上に塗膜を設けて、塗膜を美しく形成すると共に、塗料の無駄を少なくする塗装方法を提供するものであるが、マークの欠けを低減する方法を提供するものではない。例えば、既にクリアー塗膜を施した完成品のボールにオウンネームなどを施して、かかるオウンネーム上に塗膜を設ける方法では、そもそもクリアー塗膜の内側に設けられているプレーナンバーやブランドネームなどのマークの欠けを低減することはできない。
【0008】
また、特許文献2による方法は、水系バインダーとさらにシランカップリング剤を用いて、マークを形成するインクとゴルフボール表面との密着性を向上させる方法であるが、水系バインダーやシランカップリング剤は生産コストを高める要因となる。
【0009】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、ゴルフボールのマーク欠けを低減するとともに、マーク耐久性に優れたゴルフボールの製造方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決することのできた本発明のゴルフボールの製造方法とは、ゴルフボール表面にマークをパッド印刷し、印刷されたマークを他の物体と接触させることなく、該マークを含む一部の領域に透明保護層をパッド印刷により設けることを特徴とする。マークが施された後、該マークと他の物体との接触を防止して、該マークを含む一部の領域に透明保護層を設ければ、マーク欠けの発生を抑制できるからである。また、マークと透明保護層とをそれぞれパッド印刷によって容易に設けることができ、生産効率を低下させることもない。
【0011】
本発明の製法として好ましいのは、ゴルフボール表面にマークをパッド印刷するパッド印刷機と該マークを含む一部の領域に透明保護層を設けるパッド印刷機とを使用して、ゴルフボール掴持手段を備えたベルトにゴルフボールを保持させて、ゴルフボールをマーク印刷用パッド印刷機まで移動させ、マーク印刷用パッド印刷機を用いて、ゴルフボール表面にマークをパッド印刷し、印刷されたマークを他の物体と接触させることなく、ゴルフボールを保持したまま透明保護層用パッド印刷機まで移動させ、透明保護層用パッド印刷機を用いて、該マークを含む一部の領域に透明保護層をパッド印刷により設ける。また、前記マーク印刷用パッド印刷機を用いて、ゴルフボール上面頂部にマークをパッド印刷し、印刷されたマークを他の物体と接触させることなく、印刷されたマークをゴルフボール上面頂部に位置させた状態を維持しつつ、ゴルフボールを透明保護層用パッド印刷機まで移動させ、透明保護層用パッド印刷機を用いて、該マークを含む一部の領域に透明保護層をパッド印刷により設けることも好ましい態様である。前記透明保護層は、2液硬化型ウレタン系樹脂により構成されていることが好ましい。マーク耐久性を一層向上することができるからである。また、前記透明保護層を設けたゴルフボールに、クリアー塗膜層を設けることも好ましく、ゴルフボール全体の外観を向上できる。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明のゴルフボールの製造方法は、ゴルフボール表面にマークをパッド印刷し、印刷されたマークを他の物体と接触させることなく、該マークを含む一部の領域に透明保護層をパッド印刷により設けるところに特徴がある。以下、図面を参照しながら本発明を詳細に説明するが、本発明は図面に記載された発明に限定されるものではない。
【0013】
まず本発明では、ゴルフボール表面に、より好ましくはゴルフボール上面頂部に、マークをパッド印刷する。パッド印刷とは、ゴルフボール表面にマークを印刷する方法として広く利用されているものであり、例えば、パッドの表面にインクなどを付着させ、インクなどが付着したパッドをゴルフボール表面に押圧して、ゴルフボール表面にインクなどを転写してマークを印刷する方法である。
【0014】
図1から図3は、パッド印刷機20を用いて、ゴルフボール表面にマークをパッド印刷する方法を例示する説明図である。パッド印刷機20には、乳房型乃至桃実型の弾性材質から成るスタンプヘッド19と、このスタンプヘッド19が下端に取付けられた上下作動杆21と、この上下作動杆21を取付けた印刷機ボデー22と、この上下作動杆21を上下駆動するエアシリンダやソレノイド等の上下駆動機構(図示省略)と、前後方向にスライドして転写すべきマークをその上面の凹溝として刻んだ転写板23と、上記ボデー22内に設けられて該転写板23のマーク用凹溝へインクを流し込むと共に不要なインクをぬぐい去るリップ25を下端開口端縁に有するインク供給筒24と、このインク供給筒24を転写板23上面へ弾発的に押圧する弾発部材26等から構成されている。また、27は転写板23を前後にスライド作動させるためのエアシリンダ等のアクチュエータである。図2より明らかなように、転写板23は、ボデー22の前面下端の窓部から前方へ突出して、下降してきたスタンプヘッド19が押圧される位置まで来ることができる。
【0015】
図1は待機状態を示し、スタンプヘッド19は上昇位置にあり、転写板23は後退位置にあり、その上面の凹溝内に十分インクが入り込む。次に、図1から図2のようにアクチュエータ27によって矢印B方向へ転写板23が押されて転写板23は前方突出状となり、一瞬静止すると、直ちにスタンプヘッド19が矢印Eのように下降して転写板23の上面マークに押圧され、転写板23のマークのインクは、スタンプヘッド19へ転写される。直ちに、スタンプヘッド19が上昇し、さらに、転写板23が後退して、一旦、図1の状態へ戻る。次いで、図3のように、スタンプヘッド19の下部に配置されたゴルフボール2の上面頂部に向かって、スタンプヘッド19を矢印Gのように下降して押圧すると、スタンプヘッド19のインクがゴルフボール2に転写される。直ちにスタンプヘッド19は上昇して図1の待機状態にもどる。
【0016】
本発明では、上述のようにしてゴルフボール表面にマークをパッド印刷した後、印刷されたマークを他の物体と接触させることなく、該マークを含む一部の領域に透明保護層をパッド印刷により設ける。パッド印刷されたマークを含む一部の領域に透明保護層を設ければ、マーク欠けを低減でき、さらにマークの耐久性を向上できるからである。このような観点からは、該マークを含む一部の領域にのみ透明保護層を設けることが好ましく、ゴルフボール全体に透明保護層を設ける必要はない。ゴルフボール全体に透明保護層を設けてしまうと、コストアップにも繋がるからである。また、パッド印刷機を使用すれば、ゴルフボールの上面頂部に印刷されたマークを含む一部の領域に透明保護層を容易に設けることができる。
【0017】
前記透明保護層は、例えば、パッド印刷のインクの代わりに、透明保護層用組成物を用いて、パッド印刷されたマークを含む一部の領域に該透明保護層用組成物を転写することにより設けられる。前記透明保護層用組成物としては、例えば、ゴルフボールのクリアー塗膜に使用される公知の塗料組成物と同一のものを使用することができる。また、該透明保護層用組成物を転写した後、必要に応じて、ドライヤーなどを用いて乾燥して、透明保護層を設けることも好ましい態様である。
【0018】
本発明では、透明保護層を設けた後、さらに、ゴルフボールにクリアー塗膜を設けることも好ましく、より好ましくはゴルフボール表面全体にクリアー塗膜を設ける。クリアー塗膜を設けることにより、ゴルフボール全体の外観を向上できるからである。前記クリアー塗膜は、基材樹脂、必要に応じて後述する添加剤を含有する塗料組成物をゴルフボールを被覆するように塗布して、乾燥することにより形成される。前記塗布の方法は、例えば、スプレー塗布などの方法が挙げられ、前記乾燥条件は、例えば、30〜60℃で0.5〜6時間である。
【0019】
図4は、本発明のゴルフボールの製造方法を例示する説明図である。本態様においては、ゴルフボール表面にマークをパッド印刷するパッド印刷機と該マークを含む一部の領域に透明保護層を設けるパッド印刷機とを使用する。図例においては、パッド印刷機のパッドスタンプのみを図示している(P1〜P4)。
【0020】
まず、掴持手段1を備えたベルトCにゴルフボール2を掴持させて、ゴルフボールをマーク印刷用パッド印刷機の下部まで移動させ、上述したような態様で、ゴルフボール表面(上面頂部)にマークをパッド印刷する(P1)。次いで、印刷されたマークを他の物体と接触させることなく、ゴルフボールを保持したまま透明保護層用パッド印刷機まで移動させる。この際、ゴルフボール上面頂部に印刷されたマークの位置が上面頂部に位置した状態を保持したまま、ゴルフボールを透明保護層用パッド印刷機まで移動させることが好ましい。そして、透明保護層用パッド印刷機を用いて、該マークを含む一部の領域に透明保護層をパッド印刷により設ける(P2)。このようにすれば、ゴルフボール上面頂部にパッド印刷されたマークを含む一部の領域に透明保護層を容易に設けることができる。
【0021】
図5は、掴持手段1を備えたベルトCがゴルフボールを保持した状態を説明する要部断面図である。図5に於て、掴持手段1はゴルフボール2を水平前後方向の一軸心3廻りに所定角度毎回転可能として保持する手段である。具体的にはこの掴持手段1は、基盤4と、該基盤4にガイド杆5を介して矢印A方向に移動自在として立設された一対の挾持部材6,7と、該挾持部材6,7に夫々回転可能に枢着されたボール保持盤8,9と、一方の保持盤8の軸の外端に固着された円板10と、この円板10の内面のノッチ凹所に係脱可能に係止するボールとスプリング等から成る所定角度回転位置決め機構11等から、構成される。対向する一対のボール保持盤8,9の軸部は、前記軸心3廻りに回転可能として、(図示省略の)軸受にて挾持部材6,7に枢着されている。クレビス状に基盤4から立設された一対の上記挾持部材6,7は、図5の矢印Aの内で相互に接近する方向へ、(図示省略の)引張ばねや渦巻バネや流体シリンダ等の弾発引寄機構にて弾発付勢され、ゴルフボール2をボール保持盤8,9の吸盤型カップ部にて、該ゴルフボール2の中心が軸心3に一致するように、挾着保持する。図5のように、ゴルフボールを保持しておけば、ゴルフボールは、軸心3を中心とした回転しかしないので、ゴルフボールの上面頂部にパッド印刷されたマークは、他の物体と接触することがなく、透明保護層を設ける工程(パッド印刷機)まで移動させることができる。
【0022】
図4および図5において、ベルトCを含む移動手段は、エンドレス状チェーン12と、このチェーンのリンク13に固着された移動台14と、該移動台14に付設された支持ローラ15,横振れ防止ローラ16と、この両ローラ15,16をガイドするレール17,17と、上記チェーン12が懸架された複数の鎖車18と、この鎖車18の内の1個を間欠的に回転駆動するモータ(図示省略)等から、構成される。図5に示すように、チェーン12は平行に配置して2本使用され、移動台14は、このチェーン12のリンクの約2個分の長さに設定され、長手方向から見て倒立門型であって、その前後各端面に立設した2本の支軸にて支持ローラ15,15が枢着され、レール17,17の内側凹溝17a,17a内を転動走行する。レール17は、各々3本の角棒や帯板から成り、それ等を相互に連結具にて連結一体化した構造を有している。中間の角棒の高さ寸法は高精度に容易に加工できるので、上記凹溝17aの上下間隔寸法は高精度に容易に得られる。これによって、ローラ15,15の径寸法に対する凹溝17aの上下間隔寸法を正確な寸法公差として、移動台14及び掴持手段1とゴルフボール2の上下方向のがたつきを減少させることが簡単に可能となる。横振れ防止ローラ16,16は、移動台14の前後端の下面に垂設された支軸にて枢着され、レール17の(凹溝17aよりも下方位置の)内面17bに転動自在に接触して、移動台14及び掴持手段1とゴルフボール2の前後方向の位置ずれ(横振れ)を防止する。
【0023】
また、図4中、28は、ゴルフボール2の被印刷部位を変更するため、上記掴持手段1を所定角度θずつ回転させる回転切換手段である。例えば、掴持手段1の前記円板10に、中心角90゜の等ピッチで4本の係止ピン29を突設し、この係止ピン29に係止自在な係止爪30を有する押圧ヘッド31と、この押圧ヘッド31を上昇下降させる図外のエアシリンダ等の往復アクチュエータ等をもって、回転切換手段28を構成する。
【0024】
さらに、図6と図7により、回転切換手段28を具体的に説明すれば、係止爪30は支軸32廻りに揺動可能に枢着されると共に、コイルスプリングや挟みばね等の弾発部材33にて爪先が上方へ復元するように常時弾発付勢されている。34はストッパであり、通常状態では、図6のように係止爪30が略水平状となるように規制する。図6の実線の位置から、矢印Hのように(図外のアクチュエータにより)押圧ヘッド31が下降すると、同図右上の1本の係止ピン29に係止爪30が係止し、矢印Jのように円板10を回転させて、同図仮想線の位置まで、90°回転させる。押圧ヘッド31はそこで反転して図7の矢印Kのように上昇するが、次の右上位置の係止ピン29に係止爪30の上面が当接することとなる。
【0025】
しかし、図5で説明したように、回転位置決め機構11が設けられていて、適度の回転抵抗が円板10に与えられているので、円板10は逆転せず、係止爪30は弾発部材33の弾発付勢力に抗しつつ、矢印Mのように揺動して、逃げて、図7から図6の状態へ復帰できる。このように、4本の係止ピン29ならば、90゜の所定角度θずつボール2を前記軸心3廻りに回転させることができる。この係止ピン29の増加によって、この角度を小さく設定することも可能であり、例えば、係止ピン29を6本として、60゜の角度θ毎の回転を行うことができる。
【0026】
上記回転切換手段28は、ゴルフボールにマークを複数設ける場合に好適に使用することができ、本発明は、例えば、次のような態様に変更することができる。ゴルフボール上面頂部に第1マークをパッド印刷し(P1)、パッド印刷された第1マークを他の物体と接触させることなく、ゴルフボールのマーク位置を上面頂部に保持したまま、透明保護層用パッド印刷機まで移動し、透明保護層用パッド印刷機を用いて、該マークを含む一部の領域に透明保護層をパッド印刷により設ける(P2)。次いで、回転切換手段28によりゴルフボールを回転させて、第2のマークを設ける位置が上面となるようにし、上述したのと同様の方法により、第2マークをパッド印刷し(P3)、続けて、該第2マークを含む一部の領域に透明保護層をパッド印刷により設ける(P4)。
【0027】
また、上記回転切換手段28を使用せずに、ゴルフボールにマークを複数設けることもできる。例えば、ゴルフボール上面頂部に第1マークをパッド印刷し(P1)、印刷された第1マークを他の物体と接触させることなく、ゴルフボールのマーク位置を上面に保持したまま移動させ、第1マークの近くに第2マークをパッド印刷し(P2)、続けて、第1と第2のマークとを含む一部の領域に透明保護層をパッド印刷により設ける(P3)態様でもよい。
【0028】
本発明では、上記回転切換手段、マーク印刷用パッド印刷機、および、透明保護層用パッド印刷機などの組合わせにより、マークおよび透明保護層を設ける態様を適宜変更することができる。尚、マークを複数印刷する場合は、それぞれのマークを被覆する透明保護層を設ける態様が好ましいが、マークの大きさ、形態あるいは、マークの種類によっては、透明保護層を設ける必要性が低い場合があるため、複数印刷されているマークのうち少なくとも1つのマークに透明保護層を設けるようにすることも好ましい態様である。
【0029】
図4および図5の態様では、ゴルフボールに印刷されたマークが他の物体と接触することなくゴルフボールを移動する態様に基づいて説明したが、これとは逆に、例えば、マークが印刷されたゴルフボールをその位置に保持しておき、透明保護層を設けるパッド印刷機をゴルフボール上部へと移動させる態様であってもよい。このような場合にも、印刷されたマークが他の物体と接触することを防止でき、マーク欠けを低減できるからである。
【0030】
本発明でパッド印刷するマークのインク組成物は、特に限定されるものではなく、例えば、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂などを基材樹脂として好適に使用することができ、これらの中でもエポキシ樹脂を好適に使用できる。また、本発明の効果を損なわない範囲で硬化剤を使用するいわゆる2液硬化型タイプの樹脂であってもよい。前記エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、o−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂などを挙げることができる。また、前記硬化剤としては、例えば、ポリアミンやポリイソシアネートなどを使用することができる。
【0031】
本発明において、前記透明保護層およびクリアー塗膜の基材樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル系樹脂、セルロース系樹脂などを使用することができ、後述する2液硬化型ウレタン樹脂を使用することが好ましい。2液硬化型ウレタン樹脂を基材として使用すれば、耐久性に優れた透明保護層、および、クリアー塗膜が得られるからである。
【0032】
前記2液硬化型ウレタン樹脂は、主剤と硬化剤とを反応し硬化させてなるウレタン樹脂であり、例えば、ポリオール成分を含有する主剤をポリイソシアネート及びその誘導体で硬化させたものが挙げられる。
【0033】
前記ポリオール成分を含有する主剤には、さらに以下に示すような特定のウレタンポリオールが含まれることが好ましい。ウレタンポリオールは、ポリイソシアネートとポリオールとの反応により合成される。合成に使用するポリイソシアネートとしては、イソシアネート基を2以上有するものであれば特に限定されず、例えば、2,4−トルエンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート、2,4−トルエンジイソシアネートと2,6−トルエンジイソシアネートの混合物(TDI)、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、1,5−ナフチレンジイソシアネート(NDI)、3,3’−ビトリレン−4,4’−ジイソシアネート(TODI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)、パラフェニレンジイソシアネート(PPDI)等の芳香族ポリイソシアネート;4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(H12MDI)、水素添加キシリレンジイソシアネート(H6XDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)等の脂環式ポリイソシアネート又は脂肪族ポリイソシアネート等のうちの1種または2種以上の混合物が挙げられる。これらのうち、耐候性の観点から、非黄変性のポリイソシアネート(TMXDI、XDI、HDI、H6XDI、IPDI、H12MDIなど)が好ましく使用される。尚、上記ポリイソシアネートは、ウレタンポリオールを硬化させるための硬化剤としても使用することができる。
【0034】
ウレタンポリオールの製造に使用されるポリオールとしては、水酸基を複数有するものであれば特に限定されず、例えば、低分子量のポリオールや高分子量のポリオールなどを挙げることができる。低分子量のポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール等のジオール;グリセリン、トリメチロールプロパン、ヘキサントリオールなどのトリオールが挙げられる。高分子量のポリオールとしては、ポリオキシエチレングリコール(PEG)、ポリオキシプロピレングリコール(PPG)、ポリオキシテトラメチレングリコール(PTMG)等のポリエーテルポリオール;ポリエチレンアジぺート(PEA)、ポリブチレンアジペート(PBA)、ポリヘキサメチレンアジペート(PHMA)などの縮合系ポリエステルポリオール;ポリ−ε−カプロラクトン(PCL)のようなラクトン系ポリエステルポリオール;ポリヘキサメチレンカーボネートなどのポリカーボネートポリオール;及びアクリルポリオールなどが挙げられる。以上のようなポリオールのうち、重量平均分子量50〜2,000を有するもの、特に100〜1,000程度のポリオールが好ましく用いられる。尚、これらのポリオールは、1種または2種以上混合して用いてもよい。
【0035】
前記ウレタンポリオールとは、上記ポリイソシアネートとポリオールとが反応してウレタン結合を形成し、少なくとも2以上のヒドロキシル基を(好ましくは末端に)有するポリオールである。ここで、ウレタンポリオール中のウレタン結合の比率は、ウレタンポリオール1gに対して0.1〜5mmol/gであることが好ましい。ウレタン結合の比率は、形成される塗膜の剛性と関係があり、0.1mmol/g未満では、形成される塗膜中のウレタン濃度が低いため耐擦過傷性不足になるからである。一方、5mmol/gを上回ると、塗膜が硬くなりすぎてゴルフボール本体の変形に対する追随性が低下し、ひび割れを起こし易くなるからである。
【0036】
また、ウレタンポリオールの重量平均分子量は、4,000以上、好ましくは4,500以上で、10,000未満、好ましくは9,000以下である。4,000未満では乾燥に時間がかかって作業性、生産性が低下するからである。一方、10,000以上の高分子量のウレタンポリオールでは、相対的にウレタンポリオールの水酸基価が小さくなり、塗布後の反応量が少なくなって下地との密着性が低下するからである。また、重量平均分子量が9,000以下であれば、水に濡れるような状態にあっても密着性の低下が少ない緻密な塗膜を形成できるからである。
【0037】
ウレタンポリオールの水酸基価は15mgKOH/g以上、特に73mgKOH/g以上で、130mgKOH/g以下、特に120mgKOH/g以下であることが好ましい。15mgKOH/g未満では、硬化剤との反応量が不足するため、ボール本体との密着強度が得られ難くなるからである。一方、130mgKOH/gを上回ると、硬化剤との反応に時間がかかり、乾燥時間が長くなって生産性が低下するとともに、インパクト時に割れを起こし易くなるからである。
【0038】
以上のようなウレタンポリオールは、原料となるポリオールとポリイソシアネート化合物とを、ポリオール成分のヒドロキシル基がポリイソシアネート化合物のイソシアネート基に対してモル比で過剰になるような割合で、反応させることにより得られる。上記反応に際しては、溶剤やウレタン化反応に公知の触媒(ジブチル錫ジラウリレートなど)を使用することができる。尚、ウレタン結合の比率は、原料となるポリオールの分子量、ポリオールとポリイソシアネート化合物との配合比率などを調整することにより行うことができる。
【0039】
前記主剤を構成するポリオール成分は、上記特定のウレタンポリオールそのものであること、すなわち主剤が実質的に上記特定のウレタンポリオールであることが好ましいが、前記ウレタンポリオール以外にもウレタンポリオールと相溶可能でウレタン結合を有しないポリオールが含まれていても良い。この場合のウレタン結合を有しないポリオールは、特に限定されず、上述したウレタンポリオール合成用の原料ポリオールを使用することができる。また、主剤中にウレタン結合を有しないポリオールが含まれる場合には、主剤中のウレタンポリオールの含有量が50質量%以上が好ましく、より好ましくは80質量%以上となるようにすることが好ましい。主剤中のウレタンポリオールの含有率が50質量%未満では、相対的にウレタンポリオールの含有率が少なくなるため、乾燥時間が長くなるからである。
【0040】
前記クリアー塗膜及び透明保護層には、基材樹脂などのほかに、更に、紫外線吸収剤、酸化防止剤、光安定剤、蛍光増白剤、ブロッキング防止剤などの、一般にゴルフ用塗膜に含有され得る添加剤が含まれていてもよい。
【0041】
本発明のゴルフボールの構造は、特に限定されず、ワンピースゴルフボール、ツーピースゴルフボール、スリーピースゴルフボール以上のマルチピースゴルフボール、或いは、糸巻きゴルフボールであってもよい。いずれの場合であっても、本発明を好適に適用できるからである。
【0042】
次に、本発明のゴルフボールを製造する方法について、ツーピースゴルフボールの態様を例にとって説明するが、本発明は、かかる製造方法に限定されるものではない。ツーピースゴルフボールのコアとしては、従来より公知のコアを使用することができ、例えば、基材ゴムとしてのジエン系ゴム、共架橋剤、及び架橋開始剤を含むゴム組成物を加熱プレスして成形したものであることが好ましい。前記ジエン系ゴムとしては、特に、反発に有利なシス結合が40%以上、好ましくは70%以上、より好ましくは90%以上のハイシスポリブタジエンを用いることが好ましい。前記共架橋剤は、炭素数が3〜8個のα,β−不飽和カルボン酸又はその金属塩、好ましくはアクリル酸、メタクリル酸の金属塩が用いられ、金属としては、亜鉛、マグネシウム、カルシウム、アルミニウム、ナトリウムが好ましく、より好ましくは亜鉛が用いられる。このような共架橋剤の使用量は、基材ゴム100質量部あたり20〜50質量部が好ましい。また、架橋開始剤としては、有機過酸化物が好ましく用いられる。具体的には、ジクミルパーオキサイド、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,5−トリメチルシクロヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t―ブチルパーオキシ)ヘキサン、ジ−t−ブチルパーオキサイド等の有機過酸化物が挙げられ、これらのうちジクミルパーオキサイドが好ましく用いられる。有機過酸化物の配合量は、基材ゴム100質量部に対して0.2〜1.5質量部が好ましく、より好ましくは0.3〜1.0質量部である。前記コア用ゴム組成物には、基材ゴム、共架橋剤、及び架橋開始剤に加えて、さらに、酸化亜鉛や硫酸バリウム等の比重調整剤、老化防止剤、色粉等を適宜配合することができる。前記コア用ゴム組成物の加熱プレス成型条件は、ゴム組成に応じて適宜設定すればよいが、通常、130〜200℃で10〜60分間加熱するか、あるいは130〜150℃で20〜40分間加熱した後、160〜180℃で5〜15分間と2段階加熱することが好ましい。
【0043】
上記のようにして得られたコア上にはカバーを被覆して、ゴルフボール本体を作製する。前記カバー材料としては、例えば、アイオノマー樹脂やウレタン樹脂などの熱可塑性樹脂、2液硬化型ウレタン樹脂、バラタまたは硬質ゴムなどを挙げることができる。また、カバーを被覆してゴルフボール本体を作製する際には、通常、表面にディンプルと呼ばれるくぼみが形成される。さらに、ゴルフボール本体表面は、サンドブラスト処理のような研磨処理がなされてもよい。
【0044】
上記製法では、ツーピースゴルフボールの態様を例にとって説明したが、例えば、糸巻きゴルフボールの場合には、糸巻きコアを使用すればよく、スリーピース以上のマルチピースゴルフボールの場合には、コアとカバーとの間に少なくとも1層以上の中間層を設けることができる。前記糸巻きコアは、センターとそのセンターの周囲に糸ゴムを延伸状態で巻き付けることによって形成した糸ゴム層とから成り、従来より公知のものを使用することができる。センターとしては液系(リキッドセンター)またはゴム系(ソリッドセンター)のいずれを用いてもよい。また、上記センター上に巻き付ける糸ゴムは、糸巻きゴルフボールの糸巻き層に従来から使用されているものと同様のものを使用することができ、例えば、天然ゴムまたは天然ゴムと合成ポリイソプレンに硫黄、加硫助剤、加硫促進剤、老化防止剤等を配合したゴム組成物を加硫することによって得られたものを用いてもよい。糸ゴムはセンター上に約10倍に引き伸ばして巻きつけて糸巻きコアを作製する。
【0045】
また、スリーピース以上のマルチピースゴルフボールの中間層としては、例えば、ポリウレタン樹脂、アイオノマー樹脂、ナイロン、ポリエチレン等の熱可塑性樹脂;ポリスチレン系エラストマー、ポリオレフィン系エラストマー、ポリウレタン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー等の熱可塑性エラストマーなどが挙げられる。ここで、アイオノマー樹脂としては、例えば、エチレンとα,β−不飽和カルボン酸との共重合体中のカルボキシル基の少なくとも1部を金属イオンで中和したもの、またはエチレンとα,β−不飽和カルボン酸とα,β−不飽和カルボン酸エステルとの三元共重合体中のカルボキシル基の少なくとも一部を金属イオンで中和したものが挙げられる。前記中間層には、さらに、硫酸バリウム、タングステン等の比重調整剤、老化防止剤、顔料などが配合されていてもよい。
【0046】
【実施例】
以下、本発明を実施例によって詳細に説明するが、本発明は、下記実施例によって限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲の変更、実施の態様は、いずれも本発明の範囲内に含まれる。
【0047】
実施例
[ツーピースゴルフボールの作成]
▲1▼コアの作製
表1に示す配合のコア用ゴム組成物を混練し、半球状キャビティを有する上下金型内で160℃で13分間加熱プレスすることにより直径39.3mmの球状コアを得た。
【0048】
【表1】
【0049】
ポリブタジエンゴム:JSR(株)製のBR11
▲2▼カバー組成物の調製
表2に示した配合の材料を、二軸混練型押出機によりミキシングして、ペレット状のカバー用組成物を調製した。押出条件は、スクリュー径45mm、スクリュー回転数200rpm、スクリューL/D=35であり、配合物は、押出機のダイの位置で200〜260℃に加熱された。
【0050】
【表2】
【0051】
ハイミラン1605:三井デュポンポリケミカル(株)製のナトリウムイオン中和エチレン−メタクリル酸共重合体アイオノマー樹脂
ハイミラン1706:三井デュポンポリケミカル(株)製の亜鉛イオン中和エチレン−メタクリル酸共重合体アイオノマー樹脂
ハイミラン1707:三井デュポンポリケミカル(株)製のナトリウムイオン中和エチレン−メタクリル酸共重合体アイオノマー樹脂
▲3▼ゴルフボール本体の作製
上記で得たカバー用組成物を、前述のようにして得たコア上に直接射出成形することによりカバー層を形成し、直径42.7mmを有するツーピースゴルフボール本体を作製した。カバー成形用上下金型は、半球状キャビティを有し、ディンプル付きで、ディンプルの一部が進退可能なホールドピンを兼ねている。上記ホールドピンを突き出し、コアを投入後ホールドさせ、80トンの圧力で型締めした金型に210℃に加熱した樹脂を0.3秒で注入し、30秒間冷却して型開きしてゴルフボールを取り出した。
【0052】
▲4▼マークおよび透明保護層の作製
得られたゴルフボール(500個)の表面をサンドブラスト処理をした後、図4に示すマーク印刷ラインを用いて、表3のインク組成物を使用し、「X(幅8mm、高さ8mm)」のマークをパッド印刷し、ゴルフボールのマーク位置を上面頂部に位置させたまま、透明保護層用パッド印刷機まで移動させ、パッド印刷により該マークを含む一部の領域に透明保護層を設けた。次いで、透明保護層を設けたゴルフボールを掴持手段1から取外し、通路を転がさせて塗装工程まで移動させ、塗装工程において、ゴルフボール全体にクリアー塗料をスプレー塗布して、乾燥しクリアー塗膜を設けた。透明保護層およびクリアー塗膜としては、以下の2液硬化型ウレタン系塗料を使用した。得られた500個のゴルフボールの外観を目視により観察した結果、マークの欠損は認められなかった。
クリアー塗膜及び透明保護層用2液硬化型ウレタン系塗料:
硬化剤と主剤の配合比:NCO/OH=1.2/1.0(モル比)
主剤:ポリエーテルポリオールとポリエステルポリオールの混合物(水酸基価82mgKOH/g)
硬化剤:ヘキサメチレンジイソシアネート
【0053】
【表3】
【0054】
比較例
マークをパッド印刷した後、透明保護層を設けることなく、ゴルフボールを掴持手段1から取外して、通路を転がさせて塗装工程まで移動させた以外は、実施例と同様の方法によりゴルフボールを500個製造した。得られた500個のゴルフボールの外観を目視により観察した結果、5個のゴルフボールにマークの欠損が認められた。
【0055】
【発明の効果】
本発明によれば、ゴルフボールの製造過程において、マーク欠けを低減することができ、さらに、マーク耐久性に優れたゴルフボールが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】パッド印刷機を例示する一部破断側面図である。
【図2】パッド印刷機を例示する一部破断側面図である。
【図3】パッド印刷機を例示する一部破断側面図である。
【図4】本発明の製造方法例を例示する説明図である。
【図5】掴持手段を例示する要部断面図である。
【図6】回転切換手段の作動説明図である。
【図7】回転切換手段の作動説明図である。
【符号の説明】
1:掴持手段、2:ゴルフボール、4:基盤、5:ガイド杆、6:挟持部材、7:挟持部材、8:ゴルフボール保持盤、9:ゴルフボール保持盤、10:円板、11:所定回転位置決め機構、12:エンドレス状チェーン、13:リンク、14:移動台、15:支持ローラ、16:横振れ防止ローラ、17:レール、18:鎖車、19:スタンプヘッド、20:パッド印刷機、21:上下作動杆、22:印刷機ボデー、23:転写板、24:インク供給筒、25:リップ、26:弾発部材、27:アクチュエータ、28:回転切換手段、29:係止ピン、30:係止爪、31:押圧ヘッド、32:支軸、33:弾発部材、34:ストッパ、40:ドライヤー
【発明の属する技術分野】
本発明は、ゴルフボールの製造方法に関するものであり、より詳細には、ゴルフボール表面に印刷されるマーク欠けを低減するゴルフボールの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ゴルフボールには、通常、商品名等を表わすブランドネームやプレーナンバー等のマークが印刷されている。一般的に、これらのマークは、ゴルフボール本体に印刷され、さらに、該マーク及びゴルフボール全体を被覆する透明な塗膜によって保護されている。
【0003】
近年、上記マークの形状や色が多様化する傾向にあり、マークを含むゴルフボールの外観が、ゴルフボールそのものの商品価値に大きな影響を与えるようになってきている。従って、ゴルフボールの使用などによって一部でもマーク欠けが生じると、ゴルフボールの性能自体に全く問題がない場合でも、商品価値が大幅に低下したり、クレームの対象になったりする。このような状況の下、マークの外観を美しくしたり、マーク欠けを低減する方法等が提案されている。
【0004】
例えば、特許文献1には、オウンネームなどのマークを設け、該マーク上にクリアー塗膜を施すゴルフボールの塗装方法が開示されている。また、特許文献2には、マークを形成するインクとゴルフボール表面との密着性を向上させることによってマーク欠けを低減するゴルフボール用印刷インクおよびこれを用いたゴルフボールが開示されている。
【0005】
【特許文献1】特開平11−276639号公報
【特許文献2】特開2000−172539号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ゴルフボールにマークを印刷し、続けて、塗装を施す工程では、ゴルフボールがマーク印刷工程から通路を転がって塗装工程へと移動する。また、塗装工程直前において、一時的にゴルフボールが収納される場合がある。このようなゴルフボールの製造工程においては、マークが十分に乾燥していない間に、ゴルフボールが、他のゴルフボールと衝突したり、或いは、通路を構成する部材など接触することにより印刷されたマークが欠ける場合が生じる。
【0007】
上述した特許文献1の塗装方法は、オウンネームなどの上に塗膜を設けて、塗膜を美しく形成すると共に、塗料の無駄を少なくする塗装方法を提供するものであるが、マークの欠けを低減する方法を提供するものではない。例えば、既にクリアー塗膜を施した完成品のボールにオウンネームなどを施して、かかるオウンネーム上に塗膜を設ける方法では、そもそもクリアー塗膜の内側に設けられているプレーナンバーやブランドネームなどのマークの欠けを低減することはできない。
【0008】
また、特許文献2による方法は、水系バインダーとさらにシランカップリング剤を用いて、マークを形成するインクとゴルフボール表面との密着性を向上させる方法であるが、水系バインダーやシランカップリング剤は生産コストを高める要因となる。
【0009】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、ゴルフボールのマーク欠けを低減するとともに、マーク耐久性に優れたゴルフボールの製造方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決することのできた本発明のゴルフボールの製造方法とは、ゴルフボール表面にマークをパッド印刷し、印刷されたマークを他の物体と接触させることなく、該マークを含む一部の領域に透明保護層をパッド印刷により設けることを特徴とする。マークが施された後、該マークと他の物体との接触を防止して、該マークを含む一部の領域に透明保護層を設ければ、マーク欠けの発生を抑制できるからである。また、マークと透明保護層とをそれぞれパッド印刷によって容易に設けることができ、生産効率を低下させることもない。
【0011】
本発明の製法として好ましいのは、ゴルフボール表面にマークをパッド印刷するパッド印刷機と該マークを含む一部の領域に透明保護層を設けるパッド印刷機とを使用して、ゴルフボール掴持手段を備えたベルトにゴルフボールを保持させて、ゴルフボールをマーク印刷用パッド印刷機まで移動させ、マーク印刷用パッド印刷機を用いて、ゴルフボール表面にマークをパッド印刷し、印刷されたマークを他の物体と接触させることなく、ゴルフボールを保持したまま透明保護層用パッド印刷機まで移動させ、透明保護層用パッド印刷機を用いて、該マークを含む一部の領域に透明保護層をパッド印刷により設ける。また、前記マーク印刷用パッド印刷機を用いて、ゴルフボール上面頂部にマークをパッド印刷し、印刷されたマークを他の物体と接触させることなく、印刷されたマークをゴルフボール上面頂部に位置させた状態を維持しつつ、ゴルフボールを透明保護層用パッド印刷機まで移動させ、透明保護層用パッド印刷機を用いて、該マークを含む一部の領域に透明保護層をパッド印刷により設けることも好ましい態様である。前記透明保護層は、2液硬化型ウレタン系樹脂により構成されていることが好ましい。マーク耐久性を一層向上することができるからである。また、前記透明保護層を設けたゴルフボールに、クリアー塗膜層を設けることも好ましく、ゴルフボール全体の外観を向上できる。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明のゴルフボールの製造方法は、ゴルフボール表面にマークをパッド印刷し、印刷されたマークを他の物体と接触させることなく、該マークを含む一部の領域に透明保護層をパッド印刷により設けるところに特徴がある。以下、図面を参照しながら本発明を詳細に説明するが、本発明は図面に記載された発明に限定されるものではない。
【0013】
まず本発明では、ゴルフボール表面に、より好ましくはゴルフボール上面頂部に、マークをパッド印刷する。パッド印刷とは、ゴルフボール表面にマークを印刷する方法として広く利用されているものであり、例えば、パッドの表面にインクなどを付着させ、インクなどが付着したパッドをゴルフボール表面に押圧して、ゴルフボール表面にインクなどを転写してマークを印刷する方法である。
【0014】
図1から図3は、パッド印刷機20を用いて、ゴルフボール表面にマークをパッド印刷する方法を例示する説明図である。パッド印刷機20には、乳房型乃至桃実型の弾性材質から成るスタンプヘッド19と、このスタンプヘッド19が下端に取付けられた上下作動杆21と、この上下作動杆21を取付けた印刷機ボデー22と、この上下作動杆21を上下駆動するエアシリンダやソレノイド等の上下駆動機構(図示省略)と、前後方向にスライドして転写すべきマークをその上面の凹溝として刻んだ転写板23と、上記ボデー22内に設けられて該転写板23のマーク用凹溝へインクを流し込むと共に不要なインクをぬぐい去るリップ25を下端開口端縁に有するインク供給筒24と、このインク供給筒24を転写板23上面へ弾発的に押圧する弾発部材26等から構成されている。また、27は転写板23を前後にスライド作動させるためのエアシリンダ等のアクチュエータである。図2より明らかなように、転写板23は、ボデー22の前面下端の窓部から前方へ突出して、下降してきたスタンプヘッド19が押圧される位置まで来ることができる。
【0015】
図1は待機状態を示し、スタンプヘッド19は上昇位置にあり、転写板23は後退位置にあり、その上面の凹溝内に十分インクが入り込む。次に、図1から図2のようにアクチュエータ27によって矢印B方向へ転写板23が押されて転写板23は前方突出状となり、一瞬静止すると、直ちにスタンプヘッド19が矢印Eのように下降して転写板23の上面マークに押圧され、転写板23のマークのインクは、スタンプヘッド19へ転写される。直ちに、スタンプヘッド19が上昇し、さらに、転写板23が後退して、一旦、図1の状態へ戻る。次いで、図3のように、スタンプヘッド19の下部に配置されたゴルフボール2の上面頂部に向かって、スタンプヘッド19を矢印Gのように下降して押圧すると、スタンプヘッド19のインクがゴルフボール2に転写される。直ちにスタンプヘッド19は上昇して図1の待機状態にもどる。
【0016】
本発明では、上述のようにしてゴルフボール表面にマークをパッド印刷した後、印刷されたマークを他の物体と接触させることなく、該マークを含む一部の領域に透明保護層をパッド印刷により設ける。パッド印刷されたマークを含む一部の領域に透明保護層を設ければ、マーク欠けを低減でき、さらにマークの耐久性を向上できるからである。このような観点からは、該マークを含む一部の領域にのみ透明保護層を設けることが好ましく、ゴルフボール全体に透明保護層を設ける必要はない。ゴルフボール全体に透明保護層を設けてしまうと、コストアップにも繋がるからである。また、パッド印刷機を使用すれば、ゴルフボールの上面頂部に印刷されたマークを含む一部の領域に透明保護層を容易に設けることができる。
【0017】
前記透明保護層は、例えば、パッド印刷のインクの代わりに、透明保護層用組成物を用いて、パッド印刷されたマークを含む一部の領域に該透明保護層用組成物を転写することにより設けられる。前記透明保護層用組成物としては、例えば、ゴルフボールのクリアー塗膜に使用される公知の塗料組成物と同一のものを使用することができる。また、該透明保護層用組成物を転写した後、必要に応じて、ドライヤーなどを用いて乾燥して、透明保護層を設けることも好ましい態様である。
【0018】
本発明では、透明保護層を設けた後、さらに、ゴルフボールにクリアー塗膜を設けることも好ましく、より好ましくはゴルフボール表面全体にクリアー塗膜を設ける。クリアー塗膜を設けることにより、ゴルフボール全体の外観を向上できるからである。前記クリアー塗膜は、基材樹脂、必要に応じて後述する添加剤を含有する塗料組成物をゴルフボールを被覆するように塗布して、乾燥することにより形成される。前記塗布の方法は、例えば、スプレー塗布などの方法が挙げられ、前記乾燥条件は、例えば、30〜60℃で0.5〜6時間である。
【0019】
図4は、本発明のゴルフボールの製造方法を例示する説明図である。本態様においては、ゴルフボール表面にマークをパッド印刷するパッド印刷機と該マークを含む一部の領域に透明保護層を設けるパッド印刷機とを使用する。図例においては、パッド印刷機のパッドスタンプのみを図示している(P1〜P4)。
【0020】
まず、掴持手段1を備えたベルトCにゴルフボール2を掴持させて、ゴルフボールをマーク印刷用パッド印刷機の下部まで移動させ、上述したような態様で、ゴルフボール表面(上面頂部)にマークをパッド印刷する(P1)。次いで、印刷されたマークを他の物体と接触させることなく、ゴルフボールを保持したまま透明保護層用パッド印刷機まで移動させる。この際、ゴルフボール上面頂部に印刷されたマークの位置が上面頂部に位置した状態を保持したまま、ゴルフボールを透明保護層用パッド印刷機まで移動させることが好ましい。そして、透明保護層用パッド印刷機を用いて、該マークを含む一部の領域に透明保護層をパッド印刷により設ける(P2)。このようにすれば、ゴルフボール上面頂部にパッド印刷されたマークを含む一部の領域に透明保護層を容易に設けることができる。
【0021】
図5は、掴持手段1を備えたベルトCがゴルフボールを保持した状態を説明する要部断面図である。図5に於て、掴持手段1はゴルフボール2を水平前後方向の一軸心3廻りに所定角度毎回転可能として保持する手段である。具体的にはこの掴持手段1は、基盤4と、該基盤4にガイド杆5を介して矢印A方向に移動自在として立設された一対の挾持部材6,7と、該挾持部材6,7に夫々回転可能に枢着されたボール保持盤8,9と、一方の保持盤8の軸の外端に固着された円板10と、この円板10の内面のノッチ凹所に係脱可能に係止するボールとスプリング等から成る所定角度回転位置決め機構11等から、構成される。対向する一対のボール保持盤8,9の軸部は、前記軸心3廻りに回転可能として、(図示省略の)軸受にて挾持部材6,7に枢着されている。クレビス状に基盤4から立設された一対の上記挾持部材6,7は、図5の矢印Aの内で相互に接近する方向へ、(図示省略の)引張ばねや渦巻バネや流体シリンダ等の弾発引寄機構にて弾発付勢され、ゴルフボール2をボール保持盤8,9の吸盤型カップ部にて、該ゴルフボール2の中心が軸心3に一致するように、挾着保持する。図5のように、ゴルフボールを保持しておけば、ゴルフボールは、軸心3を中心とした回転しかしないので、ゴルフボールの上面頂部にパッド印刷されたマークは、他の物体と接触することがなく、透明保護層を設ける工程(パッド印刷機)まで移動させることができる。
【0022】
図4および図5において、ベルトCを含む移動手段は、エンドレス状チェーン12と、このチェーンのリンク13に固着された移動台14と、該移動台14に付設された支持ローラ15,横振れ防止ローラ16と、この両ローラ15,16をガイドするレール17,17と、上記チェーン12が懸架された複数の鎖車18と、この鎖車18の内の1個を間欠的に回転駆動するモータ(図示省略)等から、構成される。図5に示すように、チェーン12は平行に配置して2本使用され、移動台14は、このチェーン12のリンクの約2個分の長さに設定され、長手方向から見て倒立門型であって、その前後各端面に立設した2本の支軸にて支持ローラ15,15が枢着され、レール17,17の内側凹溝17a,17a内を転動走行する。レール17は、各々3本の角棒や帯板から成り、それ等を相互に連結具にて連結一体化した構造を有している。中間の角棒の高さ寸法は高精度に容易に加工できるので、上記凹溝17aの上下間隔寸法は高精度に容易に得られる。これによって、ローラ15,15の径寸法に対する凹溝17aの上下間隔寸法を正確な寸法公差として、移動台14及び掴持手段1とゴルフボール2の上下方向のがたつきを減少させることが簡単に可能となる。横振れ防止ローラ16,16は、移動台14の前後端の下面に垂設された支軸にて枢着され、レール17の(凹溝17aよりも下方位置の)内面17bに転動自在に接触して、移動台14及び掴持手段1とゴルフボール2の前後方向の位置ずれ(横振れ)を防止する。
【0023】
また、図4中、28は、ゴルフボール2の被印刷部位を変更するため、上記掴持手段1を所定角度θずつ回転させる回転切換手段である。例えば、掴持手段1の前記円板10に、中心角90゜の等ピッチで4本の係止ピン29を突設し、この係止ピン29に係止自在な係止爪30を有する押圧ヘッド31と、この押圧ヘッド31を上昇下降させる図外のエアシリンダ等の往復アクチュエータ等をもって、回転切換手段28を構成する。
【0024】
さらに、図6と図7により、回転切換手段28を具体的に説明すれば、係止爪30は支軸32廻りに揺動可能に枢着されると共に、コイルスプリングや挟みばね等の弾発部材33にて爪先が上方へ復元するように常時弾発付勢されている。34はストッパであり、通常状態では、図6のように係止爪30が略水平状となるように規制する。図6の実線の位置から、矢印Hのように(図外のアクチュエータにより)押圧ヘッド31が下降すると、同図右上の1本の係止ピン29に係止爪30が係止し、矢印Jのように円板10を回転させて、同図仮想線の位置まで、90°回転させる。押圧ヘッド31はそこで反転して図7の矢印Kのように上昇するが、次の右上位置の係止ピン29に係止爪30の上面が当接することとなる。
【0025】
しかし、図5で説明したように、回転位置決め機構11が設けられていて、適度の回転抵抗が円板10に与えられているので、円板10は逆転せず、係止爪30は弾発部材33の弾発付勢力に抗しつつ、矢印Mのように揺動して、逃げて、図7から図6の状態へ復帰できる。このように、4本の係止ピン29ならば、90゜の所定角度θずつボール2を前記軸心3廻りに回転させることができる。この係止ピン29の増加によって、この角度を小さく設定することも可能であり、例えば、係止ピン29を6本として、60゜の角度θ毎の回転を行うことができる。
【0026】
上記回転切換手段28は、ゴルフボールにマークを複数設ける場合に好適に使用することができ、本発明は、例えば、次のような態様に変更することができる。ゴルフボール上面頂部に第1マークをパッド印刷し(P1)、パッド印刷された第1マークを他の物体と接触させることなく、ゴルフボールのマーク位置を上面頂部に保持したまま、透明保護層用パッド印刷機まで移動し、透明保護層用パッド印刷機を用いて、該マークを含む一部の領域に透明保護層をパッド印刷により設ける(P2)。次いで、回転切換手段28によりゴルフボールを回転させて、第2のマークを設ける位置が上面となるようにし、上述したのと同様の方法により、第2マークをパッド印刷し(P3)、続けて、該第2マークを含む一部の領域に透明保護層をパッド印刷により設ける(P4)。
【0027】
また、上記回転切換手段28を使用せずに、ゴルフボールにマークを複数設けることもできる。例えば、ゴルフボール上面頂部に第1マークをパッド印刷し(P1)、印刷された第1マークを他の物体と接触させることなく、ゴルフボールのマーク位置を上面に保持したまま移動させ、第1マークの近くに第2マークをパッド印刷し(P2)、続けて、第1と第2のマークとを含む一部の領域に透明保護層をパッド印刷により設ける(P3)態様でもよい。
【0028】
本発明では、上記回転切換手段、マーク印刷用パッド印刷機、および、透明保護層用パッド印刷機などの組合わせにより、マークおよび透明保護層を設ける態様を適宜変更することができる。尚、マークを複数印刷する場合は、それぞれのマークを被覆する透明保護層を設ける態様が好ましいが、マークの大きさ、形態あるいは、マークの種類によっては、透明保護層を設ける必要性が低い場合があるため、複数印刷されているマークのうち少なくとも1つのマークに透明保護層を設けるようにすることも好ましい態様である。
【0029】
図4および図5の態様では、ゴルフボールに印刷されたマークが他の物体と接触することなくゴルフボールを移動する態様に基づいて説明したが、これとは逆に、例えば、マークが印刷されたゴルフボールをその位置に保持しておき、透明保護層を設けるパッド印刷機をゴルフボール上部へと移動させる態様であってもよい。このような場合にも、印刷されたマークが他の物体と接触することを防止でき、マーク欠けを低減できるからである。
【0030】
本発明でパッド印刷するマークのインク組成物は、特に限定されるものではなく、例えば、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂などを基材樹脂として好適に使用することができ、これらの中でもエポキシ樹脂を好適に使用できる。また、本発明の効果を損なわない範囲で硬化剤を使用するいわゆる2液硬化型タイプの樹脂であってもよい。前記エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、o−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂などを挙げることができる。また、前記硬化剤としては、例えば、ポリアミンやポリイソシアネートなどを使用することができる。
【0031】
本発明において、前記透明保護層およびクリアー塗膜の基材樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル系樹脂、セルロース系樹脂などを使用することができ、後述する2液硬化型ウレタン樹脂を使用することが好ましい。2液硬化型ウレタン樹脂を基材として使用すれば、耐久性に優れた透明保護層、および、クリアー塗膜が得られるからである。
【0032】
前記2液硬化型ウレタン樹脂は、主剤と硬化剤とを反応し硬化させてなるウレタン樹脂であり、例えば、ポリオール成分を含有する主剤をポリイソシアネート及びその誘導体で硬化させたものが挙げられる。
【0033】
前記ポリオール成分を含有する主剤には、さらに以下に示すような特定のウレタンポリオールが含まれることが好ましい。ウレタンポリオールは、ポリイソシアネートとポリオールとの反応により合成される。合成に使用するポリイソシアネートとしては、イソシアネート基を2以上有するものであれば特に限定されず、例えば、2,4−トルエンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート、2,4−トルエンジイソシアネートと2,6−トルエンジイソシアネートの混合物(TDI)、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、1,5−ナフチレンジイソシアネート(NDI)、3,3’−ビトリレン−4,4’−ジイソシアネート(TODI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)、パラフェニレンジイソシアネート(PPDI)等の芳香族ポリイソシアネート;4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(H12MDI)、水素添加キシリレンジイソシアネート(H6XDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)等の脂環式ポリイソシアネート又は脂肪族ポリイソシアネート等のうちの1種または2種以上の混合物が挙げられる。これらのうち、耐候性の観点から、非黄変性のポリイソシアネート(TMXDI、XDI、HDI、H6XDI、IPDI、H12MDIなど)が好ましく使用される。尚、上記ポリイソシアネートは、ウレタンポリオールを硬化させるための硬化剤としても使用することができる。
【0034】
ウレタンポリオールの製造に使用されるポリオールとしては、水酸基を複数有するものであれば特に限定されず、例えば、低分子量のポリオールや高分子量のポリオールなどを挙げることができる。低分子量のポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール等のジオール;グリセリン、トリメチロールプロパン、ヘキサントリオールなどのトリオールが挙げられる。高分子量のポリオールとしては、ポリオキシエチレングリコール(PEG)、ポリオキシプロピレングリコール(PPG)、ポリオキシテトラメチレングリコール(PTMG)等のポリエーテルポリオール;ポリエチレンアジぺート(PEA)、ポリブチレンアジペート(PBA)、ポリヘキサメチレンアジペート(PHMA)などの縮合系ポリエステルポリオール;ポリ−ε−カプロラクトン(PCL)のようなラクトン系ポリエステルポリオール;ポリヘキサメチレンカーボネートなどのポリカーボネートポリオール;及びアクリルポリオールなどが挙げられる。以上のようなポリオールのうち、重量平均分子量50〜2,000を有するもの、特に100〜1,000程度のポリオールが好ましく用いられる。尚、これらのポリオールは、1種または2種以上混合して用いてもよい。
【0035】
前記ウレタンポリオールとは、上記ポリイソシアネートとポリオールとが反応してウレタン結合を形成し、少なくとも2以上のヒドロキシル基を(好ましくは末端に)有するポリオールである。ここで、ウレタンポリオール中のウレタン結合の比率は、ウレタンポリオール1gに対して0.1〜5mmol/gであることが好ましい。ウレタン結合の比率は、形成される塗膜の剛性と関係があり、0.1mmol/g未満では、形成される塗膜中のウレタン濃度が低いため耐擦過傷性不足になるからである。一方、5mmol/gを上回ると、塗膜が硬くなりすぎてゴルフボール本体の変形に対する追随性が低下し、ひび割れを起こし易くなるからである。
【0036】
また、ウレタンポリオールの重量平均分子量は、4,000以上、好ましくは4,500以上で、10,000未満、好ましくは9,000以下である。4,000未満では乾燥に時間がかかって作業性、生産性が低下するからである。一方、10,000以上の高分子量のウレタンポリオールでは、相対的にウレタンポリオールの水酸基価が小さくなり、塗布後の反応量が少なくなって下地との密着性が低下するからである。また、重量平均分子量が9,000以下であれば、水に濡れるような状態にあっても密着性の低下が少ない緻密な塗膜を形成できるからである。
【0037】
ウレタンポリオールの水酸基価は15mgKOH/g以上、特に73mgKOH/g以上で、130mgKOH/g以下、特に120mgKOH/g以下であることが好ましい。15mgKOH/g未満では、硬化剤との反応量が不足するため、ボール本体との密着強度が得られ難くなるからである。一方、130mgKOH/gを上回ると、硬化剤との反応に時間がかかり、乾燥時間が長くなって生産性が低下するとともに、インパクト時に割れを起こし易くなるからである。
【0038】
以上のようなウレタンポリオールは、原料となるポリオールとポリイソシアネート化合物とを、ポリオール成分のヒドロキシル基がポリイソシアネート化合物のイソシアネート基に対してモル比で過剰になるような割合で、反応させることにより得られる。上記反応に際しては、溶剤やウレタン化反応に公知の触媒(ジブチル錫ジラウリレートなど)を使用することができる。尚、ウレタン結合の比率は、原料となるポリオールの分子量、ポリオールとポリイソシアネート化合物との配合比率などを調整することにより行うことができる。
【0039】
前記主剤を構成するポリオール成分は、上記特定のウレタンポリオールそのものであること、すなわち主剤が実質的に上記特定のウレタンポリオールであることが好ましいが、前記ウレタンポリオール以外にもウレタンポリオールと相溶可能でウレタン結合を有しないポリオールが含まれていても良い。この場合のウレタン結合を有しないポリオールは、特に限定されず、上述したウレタンポリオール合成用の原料ポリオールを使用することができる。また、主剤中にウレタン結合を有しないポリオールが含まれる場合には、主剤中のウレタンポリオールの含有量が50質量%以上が好ましく、より好ましくは80質量%以上となるようにすることが好ましい。主剤中のウレタンポリオールの含有率が50質量%未満では、相対的にウレタンポリオールの含有率が少なくなるため、乾燥時間が長くなるからである。
【0040】
前記クリアー塗膜及び透明保護層には、基材樹脂などのほかに、更に、紫外線吸収剤、酸化防止剤、光安定剤、蛍光増白剤、ブロッキング防止剤などの、一般にゴルフ用塗膜に含有され得る添加剤が含まれていてもよい。
【0041】
本発明のゴルフボールの構造は、特に限定されず、ワンピースゴルフボール、ツーピースゴルフボール、スリーピースゴルフボール以上のマルチピースゴルフボール、或いは、糸巻きゴルフボールであってもよい。いずれの場合であっても、本発明を好適に適用できるからである。
【0042】
次に、本発明のゴルフボールを製造する方法について、ツーピースゴルフボールの態様を例にとって説明するが、本発明は、かかる製造方法に限定されるものではない。ツーピースゴルフボールのコアとしては、従来より公知のコアを使用することができ、例えば、基材ゴムとしてのジエン系ゴム、共架橋剤、及び架橋開始剤を含むゴム組成物を加熱プレスして成形したものであることが好ましい。前記ジエン系ゴムとしては、特に、反発に有利なシス結合が40%以上、好ましくは70%以上、より好ましくは90%以上のハイシスポリブタジエンを用いることが好ましい。前記共架橋剤は、炭素数が3〜8個のα,β−不飽和カルボン酸又はその金属塩、好ましくはアクリル酸、メタクリル酸の金属塩が用いられ、金属としては、亜鉛、マグネシウム、カルシウム、アルミニウム、ナトリウムが好ましく、より好ましくは亜鉛が用いられる。このような共架橋剤の使用量は、基材ゴム100質量部あたり20〜50質量部が好ましい。また、架橋開始剤としては、有機過酸化物が好ましく用いられる。具体的には、ジクミルパーオキサイド、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,5−トリメチルシクロヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t―ブチルパーオキシ)ヘキサン、ジ−t−ブチルパーオキサイド等の有機過酸化物が挙げられ、これらのうちジクミルパーオキサイドが好ましく用いられる。有機過酸化物の配合量は、基材ゴム100質量部に対して0.2〜1.5質量部が好ましく、より好ましくは0.3〜1.0質量部である。前記コア用ゴム組成物には、基材ゴム、共架橋剤、及び架橋開始剤に加えて、さらに、酸化亜鉛や硫酸バリウム等の比重調整剤、老化防止剤、色粉等を適宜配合することができる。前記コア用ゴム組成物の加熱プレス成型条件は、ゴム組成に応じて適宜設定すればよいが、通常、130〜200℃で10〜60分間加熱するか、あるいは130〜150℃で20〜40分間加熱した後、160〜180℃で5〜15分間と2段階加熱することが好ましい。
【0043】
上記のようにして得られたコア上にはカバーを被覆して、ゴルフボール本体を作製する。前記カバー材料としては、例えば、アイオノマー樹脂やウレタン樹脂などの熱可塑性樹脂、2液硬化型ウレタン樹脂、バラタまたは硬質ゴムなどを挙げることができる。また、カバーを被覆してゴルフボール本体を作製する際には、通常、表面にディンプルと呼ばれるくぼみが形成される。さらに、ゴルフボール本体表面は、サンドブラスト処理のような研磨処理がなされてもよい。
【0044】
上記製法では、ツーピースゴルフボールの態様を例にとって説明したが、例えば、糸巻きゴルフボールの場合には、糸巻きコアを使用すればよく、スリーピース以上のマルチピースゴルフボールの場合には、コアとカバーとの間に少なくとも1層以上の中間層を設けることができる。前記糸巻きコアは、センターとそのセンターの周囲に糸ゴムを延伸状態で巻き付けることによって形成した糸ゴム層とから成り、従来より公知のものを使用することができる。センターとしては液系(リキッドセンター)またはゴム系(ソリッドセンター)のいずれを用いてもよい。また、上記センター上に巻き付ける糸ゴムは、糸巻きゴルフボールの糸巻き層に従来から使用されているものと同様のものを使用することができ、例えば、天然ゴムまたは天然ゴムと合成ポリイソプレンに硫黄、加硫助剤、加硫促進剤、老化防止剤等を配合したゴム組成物を加硫することによって得られたものを用いてもよい。糸ゴムはセンター上に約10倍に引き伸ばして巻きつけて糸巻きコアを作製する。
【0045】
また、スリーピース以上のマルチピースゴルフボールの中間層としては、例えば、ポリウレタン樹脂、アイオノマー樹脂、ナイロン、ポリエチレン等の熱可塑性樹脂;ポリスチレン系エラストマー、ポリオレフィン系エラストマー、ポリウレタン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー等の熱可塑性エラストマーなどが挙げられる。ここで、アイオノマー樹脂としては、例えば、エチレンとα,β−不飽和カルボン酸との共重合体中のカルボキシル基の少なくとも1部を金属イオンで中和したもの、またはエチレンとα,β−不飽和カルボン酸とα,β−不飽和カルボン酸エステルとの三元共重合体中のカルボキシル基の少なくとも一部を金属イオンで中和したものが挙げられる。前記中間層には、さらに、硫酸バリウム、タングステン等の比重調整剤、老化防止剤、顔料などが配合されていてもよい。
【0046】
【実施例】
以下、本発明を実施例によって詳細に説明するが、本発明は、下記実施例によって限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲の変更、実施の態様は、いずれも本発明の範囲内に含まれる。
【0047】
実施例
[ツーピースゴルフボールの作成]
▲1▼コアの作製
表1に示す配合のコア用ゴム組成物を混練し、半球状キャビティを有する上下金型内で160℃で13分間加熱プレスすることにより直径39.3mmの球状コアを得た。
【0048】
【表1】
【0049】
ポリブタジエンゴム:JSR(株)製のBR11
▲2▼カバー組成物の調製
表2に示した配合の材料を、二軸混練型押出機によりミキシングして、ペレット状のカバー用組成物を調製した。押出条件は、スクリュー径45mm、スクリュー回転数200rpm、スクリューL/D=35であり、配合物は、押出機のダイの位置で200〜260℃に加熱された。
【0050】
【表2】
【0051】
ハイミラン1605:三井デュポンポリケミカル(株)製のナトリウムイオン中和エチレン−メタクリル酸共重合体アイオノマー樹脂
ハイミラン1706:三井デュポンポリケミカル(株)製の亜鉛イオン中和エチレン−メタクリル酸共重合体アイオノマー樹脂
ハイミラン1707:三井デュポンポリケミカル(株)製のナトリウムイオン中和エチレン−メタクリル酸共重合体アイオノマー樹脂
▲3▼ゴルフボール本体の作製
上記で得たカバー用組成物を、前述のようにして得たコア上に直接射出成形することによりカバー層を形成し、直径42.7mmを有するツーピースゴルフボール本体を作製した。カバー成形用上下金型は、半球状キャビティを有し、ディンプル付きで、ディンプルの一部が進退可能なホールドピンを兼ねている。上記ホールドピンを突き出し、コアを投入後ホールドさせ、80トンの圧力で型締めした金型に210℃に加熱した樹脂を0.3秒で注入し、30秒間冷却して型開きしてゴルフボールを取り出した。
【0052】
▲4▼マークおよび透明保護層の作製
得られたゴルフボール(500個)の表面をサンドブラスト処理をした後、図4に示すマーク印刷ラインを用いて、表3のインク組成物を使用し、「X(幅8mm、高さ8mm)」のマークをパッド印刷し、ゴルフボールのマーク位置を上面頂部に位置させたまま、透明保護層用パッド印刷機まで移動させ、パッド印刷により該マークを含む一部の領域に透明保護層を設けた。次いで、透明保護層を設けたゴルフボールを掴持手段1から取外し、通路を転がさせて塗装工程まで移動させ、塗装工程において、ゴルフボール全体にクリアー塗料をスプレー塗布して、乾燥しクリアー塗膜を設けた。透明保護層およびクリアー塗膜としては、以下の2液硬化型ウレタン系塗料を使用した。得られた500個のゴルフボールの外観を目視により観察した結果、マークの欠損は認められなかった。
クリアー塗膜及び透明保護層用2液硬化型ウレタン系塗料:
硬化剤と主剤の配合比:NCO/OH=1.2/1.0(モル比)
主剤:ポリエーテルポリオールとポリエステルポリオールの混合物(水酸基価82mgKOH/g)
硬化剤:ヘキサメチレンジイソシアネート
【0053】
【表3】
【0054】
比較例
マークをパッド印刷した後、透明保護層を設けることなく、ゴルフボールを掴持手段1から取外して、通路を転がさせて塗装工程まで移動させた以外は、実施例と同様の方法によりゴルフボールを500個製造した。得られた500個のゴルフボールの外観を目視により観察した結果、5個のゴルフボールにマークの欠損が認められた。
【0055】
【発明の効果】
本発明によれば、ゴルフボールの製造過程において、マーク欠けを低減することができ、さらに、マーク耐久性に優れたゴルフボールが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】パッド印刷機を例示する一部破断側面図である。
【図2】パッド印刷機を例示する一部破断側面図である。
【図3】パッド印刷機を例示する一部破断側面図である。
【図4】本発明の製造方法例を例示する説明図である。
【図5】掴持手段を例示する要部断面図である。
【図6】回転切換手段の作動説明図である。
【図7】回転切換手段の作動説明図である。
【符号の説明】
1:掴持手段、2:ゴルフボール、4:基盤、5:ガイド杆、6:挟持部材、7:挟持部材、8:ゴルフボール保持盤、9:ゴルフボール保持盤、10:円板、11:所定回転位置決め機構、12:エンドレス状チェーン、13:リンク、14:移動台、15:支持ローラ、16:横振れ防止ローラ、17:レール、18:鎖車、19:スタンプヘッド、20:パッド印刷機、21:上下作動杆、22:印刷機ボデー、23:転写板、24:インク供給筒、25:リップ、26:弾発部材、27:アクチュエータ、28:回転切換手段、29:係止ピン、30:係止爪、31:押圧ヘッド、32:支軸、33:弾発部材、34:ストッパ、40:ドライヤー
Claims (5)
- ゴルフボール表面にマークをパッド印刷し、印刷されたマークを他の物体と接触させることなく、該マークを含む一部の領域に透明保護層をパッド印刷により設けることを特徴とするゴルフボールの製造方法。
- ゴルフボール表面にマークをパッド印刷するパッド印刷機と該マークを含む一部の領域に透明保護層を設けるパッド印刷機とを使用して、
ゴルフボール掴持手段を備えたベルトにゴルフボールを保持させて、ゴルフボールをマーク印刷用パッド印刷機まで移動させ、
マーク印刷用パッド印刷機を用いて、ゴルフボール表面にマークをパッド印刷し、
印刷されたマークを他の物体と接触させることなく、ゴルフボールを保持したまま透明保護層用パッド印刷機まで移動させ、
透明保護層用パッド印刷機を用いて、該マークを含む一部の領域に透明保護層をパッド印刷により設けることを特徴とするゴルフボールの製造方法。 - ゴルフボール表面にマークをパッド印刷するパッド印刷機と該マークを含む一部の領域に透明保護層を設けるパッド印刷機とを使用して、
ゴルフボール掴持手段を備えたベルトにゴルフボールを保持させて、ゴルフボールをマーク印刷用パッド印刷機まで移動させ、マーク印刷用パッド印刷機を用いて、ゴルフボール上面頂部にマークをパッド印刷し、
印刷されたマークを他の物体と接触させることなく、印刷されたマークをゴルフボール上面頂部に位置させた状態を維持しつつ、ゴルフボールを透明保護層用パッド印刷機まで移動させ、透明保護層用パッド印刷機を用いて、該マークを含む一部の領域に透明保護層をパッド印刷により設けることを特徴とするゴルフボールの製造方法。 - 前記透明保護層は、2液硬化型ウレタン系樹脂により構成されている請求項1〜3のいずれかに記載のゴルフボールの製造方法。
- さらに、前記透明保護層を設けたゴルフボールに、クリアー塗膜層を設ける請求項1〜4のいずれかに記載のゴルフボールの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003038627A JP2004243033A (ja) | 2003-02-17 | 2003-02-17 | ゴルフボールの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003038627A JP2004243033A (ja) | 2003-02-17 | 2003-02-17 | ゴルフボールの製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004243033A true JP2004243033A (ja) | 2004-09-02 |
Family
ID=33023101
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003038627A Pending JP2004243033A (ja) | 2003-02-17 | 2003-02-17 | ゴルフボールの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004243033A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006075253A (ja) * | 2004-09-08 | 2006-03-23 | Sri Sports Ltd | ゴルフボール用マーキング装置及びゴルフボールのマーキング方法 |
JP2006081605A (ja) * | 2004-09-14 | 2006-03-30 | Kametani Sangyo Kk | マーキングが施されたゴルフボール、その製造方法及びその製造に用いられる転写フィルム |
US7273426B2 (en) | 2005-06-09 | 2007-09-25 | Bridgestone Sports Co., Ltd. | Golf ball |
KR102122015B1 (ko) * | 2019-05-03 | 2020-06-11 | 박종현 | 액상 경질캡슐의 스프레이방식 접합장치 및 그 방법 |
-
2003
- 2003-02-17 JP JP2003038627A patent/JP2004243033A/ja active Pending
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006075253A (ja) * | 2004-09-08 | 2006-03-23 | Sri Sports Ltd | ゴルフボール用マーキング装置及びゴルフボールのマーキング方法 |
US7585035B2 (en) | 2004-09-08 | 2009-09-08 | Sri Sports Limited | Marking device and method for golf ball |
JP4509706B2 (ja) * | 2004-09-08 | 2010-07-21 | Sriスポーツ株式会社 | ゴルフボール用マーキング装置及びゴルフボールのマーキング方法 |
JP2006081605A (ja) * | 2004-09-14 | 2006-03-30 | Kametani Sangyo Kk | マーキングが施されたゴルフボール、その製造方法及びその製造に用いられる転写フィルム |
US7273426B2 (en) | 2005-06-09 | 2007-09-25 | Bridgestone Sports Co., Ltd. | Golf ball |
US7618332B2 (en) | 2005-06-09 | 2009-11-17 | Bridgestone Sports Co., Ltd. | Golf ball |
KR102122015B1 (ko) * | 2019-05-03 | 2020-06-11 | 박종현 | 액상 경질캡슐의 스프레이방식 접합장치 및 그 방법 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US6987159B2 (en) | Solid golf ball | |
JP4437614B2 (ja) | ソリッドゴルフボール | |
JP4523912B2 (ja) | ゴルフボールおよびその製造方法 | |
JP4398822B2 (ja) | ゴルフボール | |
US7824739B2 (en) | Method for producing a golf ball | |
JP2002200196A (ja) | ソリッドゴルフボール | |
JP4451109B2 (ja) | ゴルフボール | |
JP5590779B2 (ja) | ゴルフボール | |
JP4047577B2 (ja) | ウレタンカバーを有するゴルフボール | |
JP4038396B2 (ja) | ゴルフボール | |
US10293214B2 (en) | Golf ball | |
JP4523925B2 (ja) | ゴルフボール | |
JP4485905B2 (ja) | ゴルフボール及びその製造方法 | |
JP2004243033A (ja) | ゴルフボールの製造方法 | |
JP7095527B2 (ja) | ゴルフボール | |
JP5258363B2 (ja) | ゴルフボール | |
JP4676889B2 (ja) | ゴルフボール | |
JP3938515B2 (ja) | ゴルフボール | |
JP3594549B2 (ja) | ゴルフボールの製造方法 | |
JP2007159996A (ja) | ウレタンカバーを有するゴルフボールおよびその製造方法 | |
JP4076448B2 (ja) | ゴルフボール及びゴルフボール表面のマーク形成方法 | |
JP7234565B2 (ja) | ゴルフボール | |
JP7095528B2 (ja) | ゴルフボール | |
JP2007029470A (ja) | ゴルフボール | |
JP2005342165A (ja) | ゴルフボール |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A711 | Notification of change in applicant |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711 Effective date: 20050523 |
|
RD03 | Notification of appointment of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423 Effective date: 20050707 |