JP2004242610A - バチルス属に属するイノシン生産菌及びイノシンの製造法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】バチルス属細菌の集団から、6−エトキシプリンを含有する培地において良好に生育する菌株を選択し、得られた菌株からイノシン生産能が高い菌株を選択することにより、イノシン生産能が向上したバチルス属細菌を取得する。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は5’−イノシン酸の合成原料として重要な物質であるイノシンの製造法、ならびにその製造に用いられる新規微生物に関する。
【0002】
【従来の技術】
発酵法によるイノシンの生産に関しては、アデニン要求株である、またはそれにプリンアナログをはじめとする各種の薬剤に対する耐性を付与したバチルス属の微生物(特許文献1〜7)、およびブレビバクテリウム属の微生物(特許文献8、特許文献9、非特許文献1)等を用いる方法が知られている。
【0003】
このような変異株を取得するには、従来、紫外線照射やニトロソグアニジン(N−methyl−N’−nitro−N−nitrosoguanidine)処理などの変異誘起処理を行い、適当な選択培地を用いて、目的とする変異株を取得するという方法が行われてきた。一方で、遺伝子工学技術を用いた生産株の育種もバチルス属の微生物(特許文献10〜20)、およびブレビバクテリウム属の微生物(特許文献21)で行われている。具体的には、例えば、プリンオペロンのリプレッサータンパク質遺伝子(purR)が破壊されたバチルス属細菌を用いて、ヒポキサンチン、ウラシル、グアニン及びアデニン等の核酸系物質を効率よく製造する方法(特許文献20)が開示されている。
【0004】
また、バチルス・ズブチリスでは、前記リプレッサータンパク質は、プリンオペロンの遺伝子群の他に、アデニンの生合成に関与するpurA遺伝子やピリミジン生合成に関与するピリミジンオペロンの遺伝子群の発現を調節することが知られている(非特許文献2)。
【0005】
一方、エシェリヒア・コリでは、サクシニル−AMPシンターゼ遺伝子(purA)を破壊してアデニン要求性を付与することにより、プリンヌクレオシド生産能が向上することが知られている(特許文献22)。さらに、プリンヌクレオシドホスホリラーゼ遺伝子(deoD)を破壊して、イノシンおよびグアノシンのヒポキサンチンおよびグアニンへの分解を抑制することによって、プリンヌクレオシド生産能が向上することが知られている(特許文献22)。
【0006】
【特許文献1】
特公昭38−23099号公報
【特許文献2】
特公昭54−17033号公報
【特許文献3】
特公昭55−2956号公報
【特許文献4】
特公昭55−45199号公報
【特許文献5】
特公昭57−14160号公報
【特許文献6】
特公昭57−41915号公報
【特許文献7】
特開昭59−42895号公報
【特許文献8】
特公昭51−5075号公報
【特許文献9】
特公昭58−17592号公報
【特許文献10】
特開昭58−158197号公報
【特許文献11】
特開昭58−175493号公報
【特許文献12】
特開昭59−28470号公報
【特許文献13】
特開昭60−156388号公報
【特許文献14】
特開平1−27477号公報
【特許文献15】
特開平1−174385号公報
【特許文献16】
特開平3−58787号公報
【特許文献17】
特開平3−164185号公報
【特許文献18】
特開平5−84067号公報
【特許文献19】
特開平5−192164号公報
【特許文献20】
特開平11−346778号公報(米国特許第6,284,495号)
【特許文献21】
特開昭63−248394号公報
【特許文献22】
国際公開第99/03988号パンフレット
【非特許文献1】
Agric.Biol.Chem., 42, 399(1978)
【非特許文献2】
H. Zalkin等、J. Bacteriol. 179, 7394−7402, 1997
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、発酵法によってイノシンを製造するために好適な微生物を創製すること、及び同微生物を用いたイノシンの製造法を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意研究を行った結果、バチルス属細菌を、6−エトキシプリンによる生育阻害が低減されるように改変することによって、イノシン生産能を向上させることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は以下のとおりである。
(1)6−エトキシプリンによる生育阻害が低減されるように改変され、かつ、イノシン生産能を有するバチルス属細菌。
(2)前記バチルス属細菌は、バチルス属に属する親株から誘導された変異株であって、6−エトキシプリンを含有する培地で培養したときに、親株よりも生育が良好である、(1)のバチルス属細菌。
(3)培地中のエトキシプリン含有量が2000mg/Lである(2)のバチルス属細菌。
(4)前記培地が固体培地である(1)〜(3)のいずれかのバチルス属細菌。
(5)前記細菌の懸濁液を、6−エトキシプリンを含有する固体培地及び6−エトキシプリンを含有しない固体培地に塗布して培養したときに、下記式で表される相対生育度が80以上である(1)のバチルス属細菌。
【0009】
【数2】
【0010】
(6)6−エトキシプリンを含有する固体培地の6−エトキシプリン含有量が2000mg/Lである(5)のバチルス属細菌。
(7)固体培地が最小培地である(6)のバチルス属細菌。
(8)イノシンの生合成に対して負に作用する遺伝子又はイノシンの分解に関与する遺伝子であって、プリンオペロンリプレッサー遺伝子、サクシニル−AMPシンターゼ遺伝子及びプリンヌクレオシドホスホリラーゼ遺伝子から選ばれる1又は2以上の遺伝子を欠損した(1)〜(7)のいずれかのバチルス属細菌。
(9)バチルス属細菌の集団から、6−エトキシプリンを含有する培地において良好に生育する菌株を選択し、得られた菌株からイノシン生産能が高い菌株を選択する、イノシン生産能が向上したバチルス属細菌の製造法。
(10)バチルス属細菌の集団が、バチルス属に属する親株を変異処理したものである(9)の方法。
【0011】
本発明においてイノシン生産能とは、本発明のバチルス属細菌を培地に培養したときに、培地から回収することができる量のイノシン、例えばイノシン量に換算して4g/L以上の量のイノシン及びヒポキサンチンを培地中に蓄積する能力をいう。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明のバチルス属細菌は、6−エトキシプリンによる生育阻害が低減されるように改変され、かつ、イノシン生産能を有する。
【0013】
バチルス属細菌としては、バチルス・ズブチリス、バチルス・アミロリケファシエンス、バチルス・プミルス等が挙げられる。
バチルス・ズブチリスとしては、バチルス・ズブチリス168 Marburg株(ATCC6051)、バチルス・ズブチリスPY79(Plasmid, 1984, 12, 1−9)等が、バチルス・アミロリケファシエンスとしては、バチルス・アミロリケファシエンスT(ATCC23842)、及びバチルス・アミロリケファシエンスN(ATCC23845)等が挙げられる。
【0014】
本発明のバチルス属細菌は、イノシン生産能を有する菌株を、6−エトキシプリンによる生育阻害が低減されるように改変することによって取得することができる。また、本発明のバチルス属細菌は、6−エトキシプリンによる生育阻害が低減されるように改変された菌株に、イノシン生産能を付与又は向上するように改変することによっても取得することができる。
【0015】
イノシン生産能を有するバチルス属細菌は、例えば、アデニン要求性、又はさらにプリンアナログ等の薬剤に対する耐性を付与することにより、取得することができる(特公昭38−23099、特公昭54−17033、特公昭55−2956、特公昭55−45199、特公昭57−14160、特公昭57−41915、特開昭59−42895)。上記のような栄養要求性及び薬剤耐性を持つバチルス属細菌は、紫外線照射またはN−メチル−N’−ニトロ−N−ニトロソグアニジン(NTG)もしくはEMS(エチルメタンスルフォネート)等の通常変異処理に用いられている変異剤による処理によって、取得することができる。
【0016】
また、イノシン生産能を有するバチルス属細菌を育種する方法として、以下の方法が挙げられる。例えば、イノシン生合成に関与する酵素の細胞内での活性を上昇させること、具体的には、前記酵素の遺伝子の発現量を上昇させることが挙げられる。酵素の細胞内での活性を上昇させるとは、バチルス属細菌の非改変株、例えば野生型のバチルス属細菌のそれよりも高くなったことをいう。例えば、細胞当たりの酵素分子の数が増加した場合や、酵素分子当たりの比活性が上昇した場合などが該当する。
【0017】
前記イノシン生合成に関与する酵素としては、たとえばホスホリボシルピロリン酸(PRPP)アミドトランスフェラーゼ、ホスホリボシルピロリン酸(PRPP)シンセターゼ、及びアデノシンデアミナーゼ等が挙げられる。
【0018】
また、イノシン生合成に関与する酵素の調節を解除すること、具体的には例えば、前記酵素のフィードバック阻害を解除する方法が挙げられる(WO99/03988)。上記イノシン生合成に関与する酵素の調節を解除する手段としては、たとえばプリン・リプレッサーの欠失がある(米国特許第6,284,495号)。プリン・リプレッサーを欠失させるには、例えばプリン・リプレッサーをコードする遺伝子(purR;GenBank Accession No.Z99104)を破壊する方法がある。
【0019】
また、イノシン生合成から分岐して他の代謝産物にいたる反応を遮断することによっても、イノシン生産能を向上させることができる(WO99/03988)。イノシン生合成から分岐して他の代謝産物にいたる反応は、たとえばサクシニル−アデノシンモノリン酸(AMP)シンターゼ、イノシン−グアノシン・キナーゼ、6−ホスホグルコン酸デヒドラーゼ、ホスホグルコイソメラーゼ等により触媒される反応がある。サクシニル−アデノシンモノリン酸(AMP)シンターゼは、purAによってコードされている(GenBank Accession No.Z99104)。
【0020】
さらに、イノシンの細胞内へ取り込みを弱化することによっても、イノシン生産能を強化することができる。イノシンの細胞内へ取り込みは、イノシンの細胞内への取り込みに関与する反応を遮断することによって弱化することができる。上記イノシンの細胞内への取り込みに関与する反応は、たとえばヌクレオシドパーミアーゼに触媒される反応である。
【0021】
さらに、イノシン分解活性を低下又は消失させることによっても、イノシン生産能を向上させることができる(WO99/03988)。イノシン分解活性を低下又は消失させるには、例えばプリンヌクレオシドホスホリラーゼをコードする遺伝子(deoD)を破壊する方法がある。
【0022】
バチルス属細菌において、目的とする酵素の細胞内の活性を上昇させるには、同酵素をコードする遺伝子の発現を増強することによって達成される。同遺伝子の発現量の増強は、同遺伝子のコピー数を高めることによって達成される。例えば、前記酵素をコードする遺伝子断片を、バチルス属細菌で機能するベクター、好ましくはマルチコピー型のベクターと連結して組換えDNAを作製し、これをバチルス属細菌宿主に導入して形質転換すればよい。
【0023】
導入する遺伝子は、バチルス属細菌由来の遺伝子、およびバチルス属細菌で機能する限り、エシェリヒア属細菌等の他の生物由来の遺伝子のいずれも使用することができる。
【0024】
目的とする遺伝子は、例えば、バチルス属細菌の染色体DNAを鋳型とするPCR法(PCR:polymerase chain reaction; White,T.J. et al., Trends Genet. 5, 185 (1989)参照)によって、取得することができる。染色体DNAは、DNA供与体である細菌から、例えば、斎藤、三浦の方法(H. Saito and K.Miura, Biochem.B iophys. Acta, 72, 619 (1963)、生物工学実験書、日本生物工学会編、97〜98頁、培風館、1992年参照)等により調製することができる。PCR用プライマーは、バチルス属細菌の公知の遺伝子配列に基づいて、又は他の細菌等で配列が公知の遺伝子間で保存されている領域の情報に基づいて、調製することができる。
【0025】
バチルス属細菌に目的遺伝子を導入するための自律複製可能なベクターとしては、例えば、pUB110、pC194、pE194等が挙げられる。また、染色体DNAに目的遺伝子を組み込むためのベクターとしては、pHSG398(宝酒造(株))、pBluescript SK−(Stratagene)等のE. coli用ベクター等が挙げられる。
目的遺伝子とバチルス属細菌で機能するベクターを連結して組換えDNAを調製するには、目的遺伝子の末端に合うような制限酵素でベクターを切断する。連結はT4DNAリガーゼ等のリガーゼを用いて行うのが普通である。
【0026】
上記のように調製した組換えDNAをバチルス属細菌に導入するには、これまでに報告されている形質転換法に従って行えばよい。例えば、増殖段階の細胞からコンピテントセルを調製してDNAを導入する方法(Dubunau and Davidoff−Abelson, J. Mol. Biol., 56, 209 (1971); Duncan, C.H., Wilson, G.A. and Young, F.E., Gene, 1, 153 (1977))、又は、宿主細胞を、組換えDNAを容易に取り込むプロトプラストまたはスフェロプラストの状態にして組換えDNAをDNA受容菌に導入する方法(Chang,S.and Choen,S.N.,Molec. Gen. Genet., 168, 111 (1979))が挙げられる。
【0027】
目的遺伝子のコピー数を高めることは、同遺伝子をバチルス属細菌の染色体DNA上に多コピー存在させることによっても達成できる。バチルス属細菌の染色体DNA上に目的遺伝子を多コピーで導入するには、染色体DNA上に多コピー存在する配列を標的に利用して相同組換えにより行う。染色体DNA上に多コピー存在する配列としては、トランスポゾン、繰返し配列、転移因子の端部に存在するインバーテッド・リピート等が利用できる。
【0028】
目的酵素の活性の増強は、上記の遺伝子増幅による以外に、染色体DNA上またはプラスミド上の目的遺伝子のプロモーター等の発現調節配列を強力なものに置換することによっても達成される。また、国際公開WO00/18935に開示されているように、目的遺伝子のプロモーター領域に数塩基の塩基置換を導入し、より強力なものに改変することも可能である。これら発現調節配列の改変は、目的遺伝子のコピー数を高めることと組み合わせてもよい。
【0029】
発現調節配列の置換は、例えば後述の遺伝子置換と同様にして行うことができる。
バチルス属細菌の細胞内の目的酵素の活性を低下させるには、例えば、バチルス属細菌を紫外線照射またはN−メチル−N’−ニトロ−N−ニトロソグアニジン(NTG)もしくはEMS(エチルメタンスルフォネート)等の通常変異処理に用いられている変異剤によって処理し、目的酵素の活性が低下した変異株を選択する方法が挙げられる。また、目的酵素の活性が低下したバチルス属細菌は、変異処理の他に、例えば、遺伝子組換え法を用いた相同組換え法(Experiments in Molecular Genetics, Cold Spring Harbor Laboratory press (1972); Matsuyama, S. and Mizushima, S., J. Bacteriol., 162, 1196(1985))により、染色体上の目的酵素をコードする遺伝子を、正常に機能しない遺伝子(以下、「破壊型遺伝子」ということがある)で置換することによって行うことができる。
【0030】
破壊型遺伝子を、宿主染色体上の正常遺伝子と置換するには、例えば以下のようにすればよい。以下の例では、purR遺伝子を例として説明するが、他の遺伝子、例えばpurA又はdeoDについても、同様にして遺伝子破壊を行うことができる。
【0031】
相同組換えは、染色体上の配列と相同性を有する配列を持つプラスミド等が菌体内に導入されると、ある頻度で相同性を有する配列の箇所で組換えを起こし、導入されたプラスミド全体が染色体上に組み込まれる。この後さらに染色体上の相同性を有する配列の箇所で組換えを起こすと、再びプラスミドが染色体上から抜け落ちるが、この時組換えを起こす位置により破壊された遺伝子の方が染色体上に固定され、元の正常な遺伝子がプラスミドと一緒に染色体上から抜け落ちることもある。このような菌株を選択することにより、破壊型purR遺伝子が染色体上の正常なpurR遺伝子と置換された菌株を取得することができる。
【0032】
このような相同組換えによる遺伝子破壊技術は既に確立しており、直鎖DNAを用いる方法、温度感受性プラスミドを用いる方法等が利用できる。また、薬剤耐性等のマーカー遺伝子が内部に挿入されたpurR遺伝子を含み、かつ、目的とする微生物細胞内で複製できないプラスミドを用いることによっても、purR遺伝子の破壊を行うことができる。すなわち、前記プラスミドで形質転換され、薬剤耐性を獲得した形質転換体は、染色体DNA中にマーカー遺伝子が組み込まれている。このマーカー遺伝子は、その両端のpurR遺伝子配列と染色体上のpurR遺伝子との相同組換えによって組み込まれる可能性が高いため、効率よく遺伝子破壊株を選択することができる。
【0033】
遺伝子破壊に用いる破壊型purR遺伝子は、具体的には、制限酵素消化及び再結合によるpurR遺伝子の一定領域の欠失、purR遺伝子への他のDNA断片(マーカー遺伝子等)の挿入、または部位特異的変異法(Kramer, W. and Frits, H. J., Methods in Enzymology, 154, 350 (1987))や次亜硫酸ナトリウム、ヒドロキシルアミン等の化学薬剤による処理(Shortle, D. and Nathans, D., Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A., 75, 270(1978))によって、purR遺伝子のコーディング領域またはプロモーター領域等の塩基配列の中に1つまたは複数個の塩基の置換、欠失、挿入、付加または逆位を起こさせることにより、コードされるリプレッサーの活性を低下又は消失させるか、又はpurR遺伝子の転写を低下または消失させることにより、取得することができる。これらの態様の中では、制限酵素消化及び再結合によりpurR遺伝子の一定領域を欠失させる方法、又はpurR遺伝子へ他のDNA断片を挿入する方法が、確実性及び安定性の点から好ましい。
【0034】
purR遺伝子は、プリンオペロンを持つ微生物の染色体DNAから、公知のpurR遺伝子の塩基配列に基づいて作製したオリゴヌクレオチドをプライマーとするPCR法によって取得することができる。また、プリンオペロンを持つ微生物の染色体DNAライブラリーから、公知のpurR遺伝子の塩基配列に基づいて作製したオリゴヌクレオチドをプローブとするハイブリダイゼーション法によって、purR遺伝子を取得することができる。バチルス・ズブチリス168 Marburg株では、purR遺伝子の塩基配列が報告されている(GenBank accession No.D26185(コード領域は塩基番号118041〜118898)、DDBJ Accession No.Z99104(コード領域は塩基番号54439〜55296))。purR遺伝子の塩基配列及び同遺伝子によってコードされるアミノ酸配列を、配列表の配列番号11及び12に示す。
【0035】
PCRに用いるプライマーとしては、purR遺伝子を増幅することができるものであればよく、具体的には配列番号1及び配列番号2に示す塩基配列を有するオリゴヌクレオチドが挙げられる。
【0036】
同様に、purA遺伝子増幅用プライマーとしては配列番号3及び配列番号4に示す塩基配列を有するオリゴヌクレオチドが、deoD遺伝子増幅用プライマーとしては配列番号5〜8に示す塩基配列を有するオリゴヌクレオチドが挙げられる。また、purA遺伝子及びdeoD遺伝子の塩基配列は、DDBJ Accession No.Z99104として報告されている。
【0037】
purA遺伝子の塩基配列及び同遺伝子によってコードされるアミノ酸配列を、配列表の配列番号13及び14に示す。また、deoD遺伝子の塩基配列及び同遺伝子によってコードされるアミノ酸配列を、配列表の配列番号15及び16に示す。
【0038】
本発明に用いるpurR、purA及びdeoDの各遺伝子は、それぞれの破壊型遺伝子の作製に用いるため、必ずしも全長を含む必要はなく、遺伝子破壊を起こすのに必要な長さを有していればよい。また、各遺伝子の取得に用いる微生物は、同遺伝子が、遺伝子破壊株の創製に用いる微生物の相同遺伝子と相同組換えを起こす程度の相同性を有していれば特に制限されない。しかし、通常は、目的とするバチルス属細菌と同じ細菌に由来する遺伝子を用いることが好ましい。
【0039】
バチルス属細菌のpurR、purA又はdeoD遺伝子と相同組換えを起こし得るDNAとしては、配列番号12、14又は16に示すアミノ酸配列において、1若しくは数個のアミノ酸の置換、欠失、挿入、又は付加を含むアミノ酸配列をコードするDNAが挙げられる。前記「数個」は、例えば2〜50個、好ましくは、2〜30個、より好ましくは2〜10個である。
【0040】
前記バチルス属細菌のpurR、purA又はdeoD遺伝子と相同組換えを起こし得るDNAとしては具体的には、配列番号11、13又は15に示す塩基配列を有するDNAと、例えば70%以上、好ましくは80%以上、より好ましくは90%以上の相同性を有するDNAが挙げられる。より具体的には、配列番号11、13又は15に示す塩基配列を有するDNAと、ストリンジェントな条件下でハイブリダイズするDNAが挙げられる。ストリンジェントな条件としては、60℃、1×SSC,0.1%SDS、好ましくは、0.1×SSC、0.1%SDSに相当する塩濃度で洗浄が行われる条件が挙げられる。
【0041】
前記マーカー遺伝子としては、スペクチノマイシン耐性遺伝子、カナマイシン耐性遺伝子等の薬剤耐性遺伝子が挙げられる。エンテロコッカス・フェカリス(Enterococcus faecalis)由来のスペクチノマイシン耐性遺伝子は、バチルス ジェネチック ストック センター(BGSC)より市販されているエシェリヒア・コリ ECE101株から、プラスミドpDG1726を調製し、該プラスミドからカセットとして取り出すことにより、取得することができる。また、スタフィロコッカス・アウレウス(Staphylococcus aureus)のエリスロマイシン耐性遺伝子は、バチルス ジェネチック ストック センター(BGSC)より市販されているエシェリヒア・コリECE91株から、プラスミドpDG646を調製し、該プラスミドからカセットとして取り出すことにより、取得することができる。さらに、カナマイシン耐性遺伝子は、ストレプトコッカス・フェカリス(Streptococcus faecalis)由来カナマイシン耐性遺伝子を含むpDG783プラスミド(バチルス・ジェネティック・ストック・センターより市販されているエシェリヒア・コリECE94株から調製できる)を鋳型とし、配列番号9及び配列番号10に示すプライマーを用いたPCRを行うことによって、取得することができる。
【0042】
マーカー遺伝子として薬剤耐性遺伝子を用いる場合は、該遺伝子をプラスミド中のpurR遺伝子の適当な部位に挿入し、得られるプラスミドで微生物を形質転換し、薬剤耐性となった形質転換体を選択すれば、purR遺伝子破壊株が得られる。染色体上のpurR遺伝子が破壊されたことは、サザンブロッティングやPCR法により、染色体上のpurR遺伝子又はマーカー遺伝子を解析することによって、確認することができる。前記スペクチノマイシン耐性遺伝子、エリスロマイシン耐性遺伝子又はカナマイシン耐性遺伝子が染色体DNAに組み込まれたことの確認は、これらの遺伝子を増幅することができるプライマーを用いたPCRにより、行うことができる。
【0043】
次に、バチルス属細菌の6−エトキシプリンによる生育阻害の低減について説明する。バチルス属細菌は、6−エトキシプリンが培地に存在すると、生育が阻害される。すなわち、バチルス属細菌を6−エトキシプリンを含む培地で培養した場合は、6−エトキシプリンを含まない培地で培養した場合と比べて、生育しないか、又は生育が遅くなる。具体的には例えば、固体培地で一定時間培養した場合、6−エトキシプリンを含む培地では、6−エトキシプリンを含まない培地と比べて、コロニーの直径が小さくなる。これに対し、本発明のバチルス属細菌は、上記のような6−エトキシプリンによる生育阻害が低減されるように改変されたものである。
【0044】
上記のような、6−エトキシプリンによる生育阻害が減少するように改変されたバチルス属細菌は、非改変株に比べてイノシン生産能が向上する。したがって、6−エトキシプリンに対する特性は、バチルス属細菌のイノシン生産菌の育種に応用することができる。すなわち、バチルス属細菌の集団から、6−エトキシプリンを含有する培地において良好に生育する菌株を選択し、得られた菌株からイノシン生産能が高い菌株を選択することによって、イノシン生産能が向上したバチルス属細菌を製造することができる。
【0045】
本発明のバチルス属細菌は、バチルス属細菌を親株として誘導された変異株として取得することができる。変異株を取得するための変異処理としては、特に制限はなく、紫外線照射またはN−メチル−N’−ニトロ−N−ニトロソグアニジン(NTG)もしくは亜硝酸等の通常変異処理に用いられている変異剤による処理等が挙げられる。
【0046】
6−エトキシプリンによる生育阻害が低減した変異株は、例えば、6−エトキシプリンを含有する培地で培養したときに、非改変株、例えば親株よりも生育が良好な菌株として選択される。すなわち、本発明のバチルス属細菌は、親株に比べて、6−エトキシプリンに対する感受性が低減している、あるいは、6−エトキシプリンに対する耐性が向上しているということができる。
【0047】
前記培地としては、最小培地が挙げられる。最小培地としては、例えば、以下の組成を有する培地が挙げられる。グルコース20 g/L、塩化アンモニウム5 g/L、リン酸二水素カリウム4 g/L、硫酸鉄0.01 g/L、硫酸マンガン0.01 g/L、クエン酸ナトリウム0.5 g/L、pH7.0。
【0048】
尚、本明細書において最小培地は、必要に応じて生育に必須な栄養素を含んでいてもよい。例えば、イノシン生産菌の多くはアデニン要求株であり、培地には増殖に必要な程度のアデニンを含有させる。しかし、アデニン量が多過ぎると、ある種のプリンアナログでは、その生育阻害効果が減少するので、アデニン量は制限することが好ましい。具体的には、0.1 g/L程度の濃度が好ましい。
【0049】
目的とする変異株の選択、又は得られた変異株の6−エトキシプリンによる生育阻害の評価は、液体培地及び固体培地のいずれでも行うことができる。例えば、固体培地を用いる場合は、液体培地で対数増殖期又は定常期になるまで培養した変異株及び親株の培養液を培地又は食塩水などで希釈し、得られた菌体懸濁液を6−エトキシプリンを含有する固体培地に塗布し、同じ条件で変異株及び親株を培養する。培養は、通常、至適生育温度付近、例えば34℃で1〜3日間行う。そして、出現するコロニーの大きさが親株よりも大きければ、変異株は、親株よりも生育が良好であり、6−エトキシプリンによる生育阻害が低減していると評価される。培地に加えるエトキシプリンの量としては、例えば1000mg/L以上、好ましくは2000mg/L程度が挙げられる。
【0050】
また、液体培地を用いる場合は、上記と同様に培養、希釈した変異株及び親株の菌体懸濁液を6−エトキシプリンを含有する液体培地に接種し、至適生育温度付近、例えば34℃で数時間〜1日程度、好ましくは6時間程度培養する。培地に加えるエトキシプリンの量としては、例えば500mg/L以上が挙げられる。そして、親株よりも変異株の方が、少なくとも対数増殖期又は定常期のいずれかにおいて培地の光学密度(OD)又は濁度が高ければ、生育が良好であると評価される。具体的には、対数増殖期により早く到達するか、ODの最大値がより高ければ、生育はより良好である。前記対数増殖期とは、生育曲線において、細胞数が対数的に増加していく時期をいう。また、定常期とは、対数増殖期が過ぎ、分裂、増殖が停止し、細胞数の増加がみられなくなる時期をいう(生化学辞典第3版、東京化学同人)。
【0051】
尚、液体培地を用いた場合は、固体培地を用いた場合に比べて6−エトキシプリンによる生育阻害の差が検出しにくい場合がある。本発明においては、液体培地を用いたときに6−エトキシプリンによる生育阻害の差が検出できない場合であっても、固体培地を用いたときに変異株の方が親株よりも生育が良好であると評価されれば、同変異株は本発明にいう生育が良好な菌株である。
【0052】
また、変異株の懸濁液を、6−エトキシプリンを含有する固体培地及び含有しない固体培地にそれぞれ塗布し、前記と同様に培養した後に出現するコロニーの大きさを比較することによっても、6−エトキシプリンによる生育阻害の程度を評価することができる。例えば、培地中の6−エトキシプリン含有量が2000mg/Lのときに、前記数式によって算出される相対生育度は、バチルス・ズブチリス168 Marburg株由来のpurR、purA及びdeoD三重欠損株では、培養42〜45時間では約40〜60、培養48時間〜66時間では約50〜70であったが、実施例で得られた変異株では、培養42時間〜52時間で約80〜100であった。したがって、前記相対生育度を指標とすることにより、親株と比較しなくても、6−エトキシプリンによる生育阻害を評価することができる。しかし、親株の相対生育度と変異株の相対生育度を比較することによっても、6−エトキシプリンによる生育阻害を評価を行うことができる。
【0053】
上記のようにして得られる本発明のバチルス属細菌を好適な培地で培養することによって、培地中にイノシンを生成蓄積せしめることができる。
本発明に用いる培地としては、炭素源、窒素源、無機塩類、その他必要に応じてアミノ酸、ビタミン等の有機微量栄養素を含有する通常の栄養培地を用いて常法により行うことができる。合成培地または天然培地のいずれも使用可能である。培地に使用される炭素源および窒素源は培養する菌株の利用可能なものならばよい。
【0054】
炭素源としてはグルコース、グリセロール、フラクトース、シュークロース、マルトース、マンノース、ガラクトース、でんぷん加水分解物、糖蜜等の糖類が使用され、その他、酢酸、クエン酸等の有機酸等も単独あるいは他の炭素源と併用して用いられる。
【0055】
窒素源としてはアンモニア、硫酸アンモニウム、炭酸アンモニウム、塩化アンモニウム、リン酸アンモニウム、酢酸アンモニウム等のアンモニウム塩または硝酸塩等が使用される。
【0056】
有機微量栄養素としては、アミノ酸、ビタミン、脂肪酸、核酸、さらにこれらのものを含有するペプトン、カザミノ酸、酵母エキス、大豆蛋白分解物等が使用され、生育にアミノ酸等を要求する栄養要求性変異株を使用する場合には要求される栄養素を補添する事が必要である。
【0057】
無機塩類としてはリン酸塩、マグネシウム塩、カルシウム塩、鉄塩、マンガン塩等が使用される。
培養条件は、用いるバチルス属細菌の種類によるが、例えばバチルス・ズブチリスでは、発酵温度20〜50℃、pHを4〜9に制御しつつ通気培養を行う。培養中にpHが低下する場合にはアンモニアガス等のアルカリで中和する。かくして40時間〜3日間程度培養することにより、培養液中にイノシンが蓄積される。
【0058】
培養終了後、培養液中に蓄積されたイノシンを採取する方法としては公知の方法に従って行えばよい。例えば、沈殿法、またはイオン交換クロマトグラフィー等によって単離することができる。
【0059】
また、本発明に用いる微生物は、さらにヌクレオシダーゼやヌクレオチダーゼをコードする遺伝子を欠損させれば、各々に対応するヌクレオシド又はヌクレオチドを蓄積させることができ、又イノシンの要求性を付与すれば、これらの生合成系経路上の前駆体及びその関連物質を蓄積させることができる。
【0060】
さらに、本発明の方法により製造されたイノシンに、プリンヌクレオシドホスホリラーゼ又はホスホリボシルトランスフェラーゼを作用させることにより、 5’−イノシン酸が得られる。
【0061】
【実施例】
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明する。
【0062】
【実施例1】
バチルス・ズブチリス(B. subtilis 168 Marburg株; ATCC6051)由来で、プリンオペロンリプレッサー遺伝子(purR)、サクシニル−AMPシンターゼ遺伝子(purA)、プリンヌクレオシドホスホリラーゼ遺伝子(deoD)を欠損した組換え体の作製を、以下のようにして行った。
【0063】
(1)プリンオペロンリプレッサー遺伝子(purR)欠損株の取得
遺伝子データバンク(GenBank Accession No.Z99104)の情報に基づき、以下の塩基配列を有するそれぞれ28merのPCR用プライマーを作製した。
CTCAAGCTTGAAGTTGCGATGATCAAAA(配列番号1)
CTCCTGCAGACATATTGTTGACGATAAT(配列番号2)
【0064】
B. subtilis 168 Marburg株の染色体DNAを鋳型とし、上記プライマーを用いてPCR(94℃, 30秒; 55℃, 1分; 72℃, 1分; 30サイクル; Gene Amp PCR System Model 9600(パーキンエルマー社製))を行い、SD−ATGと翻訳終止コドンをカバーするpurR遺伝子領域の約0.9 kbの増幅断片を得た。
【0065】
前記PCR用プライマーの5’末端側には、HindIIIサイトとPstIサイトが、それぞれデザインされている。PCR増幅断片を、HindIIIとPstIで処理し、その後、同じ制限酵素で切断したE. coli 内で複製可能なpHSG398ベクター(宝酒造社製)と、T4 DNAリガーゼを用いて連結させ、pHSG398BSPRプラスミドを得た。
【0066】
purR構造遺伝子内にそれぞれ唯一存在するEcoRVサイトとHincIIサイト間の約0.3 kbの内部配列を、pHSG398BSPRプラスミドからEcoRV及びHincII処理により除去した。その後、この制限酵素サイト間に、pDG1726プラスミド(バチルス・ジェネティック・ストック・センター(Bacillus Genetic Stock Center, The Ohio State University, Department of Biochemistry(484 West Twelfth Avenue, Columbus, Ohio 43210 USA)より市販されているエシェリヒア・コリ ECE101株から調製できる)上にクローニングされたエンテロコッカス・フェカリス(Enterococcus faecalis)由来のスペクチノマイシン耐性遺伝子(1.2 kb)をEcoRV−HincII断片として切り出し、これを挿入した。
【0067】
得られたプラスミドpHSG398purR::spcを用いて、DubunauとDavidoff−Abelsonの方法(J. Mol. Biol., 56, 209 (1971))により調製したB. subtilis 168 Marburg株のコンピテントセルを形質転換し、100 μg/mlのスペクチノマイシンを含むLB(トリプトン10 g/L、酵母エキス5 g/L、NaCl 10 g/L、pH7)寒天プレート上で生育するコロニーを取得した。これらのコロニーから染色体DNAを調製し、上記のPCR法により、染色体上のpurR遺伝子が、内部がスペクチノマイシン耐性遺伝子で置換されたpurR遺伝子(purR::spc)と2回組換えにより置換された菌株を同定した。このようにして得られた組換え株の内の一株をKMBS4と名づけた。
【0068】
(2)サクシニル−AMPシンターゼ遺伝子(purA)欠損株の取得
遺伝子データバンク (GenBank Accession No.Z99104)の情報に基づき、以下の塩基配列を有するそれぞれ29merのPCR用プライマーを作製した。
CTCGTCGACAAAACGAATGGAAGCGAACG(配列番号3)
CTCGCATGCAGACCAACTTATATGCGGCT(配列番号4)
【0069】
B. subtilis 168 Marburg株の染色体DNAを鋳型とし、上記プライマーを用いてPCR(94℃, 30秒; 55℃, 1分; 72℃, 2分; 30サイクル; Gene Amp PCR System Model 9600(パーキンエルマー社製))を行い、SD−ATGと翻訳終止コドンをカバーするpurA遺伝子領域の約1.5 kbの増幅断片を得た。
【0070】
PCR用プライマーの5’末端側には、SalIサイトとSphIサイトがそれぞれデザインされている。PCR増幅断片をSalIとSphIで処理し、同じ制限酵素で切断したE. coli内で複製可能なpSTV28ベクター(宝酒造社製)と、T4 DNAリガーゼで連結させ、pSTV28BSPAプラスミドを得た。
【0071】
purA構造遺伝子内にそれぞれ唯一存在するMluIサイトとBglIIサイト間の約0.4 kbの内部配列を、pSTV28BSPAプラスミドからMluI及びBglII処理により除去し、プラスミド骨格を含むDNA断片の両末端をKlenow fragmentにより平滑化した。このDNA断片に、pDG646プラスミド(バチルス・ジェネティック・ストック・センターより市販されているエシェリヒア・コリ 株から調製できる)上にクローニングされたスタフィロコッカス・アウレウス(Staphylococcus aureus)由来のエリスロマイシン耐性遺伝子(1.6 kb)をHindIII処理により切り出し、両末端をKlenow fragmentにより平滑化したDNA断片を、T4 DNAリガーゼを用いて連結させた。
【0072】
得られたプラスミドpSTV28purA::ermを用いて、DubunauとDavidoff−Abelsonの方法(J. Mol. Biol., 56, 209 (1971))により調製したKMBS4株のコンピテントセルを形質転換し、0.1 μg/mlのエリスロマイシンと125 μg/mlのリンコマイシンを含むLB寒天プレート上で生育するコロニーを取得した。これらのコロニーから染色体DNAを調製し、上記のPCR法により、染色体上のpurA遺伝子が、内部がエリスロマイシン耐性遺伝子で置換されたpurA遺伝子(purA::erm)と2回組換えにより置換した菌株(purR::spc, purA::erm)を同定した。このようにして得られた組換え株はアデニン要求株となっており、これらの内の一株をKMBS13と名づけた。
【0073】
(3)プリンヌクレオシドホスホリラーゼ遺伝子(deoD)欠損株の取得
(i)deoDの5’側領域のクローニング
遺伝子データバンク(GenBank Accession No.Z99104)の情報に基づき、以下の塩基配列を有する、それぞれ29 mer、28 merのPCR用プライマーを作製した。
CTCGAATTCCAGCGGAATATTCTTTCCCG(配列番号5)
CTCGGATCCCGGCAAAAGCACAGTATCC(配列番号6)
【0074】
B. subtilis 168 Marburg株の染色体DNAを鋳型とし、上記プライマーを用いてPCR(94℃, 30秒; 55℃, 1分; 72℃, 1分; 30サイクル; Gene Amp PCR System Model 9600(パーキンエルマー社製))を行い、deoD遺伝子翻訳開始コドン上流の約310 bpとその下流約60 bpを含む増幅断片を得た。
【0075】
PCR用プライマーの5’末端側には、EcoRIサイトとBamHIサイトがそれぞれデザインされている。PCR増幅断片をEcoRIとBamHIで処理し、同じ制限酵素で切断したpSTV28ベクター(宝酒造社製)と、T4 DNAリガーゼを用いて連結させ、pSTV28DONプラスミドを得た。
【0076】
(ii)deoDの3’側領域のクローニング
遺伝子データバンク(GenBank Accession No.Z99104)の情報に基づき、以下の塩基配列を有する、それぞれ29 mer、28 merのPCR用プライマーを作製した。
CTCAAGCTTATGGTTTCCAGACCATCGACT(配列番号7)
CTCGGATCCCATGATATGATAGAAGTGG(配列番号8)
【0077】
B. subtilis 168 Marburg株の染色体DNAを鋳型とし、上記プライマーを用いてPCR(94℃, 30秒; 55℃, 1分; 72℃, 1分; 30サイクル; Gene Amp PCR System Model 9600(パーキンエルマー社製))を行い、deoD遺伝子翻訳終止コドン上流の約40 bpとその下流約320 bpを含む増幅断片を得た。
【0078】
PCR用プライマーの5’末端側には、HindIIIサイトと BamHIサイトがそれぞれデザインされている。PCR増幅断片をHindIIIとBamHIで処理し、同じ制限酵素で切断したpSTV28DONプラスミドと、T4 DNAリガーゼで連結させ、pSTV28DONCプラスミドを得た。
【0079】
(iii)deoDへのカナマイシン耐性遺伝子の挿入
遺伝子データバンク (GenBank Accession No.V01547)の情報に基づき、以下の塩基配列を有するそれぞれ33 merのPCR用プライマーを作製した。
CTCGGATCCGAGGTGATAGGTAAGATTATACCG(配列番号9)
CTCGGATCCGGCGCTCGGGACCCCTATCTAGCG(配列番号10)
【0080】
Streptococcus faecalis由来カナマイシン耐性遺伝子を含むpDG783プラスミド(バチルス・ジェネティック・ストック・センター)を鋳型とし、上記プライマーを用いてPCR(94℃, 30秒; 55℃, 1分; 72 ℃, 1分; 30サイクル; Gene Amp PCR System Model 9600(パーキンエルマー社製))を行い、SD−ATGと翻訳終止コドンをカバーするカナマイシン耐性遺伝子領域の約1.5 kbの増幅断片を得た。
【0081】
PCR用プライマーの5’末端側には、BamHIサイトがそれぞれデザインされている。PCR増幅断片をBamHIで処理し、pSTV28DONCプラスミドに唯一存在するBamHI部位に挿入した。
【0082】
得られたプラスミドpSTV28deoD::kanを用いて、DubunauとDavidoff−Abelsonの方法(J. Mol. Biol., 56, 209(1971))により調製したKMBS13株のコンピテントセルを形質転換し、5 μg/mlのカナマイシンを含むLB寒天プレート上で生育するコロニーを取得した。これらのコロニーから染色体DNAを調製し、配列番号5と7のプライマーを用いて上記と同様にしてPCRを行い、染色体上のdeoD遺伝子が、内部がカナマイシン耐性遺伝子で置換されたdeoD遺伝子(deoD::kan)と2回組換えにより置換した菌株(purR::spc purA::erm deoD::kan)を同定した。このようにして得られた2回組換え株の内の一株を、KMBS16と名づけた。
【0083】
【実施例2】6−エトキシプリン耐性株の選択
(1)6−エトキシプリン耐性株のスクリーニング
プリンオペロンリプレッサー遺伝子 (purR)、サクシニル−AMPシンターゼ遺伝子 (purA)、プリンヌクレオシドホスホリラーゼ遺伝子 (deoD)を欠損した、バチルス・ズブチルス組換え株KMBS16を、400 μg/mlのニトロソグアニジン(NTG)で30分間、37℃で処理した。次に、そのNTG処理菌体液を、2000 mg/Lの6−エトキシプリンを含む最小培地(グルコース20 g/L、塩化アンモニウム5 g/L、リン酸二水素カリウム4 g/L、硫酸鉄0.01 g/L、硫酸マンガン0.01 g/L、クエン酸ナトリウム0.5 g/L、L−グルタミン酸 1.0 g/L、アデニン0.1 g/L、トリプトファン 50 mg/L、pH7.0))プレート上にひろげて、37℃で24時間培養した。2000 mg/Lの6−エトキシプリンを含むプレート上で生育が良かったコロニーの中から、10株を選択し、EP1〜EP10株と名づけた。EP1株は、プライベート・ナンバーAJ13937が付与された。同株は、2001年12月25日付けで独立行政法人 産業技術総合研究所 特許生物寄託センター(〒305−8566 日本国茨城県つくば市東1丁目1番地1中央第6)に寄託され、受託番号FERM P−18665が付与されている。
【0084】
尚、上記のようにして得られたエトキシプリン耐性株について、公知のイノシン生産菌の育種に用いられてきた種々の薬剤に対する耐性を調べた結果、親株と同様の傾向を示した。
【0085】
(2)6−エトキシプリン耐性度の検定
上記のようにして得られた変異株の6−エトキシプリン耐性度を詳細に検討した。親株および変異株はアデニン要求株であり、用いる薬剤がプリンアナログであることから、最小培地に添加するアデニン量を最低必要レベル(本実施例では2 mg/L)に制限した。
【0086】
6−エトキシプリン耐性株(EP1株及びEP2株)および親株であるKMBS16を最小液体培地に植菌し、34℃で一晩培養した。培養液から遠心分離により菌体を分離し、最小培地を用いて3回洗浄し、再び同培地に再懸濁した。同培地で適当に希釈し、最小培地プレートおよび2000 mg/Lの6−エトキシプリンを含む最小培地プレート上にひろげて34℃で培養した。24時間後、EP1株及びEP2株では微小コロニーが確認されたが、親株であるKMBS16では確認できなかった。その後も培養を継続し、48時間目から66時間目までいくつかのシングルコロニーの直径を測定した。それぞれの菌株で、コロニー直径の平均値を計算し、前記数式にもとづき相対生育度を算出した。
【0087】
上記のようにして測定されたコロニーの直径及び相対生育度を、表1〜3に示す。表中、「−」はコロニーが確認できなかったことを、「±」はコロニーが不明瞭であり、直径が測定できなかったことを、各々示す。
【0088】
【表1】
【0089】
【表2】
【0090】
【表3】
【0091】
【実施例3】6−エトキシプリン耐性株のプリン系核酸生産
6−エトキシプリン耐性株(EP1株)および親株であるKMBS16を、LB培地プレート上にまんべんなく塗布し、37℃で一晩培養した。1/6プレート分の菌体を、500ml容の坂口フラスコ中の発酵培地20mlに接種し、その後、炭酸カルシウムを50 g/Lとなるように加えて、37℃で振とう培養した。培養開始後、経時的にサンプリングし、培養液中に含まれるイノシンおよびヒポキサンチン量を公知の方法で測定した。すべての6−エトキシプリン耐性株のイノシンおよびヒポキサンチン蓄積は、親株であるKMBS16株のそれよりも高かった。代表例として、42時間後に測定した結果を示した(図1)。
【0092】
[発酵培地組成]
グルコース 80 g/L
KH2PO4 1 g/L
NH4Cl 32 g/L
豆濃(T−N)* 1.35 g/L
DL−メチオニン 0.3 g/L
L−トリプトファン 0.02 g/L
アデニン 0.1 g/L
MgSO4 0.4 g/L
FeSO4 0.01 g/L
MnSO4 0.01 g/L
GD113 0.01 ml/L
(KOHでpH 7.0に調製)
炭酸カルシウム 50 g/L
*:蛋白加水分解物
【発明の効果】
本発明により、イノシン生産能を有する微生物、及び同微生物を用いたイノシンの製造法が提供される。
【0093】
【配列表】
【図面の簡単な説明】
【図1】6−エトキシプリン耐性株のイノシン(HxR)及びヒポキサンチン(Hyp)生産量を示す図。
Claims (10)
- 6−エトキシプリンによる生育阻害が低減されるように改変され、かつ、イノシン生産能を有するバチルス属細菌。
- 前記バチルス属細菌は、バチルス属に属する親株から誘導された変異株であって、6−エトキシプリンを含有する培地で培養したときに、親株よりも生育が良好である、請求項1記載のバチルス属細菌。
- 培地中のエトキシプリン含有量が2000mg/Lである請求項2記載のバチルス属細菌。
- 前記培地が固体培地である請求項1〜3のいずれか一項に記載のバチルス属細菌。
- 6−エトキシプリンを含有する固体培地の6−エトキシプリン含有量が2000mg/Lである請求項5記載のバチルス属細菌。
- 固体培地が最小培地である請求項6記載のバチルス属細菌。
- イノシンの生合成に対して負に作用する遺伝子又はイノシンの分解に関与する遺伝子であって、プリンオペロンリプレッサー遺伝子、サクシニル−AMPシンターゼ遺伝子及びプリンヌクレオシドホスホリラーゼ遺伝子から選ばれる1又は2以上の遺伝子を欠損した請求項1〜7のいずれか一項に記載のバチルス属細菌。
- バチルス属細菌の集団から、6−エトキシプリンを含有する培地において良好に生育する菌株を選択し、得られた菌株からイノシン生産能が高い菌株を選択する、イノシン生産能が向上したバチルス属細菌の製造法。
- バチルス属細菌の集団が、バチルス属に属する親株を変異処理したものである請求項9記載の方法。
Priority Applications (7)
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---|---|---|---|
JP2003037760A JP4352716B2 (ja) | 2003-02-17 | 2003-02-17 | バチルス属に属するイノシン生産菌及びイノシンの製造法 |
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