JP2004242760A - 飲料抽出バッグ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】扁平な透水性の袋主体2の表面部及び裏面部の中央部に、それぞれ帯状の固定部材3を鉛直方向に設ける。この固定部材3の上下の端部に、袋主体2の幅よりも短い長さの帯状の賦形板7,8をそれぞれ直交させて一体的に設け、これら上下の賦形板間7,8に、固定部材3の左右の側縁部に沿って、この側縁部を支点として引き起こし可能で、かつ容器の開口縁を受け入れる係合部6を有する左右一対の係止片5,5を設けて飲料抽出バッグ1とする。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、紅茶、緑茶、コーヒー粉末等の被抽出飲料材料を、水又は熱湯などで抽出するための飲料抽出バッグに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
コーヒー粉末や茶葉等から成分を抽出し、飲料としてコーヒーやお茶等を得るに際し、透水性を有する袋の内部に紅茶、緑茶等を封入し、袋ごと湯等に浸漬して飲料成分を抽出するティーバッグ方式は、作業が簡便であるとともに、あらかじめ紅茶、緑茶等が袋に収納されていることから保管に、持ち運びに、また抽出時の取扱いに便利で、使用後の始末にも有利なものである。
【0003】
特に、コーヒーにおいては、コーヒー粉末を収めた透水性素材からなる袋体、いわゆるティーバッグの外表面に、コーヒーカップ等の容器の縁に掛け止め、袋体を容器内に吊り下がり状に支持することのできる支持片を設け、容器内に吊り下がり状に支持された袋体上部の開口部から湯を注ぎ、コーヒー粉末に通して濾過するコーヒー用バッグ、あるいはコーヒー用フィルターとも呼称されている飲料抽出バッグが用いられている。
【0004】
それら飲料抽出バッグの具体例の一つとし、特開平10−179401号公報(特許文献1)においては、濾過袋本体の表背両面に1個づつ係止部材を固定するに際し、この係止部材を、濾過袋本体両面に固定された支持体と、この支持体から引き起し可能に伸び出ている係止片により形成し、支持体を、係止片に連続して、これを支持する係止片支持部と係止片の上下辺に沿って伸びる上下保形部により形成し、前記係止片に係止凹部を形成するとともに、その末端部を保形部の外側に伸び出るように形成し、必要によりこの末端部に折り曲げ溝を形成した飲料抽出バッグが提案されている。
【0005】
また、特開2002−17574号公報(特許文献2)では、コーヒー粉、茶葉等の抽出材料を収容するための濾過袋と、この濾過袋を容器に吊り止めるために、濾過袋の外側面に横方向に沿って引き起こし可能に固定された係止片とを具備した飲料抽出バッグにおいて、前記の係止片に、横方向に互いに離れて配置された高さの異なる2つの係止用凹部を具備させ、容器の縁に係合させる係止用凹部を選択することによって、抽出時に濾過袋が抽出液中に浸漬される下方位置と浸漬されない上方位置との間で、容器に対する濾過袋の上下位置を選択可能とした飲料抽出バッグが提案されている。
【0006】
一方、特開平10−165309号公報(特許文献1)においては、前面部と後面部とで扁平に形成するフィルター製の袋本体の中にコーヒー粉末等の被抽出材料を封入する一方、前記前面部と後面部のそれぞれに、上縁部に沿って補強板を接面状に止着し、また前後両面部には、一端の取付片を前記袋本体の左右側縁部に沿って止着し、他端の係止片を向かい合わせにする一対の係止腕を備えて備えなるもので、使用に際しては、前記袋本体の上縁部に沿って切断して開封し、前記係止片を引き起こして容器の開口縁部に係止したのち、開口部から湯を注ぐようにした濾過器が提案されている。
【0007】
【特許文献1】
特開平10−179401号公報(特許請求の範囲、図5)
【特許文献2】
特開2002−17574号公報(特許請求の範囲、図3、図4)
【特許文献3】
特開平10−165309号公報(特許請求の範囲、図5)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記の特許文献1又は2に記載の飲料抽出バッグは、いずれも濾過袋の前後の外側面に、横方向に沿って引き起こし可能に固定された係止片をそれぞれ同一方向に引き起こし、各係止片を容器の開口縁に掛け止める片支持方式のため、濾過袋の開口部を十分に開口させることが難しく、収容された粉末が片側に寄り易く、濾過袋内に熱湯を注ぐ際して、注がれた熱湯が片寄った抽出材料に吸収され、濾過袋側の一方側の重量が急激に重くなるので、前記掛け止め部が上方に持ち上がり、容器への濾過袋の支持がきわめて不安定になるおそれがある。
【0009】
また、特許文献2又は3に記載の濾過器は、袋本体の相対する部位に一対の係止片が形成され、各一対の係止片を容器開口部の対称位置に掛け止めることによって、柔軟なフィルター製の袋が一定の形状に保持されるのに加えて、この袋本体が容器に対して計4点で支持されるので、容器に対する装着状態を安定させることができ、湯の注ぎ込みの途中での形状崩れや脱落等の問題を有効に回避できるとされている。
【0010】
しかしながら、特許文献2に記載の濾過器は、係止片を支持する係止支持部および補強部が上部にしか設けられておらず、また特許文献3に記載の濾過器においては、帯板状に形成された補強板が、袋本体の前面部と後面部の、上部略全幅に亘って各接面状に止着され、かつ各両端を袋本体の左右の側縁部において揃えて設けられるので、これらの濾過器においては、開封後に前面部と後面部の各補強板に一体に設けられた係止腕の係止片を、端部の取付片を基点にして引起し、それぞれ外方に起立させた場合、袋本体の開口部は扁平な状態を保持し、全く開口しないか、開口がきわめて不十分なものである。
【0011】
そのため、特許文献3に記載の濾過器においては、図4に示されるように、重ね合せにした係止片を左右方向から内側に向けて押付け、補強板を両端部から圧縮することにより、前後外側にしか逃げ場のない両補強板を、それぞれ揃えられた端部を基点にして、V字形に開きながら長さの中央部を前方と後方に撓ませ、切離しによって形成された袋本体の開口部を開放することが必要になる。
【0012】
その際、補強板を開放させるに当たって撓ませた状態を保たせるため、この補強板の幅方向の途中に折曲げ線となるミシン目、あるいは線状の肉薄部を1乃至複数本縦に形成し、前記左右からの押し込みによって補強板が撓んだとき、これを契機に折り曲げ線を基準に屈曲させ、仕付けて扁平に戻るのを阻止するように形成することが必要となる。
【0013】
したがって、この濾過器は、袋本体の横幅以下の径を有する容器にしか使用することができず、袋本体の上部は、補強板に設けられる折り曲線の位置や数によって異なるものの、おおむね多角形状で、底部は扁平な状態のままであるので、注がれる熱湯とコーヒー粉末の接触は良好ではないなど、実用上解決すべき多くの課題を有している。
【0014】
この発明はかかる現状に鑑み、コーヒー粉末、茶葉等の被抽出飲料材料をフィルター製袋の中に予め納め、開封可能な開口部を閉じた状態に保って保管、持ち運びに便利にし、使用に際しては、密封された開口部を容易に開封可能とすると同時に、容器にセットする際には、上記開口部を広く開放した状態に保持して湯の注ぎ込みを容易に、かつ安全に行なえる飲料抽出バッグを提供することを目的とするものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
前記の目的を達成するためこの発明の請求項1に記載の発明は、
扁平な透水性の袋主体の表面部及び裏面部の中央部に、それぞれ帯状の固定部材を鉛直方向に設けるとともに、
この固定部材の上下の端部に、前記袋主体の幅よりも短い長さの帯状の賦形板をそれぞれ直交させて一体的に設け、
これら上下の賦形板間に、固定部材の左右の側縁部に沿って、この側縁部を支点として引き起こし可能で、かつ容器の開口縁を受け入れる係合部を有する左右一対の係止片をそれぞれ設けたこと
を特徴とする飲料抽出バッグである。
【0016】
また、この発明の請求項2に記載の発明は、
請求項1に記載の飲料抽出バッグにおいて、
前記袋主体は、
密封された上部を開口するため、上部の賦形板の上方に、一端部から他端部に至る切取線が賦形板と平行に形成されていること
を特徴とするものである。
【0017】
また、この発明の請求項3に記載の発明は、
請求項1に記載の飲料抽出バッグにおいて、
前記固定部材と上下の賦形板および係止片は、
弾性と剛性を有する1枚のシート素材に、切断線と折れ目線によって一体的に形成されたものであること
を特徴とするものである。
【0018】
また、この発明の請求項4に記載の発明は、
請求項1に記載の飲料抽出バッグにおいて、
前記固定部材と下の賦形板は、
その交点部およびその近傍部が、袋主体に固着されていないこと
を特徴とするものである。
【0019】
また、この発明の請求項5に記載の発明は、
請求項1又は4に記載の飲料抽出バッグにおいて、
前記固定部材は、
その下端部に連設された下方の賦形板の交点部に、円弧状の切欠部が形成されていること
を特徴とするものである。
【0020】
また、この発明の請求項6に記載の発明は、
請求項1に記載の飲料抽出バッグにおいて、
前記固定部材の上下の端部に一体的に設けられる賦形板は、
左右の端部同士が、それぞれ補強板によって上下が一体化され、かつ各補強板の裏面が、前記袋主体に固着されていないこと
を特徴とするものである。
【0021】
また、この発明の請求項7に記載の発明は、
請求項1に記載の飲料抽出バッグにおいて、
前記係止片は、
前記固定部材の側縁部に、それぞれ折れ目線を介して一体的に連接され、下端部の中央にそれぞれ上方に向かう切欠部を形成して係合部としていること
を特徴とするものである。
【0022】
また、この発明の請求項8に記載の発明は、
請求項1又は7に記載の飲料抽出バッグにおいて、
前記係合部は、
開口部の幅が、上方に向かって幅広となるよう形成されていること
を特徴とするものである。
【0023】
また、この発明の請求項9に記載の発明は、
請求項1又は7に記載の飲料抽出バッグにおいて、
前記係合部は、
開口部が外側に拡径する容器に適用できるよう、開口部が幅広で、かつ容器の内周面と接する部位を直線状に、容器の外周面と接する部位を上方に向かって幅狭としたこと
を特徴とするものである。
【0024】
【発明の実施の形態】
この発明の飲料抽出バッグにおいて、袋主体は、公知のものと同様に透水性の素材、例えば、織布や不織布からなる濾布や濾紙、さらには、微多孔膜と称される、無数の微細孔を有するプラスチック製フィルムなどから形成されるもので、それらを用いて、底面が形成されていない、いわゆる封筒状に、あるいは底面を有する円筒状に形成されたものであるが、製造ならびに使用の簡便性からは封筒状のものが好ましい。
【0025】
また、この袋主体には、前後の外表面に、袋主体をコーヒーカップ等の容器内に吊下げ保持するための、係合部を有する係止片と、この係止片を引き起こし自在に保持し、かつ袋主体に固着する固定部材が設けられるもので、通常、この係合片と固定部材は、所要の剛性と復元力を有する板紙、プラスチックシートなどの素材から一体物として調製され、固定部材が接着剤、ホットメルト型接着剤や溶液型接着剤で袋主体の外表面に接着接合されている。
【0026】
以下、この発明の飲料抽出バッグの好ましい実施の形態を、図面に基づいてさらに詳細に説明すると、飲料抽出バッグ1を構成する袋主体2は、扁平な横長の筒状体を所要の長さに切断し、その底部を熱シールして密封した所謂封筒状をなすもので、この袋主体2の上縁部には切取り線2aが設けられるとともに、その前面部及び後面部の各中央には、所要の幅を有する帯状の固定部材3が、接着剤を使用して上下方向に接着接合されている。
【0027】
この固定部材3は、左右の側縁部に沿って折れ目線4,4を介して、固定部材3と同質の係合片5,5をそれぞれ一体的に連設するとともに、その上端部および下端部に、固定部材3と同質で、かつ所要の幅を有し、袋主体2の幅より短い長さの帯状の賦形板7,8が、固定部材3と直交する状態で一体的に連設されたもので、固定部材3を挟んでその上下に平行に配された賦形板7,8は、固定部材3と同様に裏面は、接着剤によって袋主体2の表面に全面的に接着接合されている。
【0028】
したがって、前記の各係合片5,5を、折れ目線4,4と反対の縁部をもって引き起こせば、固定部材3を支点として引き起こすことができるもので、これら係合片5,5には、これを容器12の開口縁13に掛け止めることによって袋主体2を容器12内に保持するため、その下縁部には、逆U字状の切欠部からなる係合部6,6がそれぞれ上方に向けて形成されている。
【0029】
なお、この固定部材3と一対の係合片5,5および上下の賦形板7,8は、前面と同様に後面にも設けられるもので、前後面に設けられた各係合片5,5をそれぞれ引き起こし、前後の各係合片5,5をそれぞれ指先で摘み、左右方向に引っ張ると、その力は、固定部材3を介して上下の賦形板7,8に伝わり、これら部材と袋主体2とは全面的に接着接合されているので、袋主体2の密着していた前後の開口縁部は自然に離れて開口する。したがって、各係合片5,5に形成された係合部6,6を、図2に示すように容器12の開口縁13に係合させることによって、開口部を円形乃至円形に近い状態で開口させて袋主体2に保持させることができる。
【0030】
その際、前記固定部材3と下方の賦形板8の交点部が、袋主体2の表面に接着接合されていると、左右の係合片5,5を持って外側に広げたとき、袋主体2の底部に引張り力が直接作用し、外側に広げる力にブレーキが掛かるとともに、扁平状態で閉じられている袋主体2の底部に大きな抵抗が生じ、場合によっては、底部のシール部が破壊されるおそれがある。
【0031】
したがって、たとえば、図3に示すように、固定部材3と下方の賦形板8の交点部とその近傍部は、袋主体2に接着接合しないようにすれば、前後面に付設された係合片5,5を互いに反対方向に引っ張っても、袋主体2のシールされた底部に直接負荷が掛かることがなく、前記交点部を固着したときよりも、袋主体2の底部が上方に引き上がられ、円形に近い形状に押し広げられる。なお、図3において、斜線が描かれている部位は、接着面を示す。
【0032】
さらにその際、図3に示すように、前記固定部材3と下方の賦形板8の交点部に、円弧状の切欠部9を上方に向けて形成することによって、固定部材3の下部における応力集中をより積極的に排除し、袋主体2の底部に作用する負荷をより軽減させ、かつシールされた底部を、より円形にさせた状態でスムーズに上方に引き上げることができ、袋主体2内に収容された被抽出飲料材料と、熱湯などとの触れ合う面積を多くし、効率的な抽出が可能となる。
【0033】
かかる固定部材3、上下の賦形板7,8、係合部6を有する係合片5,5は、たとえば、所要の厚みを有し、かつ横幅が袋主体2の横幅よりも狭い矩形状の1枚の板材に、折り目線4とこれに連続する切断線とで一体物として形成することができるもので、係止片5に設ける係合部6の形成に際して生ずる部位を補強板10とし、賦形板9と一体化させるとともに、その裏面部を袋主体2に固着させることによって、袋主体2の開口をよりスムーズにさせることができる。
【0034】
また、上下の賦形板7,8の端部間をそれぞれ結合片11,11で一体的に連結させ、かつ当該結合片11の裏面を袋主体2に接着接合しないことによって、袋主体2を開口させる際、この結合片11,11が押し広げられる袋主体2の左右の側縁近傍と縦方向において当接するので、袋主体2の開口部を真円に近い状態で開口させることができるが、この飲料抽出バッグにおいては、必ずしも設ける必要はないものである。
【0035】
図4に示す飲料抽出バッグ21は、基本的な構成は図1に示すものと同じであるので、同一部位は同一符号で示すが、各係止片5,5に形成する係合部6の形状を、開口部が狭く、上方に向かって緩やかに幅広とすることによって、容器12の開口縁13と係合部6との係合をより確実なものとしたもので、固定部材3と下方の賦形板8との交点部には、円弧状の切欠部9があらかじめ形成されたものである。
【0036】
また、図5に示す飲料抽出バッグ31は、デカンターのように開口部が外側に拡がる容器12にもフィットした状態で取付けが可能なように、係止片5に形成する係合部6の形状を、容器12の開口部の内周と接する部位を直線に近く、外周と接する部位を、容器12の開口部の傾斜面に合わせ、全体形状が、開口部が幅広で、上方に至るにしたがって幅狭となるようにしたものである。
【0037】
なお、図示した袋主体2は、いずれも一人分の被抽出飲料を収容することのできる大きさとしているが、2〜3人用のものであれば、袋主体2の下部をそれなりに長くしたものを用いればよい。
【0038】
なお、この場合、固定部材3と連設する下方の賦型板8と、袋主体2の底部との間が広くなるので、係止片5,5を把持して袋主体2を左右方向に開口させても、その応力が直ちに底部に及ぶことがないので、固定部材3と下方の賦型板8の交点部及びその近傍部が袋主体2に固着されていても、底部に不要な付加が作用せず、袋主体2をスムーズに円状に開口させることができる。
【0039】
【発明の効果】
この発明の飲料抽出バッグは、扁平で透水性を有する袋主体の表裏両面の中央部に、それぞれ所要長さの帯状の固定部材を鉛直方向に貼着固定するとともに、この固定部材の上下の端部に、長さが袋主体の開口幅よりも短い帯状の賦形板を直交状態で連設して、その裏面を袋主体に貼着固定し、この上下の賦形板間において、前記固定部材の左右の側縁部に折れ目線を介して、容器の開口縁と係合する係合部を設けた係止片をそれぞれ引き起こし可能に連設しているので、前後面に付設された各一対の係止片を持って互いに反対方向に引っ張れば、袋主体の開口部が円形に近い状態で大きく開口し、係合部を容器の開口縁に係合させることによって、袋主体を安定した状態で容器に保持させることができる。
【0040】
特に、この発明の飲料抽出バッグにおいては、袋主体の前後面の中央部に固定部材を縦方向に配置し、その上下の端部に、賦形板を直交状態で連設しているので、前後面に設けられた各係止片を引き起こし、互いに反対方向に引っ張ることによって、袋主体の開口部を真円に近い円形状に開口することができ、熱湯等を注ぎ易くし、同時にシールされた扁平な底部も、下方の賦形板の作用によって上方に引き上げられ、袋主体全体を筒状に近づけることができ、被抽出飲料と熱湯等の接触効率を上げ、効率的な抽出が可能となる。
【0041】
また、前記固定部材の下端部と、この下端部に連設される賦形板との交点近傍を袋主体に接着することなくフリーな状態とする及び/又はこの交点部に弧状の切欠部を形成することによって、袋主体を円形に開口させるに際し、シールされた底部に無用な負荷を掛けずに開口させることができ、同時に底部を上方に引き上げて全体を円筒状にすることができ、効率的な抽出を行なうことができる。
【0042】
さらに、この発明の飲料抽出バッグは、固定部材の上下の端部に直交状態で連設する賦形板を、袋主体の開口幅よりも短くすることによって、袋主体を開口させた場合、側面部に不要な負荷が作用せず、固定部材や賦形板の有する弾性によって開口部の形状を、楕円形状から真円に近い円形状に変化させることができるので、径の小さい容器から径の大きな容器まで、袋主体のあらかじめ設定された開口幅の応じて複数の容器に適用が可能であるなど種々の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る飲料抽出バッグの一例を示す状態の正面図である。
【図2】図1に示す飲料抽出バッグの使用状態を示す斜視図である。
【図3】図1に示す飲料抽出バッグにおける袋主体と固定部材等との接着状態を示す説明図である。
【図4】この発明に係る飲料抽出バッグの他の例を示す状態の正面図である。
【図5】この発明に係る飲料抽出バッグのさらに他の例を示す状態の正面図である。
【符号の説明】
1 飲料抽出バッグ
2 袋主体
3 固定部材
4 折れ目線
5 係止片
6 係合部
7,8 賦形板
9 切欠部
12 容器
13 開口縁
Claims (9)
- 扁平な透水性の袋主体の表面部及び裏面部の中央部に、それぞれ帯状の固定部材を鉛直方向に設けるとともに、
この固定部材の上下の端部に、前記袋主体の幅よりも短い長さの帯状の賦形板をそれぞれ直交させて一体的に設け、
これら上下の賦形板間に、固定部材の左右の側縁部に沿って、この側縁部を支点として引き起こし可能で、かつ容器の開口縁を受け入れる係合部を有する左右一対の係止片をそれぞれ設けたこと
を特徴とする飲料抽出バッグ。 - 前記袋主体は、
密封された上部を開口するため、上部の賦形板の上方に、一端部から他端部に至る切取線が賦形板と平行に形成されていること
を特徴とする請求項1に記載の飲料抽出バッグ。 - 前記固定部材と上下の賦形板および係止片は、
弾性と剛性を有する1枚のシート素材に、切断線と折れ目線によって一体的に形成されたものであること
を特徴とする請求項1に記載の飲料抽出バッグ。 - 前記固定部材と下の賦形板は、
その交点部およびその近傍部が、袋主体に固着されていないこと
を特徴とする請求項1に記載の飲料抽出バッグ。 - 前記固定部材は、
その下端部に連設された下方の賦形板の交点部に、円弧状の切欠部が形成されていること
を特徴とする請求項1又は4に記載の飲料抽出バッグ。 - 前記固定部材の上下の端部に一体的に設けられる賦形板は、
左右の端部同士が、それぞれ補強板によって上下が一体化され、かつ各補強板の裏面が、前記袋主体に固着されていないこと
を特徴とする請求項1に記載の飲料抽出バッグ。 - 前記係止片は、
前記固定部材の側縁部に、それぞれ折れ目線を介して一体的に連接され、下端部の中央にそれぞれ上方に向かう切欠部を形成して係合部としていること
を特徴とする請求項1に記載の飲料抽出バッグ。 - 前記係合部は、
開口部の幅が、上方に向かって幅広となるよう形成されていること
を特徴とする請求項1又は7に記載の飲料抽出バッグ。 - 前記係合部は、
開口部が外側に拡径する容器に適用できるよう、開口部が幅広で、かつ容器の内周面と接する部位を直線状に、容器の外周面と接する部位を上方に向かって幅狭としたこと
を特徴とする請求項1又は7に記載の飲料抽出バッグ。
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